JP4457000B2 - 光増幅装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば制御光の注入によって信号光に対する利得を制御しうる半導体光増幅装置に用いて好適の光増幅装置に関する。
近年の通信需要の飛躍的な増大に伴い、大容量で高速なフォトニックネットワークの適用範囲は加入者に身近なメトロ・アクセス系へも広がっている。メトロ・アクセス系に適用されるフォトニックネットワークは、光アドドロップマルチプレクサ(OADM:Optical Add Drop Multiplexer)等を用いた柔軟なネットワーク構成となっている。
このようなネットワークにおいて用いられる光増幅器には、多重される波長の数の変動や入力される光の強度の変動に対して、高速な利得制御が可能で、常に一定の光出力が得られる機能(レベル制御機能)が求められている。
レベル制御機能を持つ光増幅器としては、例えば図8に示すように、3dBカプラ107,108を含むマッハツェンダ干渉器100の両アーム101,102内に、それぞれ、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)103,104を設け、干渉器100外部に制御用SOA105を集積した構成の光増幅器が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この光増幅器では、マッハツェンダ干渉器100の両アーム101,102内に配置されたSOA103,104によって信号光が増幅されるようになっている。さらに、素子内に信号光の光路と交差するように発振光(制御光)の光路を設け、発振光の光路上に、フィードバック機構として0.1%程度の反射率を有する反射防止膜(反射ミラー)106及びSOA等の利得媒質を配置することで、発振光が素子内でレーザ発振するようにしている。なお、フィードバック機構としては、このほか、回折格子やループ導波路等も開示されている。この場合、アーム101,102内のSOA103,104も発振光のレーザ発振に寄与し、信号光に対する利得が発振光の発振閾値での利得(閾値利得)に一定保持(クランプ)されることになる。そして、この光増幅器では、干渉器外部に配置された制御用SOA105の利得を調整することで、両アーム101,102内のSOA103,104の閾値利得を変化させて、光増幅器の利得制御を行なうようにしている。
特開2003−179289号公報
ところで、フォトニックネットワークで用いられる光増幅器には、信号光の偏波状態によって利得が変化しない偏波無依存な増幅特性が求められる。
上述の従来提案されている光増幅器(図8参照)では、アーム内のSOAに偏波無依存型のSOAを用いることで、信号光に対して偏波無依存な増幅特性を実現することができる。
また、上述の従来提案されている光増幅器(図8参照)では、アーム内に配置されるSOAと干渉器外部に配置される制御用SOAとを、共通の活性層を持つものとするのが通常である。このため、干渉器外部の制御用SOAも偏波無依存な増幅特性を持つことになる。
しかしながら、上述の従来提案されている光増幅器(図8参照)では、偏波無依存な増幅特性を持つ制御用SOAを用い、発振を利用して利得が一定値になるようにしているため、制御用SOAに対する注入電流(制御電流)を変化させることによって利得制御を行なう際に、発振状態の制御光(発振光)にモードホッピングが生じ、さらに、このモードホッピングに起因してキンクが発生することになる。このように、利得制御時にキンクが発生すると、光増幅器の利得(光利得)が制御電流に対して滑らかに変化しないことになり、連続的な利得制御が難しくなる。また、制御回路も複雑になる。
ところで、レベル制御機能を持った光増幅器としては、例えば図9に示すように、3dBカプラ116,117を含むマッハツェンダ干渉器110の両アーム111,112内に、それぞれ、SOA113,114を設け、干渉器110外部に制御用レーザ光源としてDFBレーザ115を集積した構成も提案されている(例えば特願2004−508538号参照)。なお、この光増幅器の端面には無反射コーティング(反射率<0.001%)が施され、無反射コート膜118,119が形成されている。
この光増幅器では、マッハツェンダ干渉器110の両アーム111,112内に配置されたSOA113,114によって信号光が増幅されるようになっている。一方、干渉器110外部に配置されたDFBレーザ115から出射された制御光は、両SOA113,114に入射され、増幅されて、素子内を信号光と対角方向に導波されるようになっている。そして、DFBレーザ115から出射される制御光のパワーを調整することにより、制御光と信号光との間の相互利得変調効果によって、光増幅器の利得制御を行なうようになっている。
しかしながら、このような構成の光増幅器でも、上述の光増幅器(図8参照)と同様の課題がある。つまり、このような構成の光増幅器でも、DFBレーザ115をSOA113,114と共通の活性層を持つものとするのが通常である。このため、DFBレーザ115もSOAと同様に偏波無依存な増幅特性を有するものとなる。また、発振を利用して利得が一定値になるようにする。この場合、DFBレーザ115に対する注入電流(制御電流)を変化させて制御光のパワーを調整して利得制御を行なう際に、発振状態の制御光にモードホッピングが生じ、さらに、このモードホッピングに起因してキンクが発生することになる[図10参照]。このように、利得制御時にキンクが発生すると、光増幅器の利得(光利得)が制御電流に対して滑らかに変化しないことになり、連続的な利得制御が難しくなる。また、制御回路も複雑になる。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、偏波無依存な増幅特性を実現しながら、連続的な利得制御を実現できるようにした、光増幅装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の光増幅装置は、入力側カプラと、出力側カプラと、入力側カプラと出力側カプラとを接続する一対のアームとから構成される対称マッハツェンダ干渉器と、一対のアームにそれぞれ設けられ、信号光を増幅する第1及び第2光増幅器と、制御光を出力する制御光用光源とを備え、第1及び第2光増幅器が、偏波無依存な特性を有するものとして構成され、制御光用光源が、規格化された偏波間利得差ΔαLが0.15以上になるように構成されることを特徴としている。
