JP4456504B2 - 音声雑音判別方法および装置、雑音低減方法および装置、音声雑音判別プログラム、雑音低減プログラム - Google Patents

音声雑音判別方法および装置、雑音低減方法および装置、音声雑音判別プログラム、雑音低減プログラム Download PDF

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Description

この発明は、音声雑音判別方法および装置、雑音低減方法および装置、音声雑音判別プログラム、雑音低減プログラム、およびプログラムの記録媒体に関する。
雑音低減装置の従来例1としては、例えば、定常雑音に対する雑音低減装置がある(特許文献1 参照)。これを図6を参照して簡単に説明しておく。目的信号である音声信号S(n)と空調などの不要な周囲雑音N(n)とが入力信号X(n)=S(n)+N(n)として入力される。ここで、nは信号の時間表現を離散時間として表わす整数値である。この入力信号X(n)は、周波数領域変換部61で、例えば短時間毎の離散フーリエ変換により周波数領域信号X(ω)に変換される。ωは周波数を表わす。入力信号パワースペクトル計算部62で周波数領域信号X(ω)のパワースペクトルPavx(ω)が計算され、また、雑音パワースペクトル推定部63で周波数領域信号X(ω)内の雑音パワースペクトルPavn(ω)が推定される。損失計算部64ではPavx(ω)、Pavn(ω)を用いて損失値L(ω)が計算され、損失挿入部65に転送される。損失挿入部65では、損失計算部64において計算された損失値L(ω)を用いてY(ω)=L(ω)×X(ω)の計算により、雑音を低減した出力Y(ω)を出力する。出力Y(ω)は時間領域変換部66において、時間領域に変換され、雑音を低減した信号Y(n)が出力される。
従来例1によれば定常雑音を低減することはできる。しかし、非定常雑音に対しては、雑音パワーの時間的変動が大きいので低減することは困難である。
従来例2としては、非定常雑音を含む雑音区間を判別する雑音低減装置がある(特許文献2 参照)。これを図7を参照して簡単に説明しておく。マイクロホンアレー装置より成る第1の受音器71は、複数のマイクロホン素子によって構成されるマイクロホンアレー72と指向性制御部73とで構成される。74は第2の受音器で、この二つの受音器は同一の場所に設置されている。指向性制御機能を持つマイクロホンアレー装置の代表例は適応形アレーと呼ばれている受音器である。適応形アレーは雑音源の方向に感度の低い指向特性を実現する。これにより、雑音源の位置、発声者の移動に対してもSN比の変動を小さく保つことができる。即ち、第1の受音器出力は第2の受音器出力と比較して、SN比の大きい信号を出力する。
雑音の重畳した音声はマイクロホンアレー72により受音される。このマイクロホンアレー72の出力信号は指向性制御部73に入力され、第1の信号x1 を発生する。一方、マイクロホンアレー72を構成する一つのマイクロホン素子の出力をx2 とする。この時、指向性制御部73による指向性制御の結果、x1 におけるSN比はx2 におけるSN比より大きいものとなっている。次に、短時間パワー計算部75、76において、それぞれx1 およびx2の短時間パワーP1 およびP2 を計算して出力する。音声区間検出部77では二つの信号のパワーの差分を求めることで、音声区間を検出することができる。
従来例2によれば、非定常雑音が重畳した音声に対しても、音声区間の検出を行うことができる。また、マイクロホンアレーを用いて雑音源方向に感度の低い指向特性を形成することで、雑音低減を行うことができる。しかし、マイクロホンを複数設置する必要がある。
特開平9−258792号 公報 特許第2913105号 明細書
従来例1のような定常雑音に対する雑音低減装置は、1入力で音声に重畳した定常雑音を低減することができるが、時間的変動の大きい非定常雑音を低減することはできない。従来例2のような複数のマイクロホンを用いた雑音低減装置は、指向性制御により非定常雑音に関わらず音声区間を検出することができる。また、雑音源方向に感度の低い指向特性を形成することで、雑音低減を行うことができる。しかし、マイクロホンを複数設置する必要がある。一般的な通信、収音装置は、マイクロホン数は1本であり、ハードウェア規模、処理演算量の増大を避けるためにも1入力による雑音低減装置が望まれる。
この発明は、1入力で入力信号中に音声および、非定常雑音を含む雑音が存在するか否かを判別し、また、判別した結果を用いて非定常雑音を含む雑音を低減する、音声雑音判別方法および装置、雑音低減方法および装置、音声雑音判別プログラム、雑音低減プログラム、およびプログラムの記録媒体を提供する。
請求項1:目的となる音声信号と不要な雑音信号の混在する音声雑音混在信号に対して、信号の周期性を表す特徴量と信号の周波数帯域の高域の変動を表す特徴量を計算する複数特徴量計算ステップと、前記音声雑音混在信号が音声区間であるか非音声区間であるかを判定する音声区間判定ステップと、前記音声区間判定ステップにより、前記音声雑音混在信号が音声区間であると判別された場合のうち、前記信号の周期性を表す特徴量と所定の第2の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の周期性が小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量と所定の第3の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の前記変動が大きい音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在しないと判定する突発性雑音判定ステップとを有する音声雑音判別方法を構成した。
