JP4461733B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPあるいはパネルと略記する)は、大画面、薄型、軽量であることを特徴とする視認性に優れた表示デバイスである。PDPの放電方式としてはAC型とDC型とがあり、電極構造としては3電極面放電型と対向放電型とがある。しかし現在は、高精細化に適し、しかも製造の容易なことからAC型かつ面放電型であるAC型3電極PDPが主流となっている。
AC型3電極PDPは、一般に、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルを形成してなる。前面板は、走査電極と維持電極とからなる表示電極が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁がそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向、密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でRGB各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う、いわゆるサブフィールド法が一般的である。ここで、各サブフィールドは初期化期間、書込み期間および維持期間をもつ。
初期化期間では、すべての放電セルで一斉に初期化放電を行い、それ以前の個々の放電セルに対する壁電荷の履歴を消すとともに、つづく書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。加えて、書込み放電を安定して発生させるためのプライミング(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きをもつ。
書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加し、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を起こし、選択的な壁電荷形成を行う。
つづく維持期間では、走査電極と維持電極との間に所定の回数の維持パルスを印加し、書込み放電による壁電荷形成を行った放電セルを選択的に放電させ発光させる。
このように、画像を正しく表示するためには書込み期間における選択的な書込み放電を確実に行うことが重要であるが、回路構成上の制約から書込みパルスに高い電圧が使えないこと、データ電極上に形成された蛍光体層が放電を起こり難くしていること等、書込み放電に関しては放電遅れを大きくする要因が多い。したがって、書込み放電を安定して発生させるためのプライミングが非常に重要となる。
しかしながら、放電によって生じるプライミングは時間の経過とともに急速に減少する。そのため、上述したパネルの駆動方法において、初期化放電から長い時間が経過した書込み放電に対しては初期化放電で生じたプライミングが不足し放電遅れが大きくなり、書込み動作が不安定になって画像表示品質が低下するといった課題があった。あるいは、書込み動作を安定して行うために書込み時間を長く設定し、書込み期間に費やす時間が大きくなりすぎるといった課題があった。
これらの課題を解決するために、パネルに補助放電電極を設け補助放電によって生じたプライミングを用いて放電遅れを小さくするパネルとその駆動方法が提案されている(たとえば特許文献1)。
特開2002−297091号公報
これらプライミング電極を有するパネルおよびその駆動方法は、書込み放電における放電遅れを小さくし書込み動作を安定して行うためのものである。しかしながら、これらプライミング電極を有する放電セルを正確に駆動するためには、走査電極、維持電極、データ電極に対する壁電荷だけでなく、プライミング電極に対する壁電荷をも正確に制御しなければならない。特に、データ電極の初期化に関しては、元来、データ電極上に形成された蛍光体層が放電遅れを大きくするため不安定な放電になりやすいが、さらにプライミング電極の初期化放電と干渉して誤放電を発生しやすくなるという課題があった。
現在、PDPの高精細度化にともない放電セルが微細化する傾向にあるが、このとき各電極間の距離も短くなるため、上述した放電の相互干渉がさらに生じやすくなり、今後この課題が一層大きくなることが懸念される。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、電極間の相互干渉のない安定した初期化放電が可能となるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、データ電極が陰極となる初期化放電を発生させる前にプライミング電極と走査電極との間でプライミング電極が陰極となる初期化放電を発生させることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、電極間の相互干渉のない安定した初期化放電が可能となるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、前面基板に形成され互いに平行に配置された複数の走査電極および複数の維持電極と、前記前面基板に放電空間を挟んで対向配置された背面基板に形成され前記走査電極と交差する方向に配置された複数のデータ電極と、前記背面基板に前記データ電極と直交する方向に形成され前記走査電極とプライミング空間を挟んで対向するように配置される複数のプライミング電極とを有し、前記走査電極および維持電極と前記データ電極とにより複数の放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、1フィールド期間は複数のサブフィールドで構成するとともに、前記サブフィールドは、前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる初期化期間と、前記走査電極に順次走査パルスを印加するとともに前記データ電極に表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