JP4456896B2 - 地殻コアサンプリング装置およびこれを用いた地殻コア試料の採取方法 - Google Patents

地殻コアサンプリング装置およびこれを用いた地殻コア試料の採取方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば地殻コアにおける地殻内微生物などの生物学的研究、または化学的、物理的、若しくは地質学的研究など種々の研究に供される地殻コア試料を採取するための地殻コアサンプリング装置およびこの地殻コアサンプリング装置を利用した地殻コア試料の採取方法に関する。
近年、地殻内部の研究が進展し、地殻内部における深深度の高温高圧環境下における地下微生物の存在が報告されている。これら地下微生物によって構成される地下微生物圏における地殻内微生物の研究によれば、例えば深部地質環境における物質変換や物質移動による影響の解明、更には原始地球における生命の起源およびその進化の解明、または医薬品や新素材の開発などの重要な知見を入手することができる可能性がある。更に、このような深々度の地殻内部における化学的研究、物理的研究、若しくは地質学的研究などが、種々の観点から進められている。
上記のような種々の研究に供される地殻コア試料は、例えば掘削船を用いて海底地殻の掘削を行うことにより、マントルにより近い深度における地殻から、比較的容易に採取することができる。
掘削船を用いて掘削を行う方法の一例としては、例えばライザー掘削法が一般に知られており、この方法においては、掘削船より海底に伸びるドリルパイプを回転させてその先端に設けられたドリルビットにより地殻の掘削を行うと共に、掘削屑の除去、掘削孔壁の保護および安定化、並びにドリルビットの冷却および潤滑のために、掘削される地殻の状況に応じて比重、粘度、化学組成などを調整した、いわゆる掘削泥水、海水などの掘削作業用流体(以下「作業用流体」ともいう。)をドリルビットに供給することが行われる。ライザー掘削法において、この作業用流体は、循環流路を介して供給されるために「循環流体」とも称される。
このような方法により採取される地殻コア試料は、その採取作業中に外部からの影響を受けることにより、例えば掘削屑を含む作業用流体が接触されることにより、当該試料が地殻に存在していたままの状態が失われたものとなるおそれが大きく、その場合には、当該採取された地殻コア試料は、目的とする研究に対して重要な情報が失われたものとなる可能性がある。
このような問題に対処するため、地殻コア試料を採取する際に、当該地殻コア試料の外表面をゲルなどよりなる流動性被覆材によって被覆し、これにより、地殻コア試料を、その機械的構造あるいは組織が外部から保護された状態で採取する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、抗菌性物質を流動性被覆材として用いることにより、地殻コア試料を、例えば外来の異質微生物による汚染から保護された状態で採取する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
米国特許第5482123号明細書 特開2002−228558号公報
図1は、掘削船を用いて海底地殻をライザー掘削法により掘削する場合を示す説明図である。
この掘削法においては、海面13上の掘削船10に備えられたライザー掘削システムにより掘削作業が行われる。このライザー掘削システムにおいては、掘削船10と海底面15との間を連結する、当該掘削船10から海中に下方に伸びるライザーパイプ20が設けられ、このライザーパイプ20内にはドリルパイプ21が配設される。このドリルパイプ21は、その上端が、掘削船10上の回転駆動機構であるパワースイベル11に接続されると共に、噴出防止装置14を介してその下方部分が地殻16内に進入される構成とされており、下端にはドリルビット30が設けられている。
掘削船10には、通常、船底に設けられた複数の推進装置(スラスター)12a、12b、12c、および、例えば人工衛星を利用した示差式衛星航法システム(DGPS)などを相互に関連させて構成された自動船位保持装置が備えられており、この自動船位保持装置により、外洋においても風や潮流などの影響を受けずに、海底面15における目的とする掘削孔の直上の位置を中心とした小半径の領域内に船***置が保持される。
ドリルビット30は、アウターバーレル23(図11参照)の下端において、その周方向に並ぶよう、各々下方に突出する半球状の複数のカッター部が形成されており、カッター部の各々には複数のカッターエレメント31(図11参照)が固定された構成とされている。
そして、パワースイベル11により、ドリルパイプ21を介してドリルビット30が回転されることにより、地殻16が海底面15から掘削され、それに伴ってドリルパイプ21の下端は地殻16内に下降して行く。このとき、ドリルビット30には、ライザーパイプ20内におけるドリルパイプ21を介して、泥水や海水などからなる作業用流体が供給される。また、噴出防止装置14の下部に設けられた、長さの異なる複数のケーシングパイプ17が掘削深度に応じて挿入され、これにより、掘削孔における壁面の崩落が防止される。
噴出防止装置14には、多数の圧力放出用安全弁が設けられており、これらの安全弁により掘削孔内の圧力が制御され、これにより、高圧の炭化水素ガスや地殻内間隙水などの急激な噴出が制御され、安全な掘削工程が確実に継続される。
図2は、ライザーパイプを構成する構成ユニットの詳細を、ドリルパイプが通った状態のメインパイプにおける筒軸に沿った断面と共に示す、説明用一部断面図である。
この図に示すように、ライザーパイプ20は、メインパイプ22と、メインパイプ22と独立して設けられたキル・チョークライン27とにより構成されており、このメインパイプ22と、その内部に配設されたドリルパイプ21とにより二重管構造が構成されており、ドリルパイプ21の内部空間により、作業用流体が供給される作業用流体流通路24が形成されると共に、例えば、地殻コアサンプリング装置を構成する機構などの種々のデバイスが掘削孔まで案内される。一方、メインパイプ22の内周壁面とドリルパイプ21の外周面との間に形成される環状流通路25により、作業用流体が掘削船10に返送される循環流路が形成される。
すなわち、作業用流体はドリルビット30に供給され、その下端に設けられた作業用流体吐出口から掘削孔内に放出され、その後、環状流通路25を介して循環される。この作業用流体は、例えば地殻における地質などに応じて、比重、粘度、化学組成などを適宜調整した流体であって、例えば掘削現場において入手される泥水に種々の改質剤を混入したものなどが用いられる。
