JP4459365B2

JP4459365B2 - Seat belt device

Info

Publication number: JP4459365B2
Application number: JP2000042987A
Authority: JP
Inventors: 吉人橋本; 岩太日端; 培松木
Original assignee: オートリブディベロップメントエービー
Priority date: 2000-02-21
Filing date: 2000-02-21
Publication date: 2010-04-28
Anticipated expiration: 2020-02-21
Also published as: JP2001233173A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リトラクター（巻取手段）を備えたシートベルト装置の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、車両の乗員等を座席に保持するためのシートベルト装置においては、急な加速、衝突、減速等に反応する慣性感知手段によって駆動されてウェビングの引出しを物理的にロックする緊急ロック式リトラクターを備えて乗員を効果的且つ安全に拘束するものが用いられている。
緊急ロック式リトラクターは、略コ字状に屈曲形成されたリトラクターベースを備えている。リトラクターベースは、対向する一対の側板と、側板を連結する背板とを備えている。側板間には、外周面にウェビングが巻装され、一方の端部近傍にストップ手段としてのポールが設けられた略円筒状のボビンが橋架されている。
【０００３】
特開平８−１４１６７６号公報には、リトラクターベースの一方の側板に、底付き筒状部を一体的に備えた緊急ロック式リトラクターが開示されている。底付き筒状部の底壁は、ボビンの軸方向の動きを規制する。底壁には、ポールを備えた側のボビンの端部が貫通される貫通孔が設けられている。底付き筒状部の周壁内周面には、ポールが噛合可能な内歯が設けられている。通常、ボビンはウェビングを引き出せるように回転自在となっているが、車両緊急時には、ポールがボビンの半径方向外方に突出して内歯に噛合する。これにより、ボビンの回転及びウェビングの引き出しが阻止される。
【０００４】
前記特開平８−１４１６７６号公報に開示されているリトラクターベースは、以下の手順によって形成される。先ず、板材の側板となる部分に孔を打ち抜く。次に、孔の縁をバーリング加工して、側板の内側に突出する底無し筒状部を形成する。次に、筒状部の周壁を軸方向に圧縮して、周壁の基端側の肉厚を先端側の肉厚より厚くする。そして、周壁内をシェービング加工して、周壁内周面に内歯を形成するとともに、シェービング加工に伴う切り屑で周壁の先端周縁に環状底を形成する。このとき環状底の内周縁によって区画されている孔が、貫通孔となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このリトラクターベースは、製造工程における加工が煩雑で、コストが高かった。また、シェービング加工に伴う切り屑によって筒状部の先端周縁に形成された環状底には、寸法精度及び強度の向上が望まれていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、その目的は、十分な寸法精度及び強度を有しながら安価であるリトラクターを備えたシートベルト装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
対向する側板を有するリトラクターベースと、前記側板間に支持されて、ウェビングが巻装されるボビンとを有するリトラクターを備えたシートベルト装置において、
前記側壁の一方に環状に設けられた複数の内歯と、
当該側板から前記ボビン軸線方向にオフセットして設けられ、前記ボビンの一端を支持する軸受孔を有する底壁、及び互いに隣接する前記内歯の間から前記底壁へと延びた接続部を有し、当該側板に一体に形成された底付き筒状部と、
車両緊急時に前記リトラクターベースに対する前記ボビンのウェビング引き出し方向の回転を前記内歯と噛み合って阻止する前記ボビンに設けられたストップ手段と、
を有することを特徴とするリトラクターを備えたシートベルト装置を提供することによって達成される。
【０００７】
ここで「環状」とは、側板の、ボビンの軸線が交わる箇所の周りを囲むものをいう。例えば環状として、円環状や多角形環状等を採用できる。
リトラクターベースの材質は限定されないが、鉄等を例示できる。
【０００８】
本発明の前記構成によれば、リトラクターベースの製造工程において、側板の環状領域内に周方向に間隔を隔てて切込みを設け、側板の切込みより内側の部分を押し込むことで、内歯と底付き筒状部とが同時に側板に形成される。
従来は、底付き筒状部の周壁内周面に内歯を設けることが一般的であったが、本発明では、環状領域内の切込み間の部分によって構成される底付き筒状部の側壁に、内歯を設けていない。本発明における内歯は、側板とほぼ面一となる。
このような、内歯及び底付き筒状部を一体的に設けた側板を有するリトラクターベースは、少ない工程で製造でき、また、製造工程における加工が容易であるため、安価に得ることができる。したがって、このリトラクターベースを用いることで、シートベルト装置のコストダウンが可能になる。
【０００９】
また、本発明の前記構成によれば、底付き筒状部がリトラクターベースに一体的に設けられており、別体の底付き筒状部をリトラクターベースに取り付けたものに比べて、寸法精度が高い。さらに、側板の切込みより内側の部分を押し込む際に、環状領域内の切込み間の部分に絞り変形が集中して、側板の底付き筒状部以外の箇所及び底付き筒状部の底壁には絞り変形がほとんど生じない。したがって、寸法精度が極めて高いリトラクターベースを得ることができる。
また前記構成のリトラクターベースは、底付き筒状部がリトラクターベースに一体的に設けられており、かつ、底壁が絞り変形されていないので底壁の強度が確保されている。したがって、ボビンの軸方向及び径方向の動きによる負荷に耐えうる十分な強度を有している。
【００１０】
本発明によれば、前述したように底壁が絞り変形されないので、底壁に貫通孔を一旦形成することで、高精度の軸受孔を容易に得ることができる。この軸受孔によって、例えばボビンの回転軸の一端を軸支することで、ボビンの径方向の動きが抑制され、ボビンをより円滑に回転させることや、ボビンのガタつきによる異音を消去すること等が可能になる。このとき、軸受孔とボビンの軸支される部分との間に、別体の軸受部材を介在させることが好ましい。軸受部材としては、側板とボビンとが干渉しないようにそれら側板及びボビンが非接触となる正確な位置に保持するとともに、ボビンの円滑な回転を妨げないような摺動性を有する部材を用いることができ、例えばプラスチックブッシュ等を採用できる。
【００１１】
