JP4454892B2 - 車両衝突試験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突試験をより精度よく実施するのに好適な車両衝突試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の衝突試験を実施するには、実際の車両をバリア(固定壁)に衝突させる実車試験が一般的に行われる。
このような試験を行う車両衝突試験装置としては、例えば、特開平8−145839号公報「車両衝突試験装置における連結ワイヤーの外れ止め装置」が知られている。
【0003】
同公報の図1及び図2には、衝突バリア11(符号は公報に記載されているものを使用した。以下同様。)の手前の走行路に溝部1を設け、この溝部1にガイドレール2を敷設し、このガイドレール2にテスト車両Vを衝突バリア11へ誘導するためのスケーターSを移動可能に取付けるとともに、ガイドレール2に、牽引用ワイヤロープWaに取付けるとともにスケーターSに連結したスケーター26を移動可能に取付け、ガイドレール2の衝突バリア11側の端部に、スケーターS,26を衝突させるためのストライカー35を取付けた車両衝突試験装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術では、スケーターS、スケーター26及びストライカー35は、どれも床面より上方に突出している。
例えば、衝突バリア11をテスト車両Vの進行方向に対して左右にオフセットさせて衝突させるオフセット衝突試験では、基準のオフセット量に対するテスト車両Vのオフセット誤差を小さくするために衝突バリア11にテスト車両VをスケーターSでできるだけ近づけて衝突させる必要があり、衝突直後にテスト車両Vが上記したスケーターS、スケーター26又はストライカー35に当たったり、テスト車両Vの走行路の溝部1の幅が大きいために、衝突後にテスト車両Vの車輪が溝部1に嵌まって、衝突試験が精度よく実施されず、再試験などの手間を要していた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、車両衝突試験装置を改良することで、衝突試験をより精度よく実施することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、試験車をけん引手段を用いてバリアの近傍までけん引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験車をけん引手段から切り離し、このけん引手段を制動手段で停止させるようにした車両衝突試験装置において、けん引手段と、このけん引手段をバリアに導くガイドレールと、制動手段とを、試験車が走行する走行路面よりも下方に配置し、試験車をけん引するためにけん引手段に取付けた試験車連結用フックの幅をガイドレールの幅よりも小さくするとともに試験車連結用フックを走行路面より上方に突出させ、試験車連結用フックをけん引手段にスイング可能に取付け、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときに試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すフック傾倒手段を制動手段に設けたことを特徴とする。
【0007】
けん引手段、ガイドレール及び制動手段を走行路面よりも下方に配置し、試験車連結用フックを走行路面より上方に突出させたことで、走行路面上には必要最小限の試験車連結用フックしか突出せず、試験車の走行を阻害することがない。従って、試験車の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0008】
また、フック傾倒手段を制動手段に設けたことで、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときは、フック傾倒手段で試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すことができ、試験車がバリアに衝突するとき及び衝突した後に走行路面から突出するものが全くなくなるため、試験車の走行を阻害することがなく、試験車の衝突試験をより一層精度よく実施することができる。
【0009】
請求項2は、けん引手段を、ガイドレールに走行自在に取付けた主けん引部と、この主けん引部に取付けた試験車連結用フックと、主けん引部の走行方向に一定距離移動可能に取付けたスライド部材と、このスライド部を高位置に保持すべく主けん引部に内蔵したスライド部材保持部とから構成し、このスライド部材保持部に載った状態のスライド部材と試験車連結用フックとで、バリア側に送るようにしたけん引ワイヤを挟み、制動手段を、前進中のスライド部材を止めてスライド部材保持部から脱落させるためのストッパと、このストッパ作動後に試験車連結用フックを走行路面下方へ倒すフック傾倒手段とから構成した。
【0010】