なお、実際上、メインパイプ22およびドリルパイプ21は、そのエレメントの多数が順次に連結されることによって、必要な長さおよびその増加が達成される。図2において、28はラインホルダーである。
以上のライザー掘削法は下記のような長所を有しており、これにより、安定した掘削作業を行うことが可能である。
(1)掘削屑の除去
ドリルビット30から放出された作業用流体により、掘削孔の底に溜まった掘削屑が環状流通路25を介して掘削船10に運搬される。
(2)掘削孔壁面の保護および安定化
ドリルビット30より放出された作業用流体における粘性成分が掘削孔の壁面に付着して薄膜状の保護膜18(図5参照)が形成され、これにより、掘削孔内における壁面の崩落が防止される。
また、作業用流体の組成における比重を調整することにより、深深度における地層圧に対する圧力の均衡化を図ることができ、かつ、地層内流体の掘削孔内への進入を防止する作用が得られる。
(3)ドリルビットの冷却および潤滑
ドリルビット30は、作業用流体がその表面に接触することにより冷却され、次第に上昇する地殻熱によって過度に昇温することが抑制されると共に、このドリルビット30と地殻とにおける潤滑作用が得られるため、ドリルビット30における摩擦の程度が低減し、ドリルビット30の磨耗が軽減される。
(4)掘削船10上に送られた作業用流体に含有される掘削屑の構成物質などを逐次分析し監視することによって、現に掘削を行っている地殻の地質状況を、常に確認し、把握することが容易である。
以上のことから理解されるように、この方法では、地殻16の掘削を行うドリルパイプ21およびドリルビット30は、その先端部から作業用流体を供給放出することができるものであることが必要であり、その回転軸に沿った中心部分に開口を有するいわゆるコアリングドリルビットが好ましく用いられる。
次に、特許文献1において開示されている、従来の地殻コアサンプリング装置を用いたライザー掘削法により、地殻コア試料を採取する場合について、具体的に説明する。
図11および図12は、掘削作業におけるドリルパイプおよびドリルビットの状態を断面で示す説明用断面図であって、図11は掘削を開始した直後の状態を、図12は掘削が進行した状態を、それぞれ示す。
この例における地殻コアサンプリング装置は、ドリルパイプ21を構成する、その先端にドリルビット30が設けられたアウターバーレル23内に、スラストベアリング(図示せず)が介在する態様でパイプ状のインナーバーレル60が配設されている。
このインナーバーレル60の下端には、リング状の封止部材61を介してその開口が塞がれるよう、ディスク状の流動性被覆材吐出口部材62が、液密性を保った状態で、かつ当該インナーバーレル60内を相対的に上下方向に移動可能に配設されている。
この流動性被覆材吐出口部材62には、インナーバーレル60の内部と外部とを連通する上下方向に貫通して伸びる流動性被覆材吐出孔68が形成されており、また、この流動性被覆材吐出孔68を開閉する開閉弁65が設けられている。すなわち、開閉弁65は、流動性被覆材吐出口部材62の内面(上面)側において上下動自在に配置された弁体部材64と、流動性被覆材吐出口部材62を上下方向に摺動自在に貫通して伸びる連結ロッド63と、この連結ロッド63の下端に設けられた、流動性被覆材吐出口部材62の外面(下面)側に位置する作用ディスク66とにより構成されており、連結ロッド63は、当該流動性被覆材吐出口部材62の上下方向の厚さよりも大きい長さを有するものとされている。そして、インナーバーレル60の内部には、流動性被覆材67が充填されている。
以上の構成を有する地殻コアサンプリング装置を利用したライザー掘削法においては、図11に示すように、地殻16の掘削が開始されると、筒軸を中心に回転状態とされているアウターバーレル23および、スラストベアリングにより当該回転方向における静止状態が維持されたインナーバーレル60が海底面15から下方に下降することにより、連結ロッド63における下端の作用ディスク66が海底面15により相対的に上方に押し上げられ、これにより、連結ロッド63を介して弁体部材64が流動性被覆材吐出口部材62の内面(上面)より離間して流動性被覆材吐出孔68が開放される結果、インナーバーレル60の内部が外部と連通した状態となり、インナーバーレル60内の流動性被覆材67は流動性被覆材吐出孔68を介して外部に吐出される。
そして、図12に示すように、掘削が進行してアウターバーレル23およびインナーバーレル60が下方に移動するに従い、周囲が削られて形成された柱状地殻コア部分Pが、ドリルビット30の中央の開口部よりインナーバーレル60の内部に、当該柱状地殻コア部分Pの外周面とインナーバーレル60の内周壁面との間に狭い環状間隙Gを形成しながら進入すると共に、流動性被覆材吐出口部材62は、その流動性被覆材吐出孔68が内部と連通した状態が維持されたまま、次第に形成されて行く前記柱状地殻コア部分Pと共に、インナーバーレル60内を、相対的に上方に移動する。
その結果、当該流動性被覆材吐出孔68を介して流動性被覆材67が環状間隙Gに吐出されて行き、次第に形成されて行く柱状地殻コア部分Pの外周面に付着して行くこととなる。
そして、インナーバーレル60内に進入した柱状地殻コア部分Pが下端において折り取られることによって分取され、これが地殻コア試料として、インナーバーレル60と共に、ワイヤなどにより、ドリルパイプ21内を介して掘削船10上に回収されることとなる。
しかしながら、以上のような地殻コアサンプリング装置を利用して、地殻コア試料の採取を実行した場合には、以下のような問題がある。
すなわち、インナーバーレル60内において、柱状地殻コア部分Pは、その外周面が環状間隙Gにおける流動性被覆材67に接触しながら通過することとなるが、これにより、当該流動性被覆材67に柱状地殻コア部分Pの外周面に付着している作業用流体などの不純物が混入される。
特に、環状間隙Gの下端に近接した位置に存在する流動性被覆材67ほど、柱状地殻コア部分Pの外周面に、長い距離に亘って接触することとなるため、当該流動性被覆材67は、種々の不純物の混入などの程度が大きいものであり、その結果、所期の目的を十分に達成することができない。
更に、流動性被覆材67が、比較的粘度の高いものである場合、または、形成された柱状地殻コア部分Pの物質が軟質のものである場合などには、或る特定の深度の地殻に由来する地殻物質が、前記環状間隙Gにおいて、流動性被覆材67を介して当該柱状地殻コア部分Pと相対的に軸方向に移動するために、移動後の位置の物質に対して不純物となり、所期の研究に不適のものとなってしまう、という問題がある。
