JP4457641B2 - ゼラチンカプセル - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品、食品、健康食品などの広い分野において用いられているゼラチンカプセルに関し、より詳しくは、ゼラチンカプセルの長期保存後に見られる皮膜の不溶化現象を防止することができるカプセル皮膜組成物およびこの皮膜組成物により形成されたゼラチンカプセル等に関するものである。
ゼラチンを皮膜素材としたカプセル、すなわちゼラチンカプセルは、医薬品のみならず、近年の健康志向の高まりから栄養補助食品、機能性食品などの健康食品の分野においても数多く用いられている。ゼラチンカプセルは、医薬や食品に含まれる成分の保護、安定化、味・臭いのマスキング等を目的に用いられている。
しかしながら、ゼラチンを皮膜素材に用いたカプセルにおいては、長期保存中に皮膜中のゼラチンに架橋が起こり、皮膜の不溶化現象が起こるという問題が以前より指摘されていた。このような問題を解決する手段として、例えば、ゼラチン分子中のアミノ基を有機酸で化学修飾したゼラチンを皮膜基剤とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、このような化学修飾ゼラチンを用いたカプセルはべたつき易く、取り扱いにくいなどの問題があり、それを防止するために澱粉などのポリグルコース化合物を添加する必要があった。しかしながら40℃、2ヶ月保存後の崩壊性データを見る限り、この手段を用いても皮膜の不溶化現象を防止する上で必ずしも満足のできるものではなかった。
他の可食性カプセルとしては、ポリグルタミン酸を含有するカプセルが知られている。ポリグルタミン酸単独の皮膜カプセルとしては、例えば、ポリグルタミン酸をミョウバン等の金属により架橋したポリグルタミン酸架橋体を皮膜に用いた可食性カプセルが知られている(特許文献2参照)。しかしながら、ポリグルタミン酸架橋体を皮膜に用いた可食性カプセルの製造においては、ポリグルタミン酸架橋体を含む溶液から皮膜用シートを作成する場合は、ゼラチンの場合とは異なり、加熱によって加工容易なゾルへの変化を起こさないため、従来のゼラチンカプセル用皮膜シートを加工する工程と比べ、一工程余計に乾燥工程(例えば、室温、45%RHで24時間)が必要である場合がある。したがって、ポリグルタミン酸単独の皮膜カプセルの製造には、既設のゼラチンカプセル製造ラインはそのまま転用できない点と、さらに工程が増える分、製造時間が著しく延長される可能性があるなど、設備面および効率面での解決すべき課題が残されていた。
一方、生体を構成するミネラル成分のうち、カルシウム、鉄、亜鉛、銅、マグネシウムなどは日本人にとって不足しがちで、特にカルシウムは、成長期に必要な栄養素であることはもとより、成人においても不足すれば骨粗しょう症に至ってしまうため欠かすことはできない。このような状況において、カルシウムの栄養所要量を満たす目的で、無機のカルシウム塩やカルシウム粉末を強化した飲食物やカルシウム製剤(散剤、錠剤)などが数多く市販されている。
また、カルシウムの補給に関しては、カルシウムそのもののほか、カルシウムの吸収を促進する補助剤の研究開発も行われている。特に小腸での可溶性カルシウム濃度を増加させることによりカルシウム吸収促進効果を示す素材として、ポリ−γ−グルタミン酸およびポリ−α−グルタミン酸などが挙げられる。ポリ−γ−グルタミン酸は、納豆の粘質物中に存在する成分として、また納豆菌等のバチルス属が菌体外に分泌する成分として知られる。これらのポリグルタミン酸は、小腸下部でミネラルの可溶化効果を持ち、ミネラルの腸管吸収を促進させることができる(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
上記のように、カルシウム製剤にはいくつかの種類があるが、それぞれに一長一短がある。また、カルシウムを有効成分とするカルシウム製剤の剤形は、散剤、錠剤であったため、他の成分との組み合わせが固形素材との組合せに限定されていた。しかし、液状素材と組合せることができる剤形のものであって、経口摂取が容易なカルシウム製剤が求められるところである。
特開2000−44465号公報 国際公開第03/049771号パンフレット 特開昭59−162843号公報 特許第3232718号公報