主けん引部、スライド部材、けん引ワイヤ、ストッパ、フック傾倒手段は走行路面下に配置し、試験車連結用フックは走行路面上から走行路面下へ傾けるようにしたことで、試験車がバリアに衝突する前から衝突した後にかけて試験車連結用フックに当たるのを防止することができる。従って、試験車の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0011】
また、試験車を走行させる走行路にフックを移動させるために設ける隙間を小さくすることができ、衝突した試験車の車輪が隙間に嵌まることを防止することができ、より一層精度よく衝突試験の実施が可能になる。
【0012】
請求項3は、走行路面に、けん引手段、ガイドレール及び制動手段を収納する凹部を形成し、この凹部の上部開口部のうち、少なくとも試験車連結用フックが移動する部分を除いて着脱可能なカバーで塞いだことを特徴とする。
【0013】
カバーを外すことにより、凹部内のけん引手段、ガイドレール及び制動手段のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0014】
請求項4は、試験車をけん引手段を用いてバリアの近傍までけん引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験車をけん引手段から切り離し、このけん引手段を制動手段で停止させるようにした車両衝突試験装置において、けん引手段と、このけん引手段をバリアに導くガイドレールと、制動手段とを、試験車が走行する走行路面よりも下方に配置し、試験車連結用フックをけん引手段にスイング可能に取付け、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときに試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すフック傾倒手段を制動手段に設けたことを特徴とする。
【0015】
けん引手段、ガイドレール及び制動手段を走行路面よりも下方に配置したことで、試験車の走行を阻害することがない。従って、試験車の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0016】
また、フック傾倒手段を制動手段に設けたことで、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときは、フック傾倒手段で試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すことができ、試験車がバリアに衝突するとき及び衝突した後に走行路面から突出するものが全くなくなるため、試験車の走行を阻害することがなく、試験車の衝突試験をより一層精度よく実施することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両衝突試験装置の側面図であり、車両衝突試験装置10は、試験車としての車両11が走行する走行路12と、この走行路12の端に設けたバリア13と、走行路12の走行路面12aに設けた凹部15と、車両11をけん引するために凹部15内に移動可能に設けたけん引手段としてのけん引装置16と、車両11の直進性を高める目的で車両11に後方への引張力を与えるために凹部15内に移動可能に設けた引張装置17と、これらのけん引装置16及び引張装置17を停止させるためにバリア13のほぼ下方の凹部15内に設けた制動手段としての制動装置18と、けん引装置16及び引張装置17をバリア13側に移動させるために図示せぬケーブル送り装置でバリア13側に送るようにしたけん引ワイヤとしてのケーブル21とからなる。なお、22は車両11とけん引装置16とを連結する前部連結ワイヤ、23は車両11と引張装置17とを連結する後部連結ワイヤ、24はバリア13を固定する前壁である。
【0018】
図2は本発明に係る車両衝突試験装置の平面図であり、バリア13を、車両11の最大幅W1(ドアミラーは除く)に対して所定割合のオーバラップ量W2だけ運転席側(この場合は車両11の右側)からオーバラップさせて衝突させるオフセット衝突の条件を設定した状態を示す。なお、前部連結ワイヤ22は車両11の前部の2ヶ所からけん引装置16に連結し、後部連結ワイヤ23は車両11の後部の1ヶ所から引張装置17に連結する。
【0019】
図3は本発明に係るけん引装置の側面図であり、けん引装置16は、走行路面12aの下方に設けたガイドレール26,26(奥側のガイドレール26は不図示)と、これらのガイドレール26,26に各ホイール27,27を介して走行自在に取付けた主けん引部28と、この主けん引部28にスイング可能に取付けるとともに前部連結ワイヤ22に掛ける試験車連結用フックとしてのフック31と、主けん引部28の走行方向に一定距離移動可能に取付けたスライド部材32と、このスライド部材32を高位置に保持すべく主けん引部28に設けたスライド部材保持部33,33とからなる。なお、11aは車両11側の前部フック、36はケーブル21に当てるためにフック31の下部に設けた当て板、37はフック31の時計回りの回転を規制するストッパ片、38は凹部15の底板、41は土台である。
ケーブル21は、スライド部材保持部33,33に載った状態のスライド部材32とフック31とで中間部材34を介して挟まれる。
