JP4450497B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤに関し、内圧保持性を損なうことなく、タイヤの重量を軽減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤの内圧保持のために、空気バリア層としてのインナーライナーの主原料にブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどを使用している。しかしながら、これらを配合したゴム組成物では、その空気バリア性が低いために、インナーライナーの厚さが1mm前後必要であった。このようなインナーライナーを使用すると、内圧保持のためだけに数百グラム、タイヤ重量が増加し、タイヤ軽量化の妨げとなっている。
【0003】
ところで、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムよりも空気透過性の低い材質として、多くの熱可塑性樹脂がある。例えばナイロン等の空気透過性はブチルゴムやハロゲン化ブチルゴムに比べて10分の1以下である。しかし、ナイロンは弾性率が高いため、ナイロン製のインナーライナーはタイヤ転動時の変形に追従できず、割れ等を生じ、この割れ目から空気漏れが起こり、内圧を保持できない。
また、特開平2000−177307号公報においては、エチレン・ビニルアルコール共重合体よりなる空気不透過性層を設けたことを特徴とするチューブレスタイヤについての記載がある。しかし、このエチレン・ビニルアルコール共重合体は、融点が比較的低く180℃以下となってしまうものもあり、タイヤ加硫時に溶融し、均一な空気不透過性層を得られない場合がある。また、ポリビニルアルコールは湿度の影響を受けやすく、分子設計上の物性は充分であっても、加硫温度下での強力低下などを生じることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はインナーライナー等の内圧保持技術を改良して、タイヤの軽量化を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の空気入りタイヤは以下の構成とする。
すなわち、架橋されたポリビニルアルコールまたは架橋されたエチレン・ビニルアルコール共重合体よりなる空気不透過性層を具えてなることを特徴とする。
好ましくは、前記空気不透過性層の厚さが30μm以下である。また、前記空気不透過性層に隣接して空気透過係数1.0×10-9 cm3・cm / cm2・sec・ cmHg以下のエラストマーよりなる補助層をさらに具えることを特徴とする。好ましくは、前記空気不透過性層が前記補助層に接着されてなる。また、好ましくは、前記補助層の厚さが50〜500μmである。
【0006】
【発明の実施の形態】
空気透過性を低下させるためには、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体[エバール(エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン)から酢酸を除いて使用する]が非常に有効である。これらの(共)重合体の空気透過係数は、従来のブチル系ゴム組成物の100分の1以下であるため、内圧保持に必要な厚さは100分の1以下で足りる。
さらに、本発明で用いるポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体はポリマー分子を架橋させているため、加硫の熱がかかっても溶融することがなく、所望のタイヤ性能を確実に得ることができる。
なお、これらの(共)重合体以外にも、従来のブチル系ゴム組成物より空気透過係数の小さい樹脂は数多く存在するが、例えば空気透過性がブチル系ゴムの10分の1程度の場合、インナーライナーとして100μm前後の厚さが内圧維持のために必要となる。この厚さのフィルムは、タイヤ転動時の屈曲の変形により破断してしまう。また、タイヤ製造時にかかる伸長に追従し難い。
【0007】
これに対して、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体によるフィルムは、10μm程度の厚さで効果があるので、タイヤの転動時の屈曲変形による破断が生じ難くなる。この観点から空気不透過性層の厚さは30μm以下が好ましい。
ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体は、-OH基を有するので、隣接ゴム部材との接着を比較的容易に確保できる。例えば、タイヤに使用されている不飽和系ゴム組成物との接着を確保するには、塩化ゴム・イソシアネート系の接着剤を用いればよい。一方、PVDC(ポリビニリデンクロライド)も空気不透過性樹脂として知られ、内圧保持の必要厚さを薄くできるが、本発明の樹脂と比較すると接着性が劣る。
【0008】
このように、本発明の(共)重合体は、隣接部材との接着性が良いので、たとえ、フィルムが破断しても剥離し難く、内圧保持性が高い。