加して選択的に放電セルで書込み放電を起こす書込み期間と、選択した放電セルの走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させる維持期間とを有し、かつ前記データ電極、維持電極およびプライミング電極をそれぞれ0(V)に保持して前記走査電極に放電開始電圧を超える電圧を印加することにより前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる初期化期間を有するサブフィールドにおいて、前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる前に、前記プライミング電極と前記走査電極との間で前記プライミング電極に負の電圧を印加することによりプライミング電極が陰極となる初期化放電を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法である。
また、請求項に記載の発明は、請求項1において、前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる初期化期間を有するサブフィールドの1つ前のサブフィールドにおいて、前記走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加する維持期間内に、前記プライミング電極に負の電圧を印加することにより前記プライミング電極が陰極となる初期化放電を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法である。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に用いられるプラズマディスプレイパネルの一例を示す断面図であり、図2は同パネルの背面基板側の構造を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、ガラス製の前面基板1と背面基板2とが放電空間を挟んで対向配置され、放電空間には放電によって紫外線を放射するネオンおよびキセノンの混合ガスが封入されている。
前面基板1上には、走査電極6と維持電極7とが互いに平行に対をなして複数形成されている。このとき、維持電極7−走査電極6−走査電極6−維持電極7−・・・となるように2本ずつ交互に配列されている。走査電極6と維持電極7はそれぞれ透明電極6a、7aと、透明電極6a、7a上に形成された金属母線6b、7bとから構成されている。ここで、走査電極6−走査電極6間、および維持電極7−維持電極7間には黒色材料からなる光吸収層8が設けられている。そして、走査電極6のうち、一方の走査電極6の金属母線6bの突出部分6b’は光吸収層8上にまで突出して形成されている。そして、これらの走査電極6、維持電極7および光吸収層8とを覆うように誘電体層4および保護層5が形成されている。
背面基板2上には、データ電極9が互いに平行に複数形成され、このデータ電極9を覆うように誘電体層15が形成され、さらにその上に放電セル11を区画するための隔壁10が形成されている。隔壁10は、図2に示すように、データ電極9と平行な方向に延びる縦壁部10aと、放電セル11を形成しかつ放電セル11の間に隙間部13を形成する横壁部10bとで構成されている。そして、隙間部13のうち1つおきにプライミング電極14がデータ電極9と直交する方向に形成され、プライミング空間13aを構成している。そして、隔壁10により区画された放電セル11に対応する誘電体層15の表面と隔壁10の側面とに蛍光体層12が設けられている。ただし、隙間部13側には蛍光体層12は設けていない。
前面基板1と背面基板2を対向配置し封着する際、前面基板1上に形成された走査電極6の金属母線6bのうち光吸収層8上に突出した突出部分6b’が背面基板2上に形成されたプライミング電極14と平行にかつプライミング空間13aを挟んで対向するように位置合わせする。すなわち、図1、図2に示したパネルは、前面基板1側に形成された突出部分6b’と、背面基板2側に形成されたプライミング電極14との間でプライミング放電を行う構成となっている。
なお、図1、図2にはプライミング電極14を覆うようにさらに誘電体層16が形成されているが、この誘電体層16は形成しなくてもよい。
図3は本発明の実施の形態に用いられるプラズマディスプレイパネルの電極配列図である。列方向にm列のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極9)が配列され、行方向にn行の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極6)とn行の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極7)とが維持電極SU1−走査電極SC1−走査電極SC2−維持電極SU2−・・・となるように2本ずつ交互に配列されている。そして、本発明の実施の形態においては奇数行目の走査電極SC1、SC3、・・・の突出部分と対向するようにn/2行のプライミング電極PR1、PR3、・・・(図1のプライミング電極14)が配列されている。
そして、1対の走査電極SCi、維持電極SUi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とを含む放電セルCi,j(図1の放電セル11)が放電空間内にm×n個形成され、走査電極SCp(p=奇数)の突出部分とプライミング電極PRpとを含むプライミング空間PSp(図1のプライミング空間13a)がn/2行形成されている。
次に、プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動波形とそのタイミングについて説明する。
