JP4466165B2 - 時計 - Google Patents
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Description
この特許文献1に開示された電子時計では、それぞれ導電性を有する巻真および裏蓋の両方に接触する導電板を設け、この導電板の作用により、巻真を回転操作する際に、人体や衣服に帯電した静電気を巻真から裏蓋へ逃がし、巻真を通じて静電気が内部に進入しても、静電気がICに到達しないようになっている。
さらに、回転錘が備わった発電時計、あるいは電子制御機械時計においては、裏蓋と巻真の間で回転錘が回転するため、導電板を巻真に接続させることは可能であるが、裏蓋に接続させることができないという問題がある。
それぞれ導電性を有する地板および外部操作部材と、前記外部操作部材を案内する案内部材とを備え、前記案内部材は、導電性を有するとともに、前記地板に接触し、前記外部操作部材は、前記地板と前記案内部材とで囲まれ、かつ前記地板及び前記案内部材の少なくとも一方に電気的に接続されることを特徴とする。
なお、ここでの外部操作部材とは、外部から指針の時刻等の修正を行う巻真、またはクロノグラフ機能に代表される多機能時計にあっては、指針の回転、停止を操作する操作ボタン等である。
なお、ここでの案内部材とは、例えば、外部操作部材が巻真である場合では、この巻真を覆う巻真受等の部材であり、もとより時計に一般的に用いられる部材である。
また、電気的な接続方法としては、前記外部操作部材を直接、地板や案内部材に接触させてもよいが、外部操作部材と地板や案内部材とのギャップを極端に狭くすることで、静電気がスパークすること等により、わずかな空気層を伝搬して前記地板や案内部材へ逃げる構造でもよい。この場合でも、電気的に接続されているといえる。
このような本発明によれば、外部操作部材からの静電気は、案内部材を介して、あるいは直接、地板に流れるようになる。そして、これらの案内部材および地板により外部操作部材が囲まれているため、静電気が速やかに地板に流れるようになり、集積回路等が確実に保護される。
この際、外部操作部材および地板は直接、あるいは案内部材を介して電気的に接続されるので、従来のような導電板は不要であり、コストアップとなる心配もない。
そして、導電板を用いずに、静電気を静電容量の大きい地板に逃がすので、回転錘を備えた時計においても、本発明を何ら支障なく適用可能である。
また、上記の極小のギャップを使用すると、静電気除去を図りながら、時計の薄型化を実現することができる。
なお、ここでの潤滑層とは、例えば、防錆潤滑オイル等と導電性粒子の混合剤の層である。また、導電性粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、カーボン、炭素、黒鉛を用いることができる。
このような発明によれば、外部操作部材と地板または案内部材とにおいて、大きい静電容量を有する地板との間に導電性の潤滑層を形成することにより、例えば、導電性粒子が、オイルの表面張力につられて、外部操作部材と地板とのギャップ、あるいは外部操作部材と案内部材のギャップの狭い所に向かって集まり、さらに、導電粒子が外部操作部材の表面や、地板表面、案内部材表面の凹凸に入り込み、互いの導電面積を拡大する。
また、潤滑層は、外部操作部材と地板または案内部材との間に、前述のオイルを注油することで形成されるため、外部操作部材や地板に特別な加工を施す必要がなく、従来のオイルに導電粒子を加えるだけで簡単に静電気が除去される。さらに、潤滑層は、外部操作部材に係合される他の部材にも使用されることになるため、これらの部材に帯電された静電気をも簡単に除去できる。
なお、ここでの半導体とは、単結晶半導体、多結晶半導体、アモルファス半導体である。
このような本発明によれば、従来のようなバルクの半導体ではなく、絶縁膜上に半導体を形成した薄膜半導体を使用するので、集積回路は低消費電力駆動が可能となり、省エネルギ化が促進される。
このような本発明によれば、集積回路に影響を及ぼそうとする静電気は、集積回路の例えばグランド(GND)ラインを通って地板に逃げるので、静電気による誤動作、破壊が防止される。さらに、グランドを共通にすることにより、集積回路の基準電位が安定し、より誤動作しにくくなる。
このような本発明によれば、電子回路形成部材を平面的に重ならない位置に配置することにより、静電気は電子回路形成部材上の集積回路に流れず、静電容量の大きい地板により確実に流れるようになり、静電気に対する耐静電気特性が一層向上する。
このような本発明によれば、外部操作部材からの静電気は、駆動体を構成する地板を通して、外装ケースに流れ、この外装ケースから速やかに外部へ流れるため、地板の静電容量を超えて静電気が帯電することがなくなり、耐静電気特性がより一層向上する。
図1は、本実施形態に係る電子制御式機械時計1に用いられるムーブメント(駆動体)の概略を示す平面図。図2は、ムーブメントの断面図。図3は、ムーブメントの要部を示す断面図であり、図2のIII−III線断面図である。
外装ケース10、地板20、巻真30、および巻真受40は、導電性を有する材料からなる。導電性材料としては、ステンレス、金、チタン材等の金属材料が採用される。この中で地板20は、やはり導電性材料からなる保持部材21により、外装ケース10の内周面11に保持されているとともに、この保持部材21を介して外装ケース10との電気的な接続がなされている。