また、以上の地殻コアサンプリング装置の構成においては、柱状地殻コア部分Pの上面を流動性被覆材67によって被覆することが実質上不可能であり、従って、地殻コア試料を流動性被覆材により完全に被覆して採取することができない、という問題がある。
本発明は、以上のような事情に基いてなされたものであって、その目的は、地殻コア試料を、汚染のない流動性被覆材により被覆した状態で採取することができる地殻コアサンプリング装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、この地殻コアサンプリング装置を用いた地殻コア試料の採取方法を提供することにある。
本発明の地殻コアサンプリング装置は、地殻を掘削して地殻コア試料を採取する地殻コアサンプリング装置であって、
円環状の掘削溝が形成されるよう地殻を掘削する掘削機構と、下端に柱状地殻コア部分進入用開口を有し、その内部に地殻コア試料とされる柱状地殻コア部分を収容する筒状のバーレルとを備えてなり、
当該バーレルは、その下端に近接した位置において当該バーレルの半径方向内方に向かって流動性被覆材を吐出する流動性被覆材吐出機構を備えてなり、
掘削により形成される柱状地殻コア部分が、当該バーレル内を相対的に上昇しながらその内部に位置されて行く過程において、前記流動性被覆材吐出機構から吐出された流動性被覆材により被覆されることを特徴とする。
本発明の地殻コアサンプリング装置は、掘削作業用流体を用いて地殻を掘削して地殻コア試料を採取する地殻コアサンプリング装置であって、
掘削作業用流体吐出口が設けられたドリルビットを下端に備えてなる筒状のドリルパイプと、このドリルパイプ内に配設されたインナーバーレルとより構成されてなり、
インナーバーレルは、下端に柱状地殻コア部分進入用開口を有し、掘削により形成された地殻コア試料とされる柱状地殻コア部分が内部空間に収容される筒状のインナーバーレル本体と、このインナーバーレル本体の内部空間をその軸方向に移動可能に配設されたコアエレベータと、インナーバーレル本体の外周面との間に流動性被覆材流通路を形成する流通路形成部材およびインナーバーレル本体の下端に近接した位置において当該インナーバーレル本体の半径方向内方に向かって流動性被覆材流通路からの流動性被覆材を吐出する流動性被覆材吐出口を有する流動性被覆材吐出機構とを備えてなり、
当該インナーバーレルは、その柱状地殻コア部分進入用開口がドリルパイプの掘削作業用流体吐出口より上方に位置されるよう配設されており、
掘削により形成される柱状地殻コア部分が、当該インナーバーレル本体の内部空間を相対的に上昇しながらその内部に位置されて行く過程において、前記流動性被覆材吐出口から吐出された流動性被覆材により被覆されることを特徴とする。
ここで、インナーバーレル本体内において、上昇するコアエレベータの上方に区画される空間により流動性被覆材を収容するための流動性被覆材収容空間が形成されると共に、当該コアエレベータの下方に区画される空間により地殻コア試料を収容するための地殻コア試料収容空間が形成され、
前記流動性被覆材流通路により、流動性被覆材収容空間と地殻コア試料収容空間との間が連通されていることが好ましい。
上記の地殻コアサンプリング装置においては、流通路形成部材は、インナーバーレル本体の外周面との間に筒状の流動性被覆材流通路を形成する筒状体であることが好ましい。
また、コアエレベータが中央貫通孔を有するコアエレベータ本体よりなり、
このコアエレベータ本体の中央貫通孔内には、上下方向に移動して当該中央貫通孔内の空間と前記流動性被覆材吐出口との間の連通状態を制御する開閉弁体が配設されており、 コアエレベータ本体がインナーバーレル本体内において上昇移動を開始する際に、前記コアエレベータ本体の中央貫通孔内の空間と、前記流動性被覆材吐出口との間に、一時的な連通状態が達成されることが好ましい。
ここで、開閉弁体が、円柱状の弁体部分と、中央貫通孔内を通ってコアエレベータ本体の下方に突出するよう伸びる、その下端に開口を有する管状のロッド部とを備えてなり、
コアエレベータ本体がインナーバーレル本体内において上昇移動を開始する際に、前記流動性被覆材吐出口とロッド部の下端の開口との間に、コアエレベータ本体の中央貫通孔内の空間を介して一時的な連通状態が達成されることが好ましい。
また、ロッド部の下端には、当該ロッド部の外径より大きな径を有する作用ディスクが配設されており、
作用ディスクの底面には、当該底面から下方に突出する当接部材が設けられていてもよい。
本発明の地殻コア試料の採取方法は、上記に記載の地殻コアサンプリング装置を用いることにより、地殻コア試料を、流動性被覆材により被覆した状態で採取することを特徴とする。
本発明の地殻コアサンプリング装置によれば、流動性被覆材吐出口が、インナーバーレルの下端に近接した位置に固定的に設けられていることにより、当該インナーバーレルの内方に向けて流動性被覆材が吐出されて、掘削により形成された柱状地殻コア部分の通過して行く表面に付着される。しかも、柱状地殻コア部分の表面に付着した流動性被覆材は、基本的に、当該柱状地殻コア部分の表面における付着箇所から移動しないため、当該柱状地殻コア部分の表面が流動性被覆材などにより汚染されることがない。その結果、汚染のない流動性被覆材により、外表面を被覆した状態で地殻コア試料を採取することが可能である。
本発明の地殻コアサンプリング装置においては、流動性被覆材に係る前記吐出口からの吐出速度を大きいものとすることにより、柱状地殻コア部分の外周面に付着した汚染物質を洗い流すことも可能である。
また、本発明の地殻コアサンプリング装置によれば、開閉弁体を構成するロッド部が筒状であると共に、その内部空間により形成される流動性被覆材導路を介して流動性被覆材が当該ロッド部の下端の開口に供給される構成とされていることにより、柱状地殻コア部分の上面に対しても流動性被覆材が供給されることとなり、従って、柱状地殻コア部分を、確実にその全面が流動性被覆材により被覆された状態とすることができる。
以下、本発明の地殻コアサンプリング装置について詳細に説明する。この本発明の地殻コアサンプリング装置は、例えば上述した態様で実施されるライザー掘削法において、特に好適に利用されるものである。
図3乃至図5は、掘削作業における、本発明の地殻コアサンプリング装置が配設されたアウターバーレルおよびドリルビットの状態を、筒軸に沿った断面で示す説明用断面図であって、図3は地殻の掘削が開始される直前の状態を、図4は地殻の掘削が開始された直後の状態を、図5は地殻の掘削がある程度進んだ状態を、それぞれ示す。図6は、地殻コアサンプリング装置の構成を断面で拡大して示す説明用拡大図、また、図7乃至図9は、図3乃至図5の各々における動作状態の地殻コアサンプリング装置を拡大して示す説明用拡大断面図である。