【0020】
フック31は、主けん引部28に取付けた支軸42を中心にスイングする部材である。
スライド部材32は、板状の部材の上面に中間部材34に当てたローラ43,43を取付け、下面にスライド部材保持部33,33に当てたローラ44,44を設けたものである。なお、34a,34bはローラ43,43に当てるために中間部材34に設けたローラ当て部である。
【0021】
図4は図3の4−4線断面図であり、凹部15の底板38に断面コ字状のガイドレール26,26をナット46…(…は複数個を示す。以下同様。)及びボルト47…で取付け、これらのガイドレール26,26にホイール27,27を介して主けん引部28を吊り下げた状態を示す。
主けん引部28は、断面コ字状の本体48の両側に補強板51,51を取付け、これらの補強板51,51にホイール27,27をそれぞれ回転可能に取付けた部材である。
【0022】
図中14,14は、凹部15の上部開口部を塞ぐために走行路面12aにボルト14a…(…は複数個を示す。以下同様。)で着脱可能に取付けたカバーであり、凹部15の両端部側からそれぞれフック31側に張り出すように且つ紙面の表裏方向に複数に分割して配置した部材である。
【0023】
フック31の幅WHは、ガイドレール26,26の幅WRよりも小さくしたものであり、カバー14,14間に形成したスリット52の幅WSは、フック31の幅WHよりわずかに大きくするとともに車両11のタイヤ幅よりも小さくしたものである。
【0024】
図5は本発明に係る制動装置の断面図であり、制動装置18は、けん引装置16(図3参照)のスライド部材32(図3参照)を衝突させるストッパとしてのマス54と、このマス54を押し出す方向に弾性力を発生させるスプリング55と、これらのマス54及びスプリング55を収納するケース56と、このケース56の上部にけん引装置16のフック31(図3参照)を倒すために設けたフック傾倒手段としてのフック傾倒用バー57とからなる。
【0025】
図6は本発明に係る引張装置の側面図であり、引張装置17は、ガイドレール26,26(一方のガイドレール26は不図示)に各ホイール27,27を介して走行自在に取付けた主引張部61と、この主引張部61にスイング可能に取付けるとともに後部連結ワイヤ23に掛けるフック62と、主引張部61の走行方向に一定距離移動可能に取付けたスライド部材32と、このスライド部材32を高位置に保持すべく主引張部62に設けたスライド部材保持部63,63とからなる。なお、11bは車両11側の後部フック、65はフック62の反時計回りの回転を規制するストッパ片である。
フック62は、主引張部61に取付けた支軸67を中心にスイングする部材である。
【0026】
以上に述べた車両衝突試験装置の作用を次に説明する。
図7(a)〜(d)は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第1作用図であり、車両が停止した状態から衝突するまでの過程を順に説明する。
(a)は車両が停止した状態を示す。車両11は、けん引装置16及び引張装置17に連結されていない。
【0027】
(b)はケーブル21のバリア13側への送りを開始し、けん引装置16で車両11をけん引するとともに引張装置17で車両11に後方への引張力を作用させた状態を示す。
【0028】
(c)は車両11がバリア13へ衝突する直前に、バリア13から所定距離手前の位置でけん引装置16を制動装置18に当て始め、けん引装置16の制動を開始するとともにけん引装置16から車両11を切り離す状態を示す。
【0029】
(d)は車両11がバリア13に衝突した際に、制動装置18にてけん引装置16の制動を継続するとともに、けん引装置16に引張装置17を当てて引張装置17を制動する状態を示す。
【0030】
図8(a),(b)は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第2作用図であり、(a)は図7(a)に示したけん引装置16及び引張装置17の拡大図、(b)は図7(b)に示したけん引装置16及び引張装置17の拡大図である。
(a)において、けん引装置16のフック31は前部連結ワイヤ22から外れた状態にあり、引張装置17のフック62は後部連結ワイヤ23から外れた状態にある。
【0031】
(b)において、ケーブル21が前方に送られると、ケーブル21の自重によってケーブル21と中間部材34,34とに摩擦力が発生する。この時、引張装置17側の中間部材34をけん引装置16側の中間部材34よりも低くしておけば、ケーブル21と引張装置17側の中間部材34との摩擦力を小さくすることができ、引張装置17のバリア13側への進行速度をけん引装置16のバリア13側への進行速度よりも遅くすることができる。
【0032】
従って、けん引装置16が進行することで、フック31を前部連結ワイヤ22に掛けることができ、この結果、けん引装置16で車両11(図7(b)参照)を引き、更に、車両11を引くことで、後部連結ワイヤ23をフック62に掛けることができ、引張装置17によって車両11に後方への引張力を与えることができる。