また、本発明の光増幅装置は、入力側カプラと、出力側カプラと、入力側カプラと出力側カプラとを接続する一対のアームとから構成される対称マッハツェンダ干渉器と、一対のアームにそれぞれ設けられ、信号光を増幅する第1及び第2光増幅器と、制御光を出力する制御光用光源とを備え、第1及び第2光増幅器が、偏波無依存な特性を有するものとして構成され、制御光用光源が、所定の偏波間損失差を持つ端面ミラーを有する分布反射型レーザであることを特徴としている。
したがって、本発明によれば、偏波無依存な増幅特性を実現しながら、連続的な利得制御を実現できるという利点がある。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる光増幅装置について説明する。
本実施形態にかかる光増幅装置(光増幅素子)は、対称マッハツェンダ干渉器のアーム内に偏波無依存な特性を有する光増幅器を設ける一方、干渉器外部に偏波間利得差又は偏波間損失差を持つ制御光用光源を設けるようにすることで、制御光の偏波間モードホッピングが生じないようにし、ひいては、偏波間モードホッピングに起因したキンクの発生を防止するものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる光増幅装置について、図1(a)〜(d)を参照しながら説明する。
本光増幅装置は、制御光の注入による利得制御機能を有する半導体光増幅装置であって、図1(a)に示すように、対称マッハツェンダ干渉器1と、信号光を増幅する2つの半導体光増幅器(SOA;第1及び第2光増幅器)2,3と、制御光を出力するDFBレーザ(制御光用光源;制御用レーザ光源)4と、DFB(Distributed Feed Back;分布帰還型)レーザ4から出力される制御光を導波させるための制御光用導波路5とを、同一半導体基板6上にモノリシックに集積されて構成される。
また、本実施形態では、素子50の両端面(信号光入力側及び信号光出力側の端面)50A,50Bは、いずれも無反射コーティングが施されている。つまり、素子50の両端面50A,50Bには、図1(a)に示すように、いずれも無反射コート膜7,8(反射率R;R<0.001%)が形成されている。
ここで、対称マッハツェンダ干渉器1は、図1(a)に示すように、2つの3dBカプラ9,10と、これらの3dBカプラ9,10に接続され、同一光路長を有する一対のアーム11,12とから構成され、対称構造になっている。なお、2つの3dBカプラのうち、信号光の入力側に設けられる方を入力側3dBカプラ(入力側カプラ)9といい、信号光の出力側に設けられる方を出力側3dBカプラ(出力側カプラ)10という。
そして、一対のアーム11,12内には、図1(a)に示すように、それぞれ、偏波無依存型のSOA2,3が設けられている。つまり、対称マッハツェンダ干渉器1の内部に2つの偏波無依存な特性を有するSOA2,3が配置されている。これらのSOA2,3は同一の長さ(同一SOA長)を有するものとして構成される。
また、対称マッハツェンダ干渉器1には、図1(a)に示すように、信号光を入力する入力導波路13及び信号光を出力する出力導波路14がそれぞれ接続されている。つまり、対称マッハツェンダ干渉器1の入力側3dBカプラ9には、入力導波路13が接続されており、対称マッハツェンダ干渉器1の出力側3dBカプラ10には、出力導波路14が接続されている。そして、対称マッハツェンダ干渉器1では、両アーム11,12で位相条件が合っているため(機能的に対称)、入力導波路13から入力された信号光は、対称な位置に設けられている出力導波路14から出力されるようになっている。
さらに、対称マッハツェンダ干渉器1には、図1(a)に示すように、制御光用導波路5が接続されている。この制御光用導波路5は、図1(a)に示すように、入力側3dBカプラ9に接続される導波路部分(入力側部分)5Aと、出力側3dBカプラ10に接続される導波路部分(出力側部分)5Bとを有する。そして、制御光は、出力側部分5Bから入力され、対称な位置に設けられている入力側部分5Aから出力されるようになっている。ここでは、制御光は、入力光に対して逆方向に伝搬するようになっており、信号光が伝搬する経路(光路)と制御光が伝搬する経路(光路)とは互いに交差している。
また、制御光用導波路5の入力側部分5Aは、素子50の信号光入力側の端面50Aに達しており、制御光用導波路5の出力側部分5Bは、素子50の信号出力側の端面50Bに達している。上述のように、素子50の端面50A,50Bには、いずれも無反射コート膜7,8が形成されているため、制御光用導波路5(5A,5B)の両端面には無反射コート膜7,8が形成されていることになる。
そして、制御光用導波路5の出力側3dBカプラ10に接続される導波路部分5Bには、制御光用光源としてレーザ発振を用いるDFBレーザ4が設けられている。つまり、対称マッハツェンダ干渉器1の外部にDFBレーザ4が配置されている。
DFBレーザ4が発する制御光は、アーム11,12内のSOA2,3に入射すると、信号光との間で相互利得変調効果が生じる。これを利用することでSOA2,3による信号光の利得を抑圧することができる。
したがって、DFBレーザ4への注入電流制御等によってSOA2,3に入射する制御光の光量を変化させることで、SOA2,3の利得制御が可能になる。
ところで、本実施形態では、図1(b),(c)に示すように、SOA2,3を、歪バルク構造の歪バルク活性層25(InGaAs層;例えば歪量−0.24%;例えば厚さ50nm)を持つものとして構成している。つまり、SOA2,3を、偏波無依存な特性を有する偏波無依存型の光増幅器としている。
ここで、偏波無依存型のSOA2,3とは、偏波間利得差ΔG(dB)が所定値(例えば2dB)よりも小さい(例えばΔG<2dB;数dB以内)ものをいう。