図4は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法の駆動波形図である。なお本発明の実施の形態においては、1フィールド期間が初期化期間、書込み期間、維持期間を有する複数のサブフィールドから構成され、初期化期間は画像表示にかかわる全放電セルを初期化動作させる全セル初期化期間を有するサブフィールドであるものとして説明する。初期化期間を便宜上3つに分けてプライミング部、前半部、後半部と呼ぶことにする。
初期化期間プライミング部では、データ電極D1〜Dmおよび維持電極SU1〜SUnをそれぞれ0(V)に保持し、プライミング電極PR1〜PRnには負の電圧Vrを印加し、走査電極SC1〜SCnにはプライミング電極PR1〜PRnに対して放電開始電圧を超えるが維持電極SU1〜SUnおよびデータ電極D1〜Dmに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1を印加する。このとき、走査電極SC1〜SCnとプライミング電極PR1〜PRnとの間で、プライミング電極PR 1 〜PR n が陰極となる強い初期化放電が起こり、各放電セルCi,j内部にプライミングを拡散させるとともに、プライミング電極PR1〜PRn上部には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上部の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上に蓄積された壁電荷により生じる電圧をあらわす。
初期化期間前半部では、データ電極D1〜Dm、維持電極SU1〜SUnおよびプライミング電極PR1〜PRnをそれぞれ0(V)に保持し、走査電極SC1〜SCnには電圧Vi1から、維持電極SU1〜SUnおよびデータ電極D1〜Dmに対して放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な1回目の初期化放電が起こる。このときの放電はプライミング電極PR1〜PRnから十分なプライミングがすでに供給された状態で発生するために誤放電のない安定した放電となる。そして、走査電極SC1〜SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上部および維持電極SU1〜SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜SUnを正電圧Veに保ち、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dm、走査電極SC1〜SCnとプライミング電極PR1〜PRnとの間でそれぞれ微弱な2回目の初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整され、プライミング電極PR1〜PRn上部の正の壁電圧もプライミング動作に適した値に調整される。以上により画像表示にかかわる全放電セルを初期化放電させる全セル初期化動作が終了する。
書込み期間では、走査電極SC1〜SCnを一旦Vcに保持する。そして、プライミング電極PR1〜PRnに(Vc−Vi4)とほぼ等しい電圧Vqを印加する。
次に、1行目の走査電極SC1に走査パルス電圧Vaを印加する。すると、プライミング電極PR1上部と走査電極SC1の突出部分の上部との間の電圧差は、(Vq−Va)にプライミング電極PR1上部の壁電圧が加算されたものとなり、放電開始電圧を超えプライミング放電が発生する。そして、1行目の放電セルC1,1〜C1,mおよび2行目の放電セルC2,1〜C2,m内部にプライミングを拡散させる。このときの放電は上述したようにプライミング空間PS1が放電しやすい構造であるため放電遅れが小さく高速で安定したプライミング放電が得られる。また、この放電によってプライミング電極PR1上部に負の壁電圧が蓄積される。
このとき同時に、データ電極D1〜Dmのうち1行目に表示すべき画像信号に対応するデータ電極Dk(kは1〜mの整数をあらわす)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。すると、書込みパルス電圧Vdを印加したデータ電極Dkと走査電極SC1との交差部で放電が発生し、対応する放電セルC1,kの維持電極SU1と走査電極SC1との間の放電に進展する。そして、放電セルC1,kの走査電極SC1上部に正電圧が蓄積され、維持電極SU1上部に負電圧が蓄積され、1行目の書込み動作が終了する。
ここで、1行目の書込み動作は、走査電極SC1の走査にともなってプライミング放電を発生させるとともに書込みを行う。そして、放電セルC1,kの書込み放電は、走査電極SC1とプライミング電極PR1との間で発生したプライミング放電からプライミングが供給されつつ発生するので放電遅れが小さく安定した放電となる。
次に、2行目の走査電極SC2に走査パルス電圧Vaを印加する。このとき同時に、データ電極D1〜Dmのうち2行目に表示すべき画像信号に対応するデータ電極Dkに正の書込みパルス電圧Vdを印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SC2との交差部で放電が発生し、対応する放電セルC2,kの維持電極SU2と走査電極SC2との間の放電に進展する。そして、放電セルC2,kの走査電極SC2上部に正電圧が蓄積され、維持電極SU2上部に負電圧が蓄積され、2行目の書込み動作が終了する。
ここで、2行目の放電セルC2,kの書込み動作は、走査電極SC1とプライミング電極PR1との間で発生したプライミング放電から十分なプライミングがすでに供給された状態で発生する。したがって、書込み放電の放電遅れは小さく、安定した放電となる。
以下同様の書込み動作をn行目の放電セルCn,kに至るまで行い、書込み動作が終了する。
維持期間においては、走査電極SC1〜SCn、プライミング電極PR1〜PRnおよび維持電極SU1〜SUnを0(V)に一旦戻す。その後、走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加する。このとき、書込み放電を起こした放電セルCi,jにおける走査電極SCi上部と維持電極SUi上部との間の電圧は、維持パルス電圧Vsに加えて、書込み期間において走査電極SCi上部および維持電極SUi上部に蓄積された壁電圧が加算されるので放電開始電圧を超え維持放電が発生する。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに維持パルスを交互に印加することにより、書込み放電を起こした放電セルCi,jに対して維持パルスの回数だけ維持放電が継続して行われる。
