JP4460664B2 - 光学補償シートおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シートおよび液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、透明支持体、配向膜および液晶性分子から形成された光学的異方性層をこの順に積層した光学補償シート、およびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子および光学補償シート(位相差板)からなる。透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償シートを液晶セルと偏光素子との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償シート、そして一枚の偏光素子の順に配置する。
液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。
【0003】
光学補償シートは、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学補償シートとしては、延伸複屈折フイルムが従来から使用されていた。
延伸複屈折フイルムからなる光学補償シートに代えて、透明支持体上に液晶性分子(特にディスコティック液晶性分子)から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。光学的異方性層は、液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成する。一般に、重合性基を有する液晶性分子を用いて、重合反応によって配向状態を固定する。液晶性分子は、大きな複屈折率を有する。そして、液晶性分子には、多様な配向形態がある。液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
【0004】
光学補償シートの光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違いに応じて決定する。液晶性分子、特にディスコティック液晶性分子を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する光学補償シートを製造することができる。
ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートでは、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。例えば、TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号および国際特許出願WO96/37804号の各明細書に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置の製造では、液晶セル、偏光素子および光学補償シートのような部品を順次、接着剤で貼り付ける。液晶セル、偏光素子および光学補償シートは、液晶セルの表示モードに対応して、それぞれの光学的方向(偏光軸や遅相軸)を厳密に調節する必要がある。そのため、貼り付ける方向が規格外となる不良品が、若干生じることは避けられない。それらの不良品は、部品を剥がして再利用することが望ましい。
ところが、液晶セルから光学補償シートを剥がそうとすると、光学補償シートが破壊されて再利用できないとの問題が生じた。光学補償シートの一部が付着した液晶セルの方も、再利用するためには付着した光学補償シートの一部を除去する清掃作業が必要である。
【0006】
本発明者の研究により、光学補償シートそのものの剥離強度よりも液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度が強いため、液晶セルから光学補償シートを剥がす際に、光学補償シートが破壊されていることが判明した。液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度は、液晶表示装置全体の強度を維持するために、一定の値(380g/cm程度)が必要とされる。そのため、液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度を低下させることは困難で、光学補償シートそのものの剥離強度を向上させる必要がある。しかし、光学補償シートの光学的機能に悪影響を与えることなく、強度を向上させる適当な手段は、従来の技術では提案されていなかった。
本発明の目的は、強度が優れた光学補償シートを提供することである。
また、本発明の目的は、製造時の貼り合わせ工程において不良品が生じても、部品を再利用することが可能な液晶表示装置を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(4)の光学補償シート、および下記(5)、(6)の液晶表示装置により達成された。
(1)透明支持体、配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成され液晶性分子が配向している状態で固定されている光学的異方性層をこの順に積層した光学補償シートであって、配膜がシリカ微粒子を1乃至30重量%の範囲の量で含み、透明支持体と光学的異方性層とが剥離強度が400g/cm以上となる強度で結合していることを特徴とする光学補償シート。
(2)シリカ微粒子が、0.001乃至0.5μmの範囲の平均粒子径を有する(1)に記載の光学補償シート。
(3)配向膜が架橋されたポリマーからなる(1)に記載の光学補償シート。
(4)光学的異方性層が、3乃至10μmの範囲の厚さを有する(1)に記載の光学補償シート
【0008】
(5)液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および液晶セルと一方または両方の偏光素子との間に配置された一枚または二枚の光学補償シートが互いに接着剤によって貼り付けられており、光学補償シートが偏光素子側から順に、透明支持体、配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成され液晶性分子が配向している状態で固定されている光学的異方性層が積層されている透過型液晶表示装置であって、配膜がシリカ微粒子を1乃至30重量%の範囲の量で含み、透明支持体と光学的異方性層とが剥離強度が400g/cm以上となる強度で結合しており、光学補償シートそのものの剥離強度が、液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度よりも強いことを特徴とする液晶表示装置。