上記の空気不透過性層の他に、この空気不透過性層に隣接して、この層の反空気充填側または空気充填側に、空気透過係数1.0×10-9 cm3 ・cm / cm2 ・sec・ cmHg以下のエラストマーよりなる補助層をさらに具えると好ましい。この理由は、前記空気不透過性層にピンホールやクラック等が生じた場合に、この補助層により内圧を保持するためである。このとき、空気不透過性層が補助層に接着されているほうが、剥がれ難く、空気を包むほとんどの面に空気不透過性層がそのまま存在し、内圧保持機能を発揮し続けるので好ましい。その場合の補助層の厚さは、従来のブチル系ゴムのインナーライナーの厚さ1mm程度より薄くでき、充分な重量低減が可能である。好ましくは、前記補助層の厚さが50〜500μmである。これは、50μm未満では、製造が困難であることと、たとえ製造できたとしてもガスバリアの効果が小さく、また、500μmを超えると、タイヤの重量低減効果が得られないからである。
【0009】
エチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンとビニルアルコールとのモル比は特に制限されず、目的に応じて適宜設定することができる。エチレンを多くすることにより、よりタフなフィルムを得ることができ、ビニルアルコールを多くすることにより、フィルムの空気不透過性を高めることができる。
また、本発明の空気不透過性層を構成するポリビニルアルコールまたはエチレン・ビニルアルコール共重合体の架橋方法は、特に制限されないが、作製したフィルムに直接作用させ得る電子線照射法が好ましい。
【0010】
【実施例】
本発明を具体的に説明する。
空気不透過性層としてのインナーライナーを、ポリビニルアルコール(表1:PVA[(株)クラレ製、ビニロンフィルム、商標VF−A#2000])、エチレン・ビニルアルコール共重合体(表1:EVOH[(株)クラレ製、商標EF−F、融点183℃])、臭素化ブチルゴム(表1:Br−IIR、配合は表2に記載)、6−ナイロン(表1:PA6)を使用して、表1記載の厚さでそれぞれ形成し、実施例2および4にはさらに厚さ200μmの補助層(配合は表2に記載、空気透過係数2.0×10―9cm3 ・cm / cm2 ・sec・ cmHg)を設け、隣接部材との間を接着剤(東洋化学研究所製、メタロックR30M)で接着して乗用車用タイヤ(195/65R15)を試作した。
なお、実施例で使用した空気不透過性層はすべて電子線照射により架橋したものを使用し、その処理条件は加速電圧300kV、照射エネルギー20Mradであった。
【0011】
各タイヤについて、空気圧140kPaで80km/hの速度に相当する回転数のドラム上に荷重6kNで押し付けて、10,000km走行した後の内圧保持性を比較例1の値を100として指数表示し、その結果を表1に示す。また、これら各タイヤのインナーライナー外観を目視観察して、亀裂、剥離の状態を調べ、同じく表1に記載した。さらに、比較例1のタイヤ(従来タイヤ)とタイヤ重量を比較し、何%軽量化されたかをタイヤ軽量化率として表す。
【0012】
【表1】
Figure 0004450497
比較例3および比較例4は、架橋していないエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用した。タイヤ加硫後の観察により、フィルムの剥がれおよび/または穴あきが生じていたため、その後の測定を中止した。
【0013】
【表2】
Figure 0004450497
【0014】
補助層がなく、空気不透過性層が剥離しない場合、内圧保持性がやや低下するが、軽量効果は大きい。補助層を加えることにより、内圧保持性を確保することができ、かつ、タイヤ軽量化効果はまだ充分に得られる。補助層が空気不透過性層に隣接し、かつ、接着しているものが望ましいと言える。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、内圧を保持しつつ、タイヤの軽量化を図ることができる。

Claims (5)

  1. 架橋されたポリビニルアルコールまたは架橋されたエチレン・ビニルアルコール共重合体よりなる空気不透過性層を具えてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記空気不透過性層の厚さが30μm以下であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ
  3. 前記空気不透過性層に隣接して空気透過係数1.0×10-9 cm3 ・cm / cm2 ・sec・ cmHg以下のエラストマーよりなる補助層をさらに具えることを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記空気不透過性層が前記補助層に接着されてなることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補助層の厚さが50〜500μmであることを特徴とする請求項3または4に記載の空気入りタイヤ。
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