本発明の地殻コアサンプリング装置は、ドリルパイプ21(図1および図2参照)を構成する、ドリルビット30を下端に備えてなる筒状のアウターバーレル23と、このアウターバーレル23内に備えられた、インナーバーレル40とよりなる。ここで、ドリルビット30には、その下端に作業用流体吐出口301が設けられている。
インナーバーレル40は、その上端開口が閉塞部材402により閉塞され、その下端に柱状地殻コア部分進入用開口404(図6参照)を有する円筒状のインナーバーレル本体401と、このインナーバーレル本体401の内部空間をその軸方向に移動可能に配設されたコアエレベータ41と、インナーバーレル本体401と一体的に設けられて、当該インナーバーレル本体401の外周面との間に筒状の流動性被覆材流通路53を形成する円筒状の流通路形成部材42と、インナーバーレル本体401の柱状地殻コア部分進入用開口404に近接した位置において当該インナーバーレル本体401の半径方向内方に向かって流動性被覆材47を吐出する流動性被覆材吐出口532(図6参照)とを備えてなるものである。
そして、インナーバーレル40は、図3に示すように、当該インナーバーレル本体401における当該柱状地殻コア部分進入用開口404が、ドリルビット30における作業用流体吐出口301より上方に位置されるよう、配設されている。
このインナーバーレル40においては、前記流動性被覆材流通路53および流動性被覆材吐出口532により、流動性被覆材を吐出するための流動性被覆材吐出機構が構成されている。
図6および図7において、コアエレベータ41は、インナーバーレル本体401の内部空間において、当該インナーバーレル本体401の内周壁面から内方に突出して形成されたストッパー403に支持されることにより、それより下方への移動が規制された最下方位置に位置した状態で示されている。そして、当該コアエレベータ41は、このように最下方位置に位置されている状態では、後述するコアエレベータ本体43の外周面における2つのO−リング414、415に挟まれた領域が流動性被覆材吐出口532に面し、連通孔431と当該流動性被覆材吐出口532との間が連通した状態が達成されている。
ここで、インナーバーレル40は、その内径が、ドリルビット30のカッターエレメント31の回転によって描かれる軌跡の最内周面の径、すなわち、後述するように掘削により形成される柱状地殻コア部分371の外径より、僅かに大きい径を有する構成とされている。
流動性被覆材流通路53は、図6に示すように、その上端において当該インナーバーレル本体401の内部空間に開口するよう放射状に伸びる複数の導入口531に連通すると共に、下端において当該インナーバーレル本体401の内部空間に開口するよう放射状に伸びる複数の流動性被覆材吐出口532に連通する。
コアエレベータ41は、中央貫通孔を有する筒状のコアエレベータ本体43よりなり、その外周面は、上下方向に離間して配置された2つのO−リング414および415を介してインナーバーレル本体401の内周面に全周にわたって液密に摺動可能に接触した状態で配設されている。そして、このコアエレベータ本体43には、2つのO−リング414および415の間の領域において、その中央貫通孔内の空間および流動性被覆材吐出口532の間を連通する連通孔431が形成されていると共に、当該中央貫通孔内を上下方向に移動して当該中央貫通孔内の空間と連通孔431との間の連通状態を制御する開閉弁体44が配設されている。
具体的には、コアエレベータ本体43における中央貫通孔は、上方に開口する上空間部411と、この上空間部411より小さな内径を有し、下方に開口する下空間部413とが、下方に向かうに従って内径が小さくなるテーパー部412を介して上下に連続することにより形成されている。
連通孔431は、その一端が、上方のO−リング414と下方のO−リング415に挟まれた領域においてコアエレベータ本体43の外周面に開口すると共に、放射状に径方向内方に伸び、他端が、上空間部411の下部に開口して弁口を形成する構成とされている。
コアエレベータ本体43の下空間部413の内周面には、その下端位置において、後述するロッド部441のフランジ442が当接するよう、各々径方向内方に突出する複数の突起状当接部433が、互いに周方向に離間して設けられている。
開閉弁体44は、外径が上空間部411の内径に適合し、上下方向の厚みが当該上空間部411の高さより小さい円柱状弁体部分45と、この弁体部分45の下端に一体的に形成された、下方に向かうに従って外径が小さくなるテーパー状の連結部451と、この連結部451の下端から下方に伸びる、下空間部413の内径より小さな外径を有する円柱状のロッド部441と、このロッド部441の下端に一体的に形成された、弁体部分45の外径より大きく、インナーバーレル本体401の内径より小さな外径を有する作用ディスク46とを有してなる。そして、ロッド部441の下端部には、全周にわたって径方向外方に突出するフランジ442が設けられている。
また、この円柱状弁体部分45における外周面には、その下端において、上空間部411の内周面と液密に摺動するO−リング452が配設されている。
このコアエレベータ41においては、図9に示すように、開閉弁体44が上方に相対的に移動されると、連結部451がテーパー部412から上方に離間することにより、コアエレベータ本体43と開閉弁体44との間に、下方に開口する略筒状の連通路432が形成される。
以上の構成を有するインナーバーレル40においては、当該インナーバーレル本体401の内部空間によりコアエレベータ41の上方に流動性被覆材47を収容するための流動性被覆材収容空間50が区画されるが、コアエレベータ41が相対的に上昇すると、流動性被覆材収容空間50の容積が次第に減少すると共に、コアエレベータ41の下方に、掘削により形成された柱状地殻コア部分371が収容される地殻コア試料収容空間51(図9参照)が次第に形成されて行く。
以上のような地殻コアサンプリング装置は、具体的には、例えば標準ロータリーコアバーレル(RCB)、ピストン式コアバーレル(APC)、モーター駆動コアバーレル(MDCB)、圧力保持コアバーレル(PCS)などの一部として構成されて利用することができ、掘削の対象となる地殻の地質状態によって適宜使い分けられる。
以上のような構成を備えてなる本発明の地殻コアサンプリング装置は、以下のようにして動作される。