一方、DFBレーザ4は、歪多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造の歪MQW活性層28(例えば歪量+0.8%;例えば厚さ50nm)を持つものとして構成している。これは、歪MQW構造の設計によって意図的に大きな偏波間利得差をつけることを可能とするためである。なお、歪MQW活性層28は、例えばInGaAsP系の材料により形成すれば良いが、他の材料を用いても良い。
これにより、制御光用光源としてのDFBレーザ4を、所定の偏波間利得差を持つものとして構成している。ここで、DFBレーザ4の長さ(共振器長)をLとし、偏波間材料利得差をΔα(αTE−αTM;単位cm-1)とすると、DFBレーザ4の規格化された偏波間利得差はΔαL(=αTEL−αTML)で表すことができる。ここでは、DFBレーザ4での偏波間モードホッピングを回避するために、DFBレーザ4の規格化された偏波間利得差ΔαLが所定値(およそ0.15)以上(ΔαL≧0.15)になるようにしている。なお、歪MQW活性層28の材料や層構造の選択によって、偏波間利得差を任意に設定することができる。
例えば、図2は、DFBレーザ4の長さ(共振器長)Lを300μmとした場合のTEモードの利得αTELと、TMモードの利得αTMLとの間の利得差ΔαL(=αTEL−αTML)(共振器長で規格化したもの)を示している。
図2中、点Aは、DFBレーザ4の活性層を歪MQW構造(歪量+0.8%)とした場合の利得差ΔαLを示しており、点Bは、DFBレーザ4の活性層を歪バルク活性層(歪量−0.24%)とした場合の利得差ΔαLを示している。
図2中、点Bで示すように、DFBレーザ4の活性層を歪バルク活性層(歪量−0.24%)とした場合は、両偏波モード間の利得差ΔαLはほぼ0であったのに対し、図2中、点Aで示すように、DFBレーザ4の活性層を歪MQW活性層(歪量+0.8%)とした場合は、両偏波モード間の利得差ΔαLは約1.7程度になり、大きな偏波間利得差が得られることがわかる。
本実施形態では、SOA2,3の活性層(利得媒質)とDFBレーザ4の活性層(利得媒質)とで、その構造を互いに異なるものとしている。このため、厚さや歪量も互いに異なるものとなっている。なお、材料は互いに異なるものとしても良いし、同じものにしても良い。
なお、SOA2,3の活性層(利得媒質)とDFBレーザ4の活性層(利得媒質)とで、その構造を同じにし(例えば双方ともに歪バルク構造とし)、互いに異なる材料を用いる(例えばSOA2,3の活性層にInGaAsを用い、DFBレーザ4の活性層にInGaAsPを用いる)ようにしても、所定の偏波間利得差を得ることができる。
ここで、上述のSOA2,3の偏波間利得差ΔGと、DFBレーザ4の規格化された偏波間利得差ΔαLとの関係について説明する。
SOA2,3とDFBレーザ4とが、偏波間材料利得差Δα(αTE−αTM;単位cm-1)の共通の活性層を持つ場合、SOA2,3の長さをLSOA(cm)とし、DFBレーザ4の長さをLDFB(cm)とすると、SOA2,3の偏波間利得差ΔG及びDFBレーザ4の規格化された偏波間利得差ΔαLは、それぞれ、次式により表すことができる。
ΔG=4.34*(LSOA/LDFB)*ΔαLDFB
ΔαL=ΔαLDFB
これらの式からわかるように、SOA2,3の偏波間利得差ΔGは、活性層の規格化偏波間利得差ΔαLDFB以外に、SOA2,3の長さLSOAとDFBレーザ4の長さLDFBとの比(LSOA/LDFB)が関係する。
ここで、SOA2,3の偏波間利得差ΔGは最終的なデバイスの特性を左右するため、活性層構造のみでなく、SOA2,3の長さLSOAやDFBレーザ4の長さLDFBを含めたトータルな設計として、SOA2,3の偏波間利得差ΔGが例えば2dBよりも小さくなる(ΔG<2dB)ようにする必要がある。
例えば、SOA2,3とDFBレーザ4とで共通の活性層を持つ場合に、一般的な長さとして、LDFB=0.03cm,LSOA=0.15cmとし(この場合、SOA2,3の長さがDFBレーザ4の長さの数倍程度になる)、DFBレーザ4の規格化された偏波間利得差ΔαLが0.15以上(ΔαL≧0.15)になるようにすると、SOA2,3の偏波間利得差ΔGは3.3dBよりも大きく(ΔG>3.3dB)なってしまい、偏波無依存な特性が得られない。もちろん、SOA2,3の長さを極端に短くすれば、SOA2,3の偏波間利得差ΔGを2dBよりも小さく(ΔG<2dB)することができるが、この場合、SOA2,3の光利得がかなり小さくなってしまうため、現実的ではない。
そこで、上述のように、偏波無依存な特性を持つSOA2,3を、偏波間利得差ΔG(dB)が所定値(例えば2dB)よりも小さい(例えばΔG<2dB;数dB以内)ものと規定している。
一方、偏波間利得差を持つDFBレーザ4を、規格化された偏波間利得差ΔαLが所定値(例えば0.15)以上のもの(ΔαL≧0.15)と規定している。
このように、制御光用光源としてのDFBレーザ4を所定値(例えば0.15)以上の偏波間利得差を持つものとして構成すれば、利得制御動作時に、制御光用光源としてのDFBレーザ4によって安定した単一モード発振が得られる一方、キンクのない連続的な利得制御を実現できるようになる。
次に、本実施形態にかかる光増幅装置の製造方法について、図1(b)〜(d)を適宜参照しながら説明する。
ここで、図1(b)はSOA2,3の断面構造を示しており、図1(c)はDFBレーザ4の断面構造を示しており、図1(d)は光導波路の断面構造を示している。
まず、図1(a)〜(c)に示すように、n型InP基板(n−InP基板)20上に、n−InPクラッド層21(例えば厚さ1μm以下)、回折格子層(InGaAsP層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ60nm)22、n−InPキャップ層(例えば厚さ10nm)23を、例えば有機金属気相成長法(MOVPE法)で成長させて形成する。
