JP4460617B2 - 膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末及びその製造方法、特に膨潤性に優れた架橋ヒアルロン酸粉末と、その簡便な製造方法に関するものである。
ヒアルロン酸を架橋した架橋ヒアルロン酸ゲルは、生体適合性に優れるとともに、生体内において経時的に分解が進み、最終的には消滅するという生分解性も兼ね備えている。従来、架橋ヒアルロン酸ゲルのこのような性質を利用して、癒着防止剤、骨修復剤、薬物徐放性組成物、及び組織増大物質等への応用に関する研究・開発が盛んに行なわれており、例えば、組織増大物質への代表的な応用例として、美容形成の分野における皺伸ばし注入剤が知られている。
架橋ヒアルロン酸ゲルを、例えば、皺伸ばし注入剤として用いる場合には、注入部位において一定の体積を確保するため、より濃密な高粘弾性の架橋ゲルが要求される。また、薬物徐放製剤として架橋ヒアルロン酸ゲルを用いる場合においても、薬剤の適正な効果を一定期間維持するためには生体内に長期間滞留させる必要があり、濃密な高い粘弾性を有する架橋ヒアルロン酸ゲルが望ましい。
従来、架橋ヒアルロン酸ゲルは、固体のヒアルロン酸を水中に溶解し、架橋剤及びアルカリを添加して架橋反応し、さらに得られたヒアルロン酸ゲルから不純物(余剰の架橋剤及びアルカリ)を除去する等の工程を経て調製されている(特許文献1)。
しかしながら、ヒアルロン酸は分子量が大きく、水に溶解した場合には低濃度でも水溶液の粘弾性が非常に大きくなるため、工業的規模で水に溶解するには非常に時間と手間がかかってしまう。特に、高密度の架橋ヒアルロン酸ゲルを得ようとして、ヒアルロン酸濃度を高くした場合、液相が著しく増粘してしまい、水溶液中で架橋剤やアルカリと均一に攪拌混合する際や、透析等によってこれらを除去する際において、非常に煩雑な工程となってしまい、多くの時間や手間を要するという問題があった。
また、架橋ヒアルロン酸は基本的に高い水膨潤性及び粘弾性を有するため、保存時、ゲル調製時、ないしは生体への注入時などに取扱い難いという問題点があった。したがって、使用時に水を添加することによって所望のゲルとして使用することのできる、粉末形態の架橋ヒアルロン酸ゲルが求められてきた。さらには、生体への注入負担を低減し、且つ生体内により長期間滞留させるという観点から、架橋ヒアルロン酸を粉末状態で製造し、そのまま生体内に注入する試みも期待されている。
前記特許文献1のような架橋ヒアルロン酸ゲルは、水に溶解したヒアルロン酸を架橋して製造するものである。したがって、このような従来製法から架橋ヒアルロン酸粉末を得るには、架橋ヒアルロン酸ゲルを製造した後、該ゲルを乾燥させて粉末とすることになる。しかしながら、架橋ヒアルロン酸ゲルを乾燥させた粉末に水を加えても、膨潤せずに離水してしまい、乾燥前のゲルを再現することはできなかった。
また、特許文献2には、ヒアルロン酸を水−アセトン混液において架橋後、加熱乾燥させた粉末が記載されているが、この方法において得られた架橋ヒアルロン酸粉末もまた、水中における膨潤率が極めて低く、ほぼ粘稠液の状態となってしまうため、ゲルとしての実用性には乏しいものであった。
特許第3094074号 特開昭60−130601号
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、その解決すべき課題は、水中における膨潤性に優れた架橋ヒアルロン酸粉末と、その簡便な製造方法を提供することにある。
前記従来技術の課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討を行なった結果、ヒアルロン酸粉末を、1価の低級アルコールを含有し、該ヒアルロン酸粉末を溶解しない液状媒体中に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なうことにより、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を容易に製造できることを見出した。また、この方法により得られた膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末が水中において顕著に膨潤し、粘弾性に優れた架橋ヒアルロン酸ゲルとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、水中における膨潤率が500%以上であることを特徴とする。
また、前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、水を用いて限界まで膨潤させたときのヒアルロン酸濃度が0.1〜20重量%であることが好適である。
また、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法は、ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である液状媒体中に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なうことを特徴とする。
前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、前記液状媒体が、前記1価アルコールと水との混合溶媒であることが好適である。
前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、前記1価アルコールがエタノールまたは2−プロパノールであることが好適である。
前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、前記1価アルコールと水との混合比が、質量比で99.9:0.1〜65:35であることが好適である。
前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、前記水がアルカリ性緩衝液または酸性緩衝液であることが好適である。
前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、前記架橋剤が、ジビニルスルホン、1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル、及び/またはエチレングリコール・ジグリシジルエーテルであることが好適である。
また、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法は、下記工程(1)及び(2)を含むことを特徴とする。