【0033】
図9(a),(b)は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第3作用図であり、(a)は図7(c)に示したけん引装置16の拡大図、(b)は図7(d)に示したけん引装置16の拡大図である。
(a)において、けん引装置16のスライド部材32の先端が、制動装置18のマス54に当たると、マス54は白抜き矢印の向きにスプリング55の弾性力に抗して移動し、制動装置18はけん引装置16の衝突時の衝撃を緩和する。
これとともに、スライド部材32はスライド部材保持部33,33から矢印の向きに落下し始める。
【0034】
この結果、スライド部材32のローラ43,43に載っていた中間部材34がケーブル21とともに下降し始める。
更に、制動装置18のストッパ用バー57がフック31の前部に当たるため、上記したケーブル21の下降も手伝って、フック31は支軸42を中心にして矢印の向きに倒れ始める。
このようにして、前部連結ワイヤ22からフック31が外れ始める。
【0035】
(b)において、更に、けん引装置16が移動すると、スライド部材32の先端はマス54を更に前方へ移動させるとともにスライド部材32は落下し、これに伴って、中間部材34及びケーブル21は更に下降し、また、フック傾倒用バー57はフック31を更に押し倒すため、フック31は車両が衝突する直前に走行路面12aの下に隠れ、衝突時及び衝突後もフック31はその状態を継続する。
【0036】
図10は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第4作用図であり、図7(d)に示した引張装置17の拡大図である。
車両が衝突する直前からそれ以降では、引張装置17のスライド部材32がけん引装置16の後部に衝突する。これによって、スライド部材32はスライド部材保持部63,63から落下するため、これに伴って中間部材34及びケーブル21が落下する。この結果、フック62の下方にフック62の回転を規制するものがなくなり、衝突時の慣性力がフック62に作用して、フック62は支軸67を中心にして矢印の向きに倒れ、走行路面12aの下に隠れる。
【0037】
図11は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第5作用図であり、車両11がバリア13に衝突した直後にバリア13に跳ね返されて斜めに後退した状態を示す。この時、走行路面12aにはフック31,62が突出しないため、衝突直後に車両11に当たることがない。また、スリット52の幅を小さくしたため、車輪11d…がスリット52に嵌まることがない。
【0038】
以上の図1、図3、図4及び図5で説明したように、本発明は第1に、車両11をけん引装置16を用いてバリア13の近傍までけん引し、バリア13から所定距離手前の位置で車両11をけん引装置16から切り離し、このけん引装置16を制動装置18で停止させるようにした車両衝突試験装置10において、けん引装置16と、このけん引装置16をバリア13に導くガイドレール26と、制動装置18とを、車両11が走行する走行路面12aよりも下方に配置し、車両11をけん引するためにけん引装置16に取付けたフック31の幅WHをガイドレール26,26の幅WRよりも小さくするとともにフック31を走行路面12aより上方に突出させたことを特徴とする。
【0039】
けん引装置16、ガイドレール26,26及び制動装置18を走行路面12aよりも下方に配置し、フック31を走行路面12aより上方に突出させたことで、走行路面12a上には必要最小限のフック31しか突出せず、車両11の走行を阻害することがない。従って、車両11の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0040】
本発明は第2に、フック31をけん引装置16にスイング可能に取付け、けん引装置16がバリア13から所定距離手前の位置に達したときにフック31を走行路面12aより下方に倒すフック傾倒用バー57を制動装置18に設けたことを特徴とする。
【0041】
フック傾倒用バー57を制動装置18に設けたことで、けん引装置16がバリア13から所定距離手前の位置に達したときは、フック傾倒用バー57でフック31を走行路面12aより下方に倒すことができ、車両11がバリア13に衝突するとき及び衝突した後に走行路面12aから突出するものが全くなくなるため、車両11の走行を阻害することがなく、車両11の衝突試験をより一層精度よく実施することができる。
【0042】
本発明は第3に、けん引装置16を、ガイドレール26に走行自在に取付けた主けん引部28と、この主けん引部28に取付けたフック31と、主けん引部28の走行方向に一定距離移動可能に取付けたスライド部材32と、このスライド部32を高位置に保持すべく主けん引部28に内蔵したスライド部材保持部33とから構成し、このスライド部材保持部33に載った状態のスライド部材32とフック31とで、バリア13側に送るようにしたケーブル21を挟み、制動装置18を、前進中のスライド部材32を止めてスライド部材保持部33から脱落させるためのマス54と、このマス54の作動後にフック31を床面14下方へ倒すフック傾倒用バー57とから構成した。