また前記構成において、側板の切込みより内側の部分を、側板の外側に向かって押し込むことが好ましい。こうすれば、底付き筒状部の側壁内面によって、例えばボビンのフランジ部等を支持することが可能となるため、ボビンの径方向の動きをより確実に抑制することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図１は本発明の一実施形態におけるシートベルト用リトラクター１の部分分解斜視図であり、図２は図１の分解斜視図を逆側面側から見た部分分解斜視図である。
【００１３】
図１に示すように、シートベルト用リトラクター１はリトラクターベース１０を備えている。リトラクターベース１０は、車体に固定される背板１０ｃの両側から左右の側板１０ａ，１０ｂを立ち上げて略コ字状の断面を有するように、金属板をプレス成形したものである。左右の側板１０ａ，１０ｂには、貫通孔１３，１４が設けられている。一方（図中左方）の側板１０ａの貫通孔１３は、当該側板１０ａに一体的に形成された底付き筒状部４０の底壁４１に形成されている。側板１０ａの底付き筒状部４０が設けられた箇所の周縁部には、周方向に間隔を隔てて内歯４２が形成されている。側板１０ａの外側（他方の側板１０ｂと相対する側とは反対側）には、巻取りバネ装置３５が併設されている。リトラクターベース１０については後述する。
【００１４】
巻取りバネ装置３５は、リトラクターベース１０の側板１０ａに相対するロアケース３５ａと、ロアケース３５ａと組み合わされて相互間に収納空間を形成するアッパケース３５ｂとを備えている。
【００１５】
リトラクターベース１０には、ウェビングが巻装される略円筒状のボビン３と、ボビン３を挿通してリトラクターベース１０の側板１０ａ，１０ｂに回転可能に支持される略円柱状のエネルギー吸収部材としてのねじり棒５とが取り付けられている。ねじり棒５はボビン３の回転軸となる。
【００１６】
ねじり棒５の一端側（図中左端側）には、連結部材としてのスリーブ８を介してボビン３と一体回転可能な結合を果たすボビン結合部５ａが設けられ、他端側（図中右端側）には、ロック部材の一部である円盤状のロッキングベース７と一体回転可能な結合を果たすロッキングベース結合部５ｂが設けられている。これらの結合部５ａ，５ｂは、断面形状を六角形に形成したものである。
リトラクターベース１０の側板１０ａ，１０ｂ間に橋架されたねじり棒５の、一方の側板１０ａを挿通した先端部５ｄは、巻取りバネ装置３５によって、ボビン３をウェビング巻取り方向に回転させるように常時付勢されている。
【００１７】
図２に示すように、ねじり棒５の結合部５ａは、ボビン３の一端側に形成された断面略三角形の穴３ｍに嵌合するスリーブ８に形成された断面六角形の挿通孔８ａ（図１参照）に嵌合することで、ボビン３と一体回転可能に結合されている。また図２に示すように、結合部５ｂは、ロッキングベース７のボス部７ｃに形成された六角形の挿通孔７ｄに嵌合することで、ロッキングベース７と一体回転可能に結合されている。
なお、スリーブ８の、ボビン３に嵌合する側とは反対側の側面には、プラスチックブッシュ３４がその外周に嵌合される筒部８ｂが設けられている。プラスチックブッシュ３４は、リトラクターベース１０に形成された底付き筒状部４０の底壁４１に設けられた貫通孔１３（図１参照）の周縁部によって係止されるフランジ部３４ａを備えている。本実施形態では、スリーブ８の筒部８ｂが、軸受孔としての貫通孔１３（図１参照）に支持されるボビン３の一端となる。
【００１８】
ねじり棒５は、結合部５ａ，５ｂ間に所定以上の回転トルクが作用して、これら結合部５ａ，５ｂ間の変形部５ｃがねじれて塑性変形を起こすことにより、乗員の身体に作用する衝撃エネルギーの吸収を行うように構成されたエネルギー吸収手段である。
【００１９】
緊急ロック機構は、車両緊急時（事故等によって急な減速が発生したときや、ウェビングが急激に引出されるとき等）に、ロッキングベース７とリトラクターベース１０とを連結し、ロッキングベース７のウェビング引出方向の回転を阻止することで、ウェビング引出し方向へのボビン３の回転を阻止するものである。緊急ロック機構の具体的な構成は、公知の種々のものを採用することができる。
本実施形態の緊急ロック機構は、図１に示すように、ロッキングベース７のピン７ａに回転可能に支持され、先端に係止歯９ａを備えた係止部材（ロック部材の一部）としての第１ポール９と、リトラクターベース１０の側板１０ｂに併設され、第１ポール９の係止歯９ａが噛合可能な内歯１５ｇが形成されたラッチプレート１５とを含んでいる。この緊急ロック機構は、車両緊急時に第１ポール９の係止歯９ａを側板１０ｂに固定されたラッチプレート１５の内歯１５ｇに噛合させることで、ロッキングベース７とリトラクターベース１０とを連結し、ロッキングベース７のウェビング引出し方向の回転を阻止する。
【００２０】
ボビン３は、軽量化を図る等の目的でダイカスト鋳造法により製造されたアルミ又は亜鉛等からなるダイカスト製品である。ボビン３は、ウェビングが巻装される略円筒状の胴部３ｃと、ウェビングの巻乱れを防止するフランジ部３ａ，３ｂとを備えている。ボビン３には、ねじり棒５が貫通されるねじり棒貫通孔３ｈが軸心に沿って設けられている。またボビン３には、伝達部材としてのレバー２３が貫通されるレバー貫通孔３ｋが、ねじり棒貫通孔３ｈに対して平行に設けられている。
【００２１】
図１に示すように、ボビン３のレバー貫通孔３ｋに貫通されたレバー２３は、軸部２３ｃと、軸部２３ｃの一端（図中左端）に形成された断面四角形状の結合部２３ａと、軸部２３ｃの他端（図中右端）に接続されて軸部２３ｃの径方向に突出したアーム部２３ｂとを備えている。断面四角形状の結合部２３ａは、ストップ手段としての第２ポール２５の四角孔に結合されており、ねじ２７で固定されている。アーム部２３ｂは、ボビン３の軸方向端面（フランジ部３ｂの側面）上に配置されている。
【００２２】
図２に示すように、ボビン３の一方（図中左方）のフランジ部３ａには、第２ポール２５を格納する凹部３ｄが設けられている。第２ポール２５は、リトラクターベース１０の側板１０ａに形成された内歯４２（図１参照）と噛合可能とされている。ボビン３の他方（図中右方）のフランジ部３ｂとロッキングベース７との間には、テープ部材２１が配置されている。
【００２３】
テープ部材２１は、樹脂からなる一体射出成形品であって、円環部２１ａと、テープ部２１ｔと、フック部２１ｆとを備えている。円環部２１ａの内周には凸部２１ｃが形成されており、この凸部２１ｃがロッキングベース７のボス部７ｃ外周に形成された凹部７ｅに嵌合することで、テープ部材２１がロッキングベース７に固定されている。テープ部２１ｔは、ここでは帯状のものが用いられているが、断面略円形のひも状のもの等でもよい。テープ部２１ｔの先端に接続されたフック部２１ｆは、レバー２３のアーム部２３ｂに係止されている。
【００２４】
図３に、レバー２３のアーム部２３ｂ付近の拡大図を示す。図３に示すように、アーム部２３ｂには、テープ部材のフック部２１ｆを案内する凸状（図中紙面に対して手前側に突出した凸状）の外側案内部２３ｕ及び内側案内部２３ｄと、テープ部２１ｔを支持するピン２３ｐとが形成されている。テープ部２１ｔはピン２３ｐに架け回され、先端のフック部２１ｆは、内側案内部２３ｄに設けられた小突起２３ｓによって係止されて位置規制されている。小突起２３ｓに位置規制されることで、フック部２１ｆはボビンのフランジ部３ｂの内方に形成された凸部３ｉに当接し、これによりアーム部２３ｂの図中時計回りの方向の回転が規制されている。したがって、通常時において、アーム部２３ｂは不動なのでレバー２３も回転しない。
