JP4459171B2 - 電磁界回路連携解析プログラム、記録媒体、および解析装置 - Google Patents

電磁界回路連携解析プログラム、記録媒体、および解析装置 Download PDF

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Description

本発明は、時間領域有限差分法による電磁界解析法と過渡電気回路解析による回路解析法を結合した連携解析をコンピュータに実行させるための電磁界回路連携解析プログラム、電磁界回路連携解析プログラムを格納した記録媒体、連携解析の解析方法および解析装置に関する。
電磁界回路連携解析では、電磁界解析で定義される電界や磁界と回路解析で定義される電圧や電流を関連付けながら解析を行なう。電磁界解析と回路解析とを融合した数値シミュレーションは、回路素子の特性とその周囲の電磁界現象を統一的に解析できるといった特徴を持っており、回路中を伝搬する高周波信号の解析に非常に有用であることが一般に知られている。
上述したような電磁界解析の1つの手法である時間領域有限差分法(以下、FDTD(Finite Difference Time Domain)法と呼ぶ)は、解析領域を格子で分割し、格子点に未知電磁界を配置するものである。FDTD法では、未知電界を配置する格子と未知磁界を配置する格子とを、格子の半分の幅だけずらすYee格子という構造により解析が行なわれる。FDTD法は、これらの未知電界および磁界と、隣接する未知磁界および電界との間に働く関係式をマクスウェルの電磁界方程式を差分化することによって導き、それを基に未知電界および磁界をあるタイムステップを単位に更新していくことで全体の電磁界挙動を求める解析手法である。この解析手法に従えば、あるタイムステップで電界を更新し、1/2タイムステップ後に磁界を更新し、1タイムステップ後に電界を更新するというようにして、電界および磁界を交互に求めることができる。
また、現在、過渡電気回路解析用のツールとして、カリフォルニア大学バークレイ校により開発された、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)シミュレータが知られている。そのツールは、非常に複雑な電子装置におけるプロセスをシミュレートする効率的な手法を提供する。
非特許文献1には、集積回路等の回路をシミュレーションする方法として、FDTD法とSPICE等の回路シミュレータを組み合わせた方法が提案されている。この従来のFDTD法と回路シミュレータ(この場合はSPICE)とを結合する電磁界回路連携解析では、FDTDのセル内に、回路素子が組み込まれ、セルの1辺に対応する端子間に電流源とキャパシタを配置することでFDTD法と回路解析を結合する手法(電流源法)が用いられている。
この電流源法でN端子回路素子を扱う場合は、各端子間に電流源を挿入した等価回路を生成する必要がある。非特許文献2では、N端子回路素子を電磁界回路連携解析する際において、信号線につながる端子とグラウンド線につながる端子の間に電流源およびキャパシタを並列に設定し、これによりFDTD法と回路解析を結合する方法が示されている。このような従来の電磁界回路連携解析法では、N端子回路素子を扱う場合は、電流源とキャパシタの挿入される端子のどちらか一方が、グラウンドに接続されている。
A. Thomas, et al.: The use of SPICE lumped circuits as sub-grid models for FDTD analysis, IEEE Microwave Guided Wave Letters, vol. 4, pp. 141-143 (1994)。 C. Kuo, B. Houshmand, and T. Itoh: Full-wave analysis of packaged microwave circuits with active and nonlinear devices: An FDTD approach, IEEE Transactions on Microwave Theory Techniques, vol. 45, pp. 819-826 (1997)。
図9は、相互インダクタの例を示す図である。図9に示されるように、相互インダクタは、たとえば、端子a,bを有するコイル52と、端子c,dを有するコイル54とから構成される。なお、2つのコイルの相互インダクタンスをMとする。
このような相互インダクタは、一般的に回路の構成要素として使用されているにも関わらず、上述のような従来の電磁界回路連携解析はおろか、一般的な回路解析でも、図9に示すような直流的に接続されていない状態、いわゆるフローティング状態のままでは、直流電位が確定しないため回路解析を実行できない。
図10は、一般的な回路解析において、図9の相互インダクタを解析可能とするために、図9の回路に高抵抗35を挿入した場合を示す図である。
一般的に、SPICEなどの回路解析において、フローティング状態の回路素子の回路解析については、たとえば、図10に示すように、b−d間に回路動作に支障をきたさない程度の高抵抗35を仮想的に追加し、フローティング端子を無くして解析を行なう。この修正により、直流的に各端子の電位が定まるため、解析が可能となる
この相互インダクタをFDTD法による解析と結合するためには、更に、FDTDからの情報を受け取るために、回路素子を接続するFDTDのセルに対応して電流源とキャパシタを端子間に追加する必要がある。