次に、全面にSiO2膜を形成し、その上にレジストを塗布した後、電子ビーム(EB)露光によってDFBレーザ4の領域[図1(a)参照]のみに回折格子パターン(例えば周期236nm)を描画してパターニングし、SiO2マスクを形成する。次いで、例えばRIE法等のドライエッチングによって、例えば深さ60nmの回折格子を形成する。そして、SiO2マスクを除去した後、形成された回折格子はn−InPで埋め込む。この部分はn−InPキャップ層23の一部となる。これにより、InGaAsP回折格子層22のDFBレーザ4の領域[図1(a)参照]のみに回折格子が形成されることになる。
次に、図1(b)に示すように、下側SCH層24(InGaAsP層;光ガイド層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、歪バルク活性層25(InGaAs層;例えば歪量−0.24%;例えば厚さ50nm)、上側SCH層26(InGaAsP層;光ガイド層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、p−InPクラッド層27(例えば厚さ300nm)を、例えば有機金属気相成長法(MOVPE法)で成長させて、SOA2,3を構成する活性層を含む積層構造を形成する。
次いで、SOA2,3の領域[図1(a)参照]のみにSiO2マスク(誘電体マスク)を形成し、これらの領域を残して、n−InPキャップ層23に達するまで(即ち、表面側のp−InPクラッド層27から下側SCH層24まで)、例えばウエットエッチングにより除去する。
そして、除去した領域には、図1(c)に示すように、下側SCH層24(InGaAsP層;光ガイド層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、歪MQW活性層28(例えば発光波長1.58μm;例えば歪量+0.8%;例えば厚さ50nm)、上側SCH層26(InGaAsP層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、p−InPクラッド層27(例えば厚さ300nm)を、例えばMOVPE法でバットジョイント成長させて、DFBレーザ4を構成する活性層を含む積層構造を形成する。
このように、本実施形態では、SOA2,3の活性層を含む積層構造とは別に、DFBレーザ4の活性層を含む積層構造を形成するようにしている。つまり、SOA2,3の利得媒質とDFBレーザ4の利得媒質とをそれぞれ独立に(別々に)形成するようにしている。
次に、SOA2,3及びDFBレーザ4の領域[図1(a)参照]のみにSiO2マスク(誘電体マスク)を形成し、これらの領域を残して、n−InPキャップ層23に達するまで(即ち、表面側のp−InPクラッド層27から下側SCH層24まで)、例えばウエットエッチングにより除去する。
次いで、図1(d)に示すように、導波路層29(InGaAsP層;例えば発光波長1.3μm;例えば厚さ200nm)、p−InPクラッド層27(例えば厚さ350nm)を、例えばMOVPE法などでバットジョイント成長させて、SOA2,3及びDFBレーザ4の領域に連なる領域に、対称マッハツェンダ干渉器1の2つのアーム11,12、制御光用導波路5(5A,5B)、入力導波路13及び出力導波路14の光導波路を構成する積層構造を形成する。
次に、SOA2,3及びDFBレーザ4の領域、及び、光導波路領域にSiO2マスクを形成し、例えばICP−RIE(Inductively Coupled Plasma Reactive Ion Etching)法(誘導結合型プラズマ反応性イオンエッチング法)等のドライエッチングにより、例えば高さ1.5μm、幅1.5μmの導波路メサ構造を形成する[図1(a)〜(d)参照]。
次いで、図1(b)〜(d)に示すように、メサ構造の両側方に、p−InP電流ブロック層(第1電流ブロック層)30、n−InP電流ブロック層(第2電流ブロック層)31を、例えばMOVPE法等で成長させ、電流狭窄構造を形成する。
そして、SiO2マスクを除去した後、図1(b)〜(d)に示すように、上部にp−InPクラッド層32(例えば厚さ3μm)、InGaAsPコンタクト層33(例えば発光波長1.3μm;例えば厚さ100nm)を成長させて、エピタキシャル成長が完了する。
このようにしてエピタキシャル成長を完了したウエハは、図示しないが、SOA2,3及びDFBレーザ4の領域のみを残してInGaAsPコンタクト層33が除去され、SOA2,3及びDFBレーザ4の領域のInGaAsPコンタクト層33の表面と、n−InP基板1の裏面とに電極が形成される。
さらに、劈開後、図1(a)に示すように、素子50の両端面50A,50Bに、無反射コーティングが施されて、無反射コート膜7,8が形成される。
このようにして作製された素子50では、図1(a)に示すように、信号光入力ポートから入力導波路13に信号光が入力され、出力導波路14を介して信号光出力ポートから出力されることになる。
したがって、本実施形態にかかる光増幅装置によれば、偏波無依存な信号光増幅特性を実現しながら、連続的で安定な利得制御を実現することができるという利点がある。
つまり、本光増幅装置によれば、対称マッハツェンダ干渉器1のアーム11,12に偏波無依存型のSOA2,3が設けられているため、偏波無依存な信号光増幅特性を実現することができ、また、所定値以上の偏波間利得差を持つDFBレーザ4を制御光用光源としているため、モードホッピングが生じるのを防止することができ、ひいては、モードホッピングに起因するキンクの発生を防止することができる。この結果、光増幅装置の他の特性を劣化させることなく、偏波無依存で、制御電流に対して光利得(SOAによる光利得)が滑らかに変化する連続的な利得制御が可能になり[図3参照]、高性能な光増幅装置を実現することができることになる。また、制御回路が複雑化するのを防止することもできる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる光増幅装置及びその製造方法について、図4〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光増幅装置は、上述の第1実施形態のものとDFBレーザの構造が異なる。つまり、上述の第1実施形態では、DFBレーザの活性層を歪MQW構造とし、アーム内のSOAの構造と異なる構造にしているのに対し、本実施形態では、図4に示すように、DFBレーザ4の活性層40を歪バルク構造(歪バルク活性層)とし、アーム11,12内のSOA2,3の構造と同じものとした上で、これらの厚さを変えている点が異なる。