図3および図7に示すように、ドリルビット30が海底面15に到達していない掘削作業が開始される直前の状態では、コアエレベータ41は、ストッパー403により規制されて最下方位置に位置され、その開閉弁体44は、その連結部451がコアエレベータ本体43のテーパー部412に対接した位置、すなわち、自重および流動性被覆材収容空間50内に充填された流動性被覆材47の重量によってコアエレベータ本体43に対して最下方位置に位置されている。
この状態においては、流動性被覆材吐出口532と連通孔431との間が連通されているが、連通孔431の他端の弁口が弁体部分45により閉塞されており、これにより、コアエレベータ本体43の中央貫通孔内の空間は、流動性被覆材吐出口532から遮断されている。従って、この状態においては、流動性被覆材47は流出することがない。
次に、図4および図8に示すように、地殻16の掘削が開始されると、アウターバーレル23が回転して、円環状の掘削溝を形成するよう掘削しながら海底面15から下方に下降するが、コアエレベータ41における開閉弁体44は、作用ディスク46が海底面15に当接することにより、フランジ442が突起状当接部433に当接する位置まで相対的に上方に押し上げられる。
このとき、コアエレベータ41のコアエレベータ本体43は、インナーバーレル40に対して移動されず、開閉弁体44の連結部451がテーパー部412から上方に離間し、連通路432を介してコアエレベータ41の中央貫通孔内の空間が、流動性被覆材流通路53と連通される。
その結果、流動性被覆材収容空間50において、コアエレベータ41が上昇することが許容された状態が達成される。流動性被覆材収容空間50内の流動性被覆材47が、流動性被覆材流通路53、連通孔431、および連通路432を介して流出可能となるからである。
一方、図8に示すように、コアエレベータ41の中央貫通孔から流出した流動性被覆材47は、柱状地殻コア部分進入用開口404を介して、作用ディスク46の上面の周辺領域および形成途中の柱状コア試料部分371の表面に達することとなる。
ここで、コアエレベータ41における開閉弁体44の上下方向における可動距離は、図6に示すように開閉弁体44の連結部451がテーパー部412に対接して支持されて当該開閉弁体44が最下方位置とされている状態において、開閉弁体44のフランジ442とコアエレベータ本体43の突起状当接部433との間の離間距離であるが、この可動距離は、上空間部411の高さより短い距離とされている。
これにより、開閉弁体44がその最上方位置とされた状態、すなわち図8または図9に示すように、コアエレベータ本体43に対して相対的に上昇されてフランジ442が突起状当接部433に当接した状態において、開閉弁体44のO−リング452が連通孔431より上方であるが上空間部411から外れることがなく、コアエレベータ本体43と流動性被覆材収容空間50との間の液密状態が維持される。
仮に、開閉弁体44の可動距離が当該上空間部411の高さより大きい場合には、開閉弁体44がその最上位置とされたときに、連結部451が流動性被覆材収容空間50に露出して、コアエレベータ41における液密性が得られなくなる。
掘削工程が更に進行すると、図5および図9に示すように、アウターバーレル23およびインナーバーレル40が掘削と共に下降して行くが、コアエレベータ41は、最上方位置にある開閉弁体44が柱状コア試料部分371の表面によって相対的に押し上げられることにより、インナーバーレル本体401の内部空間を相対的に上昇する。そして、インナーバーレル本体401の内部空間において、当該上昇するコアエレベータ41の上方に、次第に下端が上昇する流動性被覆材収容空間50が形成されると共に、その下方に次第に上端が上昇する地殻コア試料収容空間51が形成されていくこととなる。そして、掘削により形成された柱状地殻コア部分371が、当該地殻コア試料収容空間51内に次第に進入して、収容されることとなる。
一方、コアエレベータ41が、インナーバーレル本体401と相対的に上昇して、コアエレベータ本体43の全体が、流動性被覆材吐出口532が形成された位置を通過して上方に位置されると、流動性被覆材収容空間50が、流動性被覆材流通路53および流動性被覆材吐出口532を介して地殻コア試料収容空間51に連通された状態とされる。
そして、当該コアエレベータ41が上昇することにより、流動性被覆材収容空間50に保持された流動性被覆材47に対して圧力が作用される結果、当該流動性被覆材47は、流動性被覆材流通路53を介して吐出口532から、相応の勢いをもって、地殻コア試料収容空間51の径方向内方に噴出して吐出される。
このとき、ドリルビット30のカッターエレメント31の回転によって形成される柱状地殻コア部分371の外周面は、地殻コア試料収容空間51の内周より僅かに内側に位置された状態とされていることから、柱状地殻コア部分371の外周面と地殻コア試料収容空間51の内周壁面との間に狭い環状間隙Gが形成される。すなわち、当該柱状地殻コア部分371は、当該環状間隙Gを介して地殻コア試料収容空間51内に収容された状態とされる。
而して、当該柱状地殻コア部分371は、地殻コア試料収容空間51内に次第に進入するに際して、その外周面は、流動性被覆材吐出口532を通過する際に、その全周において流動性被覆材47が勢いをもって吹きつけられることとなる。
すなわち、掘削が進行してアウターバーレル23およびインナーバーレル40が下方に移動するに従い、相対的に、周囲が削られて形成された柱状地殻コア部分371がドリルビット30の中央の開口部および柱状地殻コア部分進入用開口404より地殻コア試料収容空間51に進入するが、流動性被覆材吐出口532から径方向内方に吐出されている流動性被覆材47が当該柱状地殻コア部分371の外周面に吹きつけられて付着されることとなり、その結果、柱状地殻コア部分371の外周面の全部が流動性被覆材47により被覆されることとなる。
以上のように、流動性被覆材47により被覆された状態で地殻コア試料収容空間51内に進入した柱状地殻コア部分371は、その下端で折り取られることによって分取され、これが地殻コア試料として、インナーバーレル40と共に、ワイヤなどにより、ドリルパイプ21(図1および図2参照)内を介して、掘削船10(図1参照)上に回収されることとなる。
ここで、流動性被覆材47は流動性を有するものであるので、柱状地殻コア部分371が折り取られたときにその端面にも回り込むようになり、その結果、地殻コア試料35はその外表面が流動性被覆材47によって完全に被覆されるようになる。このようにして、図10に示すように、地殻コア37の外表面に流動性被覆材層36が形成された状態の地殻コア試料35が形成される。