【0043】
主けん引部28、スライド部材32、ケーブル21、マス54、フック傾倒用バー57は床面14下方に配置し、フック31は床面14上から床面14下方へ傾けるようにしたことで、車両11がバリア13に衝突する前から衝突した後にかけてフック31に当たるのを防止することができる。従って、車両11の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0044】
また、車両11を走行させる走行路12の床面14にフック31を移動させるために設けるスリット52を小さくすることができ、衝突前から衝突後の車両11の車輪11d(図11参照)がスリット52に嵌まることを防止することができ、より一層精度よく衝突試験の実施が可能になる。
【0045】
本発明は第4に、走行路面12aに、けん引装置16、ガイドレール26,26及び制動装置18を収納する凹部15を形成し、この凹部15の上部開口部のうち、少なくともフック31が移動する部分を除いて着脱可能なカバー14で塞いだことを特徴とする。
【0046】
カバー14を着脱可能にしたことで、カバー14を外すことにより、凹部15内のけん引装置16、ガイドレール26,26及び制動装置18のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両衝突試験装置は、けん引手段と、このけん引手段をバリアに導くガイドレールと、制動手段とを、試験車が走行する走行路面よりも下方に配置し、試験車をけん引するためにけん引手段に取付けた試験車連結用フックの幅をガイドレールの幅よりも小さくするとともに試験車連結用フックを走行路面より上方に突出させたので、走行路面上には必要最小限の試験車連結用フックしか突出せず、試験車の走行を阻害することがない。従って、試験車の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0048】
また、試験車連結用フックをけん引手段にスイング可能に取付け、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときに試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すフック傾倒手段を制動手段に設けたので、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときは、フック傾倒手段で試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すことができ、試験車がバリアに衝突するとき及び衝突した後に走行路面から突出するものが全くなくなるため、試験車の走行を阻害することがなく、試験車の衝突試験をより一層精度よく実施することができる。
【0049】
請求項2の車両衝突試験装置は、けん引手段を、ガイドレールに走行自在に取付けた主けん引部と、この主けん引部に取付けた試験車連結用フックと、主けん引部の走行方向に一定距離移動可能に取付けたスライド部材と、このスライド部を高位置に保持すべく主けん引部に内蔵したスライド部材保持部とから構成し、このスライド部材保持部に載った状態のスライド部材と試験車連結用フックとで、バリア側に送るようにしたけん引ワイヤを挟み、制動手段を、前進中のスライド部材を止めてスライド部材保持部から脱落させるためのストッパと、このストッパ作動後に試験車連結用フックを走行路面下方へ倒すフック傾倒手段とから構成したので、試験車がバリアに衝突する直前から衝突した後にかけて試験車連結用フックに当たるのを防止することができる。従って、試験車の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0050】
また、試験車を走行させる走行路に試験車連結用フックを移動させるために設ける隙間を小さくすることができ、衝突した試験車の車輪が隙間に嵌まることを防止することができ、より一層精度よく衝突試験の実施が可能になる。
【0051】
請求項3の車両衝突試験装置は、走行路面に、けん引手段、ガイドレール及び制動手段を収納する凹部を形成し、この凹部の上部開口部のうち、少なくとも試験車連結用フックが移動する部分を除いて着脱可能なカバーで塞いだので、カバーを外すことにより、凹部内のけん引手段、ガイドレール及び制動手段のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0052】
請求項4の車両衝突試験装置は、けん引手段と、このけん引手段をバリアに導くガイドレールと、制動手段とを、試験車が走行する走行路面よりも下方に配置したので、試験車の走行を阻害することがない。従って、試験車の衝突試験をより精度よく実施することができる。
【0053】