所定の引張力がテープ部２１ｔに作用した際には、外側案内部２３ｕと内側案内部２３ｄとの間隔が変形して広がることで、又は小突起２３ｓが潰されるか若しくは切断されることで、又はフック部２１ｆが変形して小突起１６３ｓを乗り越えることで、フック部２１ｆの移動が可能になる。
【００２５】
次に、図４〜図７を参照して、本実施形態におけるシートベルト用リトラクター１の作動について説明する。ここで、図４（ａ）はリトラクター１の一方の側板１０ａ側の初期状態（ねじり棒５がエネルギー吸収のためにねじれる前の状態、すなわち、ロッキングベース７に対してボビン３が相対回転していない状態）における側面図であり、（ｂ）はテープ部材２１及びレバー２３の初期状態の関係を示す図であり、（ｃ）は他方の側板１０ｂ側の初期状態における側面図である。なお図４（ａ）では、巻取りバネ装置３５を図示しておらず、本来は点線で描くべきスリーブ８及び第２ポール２５を実線で描いた。
図５及び図７は、図４（ａ），（ｂ），（ｃ）からの作動図である。図６は、レバー２３のアーム部２３ｂ付近の拡大図である。
【００２６】
車両緊急時には、先ず、図４（ｃ）に示すように、第１ポール９が二点鎖線で示す位置からロッキングベース７の半径方向外方に誘導され、実線で示すように側板１０ｂに固定されたラッチプレート１５の内歯１５ｇに当該第１ポール９の係止歯９ａが噛合する。これにより、ロッキングベース７のウェビング引出し方向の回転が阻止される。さらに、ウェビング引出し方向に所定値以上の荷重が加わり、ねじり棒５の変形部５ｃがねじれると、ボビン３とロッキングベース７とは相対回転する。すると、図４（ｂ）に示すレバー２３はボビン３と一体回転するので、レバー２３のアーム部２３ｂにフック部２１ｆを係止されたテープ部材２１のテープ部２１ｔが円環部２１ａから巻き解かれていく。そして、テープ部２１ｔが完全に円環部２１ａから巻き解かれた後、更に図５（ｂ）に示すように、テープ部２１ｔが円環部２１ａに逆方向（反時計回りの方向）に巻き付きられ、テープ部２１ｔが緊張する。
【００２７】
さらに、ボビン３とロッキングベース７が相対回転すると、図６（ａ）に示す状態から、テープ部２１ｔの引張力によって、フック部２１ｆが矢印Ｓ方向へ移動する。そして、フック部２１ｆは、外側案内部２３ｕと内側案内部２３ｄの間に案内され、フック部２１ｆがボビン３のフランジ部３ｂに形成された凸部３ｉに係止されなくなる。さらにフック部２１ｆが矢印Ｓ方向に移動すると、図６（ｂ）に示すように、フック部２１ｆは内側案内部１６３ｄのストップ壁２３ｅに当接する。そして、テープ部２１ｔのＤ方向の引張力によって、図７（ｂ）に示すように、レバー２３が時計回りの方向に回転する。このレバー２３の回転によって、図７（ａ）に示すように、レバー２３の結合部２３ａに結合された第２ポール２５が回転し、側板１０ａの内歯４２に噛合する。これにより、エネルギー吸収が完了し、ボビン３の回転及びウェビングの引き出しが停止される。
【００２８】
図８（ａ）に、リトラクターベース１０を一方側から見た斜視図を示し、図８（ｂ）に、リトラクターベース１０を他方側から見た斜視図を示す。
図８（ａ）に示すように、リトラクターベース１０の一方の（巻取りバネ装置３５が併設される側の）側板１０ａには、底付き筒状部４０が一体的に形成されている。底付き筒状部４０は、側板１０ａの外側にオフセットされた底壁４１と、底壁４１の外周縁部の周方向に一定間隔を隔てた箇所から側板１０ａに向かって立設された複数の接続部４４ａからなる側壁４４とを有している。換言すれば側壁４４は、円筒状の周壁に周方向に間隔を隔てて複数のスリットを設けたような構成である。底壁４１は略円板状になっており、その中心に軸受孔としての貫通孔１３が設けられている。
なお、ここではリトラクターベース１０が鉄からなっている。
【００２９】
図８（ｂ）に示すように、側板１０ａの、底付き筒状部４０が設けられた箇所の周縁部には、周方向に一定間隔を隔てて内歯４２が設けられている。内歯４２は、側板１０ａと面一になっている。内歯４２の間には接続部４４ａが配置されている。
内歯４２は、側面視（図８（ｂ）におけるIX矢視）において山形であって、貫通孔１３の中心線側に向かうにつれて相互間の間隔が狭くなる一対の側辺４２ａ，４２ｂと、それら側辺を貫通孔１３の中心線側の端部で接続する上辺４２ｃとを備えている。内歯４２の、ウェビングを引き出す際のボビンの回転方向に先に交わる側辺４２ａ、換言すればウェビングを引き出す際のボビンの回転方向にみて上流側の側辺４２ａは、その貫通孔１３の中心線側の端部が、他方の側辺４２ｂのそれより貫通孔１３の中心線側に突出している（図９（ｂ）参照）。なお、側辺４２ａのその突出した端部は、側面視において、円板状底壁４１の周縁部より、貫通孔１３の中心線側に張り出している。
【００３０】
このような、底付き筒状部４０を一体的に備えた側板１０ａを有するリトラクターベース１０の製造手順を、図９に基づいて説明する。なお図９は、図８（ｂ）におけるIX矢視図であって、かつ、側板１０ａと背板１０ｃとを折り曲げる前の展開状態を示している。図９においては、側板１０ａと背板１０ｃとの境界線を点線で示した。
先ず、図９（ａ）に示すように、側板１０ａとなる平板に、貫通孔１３をプレス加工によって打ち抜く。この時、巻取りバネ装置３５（図１参照）取り付け用の孔１０ｄも打ち抜く。さらにこの時、貫通孔１３と同心状であって貫通孔１３を囲む円環状領域４７内に、周方向に一定間隔を隔てて内歯４２を形成するための切込み４８を複数個打ち抜く。ここでは、切込み４８が略コ字状であって、当該切込み箇所において側板１０ａを、底壁４１となる内周側部分と内歯４２となる外周側部分とに分断している。
【００３１】
次に、側板１０ａの、切込み４８より内側の部分を側板１０ａの外側（図中紙面に対して奥側）に押し込む。この押し込み作業は、深絞り加工用のポンチとダイス等によって行える。すると、円環状領域４７内の切込み間の部分が、押し込み方向に折り曲げられて図９（ｂ）に示すような接続部４４ａにされる。この時、接続部４４ａに絞り変形が集中して、側板１０ａの底付き筒状部４０の周りの箇所と、底壁４１とには絞り変形がほとんど生じない。
最後に、背板１０ｃから側板１０ａ及び他方の側板１０ｂ（図８参照）を立ち上げるようにプレス加工を行うことで、リトラクターベース１０が製造される。
【００３２】
図１０は、図１に示したリトラクター１を組み立てた際の図１におけるＸ−Ｘ概略断面図である。なお図１０には、第１ポール９を駆動する緊急ロック機構の全体が図示されている。緊急ロック機構は、慣性板９ｂやラチェット輪９ｃ等を含んでいる。
図１０に示すように、側板１０ａの側壁４４は、ボビン３のフランジ部３ａを囲んでおり、ボビン３の径方向の動きを抑制している。側板１０ａの底壁４１は、第２ポール２５に隣接配置されており、第２ポール２５の抜けを防いでいる。
【００３３】