本発明の地殻コアサンプリング装置において、流動性被覆材流通路53を介して供給される流動性被覆材の量は、掘削されるべき地殻における地質の種類または状態、採取された地殻コア試料に係る研究目的、流動性被覆材の物性、掘削速度など種々の要因に応じて適宜選択することができる。
流動性被覆材の供給量は、地殻コアサンプリング装置に係る構成上の種々の条件、例えば流動性被覆材流通路53における流動性被覆材の流通方向に垂直な断面の面積、流動性被覆材収容空間の内径、流動性被覆材流通路53に係る流動性被覆材の流通方向に垂直な断面積、導入口531または吐出口532の各々における合計開口面積など、並びに地殻コアサンプリング装置の操作上の種々の条件例えば、流動性被覆材の物性、掘削速度などを考慮することにより適宜選択される。
流動性被覆材の吐出量が適宜の範囲に設定されることにより、地殻コア試料を、その表面が確実に流動性被覆材により被覆された状態で、採取することができる。
また、流動性被覆材流通路から地殻コア試料収容空間に吐出される流動性被覆材の吐出速度は、掘削されるべき地殻における地質の種類または状態、採取された地殻コア試料に係る研究目的、作業用流体の物性、掘削速度など種々の要因に応じて適宜選択することができる。このような流動性被覆材の吐出速度は、当該流動性被覆材の供給量に応じて、吐出口532の合計開口面積、開口形状、当該吐出口532の数などを適宜設定することにより達成することが可能である。
流動性被覆材が適宜の速度で、流動性被覆材吐出口532から吐出されることにより、柱状地殻コア部分371の外周面に付着した汚染物質を高い効率をもって洗い流すことが可能である。
次に、本発明の地殻コアサンプリング装置の他の例を説明する。
図13は、本発明の地殻コアサンプリング装置の他の例の構成を、その一部を省略して筒軸に沿った断面で示す説明用断面図であって、地殻の掘削が開始される直前の状態を示す。
また、図14は、図13の例におけるインナーバーレルの構成を、筒軸に沿った断面で拡大して示す説明用断面図、図15は、作用ディスクの構成を、ロッド部の筒軸に沿った断面を拡大して示す説明用断面図、図16は、作用ディスクの底面を拡大して示す説明用平面図である。
図13に示す地殻コアサンプリング装置は、下記の点を除き、基本的に上述の地殻コアサンプリング装置と同様の構成を有してなるものである。
すなわち、この例の地殻コアサンプリング装置において、コアエレベータ41を構成するロッド部441は、円柱状の基端部441aと、筒状先端部441bと、延長用筒状ロッド部材443とにより構成されており、この筒状先端部441bおよび延長用筒状ロッド部材443の内部空間により、流動性被覆材47が流下するための流動性被覆材導路444が形成されている。
具体的には、コアエレベータ本体43の中央貫通孔内に位置された基端部441aの下端から、筒状先端部441bが更に下方に連続して伸びていると共に、この筒状先端部の441bの下端に延長用筒状ロッド部材443が連結されてロッド部441が構成されており、このロッド部441の下端には後述する作用ディスク46が設けられている。そして、この筒状先端部441bの上部領域には、その筒壁を径方向に貫通して、流動性被覆材導路444を下部空間413と連通する連絡路445が少なくとも一つ形成されている。
ロッド部441は、その内径および長さは特に制限されるものではないが、その内径は、例えば5〜10mm、特に8mmとされ、また、その全長は、例えば開閉弁体44が最下方位置にある状態において、当該開閉弁体44が柱状地殻コア部分進入用開口404から突出する突出長さdが例えば60〜100mmとなる長さであればよく、適宜の長さを有する延長用筒状ロッド部材443を選択して用いることにより長さが変更可能な構成とされている。
図15に示す作用ディスク46は、ロッド部441の外径より大きく、掘削により形成される柱状地殻コア部分の外径より小さい径を有する略平板状であり、その上面462の中央部において上方に立ち上がる円筒状連結部461を有してなり、この円筒状連結部461において延長用筒状ロッド部材443の下端部に連結されて固定されている。
作用ディスク46の底面463においては、その中央部に開口する貫通孔467が流動性被覆材導路444に連通されると共に、その周縁部に沿って伸びるよう下方に突出するリング状の当接部材464が形成されている。また、当該貫通孔467の開口を円周方向に囲むように並んで、作用ディスク46の厚み方向に貫通するよう伸びる開孔465の複数(図16の例においては6個)が形成されている。すなわち、流動性被覆材導路444は、その下端において、貫通孔467を介して、地殻部分CPの上面に開口することとされている。ここで、開孔465としては、その大きさ、形状は特に制限されるものではなく、例えば直径8mmの円柱状とすることができる。
当接部材464は、底面463から下方に突出して地殻部分CPに当接するよう形成されているものであれば、その形状および高さは特に制限されるものではない。具体的には、当接部材464はリング状を呈するものでなく、例えば複数の突起状のものなどにより構成されていてもよい。そして、当接部材464の高さは、地殻部分CPの上面に形成されるべき流動性被覆材47による被覆膜の厚さに応じて適宜決定することができ、例えば、0.5〜5mmとされ、特に1.5mmとされる。
図14において、434はシャーピンであって、コアエレベータ本体43をインナーバーレル本体401と仮に固定し、規定以上の応力がシャーピンプランジャ435を介して作用された場合に破断するものである。436はシャーピンであって、開閉弁体44をコアエレベータ本体43と仮に固定し、規定以上の応力が開閉弁体44に作用される場合に破断するものである。また、453はバスケットリフタ、454はコアリフタである。
以上のような構成の地殻コアサンプリング装置によれば、作用ディスク46の当接部材464が地殻部分CPに対接して当該地殻部分CPの上面と底面463との間に間隙が形成され、この間隙により貫通孔467に連通する流動性被覆材滞留空間466が形成される。
そして、地殻部分CPの掘削に際して、シャーピン436が破断されて開閉弁体44が上方に押し上げられると、既述の態様により流動性被覆材吐出口532と中央貫通孔内の空間とが一時的に連通状態とされることとなるが、これと同期して、流動性被覆材導路444と、前記流動性被覆材吐出口532との間における、連絡路445を介した一時的な連通状態も達成されることとなる。