なお、その他の構成は、上述の第1実施形態のものと同一である。また、図4中、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
本実施形態では、上述の第1実施形態のもの[図1(b)参照]と同様に、SOA2,3を、歪バルク構造の歪バルク活性層25(InGaAs層;例えば歪量−0.24%;例えば厚さ50nm)を持つものとして構成している。つまり、SOA2,3を、偏波無依存な特性を有する偏波無依存型の光増幅器としている。
ここで、偏波無依存型のSOA2,3とは、偏波間利得差ΔG(dB)が所定値(例えば2dB)よりも小さい(例えばΔG<2dB;数dB以内)ものをいう。
一方、DFBレーザ4は、歪バルク構造の歪バルク活性層40(InGaAs層;例えば厚さ150nm)を持つものとして構成している。
ここでは、DFBレーザ4の活性層40の厚さが、SOA2,3の活性層25の厚さよりも厚くなるようにしている。
ここで、偏波無依存型のSOA2,3の活性層25の厚さに対して、DFBレーザ4の活性層40の厚さを変えるには、例えば選択成長技術を用いれば良い。つまり、DFBレーザ4の活性層40を形成する際に、例えば図5に示すように、活性層40を形成する領域の周辺に、選択成長用マスク(例えばSiO2マスク)41を形成した上で、SOA2,3の活性層25とDFBレーザ4の活性層40とを同時成長させるようにすれば、SOA2,3の活性層25の厚さに対して、DFBレーザ4の活性層40の厚さを厚くすることができる。ここでは、SiO2マスク41は、活性層40の領域に約20μm幅の開口部41Aを有し、この開口部41Aの両側に約80μmの幅を持つものとしている。なお、図5中、点線はDFBレーザ4の活性層40を含む導波路を示している。
なお、ここでは、実用性を考慮して、DFBレーザ4の活性層40の厚さを厚くしているが、これに限られるものではなく、DFBレーザ4の活性層40の厚さを薄くしても良い。要するに、偏波無依存な光利得が得られる偏波無依存型のSOA2,3の活性層25の厚さに対して、DFBレーザ4の活性層40の厚さを変えれば良い。
このように、偏波無依存型のSOA2,3の活性層25の厚さに対して、DFBレーザ4の活性層40の厚さを変えると、偏波モード間で光閉じ込め係数に差が生じ(例えば膜厚が厚くなると、TMモードの光閉じ込め係数が大きくなり、光閉じ込めが強くなる)、これに起因して、両偏波モード間で利得差が生じることになる。
これを利用して、DFBレーザ4の活性層40の厚さを変えることにより、制御光用光源としてのDFBレーザ4が、所定の偏波間利得差を持つようにしている。ここでは、DFBレーザ4での偏波間モードホッピングを回避するために、DFBレーザ4の規格化された偏波間利得差ΔαLが所定値(例えばおよそ0.15)以上(ΔαL≧0.15)になるようにしている。なお、歪バルク活性層40の厚さを変えることによって、偏波間利得差を任意に設定することができる。
例えば、図6は、DFBレーザ4の長さ(共振器長)Lを300μmとした場合のTEモードの利得αTELと、TMモードの利得αTMLとの間の利得差ΔαL(=αTEL−αTML)(共振器長で規格化したもの)を示している。
図6中、点Aは、DFBレーザ4の活性層40の厚さを150nmとした場合の利得差ΔαLを示しており、点Bは、DFBレーザ4の活性層40の厚さを50nmとした場合の利得差ΔαLを示している。
図6中、点Bで示すように、DFBレーザ4の活性層40の厚さを50nmとした場合は、両偏波モード間の利得差ΔαLはほぼ0であったのに対し、図6中、点Aで示すように、DFBレーザ4の活性層40の厚さを150nmとした場合は、両偏波モード間の利得差ΔαLは約0.45程度になり、大きな偏波間利得差が得られることがわかる。
このように、本実施形態では、SOA2,3の活性層(利得媒質)とDFBレーザ4の活性層(利得媒質)とで、その構造及び材料は同じにするものの、その厚さを互いに異なるものとしている。なお、選択成長技術を用いた場合、活性層の厚さと歪量には所定の相関関係(例えば、In1-XGaXAsの選択成長では厚さが厚くなると、歪量は圧縮歪み方向に大きくなる)があるため、厚さを互いに異なるものとするというのを、歪量を互いに異なるものとすると規定することもできる。
このように、制御光用光源としてのDFBレーザ4を所定値(例えば0.15)以上の偏波間利得差を持つものとして構成すれば、利得制御動作時に、制御光用光源としてのDFBレーザ4によって安定した単一モード発振が得られる一方、キンクのない連続的な利得制御を実現できるようになる。
次に、本実施形態にかかる光増幅装置の製造方法について、図4を適宜参照しながら説明する。なお、図4は、DFBレーザ4の断面構造を示している。
まず、上述の第1実施形態と同様にして、回折格子を形成し、形成された回折格子をn−InPで埋め込む。
次に、DFBレーザ4の領域[図1(a)参照]の周辺に、例えば図5に示すように、活性層40の領域に約20μmの開口部41Aを有し、この開口部41Aの両側に約80μmの幅を持つ選択成長用マスク(例えばSiO2マスク)41を形成する。
そして、この状態で、下側SCH層24(InGaAsP層;光ガイド層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、歪バルク活性層25(InGaAs層;例えば歪量−0.24%;例えば厚さ50nm)、上側SCH層26(InGaAsP層;光ガイド層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、p−InPクラッド層27(例えば厚さ300nm)を、例えば有機金属気相成長法(MOVPE法)で成長させて、SOA2,3を構成する活性層を含む積層構造を形成する[図1(b)参照]。