本発明の解決しようとする課題は、ゼラチンカプセルの保存中に起こる皮膜の不溶化現象の抑制することができるカプセル皮膜用の組成物およびカプセルを提供することを課題とする。従来のポリグルタミン酸皮膜カプセルの製造のように皮膜シート加工のための乾燥工程を設ける必要の無い、既設製造ラインで製造可能な組成を見出すことも課題とする。さらには経口摂取が容易で、摂取したカルシウム、鉄などのミネラルが有効に生体内に吸収されるゼラチンカプセルを提供することを課題とする。
上記のような状況の下、本発明者らは鋭意研究を進めたところ、ゼラチンカプセルの皮膜成分としてポリグルタミン酸を配合することにより、長期保存後に発生しうる不溶化現象を大幅に抑制させることができることを見出し、さらに、ポリグルタミン酸を配合する皮膜であっても、既存のゼラチンカプセル製造ラインにおいても製造可能であることを見出し、さらに加えて、カルシウムなどのミネラル分の吸収を促進させるカプセル製剤とすることができることを見出した。すなわち、本発明者らは、カプセルの皮膜成分として、ゼラチンとポリグルタミン酸とを組み合わせることにより、上記のような3つの課題を一挙に解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下のカプセル皮膜組成物およびゼラチンカプセルを提供することである。
〔1〕ゼラチンとポリグルタミン酸とを含有することを特徴とするカプセル皮膜組成物。
〔2〕上記〔1〕記載のカプセル皮膜組成物からなることを特徴とする、ゼラチンカプセル。
〔3〕該ポリグルタミン酸が、ポリ−γ−グルタミン酸および/またはポリ−α−グルタミン酸であることを特徴とする、上記〔2〕記載のゼラチンカプセル。
〔4〕ミネラル成分を含むカプセル内容成分を内包することを特徴とする、上記〔2〕または〔3〕に記載のゼラチンカプセル。
〔5〕該ミネラル成分がカルシウムおよび/または鉄であることを特徴とする、上記〔4〕に記載のゼラチンカプセル。
本発明は、ゼラチンとポリグルタミン酸とを含有するカプセル皮膜用の組成物およびこの皮膜組成物で形成されたゼラチンカプセルを提供ことにより、ゼラチンカプセル保存中に発生するカプセル皮膜の不溶化現象を抑制することができ、既設のゼラチン製造ラインの転用で製造可能である。また、ポリグルタミン酸を内容成分として含有させる場合に比べて、カプセル皮膜中に含有させた場合にはその分だけ、他の有効成分を多量に含有させることが可能であり、さらには、固形素材だけではなく、液状素材、異味異臭のある素材や酸素により酸化されやすい素材との組み合わせも可能であり、有効成分の処方設計の自由度が大きな製剤とすることができる。特に、カプセル内に内包される内容物中にカルシウム、鉄などのミネラル成分が含有される場合には、経口からの摂取が容易で、摂取したミネラル成分がポリグルタミン酸により腸管内で可溶化されることにより有効に生体内に吸収され、成長期の児童のミネラル補強、老年期の骨粗しょう症予防などの効果が期待できる。
以下、本発明の実施形態について、最良の形態に言及しつつ詳細について説明する。以下、順次、ゼラチンとポリグルタミン酸とを含有するカプセル皮膜組成物、この皮膜組成物により形成されたゼラチンカプセル、さらに、皮膜としてのカプセルと前記カプセルに内包されるカプセル内容成分とを備え、前記カプセルの構成成分としてゼラチンおよびポリグルタミンを含有し、かつ、前記カプセル内容成分としてミネラル成分を含有することを特徴とするミネラル易吸収性に優れたゼラチンカプセルについて説明する。
本発明のカプセル皮膜成分の主成分として用いられるゼラチンは、特に制限はないが、例えば、熱変化に伴いゾルゲル変化をともなう、牛、豚、鳥、魚などを原料としたゼラチンを用いることができる。通常、ゼラチンはその使用される用途に応じて最適なゼリー強度のものを選択、使用されている。本発明のゼラチンカプセルにおいても各種カプセルにより、最適なゼリー強度を選択して使用することができる、例えば、ソフトカプセルの場合には100〜250ブルーム、好ましくは120〜200ブルームのゲル強度である。また、シームレスカプセルの場合には150〜350ブルーム、好ましくは、200〜300ブルームである。