請求項2:前記複数特徴量計算ステップは、前記音声雑音混在信号のケプストラムのピーク値を求めて前記信号の周期性を表す特徴量とするケプストラム計算ステップと、前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求めて該組の代表値として、前記代表値に高域であるほど大きくなる重みを乗算したM個の値を要素とする特徴ベクトルを生成し、現フレームと直前フレームの前記特徴ベクトルとの相関値の逆数を求めて前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量とする周波数特性計算ステップを有し、前記突発性雑音判定ステップは、前記信号の周期性を表す特徴量が所定の第2の閾値より小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量が第3の閾値より大きい場合に、現フレームに突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の場合であれば現フレームに突発性雑音が存在しないと判定する請求項1に記載の音声雑音判別方法を構成した。
請求項3:前記複数特徴量計算ステップは、前記音声雑音混在信号のパワーレベルを求めるパワー計算ステップをさらに有し、前記音声区間判定ステップは、前記パワーレベルが第4の閾値より大きい期間が第5の閾値より短い期間である場合に、前記音声雑音混在信号を無音であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算ステップによる値が所定の第5の閾値より大きい場合に、前記音声雑音混在信号を音声区間であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算ステップによる値が所定の第5の閾値より小さい場合に、前記音声雑音混在信号を非音声区間であると判定する請求項2に記載の音声雑音判別方法を構成した。
請求項4:請求項2または3に記載される音声雑音判別方法の全ステップを有し、前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が非音声区間であると判定された場合は、何も出力せず、前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在しないと判定された場合は、現フレームの前記音声雑音混在信号をそのまま出力し、前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在すると判定された場合は、現フレームの直前フレームの音声の周期波形を現フレームの突発性雑音が存在すると判定された位置に繰り返し挿入する複数雑音低減ステップをさらに有する雑音低減方法を構成した。
請求項5:請求項2または3に記載される音声雑音判別方法の全ステップを有し、前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が非音声区間であると判定された場合は、何も出力せず、前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在しないと判定された場合は、現フレームの前記音声雑音混在信号をそのまま出力し、さらに音声平均スペクトルを計算し、前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在すると判定された場合は、出力信号のパワースペクトルが前記音声平均スペクトルとなるよう現フレームの前記音声雑音混在信号のパワースペクトルを抑圧する複数雑音低減ステップをさらに有する雑音低減方法を構成した。
請求項6:前記複数雑音低減ステップにおける前記音声平均スペクトルは、前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求め、前記平均値と所定の音声平均パワースペクトルとの平均とすることを特徴とする請求項5に記載の雑音低減方法を構成した。
請求項7:目的となる音声信号と不要な雑音信号の混在する音声雑音混在信号に対して、信号の周期性を表す特徴量と信号の周波数帯域の高域の変動を表す特徴量を計算する複数特徴量計算部と、前記音声雑音混在信号が音声区間であるか非音声区間であるかを判定する音声区間判定部と、前記音声区間判定部により、前記音声雑音混在信号が音声区間であると判別された場合のうち、前記信号の周期性を表す特徴量と所定の第2の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の周期性が小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量と所定の第3の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の前記変動が大きい音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在しないと判定する突発性雑音判定部とを有する音声雑音判別装置を構成した。
請求項8:前記複数特徴量計算部は、前記音声雑音混在信号のケプストラムのピーク値を求めて前記信号の周期性を表す特徴量を計算するケプストラム計算部と、前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求めて該組の代表値として、前記代表値に高域であるほど大きくなる重みを乗算したM個の値を要素とする特徴ベクトルを生成し、現フレームと直前フレームの前記特徴ベクトルとの相関値の逆数を求めて前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量を計算する周波数特性計算部と、前記信号の周期性を表す特徴量が所定の第2の閾値より小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量が第3の閾値より大きい場合に、現フレームに突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の場合であれば現フレームに突発性雑音が存在しないと判定する突発性雑音判定部とを具備することを特徴とする請求項7に記載の音声雑音判別装置を構成した。