(1)ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールとアルカリ性緩衝液とを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である溶媒に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なう。
(2)前記(1)工程の生成物を、炭素数1〜4の1価アルコールと酸性緩衝液とを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である溶媒に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なう。
前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、前記1価アルコールとアルカリ性緩衝液または酸性緩衝液との混合比が、質量比で99.9:0.1〜65:35であることが好適である。
前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、前記架橋剤が、ジビニルスルホン、1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル、及び/またはエチレングリコール・ジグリシジルエーテルであることが好適である。
本発明によれば、ヒアルロン酸粉末を分散した状態で架橋反応を行なうことにより、従来の方法で行なわれていたような煩雑な工程を経ることなく、容易に膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末が得られるため、時間やコスト面で非常に有用である。また、本発明により得られる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、水膨潤させた場合の膨潤率が高く、優れた粘弾性を有するものである。
本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、水中における膨潤率が500%以上であることを特徴とするものである。
ここで、膨潤率が500%以上とは、所定量の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を大過剰の純水中で膨潤させ、架橋ヒアルロン酸ゲルとした場合において、架橋ヒアルロン酸粉末の重量100%に対し、膨潤した架橋ヒアルロン酸ゲルの重量が500%以上、すなわち前記粉末が5倍以上に膨潤することを意味する。
また、前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、水を用いて限界まで膨潤させたときのヒアルロン酸濃度が0.1〜20重量%である。したがって、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、好ましくは膨潤率500%〜100000%である。
本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、そのままで、あるいは適当な処方中に配合することにより、医薬品、化粧料等に用いることが可能である。また、特に本発明にかかる架橋架橋ヒアルロン酸粉末は、粉末の状態から再膨潤させることが可能であることから、生体中に適用する物質への応用、例えば、皺伸ばし注入剤等の組織増大物質、薬物徐放性組成物、癒着防止剤、骨修復剤等に好適に応用することが可能である。
また、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を水中で膨潤させて架橋ヒアルロン酸ゲルとしたのち、これを上記のような用途に適用することもできる。
また、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法は、ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末を溶解しない液状媒体中に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なうことを特徴とするものである。
本発明の製造方法に用いるヒアルロン酸粉末は、下記一般式に示されるようにN−アセチル−D−グルコサミン残基と、D−グルクロン酸残基が交互に結合した直鎖状高分子であり、これを粉末状に加工したものであれば特に限定することなく用いることができる。
ヒアルロン酸は、例えば、鶏冠や他の動物組織からの単離抽出、あるいはストレプト・コッカス属などの微生物を用いた発酵法により得ることができる。また、本発明においては、例えば、ヒアルロン酸の誘導体として、ヒアルロン酸ナトリウム塩、ヒアルロン酸カリウム塩等のヒアルロン酸金属塩や、ヒアルロン酸のヒドロキシル基、カルボキシル基等をエーテル化、エステル化、アミド化、アセタール化、ケタール化させて得られるヒアルロン酸誘導体等の粉末を用いても構わない。
また、ヒアルロン酸粉末としては、市販品を用いることもできる。市販のヒアルロン酸としては、例えば、バイオヒアロ12(資生堂社製)、ヒアルロン酸(紀文社製)等が挙げられる。
本発明の製造方法に用いるヒアルロン酸粉末の分子量は、特に限定されるものではないが、分子量10万以上、さらには分子量が50万〜300万程度であることが好適である。通常、一般的に用いられるヒアルロン酸はそのほとんどが分子量10万以上であるものの、特別に低分子化した分子量1万程度のヒアルロン酸も存在する。本発明において、このような分子量1万程度の低分子化ヒアルロン酸を用いると、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を水膨潤させた際に、所望の粘弾性を有する架橋ヒアルロン酸ゲルを得ることができない場合があるため、あまり好ましくない
なお、ヒアルロン酸粉末が液状媒体中に溶解する場合には、外観が透明の粘稠液状となる。他方、ヒアルロン酸粉末が液状媒体中に溶解せずに分散している場合には、液状媒体中にヒアルロン酸粉末分散粒子の存在が確認される。そして、本発明の製造方法においては、ヒアルロン酸粉末を溶解させずに、粉末状態のままで液状媒体中に分散させて架橋反応を行なうので、液相の増粘が起こらず、高濃度のヒアルロン酸分散液であっても容易に処理することができる。本発明の製造方法において、架橋反応に供するヒアルロン酸粉末の濃度は、特に架橋反応に支障のない限り限定されるものではなく、50W/V%程度の高濃度でも処理可能であるが、好ましくは、架橋反応に供する混合物中、0.1〜30W/V%、さらに好ましくは1〜20W/V%である。