図12は、従来の電磁界回路連携解析法において、図10の高抵抗を付加した相互インダクタをFDTD法と結合するために、図9の回路の回路素子が配置された端子間に電流源とキャパシタを追加した場合を示す図である。
図12を参照して、回路素子を接続するFDTDのセルに対応して電流源とキャパシタを端子間に追加について説明する。図9の回路の回路素子が配置された端子間に電流源とキャパシタを追加するには、a−b間に電流源32aとキャパシタ33aを追加し、c−d間に電流源32bとキャパシタ33bを追加する。更に、上記で追加した高抵抗35に対しても電流源32cとキャパシタ33cを追加する変更が必要となる。
図12は、ネットリストを例示した表である。図12(A)は、図9に対応する表、図12(B)は、図10に対応する表、図12(C)は、図11に対応する表である。
図12において、第1列は素子名、第2列は+端子のノード番号、第3列は−端子のノード番号、第4列は素子値などの情報を示している。高抵抗35を挿入した場合、図12(C)のように、インダクタに対応する電流源32a(I1)、電流源32b(I2)とキャパシタ33a(C1)、キャパシタ33b(C2)の挿入以外に、高抵抗35に対しても電流源32cとキャパシタ33cを記載することが必要になってくる。
これは、FDTD法では、セルの各辺上で電界および磁界が計算されるため、FDTD法と回路解析を連携して解析する場合には、たとえば、FDTDのセルの辺の磁界を電流に置き換えて、回路解析において前記電流を表現する電流源とセルの1辺に相当するキャパシタ付加した回路網について集中定数モデルで回路解析を行ない、回路解析の結果から得られる電圧値を、今度はセルの電界に置き換えてFDTD法のセルの電界に返すため、回路要素は、1つのセル内にあると仮定する必要があるからである。
上述したように、フローティング状態のN端子回路素子の電磁界回路連携解析は、本来存在しない高抵抗に対して、更に電流源とキャパシタを追加する必要が有るため、ネットリストの変更が必要となるほか、電流源が増加した分計算量も増加し、計算時間を要していた。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、相互インダクタに対しても、その4端子がフローティングのまま回路解析を行なう電磁界回路連携解析プログラム、連携解析方法、および連携解析装置を提供することである。
本発明の1つの局面に従うと、演算処理部を有するコンピュータに電磁界回路連携解析を実行させるためのプログラムであって、演算処理部は、セル分割された解析対象となる領域において、領域の電界または磁界について第1の電磁界解析を行なうステップと、演算処理部は、セルが含む回路素子のネットリストによって表記された等価回路に対して、第1の電磁界解析を行なうステップにより与えられた電界または磁界の一方に基づき、電圧源または電流源の一方を設定し、回路解析を行なうステップとを備え、回路解析を行なうステップは、演算処理部が解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、演算処理部が、相互インダクタの対応する2端子を接続されているものとして解析するインダクタ回路解析ステップを含み、演算処理部は、回路解析の結果に基づき、回路素子を含むセルの電界または磁界の他方を算出し、領域の電界または磁界についての第2の電磁界解析を行なうステップと、演算処理部は、第1の電磁界解析を行なうステップと、回路解析を行なうステップと、第2の電磁界解析を行なうステップを、所定の条件が満たされるまで繰りかえすステップとをさらに備え、第1および第2の電磁界解析を行なうステップは、演算処理部が解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、演算処理部が接続されているものとした2端子間を開放して解析するインダクタ領域解析ステップを含む。
好ましくは、回路解析を行なうステップは、セルが相互インダクタを含むときに、演算処理部が、相互インダクタに対応する2端子を仮想的に接続させるようにネットリストを変更するステップを含む。
好ましくは、インダクタ回路解析ステップは、演算処理部が、仮想的に変更されたネットリストに基づいて、相互インダクタの端子間の電圧を解析するステップを含み、インダクタ領域解析ステップは、演算処理部が、接続されているものとした2端子間が開放されているものとして、電圧を解析するステップにおける解析結果に基づき、セルの電圧を電界に変換するステップを含む。
好ましくは、コンピュータは、さらに記憶部を有し、解析対象となる領域は回路基板を含み、回路基板に配置された回路素子の等価回路は、CR要素と、誘導結合のないコイル要素と、誘導結合されたコイル要素を含み、タイムステップΔtが予め決められているときに、第1の電磁界解析を行なうステップは、演算処理部が、解析対象となる領域をセル分割し、電界と磁界を空間的に半セルずらして配置するステップと、演算処理部が、時刻tにおける領域の磁界を求めるステップと、演算処理部が、求めた磁界に基づき、回路素子を含むセルの電流を求めるステップを含み、回路解析を行なうステップは、セルに含まれる回路素子が誘導結合されたコイル要素の場合は、演算処理部は、誘導結合されたコイル要素の対応する2端子を仮想的に接続させるようにネットリストを変更するステップと、演算処理部が、電流を求めるステップで求められた電流に基づき、ネットリスト、または変更したネットリストに対して電流源を設定し、回路素子の2端子間の時刻t+1/2Δtにおける電圧を求めるステップと、演算処理部が、時刻tをt+1/2Δtに更新するステップとを含み、第2の電磁界解析を行なうステップは、演算処理部が、回路解析を行なうステップに基づき、回路素子を含むセルの電界を算出し、時刻t+1/2Δtにおける領域の電界を求めるステップと、演算処理部が、求めた電界と求めた磁界を記憶部に格納するステップと、演算処理部が、電磁界解析において時刻tをt+1/2Δtに更新するステップとを含む。