請求項9:前記複数特徴量計算部は、前記音声雑音混在信号のパワーレベルを求めるパワー計算部をさらに有し、前記音声区間判定部は、前記パワーレベルが第4の閾値より大きい期間が第5の閾値より短い期間である場合に、前記音声雑音混在信号を無音であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算部による値が所定の第5の閾値より大きい場合に、前記音声雑音混在信号を音声区間であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算部による値が所定の第5の閾値より小さい場合に、前記音声雑音混在信号を非音声区間であると判定する音声区間判定部とをさらに有することを特徴とする請求項8に記載の音声雑音判別装置を構成した。
請求項10:請求項8または9に記載される音声雑音判別装置の全ての処理部を有し、前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が非音声区間であるとする判定信号が出力された場合は、信号抑圧ゲインを0、繰り返し回数を0とし、前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在しないとする判定信号が出力された場合は、信号抑圧ゲインを1、繰り返し回数を0とし、前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在するとする判定信号が出力された場合は、信号抑圧ゲインを1、繰り返し回数を所定値Rする低減変数計算部と、前記低減変数計算部で出力された信号抑圧ゲインを現フレームの前記音声雑音混在信号に乗算する信号抑圧部と、前記低減変数計算部で出力された繰り返し回数だけ現フレームの直前のフレームの音声の周期波形を、現フレームの突発性雑音が存在すると判定された位置に繰り返し挿入する周期波形挿入部をさらに有する雑音低減装置を構成した。
請求項11:請求項8または9に記載される音声雑音判別装置の全ての処理部を有し、前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が非音声区間であるとする判定信号が出力された場合は、第1の判定フラグを帯域別抑圧部に転送すると共に信号抑圧ゲインを0とし、前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在しないとする判定信号が出力された場合は、第2の判定フラグを帯域別抑圧部に転送すると共に信号抑圧ゲインを1とし、前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在するとする判定信号が出力された場合は、第3の判定フラグを前記帯域別抑圧部に転送すると共に信号抑圧ゲインを1とする低減変数計算部と、前記低減変数計算部で出力された信号抑圧ゲインを現フレームの前記音声雑音混在信号に乗算して出力する信号抑圧部と、第1の判定フラグを受信した場合は何もせず、第2の判定フラグを受信した場合は音声平均パワースペクトルを計算して記憶し、第3の判定フラグを受信した場合は現フレームの前記音声雑音混在信号を前記記憶している音声平均パワースペクトルまで低減して出力する帯域別抑圧部とをさらに有する雑音低減装置を構成した。
請求項12:前記複数雑音低減部における前記音声平均スペクトルは、前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求め、前記平均値と所定の音声平均パワースペクトルとの平均とすることを特徴とする請求項11に記載の雑音低減装置を構成した。
請求項13:請求項7乃至9のいずれかに記載の音声雑音判別装置としてコンピュータを機能させるプログラムを構成した。
請求項14:請求項10乃至12のいずれかに記載の雑音低減装置としてコンピュータを機能させるプログラムを構成した。
この発明は、入力信号に対する複数の特徴量を計算し分析することで、入力信号中に音声および、非定常雑音を含む雑音が存在するか否かを判別することができる。更に、雑音が存在する場合、分析した結果を用いて複数の雑音低減装置を組み合わせることで、雑音の種類に応じた雑音低減をすることができる。また、この発明は、1入力による処理を実現しているので、既存の通信、収音装置に組み合わせて使用することが容易となる。
発明を実施するための最良の形態を図を参照して説明する。図1は雑音低減装置の実施例を説明するブロック図である。
図1を参照するに、先ず、目的とする信号と不要な周囲雑音の混入する入力信号を複数特徴量計算部11に転送する。複数特徴量計算部11は、入力信号に対する特徴量を計算する特徴量計算部12を複数組み合わせたものより成る。複数特徴量計算部11は入力信号に対す種々の特徴量を計算し、それら複数の特徴量を特徴量分析部13に転送する。特徴量分析部13は複数の特徴量と入力信号を用いて入力信号の状態、特性を推定し、推定された入力信号の状態、特性の情報を低減変数計算部14に転送する。低減変数計算部14は、入力信号および特徴量分析部13で推定された入力信号の状態、特性の情報に応じて、雑音低減効果が最適となるように複数雑音低減部15の各雑音低減部16の低減変数を決定し、各雑音低減部16に転送する。
一方、入力信号は複数雑音低減部15にも転送する。複数雑音低減部15は、低減変数計算部14で計算された低減変数を用いて入力信号に対して雑音低減を施す雑音低減部16を複数組み合わせたものより成る。複数雑音低減部15は、入力信号に対して種々の雑音低減を施し、低減された各信号を出力する。