本発明の製造方法に用いる液状媒体は、炭素数1〜4の1価アルコールを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末を溶解しない液状媒体である。
炭素数1〜4の1価アルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等が挙げられる。これらのうち、メタノール、エタノール、1−プロパノール、又は2−プロパノールを特に好適に用いることができる。本発明においては、特にエタノールまたは2−プロパノールの使用が好適である。
なお、本発明の製造方法において、例えば、エチレングリコール等の多価アルコール類を用いた場合には、ヒアルロン酸粉末が溶解してしまい、また、アセトン等のケトン類を用いた場合には、得られた架橋ヒアルロン酸粉末の水中における膨潤率が500%に満たず、所望の架橋ヒアルロン酸ゲルが得られない場合がある。
また、本発明において、ヒアルロン酸粉末を溶解しないとは、具体的には、ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L(25℃)未満であることを意味する。
本発明の製造方法に用いる液状媒体としては、具体的には、前記1価アルコールと水との混合溶媒が挙げられる。ここで、混合溶媒中の水の配合割合が多くなりすぎると、液状媒体中にヒアルロン酸粉末が溶解してしまい、液相が増粘してしまうためにハンドリングしにくくなり、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造が困難になる。このため、前記混合溶媒中の1価アルコールと水との質量比(1価アルコール:水)は、99.9:0.1〜65:35であることが好ましい。さらに、前記質量比(1価アルコール:水)が、99.9:0.1〜85:15であることがより好ましい。
本発明の製造方法に用いる架橋剤は、前記ヒアルロン酸の高分子鎖間を化学結合によって架橋し得るものであれば、どのようなものを用いても構わない。ヒアルロン酸の架橋剤としては、ヒアルロン酸分子の持つカルボキシル基、水酸基、アセトアミド基といった反応性官能基と反応して共有結合を形成し得る官能基を2以上有する多官能性化合物を用いることができる。本発明に用いる架橋剤としては、具体的には、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,5−ヘキサジエンジエポキシド等のアルキルジエポキシ体、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル体、ジビニルスルホン、エピクロルヒドリン等が挙げられる。これらの中でも、特にジビニルスルホン、1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル、及びエチレングリコール・ジグリシジルエーテルを好適に用いることができる。また、本発明においては、2種以上の架橋剤を適宜組み合わせて用いても構わない。
また、本発明の製造方法において、架橋剤の配合量は特に限定されるものではないが、具体的には、架橋反応に供する混合物中、0.1〜10W/V%であることが好ましく、また、より好ましくは0.5〜5W/V%である。
また、本発明の製造方法においては、架橋反応時のヒアルロン酸の反応性を高める目的で、架橋反応に供する混合物中に、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基、あるいはリン酸塩、4級アンモニウム塩等の適当な緩衝液を添加して、混合物のpHを適宜調整したり、アルカリ又は酸条件下で架橋反応を行なってもよい。
例えば、前記液状媒体中の水に代えて0.001〜0.1Nのアルカリ性緩衝液を用い、アルカリ条件下で架橋反応を行なうと、ヒアルロン酸分子のヒドロキシメチル基が架橋剤とエーテル結合を形成して架橋が達成される。
また、前記液状媒体中の水に代えて0.001〜0.1Nの酸性緩衝液を用い、酸条件下で架橋反応を行なうと、ヒアルロン酸分子のカルボキシル基が架橋剤とエステル結合を形成して架橋が達成される。
架橋反応をアルカリ又は酸条件下で行なって得た膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を水膨潤させると、液状媒体として水を用いて得た粉末の場合よりも、さらに膨潤率が高く、粘弾性に優れた架橋ヒアルロン酸ゲルとなる。また、前記架橋ヒアルロン酸ゲルの粘弾性は、各緩衝液の濃度によっても変化し、通常、アルカリ濃度が高いほど損失弾性率が低下し、保形性の高いゲルとなる傾向にある。したがって、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造において、架橋反応時のアルカリ又は酸条件を調整することにより、用途や目的に応じた膨潤性及び粘弾性の架橋ヒアルロン酸ゲルを得ることができる。
また、本発明の製造方法において、架橋反応に供する混合物中、前記必須成分の他にも、予め、通常、医薬品、化粧料等に用いられる成分を、本発明の目的及び効果に影響が出ない範囲で配合しても構わない。配合可能な成分としては、例えば、アスコルビン酸及びその誘導体、グリセリン等の保湿剤、レチノール及びその誘導体、サリチル酸等の抗炎症剤等が挙げられる。
本発明の製造方法において、架橋反応に供する反応時間は、原料ヒアルロン酸粉末や架橋剤配合量、さらには目的とする架橋ヒアルロン酸粉末の物性等によっても異なるが、通常の場合、30分〜100時間、より好ましくは1時間〜72時間である。
また、本発明の製造方法においては、架橋反応を速やかに進行させて反応時間を短縮するために加熱してもよい。反応温度としては、20〜120℃とすることができるが、より好ましくは25〜90℃である。また、架橋反応後は、遠心分離やろ過など公知の方法により固液分離し、得られた粉末を常法によって洗浄、乾燥することにより、粉末状の架橋ヒアルロン酸ゲルを得ることができる。
また、本発明の製造方法においては、反応温度、反応時間、使用するヒアルロン酸粉末、架橋剤等の種類・濃度等を変化させることによって、水中に膨潤させた際の膨潤率や粘弾性等の物性が異なる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得ることができる。よって、目的とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の物性に応じて、これらを適宜決定すればよい。