ボビン３を挿通したねじり棒５の一端（図中左端）には、スリーブ８が嵌合されている。スリーブ８の筒部８ｂは、側板１０ａに一体形成された底壁４１の貫通孔１３を貫通している。筒部８ｂ外周面と底壁４１の貫通孔１３周縁部との間には、プラスチックブッシュ３４が介在されて、筒部８ｂ外周面と貫通孔１３周縁部との間の隙間が埋められている。プラスチックブッシュ３４は、筒部８ｂの底壁４１に対する円滑な回転を保ちつつ、筒部８ｂ外周面と貫通孔１３周縁部との干渉を防いでいる。プラスチックブッシュ３４は、フランジ部３４ａを貫通孔１３の周縁部によって係止されている。
【００３４】
ねじり棒５の、スリーブ８が嵌合された側の先端部５ｄは、スリーブ８から突出して、巻取りバネ装置３５内に挿入されている。
【００３５】
以上のような構成のシートベルト用リトラクター１によれば、リトラクターベース１０の製造工程において、側板１０ａの円環状領域４７内に周方向に一定間隔を隔てて切込み４８を設け、側板１０ａの切込み４８より内側の部分を押し込むことで、内歯４２と底付き筒状部４０とが同時に側板１０ａに形成される。
このようなリトラクターベース１０は、少ない工程で製造でき、また、製造工程における加工が容易であるため、安価に得ることができる。したがって、このリトラクターベース１０を用いることで、シートベルト装置のコストダウンが可能になる。
また、リトラクターベース１０は、底付き筒状部４０が側板１０ａに一体的に設けられており、別体の底付き筒状部を取り付けたものに比べて、寸法精度が高い。さらに、側板１０ａの切込み４８より内側の部分を押し込む際に、円環状領域４７内の切込み４８間の部分（接続部４４ａ）に絞り変形が集中して、側板１０ａの底付き筒状部以外の箇所及び底付き筒状部の底壁４１には絞り変形がほとんど生じない。したがって、リトラクターベース１０の寸法精度は極めて高い。
【００３６】
また、リトラクターベース１０は、底付き筒状部４０が側板１０ａに一体的に設けられており、かつ、底壁４１が絞り変形されていないので底壁４１の強度が維持されている。したがって、ボビン３の軸方向及び径方向の動きによる負荷に耐えうる十分な強度を有している。
また、リトラクターベース１０には、底壁４１に、ボビン３の一端としてのスリーブ８の筒部８ｂを軸支する貫通孔１３が設けられている。そして、貫通孔１３と筒部８ｂ外周面との間に、プラスチックブッシュが介在されている。したがって、ボビン３の径方向の動きが確実に阻止され、ボビン３を円滑に回転させることができる。さらにリトラクターベース１０には、側板１０ａの切込み４８より内側の部分を側板１０ａの外側に向かって押し込むことで底付き筒状部４０が形成されている。そして、底付き筒状部４０の側壁４４内周面によってボビン３のフランジ部３ａの周りを囲むことで、ボビン３の径方向の動きをより確実に阻止している。
【００３７】
なお本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、リトラクターベース１０を、エネルギー吸収部材（ねじり棒５）を備えない緊急ロック式リトラクターに適用してもよい。
【００３８】
【発明の効果】
本発明のシートベルト装置においては、リトラクターベースの側板の環状領域内に、ストップ手段が噛合可能な内歯を形成するための切込みを周方向に間隔を隔てて設け、側板の切込みより内側の部分を押し込むことで、底付き筒状部を側板に一体的に形成している。このようなリトラクターベースは、少ない工程で製造でき、また、製造工程における加工が容易であるため、安価に得ることができる。そして、ボビンの軸方向及び径方向の動きに耐え得る十分な強度を有しているとともに、寸法精度が高い。したがって、このリトラクターベースを用いることで、高品質のシートベルト装置を安価に得ることができる。
また、底付き筒状部の底壁に、ボビンの一端を支持する軸受孔を設けることで、ボビンを円滑に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態におけるシートベルト用リトラクター１の部分分解斜視図である。
【図２】図１の分解斜視図を逆側面側から見た部分分解斜視図である。
【図３】レバー２３のアーム部２３ｂ付近の拡大図である。
【図４】（ａ）はリトラクター１の側板１０ａ側の初期状態における側面図であり、（ｂ）はテープ部材２１及びレバー２３の初期状態における位置関係を示す図であり、（ｃ）はもう一方の側板１０ｂ側の初期状態における側面図である。
【図５】図４からの作動図である。
【図６】図３からの作動図である。
【図７】図５からの作動図である。
【図８】リトラクターベース１０の斜視図である。
【図９】リトラクターベースの製造手順を示す図である。
【図１０】図１におけるＸ−Ｘ断面図である。
【符号の説明】
１リトラクター
３ボビン
５ねじり棒（エネルギー吸収部材）
７ロッキングベース（ロック部材）
９第１ポール（ロック部材）
１０リトラクターベース
１０ａ，１０ｂ側板
２５第２ポール（ストップ手段）
３５巻取りバネ装置
４０底付き筒状部
４１底壁
４２内歯
４８切込み[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement of a seat belt device provided with a retractor (winding means).
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in a seatbelt device for holding a vehicle occupant or the like on a seat, an emergency lock type mechanism that physically locks a webbing drawer driven by inertial sensing means that reacts to sudden acceleration, collision, deceleration or the like. What is equipped with a tractor and restrains a passenger | crew effectively and safely is used.
The emergency lock type retractor includes a retractor base that is bent in a substantially U-shape. The retractor base includes a pair of opposing side plates and a back plate that connects the side plates. Between the side plates, a webbing is wound around the outer peripheral surface, and a substantially cylindrical bobbin provided with a pole as a stop means in the vicinity of one end is bridged.
