JP4449630B2 - 真空断熱材、及び真空断熱材を具備する冷蔵庫 - Google Patents

真空断熱材、及び真空断熱材を具備する冷蔵庫 Download PDF

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Description

本発明は、真空断熱材、及び真空断熱材を適用した冷蔵庫に関するものである。
近年、エネルギー問題や環境問題が緊急課題となってきており、エネルギーを有効利用するための施策が種々検討されている。
その一つとして、民生機器である冷蔵庫等の家電製品の省エネルギー化が注目されている。冷蔵庫の省エネルギー化を達成するには冷熱を有効利用することが必要であり、冷蔵庫筐体を構成する断熱箱体を高断熱化することが効率的である。
そのため、近年、断熱箱体には、断熱性能に優れた断熱材としてガラス繊維を芯材とする真空断熱材が適用されている。
真空断熱材の芯材は、芯材自身が微細空隙を有する多孔体であるためその比表面積が大きく吸湿性が高い。更に、芯材材料が親水性の場合は、より一層吸湿性が高くなる。そのため、ベーキングが実施できない場合、汎用の真空排気装置においては芯材表面に付着した表面吸着水を完全に除去することは容易ではない。
そこで、外被材中に粉末材料からなる芯材を充填し減圧密封した真空断熱体において、前記粉末材料が少なくとも硬質ウレタンフォーム粉末を有しており、これにウレタン粉末よりも大きい比表面積を持つ水分吸着剤をブレンドした真空断熱体がある。
この構成により、水分吸着剤をウレタンフォーム粉末中に均一に分散させることが可能となり、かつ効果的に水分を除去できることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、比表面積を大きくすることで吸着性能を向上させた真空断熱材用のゲッタとしては、気密容器内にウレタンフォームのコア材を挿入し内部を高真空にした後封止する真空断熱材に入れるゲッタが、平均粒径150μm以下であるアルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物のうちのいずれか1種以上からなるものがある。
このように、表面積を広くすることにより効率的に炭酸ガスを吸収できることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、真空断熱材中への経時的な水分侵入による断熱性能の劣化を抑制することを目的として、水分吸着剤を適用することが提案されている。
図4にその構成を示すが、プラスチックラミネートフィルム容器中51に断熱材52が充填され、真空に保持された真空断熱材において、断熱材に水分吸着物質53が添加含有された真空断熱材である。
この時、水分吸着物質は、シリカゲル、塩化カルシウム、生石灰、五酸化リン、ゼオライト、硫酸カルシウムが適用できることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−81511号公報 特開平11−106539号公報 特許第1498431号公報
しかしながら、上記従来の構成では、吸着剤の粒径を微細化することで比表面積を大きくしているため、吸着剤が微粉末となることからそれらの飛散により作業環境が悪化するという問題があった。
また、水分吸着剤を芯材とブレンドして使用する場合は、芯材へのブレンド時、或は芯材乾燥時等に水分吸着剤が大気中の水分と反応することから、真空断熱材の製造工程における水分吸着剤の劣化が大きく水分吸着剤の使用量を増大する必要があった。
また、ゼオライト、シリカゲル等の物理吸着剤は、水分吸着速度が速いため、大気中での放置時間が限られることから真空断熱材の製造工程における取り扱い性が低下するだけでなく、高温での賦活処理が必要となり真空断熱材製造時の工数が大幅に増大するなど多くの課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、微細化した水分吸着剤の飛散による作業環境の悪化、真空断熱材の製造工程における水分吸着剤の劣化、更には真空断熱材の製造時の工数を増大させることなく、高い水分除去性能を有する水分吸着剤を適用することで高性能な真空断熱材を提供するものである。
また、高性能な真空断熱材を提供できることから、優れた品質の冷蔵庫を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の真空断熱材は、芯材と、水分吸着剤と、前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリア性を有する外包材とからなり、内部を減圧密閉した真空断熱材であって、前記芯材はガラス短繊維のウェブの積層体からなり、前記水分吸着剤は平均粒径が1mm以上5mm未満で比表面積が10m2/g以上である酸化カルシウムを通気性を有する不織布に充填したものであって、前記酸化カルシウムは比表面積を10m 2 /g以上とするために少なくとも水酸化カルシウムを焙焼して形成したものを含むものである。