また、本発明にかかる製造方法は、別の実施形態として、2重架橋を施した膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法を包含する。
ここで2重架橋とは、ヒアルロン酸分子のヒドロキシ基とカルボキシル基の両方を架橋剤と架橋反応させることを意味する。
本発明において、2重架橋を施した膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、下記工程(1)及び(2)を経て製造することができる。
(1)ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールとアルカリ性緩衝液とを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である溶媒に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なう。
(2)前記(1)工程の生成物を、炭素数1〜4の1価アルコールと酸性緩衝液とを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である溶媒に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なう。
前記(1)工程は、前述した架橋反応をアルカリ条件下で行ない、ヒアルロン酸分子中にエーテル架橋を形成させることを示す。また、前記(2)工程は、前述の架橋反応を酸条件下で行ない、前記ヒアルロン酸分子中にさらにエステル架橋を形成することを示す。
したがって、(1)及び(2)工程において、ヒアルロン酸粉末、溶媒、及び架橋反応に関する構成等は、前述の説明に準ずることができる。
架橋剤は、(1)及び(2)の両工程を通じ、ジビニルスルホン、1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル、及びエチレングリコール・ジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテルを使用することが好ましい。
以下に2重架橋を施した膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法を例示するが、これらは単なる一例であって本発明を制限するものではない。
(膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造例)
炭素数1〜4の1価アルコールと0.01〜0.1N水酸化ナトリウム水溶液とを99.9:0.1〜65:35の質量比で混合して得た液溶媒へ架橋剤を混合し、ヒアルロン酸粉末を添加・分散し、適当な条件下で架橋反応を行なう。架橋反応後、遠心分離やろ過などによりヒアルロン酸粉末を回収し、常法によって洗浄、乾燥して膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得る。
その後、前記膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールと0.01〜0.1N塩酸水溶液とを99.9:0.1〜65:35の質量比で混合して得た液溶媒と架橋剤の混合液に添加・分散し、適当な条件下で再度架橋反応を行なう。架橋反応後、同様にろ過によるヒアルロン酸粉末の回収、該粉末の洗浄及び乾燥を行ない、2重架橋された膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得る。
2重架橋を施すことにより、アルカリ又は酸性のいずれか一方の条件で架橋させた場合に比べ、水膨潤時の架橋ヒアルロン酸ゲルの保形性が高くなる傾向にある。また、前記ゲルの粘弾性は、アルカリ及び酸性緩衝液の濃度によって調整することが可能であり、通常、アルカリ濃度が高いほど弾性的なゲルが得られる。
このような2重架橋の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末及び、該粉末に由来するゲルは、いわゆる皮膚の弾力に近い物性を示すため、皺伸ばし注入剤等の組織増大物質における使用に特に好適である。
なお、酸条件下で架橋反応を行った後にアルカリ条件下で架橋反応を行なうと、アルカリ条件への曝露によって先に形成したエステル架橋が加水分解を受け、同時にヒドロキシ基におけるエーテル架橋の形成が抑制される傾向にある。このようにして得た架橋ヒアルロン酸粉末及び、該粉末に由来するゲルは、膨潤性及び増粘性が低くなるため、組織増大物質としての利用には不適であるが、一方で化粧品の保湿剤等への利用が期待できる。
従来の架橋ヒアルロン酸ゲルの製造方法では、液状媒体として水を用いるため、ヒアルロン酸水溶液が低濃度であっても非常に高い粘度となってしまう。
これに対し、本発明の方法においては、ヒアルロン酸粉末を溶解させずに粉末のままで液状媒体中に分散させるので、液相の増粘が起こらない。そのため、分散液は、マグネティックスターラーや撹拌棒、振とう機等により非常に容易に撹拌混合することができる。また、反応中においても液相の増粘が生じないため、高濃度のヒアルロン酸分散液を処理することが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、従来、非常に時間のかかっていたヒアルロン酸の水中への溶解工程が不要である。加えて、遠心分離やろ過等により、生成した架橋ヒアルロン酸を容易に分離することができるため、従来の方法に比べて、架橋剤や酸・アルカリ等の除去工程も大幅に簡素化される。したがって、本発明の製造法方法によれば、従来のヒアルロン酸水溶液を用いた方法と比較して、非常に容易に架橋ヒアルロン酸を製造することが可能となり、製造時間やコストを大幅に低減できる。
さらに、前記従来製法の場合、架橋ヒアルロン酸は水を含むゲルの状態で得られるが、これを公知の方法によって乾燥させて得た架橋ヒアルロン酸粉末は、これを再度水中に加えても膨潤することなく離水ないしは溶解してしまう。
これに対し、本発明の方法によって得た膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、水中において500%以上の極めて高い膨潤率を示す。すなわち、本発明によって、従来実現不可能であった「膨潤性」架橋ヒアルロン酸粉末を得ることが可能となる。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