(6)反射板、液晶セル、光学補償シートおよび偏光素子が、この順に接着剤によって貼り付けられており、光学補償シートが偏光素子側から順に、透明支持体、配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成され液晶性分子が配向している状態で固定されている光学的異方性層が積層されている反射型液晶表示装置であって、配膜がシリカ微粒子を1乃至30重量%の範囲の量で含み、透明支持体と光学的異方性層とが剥離強度が400g/cm以上となる強度で結合しており、光学補償シートそのものの剥離強度が、液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度よりも強いことを特徴とする液晶表示装置。
【0009】
【発明の効果】
本発明者は研究の結果、光学補償シートの最も弱い構成要素(通常は配向膜)に無機微粒子を添加することで、光学補償シートの光学的機能に悪影響を与えることなく、光学補償シートの剥離強度を400g/cm以上に強化することに成功した。無機微粒子の応力分散作用によって、添加した構成要素の強度が向上する。これにより、光学補償シートそのものの剥離強度を、液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度よりも強くすることが可能になった。
本発明によれば、液晶表示装置の製造時の貼り合わせ工程において不良品が生じても、光学補償シートを破壊することなく、光学補償シートを液晶セルから剥ぎ取ることができる。従って、光学補償シートと液晶セルとの貼り合わせに使用した接着剤を拭き取るだけで、光学補償シートと液晶セルを再利用することができる。
また、本発明では光学補償シートの強度が向上しているため、光学補償シートの取り扱いが容易であるとの利点もある。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、透過型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図1の(a)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、偏光素子(1a)、光学補償シートの透明支持体(2a)、光学補償シートの光学的異方性層(3a)、液晶セルの下基板(4a)、棒状液晶性分子(5)、液晶セルの上基板(4b)、光学補償シートの光学的異方性層(3b)、光学補償シートの透明支持体(2b)、そして偏光素子(1b)からなる。
図1の(b)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、偏光素子(1a)、光学補償シートの透明支持体(2)、光学補償シートの光学的異方性層(3)、液晶セルの下基板(4a)、棒状液晶性分子(5)、液晶セルの上基板(4b)、そして偏光素子(1b)からなる。
図1の(c)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、偏光素子(1a)、液晶セルの下基板(4a)、棒状液晶性分子(5)、液晶セルの上基板(4b)、光学補償シートの光学的異方性層(3)、光学補償シートの透明支持体(2)、そして偏光素子(1b)からなる。
図2は、反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図2に示す反射型液晶表示装置は、反射板(RP)側から順に、液晶セルの下基板(4a)、棒状液晶性分子(5)、液晶セルの上基板(4b)、光学補償シートの光学的異方性層(3)、光学補償シートの透明支持体(2)、そして偏光素子(1)からなる。
【0011】
[光学補償シートの剥離強度]
光学補償シートの剥離強度は、液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて光学補償シートの光学的異方性層を貼り付け、透明支持体の一端を180゜の方向に剥離するために要する応力をテンシロンで測定する。
本発明では、光学補償シートの剥離強度を400g/cm以上にする。剥離強度は、450g/cm以上であることが好ましく、500g/cm以上であることがさらに好ましい。剥離強度には理論的な上限はないが、技術的には2000g/cm程度が限度である。
【0012】
[無機微粒子]
光学補償シートの剥離強度を強化するため、無機微粒子を、透明支持体、配向膜および光学的異方性層の少なくとも一つに添加することが好ましい。通常は、最も弱い構成要素のみに添加する。一般には、配向膜が最も弱い構成要素である。ただし、具体的な構成(後述)によっては、透明支持体や光学的異方性層の強度も強化する必要がある。
無機微粒子としては、金属、炭素(例、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維)、酸化金属(例、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン)、フェライト(例、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト)、金属水酸化物(例、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、金属硫酸塩(例、硫酸カルシウム、硫酸バリウム)、タルク、クレー、マイカ、ガラス、金属ケイ酸塩(例、ケイ酸カルシウム)、金属チタン酸塩(例、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛)、金属ジルコン酸塩(例、ジルコン酸鉛)、窒化金属(例、窒化アルミニウム)または炭化金属(例、炭化ケイ素)の粉末を用いることができる。酸化金属の粉末が好ましく、シリカが特に好ましい。
無機微粒子は、添加する構成要素(配向膜、透明支持体または光学的異方性層)の1乃至30重量%の範囲の量で使用することが好ましく、2乃至25重量%の範囲の量で使用することがさらに好ましく、4乃至20重量%の範囲の量で使用することが最も好ましい。
無機微粒子の平均粒子径は、0.001乃至0.5μmであることが好ましく、0.002乃至0.2μmであることがさらに好ましく、0.005乃至0.1μmであることが最も好ましい。
【0013】
[光学補償シートの透明支持体]
光学補償シートの透明支持体として、一般には、光学的等方性のポリマーフイルムが用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。光学的等方性とは、具体的には、面内レターデーション(Re)が10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレターデーション(Rth)は、40nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。透明支持体の面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であり、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そしてdは透明支持体の厚さである。