本発明の他の局面に従うと、上記電磁界回路連携解析プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明のさらに他の局面に従うと、電磁界回路連携解析装置であって、電磁界解析を行なう電磁界解析部を備え、電磁界解析部は、セル分割された解析対象となる領域において、領域の電界または磁界について第1の電磁界解析を行なう手段を含み、セルが含む回路素子のネットリストによって表記された等価回路に対して、第1の電磁界解析を行なう手段により与えられた電界または磁界の一方に基づき、電圧源または電流源の一方を設定し、回路解析を行なう回路解析部をさらに備え、回路解析部は、解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、相互インダクタの対応する2端子を接続されているものとして解析するインダクタ回路解析手段を含み、電磁界解析部と回路解析部とを制御する解析制御部とを備え、電磁界解析部は、回路解析部の結果に基づき、等価回路の存在するセルの電界または磁界の他方を算出し、領域の電界または磁界についての第2の電磁界解析を行なう手段と、解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、接続されているものとした2端子間を開放して、第1および第2の電磁界解析を実行させるインダクタ領域解析手段をさらに含んでおり、解析制御部は、第1の電磁界解析を行なう手段と、回路解析を行なう手段と、第2の電磁界解析を行なう手段とによる各解析を、所定の条件が満たされるまで繰りかえすように電磁界解析部と回路解析部とを制御する手段を含む。
本発明のさらに他の局面に従うと、電磁界回路連携解析方法であって、セル分割された解析対象となる領域において、領域の電界または磁界について第1の電磁界解析を行なうステップと、セルが含む回路素子のネットリストによって表記された等価回路に対して、電磁界解析を行なうステップにより与えられた電界または磁界の一方に基づき、電圧源または電流源の一方を設定し、回路解析を行なうステップとを備え、回路解析を行なうステップは、解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、相互インダクタの対応する2端子を接続されているものとして解析するインダクタ回路解析ステップを含み、回路解析の結果に基づき、等価回路の存在するセルの電界または磁界の他方を算出し、領域の電界または磁界についての第2の電磁界解析を行なうステップと、第1の電磁界解析を行なうステップと、回路解析を行なうステップと、第2の電磁界解析を行なうステップを、所定の条件が満たされるまで繰りかえすステップとをさらに備え、第1および第2の電磁界解析を行なうステップは、解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、接続されているものとした2端子間を開放して解析するインダクタ領域解析ステップを含む。
本発明によれば、相互インダクタの端子間がフローティング状態のまま、抵抗や電流源の増加の少ない回路解析で扱えるため、電磁界回路連携解析の計算量を低減できる。また、抵抗を付加する場合に比べて、さらに生じていた回路解析のネットリスト変更の作業量を軽減できるため、電磁界回路連携解析の準備に要する処理時間を低減することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
以下の説明で明らかとなるように、本発明の電磁界回路連携解析プログラムや連携解析方法では、回路基板内の電界・磁界をFDTD法などの電磁界解析で、電気回路素子をSPICEなどの回路シミュレータで回路解析する際に、回路基板に含まれる共通電極を有さないN端子回路素子の端子間をフローティングのまま回路解析で扱う。したがって、共通電極を有するN端子回路素子を扱う場合に比べてさらに生じていた、回路解析のネットリスト変更および回路素子の追加を行うことなく電磁界回路連携解析することが出来る。
(1.本発明のシステム構成)
図1は、本発明の連携解析プログラムを実行するコンピュータ100の一例を示す概念図である。
図1において、連携解析するためのプログラムを実行させるためのコンピュータ100は、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)118等の光ディスク上の情報を読み込むための光ディスクドライブ108およびフレキシブルディスク(Flexible Disk、以下FD)116に情報を読み書きするためのFDドライブ106を備えたコンピュータ本体102と、コンピュータ本体102に接続された表示装置としてのディスプレイ104と、同じくコンピュータ本体102に接続された入力装置としてのキーボード110およびマウス112とを備える。
図2は、このコンピュータ100の構成をブロック図形式で示す図である。