また、開閉弁体44が上昇することによって流動性被覆材収容空間50に保持された流動性被覆材47に対して圧力が作用され、その結果、流動性被覆材が連通孔431を介して中央貫通孔内に供給される。流動性被覆材は、中央貫通孔内を下方に流下して、バスケットリフタ453を受け皿として備える地殻コア試料収容空間51内に充填される。そして、地殻コア試料収容空間51が流動性被覆材により満たされると、その後供給される流動性被覆材の全部または大部分は、連絡路445を介して流動性被覆材導路444内に流入することとなる。流動性被覆材導路444内に流入した流動性被覆材は、更に下方に流下して貫通孔467から吐出され、その結果、流動性被覆材が流動性被覆材滞留空間466内に充填されると共に、当該流動性被覆材の過剰分が開孔465を介して作用ディスク46の上面462およびその周囲に溢れ出ることとなる。これにより、地殻部分CPの上面が流動性被覆材によって被覆された状態が確実に実現される。
以上のような地殻コアサンプリング装置を利用した地殻コア試料の採取方法においては、流動性被覆材47として、流動性を有するものであれば種々のものを利用することができるが、地殻コア試料を被覆することにより、採取される当該地殻コア試料における種々の特性を、地殻中に存在していた状態、または掘削直後の状態を維持することができるものであることが好ましく、採取地殻コア試料を用いた、目的とする研究の種類、掘削対象である地殻の地質の状態などに応じて適宜のものを選択することができる。
具体的には、流動性被覆材47としては、例えばジャム状の高粘度流動体である高分子ゲルを好ましく用いることができる。また、例えば抗菌性を有するもの、更に、地殻コア試料を被覆した後に硬化する硬化性を有するものなどを適宜用いることも可能である。
本発明の地殻コアサンプリング装置によれば、インナーバーレル本体の内部空間とは独立した態様で流動性被覆材流通路が設けられた構成とされており、流動性被覆材収容空間に保持された流動性被覆材が直接的に、柱状地殻コア部分に対して供給されるため、当該流動性被覆材は、例えば作業用流体などと混合されて稀釈されることがなく、常に、所期の物性が確実に維持された状態で柱状地殻コア部分に対して適用される。従って、当該流動性被覆材に係る適宜の特性が確実に維持されると共に、種々の目的とする研究等に対して適当である地殻コア試料を確実に得ることができる。
また、流動性被覆材が、適宜の速度をもって吐出口より吐出されることにより、当該流動性被覆材は、地殻コア試料収容空間内に進入する柱状地殻コア部分の外周面に対して、勢いをもって吹きつけられることとなるため、掘削時において当該柱状地殻コア部分の外周面に不可避的に付着する、汚染物質の導入源、または汚染物質としての作業用流体を、当該外周面から払拭することが可能であり、その結果、外来の異質物質による汚染がない、または、このような汚染が実質的にない状態の地殻コア試料を採取することが可能である。
更に、筒状のロッド部により流動性被覆材導路が設けられた構成とされていることにより、地殻コア試料を、その上面を含む全外表面が流動性被覆材により確実に被覆された状態で得ることができ、従って、流動性被覆材による所期の効果が確実に得られる。
以上の本発明の地殻コアサンプリング装置においては、柱状地殻コア部分の掘削に際して、インナーバーレルは、掘削船から投入してドリルパイプ内を自由落下させることによってアウターバーレル内の所定の位置に配設されるが、シャーピンが配設されていることにより、インナーバーレルが水中に突入して開閉弁体および/またはコアエレベータに上方向へ大きな衝撃力が作用された場合であっても、当該コアエレベータおよび/または開閉弁体が期せずして上方に移動して、多量の流動性被覆材が流失してしまうことが防止される。
本発明の地殻コア試料の採取方法によれば、地殻コア試料が、例えば作業用流体に由来する汚染物質がその外表面から除去された態様で流動性被覆材により被覆されるため、当該地殻コア試料における地殻内での状態、または掘削直後の状態が確実に保持されることとなり、従って、地殻コア試料を、種々の研究に適した態様で採取することができる。
本発明に係る地殻コアサンプリング装置を用いる場合の掘削方法は、特定のものに限定されず、公知の種々の掘削方法において実施することができる。特に、上述のライザー掘削法のような掘削船を利用した海底地殻の掘削において容易に実施することができる。
以上、本発明の地殻コアサンプリング装置および地殻コア試料の採取方法を具体的に説明したが、本発明においては種々変更を加えることが可能である。
例えば、流動性被覆材は、流動性被覆材吐出口から、軸方向に垂直に吐出される必要はなく、例えば下方に傾斜した方向に吐出されてもよい。
掘削船を用いて海底地殻をライザー掘削法により掘削する場合を示す説明図である。 ライザーパイプを構成する構成ユニットの詳細を、ドリルパイプが通った状態のメインパイプにおける筒軸に沿った断面と共に示す、説明用一部断面図である。 海底の掘削を開始する直前のドリルパイプおよびドリルビットを、その筒軸に沿った断面を一部を簡略化して示した説明用断面図である。 海底の掘削を開始した直後のドリルパイプおよびドリルビットを、その筒軸に沿った断面を一部を簡略化して示した説明用断面図である。 海底の掘削中のドリルパイプおよびドリルビットを、その筒軸に沿った断面を一部を簡略化して示した説明用断面図である。 本発明の地殻コアサンプリング装置の構成を断面で拡大して示す説明用拡大図である。 図3において示される状態における動作状態の地殻コアサンプリング装置を拡大して示す説明用拡大図である。 図4において示される状態における動作状態の地殻コアサンプリング装置を拡大して示す説明用拡大図である。 図5において示される状態における動作状態の地殻コアサンプリング装置を拡大して示す説明用拡大図である。 流動性被覆材に被覆された地殻コア試料を示す、筒軸に垂直な断面を示す説明用断面図である。 従来の地殻コアサンプリング装置において、海底の掘削を開始した直後のドリルパイプおよびドリルビットを、その筒軸に沿った断面を一部を簡略化して示した説明用断面図である。 従来の地殻コアサンプリング装置において、海底の掘削中のドリルパイプおよびドリルビットを、その筒軸に沿った断面を一部を簡略化して示した説明用断面図である。 本発明の地殻コアサンプリング装置の他の例の構成を、その一部を省略して筒軸に沿った断面で示す説明用断面図であって、地殻の掘削が開始される直前の状態を示す。 図13の例におけるインナーバーレルの構成を、筒軸に沿った断面で拡大して示す説明用断面図である。 作用ディスクの構成を、ロッド部の筒軸に沿った断面を拡大して示す説明用断面図である。 作用ディスクの底面を拡大して示す説明用平面図である。
符号の説明
10 掘削船
11 パワースイベル
12a、12b、12c 推進装置
13 海面
14 噴出防止装置