【0014】
液晶表示モードの種類によっては、透明支持体として光学的異方性のポリマーフイルムが用いられる場合もある。すなわち、光学的異方性層の光学的異方性に透明支持体の光学的異方性も加えて、液晶セルの光学的異方性に対応する(光学的に補償する)場合もある。そのような目的で光学的異方性透明支持体を使用する場合、透明支持体の面内レターデーション(Re)は、20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレターデーション(Rth)は、80nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがさらに好ましい。
【0015】
透明支持体を形成する材料は、光学的等方性支持体とするか、光学的異方性支持体とするかに応じて決定する。光学的等方性支持体の場合は、一般にガラスまたはセルロースエステルが用いられる。光学的異方性支持体の場合は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂)が用いられる。合成ポリマーフイルムを延伸することによって、光学的異方性を得る。セルロースエステルまたは合成ポリマーのフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
透明支持体が前述した無機微粒子を含む場合は、ソルベントキャスト法におけるポリマーの溶液(ドープ)に無機微粒子を添加すればよい。
透明支持体の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学的異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0016】
[光学補償シートの配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。
配向膜に使用するポリマーの種類は、液晶セルの表示モードの種類に応じて決定する。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に垂直に配向している表示モード(例、VA、OCB、HAN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に水平に配向させる機能を有する配向膜を用いる。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に水平に配向している表示モード(例、STN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に垂直に配向させる機能を有する配向膜を用いる。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に斜めに配向している表示モード(例、TN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に斜めに配向させる機能を有する配向膜を用いる。
具体的なポリマーの種類については、前述した様々な表示モードに対応するディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートについての文献に記載がある。
配向膜の厚さは、0.01乃至5μmであることが好ましく、0.05乃至1μmであることがさらに好ましい。
【0017】
前述したように、無機微粒子を配向膜に添加することで、配向膜の強度を強化することが好ましい。本発明者の研究によれば、配向膜と光学的異方性層との界面が特に剥離しやすい。
無機微粒子の使用に加えて、配向膜に使用するポリマーを架橋して、配向膜の強度をさらに強化してもよい。配向膜に使用するポリマーに架橋性基を導入して、架橋性基を反応させることにより、ポリマーを架橋させることができる。なお、配向膜に使用するポリマーの架橋については、特開平8−338913号公報に記載がある。架橋性基としては、水酸基が特に好ましい。
配向膜に使用するポリマーは、架橋剤を用いて架橋性基を反応させることが好ましい。架橋剤の例には、アルデヒド(例、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド)、N−メチロール化合物(例、ジメチロールウレア、メチロールジメチルヒダントイン)、ジオキサン(例、2,3−ジヒドロキシジオキサン)、活性ビニル化合物(例、1,3,5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホン)メタン、N,N−メチレンビス−[β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド])、活性ハロゲン化合物(例、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン)、イソオキサゾールおよびジアルデヒド澱粉が含まれる。アルデヒドが好ましく、グルタルアルデヒドが特に好ましい。
【0018】
架橋剤は、配向膜のポリマーの0.1乃至20重量%の範囲の量で使用することが好ましく、0.5乃至15重量%の範囲の量で使用することがさらに好ましい。
架橋性基とは別に、重合性基を配向膜に使用するポリマーに導入して、後述するディスコティック液晶性分子に導入する重合性基(P)と反応させて、配向膜と光学的異方性層との界面の剥離力を強化することもできる。
重合性基の例は、ディスコティック液晶性分子に導入する重合性基(P)の例と同様である。
架橋性基または重合性基は、配向膜に使用するポリマーの側鎖に導入する。具体的には、配向機能を有するポリマーを形成するためのモノマーと架橋性基または重合性基を有するモノマーとを共重合させて、得られたコポリマーを配向膜に使用する。
【0019】
[光学補償シートの光学的異方性層]
光学的異方性層は、液晶性分子から形成する。
液晶性分子としては、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が好ましく、ディスコティック液晶性分子が特に好ましい。
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。高分子液晶性分子は、以上のような低分子液晶性分子に相当する側鎖を有するポリマーである。高分子液晶性分子を用いた光学補償シートについては、特開平5−53016号公報に記載がある。
【0020】
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、ディスコティック液晶性分子は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ましい。
【0021】
(I)
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Pは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