複数雑音低減部16で出力された各信号を入力信号に存在する雑音に応じて各雑音低減部16が効果的に働くように重みを付ける。更に、全て足し合わせて規格化し、出力信号として出力する。
図2を参照して他の実施例を説明する。この実施例においては、音声通信を想定し、入力信号X(n)が音声か非音声か、突発性雑音が存在するか否かを判別し、突発性雑音を低減する。ここで、nは信号の時間表現を離散時間として表わす整数値である。
先ず、入力信号X(n)を複数特徴量計算部11に転送する。複数特徴量計算部11は、パワー計算部21、ケプストラム計算部22、周波数特性計算部23の各特徴量計算部より成る。各特徴量計算部で計算された特徴量は特徴量分析部13に転送される。ここでは、各特徴量計算部として、パワー、ケプストラム、周波数特性を用いて特徴量を計算するが、他にも自己相関関数、ウェーブレット変換を用いた解析、パターン認識、線形予測、零交差計数、帯域フィルタバンク分析などを用いて音声、雑音の特徴量を計算する特徴量計算部を用いてもよい。
パワー計算部21は入力信号のパワーレベルを計算し、それを特徴量として出力する。パワーレベルは、PX(n)=X(n)2 で求められる。時間平均は、例えば、
Pavx(n)=(1/A)ΣmγmPX(n−m)と計算される。ここで、γm は、例えば、γm =(γ)m と表わされる様な指数重み付けの係数で、γ<1、Aは(1/A)Σmγm=1となる正規化のための定数である。パワー計算部21はPavx(n)を特徴量として音声区間判定部24に転送する。
ケプストラム計算部22は入力信号のケプストラムを計算し、信号の周期性を表わすピーク値を特徴量として出力する。ケプストラムは、例えば、古井 貞煕著「ディジタル音声処理」p.44−47に説明されている波形の短時間振幅スペクトル|X(ω)|の対数の逆フーリエ変換によって求められる。ケプストラムの高ケフレンシー部のピークは基本周期を表わしており、このピークの値を特徴量C1として音声区間判定部24、突発性雑音判定部25に転送する。
周波数特性計算部23は周波数特性の高域の変動を特徴とする値を計算し、これを特徴量として出力する。一般に、音声の周波数特性において、有声音は基本周波数の存在する低域にピークがある。一方、突発性雑音の周波数特性は平坦である。よって、高域の変動に突発性雑音の特徴があると考えられるからである。
その処理フローを図3に示す。先ず、S21において、入力信号X(n)を時間窓を用いて一定区間毎のフレームに分割する。次に、S22において、例えば、短時間毎の離散フーリエ変換により周波数領域信号X(ω)に変換する。一般に、周波数領域に変換された信号は複素数であり、X(ω)=Xr(ω)+jXi(ω)とする。次に、S23において、周波数帯域のパワースペクトルPX(ω)を求める。パワースペクトルはPX(ω)=(Xr(ω))2 +(Xi(ω))2 により計算される。次に、S24において、パワースペクトルをM個の帯域に分割する。例えば、ナイキスト周波数までの周波数帯域を等分割することを考える。次に、S25において、帯域毎にパワースペクトルの平均値を求め、帯域毎の代表値とする。更に、S26において、帯域毎の代表値に対して、高域での影響が大きくなるように重みwm (m=1、… 、M)を乗じる。wm には、例えば、wm =sin(π(m−1)/2(M−1))で計算されるsin関数を用いる。M個の帯域毎の代表値を一つの特徴ベクトルとし、Vl とする。添え字のlは現処理フレームを表す。S27において、直前フレームの特徴ベクトルとの間の相関を特徴量C2とする。C2はパワーを考慮に入れ、C2=(|Vl2 ・|Vl-12 )/(Vl・Vl-1)と計算する。S28において、特徴量C2を突発性雑音判定部25に転送する。
特徴量分析部13は、複数特徴量計算部11より送られてきた複数の特徴量と入力信号を用いて入力信号の状態、特性を推定し、推定された入力信号の状態、特性の情報を低減変数計算部14に転送する。ここでは、特徴量分析部13は音声区間判定部24と突発性雑音判定部25より成る。音声区間判定部24は入力信号が音声か非音声かを判定し、それぞれに対応するフラグを低減変数計算部14に転送する。突発性雑音判定部25は、突発性雑音が存在するか否かを判定し、それぞれに対応するフラグを低減変数計算部14に転送する。
音声区間判定部24は、入力信号のパワーレベルを用いて、入力信号が音声か非音声かを判定する。ここでは、先ず、音声区間パワー計算部21より転送されてきたPavx(n)がしきい値T1を超えたときにフラグF1をたてる。フラグF1がしきい値T2以上続くとき、入力信号の状態として有音であると推定する。そうでない場合、無音であると推定し、フラグF3を低減変数計算部14、突発性雑音判定部25に転送する。有音であり、かつケプストラム計算部22より転送されてきた特徴量C1がしきい値T3より大きいときは周期性があり音声区間と推定し、フラグF2を低減変数計算部14、突発性雑音判定部25に転送する。特徴量C1がしきい値T3より小さいときは非音声区間と推定し、フラグF3を低減変数計算部14、突発性雑音判定部25に転送する。
突発性雑音判定部25の処理フローを図4を参照して説明する。突発性雑音判定部25は、音声区間判定部24より転送されてきたフラグがF3であれば、非音声と推定されているので、何も出力をしない(S42)。音声区間判定部24より転送されてきたフラグがF2であれば、音声と推定されており処理を行う(S43)。突発性雑音判定部25は、転送されてきたケプストラムによる特徴量C1と周波数特性による特徴量C2を用いて処理フレーム内に突発性雑音が存在するか否か、存在する場合はフレーム内のどこから突発性雑音が存在するかを推定する。特徴量C1は信号の周期性を表しており、値が小さいほど突発性雑音が存在していると考えられる。特徴量C2は信号の周波数帯域の高域の変動を表しており、値が大きいほど突発性雑音が存在していると考えられる。そこで、C1がしきい値T4より小さく、C2がしきい値T5より大きいとき処理フレーム内に突発性雑音が存在すると推定し、フラグF4をたてる(S45)。次に、処理フレームの原信号の絶対値をとり、最も大きい値を持つ位置S1を突発性雑音の存在する位置と推定する(S46)。S1よりマージンM1前のS2を突発性雑音のはじまる位置と推定し、S2とフラグF4を低減変数計算部14に転送する(S47)。一方、C1がしきい値T4より大きいか、C2がしきい値T5より小さいとき、処理フレーム内に突発性雑音は存在しないと推定してフラグF5を低減変数計算部14に転送する(S44)。