本発明者らは、最初に、ヒアルロン酸粉末を、1価低級アルコール/水の混合溶媒中に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。
実施例1,2
0.1N水酸化ナトリウム水溶液10部、エタノール87部、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P,長瀬産業社製)3部を混合した反応液中に、ヒアルロン酸粉末(バイオヒアロ12,分子量120万,資生堂社製)を3.3W/V%となるように添加・分散して、室温(実施例1)又は45℃(実施例2)で16時間架橋反応を行なった。反応終了後、ヒアルロン酸粉末をろ過回収した後、エタノールを用いて洗浄し、乾燥させた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、室温条件(実施例1)、45℃加温条件(実施例2)のいずれにおいても、無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルとなった。その際の架橋ヒアルロン酸粉末の膨潤率(重量)は、いずれも500%以上であった。
室温条件下で調製した実施例1の架橋ヒアルロン酸粉末について、過剰の精製水で膨潤させた状態の写真図を図1(a)に、乾燥状態の写真図を図2(a)に示す。膨潤させた状態の架橋ヒアルロン酸ゲルの大きさは約2〜7mmであった。
実施例3
架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル3部に換えて、ジビニルスルホン3部を用いたほかは、上記実施例1,2と同様にして室温条件で架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルとなった。この架橋ヒアルロン酸ゲルの大きさは約1〜5mmであった。また、架橋ヒアルロン酸粉末の膨潤率(重量)は、500%以上であった。
実施例4
架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル3部に換えて、1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル3部を用いたほかは、上記実施例1,2と同様にして室温条件で架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルとなった。この架橋ヒアルロン酸ゲルの大きさは約2〜8mmであった。また、架橋ヒアルロン酸粉末の膨潤率(重量)は、500%以上であった。
実施例5,6
0.1N水酸化ナトリウム水溶液10部に換えて、精製水10部を用いたほかは、上記実施例1,2と同様にして、架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、室温条件(実施例5)、45℃加温条件(実施例6)のいずれにおいても、無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルとなった。その際の架橋ヒアルロン酸粉末の膨潤率(重量)は、いずれも500%以上であった。
室温条件下で調製した実施例5の架橋ヒアルロン酸粉末について、過剰の精製水で膨潤させた状態の写真図を図1(b)に、乾燥状態の写真図を図2(b)に示す。膨潤させた状態の架橋ヒアルロン酸ゲルの大きさは約0.1〜0.5mmであった。
上記実施例1〜6において用いた原料,反応条件及びその結果をまとめたものを、下記表1に示す。
上記実施例1〜6より、エタノール/水の混合溶媒(エタノール:水=10.3:89.7)を用い、この混合溶媒中にヒアルロン酸粉末を分散させた状態で架橋反応を行なうことによって、室温条件、45℃加温条件、各架橋剤のいずれにおいても、水中における膨潤率が500%の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末が得られることが明らかとなった。
なお、上記実施例1〜6においては、架橋反応の際にヒアルロン酸粉末が液状媒体中に溶解していないため、液相の増粘が起こらず、攪拌等の操作が非常に容易であり、さらに、ろ過によって容易に生成物を分離することが可能であった。
また、図1,2より、アルカリを添加した実施例1の粉末からは、より架橋反応が進み、大きな粒子のゲルが得られることがわかった(図1(a)及び図2(a))。他方、アルカリを添加しなかった実施例5の粉末においても、細かい粒子の架橋ヒアルロン酸ゲルが得られ、この1つ1つの粒子は純水膨潤することから、粒子内部での架橋が進行していることが認められた(図1(b)及び図2(b))。また、この架橋ヒアルロン酸粉末を水中で限界膨潤させたときのヒアルロン酸濃度は0.1〜20重量%の範囲にあり、膨潤性及び粘弾性に優れた架橋ヒアルロン酸ゲルが得られることが明らかとなった。
実施例7,8
エタノール87部に換えて、イソプロパノール87部を用いたほかは、上記実施例1,2と同様にして、架橋ヒアルロン酸ゲルの調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、室温条件(実施例7)、45℃加温条件(実施例8)のいずれにおいても、無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルを得た。その際の架橋ヒアルロン酸粉末の膨潤率(重量)は、500%以上であった。
実施例9,10
エタノール87部に換えて、イソプロパノール87部を用いたほかは、上記実施例5,6と同様にして、架橋ヒアルロン酸ゲルの調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、室温条件(実施例9)、45℃加温条件(実施例10)のいずれにおいても、無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルを得た。その際の架橋ヒアルロン酸粉末の膨潤率(重量)は、500%以上であった。
比較例1
エタノール87部に換えて、エチレングリコール87部を用いたほかは、上記実施例2と同様にして、架橋ヒアルロン酸ゲルの調製を試みた。この結果、ヒアルロン酸粉末が混合溶媒中に溶解し、攪拌混合が不可能となったため、操作を中止した。
比較例2
エタノール87部に換えて、アセトン87部を用いたほかは、上記実施例2と同様にして、架橋ヒアルロン酸ゲルの調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、分散媒が黄色く着色し、ヒアルロン酸が変質していることが示唆されたため、操作を中止した。また、架橋ヒアルロン酸粉末は水中で離水してしまい、膨潤率(重量)は、500%に満たなかった。