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-141676 discloses an emergency lock type retractor that is integrally provided with a bottomed cylindrical portion on one side plate of a retractor base. The bottom wall of the bottomed tubular portion restricts the axial movement of the bobbin. The bottom wall is provided with a through hole through which the end of the bobbin on the side provided with the pole is passed. On the inner peripheral surface of the peripheral wall of the bottomed cylindrical portion, internal teeth capable of meshing with the pole are provided. Normally, the bobbin is rotatable so that the webbing can be pulled out, but in a vehicle emergency, the pole protrudes outward in the radial direction of the bobbin and meshes with the inner teeth. This prevents the bobbin from rotating and the webbing from being pulled out.
[0004]
The retractor base disclosed in JP-A-8-141676 is formed by the following procedure. First, a hole is punched into a portion to be a side plate of the plate material. Next, the edge of the hole is subjected to burring to form a bottomless cylindrical portion protruding inside the side plate. Next, the peripheral wall of the cylindrical portion is compressed in the axial direction so that the thickness on the proximal end side of the peripheral wall is thicker than the thickness on the distal end side. Then, the inside of the peripheral wall is shaved to form internal teeth on the inner peripheral surface of the peripheral wall, and an annular bottom is formed at the peripheral edge of the front end of the peripheral wall with the chips accompanying the shaving process. At this time, the hole defined by the inner peripheral edge of the annular bottom becomes a through hole.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, this retractor base is complicated to process in the manufacturing process and expensive. Moreover, the improvement of dimensional accuracy and intensity | strength was desired for the cyclic | annular bottom formed in the front-end | tip periphery of the cylindrical part with the chip | tips accompanying a shaving process.
This invention is made | formed in view of this situation, The objective is to provide the seatbelt apparatus provided with the retractor which has sufficient dimensional accuracy and intensity | strength, but is cheap.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
  The above object of the present invention is to
  A retractor base having opposing side plates and a bobbin around which webbing is supported and supported between the side plates.AndRetractor withTheIn the seat belt device provided,
  One of the side wallsRingA plurality of internal teeth provided in a shape;
  It is provided offset from the side plate in the bobbin axial direction.And a bearing hole for supporting one end of the bobbin.Bottom wall,And a connecting portion extending from between the adjacent inner teeth to the bottom wall.And formed integrally with the side plateWith a cylindrical part with bottom,
  Stop means provided on the bobbin for preventing rotation of the bobbin in the webbing pull-out direction with respect to the retractor base in an emergency of the vehicle by meshing with the internal teeth;
HaveThis is achieved by providing a seat belt device with a retractor characterized in that.
[0007]
Here, “annular” refers to a portion of the side plate surrounding a portion where the axis of the bobbin intersects. For example, an annular shape, a polygonal annular shape, or the like can be adopted as the annular shape.
Although the material of a retractor base is not limited, Iron etc. can be illustrated.
[0008]
According to the above configuration of the present invention, in the manufacturing process of the retractor base, by providing a cut in the annular region of the side plate at an interval in the circumferential direction, and pushing the inner part from the cut in the side plate, The attached cylindrical portion is simultaneously formed on the side plate.
Conventionally, it has been common to provide internal teeth on the inner peripheral surface of the peripheral wall of the bottomed cylindrical part. However, in the present invention, the side wall of the bottomed cylindrical part constituted by the portion between the cuts in the annular region. No internal teeth are provided. The internal teeth in the present invention are substantially flush with the side plates.
Such a retractor base having a side plate integrally provided with an internal tooth and a bottomed cylindrical portion can be manufactured in a small number of steps, and can be obtained at low cost because it is easy to process in the manufacturing process. . Therefore, by using this retractor base, the cost of the seat belt device can be reduced.
[0009]
Moreover, according to the said structure of this invention, the cylindrical part with a bottom is integrally provided in the retractor base, compared with what attached the cylindrical part with a separate bottom to the retractor base, High accuracy. Further, when the inner portion of the side plate is pushed in, the drawing deformation concentrates on the portion between the cuts in the annular region, and the portion other than the bottomed tubular portion of the side plate and the bottom wall of the bottomed tubular portion are concentrated. There is almost no diaphragm deformation. Therefore, a retractor base with extremely high dimensional accuracy can be obtained.
In the retractor base having the above-described configuration, the bottomed cylindrical portion is provided integrally with the retractor base, and the bottom wall is not squeezed and deformed, so that the strength of the bottom wall is ensured. Therefore, it has sufficient strength to withstand loads caused by axial and radial movements of the bobbin.
[0010]
  BookAccording to the invention, since the bottom wall is not squeezed and deformed as described above, a high-precision bearing hole can be easily obtained by once forming a through hole in the bottom wall. For example, by supporting one end of the rotating shaft of the bobbin by this bearing hole, the movement of the bobbin in the radial direction is suppressed, so that the bobbin can be rotated more smoothly or the abnormal noise caused by the rattling of the bobbin can be eliminated. Etc. becomes possible. At this time, it is preferable to interpose a separate bearing member between the bearing hole and the portion of the bobbin that is pivotally supported. As the bearing member, use a member having a slidability so that the side plate and the bobbin are not in contact with each other so that the side plate and the bobbin do not interfere with each other, and the bobbin does not interfere with smooth rotation. For example, a plastic bush or the like can be employed.
[0011]
Moreover, in the said structure, it is preferable to push in the part inside the notch | incision of a side plate toward the outer side of a side plate. In this case, for example, the flange portion of the bobbin can be supported by the inner surface of the side wall of the bottomed tubular portion, so that the movement of the bobbin in the radial direction can be more reliably suppressed.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a partially exploded perspective view of a seatbelt retractor 1 according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a partially exploded perspective view of the exploded perspective view of FIG.
[0013]
As shown in FIG. 1, the seatbelt retractor 1 includes a retractor base 10. The retractor base 10 is obtained by press-molding a metal plate so that left and right side plates 10a and 10b are raised from both sides of a back plate 10c fixed to a vehicle body and have a substantially U-shaped cross section. Through holes 13 and 14 are provided in the left and right side plates 10a and 10b. The through hole 13 of one side plate 10a (left side in the figure) is formed in the bottom wall 41 of the bottomed tubular portion 40 formed integrally with the side plate 10a. Inner teeth 42 are formed in the peripheral portion of the side plate 10a where the bottomed tubular portion 40 is provided with a gap in the circumferential direction. On the outer side of the side plate 10a (the side opposite to the side facing the other side plate 10b), a winding spring device 35 is provided. The retractor base 10 will be described later.
[0014]
The winding spring device 35 includes a lower case 35a that faces the side plate 10a of the retractor base 10 and an upper case 35b that is combined with the lower case 35a to form a storage space therebetween.
[0015]
The retractor base 10 has a substantially cylindrical bobbin 3 around which webbing is wound, and a substantially cylindrical energy absorbing member that is inserted into the bobbin 3 and is rotatably supported by the side plates 10 a and 10 b of the retractor base 10. A torsion bar 5 is attached. The torsion bar 5 serves as the rotation axis of the bobbin 3.