低減変数計算部14は、入力信号および転送されてきた入力信号の状態、特性の情報を用いて、複数雑音低減部16の低減変数を決定する。ここでは、特徴量分析部13より転送される音声か非音声か、音声であれば突発性雑音が存在するか否かのフラグを用いて、信号抑圧部26の信号抑圧ゲインG、周期波形挿入部27の繰り返し回数Rを決定する。
低減変数計算部14の処理フローを図5に示す。先ず、音声区間判定部24から転送されてきたフラグがF3であるとき信号は非音声と推定されているので、信号を完全に抑圧する。信号抑圧ゲインG=0、繰り返し回数R=0として、それぞれ信号抑圧部26、周期波形挿入部27に転送する(S52)。一方、音声区間判定部24から転送されてきたフラグがF2であるとき、信号は音声と推定されているので、突発性雑音の存在を確認する(S53)。突発性雑音判定部25から転送されてきたフラグがF5であるとき、突発性雑音は存在しないと推定されているので、信号をそのまま通す。信号抑圧ゲインG=1、繰り返し回数R=0として、それぞれ信号抑圧部26、周期波形挿入部27に転送する(S54)。一方、突発性雑音判定部25から転送されてきたフラグがF4であるとき、突発性雑音は存在すると推定されているので、突発性雑音の低減を行う。信号抑圧ゲインG=1、繰り返し回数R=R1として、それぞれ信号抑圧部26、周期波形挿入部27に転送する(S55)。同時に突発性雑音判定部25より転送されてきた突発性雑音の始まる位置S2を周期波形挿入部27に転送する。
複数雑音低減部15では、低減変数計算部14から転送されてきた低減変数を用いて、各低減変数部において入力信号の雑音低減処理を行う。ここでは、複数雑音低減部15は信号抑圧部26と周期波形挿入部27より成る。また、各雑音低減部において、従来例1のような定常雑音に対する雑音低減装置、しきい値以下のレベルの信号を抑圧するセンタークリップ、周波数領域でしきい値以上の帯域を抑圧する処理などを用いて雑音低減処理を行うことも考えられる
信号抑圧部26は、入力信号全体の抑圧を行う。転送されてきた入力信号X(n)に対して、低減変数計算部14より転送されてきた信号抑圧ゲインGを用いて、GX(n)を出力とする。
周期波形挿入部27は、突発性雑音の存在する直前の音声の周期波形を突発性雑音の存在する位置に繰り返し挿入することで、突発性雑音の低減を行う。この周期波形の挿入には、「JT−G711音声周波数帯域信号のPCM符号化方式 付録1標準JT−G711向けパケット損失補償のための高品質低演算量アルゴリズム」で説明されている方法を用いる。先ず、低減変数計算部14より転送されてきたS2を消失開始点として、直前の周期を検出する。消失開始点より5/4周期前から1周期前までの1/4周期と、消失開始点直前の1/4周期を三角窓をかけてOLA(オーバーラップ加算)する。続いて、消失開始点直前の1周期分を用いて、低減変数計算部14より転送されてきたR回繰り返し合成信号を作成し、原信号に挿入する。次のαR周期は原信号とのOLAが行われる。αはOLAする区間を調節する定数である。一般的に突発性雑音は減衰が急である。そこで、周期波形挿入の繰り返し回数Rを小さく、αを調節してOLAする区間を長くすることで、突発性雑音を低減し、歪みの少ない処理を実現することができる。処理後の波形を出力する。
信号抑圧部26と周期波形挿入部27から出力された処理後の信号に対して、入力信号に存在する雑音に応じてそれぞれwa 、wb の重みを乗じる。ここでは、入力信号が非音声のときwa =1、wb =0、音声で突発性雑音が存在しないときwa=1、wb=0、音声で突発性雑音が存在するときwa =pa 、wb =pb とする。pa 、pb は周期波形挿入による雑音低減処理の影響を表すパラメータである。重みを乗じた信号を全て足し合わせ規格化し、出力信号として出力する。
この発明の雑音低減装置の各ブロックの処理を、DSP(Digital Signal Processor)により行うようにしてもよい。また、コンピュータによりプログラムを実行させることにより機能させてもよい。この場合は、そのプログラムはCD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ディスクなどに記録されたものを、コンピュータ内のプログラム用メモリに取り込んで行うことになる。このプログラム用メモリには、通信によりプログラムをダウンロードさせてもよい。
図8は雑音低減装置の実施例の効果を示す計算機シミュレーションの結果である。図の横軸は時間を、縦軸は振幅を表している。図8(a)は音声信号に突発性雑音としてペンで机を叩く音を3回重畳させた信号の波形である。図8(b)は図8(a)の信号を入力とし、実施例を計算機を用いてシミュレーションした出力信号の波形を示す。この図に示されるように、実施例を用いることで、音声に重畳した突発性雑音のみを低減することができることがわかる。
図9を参照して雑音低減装置の更なる実施例を説明する。この実施例の構成は、図1、2を参照して説明した実施例の構成にほぼ等しいが、複数雑音低減部15において、先の実施例の周期波形挿入部27に代えて、帯域別抑圧部97を使用する点が異なる。図1、2における特徴量分析部13までと信号抑圧部96は、図1、2の実施例の特徴量分析部13までと信号抑圧部26と同じ動作をする。