真空断熱材は、その内部圧力の低下と共に気体分子の平均自由工程が低減するため、内部静止気体の熱伝導率が低下し断熱性能が改善される。
一方、減圧密閉後、その芯材に残留した表面吸着水が減圧下にさらされることから、その一部が気化して真空断熱材内部の水蒸気分圧が増大する場合がある。
特に、ガラス繊維からなる芯材を適用した場合は、ガラス材料が親水性であること、かつ非晶質のシリカ粉体等と比較してガラス材料の表面エネルギーが小さいことから、表面吸着水の気化により内部の水蒸気分圧が高くなることがあった。
しかし、水分吸着剤を適用することで、この水蒸気分圧を低減することが可能となるため、真空断熱材の熱伝導率を改善することができる。
この時の平衡水蒸気圧は、使用する水分吸着剤によって変動し、アルカリ土類金属の酸化物の場合は、一般に、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムの順に平衡水蒸気圧が低下する。
また、水分吸着剤の比評面積を10m2/gより大きくすることで、一層、平衡水蒸気圧を低減できる。これは、水分の吸収は水分子が水分吸着剤の表面層に吸着することにより起こるため、その比表面積を大きくすることで効率的に水分を吸収することができる。
よって、水分吸着剤の比表面積を大きくすることにより、水分吸着剤への水分子の吸着頻度が増大するため真空断熱材内部における平衡水蒸気圧が低減する。その結果、真空断熱材の内圧が低下し熱伝導率を改善するというものである。
本発明の真空断熱材は、減圧密閉後、残留した表面吸着水に起因する水蒸気分圧をより効率的に低減させることが可能となるため、真空断熱材の内圧が低下することから真空断熱材の熱伝導率を改善できる。特に、少なくとも水酸化カルシウムを焙焼して形成したものを含むことにより比表面積10m2/g以上とした酸化カルシウムを適用することで、より一層平衡水蒸気圧を低下させることが可能となり熱伝導率が改善できる。
また、酸化カルシウムはアルカリ土類金属の酸化物であるが、アルカリ土類金属の酸化物は、水と反応して酸化物から水酸化物へ変化する化学吸着剤であるため吸収された水分が再放出されることなく、経時的にも安定した品質の真空断熱材が得られる。
また、水分吸着剤を微細化することなく比表面積を増大しているため、水分吸着剤の飛散による作業環境の悪化、製造工程における水分吸着剤の劣化が小さく、更にはゼオライトのような使用前の賦活処理の必要がないため取り扱い性にも優れていることから、真空断熱材の生産性を改善することができる。
請求項1に記載の発明は、芯材と、水分吸着剤と、前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリア性を有する外包材とからなり、内部を減圧密閉した真空断熱材であって、前記芯材はガラス短繊維のウェブの積層体からなり、前記水分吸着剤は平均粒径が1mm以上5mm未満で比表面積が10m2/g以上である酸化カルシウムを通気性を有する不織布に充填したものであって、前記酸化カルシウムは比表面積を10m 2 /g以上とするために少なくとも水酸化カルシウムを焙焼して形成したものを含む真空断熱材である。
真空断熱材に水分吸着剤を使用することで、真空断熱材の内圧のうち水蒸気分圧を低減することができる。その結果、真空断熱材の熱伝導率を低減することができる。
また、水分吸着剤の比評面積を10m2/gより大きくすることで、一層、平衡水蒸気圧を低減できる。これは、水分の吸収が水分吸着剤の表面層における水分子の吸着により起こるため、その比表面積を大きくすることで効率的に水分子を吸収することができる。
なお、種々検討した結果、水分吸着剤の比評面積を20m2/gより大きくすると、真空断熱材の熱伝導率が一層低減するためより好適である。
以上の結果より、真空断熱材の熱伝導率をより低減することが可能となる。
酸化カルシウムは、一般的、細孔とみなせる構造を有しておらず非多孔体と考えられている。よって、比表面積が粒子径に依存することから微細化する以外に比表面積を増大することは困難であった。
しかし、本発明の水分吸着剤は、メソ孔を中心とした細孔を有するため、比表面積は粒子径に依存しなく、更には、一層の比表面積の増大が可能となる。
以上の結果より、真空断熱材の熱伝導率をより低減することが可能となる。
平均粒径が1mm以上5mm未満の水分吸着剤は、取り扱い性に優れている。この時、平均粒径が1mm未満となるとハンドリング時の水分吸着剤の劣化が大きく、かつ粉立ちの問題が生じた。また、5mm以上の場合は、真空包装時に外袋に対する影響が生じることから、鋭意検討した結果、平均粒径は1mm以上5mm未満において、各種問題がクリアできることが判った。
しかし、より望ましくは、平均粒径は1mm以上3.5mm未満である。