本発明のカプセル皮膜成分として用いられるポリグルタミン酸は、特に制限はないが、例えば、合成のポリ−α−グルタミン酸、納豆の粘質物中に存在する、あるいは納豆菌等のバチルス属が菌体外に分泌するポリ−γ−グルタミン酸及びそれらの塩などである。これらのポリグルタミン酸は、小腸下部でミネラルの可溶化効果を持ち、ミネラルの腸管吸収を促進する。食品素材として用いる場合には、ポリ−α−グルタミン酸は、量などの条件にもよるが、腸管内を移行する際にプロテアーゼにより分解される可能性がある。したがって、高いミネラルの腸管吸収促進効果を得るという観点からは、好ましくは納豆の粘質物中に存在する、あるいは納豆菌等のバチルス属が菌体外に分泌するポリ−γ−グルタミン酸がより好適である。
ポリグルタミン酸の分子量に関しては、特に制限はないが、好ましくは分子量3,000〜1,000,000である。1,000,000を超える場合には溶解などの加工工程が困難になり、3,000以下ではミネラル吸収促進効果が得られなくなる。本発明で用いる分子量はゲルろ過−光散乱法(GPC−MALLS法: Wyatt Technology社製 Dawn DPS)で測定した重量平均分子量である。ポリグルタミン酸は一般にナトリウム塩であるが、本発明で用いられるポリグルタミン酸としては、上記ナトリウム塩であってもよいし、また他の塩であってもよく、あるいは、カルボキシル基がフリーのポリグルタミン酸であってもよい。
本発明のゼラチンカプセルは、ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスソフトカプセル等の各種カプセルのいずれの形態にも適合することができる。また、本発明のポリグルタミン酸含有ゼラチンカプセルは、使用目的、必要とする形状、大きさに応じて従来公知の製造方法を用いて製造することができる。すなわち、ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスソフトカプセル等の各種カプセルのいずれの形態でも構わず、それぞれ定法により製造される。
例えば、ハードカプセルの製法としては、皮膜液に金型(モールドピン)を浸漬し、乾燥して作製する浸漬法などを用いることができる。
また、ソフトカプセルの製造方法としては、打ち抜き法(スタンピング法)の一種であるロータリーダイ法を用いることができる。すなはち2枚のシートを用い、カプセル成形、内容物の充填、ヒートシールを同時に行なう方法である。
また、シームレスソフトカプセルの製法としては滴下法(ドリッピング法)の一種である液中硬化法を用いることができる。すなわち2重あるいはそれ以上の多重ノズルの内側ノズルからカプセル内容液、外側ノズルからカプセル皮膜液が一定速度で流出し、この2層液流を一定間隔で切断して液滴としたのち外側の皮膜層をゲル化させカプセル化する方法である。
マイクロカプセルの製法としては、コアセルベーション(相分離法)法、エマルジョン化(攪拌乳化法、超音波乳化法)法、スプレードライ法などを用いることができる。
カプセルの形状、大きさ等に特に制限はなく、形状に関してはラウンド型、オーバル型、オブロング型、チューブ型、ティアドロップ型等を製造することができる。大きさに関しては数μmから数cm程度までの大きさのカプセルを製造することができる。上記のようにゼラチンカプセルの使用目的、必要とする形状、大きさに応じて従来公知の製造方法を用いて製造することができる。
本発明において、皮膜構成成分中に占めるゼラチン及びポリグルタミン酸の含有率はカプセルの種類、用いるゼラチンのゼリー強度に応じて最適値が異なるが、カプセル製造中、並びにカプセルの皮膜特性を損なわない範囲で決定することができる。通常ゼラチン及びポリグルタミン酸の質量の合計は、皮膜全体重量の好ましくは60〜100%の範囲で用いることがでる。60%以下である場合には、カプセル製造時に皮膜強度が保てず、製造が困難になる。より好ましくは60〜85%、さらに好ましくは65〜80%の範囲である。また皮膜構成成分中のポリグルタミン酸の含有率についてはカプセルの種類、用いるゼラチンのゼリー強度に応じて最適値が異なるが、皮膜特性を損なわない範囲で使用することができる。ゼラチンとポリグルタミン酸との配合比率(質量比率として)は、通常99:1〜60:40の範囲で用いることができ、各種カプセルの製造工程、必要とされる皮膜特性に応じて好ましい範囲を設定することができる。