図2に示されるように、このコンピュータ100を構成するコンピュータ本体102は、光ディスクドライブ108およびFDドライブ106に加えて、それぞれバス105に接続されたCPU(Central Processing Unit)120と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ122と、直接アクセスメモリ装置、たとえば、ハードディスク124と、外部とデータの授受を行なうための通信インターフェイス128とを含んでいる。光ディスクドライブ108にはCD−ROM118などの光ディスクが装着される。FDドライブ106にはFD116が装着される。
ハードディスク124内には、解析対象となる回路基板について、基板の形状、基板の誘電率等の基板の物理的性質を表現するパラメータ等が格納された回路基板データ134と、時間領域の電磁界解析を行なう手法の一つであるFDTDを実行するプログラム135と、回路解析を実行するプログラム136などが格納される。ここで、たとえば、回路基板データについては、通信インターフェイス128を介して、外部のデータベースから供給されてもよい。また、各プログラムは、FD116、またはCD−ROM118等の記録媒体によって供給されてもよいし、他のコンピュータにより通信回線を経由して供給されてもよい。また、FDTDや回路解析の実行は、通信インターフェイス128を介して、外部のコンピュータに実行させ、その結果をハードディスク124に格納させてもよい。
また、記憶装置、たとえば、ハードディスク124の記憶領域には、電磁界解析中の解析結果である電界値、磁界値を一時格納し、次のステップでそれらの値を更新するための電界値記憶領域137と、磁界値記憶領域138とが設けられる。
なお、ここでは、FDTDを実行するプログラム135と回路解析を実行するプログラム136を総称して、電磁界回路連携解析プログラムとしている。
したがって、以下では、1つのコンピュータ装置内において、時間領域の電磁界解析と回路解析とが連携して実行されるものとして説明する。しかしながら、電磁界解析と回路解析とはそれぞれ別のコンピュータ装置で実行するものとして、この別々のコンピュータ装置間でデータを通信インターフェイス128を相互にやり取りして、連携解析を実行してもよい。
演算処理装置として機能するCPU120は、メモリ122をワーキングメモリとして、上述したFDTDを実行するプログラム135や回路解析を実行するプログラム136に対応した処理を実行する。
なお、CD−ROM118は、コンピュータ本体に対してインストールされるプログラム等の情報を記録可能な媒体であれば、他の媒体、たとえば、DVD−ROM(Digital Versatile Disc)やメモリーカードなどでもよく、その場合は、コンピュータ本体102には、これらの媒体を読み取ることが可能なドライブ装置が設けられる。
FDTDを実行するプログラム135や回路解析を実行するプログラム136は、上述の通り、CPU120により実行されるソフトウェアである。一般的に、こうしたソフトウェアは、CD−ROM118、FD116等の記録媒体に格納されて流通し、CD−ROMドライブ108またはFDドライブ106等により記録媒体から読み取られてハードディスク124に一旦格納される。または、コンピュータ100がネットワークに接続されている場合には、ネットワーク上のサーバから一旦ハードディスク124にコピーされる。そうしてさらにハードディスク124からメモリ122中のRAMに読み出されてCPU120により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、ハードディスク124に格納することなくRAMに直接ロードして実行するようにしてもよい。
図1および図2に示したコンピュータのハードウェア自体およびその動作原理は一般的なものである。したがって、本発明の機能を実現するに当り本質的な部分は、FD116、CD−ROM118、ハードディスク124等の記録媒体に記憶されたソフトウェアである。
なお、一般的傾向として、コンピュータのオペレーティングシステムの一部として様々なプログラムモジュールを用意しておき、アプリケーションプログラムはこれらモジュールを所定の配列で必要なときに呼び出して処理を進める方式が一般的である。そうした場合、当該ソフトウェア自体にはそうしたモジュールは含まれず、当該コンピュータでオペレーティングシステムと協働してはじめて電磁界回路連携解析が可能になる。しかし、一般的なプラットフォームを使用する限り、そうしたモジュールを含ませたソフトウェアを流通させる必要はなく、それらモジュールを含まないソフトウェア自体およびそれらソフトウェアを記録した記録媒体(およびそれらソフトウェアがネットワーク上を流通する場合のデータ信号)が実施の形態を構成すると考えることができる。
(2. 電磁界回路連携解析方法)
以下、本発明に係る電磁界回路連携解析の方法について説明する。
(2.1 電磁界解析と回路解析との連携解析方法)
まず、電磁界解析を行なう手法の一つであるFDTD法について説明し、次いで連携解析するのに用いられる電流源法について説明する。
FDTD法は、マクスウェルの電磁界方程式を差分化することによって数値計算する方法である。まず、解析領域を格子で分割し、格子の各辺の中心に電界、各面の中心に磁界を配置する、いわゆるYee格子という構造を取る。そして、マクスウェルの方程式を差分化すると、電界・磁界は、空間的に半セル、時間的に半タイムステップずらした位置に配置される。ここで、求めたい未知電界、未知磁界と隣接する1タイムステップ前の既知電界、既知磁界の間に働く関係式を電磁気学に基づくマクスウェル方程式から導くと次の式(1)および(2)のようになる。
Figure 0004459171
なお、式中で太字は、当該変数がベクトルであることを示す。