低減変数計算部98では、入力信号、および複数特徴量計算部11と特徴量分析部13を介して転送されてきた入力信号の状態、特性の情報の三者を用いて複:数雑音低減部15の低減変数を決定する。ここでは、特徴量分析部13より転送される情報が音声か非音声か、音声であれば突発性雑音が存在するか否かのフラグを用いて、信号抑圧部96の信号抑圧ゲインGを決定し、帯域別抑圧部97にフラグを転送する。先ず、音声区間判定部94から転送されてきたフラグがF3であるとき信号は非音声と推定されているので、信号を完全に抑圧する。信号抑圧ゲインG=0として信号抑圧部96に転送し、帯域別抑圧部97にフラグF3を転送する。一方、音声区間判定部94から転送されてきたフラグがF2であるとき信号は音声と推定されているので、突発性雑音の存在を確認する。突発性雑音判定部95から転送されてきたフラグがF5であるとき、突発性雑音は存在しないと推定されているので、信号をそのまま通す。信号抑圧ゲインG=1として信号抑圧部96に転送し、帯域別抑圧部97にフラグF5を転送する。一方、突発性雑音判定部95から転送されてきたフラグがF4であるとき、突発性雑音は存在すると推定されているので、突発性雑音の低減を行う。信号抑圧ゲインG=1として信号抑圧部96に転送し、帯域別抑圧部97にフラグF4を転送する。
帯域別抑圧部97では、入力信号を帯域分割し、帯域別に音声の平均レベルまで抑圧することで、突発性雑音の低減を行う。帯域別抑圧部97の処理フローを図10を参照して説明する。低減変数計算部98から転送されてきたフラグがF3であるとき信号は非音声と推定されているので、帯域別抑圧部97では動作をしない(S102)。低減変数計算部98から転送されてきたフラグがF5であるとき信号は音声区間で、突発性雑音は存在しないと推定されているので、音声平均スペクトルの計算を行う。先ず、入力信号X(n)を時間窓を用いて一定区間毎のフレームに分割する。次に、例えば短時間毎の離散フーリエ変換により周波数領域信号X(ω)に変換する。一般に、周波数領域に変換された信号は複素数であり、X(ω)=Xr(ω)+jXi(ω)とする。次に、周波数帯域をパワースペクトルPx(ω)を求める。パワースペクトルはPx(ω)=Xr(ω)2 +Xi(ω)2 により計算される(S104)。次に、パワースペクトルをM個の帯域に分割する。例えば、ナイキスト周波数までの周波数帯域を128個の帯域に等分割することを考える。次に、帯域毎にパワースペクトルの平均値Pxm(k)(k=1〜M)を求め、帯域毎の代表値とする(S105)。求めたパワースペクトルの平均値Pxm(k)と保存されていた音声平均パワースペクトル値Psp(k)との平均Psp(k)=(1−αsp)Pxm(k)+αsp・Psp(k)を計算し、新たに音声平均パワースペクトル値Psp(k)として保存する(S106)。ここで、αsp(0≦αsp≦1)は忘却係数であり、ここでは、αsp=0.98とする。また、Psp(k)の初期値には予め計算しておいた音声の長時間平均スペクトルを用いる。低減変数計算部98から転送されてきたフラグがF4であるとき信号は音声区間で、突発性雑音は存在すると推定されているので、突発性雑音抑圧処理を行う。入力信号のパワースペクトルPx(ω)を求め(S107)、各ωに対して、対応する帯域の音声平均パワースペクトル値Psp(k)に重みwPspを乗じたものと比較する。Px(ω)>wPsp・Psp(k)のとき、雑音抑圧処理出力パワースペクトルPxout(ω)=wPsp・Psp(k)とし、抑圧する。一方、Px(ω)≦wPsp・Psp(k)のとき、Pxout(ω)=Px(ω)とする(S108)。雑音抑圧処理出力パワースペクトルPxout(ω)を用いて逆フーリエ変換を行い、時間窓を用いてフレーム合成を行い、時間領域信号を出力する。
信号抑圧部96と帯域別抑圧部97から出力された処理後の信号に対して、入力信号に存在する雑音に応じてそれぞれwa、wbの重みを乗じる。ここでは、入力信号が非音声のときwa=1、wb=0、音声で突発性雑音が存在しないときwa=1、wb=0、音声で突発性雑音が存在するときwa=pa、wb=pbとする。pa、pbは帯域別抑圧の影響を表すパラメータである。重みを乗じた信号を全て足し合わせ規格化し、出力信号として出力する。
実施例を説明する図。 他の実施例を説明する図。 実施例の周波数特性計算部の処理を説明するフロー図。 実施例の突発性雑音判定部の処理を説明するフロー図。 実施例の低減変数の導出方法を説明するフロー図。 従来例を説明する図。 他の従来例を説明する図。 実施例の効果を示す計算機シミュレーションの結果。 更なる実施例を説明する図。 更なる実施例の帯域別抑圧部の処理を説明する処理フロー図。
符号の説明
11 複数特徴量計算部 12 特徴量計算部
13 特徴量分析部 14 低減変数計算部
15 複数雑音低減部 16 雑音低減部
21 パワー計算部 22 ケプストラム計算部'
23 周波数特性計算部 24 音声区間判定部
25 突発性雑音判定部 26 信号抑圧部
27 周期波形挿入部 61 周波数領域変換部
62 入力信号パワースペクトル計算部 63 雑音パワースペクトル推定部
64 損失計算部 65 損失挿入部
66 時間領域変換部 71 受音器
72 マイクロホンアレー 73 指向性制御部
74 受音器 75、76 短時間パワー計算部
77 音声区間検出部 91 パワー計算部
92 ケプストラム計算部 93 周波数特性計算部
94 音声区間判定部 95 突発性雑音判定部
96 信号抑圧部 97 帯域別抑圧部
98 低減変数計算部

Claims (14)

  1. 目的となる音声信号と不要な雑音信号の混在する音声雑音混在信号に対して、
    信号の周期性を表す特徴量と信号の周波数帯域の高域の変動を表す特徴量を計算する複数特徴量計算ステップと、