上述のように本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方法における書込み放電は、従来の駆動方法における初期化放電のプライミングのみに依存した書込み放電とは異なり、各放電セルの書込み動作と同時あるいは直前に発生させたプライミング放電から十分なプライミングが供給された状態で行うものである。したがって、放電遅れが小さく、高速かつ安定した書込み放電を実現でき、品質の高い画像を表示することができる。
加えて、プライミング電極が陰極となる初期化放電の発生するタイミングとデータ電極が陰極となる初期化放電の発生するタイミングとが分離されているため、それぞれの放電の相互干渉が生じ難く、安定した初期化放電が可能となる。
ここで、初期化放電が安定する理由を説明するために、プライミング電極に注目して、再度、上述の動作について説明する。
まず、初期化期間プライミング部では、走査電極SC1〜SCnとプライミング電極PR1〜PRnとの間で強い放電が発生し、各放電セルCi,j内部にプライミングを拡散させる。このとき、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間では放電は発生しない。
つづく初期化期間前半部では、走査電極SC1〜SCnに印加される傾斜波形電圧によって、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間で微弱な放電が発生する。このときの放電はデータ電極D1〜Dm側、すなわち蛍光体層側が陰極となり、蛍光体の2次電子放出係数が小さいためプライミングが不足すると放電遅れが大きくなる傾向がある。そして放電遅れが大きすぎると、走査電極SC1〜SCnに印加された上り傾斜波形電圧が放電開始電圧を超えても放電が発生せず、放電開始電圧を大きく超えた時点で初めて放電が発生する。このときの放電は微弱な放電とはならず大きな電荷移動をともなう強い放電となってしまい、つづく書込み期間あるいは維持期間において誤放電を発生することになる。また、放電開始電圧を超えても放電が発生していない状態は非常に不安定であり、近隣セルや他の電極間の放電等による制御不可能な僅かなプライミングの飛来によって干渉を受け、強放電を誘発する場合がある。
しかしながら、本発明の実施の形態の駆動方法によれば、初期化期間プライミング部において走査電極SC1〜SCnとプライミング電極PR1〜PRnとの間の初期化放電にともなうプライミングが各放電セルCi,jにすでに供給されているので、初期化期間前半部における走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間の放電は放電遅れの小さな安定した放電となり、必要な壁電荷を安定して形成することができる。加えて、走査電極SC1〜SCnとプライミング電極PR1〜PRnとの間の放電はすでに終了しているため、この2つの放電が干渉することはない。
このように、一般に放電遅れが大きく、放電が不安定になりがちなデータ電極D1〜Dmの初期化放電、特に蛍光体層側が陰極となる初期化放電に先行してプライミング電極PR1〜PRnによる強い初期化放電を発生させることにより、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間に十分なプライミングを供給することができ、データ電極D1〜Dmの初期化期間放電の放電遅れを小さくし放電を安定化させることができる。そのため、つづく初期化期間後半部における壁電荷の調整も安定し、安定した書込み動作、維持動作につながり、誤放電のない良好な画像表示が可能となる。
図5に、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法の他の駆動波形図を示す。波形Aは、プライミング電極PR1〜PRnが陰極となる初期化放電を発生させるための電圧が、データ電極D1〜Dmが陰極となる初期化放電を発生させる初期化期間を有するサブフィールドの1つ前のサブフィールドの維持パルスの最後のタイミングでプライミング電極PR1〜PRnに印加される波形である。また、波形Bは、プライミング電極PR1〜PRnが陰極となる初期化放電を発生させるための電圧が、データ電極D1〜Dmが陰極となる初期化放電を発生させる初期化期間を有するサブフィールドの1つ前のサブフィールドの維持パルスの後ろの数パルスを含むタイミングでプライミング電極PR1〜PRnに印加される波形である。ただし、いずれの波形も、プライミング電極PR1〜PRnが陰極となる初期化放電が発生してからデータ電極D1〜Dmが陰極となる初期化放電が発生するまでの時間間隔が50μs以内となるように設定されている。
このように、プライミング電極PR1〜PRnが陰極となる初期化放電が発生してからデータ電極D1〜Dmが陰極となる初期化放電が発生するまでの時間間隔が50μs以内であれば本発明の実施の形態における駆動方法と同様の効果を得ることができ、データ電極D1〜Dmの初期化が安定して行われることを発明者らは実験的に確かめた。
なお、AC型PDPの各電極は誘電体層に囲まれており放電空間と絶縁されているため、直流成分は放電そのものには何ら寄与しない。したがって、実施の形態で説明した駆動波形に直流成分を加えた波形を用いても同様の効果が得られることはいうまでもない。
また、本発明の実施の形態においては、1フィールド期間が初期化期間、書込み期間、維持期間を有する複数のサブフィールドから構成され、初期化期間は画像表示にかかわる全放電セルを初期化動作させる全セル初期化期間を有するサブフィールドであるものとして説明したが、本発明は、全セル初期化期間を有するサブフィールド以外に、維持放電を行った放電セルを選択的に初期化する選択初期化期間をもつサブフィールドを任意に組み合わせた構成であっても同様に適用することができる。