例えば、ゼラチン皮膜を用いたソフトカプセルの場合には、ゼラチンとポリグルタミン酸との配合比率(質量比率として)は、好ましくは99:1〜60:40の範囲で用いられる。99:1よりゼラチンが多い場合には、ポリグルタミン酸による不溶化抑制能を確保することが困難であり、他方60:40よりポリグルタミン酸が多い場合にはゲル強度が不足し、カプセルの製造が困難になる。不溶化抑制能の確保並びにカプセル製造の観点からは、ゼラチンとポリグルタミン酸の配合比率は、より好ましくは95:5〜65:35であり、さらに好ましくは90:10〜65:35である。
また、シームレスカプセルの場合には、ゼラチンとポリグルタミン酸の配合比率(質量として)は、好ましくは99:1〜70:30である。99:1よりゼラチンが多い場合には、ポリグルタミン酸による不溶化抑制能を確保することが困難となり、70:30よりポリグルタミン酸が多い場合にはゲル強度が不足し、カプセルの製造が困難になる。不溶化抑制能の確保並びにカプセル製造の観点からは、より好ましくは95:5〜75:25である。
なお、本発明のゼラチン皮膜成分としては、通常、皮膜成分として用いられる他の成分を本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。例えば、グリセリンなどの可塑剤や、着色剤、遮蔽剤などの公知公用の添加剤を使用することができる。
本発明のゼラチンカプセルには、別途内容成分を含有させることも予めカプセル製造と同時に内容成分を含有させることもできる。内容成分として、通常、カプセル製剤の内容物として用いられる他の成分を液体、固体等形状を問わず、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。例えば、各種公知公用のタンパク質、ビタミン、脂質などの栄養素関連素材、ハーブ類、生理活性ペプチドなどの機能性食品素材などを内包させることができる。
本発明のゼラチンカプセルの内容成分として用いられるミネラル成分としては、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などの生体必須ミネラルの一部あるいは全部が対象となる。用いるミネラルの形態としては液体、固体の特に制限はない。例えばカルシウムでは、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウムなどの合成品の食品添加物、及び貝カルシウム、骨カルシウムなどの天然カルシウムなどが対象である。鉄では、塩化第二鉄、クエン酸鉄、クエン酸第一鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄、の合成品の食品添加物、及びヘム鉄などの天然鉄が対象となる。マグネシウムやその他ミネラルについてはそれらの塩化合物やミネラル粉末、あるいは酵母に取りこませたミネラル類でもよい。
ミネラル成分とポリグルタミン酸の重量の比率については、特に制限はないが、一日当たりの栄養所要量、平均摂取量などを参考に随意に設定することができる。例えば、カルシウムの場合、成人一日当たりの栄養所要量は700mgで、国民1人あたりの平均摂取量は547mg(平成12年国民栄養調査)であるので、約150mg不足している計算になる。不足分を補うためカルシウムをポリグルタミン酸含有ゼラチンカプセルから200mg摂取するとした場合に必要なポリグルタミン酸は、10mgから500mgの範囲で使用することができる。ポリグルタミン酸の量が10mgよりも少ない場合には、十分なカルシウム吸収促進効果が得られず、500mgより多い場合は既に十分な効果があるのでそれ以上の効果は期待できない。皮膜構成成分としてのポリグルタミン酸配合量としては、好ましくは、20mg〜300mgの範囲で、より好ましくは30mg〜200mgである。