式(1)はnタイムステップの電界E(ベクトル)、式(2)は(n+1/2)タイムステップの磁界H(ベクトル)についての関係式である。ただし、Δt,μ,ε,σは、それぞれ、タイムステップ、透磁率、誘電率、導電率とする。
これらをもとに未知電界、未知磁界をあるタイムステップΔtを単位に更新していくことで、解析領域全体の電磁界挙動を時間領域で求めることができる。
このように、FDTD法では解析領域内の未知電界、未知磁界を陽解法により逐次的に計算することで解析対象の時間領域電磁界応答を解析できる。
次に、本発明の電磁界回路連携解析用いられる、FDTD法と回路解析を直接結合する手法である電流源法について説明する。
図3は、電流源法による連携解析の模式図である。図3(A)は、回路解析の対象となる回路素子を含むFDTDセルを示す図であり、図3(B)は、図3(A)のセルに対応する、電流源法の等価回路を示す図であり、図3(C)は、電流源法の概略的な処理の流れを示す図である。
図3を参照して、電流源法について説明する。図3(A)では、電界は実線で示される格子セルの辺に沿って、磁界は点線で示される格子セルの面の中心に垂直に割り当てられている。Δx,Δy,ΔzはFDTDセルの各辺の長さを示し、実線の格子セルと点線の格子セルは、1/2Δx,1/2Δy,1/2Δzずつ、ずれて配置されている。なお、矢印は電界および磁界の向きを表わしている。ここでは、電界のある辺abに、回路解析で動作解析する対象の回路素子が配置されているとする。
図3(C)を参照して、電流源法の処理の流れを説明する。まず、FDTD法にてセルの磁界を計算する(ステップS300)。
そして、回路素子が含まれるセルにアンペアの法則を適用し、z成分について展開すると、以下の式(3)が得られる。
Figure 0004459171
ただし、JLは素子に流れる導電電流密度とする。
ここで、式(3)の左辺第1項のε(ΔxΔy)/Δzを等価的に平行平板コンデンサの容量Cとし、右辺をセルに流れる全電流Iとすると、式(3)は、以下の式(4)のように書き直すことが出来る。
Figure 0004459171
ただし、VLは回路素子両端の電圧、ILは回路素子に流れる全電流とする。
セルに流れる全電流Iは、アンペアの法則を用いて素子の周りの磁界を面31に沿って周回積分して求められるが、磁界は一定であるため、Iは定電流源と考えることができる。図3(B)に示すように、式(4)は、電流源32とコンデンサ33と回路網34を含む等価回路として考えられる。
再び図3(C)にもどって、FDTDで求めた磁界Hから電流Iを計算し、電流源値Iとして回路解析に渡す(ステップS302)ことで、回路解析によりVL、ILを求めることが出来る。そして、回路解析にてVLを求め、回路素子のセル辺の電界を計算するためVLをFDTD法に渡し(ステップS304)、ステップS306にて、電界Eが計算される。
以上のようにして、回路解析とFDTD法が直接結合されることになる。これにより、電磁界との結合は回路の入出力端子だけを考えて解析することができる。
なお、ここではアンペアの法則に基づいて定式化した電流源法を連携解析方法として示したが、ファラデーの法則に基礎をおく方法である電圧源法を用いてもよい。
(2.2 本発明の電磁界回路連携解析方法)
以下に、本発明の連携解析方法の概略を説明する。
図4は、RC網を含めた回路基板の2次元電磁界モデルの例を示す図である。
図4を参照して、まず、本発明の電磁界回路連携解析が対象とする相互インダクタを含む回路基板のモデルについて説明する。
FDTD法にて電磁界解析するためには、回路基板をセルに分割し、電磁界モデルを作成する。図4は、回路基板1をセルに分割した、2次元電磁界モデルである。電磁界モデルでは、各セルに含まれる物質として、たとえば、金属、誘電体などが設定されている。図4のそれぞれのセルは、導体2、誘電体4、回路素子として抵抗6aやコンデンサ6bなどを含んでいる。また、a−b間のセル12にコイル52(図示せず)、c−d間のセル14にコイル54(図示せず)が含まれており、端子aと端子c、および端子bと端子dは直接つながっていない。また、基板1は、接地電極を示すグランド8と、電源10も含む。
図5は、誘導結合されたコイルの連携解析モデルの例を示す図である。図5(A)はFDTD法でメッシュ化した基板モデルを示す図であり、図5(B)は回路解析を行なう回路シミュレータでの等価回路を示す図であり、図5(C)は、図5(B)に対応するネットリストである。
図5を参照して、図4の回路基板の、特に、コイル52,54を連携解析する方法の概略を説明する。
回路解析で動作解析する対象の、誘導結合されたコイル52,54は、図5(A)において、それぞれ、セル12の電界の配置されている辺abとセル14の電界が配置されている辺cdに配置されているとする。
電流源法による連携解析では、回路解析からFDTD法に与えるのは、a−b間とc−d間の電位差であり、これをもとにFDTD法ではセル辺abと辺cdの電界を計算する。しかしながら、FDTD法で電界を求めるには、a−b間とc−d間の電位差が与えられるだけで十分である。したがって、回路解析ではフローティング端子を仮想的につながっているものとした等価回路に対して回路解析し、FDTD法では上述の接続を開放して、電磁界解析を行なう。