    前記音声雑音混在信号が音声区間であるか非音声区間であるかを判定する音声区間判定ステップと、
    前記音声区間判定ステップにより、前記音声雑音混在信号が音声区間であると判別された場合のうち、前記信号の周期性を表す特徴量と所定の第2の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の周期性が小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量と所定の第3の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の前記変動が大きい音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在しないと判定する突発性雑音判定ステップとを有する
    ことを特徴とする音声雑音判別方法。
  2. 前記複数特徴量計算ステップは、前記音声雑音混在信号のケプストラムのピーク値を求めて前記信号の周期性を表す特徴量とするケプストラム計算ステップと、前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求めて該組の代表値として、前記代表値に高域であるほど大きくなる重みを乗算したM個の値を要素とする特徴ベクトルを生成し、現フレームと直前フレームの前記特徴ベクトルとの相関値の逆数を求めて前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量とする周波数特性計算ステップを有し、
    前記突発性雑音判定ステップは、前記信号の周期性を表す特徴量が所定の第2の閾値より小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量が第3の閾値より大きい場合に、現フレームに突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の場合であれば現フレームに突発性雑音が存在しないと判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音声雑音判別方法。
  3. 前記複数特徴量計算ステップは、前記音声雑音混在信号のパワーレベルを求めるパワー計算ステップをさらに有し、
    前記音声区間判定ステップは、前記パワーレベルが第4の閾値より大きい期間が第5の閾値より短い期間である場合に、前記音声雑音混在信号を無音であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算ステップによる値が所定の第5の閾値より大きい場合に、前記音声雑音混在信号を音声区間であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算ステップによる値が所定の第5の閾値より小さい場合に、前記音声雑音混在信号を非音声区間であると判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音声雑音判別方法。
  4. 請求項2または3に記載される音声雑音判別方法の全ステップを有し、
    前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が非音声区間であると判定された場合は、何も出力せず、
    前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在しないと判定された場合は、現フレームの前記音声雑音混在信号をそのまま出力し、
    前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在すると判定された場合は、現フレームの直前フレームの音声の周期波形を現フレームの突発性雑音が存在すると判定された位置に繰り返し挿入する
    複数雑音低減ステップをさらに有する
    ことを特徴とする雑音低減方法。
  5. 請求項2または3に記載される音声雑音判別方法の全ステップを有し、
    前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が非音声区間であると判定された場合は、何も出力せず、
    前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在しないと判定された場合は、現フレームの前記音声雑音混在信号をそのまま出力し、
    さらに音声平均スペクトルを計算し、
    前記音声区間判定ステップにおいて前記音声雑音混在信号が音声区間であると判定され、かつ、突発性雑音判定ステップにおいて現フレームに突発性雑音が存在すると判定された場合は、出力信号のパワースペクトルが前記音声平均スペクトルとなるよう現フレームの前記音声雑音混在信号のパワースペクトルを抑圧する
    複数雑音低減ステップをさらに有する
    ことを特徴とする雑音低減方法。
  6. 前記複数雑音低減ステップにおける前記音声平均スペクトルは、
    前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求め、前記平均値と所定の音声平均パワースペクトルとの平均とする
    ことを特徴とする請求項5に記載の雑音低減方法。
  7. 目的となる音声信号と不要な雑音信号の混在する音声雑音混在信号に対して、
    信号の周期性を表す特徴量と信号の周波数帯域の高域の変動を表す特徴量を計算する複数特徴量計算部と、
    前記音声雑音混在信号が音声区間であるか非音声区間であるかを判定する音声区間判定部と、
