JP4453193B2 - 透析用補充製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願発明は、とくに、慢性***患者の定期的血液透析療法等に使用される、L−カルニチンまたはその塩類を有効成分とする透析用補充製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液透析は、血液透析療法の中で最も普及しており、***、薬物中毒に適用されている。
この血液透析は、最も実績があり、小分子量物質、水の除去能や電解質、酸塩基平衡異常の是正能が優れており、除去能や透析効率を上げることは、透析器、血液流量、透析液流量と透析時間等の透析条件を変更することによりある程度可能である。
操作が簡便で画一的であるため、多人数同時透析が容易であり、かつ治療効果がある程度予測できるという優れた点がある。
また、血液透析療法として血液透析濾過があり、この血液透析療法は、血液透析を行いながら血液濾過を同時に行う方法であり、***、薬物中毒に適用されている。
この血液透析濾過は、通常1回の治療で10L以上の血液濾過を行い、補充液を補って小分子物質から中・高分子物質までの物質除去効率を上昇させることが可能であるという優れた点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
生体内では、L−カルニチンは腎臓等で合成される。
したがって、慢性腎不全患者は、腎臓での合成ができなくなるため、必然的に体外より摂取することが必要になる。
また、L−カルニチンは水溶性で、分子量が162ダルトンと小さいアミンで、透析性があるため、血液透析によって血液中のL−カルニチン濃度の約60%が低下する。
ところで、L−カルニチンは、エネルギー代謝に重要な脂肪酸、特に長鎖脂肪酸のβ酸化に関係している物質であり、脂肪酸のミトコンドリア内膜への輸送に関与している物質である。
細胞質内の脂肪酸は、ミトコンドリアの外膜、内膜を経てマトリックス内へ輸送され、マトリックス内でβ酸化が行われ、エネルギーが産生されるが、この輸送機構においては、内膜が律速段階になっている。
この内膜において、脂肪酸をマトリックスへ輸送する役目を果たしているのがL−カルニチンであり、不足すると脂肪酸のマトリックス内への輸送が低下することにより、脂肪酸のエネルギー代謝が低下すること等になる。
透析患者の体重を50kg、透析前総L−カルニチン濃度を60μmol/Lとして試算すると、血液量は約4L、(Htを35%とすると)血漿は2.6Lであるから、循環している血漿中には、わずか60μmol/L×2.6L=156μmolが存在しているに過ぎない。透析前後のL−カルニチン濃度差から求められる流出量は93.6μmolであるのに、透析排液中にL−カルニチンは、1回の透析で平均900μmol漏出している。
すなわち、血漿中だけでなく大量にプールされている骨格筋・組織等からの漏出による。
また、透析前から透析終了直後、および次回の透析開始までの血漿中L−カルニチン濃度の堆移を検討した結果、終了直後に顕著に低下しているが、その後、筋・組織からの急激な洗い出しおよび食事による補充により回復している。
この出願発明は、慢性腎不全維持血液透析患者において、血液透析中にL−カルニチン補充を持続的に行うことにより脂肪酸エネルギー代謝等を改善することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この出願発明は、L−カルニチンを有効成分とする透析用補充製剤であって、1回の、4時間の透析中に、L−カルニチンまたはその塩を、L−カルニチンとして40〜300mgを血液中に持続投与するよう調製されていることを特徴とする透析用補充製剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
この出願発明のL−カルニチンは、L−カルニチンの投与量が40〜300mgを血液中に持続投与するように調製されている透析用補充製剤であることがとくに好ましい。
【0006】
また、この出願発明の製剤が透析液であるときは、そのまま透析液として使用できる濃度であってもよいし、希釈後に透析液として使用されるような濃度であってもよい。
【0007】
透析中のL−カルニチン補充方法は、透析実施中に透析回路内、好ましくは静脈側へのL−カルニチンの持続注入あるいは補充液中にL−カルニチンを添加するものであり、投与量は、透析中に漏出するL−カルニチン量に見合う量が最適であり、一回あたり40〜300mg(約250〜1850μmol)のL−カルニチンおよび/またはその塩を透析施行中に投与するものであり、100〜150mgがとくに好ましい。
このようにしてL−カルニチンを補充することにより、透析施行中にも生じている細胞の崩壊を伴うL−カルニチンの漏出を防ぐことができる。
また、透析液中にL−カルニチンを添加することによっても、透析中に持続注入と同様の効果が期待できる。
濃度としては血漿中濃度に近い50〜100μモル/Lが好ましい。
【0008】
透析用補充製剤は、予め血液透析液および血液透析濾過補充液に、L−カルニチンが添加されていることがとくに好ましいが、血液透析液および血液透析濾過補充液に添加してもよい。
【0009】
L−カルニチンまたはその塩を1〜100μモル/Lの濃度で含有することがとくに好ましい。
【0010】
慢性***患者の透析に使用するための透析用補充製剤であることがとくに好ましい。
【0011】
L−カルニチンまたはその塩を、L−カルニチンとして1〜2500mgを血液中に持続投与および/または透析液から血液中に透析するように調製されている透析用補充製剤が、そのまま透析液として使用されることがとくに好ましい。
【0012】