具体的には、以下のような方法をとる。図5(A)のように、FDTD法のモデルでは端子bと端子dは直接つながっていないが、回路解析するために、図5(B)のように、仮想的にb−d間をつなぎ、接地したとする等価回路を作成する。また、これに対応するようにネットリストを、図5(C)のように変更する。この等価回路に基づき、回路解析を行ない、求めた電圧差をFDTD法に与える。このとき、回路解析では端子bと端子dが接続されているため、端子b―d間の電位差は0であるが、FDTD法のモデルに反映するときには、端子b−d間を開放とし、回路解析で得られた電位差のうち、端子a−b間の電位差と、端子c−d間の電位差のみを基板上の電圧として設定し、端子b−d間、端子a−c間の電位差はFDTDで得られた値をそのまま用いて電磁界解析を行なう。
以上、説明したように、電磁界回路連携解析においてフローティング状態の相互インダクタンスを解析する場合において、フローティングであるべき端子間を接続し接地した等価回路を作成して解析し、解析結果の中から特定の端子間の電位差だけをFDTD法へ受け渡す処理を行うことにより、相互インダクタを含めた回路基板の電磁界回路連携解析を行なうことが出来る。
なお、電流源法による電磁界解析と回路解析の連携処理の流れは(2.1)で説明した通りである。
(3.コンピュータ100への実装)
以上の発明である連携解析方法は、以下の手続きによってコンピュータソフトウェアとして実装できる。
以下、その手続きについてまとめる。
図6は、図3(C)で示した連携解析の処理の流れを具体的に示したフローチャートである。
図6を参照して、連携解析の処理の流れを説明する。なお、ステップS7100〜S7120は、FDTDを実行するプログラム135に、ステップS7200〜S7212は、回路解析を実行するプログラム136に従った処理である。
また、図3(C)のステップS300はステップS7100〜S7102に、ステップS302はステップS7104〜7106に、ステップS304はステップS7200〜S7212に、ステップS306はステップS7108〜S7120に対応している。
FDTDの処理の流れについて説明する。
まず、CPU120は、ハードディスク124に格納されている回路基板データ134から解析条件を読み込む(ステップS7100)。解析条件とは、格子セルの寸法、FDTD解析のタイムステップ、回路解析のタイムステップ、解析時間、解析領域内の電界、磁界の初期値、回路素子の電流、電圧の初期値、解析領域内に配置されている誘電体、導体の座標値、回路素子のネットリスト、最大解析時刻Tmaxである。
さらに、CPU120は、解析時刻tをゼロにし、メモリ122に解析条件の解析領域サイズ、セルサイズ分の記憶領域を確保し、配置されている導体、誘電体情報をもとに解析領域セルの係数項計算を行なう(ステップS7101)。また、所定の電界、磁界初期値をもとに、電界、磁界値の設定を行なう。
続いて、CPU120は、解析領域セルの全磁界Hを計算し、更新する(ステップS7102)。ステップS7102で更新した磁界をもとに、CPU120は、回路素子を含むセル(以下、回路セルとする)の近傍の磁界Hを以下のアンペアの式(5)で電流値Iに変換する(ステップS7104)。
Figure 0004459171
ここで、CPU120は、この電流値Iを回路解析のネットリストに付加する電流源値とする。
CPU120は、ステップS7104の電流源値を回路解析に与える(ステップS7106)。電流源値を受け取った回路解析の処理の流れは後述する。
ステップS7108では、CPU120は、現在の解析時刻tをFDTDタイムステップの半分進め、解析領域の全電界Eを計算し、更新する(ステップS7110)。
次いで、CPU120は、回路解析で計算された電圧を受け取る(ステップS7112)。ただし、回路解析の対象が誘導結合されたコイルであった場合は電圧差値を受け取る。なお、まだ計算されていなければ、計算されるまで処理を中断する。
ステップS7114では、CPU120は、回路解析から受け取った電圧値を以下の式(6)により、回路セルの電界値に変換する。
Figure 0004459171
ΔyはFDTDセルのY方向の長さである。なお、ここでは回路素子がY方向に配置されているとしたが、任意方向に配置することができる。
そして、CPU120は、ステップS7114で求めた電圧値を電磁界解析領域の回路素子を挿入した場所の電界値とする(ステップS7116)。
ステップS7118で、CPU120は、現在の解析時刻tをFDTDのタイムステップの半分進める。また、解析時刻tのときの解析領域の電界をハードディスク124内の電界値記憶領域137に、磁界情報をハードディスク124内の磁界値記憶領域138に格納する。
ステップS7120では、CPU120は、現在の解析時刻tと最大解析時刻Tmaxの比較を行なう。解析時刻tのほうが最大解析時刻Tmaxより小さければ(ステップS120にて、No)、ステップS7102に戻る。そうでなければ(ステップS7120にて、Yes)、解析に使用したメモリ122の記憶領域の開放を行ない、計算を終了する。
次に、回路解析の処理の流れについて説明する。
まず、CPU120は、所定のネットリストをもとに、メモリ122に記憶領域を確保し、素子の結線情報をもとに電流源法による電流源とキャパシタを追加した回路行列を生成する(ステップS7200)。この際、素子が相互インダクタンスであれば、上述したように対応する2端子をつないだ回路行列を生成する。また、解析時刻をゼロに設定する。
ステップS7202では、CPU120は、電磁界解析から電流源値を受け取る。なお、電流源値を受け取るまでは処理を中断する。
次いで、CPU120は、電流源値を、ステップS7202で受け取った電流源値に更新し(ステップS7204)、解析時刻がΔt(n−1/2)からΔt(n+1/2)までの回路解析を行ない、電圧を求める(ステップS7206)。