また、試験車連結用フックをけん引手段にスイング可能に取付け、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときに試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すフック傾倒手段を制動手段に設けたので、けん引手段がバリアから所定距離手前の位置に達したときは、フック傾倒手段で試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すことができ、試験車がバリアに衝突するとき及び衝突した後に走行路面から突出するものが全くなくなるため、試験車の走行を阻害することがなく、試験車の衝突試験をより一層精度よく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両衝突試験装置の側面図
【図2】 本発明に係る車両衝突試験装置の平面図
【図3】 本発明に係るけん引装置の側面図
【図4】 図3の4−4線断面図
【図5】 本発明に係る制動装置の断面図
【図6】 本発明に係る引張装置の側面図
【図7】 本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第1作用図
【図8】 本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第2作用図
【図9】 本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第3作用図
【図10】 本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第4作用図
【図11】 本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第5作用図
【符号の説明】
10…車両衝突試験装置、11…試験車(車両)、12a…走行路面、13…バリア、14…カバー、15…凹部、16…けん引手段(けん引装置)、18…制動手段(制動装置)、21…けん引ワイヤ(ケーブル)、26…ガイドレール、28…主けん引部、31…試験車連結用フック、32…スライド部材、33…スライド部材保持部、54…ストッパ(マス)、57…フック傾倒手段(フック傾倒用バー)、WH…試験車連結用フックの幅、WR…ガイドレールの幅。
Claims (4)
- 試験車をけん引手段を用いてバリアの近傍までけん引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験車をけん引手段から切り離し、このけん引手段を制動手段で停止させるようにした車両衝突試験装置において、
前記けん引手段と、このけん引手段を前記バリアに導くガイドレールと、前記制動手段とを、前記試験車が走行する走行路面よりも下方に配置し、試験車をけん引するために前記けん引手段に取付けた試験車連結用フックの幅を前記ガイドレールの幅よりも小さくするとともに前記試験車連結用フックを前記走行路面より上方に突出させ、
前記試験車連結用フックを前記けん引手段にスイング可能に取付け、けん引手段が前記バリアから所定距離手前の位置に達したときに試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すフック傾倒手段を前記制動手段に設けたことを特徴とする車両衝突試験装置。 - 前記けん引手段は、前記ガイドレールに走行自在に取付けた主けん引部と、この主けん引部に取付けた前記試験車連結用フックと、主けん引部の走行方向に一定距離移動可能に取付けたスライド部材と、このスライド部を高位置に保持すべく前記主けん引部に内蔵したスライド部材保持部とからなり、このスライド部材保持部に載った状態のスライド部材と前記試験車連結用フックとで、前記バリア側に送るようにしたけん引ワイヤを挟み、前記制動手段は、前進中のスライド部材を止めてスライド部材保持部から脱落させるためのストッパと、このストッパ作動後に前記試験車連結用フックを走行路面下方へ倒す前記フック傾倒手段とからなる請求項1記載の車両衝突試験装置。
- 前記走行路面に、前記けん引手段、前記ガイドレール及び前記制動手段を収納する凹部を形成し、この凹部の上部開口部のうち、少なくとも前記試験車連結用フックが移動する部分を除いて着脱可能なカバーで塞いだことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両衝突試験装置。
- 試験車をけん引手段を用いてバリアの近傍までけん引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験車をけん引手段から切り離し、このけん引手段を制動手段で停止させるようにした車両衝突試験装置において、
前記けん引手段と、このけん引手段を前記バリアに導くガイドレールと、前記制動手段とを、前記試験車が走行する走行路面よりも下方に配置し、
前記試験車連結用フックを前記けん引手段にスイング可能に取付け、けん引手段が前記バリアから所定距離手前の位置に達したときに試験車連結用フックを走行路面より下方に倒すフック傾倒手段を前記制動手段に設けたことを特徴とする車両衝突試験装置。
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