上記実施例7〜10及び比較例1,2において用いた原料,反応条件及びその結果をまとめたものを、下記表2に示す。
上記実施例7〜10より、イソプロパノール/水の混合溶媒(イソプロパノール:水=10.3:89.7)を用いることによって、エタノール/水混合溶媒を用いた実施例1〜4と同様に、室温条件、45℃加温条件のいずれにおいても、水中における膨潤率が500%の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末が得られることが明らかとなった。
一方で、上記比較例1より、多価アルコールであるエチレングリコール/水の混合溶媒を用いた場合には、ヒアルロン酸粉末が溶解してしまい、攪拌混合が困難になるため、架橋ヒアルロン酸ゲルの製造を容易に行なうことはできなかった。また、上記比較例2より、アセトン/水の混合溶媒を用いた場合には、製造時にヒアルロン酸粉末は溶解しないものの、分散媒が黄色く着色してしまい、品質の良い架橋ヒアルロン酸粉末を得ることはできなかった。また、比較例2の粉末は水中でほとんど膨潤せず、膨潤率においても実施例7〜10に及ばなかった。
つづいて、本発明者らは、1価低級アルコールと水との混合割合について検討するため、エタノールと水との質量比を適宜変化させて、上記実施例2と同様にして、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。
実施例11
精製水20部と、エタノール77部とを用いたほかは、上記実施例2と同様にして、架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、粉末に対する膨潤率が500%以上の無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルを得た。
実施例12
精製水30部と、エタノール67部とを用いたほかは、上記実施例2と同様にして、架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させたところ、粉末に対する膨潤率が500%以上の無色澄明〜白色の架橋ヒアルロン酸ゲルを得た。
比較例3
精製水40部と、エタノール57部とを用いたほかは、上記実施例2と同様にして、架橋ヒアルロン酸粉末の調製を試みた。この結果、ヒアルロン酸粉末が混合溶媒中に溶解し、攪拌混合が不可能となったため、操作を中止した。
上記実施例11,12及び比較例3において用いた原料,反応条件及びその結果をまとめたものを、下記表3に示す。
上記表3より、エタノール/水の質量比が約90:10〜70:30の混合溶媒を用いた場合、溶媒におけるヒアルロン酸の溶解度が0.1g/Lとなり、膨潤性架橋ヒアルロン酸を粉末状態で得ることができることが明らかとなった。なお、前記各粉末を水膨潤させた架橋ヒアルロン酸ゲルの粒子の大きさは、水の割合が高くなるほど大きくなることがわかった(実施例2<実施例11<実施例12)。
一方で、比較例3に示すとおり、水の割合が40%を超えると液相が増粘してしまい、攪拌混合が困難になるため、架橋ヒアルロン酸粉末を製造することはできなかった。
本発明者がさらに検討を行なった結果、混合溶媒中の1価アルコールと水との質量比(1価アルコール:水)が65:35程度まで、ヒアルロン酸粉末が溶解することなく、容易に膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造を行なうことができることがわかった。
本発明者らは、異なる方法で得た粉末状の架橋ヒアルロン酸について、膨潤性の有無を検討するため、下記比較例4〜6の粉末による架橋ヒアルロン酸ゲル生成を上記実施例2と比較した。結果を下記表4に示す。
比較例4
市販の架橋ヒアルロン酸ゲル(レスチレン、スウェーデンQ−Med社製)を凍結乾燥させ、粉末状態とした。得られた粉末を過剰の精製水で再度膨潤させたところ、離水を起こしてしまい、元の架橋ヒアルロン酸ゲルとはならなかった。
比較例5
市販の架橋ヒアルロン酸ゲル(ハイラフォーム、米国Genzyme社製)を凍結乾燥させ、粉末状態とした。得られた粉末を過剰の精製水で再度膨潤させたところ、離水を起こしてしまい、元の架橋ヒアルロン酸ゲルとはならなかった。
比較例6
実施例2により得た架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水中で膨潤させて架橋ヒアルロン酸ゲルとした。前記ゲルを凍結乾燥させ、粉末状態とした。この粉末を過剰の精製水で再度膨潤させたところ、離水を起こしてしまい、元の架橋ヒアルロン酸ゲルとはならなかった。
上記表4に示すとおり、架橋ヒアルロン酸ゲルを乾燥させて粉末としても、再度膨潤させても架橋ヒアルロン酸ゲルを得ることはできないことが明らかである。したがって、膨潤率が500%以上の「膨潤性」架橋ヒアルロン酸「粉末」を得るためには、本発明にかかる製造方法が好適である。
下記実施例及び比較例に示す架橋ヒアルロン酸ゲルについて、動的粘弾性の評価を行なった。結果を図3に示す(図3(a)実施例13、(b)比較例7、(c)比較例8)。
(動的粘弾性の測定)
TA Instruments社製のストレス制御式レオメーター(AR1000−N)を用い、angular frequency 0.1〜100(1/sec)の範囲にて貯蔵弾性率G’[Pa]及び損失弾性率G’’[Pa]を測定した。
実施例13
0.1N水酸化ナトリウム水溶液10部、エタノール87部に、ヒアルロン酸粉末(バイオヒアロ12、分子量120万、資生堂社製)を3.3W/V%となるように添加・分散し、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P、長瀬産業社製)3部を添加混合し、90℃で1時間架橋反応を行なった。反応終了後、ヒアルロン酸粉末をろ過回収した後、エタノールによる洗浄及び乾燥を施し、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得た。該粉末を濃度2重量%として生理食塩水に加えて膨潤させ、得られた架橋ヒアルロン酸ゲルを粘弾性測定に使用した。
比較例7
市販の架橋ヒアルロン酸ゲル(レスチレン、スウェーデンQ−Med社製)を粘弾性測定に使用した。
比較例8
市販ヒアルロン酸製剤(ハイラフォーム、米国Genzyme社製)を粘弾性測定に使用した。