式(I)の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(またはPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
【0022】
【化1】
Figure 0004460664
【0023】
【化2】
Figure 0004460664
【0024】
【化3】
Figure 0004460664
【0025】
【化4】
Figure 0004460664
【0026】
【化5】
Figure 0004460664
【0027】
【化6】
Figure 0004460664
【0028】
【化7】
Figure 0004460664
【0029】
【化8】
Figure 0004460664
【0030】
【化9】
Figure 0004460664
【0031】
式(I)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
【0032】
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
【0033】
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−CO−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
【0034】
なお、STNモードのような棒状液晶性分子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向させることが好ましい。上記AL(アルキレン基またはアルケニレン基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
【0035】
式(I)の重合性基(P)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示す。
【0036】
【化10】
Figure 0004460664
【0037】
【化11】
Figure 0004460664
【0038】
【化12】
Figure 0004460664
【0039】
【化13】
Figure 0004460664
【0040】
【化14】
Figure 0004460664
【0041】
【化15】
Figure 0004460664
【0042】
重合性基(P)は、不飽和重合性基(P1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P17)またはエポキシ基(P6、P18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P15、P16、P17)であることが最も好ましい。
式(I)において、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0043】
二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性ディスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック液晶性分子とを併用することができる。
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基(P)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式(II)で表わされる化合物であることが好ましい。
(II)
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
式(II)の円盤状コア(D)の例は、LP(またはPL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
また、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好ましい。
【0044】
光学的異方性層は、液晶性分子、あるいは下記の重合性開始剤や任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成する。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0045】
液晶性分子は、実質的に均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
【0046】
光学的異方性層の厚さは、0.1乃至20μmであることが好ましく、0.5乃至15μmであることがさらに好ましく、1乃至10μmであることが最も好ましい。ただし、液晶セルのモードによっては、高い光学的異方性を得るために、光学的異方性層を厚く(3乃至15μmに)する場合がある。本発明者の研究によれば、光学的異方性層を厚いと、配向膜と光学的異方性層との密着性が低下し、配向膜が破壊されやすい。従って、本発明は、光学的異方性層が比較的厚い場合に、特に効果がある。
光学的異方性層内での液晶性分子の配向状態は、前述したように、液晶セルの表示モードの種類に応じて決定される。液晶性分子の配向状態は、具体的には、液晶性分子の種類、配向膜の種類および光学異方性層内の添加剤(例、可塑剤、バインダー、界面活性剤)の使用によって制御される。
【0047】
[液晶表示装置]
本発明は、様々な表示モードの液晶セルに適用できる。前述したように、ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)に対応するものが既に提案されている。本発明は、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。
偏光素子は、一般に偏光膜と保護膜からなる。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
保護膜は偏光膜の両面に設けられる。光学補償シートの透明支持体を、偏光膜の一方の側の保護膜としても機能させることができる。それ他の偏光膜の保護膜としては、光学的等方性が高いセルロースエステルフイルム、特にトリアセチルセルロースフイルムを用いることが好ましい。
【0048】
【実施例】
[比較例1]
ゼラチン下塗り層を設けたトリアセチルセルロースフイルムを、透明支持体として用いた。
下記の変性ポリビニルアルコールA75重量部、下記の変性ポリビニルアルコールB25重量部およびグルタルアルデヒド(架橋剤)5重量部を、水とメタノールの混合溶媒(水/メタノール重量比:75/25)に溶解して、2重量%の塗布液を調製した。塗布液を透明支持体の上に塗布、乾燥、表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の厚さは、0.5μmであった。