図6は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を用いた駆動装置の回路構成の一例を示すブロック図である。本発明の実施の形態における駆動装置100は、画像信号処理回路101、データ電極駆動回路102、タイミング制御回路103、走査電極駆動回路104、維持電極駆動回路105およびプライミング電極駆動回路106を有している。画像信号および同期信号は、画像信号処理回路101に入力される。画像信号処理回路101は、画像信号および同期信号に基づいて、各サブフィールドを点灯するか否かを制御するサブフィールド信号をデータ電極駆動回路102に出力する。また、同期信号はタイミング制御回路103にも入力される。タイミング制御回路103は同期信号に基づいて、データ電極駆動回路102、走査電極駆動回路104、維持電極駆動回路105、プライミング電極駆動回路106にタイミング制御信号を出力する。
データ電極駆動回路102は、サブフィールド信号およびタイミング制御信号に応じて、パネルのデータ電極9(図3のデータ電極D1〜Dm)に図4または図5に示した所定の駆動波形を印加する。走査電極駆動回路104はタイミング制御信号に応じてパネルの走査電極6(図3の走査電極SC1〜SCn)に所定の駆動波形を印加し、維持電極駆動回路105はタイミング制御信号に応じてパネルの維持電極7(図3の維持電極SU1〜SUn)に所定の駆動波形を印加する。プライミング電極駆動回路106はタイミング制御信号に応じてパネルのプライミング電極14(図3のプライミング電極PR1〜PRn)に所定の駆動波形を印加する。データ電極駆動回路102、走査電極駆動回路104、維持電極駆動回路105、プライミング電極駆動回路106には電源回路(図示せず)から必要な電力が供給されている。
以上の回路ブロックを備えることによって本発明の実施の形態におけるパネルの駆動方法を用いた駆動装置を構成することができる。
大画面で高精細、高画質のプラズマディスプレイパネルの製造技術として利用可能である。
本発明の実施の形態に用いられるプラズマディスプレイパネルの一例を示す断面図 本発明の実施の形態に用いられるプラズマディスプレイパネルの背面基板側の構造を模式的に示す斜視図 本発明の実施の形態に用いられるプラズマディスプレイパネルの電極配列図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法の駆動波形図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法の他の駆動波形図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を用いた駆動装置の回路構成の一例を示すブロック図
符号の説明
1 前面基板
2 背面基板
6 走査電極
7 維持電極
8 光吸収層
9 データ電極
10 隔壁
10a 縦壁部
10b 横壁部
11 放電セル
12 蛍光体層
13 隙間部
13a プライミング空間
14 プライミング電極
100 駆動装置
101 画像信号処理回路
102 データ電極駆動回路
103 タイミング制御回路
104 走査電極駆動回路
105 維持電極駆動回路
106 プライミング電極駆動回路

Claims (2)

  1. 前面基板に形成され互いに平行に配置された複数の走査電極および複数の維持電極と、前記前面基板に放電空間を挟んで対向配置された背面基板に形成され前記走査電極と交差する方向に配置された複数のデータ電極と、前記背面基板に前記データ電極と直交する方向に形成され前記走査電極とプライミング空間を挟んで対向するように配置される複数のプライミング電極とを有し、前記走査電極および維持電極と前記データ電極とにより複数の放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、1フィールド期間は複数のサブフィールドで構成するとともに、前記サブフィールドは、前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる初期化期間と、前記走査電極に順次走査パルスを印加するとともに前記データ電極に表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加して選択的に放電セルで書込み放電を起こす書込み期間と、選択した放電セルの走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させる維持期間とを有し、かつ前記データ電極、維持電極およびプライミング電極をそれぞれ0(V)に保持して前記走査電極に放電開始電圧を超える電圧を印加することにより前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる初期化期間を有するサブフィールドにおいて、前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる前に、前記プライミング電極と前記走査電極との間で前記プライミング電極に負の電圧を印加することによりプライミング電極が陰極となる初期化放電を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 前記走査電極とデータ電極および維持電極との間で初期化放電を発生させる初期化期間を有するサブフィールドの1つ前のサブフィールドにおいて、前記走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加する維持期間内に、前記プライミング電極に負の電圧を印加することにより前記プライミング電極が陰極となる初期化放電を発生させることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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