また、本発明のミネラル含有ゼラチンカプセルに内包される他のカプセル内容成分としては、通常、カプセル製剤の内容物として用いられる他の成分を本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。例えば各種公知公用のタンパク質、ビタミン、脂質などの栄養素関連素材、ハーブ類、生理活性ペプチドなどの機能性食品素材などを用いることができる。具体的には、カルシウムの場合には、血液中のカルシウムを骨に固着させることにより骨形成促するとされるビタミンKや骨に貯蔵されているのカルシウムを血液中への放出する骨吸収抑制作用を有するイソフラボンなどを併用することができる。このことにより経口より摂取したカルシウムを更に効率的に利用し、かつ総合的に骨を強化し、骨粗しょう症などを予防することが可能になると期待できる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1、2、3および比較例として、それぞれ下記のごとくに皮膜液と内容液を調整しこれらを連続ロータリーダイ式カプセル充填機により、ソフトカプセルを作製した。
[実施例1]
下記皮膜液組成1に記載の各原料を65℃にて加熱溶解した後、脱泡して60℃における粘度が20,000cpsとなるように皮膜液を調製した。また下記内容液組成1に示す各原料を攪拌混合後、ホモジナイザーで均一分散させ内容液を調製した。
<皮膜液組成1>
ゼラチン(ゼリー強度=150ブルーム) 85重量部
ポリ−γ−グルタミン酸(分子量3万) 15重量部
グリセリン 35重量部
精製水 80重量部
<内容液組成1>
貝カルシウム 100重量部
大豆油 200重量部
得られた皮膜液、内容液を用い、連続式ロータリーダイ式カプセル充填機で、OVAL5号の金型を用いカプセル成型を行った。このとき皮膜シート作製からカプセル成型までの時間は約4分であった。その後、カプセルを乾燥してのソフトカプセルを作製した。得られたソフトカプセルは、長径12.8mm、短径8.1mm、全重量463mg、内容物重量303mg、皮膜厚0.6mm、皮膜水分値10.1%であった。
[実施例2]
下記皮膜液組成2に示す各原料を65℃にて加熱溶解した後、脱泡して60℃における粘度が20,000cpsとなるように皮膜液を調製した。また下記内容液組成2に示す各原料を攪拌混合後、ホモジナイザーで均一分散させ内容液を調製した。
<皮膜液組成2>
ゼラチン(ゼリー強度=150ブルーム) 70重量部
ポリ−γ−グルタミン酸(分子量3万) 30重量部
グリセリン 35重量部
精製水 80重量部
<内容液組成2>
貝カルシウム(Ca含量38%) 100重量部
大豆油 200重量部
得られた皮膜液、内容液を用い、連続式ロータリーダイ式カプセル充填機で、OVAL5号の金型を用いカプセル成型を行った。このとき皮膜シート作製からカプセル成型までの時間は約4分であった。その後、カプセルを乾燥してのソフトカプセルを作製した。得られたソフトカプセルは、長径12.7mm、短径8.2mm、全重量483mg、内容物重量302mg、皮膜厚0.6mm、皮膜水分値7.6%であった。
[実施例3]
下記皮膜液組成3に示す各原料を65℃にて加熱溶解した後、脱泡して60℃における粘度が20,000cpsとなるように皮膜液を調製した。また下記の内容液組成3に示す各原料を攪拌混合後、ホモジナイザーで均一分散させ内容液を調製した。
<皮膜液組成3>
ゼラチン(ゼリー強度=150ブルーム) 85重量部
ポリ−γ−グルタミン酸(分子量3万) 15重量部
グリセリン 30重量部
精製水 80重量部
<内容液組成3>
貝カルシウム (Ca含量38%) 80重量部
大豆イソフラボン(有効含量40%) 20重量部
ビタミンK2(有効含量0.15%) 5重量部
大豆油 195重量部
得られた皮膜液、内容液を用い、連続ロータリーダイ式カプセル充填機で、OVAL5号の金型を用いカプセル成型を行った。このとき皮膜シート作製からカプセル成型までの時間は約4分であった。その後、カプセルを乾燥してのソフトカプセルを作製した。得られたソフトカプセルは、長径11.8mm、短径8.4mm、全重量449mg、内容物重量301mg、皮膜厚0.51mm、皮膜水分値9.1%であった。
[比較例1]
下記皮膜液組成4に示す各原料を65℃にて加熱溶解した後、脱泡して60℃における粘度が20,000cpsとなるように皮膜液を調製した。また下記の内容液組成4に示す各原料を攪拌混合後、ホモジナイザーで均一分散させ内容液を調製した。
<皮膜液組成4>
ゼラチン(ゼリー強度=150ブルーム) 100重量部
グリセリン 35重量部
精製水 80重量部
<内容液組成4>
貝カルシウム(Ca含量38%) 100重量部