[0016]
One end side (left end side in the figure) of the torsion bar 5 is provided with a bobbin connecting portion 5a that can be coupled to the bobbin 3 via a sleeve 8 as a connecting member, and the other end side (right end side in the figure). ) Is provided with a locking base coupling portion 5b that performs coupling with a disk-shaped locking base 7 that is a part of the locking member so as to be integrally rotatable. These coupling parts 5a and 5b are formed in a hexagonal cross-sectional shape.
The tip 5d of the torsion bar 5 that is bridged between the side plates 10a and 10b of the retractor base 10 is inserted into the side plate 10a so that the bobbin 3 is rotated in the webbing take-up direction by the take-up spring device 35. Always energized.
[0017]
As shown in FIG. 2, the connecting portion 5 a of the torsion bar 5 has a hexagonal section insertion hole 8 a (see FIG. 5) formed in the sleeve 8 that fits into the substantially triangular hole 3 m formed on one end side of the bobbin 3. 1), it is coupled to the bobbin 3 so as to be integrally rotatable. As shown in FIG. 2, the coupling portion 5 b is coupled to the locking base 7 so as to be integrally rotatable by fitting into a hexagonal insertion hole 7 d formed in the boss portion 7 c of the locking base 7.
In addition, a cylindrical portion 8b in which the plastic bush 34 is fitted to the outer periphery thereof is provided on the side surface of the sleeve 8 opposite to the side fitted to the bobbin 3. The plastic bush 34 includes a flange portion 34 a that is locked by a peripheral edge portion of the through hole 13 (see FIG. 1) provided in the bottom wall 41 of the bottomed tubular portion 40 formed in the retractor base 10. . In the present embodiment, the cylindrical portion 8b of the sleeve 8 becomes one end of the bobbin 3 supported by the through hole 13 (see FIG. 1) as a bearing hole.
[0018]
The torsion bar 5 has an impact acting on the occupant's body when a rotational torque of a predetermined level or more acts between the coupling parts 5a and 5b, and the deformation part 5c between the coupling parts 5a and 5b is twisted to cause plastic deformation. Energy absorbing means configured to absorb energy.
[0019]
The emergency lock mechanism connects the locking base 7 and the retractor base 10 in the event of a vehicle emergency (when sudden deceleration occurs due to an accident or when the webbing is pulled out suddenly). By blocking the rotation in the webbing pull-out direction, the rotation of the bobbin 3 in the webbing pull-out direction is blocked. As the specific configuration of the emergency lock mechanism, various known ones can be adopted.
As shown in FIG. 1, the emergency locking mechanism of this embodiment is rotatably supported by a pin 7a of a locking base 7, and serves as a locking member (a part of the locking member) provided with a locking tooth 9a at the tip. It includes a first pole 9 and a latch plate 15 provided with side teeth 10b of the retractor base 10 and formed with internal teeth 15g that can engage with the locking teeth 9a of the first pole 9. This emergency lock mechanism connects the locking base 7 and the retractor base 10 by engaging the locking teeth 9a of the first pole 9 with the internal teeth 15g of the latch plate 15 fixed to the side plate 10b in the event of a vehicle emergency. The rotation of the locking base 7 in the webbing pull-out direction is prevented.
[0020]
The bobbin 3 is a die-cast product made of aluminum, zinc, or the like manufactured by a die-casting method for the purpose of reducing the weight. The bobbin 3 includes a substantially cylindrical body portion 3c around which the webbing is wound, and flange portions 3a and 3b that prevent the webbing from being disturbed. The bobbin 3 is provided with a torsion bar through hole 3h through which the torsion bar 5 passes, along the axis. The bobbin 3 is provided with a lever through hole 3k through which the lever 23 as a transmission member is passed in parallel to the torsion bar through hole 3h.
[0021]
As shown in FIG. 1, the lever 23 penetrated through the lever through hole 3k of the bobbin 3 includes a shaft portion 23c, a coupling portion 23a having a square cross section formed at one end (left end in the figure) of the shaft portion 23c, The arm portion 23b is connected to the other end (right end in the figure) of the shaft portion 23c and protrudes in the radial direction of the shaft portion 23c. The coupling portion 23 a having a quadrangular cross section is coupled to a square hole of the second pole 25 serving as a stop means, and is fixed by a screw 27. The arm portion 23b is disposed on the axial end surface of the bobbin 3 (side surface of the flange portion 3b).
[0022]
As shown in FIG. 2, a concave portion 3 d for storing the second pole 25 is provided in one flange portion (the left side in the drawing) of the bobbin 3. The second pole 25 is capable of meshing with internal teeth 42 (see FIG. 1) formed on the side plate 10a of the retractor base 10. A tape member 21 is disposed between the flange portion 3 b on the other side (right side in the drawing) of the bobbin 3 and the locking base 7.
[0023]
The tape member 21 is an integrally injection-molded product made of resin, and includes an annular portion 21a, a tape portion 21t, and a hook portion 21f. A convex portion 21 c is formed on the inner periphery of the annular portion 21 a, and the convex portion 21 c is fitted into a concave portion 7 e formed on the outer periphery of the boss portion 7 c of the locking base 7. 7 is fixed. The tape portion 21t is a belt-shaped member here, but may be a string-like member having a substantially circular cross section. The hook portion 21f connected to the tip of the tape portion 21t is locked to the arm portion 23b of the lever 23.
[0024]
FIG. 3 shows an enlarged view of the vicinity of the arm 23 b of the lever 23. As shown in FIG. 3, the arm portion 23 b includes a convex outer guide portion 23 u and an inner guide portion 23 d that project the hook portion 21 f of the tape member (a convex shape that protrudes toward the front side in the drawing). A pin 23p that supports the tape portion 21t is formed. The tape portion 21t is looped around the pin 23p, and the hook portion 21f at the tip is locked and restrained by a small projection 23s provided on the inner guide portion 23d. By restricting the position of the small protrusion 23s, the hook portion 21f comes into contact with the convex portion 3i formed on the inside of the flange portion 3b of the bobbin, thereby restricting the rotation of the arm portion 23b in the clockwise direction in the drawing. Has been. Therefore, in a normal time, the arm portion 23b does not move, so the lever 23 does not rotate.
When a predetermined tensile force acts on the tape portion 21t, the gap between the outer guide portion 23u and the inner guide portion 23d is deformed and widened, or the small protrusion 23s is crushed or cut, Alternatively, when the hook portion 21f is deformed to get over the small protrusion 163s, the hook portion 21f can be moved.
[0025]
Next, with reference to FIGS. 4-7, the action | operation of the retractor 1 for seatbelts in this embodiment is demonstrated. 4A shows an initial state of the retractor 1 on the side plate 10a side (a state before the torsion bar 5 is twisted to absorb energy, that is, the bobbin 3 rotates relative to the locking base 7). (B) is a diagram showing the relationship between the tape member 21 and the lever 23 in the initial state, and (c) is a side view in the initial state on the other side plate 10b side. In FIG. 4A, the take-up spring device 35 is not shown, and the sleeve 8 and the second pole 25 that should be drawn with dotted lines are drawn with solid lines.