なお、このような電気的な接続とは、わずかな空気層を介して電気接続された構造でもよい。つまり、本実施形態の場合でいえば、先端部31と接合孔24との間に僅かな隙間があって、静電気がスパークして流れるような場合にも電気的な接続といえる。
このような巻真受40は、巻真30を地板20とで囲うように断面凹状の溝41を有している。溝41の図中上方の上面と、巻真30の大径部32の外周面とは、絶えず接触しており、電気的に接続されている。
ただし、ここでの電気的な接続についても、前述した通り、静電気が伝搬する程度の隙間があっても、接触していると見なされる。
また、電子回路80は、フレキシブルプリント基板83に挿入されたねじ22により地板20に位置決め固定され、さらに前記ねじ22をフレキシブルプリント基板83のグランドパターンと接続させることにより、電子回路80のマイナス電位が地板20に確実に落ちることになり、これにより、地板20、巻真30、巻真受40、および電子回路80のグランドラインが同じ電位となる。
図2において、竜頭から巻真30を通して侵入した静電気またはパッキン13で発生した静電気は、巻真30を伝わりながらムーブメント内に伝わる。巻真30の先端部31は、絶えず接合孔24と接触し、また、大径部32は巻真受40の溝41と絶えず接触していることから、巻真30の静電気は、巻真受40、地板20、保持部材21、およびケース10を経由する導通経路を通ってケース外部へ排除される。
さらに、つづみ車37、きち車33、丸穴車34といった部材に蓄えられた静電気も、巻真30に直接または間接的に接触していることと、導電性を有した潤滑層23とにより、より確実に巻真30側に流れたり、地板20に潤滑層23を介して流れやすくなり、ケース10外部へ排除される。
(1)電子制御式機械時計1では常時、巻真30の先端部31が接合孔24を介して大容量の地板20と電気的に接続されていたり、巻真30の大径部32が巻真受40の溝41と接触し、この巻真受40を介して地板20に電気的に接続されているので、たとえ巻真30からムーブメント内部に静電気が入っても、この静電気を巻真30から地板20に速やかに伝達でき、除去できる。これにより電子回路80へ静電気は流れるのを防止でき、IC81の誤動作等を抑制できる。
この際、巻真30と地板20、巻真受40とは直接的に接続されるので、従来のような導電板を不要にでき、コストアップとなる心配もない。そして、導電板を用いずに、静電気を地板20に逃がすので、回転錘を備えた時計においても、本発明を何ら支障なく適用できる。
しかも、潤滑層23は、従来の潤滑油に導電性粒子を加えるだけで、簡単に形成できるというメリットもある。この導電性粒子の形状が、特に球形である場合には、巻真30によって手巻き等の行う場合の操作トルクを軽減することができるから、操作性も向上される。
例えば、前記実施形態では、外装ケース10、地板20、巻真受40などは、これ全体が導電性を有する材料で形成されていたが、巻真30と接触する接触部分や、その他の接触部分、さらに、互いの接触部分などが導電性材料で形成すればよく、部材全体が導電性を有している必要はない。
従って、上記に開示した形状、材質など限定した記載は、本発明の理解を容易にするための例示的に記載したいものであり、本発明を限定するものではないから、それら形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 半導体素子を用いた集積回路により駆動制御される時計であって、
それぞれ導電性を有する地板および外部操作部材と、
前記外部操作部材を案内する案内部材とを備え、
前記案内部材は、導電性を有するとともに、前記地板に接触し、
前記外部操作部材は、前記地板と前記案内部材とで囲まれ、かつ前記地板及び前記案内部材の少なくとも一方に電気的に接続される
ことを特徴とする時計。 - 請求項1に記載の時計において、
前記外部操作部材と前記地板または前記案内部材との間には、導電性を有する潤滑層が形成されている
ことを特徴とする時計。 - 請求項1または請求項2に記載の時計において、
前記半導体素子は、絶縁膜上に半導体を形成した構造の集積回路である
ことを特徴とする時計。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の時計において、
前記地板の電位と前記集積回路の基準電位とが等しい
ことを特徴とする時計。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の時計において、
前記集積回路を含む電子回路形成部材と前記外部操作部材とが、平面的に重ならない位置に配置されている
ことを特徴とする時計。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の時計において、
導電性を有する外装ケースを備えているとともに、この外装ケース内には、前記地板を含んで構成される駆動体が収容され、前記外装ケースと前記駆動体の前記地板とが電気的に導通されている
ことを特徴とする時計。
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