本実施形態では、SOA2,3の積層構造と、DFBレーザ4の積層構造とは、活性層の厚さを除いて同一であるため、このSOA2,3の積層構造が形成されるのと同時に、選択成長技術を用いて、図4に示すように、DFBレーザ4の積層構造も形成される。
この場合、上述のように、DFBレーザ4の領域の周辺には選択成長用マスク41が形成されているため、DFBレーザ4を構成する各層の厚さが、SOA2,3を構成する各層の厚さよりも厚くなる。特に、DFBレーザ4の歪バルク活性層40(InGaAs層)の厚さは例えば150nm程度となり、50nm程度の厚さを持つSOA2,3の歪バルク活性層25よりも厚くなる。
このように、本実施形態では、SOA2,3の活性層を含む積層構造と、DFBレーザ4の活性層を含む積層構造とを選択成長技術を用いて同時成長させて形成するようにしている。つまり、SOA2,3の利得媒質とDFBレーザ4の利得媒質とを同時に形成するようにしている。
次に、選択成長用マスク41を除去した後、SOA2,3及びDFBレーザ4の領域[図1(a)参照]のみにSiO2マスク(誘電体マスク)を形成し、これらの領域を残して、n−InPキャップ層23に達するまで(即ち、表面側のp−InPクラッド層27から下側SCH層24まで)、例えばウエットエッチングにより除去する。
以後、上述の第1実施形態と同様の製造工程を経て、本実施形態にかかる光増幅装置が製造される。
したがって、本実施形態にかかる光増幅装置によれば、上述の第1実施形態のものと同様の作用、効果がある。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態にかかる光増幅装置及びその製造方法について、図7を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光増幅装置は、上述の第1実施形態のものが制御光用光源としてDFBレーザを設けているのに対し、制御光用光源としてレーザ発振を用いるDBR(Distributed Bragg Reflector;分布反射型)レーザを設けている点が異なる。
本実施形態では、制御用光源としてのDBRレーザ60は、アーム内のSOA2,3と同一の積層構造[図1(b)参照]を有するものとして構成される。このため、DBRレーザ60は、歪バルク構造の歪バルク活性層61(InGaAs層;例えば歪量−0.24%;例えば厚さ50nm)を有するものとして構成される。
このDBRレーザ60は、図7に示すように、制御光用導波路5Bの一部として構成され、制御光用導波路5Bの端面に設けられる端面ミラー61と回折格子62とを反射機構として有するものとして構成される。
ここで、端面ミラー61は、例えばエッチングによって、制御光用導波路5Bを含む領域であって、素子端面50Bから所定間隔をあけた位置に穴部61Aを形成することによって作製されるエッチドミラーとして構成すれば良い。
ここでは、上述の第1実施形態のものと同様に、素子50の両端面50A,50Bには無反射コーティングが施されるが、端面ミラー61の端面にはコーティングは施されていないものとする。
この場合、端面ミラー61の反射率は、TMモードよりもTEモードの方が大きくなっている(TEモード>TMモード)。つまり、端面ミラー61で制御光が反射する際に受ける光損失は、TEモードよりもTMモードの方が大きくなっている(TEモード<TMモード)。このような端面ミラー61の偏波間損失差を利用して、DBRレーザ60を、所定の偏波間損失差を持つものとして構成している。
このように、制御光用光源としてのDBRレーザ60を所定の偏波間損失差を持つものとして構成すれば、利得制御動作時に、制御光用光源としてのDBRレーザ60によって安定したTEモードの単一モード発振が得られる一方、キンクのない連続的な利得制御を実現できるようになる。
なお、その他の構成は、上述の第1実施形態のものと同一である。また、図7中、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
次に、本実施形態にかかる光増幅装置の製造方法について、図7を適宜参照しながら説明する。
まず、上述の第1実施形態と同様に、n−InP基板20上に、n−InPクラッド層21、回折格子層22、n−InPキャップ層23を形成する。
次に、全面にSiO2膜を形成し、その上にレジストを塗布した後、電子ビーム(EB)露光によってDBRレーザ60の領域の内側領域(対称マッハツェンダ干渉器1側の領域;回折格子領域)[図7参照]のみに回折格子パターン(例えば周期236nm)を描画してパターニングし、SiO2マスクを形成する。次いで、例えばRIE法等のドライエッチングによって、例えば深さ60nmの回折格子62を形成する。そして、SiO2マスクを除去した後、形成された回折格子62はn−InPで埋め込まれ、この部分はn−InPキャップ層23の一部となる。これにより、InGaAsP回折格子層22のDBRレーザ60の領域の内側領域[図7参照]のみに回折格子62が形成されることになる。
次に、上述の第1実施形態[図1(b)参照]と同様に、下側SCH層24(InGaAsP層;光ガイド層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、歪バルク活性層25(InGaAs層;例えば歪量−0.24%;例えば厚さ50nm)、上側SCH層26(InGaAsP層;光ガイド層;例えば発光波長1.2μm;例えば厚さ100nm)、p−InPクラッド層27(例えば厚さ300nm)を、例えば有機金属気相成長法(MOVPE法)で成長させて、SOA2,3を構成する活性層を含む積層構造、及び、DBRレーザ60を構成する活性層を含む積層構造を形成する。
このように、本実施形態では、SOA2,3の活性層を含む積層構造と、DBRレーザ60の活性層を含む積層構造とを同時成長させて形成するようにしている。つまり、SOA2,3の利得媒質とDBRレーザ60の利得媒質とを同時に形成するようにしている。
次いで、上述の第1実施形態と同様に、SOA2,3及びDBRレーザ60の領域[図7参照]のみにSiO2マスク(誘電体マスク)を形成し、これらの領域を残して、n−InPキャップ層23に達するまで(即ち、表面側のp−InPクラッド層27から下側SCH層24まで)、例えばウエットエッチングにより除去する。