【0049】
【化16】
Figure 0004460664
【0050】
【化17】
Figure 0004460664
【0051】
下記のディスコティック液晶性化合物(1)1.6g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート0.4g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1.0、イーストマンケミカル社製)0.05gおよび光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)0.01gをメチルエチルケトン3.65gに溶解して塗布液を調製した。塗布液を#4のワイヤーバーで配向膜の上に塗布した。これを金属枠に貼り付けて固定した状態で、120℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物(1)を配向させた。120℃の温度を維持して、紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物(1)のビニル基を重合させ、配向状態を固定した。このようにして、厚さ4μmの光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
【0052】
【化18】
Figure 0004460664
【0053】
液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて、作製した光学補償シートの光学的異方性層を貼り付けた。透明支持体の一端を180゜の方向に引っ張り、剥離するために要する応力をテンシロンで測定した。測定された剥離強度は、300g/cmであった。
【0054】
市販のTN型液晶セルに、作製した光学補償シート2枚および偏光素子2枚をエポキシ系接着剤(アラルダイド、チバガイギー社製)で接着し、図1の(a)に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体をTN型液晶セルから引き剥がそうとしたところ、光学補償シートが破壊されてしまった。
市販のHAN型液晶セルに、作製した光学補償シート1枚および偏光素子1枚を上記と同様に取り付けて、図2に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体をHAN型液晶セルから引き剥がそうとしたところ、光学補償シートが破壊されてしまった。
【0055】
[実施例1]
配向膜の塗布液に、粒径が10乃至20nmの棒状シリカ微粒子を1重量部添加した以外は、比較例1と同様に光学補償シートを作製した。
液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて、作製した光学補償シートの光学的異方性層を貼り付けた。透明支持体の一端を180゜の方向に引っ張り、剥離するために要する応力をテンシロンで測定した。測定された剥離強度は、550g/cmであった。
【0056】
市販のTN型液晶セルに、作製した光学補償シート2枚および偏光素子2枚を比較例1と同様に取り付けて、図1の(a)に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくTN型液晶セルから引き剥がすことができた。
市販のHAN型液晶セルに、作製した光学補償シート1枚および偏光素子1枚を上記と同様に取り付けて、図2に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくHAN型液晶セルから引き剥がすことができた。
【0057】
[実施例2]
配向膜の塗布液に、粒径が10乃至20nmの棒状シリカ微粒子を3重量部添加した以外は、比較例1と同様に光学補償シートを作製した。
液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて、作製した光学補償シートの光学的異方性層を貼り付けた。透明支持体の一端を180゜の方向に引っ張り、剥離するために要する応力をテンシロンで測定した。測定された剥離強度は、650g/cmであった。
【0058】
市販のTN型液晶セルに、作製した光学補償シート2枚および偏光素子2枚を比較例1と同様に取り付けて、図1の(a)に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくTN型液晶セルから引き剥がすことができた。
市販のHAN型液晶セルに、作製した光学補償シート1枚および偏光素子1枚を上記と同様に取り付けて、図2に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくHAN型液晶セルから引き剥がすことができた。
【0059】
[実施例3]
配向膜の塗布液に、粒径が10乃至20nmの棒状シリカ微粒子を5重量部添加した以外は、比較例1と同様に光学補償シートを作製した。
液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて、作製した光学補償シートの光学的異方性層を貼り付けた。透明支持体の一端を180゜の方向に引っ張り、剥離するために要する応力をテンシロンで測定した。測定された剥離強度は、750g/cmであった。
【0060】
市販のTN型液晶セルに、作製した光学補償シート2枚および偏光素子2枚を比較例1と同様に取り付けて、図1の(a)に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくTN型液晶セルから引き剥がすことができた。
市販のHAN型液晶セルに、作製した光学補償シート1枚および偏光素子1枚を上記と同様に取り付けて、図2に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくHAN型液晶セルから引き剥がすことができた。
【0061】
[実施例4]
配向膜の塗布液に、粒径が10乃至20nmの棒状シリカ微粒子を10重量部添加した以外は、比較例1と同様に光学補償シートを作製した。
液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて、作製した光学補償シートの光学的異方性層を貼り付けた。透明支持体の一端を180゜の方向に引っ張り、剥離するために要する応力をテンシロンで測定した。測定された剥離強度は、800g/cmであった。
【0062】
市販のTN型液晶セルに、作製した光学補償シート2枚および偏光素子2枚を比較例1と同様に取り付けて、図1の(a)に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくTN型液晶セルから引き剥がすことができた。
市販のHAN型液晶セルに、作製した光学補償シート1枚および偏光素子1枚を上記と同様に取り付けて、図2に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくHAN型液晶セルから引き剥がすことができた。