さらに、CPU120は、時刻Δt(n+1/2)での電圧値を電磁界解析に与える(ステップS7208)。ただし、回路解析の対象が相互インダクタンスであった場合は電圧差値を与える。また、CPU120は、ハードディスク124に、時刻Δt(n+1/2)での電流、電圧値を格納する。
ステップS7210では、CPU120は、現在の解析時刻tを回路解析タイムステップ分進め、ハードディスク124に、解析時刻tと回路素子端子間の電圧または電圧差を格納する。
そして、CPU120は、現在の解析時刻tと最大解析時刻Tmaxの比較を行なう(ステップS7212)。解析時刻tのほうが最大解析時刻Tmaxより小さければ(ステップS7212にて、No)、ステップS7202に戻る。そうでなければ(ステップS7212にて、Yes)、解析に使用したメモリ122の記憶領域の開放を行ない、計算を終了する。
以上のようにして、本発明では相互インダクタンスの回路を含めた電磁界回路連携解析を行なう。
なお、以上の説明では、解析処理が最大解析時刻を越えることを条件として終了するものとして説明したが、解析処理の終了条件としては、他の条件、たとえば、電界および磁界が定常状態となってから所定時間経過した後との条件が満たされるか等を用いることもできる。
なお、電磁界解析や回路解析は、上述のように、CPU120がFDTDを実行するプログラム135や回路解析を実行するプログラム136に従って行なうが、通信インターフェイス128経由で接続される複数個のCPUに実行させ、その結果をコンピュータ100を解してやりとりさせるようにしてもよい。また、電磁界解析や回路解析は、単一のCPUを用いて解析してもよいが、解析領域を複数の領域に分割して複数個のCPUを用いて解析してもよい。
(4.解析結果の例)
以下、本発明の手法を用いて誘導結合された2つのコイルを解析した結果の例を示す。
図7は、図4の端子aおよびcのポート入力波形を示す図である。
図8は、図4の端子bおよびdのポート出力波形を示す図である。
図7および図8は、端子a,cに位相のずれた差動入力信号を入れ、端子b,dで補正されていることを示している。ここでは、点線のグラフは、本発明の電磁界回路連携解析プログラムによって求められた電圧値であり、実線のグラフは、SPICE単体で同じ設定で解析を行なった結果である。これにより、本発明の連携解析プログラムにおいて、誘導結合されたコイルの場合に入出力端子の電圧差によって解析を行なっても、コイルの解析が精度よく電磁界解析に組み込まれていることが分かる。
以上の説明により、本発明によれば、相互インダクタの端子間がフローティング状態のまま、抵抗や電流源の増加の少ない回路解析で扱えるため、電磁界回路連携解析の計算量を低減できる。また、抵抗を付加する場合に比べて、さらに生じていた回路解析のネットリスト変更の作業量を軽減できるため、電磁界回路連携解析の準備に要する処理時間を低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の連携解析プログラムを実行するコンピュータ100の一例を示す概念図である。 このコンピュータ100の構成をブロック図形式で示す図である。 電流源法による連携解析の模式図である。 RC網を含めた回路基板の2次元電磁界モデルの例を示す図である。 誘導結合されたコイルの連携解析モデルの例を示す図である。 図3(C)で示した連携解析の処理の流れを具体的に示したフローチャートである。 図4の端子aおよびcのポート入力波形を示す図である。 図4の端子bおよびdのポート出力波形を示す図である。 相互インダクタの例を示す図である。 一般的な回路解析法において、図9の相互インダクタを解析可能とするために、図9の回路に高抵抗35を挿入した場合を示す図である。 従来の電磁界回路連携解析法において、図10の高抵抗を付加した相互インダクタをFDTD法と結合するために、図9の回路の回路素子が配置された端子間に電流源とキャパシタを追加した場合を示す図である。 ネットリストを例示した表である。
符号の説明
1 回路基板、2 導体、4 誘電体、6a 抵抗、8 グランド、10 電源、12,14 セル、31 磁界、32a,32b,32c 電流源、6b,33a,33b,33c コンデンサ、34 回路網、35 高抵抗、52,54 コイル、100 コンピュータ、102 コンピュータ本体、104 ディスプレイ、106 FDドライブ、108 光ディスクドライブ、110 キーボード、112 マウス、116 FD、118 CD−ROM、120 CPU、122 メモリ、124 ハードディスク、128 通信インターフェイス、134 回路基板データ、135 FDTDを実行するプログラム、136 回路解析を実行するプログラム、137 電界値記憶領域、138 磁界値記憶領域。

Claims (6)

  1. 演算処理部を有するコンピュータに電磁界回路連携解析を実行させるためのプログラムであって、
    前記演算処理部は、セル分割された解析対象となる領域において、前記領域の電界または磁界について第1の電磁界解析を行なうステップと、
    前記演算処理部は、前記セルが含む回路素子のネットリストによって表記された等価回路に対して、前記第1の電磁界解析を行なうステップにより与えられた電界または磁界の一方に基づき、電圧源または電流源の一方を設定し、回路解析を行なうステップとを備え、
    前記回路解析を行なうステップは、前記演算処理部が前記解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、前記演算処理部が、前記相互インダクタの対応する2端子を接続されているものとして解析するインダクタ回路解析ステップを含み、