図3に示すとおり、本発明にかかる製造方法による架橋ヒアルロン酸ゲル(実施例13)は、皺伸ばし注入剤として用いられる市販の架橋ヒアルロン酸ゲル(比較例7、8)のほぼ中間に位置する優れた粘弾性を示した。
比較例7、8の架橋ヒアルロン酸ゲルは、ヒアルロン酸水溶液において架橋反応を行なって得られたものであり、粉末の状態を経ずに直接ゲルが生成されたと推察される。
以上の結果から、本発明にかかる製造方法により得られる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、膨潤により、組織増大物質として使用可能な優れた粘弾性を有するゲルとなることが明らかとなった。該粉末は、各周波数に依存しない優れた弾性を示すことから、特に皺伸ばし注入剤として好適であると考えられる。
続いて、上記実施例13及び下記実施例14に示す架橋ヒアルロン酸ゲルについて、動的粘弾性を測定し、その特性を比較した。結果を図4に示す(図4(a)実施例13、(b)実施例14)。なお、動的粘弾性の測定方法は上記に準じて行なった。
実施例14
0.001N水酸化ナトリウム水溶液10部、エタノール87部に、ヒアルロン酸粉末(バイオヒアロ12、分子量120万、資生堂社製)を3.3W/V%となるように添加・分散し、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P、長瀬産業社製)3部を添加混合し、90℃で1時間架橋反応を行なった。反応終了後、ヒアルロン酸粉末をろ過回収した後、エタノールによる洗浄及び乾燥を施し、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得た。該粉末を濃度2重量%として生理食塩水に加えて膨潤させ、得られた架橋ヒアルロン酸ゲルを粘弾性測定に使用した。
図4に示すとおり、本発明にかかる膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末から得た実施例13及び14の架橋ヒアルロン酸ゲルは、いずれも優れた粘弾性を示した。特に、製造系のアルカリ濃度を高くした実施例13では、実施例14に比べてゲルの貯蔵弾性率(G’)に周波数依存性が少なく、また損失弾性率(G’’)が低かった。
以上のことから、本発明にかかる製造方法において、液状媒体に0.001〜0.1Nアルカリ緩衝液を含有させて得た膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、粘弾性に優れた架橋ヒアルロン酸ゲルとなることが明らかになった。特に、架橋反応時のアルカリ濃度を高めるほど、変形に対してより弾性的な性質を有するゲルを製造することができる。
また、上記実施例14及び下記実施例15〜17に示す架橋ヒアルロン酸ゲルについて、動的粘弾性を測定し、その特性を比較した。結果を図5に示す(図5(a)実施例14、(b)実施例15、(c)実施例16、(d)実施例17)。なお、動的粘弾性の測定方法は上記に準じて行なった。
実施例15
0.001N塩酸水溶液10部、エタノール87部に、ヒアルロン酸粉末(バイオヒアロ12、分子量120万、資生堂社製)を3.3W/V%となるように添加・分散し、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P、長瀬産業社製)3部を添加混合し、90℃で1時間架橋反応を行なった。反応終了後、ヒアルロン酸粉末をろ過回収した後、エタノールによる洗浄及び乾燥を施し、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得た。該粉末を濃度2重量%として生理食塩水に加えて膨潤させ、得られた架橋ヒアルロン酸ゲルを粘弾性測定に使用した。
実施例16
0.001N水酸化ナトリウム水溶液10部、エタノール87部に、ヒアルロン酸粉末(バイオヒアロ12、分子量120万、資生堂社製)を3.3W/V%となるように添加・分散し、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P、長瀬産業社製)3部を添加混合し、90℃で1時間架橋反応を行なった。反応終了後、混合液をろ過してろ物を回収した後、エタノールによる洗浄及び乾燥を行なって架橋ヒアルロン酸粉末を得た。
その後、0.001N塩酸水溶液10部、エタノール87部に、前記架橋ヒアルロン酸粉末を3.3W/V%となるように添加・分散し、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P、長瀬産業社製)3部を添加混合し、90℃で1時間架橋反応を行なった。反応終了後、ヒアルロン酸粉末をろ過回収した後、エタノールによる洗浄及び乾燥を施し、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得た。該粉末を濃度2重量%として生理食塩水に加えて膨潤させ、得られた架橋ヒアルロン酸ゲルを粘弾性測定に使用した。
実施例17
0.001N塩酸水溶液10部、エタノール87部に、ヒアルロン酸粉末(バイオヒアロ12、分子量120万、資生堂社製)を3.3W/V%となるように添加・分散し、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P、長瀬産業社製)3部を添加混合し、90℃で1時間架橋反応を行なった。反応終了後、混合液をろ過してろ物を回収した後、エタノールによる洗浄及び乾燥を行なって架橋ヒアルロン酸粉末を得た。
その後、0.001N水酸化ナトリウム水溶液10部、エタノール87部に、前記ヒアルロン酸粉末を3.3W/V%となるように添加・分散し、架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル;デナコールEX810P、長瀬産業社製)3部を添加混合し、90℃で1時間架橋反応を行なった。反応終了後、ヒアルロン酸粉末をろ過回収した後、エタノールによる洗浄及び乾燥を施し、膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末を得た。該粉末を濃度2重量%として生理食塩水に加えて膨潤させ、得られた架橋ヒアルロン酸ゲルを粘弾性測定に使用した。
図5に示すとおり、アルカリ条件下でエーテル架橋を行なった実施例14及び酸条件下でエステル架橋を行なった実施例15の架橋ヒアルロン酸粉末を水膨潤させたゲルは、共に角周波数に依存しない優れた粘弾性を示した。また、エーテル架橋を行った後にエステル架橋を行って得た実施例16の2重架橋ヒアルロン酸粉末を水膨潤させたゲルも同様に高い粘弾性を示したが、実施例14及び15に比べ、損失弾性率(G’’)の低下が認められた。