次いで、上述の第1実施形態[図1(d)参照]と同様に、導波路層29(InGaAsP層;例えば発光波長1.3μm;例えば厚さ200nm)、p−InPクラッド層27(例えば厚さ350nm)を、例えばMOVPE法などでバットジョイント成長させて、SOA2,3及びDBRレーザ60の領域に連なる領域に、対称マッハツェンダ干渉器1の2つのアーム11,12、制御光用導波路5(5A,5B)、入力導波路13及び出力導波路14の光導波路を構成する積層構造を形成する。
以後、上述の第1実施形態と同様の製造工程を経て、SOA2,3及びDBRレーザ60の領域のInGaAsPコンタクト層33の表面と、n−InP基板1の裏面とに電極が形成される。
その後、本実施形態では、DBRレーザ60の領域の外側領域(素子端面50B側の領域;端面ミラー領域)、即ち、素子端面50Bから所定間隔をあけた位置であって、制御光用導波路5Bの上方領域に開口部を有するSiO2マスク(絶縁体マスク)を形成する。次いで、図7に示すように、例えばICP−RIE法等のドライエッチングによって、例えば深さ5μmの穴部61Aを形成する。このようにして形成された穴部61Aの壁面が制御光用導波路5Bの端面となり、エッチドミラーとしての端面ミラー61が形成される。
そして、劈開後、図1(a)に示すように、素子50の両端面50A,50Bに、無反射コーティングが施されて、無反射コート膜7,8が形成され、本実施形態にかかる光増幅装置が製造される。
したがって、本実施形態にかかる光増幅装置によれば、上述の第1実施形態のものと同様の作用、効果がある。
なお、上述の各実施形態にかかる光増幅装置の製造方法は、一例を示したものにすぎず、他の成長方法、プロセスを用いて製造しても良い。例えば選択成長技術を用いても良い。また、光増幅装置の層構造も、一例を示したものにすぎず、他の層構造であっても良い。例えば、上述の各実施形態では、光増幅装置をInGaAsP/InP系材料によって構成しているが、InAlGaAs/InP系材料などの他の材料を用いても良い。また、例えばp型基板や半絶縁性基板上に、他の構成の積層構造を形成しても良い。
また、上述の各実施形態では、SOA2,3、DFBレーザ4、及び、光導波路の導波路構造における電流狭窄構造を、埋込ヘテロ構造(BH構造)としているが、これに限られるものではなく、例えばハイメサ構造、リッジ構造、半絶縁性埋込ヘテロ構造(SI−BH構造,SI−PBH構造)等の電流狭窄構造にしても良い。
また、上述の各実施形態では、増幅器の雑音増加を抑制するために、アーム内SOA2,3に対し、信号光と制御光とを互いに逆方向へ向けて伝搬させるようにしているが、これに限られるものではなく、例えば信号光と制御光とを同方向へ向けて伝搬させるようにしても良い。この場合、制御光用光源を制御光用導波路5の入力側部分5Aに設けるようにすれば良い。
また、上述の各実施形態では、マッハツェンダ干渉器として、同一のアーム長を持ち、同一のSOA長を持つ対称構造のマッハツェンダ干渉器を用いているが、これに限られるものではない。例えば、異なるアーム長を持つ一対のアームを備える非対称構造のマッハツェンダ干渉器を用いても良い。また、例えば、SOA2,3の長さが異なる(異なるSOA長を持つ)非対称構造のマッハツェンダ干渉器を用いても良い。この場合、アームの片側又は両側に位相調整器を配置するのが好ましい。なお、位相調整器は導波路の一部に電流を注入できるように電極を形成することで集積することができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態やその他の欄に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
(付記1)
入力側カプラと、出力側カプラと、前記入力側カプラと前記出力側カプラとを接続する一対のアームとから構成されるマッハツェンダ干渉器と、
前記一対のアームにそれぞれ設けられ、信号光を増幅する第1及び第2光増幅器と、
制御光を出力する制御光用光源とを備え、
前記第1及び第2光増幅器が、偏波無依存な特性を有するものとして構成され、
前記制御光用光源が、所定の偏波間利得差又は偏波間損失差を持つものとして構成されることを特徴とする、光増幅装置。
(付記2)
前記第1及び第2光増幅器の利得媒質と前記制御光用光源の利得媒質とが、構造又は材料が異なるものとして構成されることを特徴とする、付記1記載の光増幅装置。
(付記3)
前記第1及び第2光増幅器が、歪バルク構造の活性層を有するものとして構成され、
前記制御光用光源が、歪多重量子井戸構造の活性層を有するものとして構成されることを特徴とする、付記2記載の光増幅装置。
(付記4)
前記第1及び第2光増幅器の利得媒質と前記制御光用光源の利得媒質とが、厚さ又は歪量が異なるものとして構成されることを特徴とする、付記1記載の光増幅装置。
(付記5)
前記第1及び第2光増幅器と前記制御光用光源とが、いずれも歪バルク構造の活性層を有するものとして構成されることを特徴とする、付記4記載の光増幅装置。
(付記6)
前記制御光用光源が、レーザ発振を用いるレーザであることを特徴とする、付記1記載の光増幅装置。
(付記7)
前記制御光用光源が、所定の偏波間利得差を有する分布帰還型レーザであることを特徴とする、付記6記載の光増幅装置。
(付記8)
前記制御光用光源が、所定の偏波間損失差を持つ端面ミラーを有する分布反射型レーザであることを特徴とする、付記6記載の光増幅装置。
(付記9)
前記制御光用導波路が、前記出力側カプラに接続される導波路部分を有し、
前記制御光用光源が、前記導波路部分に設けられていることを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の光増幅装置。
(付記10)
前記マッハツェンダ干渉器、前記制御光用導波路、前記第1及び第2光増幅器、前記制御光用光源が、いずれも同一半導体基板上に設けられていることを特徴とする、付記1〜9のいずれか1項に記載の光増幅装置。
(付記11)
入力側カプラと、出力側カプラと、前記入力側カプラと前記出力側カプラとを接続する一対のアームとから構成されるマッハツェンダ干渉器と、