5 and 7 are operation diagrams from FIGS. 4 (a), (b), and (c). FIG. 6 is an enlarged view of the vicinity of the arm portion 23 b of the lever 23.
[0026]
In the event of a vehicle emergency, first, as shown in FIG. 4 (c), the first pole 9 is guided radially outward of the locking base 7 from the position indicated by the two-dot chain line, and is fixed to the side plate 10b as indicated by the solid line. The locking teeth 9a of the first pole 9 mesh with the inner teeth 15g of the latch plate 15. Thereby, the rotation of the locking base 7 in the webbing pull-out direction is prevented. Further, when a load of a predetermined value or more is applied in the webbing pull-out direction and the deformed portion 5c of the torsion bar 5 is twisted, the bobbin 3 and the locking base 7 are rotated relative to each other. Then, since the lever 23 shown in FIG. 4B rotates integrally with the bobbin 3, the tape portion 21t of the tape member 21 with the hook portion 21f locked to the arm portion 23b of the lever 23 is unwound from the annular portion 21a. It will be written. Then, after the tape portion 21t is completely unwound from the annular portion 21a, the tape portion 21t is wound around the annular portion 21a in the reverse direction (counterclockwise direction) as shown in FIG. 5 (b). As a result, the tape portion 21t is tensioned.
[0027]
Further, when the bobbin 3 and the locking base 7 are rotated relative to each other, the hook portion 21f is moved in the arrow S direction by the tensile force of the tape portion 21t from the state shown in FIG. The hook portion 21f is guided between the outer guide portion 23u and the inner guide portion 23d, and the hook portion 21f is not locked to the convex portion 3i formed on the flange portion 3b of the bobbin 3. When the hook portion 21f further moves in the arrow S direction, as shown in FIG. 6B, the hook portion 21f abuts against the stop wall 23e of the inner guide portion 163d. Then, as shown in FIG. 7B, the lever 23 rotates in the clockwise direction by the tensile force in the D direction of the tape portion 21t. By the rotation of the lever 23, as shown in FIG. 7A, the second pole 25 coupled to the coupling portion 23a of the lever 23 rotates and meshes with the internal teeth 42 of the side plate 10a. As a result, energy absorption is completed, and the rotation of the bobbin 3 and the withdrawal of the webbing are stopped.
[0028]
FIG. 8A shows a perspective view of the retractor base 10 viewed from one side, and FIG. 8B shows a perspective view of the retractor base 10 viewed from the other side.
As shown in FIG. 8A, a bottomed tubular portion 40 is integrally formed on one side plate 10 a (on the side where the winding spring device 35 is provided) of the retractor base 10. The bottomed tubular portion 40 includes a bottom wall 41 that is offset to the outside of the side plate 10a, and a plurality of walls that are erected toward the side plate 10a from locations spaced apart from each other in the circumferential direction of the outer peripheral edge of the bottom wall 41. And a side wall 44 made of a connecting portion 44a. In other words, the side wall 44 has a configuration in which a plurality of slits are provided on a cylindrical peripheral wall at intervals in the circumferential direction. The bottom wall 41 has a substantially disk shape, and a through hole 13 as a bearing hole is provided at the center thereof.
Here, the retractor base 10 is made of iron.
[0029]
As shown in FIG. 8 (b), the inner teeth 42 are provided in the circumferential direction at a certain interval in the circumferential portion of the side plate 10a where the bottomed tubular portion 40 is provided. The internal teeth 42 are flush with the side plate 10a. A connecting portion 44 a is disposed between the inner teeth 42.
The internal teeth 42 are mountain-shaped in a side view (indicated by an arrow IX in FIG. 8 (b)), and a pair of side sides 42a and 42b whose intervals are narrowed toward the center line side of the through hole 13; An upper side 42c that connects these side edges at the end of the through hole 13 on the center line side. The side 42a that first intersects the rotation direction of the bobbin when pulling out the webbing of the inner teeth 42, in other words, the side 42a upstream of the rotation direction of the bobbin when pulling out the webbing is the center of the through hole 13 The end on the line side protrudes toward the center line of the through-hole 13 from that of the other side 42b (see FIG. 9B). Note that the protruding end portion of the side edge 42 a projects from the peripheral edge portion of the disk-shaped bottom wall 41 toward the center line side of the through hole 13 in a side view.
[0030]
The manufacturing procedure of the retractor base 10 having the side plate 10a integrally provided with the bottomed cylindrical portion 40 will be described with reference to FIG. FIG. 9 is a view taken in the direction of arrow IX in FIG. 8B and shows a developed state before the side plate 10a and the back plate 10c are bent. In FIG. 9, the boundary line between the side plate 10a and the back plate 10c is indicated by a dotted line.
First, as shown in FIG. 9A, the through hole 13 is punched out into the flat plate to be the side plate 10a by press working. At this time, the hole 10d for attaching the take-up spring device 35 (see FIG. 1) is also punched out. Further, at this time, a plurality of cuts 48 for forming the inner teeth 42 are punched out in the annular region 47 concentric with the through hole 13 and surrounding the through hole 13 at a constant interval in the circumferential direction. Here, the incision 48 is substantially U-shaped, and the side plate 10a is divided into an inner peripheral side portion to be the bottom wall 41 and an outer peripheral side portion to be the inner teeth 42 at the incision location.
[0031]
Next, the part inside the notch 48 of the side plate 10a is pushed into the outside of the side plate 10a (the back side with respect to the paper surface in the drawing). This pushing operation can be performed by a deep drawing punch or die. Then, a portion between the cuts in the annular region 47 is bent in the push-in direction to form a connection portion 44a as shown in FIG. 9B. At this time, the diaphragm deformation concentrates on the connection portion 44a, and the diaphragm deformation hardly occurs in the portion around the bottomed tubular portion 40 of the side plate 10a and the bottom wall 41.
Finally, the retractor base 10 is manufactured by performing press work so that the side plate 10a and the other side plate 10b (see FIG. 8) are raised from the back plate 10c.
[0032]
10 is a schematic cross-sectional view taken along line XX in FIG. 1 when the retractor 1 shown in FIG. 1 is assembled. FIG. 10 shows the entire emergency lock mechanism for driving the first pole 9. The emergency lock mechanism includes an inertia plate 9b, a ratchet wheel 9c, and the like.
As shown in FIG. 10, the side wall 44 of the side plate 10 a surrounds the flange portion 3 a of the bobbin 3 and suppresses the movement of the bobbin 3 in the radial direction. The bottom wall 41 of the side plate 10a is disposed adjacent to the second pole 25 and prevents the second pole 25 from coming off.