15 海底面
16 地殻
17 ケーシングパイプ
18 保護膜
20 ライザーパイプ
21 ドリルパイプ
22 メインパイプ
23 アウターバーレル
24 作業用流体流通路
25 環状流通路
27 キル・チョークライン
28 ラインホルダー
30 ドリルビット
301 作業用流体吐出口
31 カッターエレメント
35 地殻コア試料
36 流動性被覆材層
37 地殻コア
371 柱状地殻コア部分
40 インナーバーレル
401 インナーバーレル本体
402 閉塞部材
403 ストッパー
404 柱状地殻コア部分進入用開口
41 コアエレベータ
411 上空間部
412 テーパー部
413 下空間部
414、415 O−リング
42 流通路形成部材
43 コアエレベータ本体
431 連通孔
432 連通路
433 突起状当接部
434 シャーピン
435 シャーピンプランジャ
436 シャーピン
44 開閉弁体
441 ロッド部
441a 基端部
441b 筒状先端部
442 フランジ
443 延長用筒状ロッド部材
444 流動性被覆材導路
445 連絡路
45 弁体部分
451 連結部
452 O−リング
453 バスケットリフタ
454 コアリフタ
46 作用ディスク
461 円筒状連結部
462 上面
463 底面
464 当接部材
465 開孔
466 流動性被覆材滞留空間
467 貫通孔
47 流動性被覆材
50 流動性被覆材収容空間
51 地殻コア試料収容空間
53 流動性被覆材流通路
531 導入口
532 流動性被覆材吐出口
60 インナーバーレル
61 封止部材
62 流動性被覆材吐出口部材
63 連続ロッド
64 弁体部材
65 開閉弁
66 作用ディスク
67 流動性被覆材
68 流動性被覆材吐出孔
CP 地殻部分
G 環状間隙
P 柱状地殻コア部分

Claims (8)

  1. 地殻を掘削して地殻コア試料を採取する地殻コアサンプリング装置であって、
    円環状の掘削溝が形成されるよう地殻を掘削する掘削機構と、下端に柱状地殻コア部分進入用開口を有し、その内部に地殻コア試料とされる柱状地殻コア部分を収容する筒状のバーレルとを備えてなり、
    当該バーレルは、その下端に近接した位置において当該バーレルの半径方向内方に向かって流動性被覆材を吐出する流動性被覆材吐出機構を備えてなり、
    掘削により形成される柱状地殻コア部分が、当該バーレル内を相対的に上昇しながらその内部に位置されて行く過程において、前記流動性被覆材吐出機構から吐出された流動性被覆材により被覆されることを特徴とする地殻コアサンプリング装置。
  2. 掘削作業用流体を用いて地殻を掘削して地殻コア試料を採取する地殻コアサンプリング装置であって、
    掘削作業用流体吐出口が設けられたドリルビットを下端に備えてなる筒状のドリルパイプと、このドリルパイプ内に配設されたインナーバーレルとより構成されてなり、
    インナーバーレルは、下端に柱状地殻コア部分進入用開口を有し、掘削により形成された地殻コア試料とされる柱状地殻コア部分が内部空間に収容される筒状のインナーバーレル本体と、このインナーバーレル本体の内部空間をその軸方向に移動可能に配設されたコアエレベータと、インナーバーレル本体の外周面との間に流動性被覆材流通路を形成する流通路形成部材およびインナーバーレル本体の下端に近接した位置において当該インナーバーレル本体の半径方向内方に向かって流動性被覆材流通路からの流動性被覆材を吐出する流動性被覆材吐出口を有する流動性被覆材吐出機構とを備えてなり、
    当該インナーバーレルは、その柱状地殻コア部分進入用開口がドリルパイプの掘削作業用流体吐出口より上方に位置されるよう配設されており、
    掘削により形成される柱状地殻コア部分が、当該インナーバーレル本体の内部空間を相対的に上昇しながらその内部に位置されて行く過程において、前記流動性被覆材吐出口から吐出された流動性被覆材により被覆されることを特徴とする地殻コアサンプリング装置。
  3. インナーバーレル本体内において、上昇するコアエレベータの上方に区画される空間により流動性被覆材を収容するための流動性被覆材収容空間が形成されると共に、当該コアエレベータの下方に区画される空間により地殻コア試料を収容するための地殻コア試料収容空間が形成され、
    前記流動性被覆材流通路により、流動性被覆材収容空間と地殻コア試料収容空間との間が連通されていることを特徴とする請求項2に記載の地殻コアサンプリング装置。
  4. 流通路形成部材は、インナーバーレル本体の外周面との間に筒状の流動性被覆材流通路を形成する筒状体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の地殻コアサンプリング装置。
  5. コアエレベータが中央貫通孔を有するコアエレベータ本体よりなり、
    このコアエレベータ本体の中央貫通孔内には、上下方向に移動して当該中央貫通孔内の空間と前記流動性被覆材吐出口との間の連通状態を制御する開閉弁体が配設されており、 コアエレベータ本体がインナーバーレル本体内において上昇移動を開始する際に、前記コアエレベータ本体の中央貫通孔内の空間と、前記流動性被覆材吐出口との間に、一時的な連通状態が達成されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の地殻コアサンプリング装置。
  6. 開閉弁体が、円柱状の弁体部分と、中央貫通孔内を通ってコアエレベータ本体の下方に突出するよう伸びる、その下端に開口を有する管状のロッド部とを備えてなり、
    コアエレベータ本体がインナーバーレル本体内において上昇移動を開始する際に、前記流動性被覆材吐出口とロッド部の下端の開口との間に、コアエレベータ本体の中央貫通孔内の空間を介して一時的な連通状態が達成されることを特徴とする請求項5に記載の地殻コアサンプリング装置。
  7. ロッド部の下端には、当該ロッド部の外径より大きな径を有する作用ディスクが配設されており、
    作用ディスクの底面には、当該底面から下方に突出する当接部材が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の地殻コアサンプリング装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の地殻コアサンプリング装置を用いることにより、地殻コア試料を、流動性被覆材により被覆した状態で採取することを特徴とする地殻コア試料の採取方法。
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