ナトリウムイオン130〜150ミリ当量/L、カリウムイオン0〜3.5ミリ当量/L、カルシウムイオン0〜4ミリ当量/L、マグネシウムイオン0〜2ミリ当量/L、塩素イオン90〜120ミリ当量/L、有機酸としては、例えば、酢酸イオン0〜40ミリ当量/L、乳酸0〜40ミリ当量、クエン酸0〜40ミリ当量、グルコース0〜2g/L、HCOイオン25〜40ミリ当量/LおよびL−カルニチンまたはその塩1〜100μモル/Lとなるように調整された透析液を使用することがとくに好ましい。
【0013】
この出願発明の透析用補充製剤は、粉末もしくは固形であることが安定性の上からとくに好ましい。
【0014】
【実施例】
以下、この出願発明を実施例により具体的に説明するが、この出願発明は、実施例に限られるものではない。
実施例1
下記に示したA剤の各成分を適量の水に溶解し、塩酸でpHを4.7に調整し、30Lとした。この液を濾過した後、9Lずつ透析用プラスチック容器に充填し、A液とした。
また、炭酸水素ナトリウムを672gずつポリエチレン製袋に入れ、B剤とした。このB剤一包を水11.5Lに溶かして、B液とした。
次に、B液1容に対し水26容を加えて希釈し、この希釈液34容にA液1容を加えて、透析用灌流液とした。
30L中のA剤の各成分含量
塩化ナトリウム 6443g
塩化カリウム 157g
塩化カルシウム二水和物 230g
塩化マグネシウム六水和物 107g
酢酸ナトリウム 860g
ブドウ糖 1050g
L−カルニチン 8.5g
【0015】
実施例2
以下の組成からなるA−1剤とA−2剤及びB剤よりなる3剤組合せ製剤を作成した。
A−1剤
塩化ナトリウム 1961g
塩化カリウム 47g
塩化カルシウム二水和物 58g
塩化マグネシウム六水和物 32g
酢酸ナトリウム 233g
塩化L−カルニチン 3.11g
A−2剤
ブドウ糖 315g
B剤
炭酸水素ナトリウム 738g
このA−1剤1包とA−2剤1包を水に溶かして9Lの水溶液(A液)とした。なお、この際、pHを氷酢酸で4.7になるように調整した。
また、B剤一包を水11.5Lに溶かして、B液とした。
次に、B液1容に対し水26容を加えて希釈し、この希釈液34容にA液1容を加えて、透析用灌流液とした。
【0016】
実施例3
下記に示したA剤の各成分を適量の水に溶解し、塩酸でpHを4.7に調整し、30Lとした。この液をろ過した後、9Lずつ透析用プラスチック容器に充填し、A液とした。
また、炭酸水素ナトリウムを672gずつポリエチレン製袋に入れ、B剤とした。このB剤一包を水11.5Lに溶かして、B液とした。
次に、B液1容に対し水26容を加えて希釈し、この希釈液34容にA液1容を加えて調製した。
さらに、この液に、L−カルニチン2.5gを添加し、血液透析用灌流液を調製した。
30L中のA剤の各成分含量
塩化ナトリウム 6443 g
塩化カリウム 157 g
塩化カルシウム二水和物 230 g
塩化マグネシウム六水和物 107 g
酢酸ナトリウム 860 g
ブドウ糖 1050 g
【0017】
実施例4
下記に示した各成分を適量の水に溶解し、50Lとした。この液を濾過した後、1Lずつプラスチック容器に充填し、密栓した後、高圧蒸気滅菌を行った。無色澄明で、安定な透析用補充製剤が得られた。
塩化ナトリウム 292.2 g
塩化カリウム 7.45 g
塩化カルシウム二水和物 13.95 g
塩化マグネシウム六水和物 7.6 g
L−乳酸ナトリウム 212.9 g
L−カルニチン 0.486g
【0018】
実施例5
下記に示した各成分を適量の水に溶解し、50Lとした。この液をろ過した後、1Lずつプラスチック容器に充填し、密栓した後、高圧蒸気滅菌を行った。
この製剤1L中に、L−カルニチン0.01gを添加し、ろ過型・透析ろ過型人工腎臓用補充液を調整した。
塩化ナトリウム 292.2 g
塩化カリウム 7.45 g
塩化カルシウム二水和物 13.95 g
塩化マグネシウム六水和物 7.6 g
L−乳酸ナトリウム 212.9 g
【0019】
【発明の効果】
この出願発明の透析用補充製剤により、L−カルニチンを透析中に持続注入および透析液中に添加することにより、注入されたL−カルニチンが生体中に存在するL−カルニチンの代わりに透析されるので、血漿中のL−カルニチンが透析排除されることを防ぐと同時に、骨格筋・組織からのL−カルニチンの流出も防ぐことができるという優れた効果がある。

Claims (7)

  1. L−カルニチンを有効成分とする透析用補充製剤であって、1回の、4時間の透析中に、L−カルニチンまたはその塩を、L−カルニチンとして40〜300mgを血液中に持続投与するよう調製されていることを特徴とする透析用補充製剤。
  2. 透析用補充製剤が水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の透析用補充製剤。
  3. 透析用補充製剤を血液透析濾過補充液中に添加することを特徴とする請求項1または2に記載の透析用補充製剤。
  4. L−カルニチンまたはその塩を1〜100μモル/Lの濃度で含有する請求項1〜3のいずれかに記載の透析用補充製剤。
  5. 慢性***患者の透析に使用するための透析用補充製剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透析用補充製剤。
  6. ナトリウムイオン130〜150ミリ当量/L、カリウムイオン0〜3.5ミリ当量/L、カルシウムイオン0〜4ミリ当量/L、マグネシウムイオン0〜2ミリ当量/L、塩素イオン90〜120ミリ当量/L、酢酸イオン0〜40ミリ当量/L、グルコース0〜2g/L、HCOイオン25〜40ミリ当量/LおよびL−カルニチンまたはその塩1〜100μモル/Lとなるように調整されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透析用補充製剤。
  7. 粉末状もしくは固形状であることを特徴とする請求項1に記載の透析用補充製剤。
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