大豆油 200重量部
得られた皮膜液、内容液を用い、連続ロータリーダイ式カプセル充填機で、OVAL5号の金型を用いカプセル成型を行った。このとき皮膜シート作製からカプセル成型までの時間は約4分であった。その後、カプセルを乾燥してのソフトカプセルを作製した。得られたソフトカプセルは、長径12.6mm、短径8.1mm、全重量451mg、内容物重量301mg、皮膜厚0.59mm、皮膜水分値10.2%であった。
以上の方法で得られた各ソフトカプセルの評価を行った結果を試験例1〜3に示す。
[試験例1] 崩壊性試験
実施例1、及び比較例で得られたカプセルを密閉したガラス容器に入れ、40℃、75%RHの環境下で3カ月および6カ月保存した。それぞれ保存前(初期値)、3、6カ月後のそれぞれのサンプルを日本薬局方解説書記載の崩壊試験法に基づき、崩壊試験機(TOYAMA SANGYO製、NT-4HSF)を用いた試験を行った。それぞれの条件下におけるカプセル9個について崩壊時間の測定を行った結果の平均値を表1に示した。
Figure 0004457641
表1の崩壊試験結果によれば、本発明の実施例1にあってはソフトカプセルの皮膜成分に含んだポリ−γ−グルタミン酸がカプセル保存中に起こる皮膜の不溶化現象を抑制することが明らかとなった。
[試験例2] カルシウム可溶化試験
実施例1、及び比較例で作成したカプセルを用い、以下に示す方法でカルシウム可溶化試験を行った。カプセル1個(Ca含量38mg)を25mlの精製水に入れた後、1M塩酸でpH1.5にpH調製した。37℃で1時間保温した後、室温まで冷却し、1Mの炭酸ナトリウムでpH8に調製し、容量を50mlに調整しサンプル溶液とした。このサンプル溶液0.5mlに20mMリン酸水素二ナトリウム0.25ml、精製水0.75mlを加え、37℃で1時間加温した。室温まで冷却した後、生じた燐酸カルシウムをポアサイズ0.45μmのフィルターでろ過を行い、ろ液中の可溶化カルシウム濃度を測定(カルシウムC−ワコー、和光純薬製)した。また、炭酸カルシウム(Ca含量40%)粉末95.5mgをカプセルの代わりに用いてカルシウム可溶化試験を行った場合の合わせて表1の結果を示した。カルシウムの可溶化率はカプセル1個中のカルシウム含量を100%とした場合の可溶化されたカルシウムの量より算出した。
Figure 0004457641
表2のカルシウム可溶化試験結果によれば、本発明の実施例1のカプセルは皮膜成分に含んだポリ−γ−グルタミン酸により、比較例のゼラチンカプセルよりも高いカルシウム可溶化率を示していることがわかった。したがって、実施例1のカプセルを摂取した場合には摂取したカルシウムは効率よく体内に吸収される。
本発明は、カプセルが用いられる分野、例えば、医薬品、食品、健康食品などの分野において、既存のゼラチンカプセルの改善品として広く有用である。また、ミネラル成分を含有したミネラル易吸収性に優れたゼラチンカプセルは、カルシウムなどのミネラル成分を効率良く吸収させることが可能となり、成長期の児童のミネラル補強、老年期の骨粗しょう症予防など医薬、食品、健康食品などの分野で特に有用である。

Claims (5)

  1. ゼラチンと分子量が3,000〜1,000,000のポリグルタミン酸とグリセリンとを含有し、ゼラチンとポリグルタミン酸の配合比率が99:1〜60:40であることを特徴とするカプセル皮膜組成物からなり、ソフトカプセル、シームレスカプセル及びシームレスソフトカプセルのいずれかであることを特徴とする、ゼラチンカプセル
  2. 前記配合比率が、99:1〜70:30であることを特徴とする、請求項1に記載のゼラチンカプセル。
  3. 該ポリグルタミン酸が、ポリ−γ−グルタミン酸および/またはポリ−α−グルタミン酸であることを特徴とする、請求項1または2に記載のゼラチンカプセル。
  4. ミネラル成分を含むカプセル内容成分を内包することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゼラチンカプセル。
  5. 該ミネラル成分がカルシウムおよび/または鉄であることを特徴とする、請求項4に記載のゼラチンカプセル。
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