【0063】
[比較例2]
ゼラチン下塗り層を設けたトリアセチルセルロースフイルムを、透明支持体として用いた。
下記の可溶性ポリイミドをメチルエチルケトンに溶解して、4重量%の塗布液を調製した。塗布液を透明支持体の上に塗布、乾燥、表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の厚さは、0.2μmであった。
【0064】
【化19】
Figure 0004460664
【0065】
下記のディスコティック液晶性化合物(2)91重量部、下記のディスコティック液晶性化合物(3)9重量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート1.5重量部、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.25重量部、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1.0、イーストマンケミカル社製)0.25重量部および光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3重量部をメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。塗布液を配向膜の上に塗布した。これを金属枠に貼り付けて固定した状態で、120℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物(2)および(3)を配向させた。120℃の温度を維持して、紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物(2)のビニル基を重合させ、配向状態を固定した。このようにして、厚さ8μmの光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
【0066】
【化20】
Figure 0004460664
【0067】
【化21】
Figure 0004460664
【0068】
液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて、作製した光学補償シートの光学的異方性層を貼り付けた。透明支持体の一端を180゜の方向に引っ張り、剥離するために要する応力をテンシロンで測定した。測定された剥離強度は、250g/cmであった。
【0069】
市販のSTN型液晶セルに、作製した光学補償シート2枚および偏光素子2枚を比較例1と同様に取り付けて、図1の(a)に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体をSTN型液晶セルから引き剥がそうとしたところ、光学補償シートが破壊されてしまった。
【0070】
[実施例5]
配向膜の塗布液に、粒径が40乃至60nmの球状シリカ微粒子を、可溶性ポリイミド90重量部に対して10重量部添加した以外は、比較例2と同様に光学補償シートを作製した。
液晶セルの基板に普通に使用されているソーダガラス板のクリア表面に、市販の接着剤を用いて、作製した光学補償シートの光学的異方性層を貼り付けた。透明支持体の一端を180゜の方向に引っ張り、剥離するために要する応力をテンシロンで測定した。測定された剥離強度は、450g/cmであった。
【0071】
市販のSTN型液晶セルに、作製した光学補償シート2枚および偏光素子2枚を比較例1と同様に取り付けて、図1の(a)に示す構成の液晶表示装置を作成した。
光学補償シートと偏光素子との積層体は、光学補償シートを破壊することなくSTN型液晶セルから引き剥がすことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図2】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
【符号の説明】
BL バックライト
RP 反射板
1、1a、1b 偏光素子
2、2a、2b 光学補償シートの透明支持体
3、3a、3b 光学補償シートの光学的異方性層
4a 液晶セルの下基板
4b 液晶セルの上基板
5 棒状液晶性分子

Claims (6)

  1. 透明支持体、配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成され液晶性分子が配向している状態で固定されている光学的異方性層をこの順に積層した光学補償シートであって、配膜がシリカ微粒子を1乃至30重量%の範囲の量で含み、透明支持体と光学的異方性層とが剥離強度が400g/cm以上となる強度で結合していることを特徴とする光学補償シート。
  2. シリカ微粒子が、0.001乃至0.5μmの範囲の平均粒子径を有する請求項1に記載の光学補償シート。
  3. 配向膜が架橋されたポリマーからなる請求項1に記載の光学補償シート。
  4. 光学的異方性層が、3乃至10μmの範囲の厚さを有する請求項1に記載の光学補償シート。
  5. 液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および液晶セルと一方または両方の偏光素子との間に配置された一枚または二枚の光学補償シートが互いに接着剤によって貼り付けられており、光学補償シートが偏光素子側から順に、透明支持体、配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成され液晶性分子が配向している状態で固定されている光学的異方性層が積層されている透過型液晶表示装置であって、配向膜がシリカ微粒子を1乃至30重量%の範囲の量で含み、透明支持体と光学的異方性層とが剥離強度が400g/cm以上となる強度で結合しており、光学補償シートそのものの剥離強度が、液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度よりも強いことを特徴とする液晶表示装置
  6. 反射板、液晶セル、光学補償シートおよび偏光素子が、この順に接着剤によって貼り付けられており、光学補償シートが偏光素子側から順に、透明支持体、配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成され液晶性分子が配向している状態で固定されている光学的異方性層が積層されている反射型液晶表示装置であって、配向膜がシリカ微粒子を1乃至30重量%の範囲の量で含み、透明支持体と光学的異方性層とが剥離強度が400g/cm以上となる強度で結合しており、光学補償シートそのものの剥離強度が、液晶セルと光学補償シートとの粘着面の剥離強度よりも強いことを特徴とする液晶表示装置
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