[0033]
A sleeve 8 is fitted to one end (left end in the figure) of the torsion bar 5 inserted through the bobbin 3. The cylinder portion 8b of the sleeve 8 passes through the through hole 13 of the bottom wall 41 formed integrally with the side plate 10a. A plastic bushing 34 is interposed between the outer peripheral surface of the cylindrical portion 8b and the peripheral portion of the through hole 13 in the bottom wall 41, and a gap between the outer peripheral surface of the cylindrical portion 8b and the peripheral portion of the through hole 13 is filled. . The plastic bushing 34 prevents interference between the outer peripheral surface of the cylindrical portion 8b and the peripheral portion of the through hole 13 while maintaining smooth rotation with respect to the bottom wall 41 of the cylindrical portion 8b. In the plastic bush 34, the flange portion 34 a is locked by the peripheral edge portion of the through hole 13.
[0034]
The tip 5 d of the torsion bar 5 on the side where the sleeve 8 is fitted protrudes from the sleeve 8 and is inserted into the take-up spring device 35.
[0035]
According to the seatbelt retractor 1 configured as described above, in the manufacturing process of the retractor base 10, the incisions 48 are provided in the annular region 47 of the side plate 10a at regular intervals in the circumferential direction. By pushing the inner portion of the cut 48, the inner teeth 42 and the bottomed tubular portion 40 are simultaneously formed on the side plate 10a.
Such a retractor base 10 can be manufactured at a low cost because it can be manufactured with a small number of processes and is easy to process in the manufacturing process. Therefore, by using this retractor base 10, the cost of the seat belt device can be reduced.
Further, the retractor base 10 has a bottomed cylindrical portion 40 integrally provided on the side plate 10a, and has higher dimensional accuracy than that of a separate bottomed cylindrical portion. Further, when the portion inside the notch 48 of the side plate 10a is pushed in, the squeezing deformation concentrates on the portion between the notches 48 (connecting portion 44a) in the annular region 47, and other than the bottomed cylindrical portion of the side plate 10a. The diaphragm deformation hardly occurs on the bottom wall 41 of the portion and the bottomed cylindrical portion. Therefore, the dimensional accuracy of the retractor base 10 is extremely high.
[0036]
Further, in the retractor base 10, the bottomed tubular portion 40 is provided integrally with the side plate 10a, and the bottom wall 41 is not squeezed and deformed, so that the strength of the bottom wall 41 is maintained. Therefore, the bobbin 3 has sufficient strength to withstand the load caused by the axial and radial movements.
Further, the retractor base 10 is provided with a through hole 13 in the bottom wall 41 that pivotally supports the cylindrical portion 8b of the sleeve 8 as one end of the bobbin 3. And the plastic bush is interposed between the through-hole 13 and the cylinder part 8b outer peripheral surface. Accordingly, the movement of the bobbin 3 in the radial direction is reliably prevented, and the bobbin 3 can be smoothly rotated. Furthermore, the cylindrical part 40 with a bottom is formed in the retractor base 10 by pushing a part inside the notch 48 of the side plate 10a toward the outside of the side plate 10a. Then, by surrounding the flange portion 3a of the bobbin 3 by the inner peripheral surface of the side wall 44 of the bottomed tubular portion 40, the movement of the bobbin 3 in the radial direction is more reliably prevented.
[0037]
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and appropriate modifications and improvements can be made.
For example, the retractor base 10 may be applied to an emergency lock type retractor that does not include an energy absorbing member (torsion bar 5).
[0038]
【The invention's effect】
In the seat belt device of the present invention, in the annular region of the side plate of the retractor base, cuts for forming internal teeth that can be engaged with the stop means are provided at intervals in the circumferential direction. By pushing the part, the bottomed cylindrical part is formed integrally with the side plate. Such a retractor base can be manufactured in a small number of processes and can be obtained at low cost because it is easy to process in the manufacturing process. And it has sufficient intensity | strength which can endure the movement of the axial direction of a bobbin, and radial direction, and its dimensional accuracy is high. Therefore, by using this retractor base, a high-quality seat belt device can be obtained at low cost.
Moreover, a bobbin can be smoothly rotated by providing the bearing hole which supports the end of a bobbin in the bottom wall of a cylindrical part with a bottom.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially exploded perspective view of a seatbelt retractor 1 according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partial exploded perspective view of the exploded perspective view of FIG. 1 as viewed from the reverse side.
3 is an enlarged view of the vicinity of an arm portion 23b of a lever 23. FIG.
4A is a side view in the initial state of the retractor 1 on the side plate 10a side, FIG. 4B is a diagram showing the positional relationship in the initial state of the tape member 21 and the lever 23, and FIG. It is a side view in the initial state on the other side plate 10b side.
FIG. 5 is an operational diagram from FIG. 4;
6 is an operation diagram from FIG. 3. FIG.
7 is an operation diagram from FIG. 5. FIG.
8 is a perspective view of the retractor base 10. FIG.
FIG. 9 is a diagram showing a procedure for manufacturing a retractor base.
10 is a sectional view taken along line XX in FIG.
[Explanation of symbols]
1 Retractor
3 Bobbins
5 Torsion rod (energy absorbing member)
7 Locking base (locking member)
9 First pole (locking member)
10 Retractor base
10a, 10b side plate
25 Second pole (stop means)
35 Winding spring device
40 cylindrical part with bottom
41 Bottom wall
42 internal teeth
48 depth of cut

Claims

対向する側板を有するリトラクターベースと、前記側板間に支持されて、ウェビングが巻装されるボビンとを有するリトラクターを備えたシートベルト装置において、
前記側板の一方に環状に設けられた複数の内歯と、
当該側板から前記ボビン軸線方向にオフセットして設けられ、前記ボビンの一端を支持する軸受孔を有する底壁、及び互いに隣接する前記内歯の間から前記底壁へと延びた接続部を有し、当該側板に一体に形成された底付き筒状部と、
車両緊急時に前記リトラクターベースに対する前記ボビンのウェビング引き出し方向の回転を前記内歯と噛み合って阻止する前記ボビンに設けられたストップ手段と、
を有することを特徴とするリトラクターを備えたシートベルト装置。A retractor base having opposed side plates, being supported between said side plates, the seat belt apparatus provided with a retractor having a bobbin down the webbing is wound,
A plurality of internal teeth provided on the ring-shaped to one of said side plates,
Provided offset to the bobbin axial direction from the side plates, possess a bottom wall, and a connecting portion extending into said bottom wall from between said adjacent teeth mutually having a bearing hole for supporting one end of said bobbin A cylindrical portion with a bottom formed integrally with the side plate ;
Stop means provided on the bobbin for preventing rotation of the bobbin in the webbing pull-out direction with respect to the retractor base in an emergency of the vehicle by meshing with the internal teeth;
A seatbelt device provided with a retractor.

前記軸受孔が、別体の軸受部材を介して前記ボビンを支持することを特徴とする請求項１に記載のシートベルト装置。The seat belt device according to claim 1, wherein the bearing hole supports the bobbin via a separate bearing member.