    前記演算処理部は、前記回路解析の結果に基づき、前記回路素子を含む前記セルの電界または磁界の他方を算出し、前記領域の電界または磁界についての第2の電磁界解析を行なうステップと、
    前記演算処理部は、前記第1の電磁界解析を行なうステップと、前記回路解析を行なうステップと、前記第2の電磁界解析を行なうステップを、所定の条件が満たされるまで繰りかえすステップとをさらに備え、
    前記第1および第2の電磁界解析を行なうステップは、前記演算処理部が前記解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、前記演算処理部が前記接続されているものとした2端子間を開放して解析するインダクタ領域解析ステップを含む、解析処理をコンピュータに実行させるための電磁界回路連携解析プログラム。
  2. 前記回路解析を行なうステップは、
    前記セルが前記相互インダクタを含むときに、前記演算処理部が、前記相互インダクタに対応する2端子を仮想的に接続させるように前記ネットリストを変更するステップを含む、請求項1記載の電磁界回路連携解析プログラム。
  3. 前記インダクタ回路解析ステップは、前記演算処理部が、仮想的に変更された前記ネットリストに基づいて、前記相互インダクタの端子間の電圧を解析するステップを含み、
    前記インダクタ領域解析ステップは、前記演算処理部が、前記接続されているものとした2端子間が開放されているものとして、前記電圧を解析するステップにおける解析結果に基づき、前記セルの電圧を電界に変換するステップを含む、請求項2記載の電磁界回路連携解析プログラム。
  4. 前記コンピュータは、さらに記憶部を有し、
    前記解析対象となる領域は回路基板を含み、
    前記回路基板に配置された回路素子の等価回路は、CR要素と、誘導結合のないコイル要素と、誘導結合されたコイル要素を含み、
    タイムステップΔtが予め決められているときに、
    前記第1の電磁界解析を行なうステップは、
    前記演算処理部が、前記解析対象となる領域をセル分割し、電界と磁界を空間的に半セルずらして配置するステップと、
    前記演算処理部が、時刻tにおける前記領域の磁界を求めるステップと、
    前記演算処理部が、前記求めた磁界に基づき、前記回路素子を含む前記セルの電流を求めるステップを含み、
    前記回路解析を行なうステップは、
    前記セルに含まれる前記回路素子が前記誘導結合されたコイル要素の場合は、前記演算処理部は、前記誘導結合されたコイル要素の対応する2端子を仮想的に接続させるように前記ネットリストを変更するステップと、
    前記演算処理部が、前記電流を求めるステップで求められた電流に基づき、前記ネットリスト、または前記変更したネットリストに対して電流源を設定し、前記回路素子の2端子間の前記時刻t+1/2Δtにおける電圧を求めるステップと、
    前記演算処理部が、前記時刻tをt+1/2Δtに更新するステップとを含み、
    前記第2の電磁界解析を行なうステップは、
    前記演算処理部が、前記回路解析を行なうステップに基づき、前記回路素子を含むセルの電界を算出し、前記時刻t+1/2Δtにおける前記領域の電界を求めるステップと、
    前記演算処理部が、前記求めた電界と前記求めた磁界を前記記憶部に格納するステップと、
    前記演算処理部が、電磁界解析において前記時刻tをt+1/2Δtに更新するステップとを含む、請求項1記載の電磁界回路連携解析プログラム。
  5. 請求項1記載の電磁界回路連携解析プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 電磁界回路連携解析装置であって、
    電磁界解析を行なう電磁界解析部を備え、
    前記電磁界解析部は、
    セル分割された解析対象となる領域において、前記領域の電界または磁界について第1の電磁界解析を行なう手段を含み、
    前記セルが含む回路素子のネットリストによって表記された等価回路に対して、前記第1の電磁界解析を行なう手段により与えられた電界または磁界の一方に基づき、電圧源または電流源の一方を設定し、回路解析を行なう回路解析部をさらに備え、
    前記回路解析部は、
    前記解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、前記相互インダクタの対応する2端子を接続されているものとして解析するインダクタ回路解析手段を含み、
    前記電磁界解析部と前記回路解析部とを制御する解析制御部とを備え、
    前記電磁界解析部は、
    前記回路解析部の結果に基づき、前記等価回路の存在する前記セルの電界または磁界の他方を算出し、前記領域の電界または磁界についての第2の電磁界解析を行なう手段と、
    前記解析対象に含まれる誘導結合された相互インダクタの動作を解析する場合に、前記接続されているものとした2端子間を開放して、前記第1および第2の電磁界解析を実行させるインダクタ領域解析手段をさらに含んでおり、
    前記解析制御部は、
    前記第1の電磁界解析を行なう手段と、前記回路解析を行なう手段と、前記第2の電磁界解析を行なう手段とによる各解析を、所定の条件が満たされるまで繰りかえすように前記電磁界解析部と前記回路解析部とを制御する手段を含む、電磁界回路連携解析装置。
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