    前記音声区間判定部により、前記音声雑音混在信号が音声区間であると判別された場合のうち、前記信号の周期性を表す特徴量と所定の第2の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の周期性が小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量と所定の第3の閾値との比較により前記音声雑音混在信号の前記変動が大きい音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の音声区間は前記音声雑音混在信号中に突発性雑音が存在しないと判定する突発性雑音判定部とを有する
    ことを特徴とする音声雑音判別装置。
  8. 前記複数特徴量計算部は、
    前記音声雑音混在信号のケプストラムのピーク値を求めて前記信号の周期性を表す特徴量を計算するケプストラム計算部と、
    前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求めて該組の代表値として、前記代表値に高域であるほど大きくなる重みを乗算したM個の値を要素とする特徴ベクトルを生成し、現フレームと直前フレームの前記特徴ベクトルとの相関値の逆数を求めて前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量を計算する周波数特性計算部と、
    前記信号の周期性を表す特徴量が所定の第2の閾値より小さく、かつ、前記周波数帯域の高域の変動を表す特徴量が第3の閾値より大きい場合に、現フレームに突発性雑音が存在すると判定し、前記以外の場合であれば現フレームに突発性雑音が存在しないと判定する突発性雑音判定部と
    を具備することを特徴とする請求項7に記載の音声雑音判別装置。
  9. 前記複数特徴量計算部は、前記音声雑音混在信号のパワーレベルを求めるパワー計算部をさらに有し、
    前記音声区間判定部は、前記パワーレベルが第4の閾値より大きい期間が第5の閾値より短い期間である場合に、前記音声雑音混在信号を無音であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算部による値が所定の第5の閾値より大きい場合に、前記音声雑音混在信号を音声区間であると判定し、前記以外の場合のうち前記ケプストラム計算部による値が所定の第5の閾値より小さい場合に、前記音声雑音混在信号を非音声区間であると判定する音声区間判定部と
    をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の音声雑音判別装置。
  10. 請求項8または9に記載される音声雑音判別装置の全ての処理部を有し、
    前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が非音声区間であるとする判定信号が出力された場合は、信号抑圧ゲインを0、繰り返し回数を0とし、
    前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在しないとする判定信号が出力された場合は、信号抑圧ゲインを1、繰り返し回数を0とし、
    前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在するとする判定信号が出力された場合は、信号抑圧ゲインを1、繰り返し回数を所定値Rする低減変数計算部と、
    前記低減変数計算部で出力された信号抑圧ゲインを現フレームの前記音声雑音混在信号に乗算する信号抑圧部と、
    前記低減変数計算部で出力された繰り返し回数だけ現フレームの直前のフレームの音声の周期波形を、現フレームの突発性雑音が存在すると判定された位置に繰り返し挿入する周期波形挿入部をさらに有する
    ことを特徴とする雑音低減装置。
  11. 請求項8または9に記載される音声雑音判別装置の全ての処理部を有し、
    前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が非音声区間であるとする判定信号が出力された場合は、第1の判定フラグを帯域別抑圧部に転送すると共に信号抑圧ゲインを0とし、
    前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在しないとする判定信号が出力された場合は、第2の判定フラグを帯域別抑圧部に転送すると共に信号抑圧ゲインを1とし、
    前記音声区間判定部において前記音声雑音混在信号が音声区間であるとする判定信号が出力され、かつ、突発性雑音判定部において現フレームに突発性雑音が存在するとする判定信号が出力された場合は、第3の判定フラグを前記帯域別抑圧部に転送すると共に信号抑圧ゲインを1とする低減変数計算部と、
    前記低減変数計算部で出力された信号抑圧ゲインを現フレームの前記音声雑音混在信号に乗算して出力する信号抑圧部と、
    第1の判定フラグを受信した場合は何もせず、第2の判定フラグを受信した場合は音声平均パワースペクトルを計算して記憶し、第3の判定フラグを受信した場合は現フレームの前記音声雑音混在信号を前記記憶している音声平均パワースペクトルまで低減して出力する帯域別抑圧部とをさらに有する
    ことを特徴とする雑音低減装置。
  12. 前記複数雑音低減部における前記音声平均スペクトルは、
    前記音声雑音混在信号をフレーム分割し、フレーム毎に周波数帯域のパワースペクトルを求め、個々のパワースペクトルを複数まとめて所定のM個の組を成し、各組毎に前記個々のパワースペクトルから平均値を求め、前記平均値と所定の音声平均パワースペクトルとの平均とする
    ことを特徴とする請求項11に記載の雑音低減装置。
  13. 請求項7乃至9のいずれかに記載の音声雑音判別装置としてコンピュータを機能させるプログラム。
  14. 請求項10乃至12のいずれかに記載の雑音低減装置としてコンピュータを機能させるプログラム。
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