前記一対のアームにそれぞれ設けられ、信号光を増幅する第1及び第2光増幅器と、
制御光を出力する制御光用光源とを備え、
前記第1及び第2光増幅器が、偏波間利得差ΔGが2dBよりも小さくなるように構成され、
前記制御光用光源が、規格化された偏波間利得差ΔαLが0.15以上になるように構成されることを特徴とする、光増幅装置。
(a)〜(d)は、本発明の第1実施形態にかかる光増幅装置の構成を示す模式図であり、(a)はその平面図であり、(b)はSOAの構成を示す断面図であり、(c)はDFBレーザの構成を示す断面図であり、(d)は光導波路の構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光増幅装置におけるDFBレーザにおける偏波間利得差を説明するための図である。 本発明の第1実施形態にかかる光増幅装置の効果を説明するための図であって、制御電流に対する光利得の変化を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる光増幅装置に含まれるDFBレーザの構成を示す模式的断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる光増幅装置に含まれるDFBレーザの活性層の形成方法を説明するための模式的平面図である。 本発明の第2実施形態にかかる光増幅装置におけるDFBレーザにおける偏波間利得差を説明するための図である。 本発明の第3実施形態にかかる光増幅装置の構成を示す模式的平面図である。 従来の光増幅装置の構成を説明するための図である。 従来の光増幅装置の構成を説明するための図である。 従来の光増幅装置の課題を説明するための図であって、制御電流に対する光利得の変化を示す図である。
符号の説明
1 対称マッハツェンダ干渉器
2,3 半導体光増幅器(SOA;第1及び第2光増幅器)
4 DFBレーザ(制御光用光源)
5 制御光用導波路
6 半導体基板
7,8 無反射コート膜
9 入力側3dBカプラ(入力側カプラ)
10 出力側3dBカプラ(出力側カプラ)
11,12 アーム
13 入力導波路
14 出力導波路
20 n型InP基板(n−InP基板)
21 n−InPクラッド層
22 InGaAsP回折格子層
23 n−InPキャップ層
24 下側SCH層(InGaAsP層;光ガイド層)
25,40 歪バルク活性層(InGaAs層)
26 上側SCH層24(InGaAsP層;光ガイド層)
27 p−InPクラッド層
28 MQW活性層
29 導波路層(InGaAsP層)
30 p−InP電流ブロック層(第1電流ブロック層)
31 n−InP電流ブロック層(第2電流ブロック層)
32 p−InPクラッド層
33 InGaAsPコンタクト層
41 SiO2マスク
41A 開口部
50 素子
50A,50B 端面(信号光入力側及び信号光出力側の端面)
60 DBRレーザ(制御光用光源)
61 端面ミラー
61A 穴部
62 回折格子

Claims (10)

  1. 入力側カプラと、出力側カプラと、前記入力側カプラと前記出力側カプラとを接続する一対のアームとから構成されるマッハツェンダ干渉器と、
    前記一対のアームにそれぞれ設けられ、信号光を増幅する第1及び第2光増幅器と、
    制御光を出力する制御光用光源とを備え、
    前記第1及び第2光増幅器が、偏波無依存な特性を有するものとして構成され、
    前記制御光用光源が、規格化された偏波間利得差ΔαLが0.15以上になるように構成されることを特徴とする、光増幅装置。
  2. 入力側カプラと、出力側カプラと、前記入力側カプラと前記出力側カプラとを接続する一対のアームとから構成されるマッハツェンダ干渉器と、
    前記一対のアームにそれぞれ設けられ、信号光を増幅する第1及び第2光増幅器と、
    制御光を出力する制御光用光源とを備え、
    前記第1及び第2光増幅器が、偏波無依存な特性を有するものとして構成され、
    前記制御光用光源が、所定の偏波間損失差を持つ端面ミラーを有する分布反射型レーザであることを特徴とする、光増幅装置。
  3. 前記第1及び第2光増幅器の利得媒質と前記制御光用光源の利得媒質とが、構造又は材料が異なるものとして構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光増幅装置。
  4. 前記第1及び第2光増幅器が、歪バルク構造の活性層を有するものとして構成され、
    前記制御光用光源が、歪多重量子井戸構造の活性層を有するものとして構成されることを特徴とする、請求項記載の光増幅装置。
  5. 前記第1及び第2光増幅器の利得媒質と前記制御光用光源の利得媒質とが、厚さ又は歪量が異なるものとして構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光増幅装置。
  6. 前記第1及び第2光増幅器と前記制御光用光源とが、いずれも歪バルク構造の活性層を有するものとして構成されることを特徴とする、請求項記載の光増幅装置。
  7. 前記制御光用光源が、所定の偏波間利得差を有する分布帰還型レーザであることを特徴とする、請求項1記載の光増幅装置
  8. 前記制御光用導波路が、前記出力側カプラに接続される導波路部分を有し、
    前記制御光用光源が、前記導波路部分に設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光増幅装置。
  9. 前記マッハツェンダ干渉器、前記制御光用導波路、前記第1及び第2光増幅器、前記制御光用光源が、いずれも同一半導体基板上に設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光増幅装置。
  10. 記第1及び第2光増幅器が、偏波間利得差ΔGが2dBよりも小さくなるように構成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光増幅装置。
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