一方、エステル架橋を行った後にエーテル架橋を行った実施例17は、角周波数に依存して粘弾性が著しく低下した。
以上のことから、本発明にかかる製造方法において、アルカリ条件下又は酸条件下で架橋反応を行なって得た膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、粘弾性に優れた架橋ヒアルロン酸ゲルとなることが明らかである。さらに、アルカリ条件下で架橋反応を行った後で、酸条件下で再度架橋反応を行なって得た膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末は、変形に対してより弾性的な性質を有するゲルとすることができる。
また、例えば、架橋ヒアルロン酸ゲルをしわ伸ばし剤として使用する場合、上記粘弾性に加え、生体内の酵素分解に対する耐性の点からも、2重に架橋した方が有利であると考えられる。
本発明の実施例1及び実施例5により得られた架橋ヒアルロン酸粉末を過剰の精製水で膨潤させた状態の写真図である((a)実施例1,(b)実施例5)。 本発明の実施例1及び実施例5により得られた架橋ヒアルロン酸粉末の乾燥状態の写真図である((a)実施例1,(b)実施例5)。 本発明の実施例13により得られた架橋ヒアルロン酸ゲル、及び、従来の製造方法による市販の架橋ヒアルロン酸ゲルにより得られたヒアルロン酸ゲルの動的粘弾性を比較したグラフである((a)実施例13、(b):比較例7、(c):比較例8)。 本発明の実施例13及び実施例14により得られた架橋ヒアルロン酸ゲルの動的粘弾性を比較したグラフである((a):実施例13、(b):実施例14)。 本発明の実施例14〜17により得られたヒアルロン酸ゲルの動的粘弾性を比較したグラフである((a):実施例13、(b):実施例14、(c):実施例15、(d):実施例16)。

Claims (11)

  1. 水中における膨潤率が500%以上であり、
    ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である液状媒体中に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なって得ることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末。
  2. 水を用いて限界まで膨潤させたときのヒアルロン酸濃度が0.1〜2
    0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末。
  3. ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールを含有し、且つ
    該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である液状媒体中に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なうことを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
  4. 請求項3に記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において、
    前記液状媒体が、前記1価アルコールと水との混合溶媒であることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
  5. 請求項3または4に記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法に
    おいて、前記1価アルコールがエタノールまたは2−プロパノールであることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造
    方法において、前記1価アルコールと水との混合比が、質量比で99.9:0.1〜65:35であることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造
    方法において、前記水がアルカリ性緩衝液または酸性緩衝液であることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造
    方法において、前記架橋剤が、ジビニルスルホン、1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル、及び/またはエチレングリコール・ジグリシジルエーテルであることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
  9. 下記工程(1)及び(2)を含む膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造
    方法。
    (1)ヒアルロン酸粉末を、炭素数1〜4の1価アルコールとアルカリ性緩衝液とを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である溶媒に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なう。
    (2)前記(1)工程の生成物を、炭素数1〜4の1価アルコールと酸性緩衝液とを含有し、且つ該ヒアルロン酸粉末の溶解度が0.1g/L未満である溶媒に分散した状態で、架橋剤とともに混合し、架橋反応を行なう。
  10. 請求項9に記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法において
    、前記1価アルコールとアルカリ性緩衝液または酸性緩衝液との混合比が、質量比で99.9:0.1〜65:35であることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
  11. 請求項9または10に記載の膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方
    法において、前記架橋剤が、ジビニルスルホン、1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル、及び/またはエチレングリコール・ジグリシジルエーテルであることを特徴とする膨潤性架橋ヒアルロン酸粉末の製造方法。
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