水分吸着剤を適用した場合の真空断熱材内部の平衡水蒸気圧は、使用する水分吸着剤によって変動し、アルカリ土類金属の酸化物の場合は、特に、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムが水分除去性能が高く、更にその順に従って平衡水蒸気圧が低下していく。
そのため、水分吸着剤に酸化カルシウムを適用することで、真空断熱材の内圧のうち水蒸気の分圧を一層低減することが可能となるため真空断熱材の熱伝導率を低減することができる。
請求項に記載の発明は、少なくとも冷蔵機能を有する冷蔵庫であって、冷蔵庫の外箱と内箱とで形成される空間に硬質樹脂フォームを充填した断熱箱体または断熱ドア体の少なくともいずれかにおいて、前記内箱と前記外箱との間に請求項1に記載の真空断熱材を具備する冷蔵庫である。
本発明の水分吸着剤は、アルカリ土類金属の酸化物の表面層に水分子が吸着することで水分除去が可能となる。
一般に、冷蔵庫庫内環境のような低温度下においては、常温と比べて水とアルカリ土類金属酸化物との反応速度は低下する。しかしながら、アルカリ土類金属酸化物の比表面積が大きいことから水分の吸着自体は効率的に起こるため全体として吸収反応が大きく低下することなく優れた水分除去性能が得られる。
その結果、真空断熱材は、初期、及び経時的にも優れた断熱性能を保持することが可能となり、長期に渡って消費電力量の低い冷蔵庫が提供できる。
本発明の真空断熱材用の水分吸着剤とは、真空断熱材の内部において水分を吸着除去する作用を有する化合物であり、その化合物に求められる条件は次の通りである。
真空中においては、水分の再放出がないこと、水分の吸着容量が大きいこと、平衡水蒸気圧が低くより低圧力まで水分を吸収できることが挙げられる。また、大気中においては、潮解性や風解性がなく、吸着速度が緩やかでハンドリング性に優れていること等が重要条件である。
また、活性化のための加熱、賦活処理の必要がないものがより望ましい。
アルカリ土類金属の酸化物は上記条件を満足しているがが、これら中でも、特に酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムが望ましい。
また、これらは、包装材料に包まず使用することで、真空中での水分吸着速度が速くなるが、取り扱い性を改善するため通気性を有する包装材料で包装した包装体として適用することができる。
なお、水分吸着剤として使用するアルカリ土類金属の酸化物の製造方法について、酸化カルシウムを例に説明する。
酸化カルシウムは、通常、炭酸カルシウムを898℃以上の温度で焙焼することで、脱炭酸反応が起こり酸化カルシウムとなる。この時、できる限り低い温度で焙焼することで、酸化カルシウムの焼結や水熱反応が抑制されるためその比表面積が増大する。工業的には、メツル式炉にて950℃以下の温度で焙焼すると比表面積の低下を抑制できる。
また、より一層、比表面積を増大するには、酸化カルシウムを水と反応させ形成した水酸化カルシウムを焙焼する方法がある。水酸化カルシウムは、炭酸カルシウムの脱炭酸反応より大幅に低い580℃で水酸基が脱離し酸化カルシウムとなる。
これは、水酸化カルシウムが微細粉体であること、更には焙焼時において、酸化カルシウムの焼結が一層抑制されることから、焙焼後の酸化カルシウムの比表面積が増大する。このようにして形成した酸化カルシウムは、比表面積が20m2/gを超えるものが得られる。
工業的には、予め、所定粒径となるように水酸化カルシウムを造粒し、その後、焙焼することで、20m2/gを超える比表面積と取り扱い性に優れた粒径の酸化カルシウムが容易に成形できる。
なお、酸化マグネシウム、及び酸化バリウムについても同様に、酸化物成形時の焙焼温度を低下することで、より一層比表面積が増大する。
本発明で使用する芯材は断熱性能の観点からガラス繊維が望ましい。また、ガラス短繊維は、繊維化できるガラス組成物であれば特に問題なく使用できる。より望ましくは、ガラス短繊維の集合体がガラス短繊維のウェブの積層体からなり、前記ウェブ間は集合体の一体性が保持できる必要最低限の交絡により結合され、厚み方向に均質に積層配列されたものが好適である。
更には、外包材のピンホール発生を抑制するためガラスショット等の異物混入のないガラス短繊維がより望ましい。このような条件を満たす汎用工業製品としては、グラスウールが安価、かつ取り扱い性の観点からより望ましい。
また、繊維径は、特に指定するものではないが、繊維径が微細なものはより優れた断熱性能が得られる。しかし、経済性の観点からは平均繊維径が3〜5μmのものを使用するのが望ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図である。
図1において、真空断熱材1は、芯材2と水分吸着剤4とを外包材3に挿入し、内部を減圧して構成している。真空断熱材1の作製は、芯材2を140℃の乾燥炉で30分間乾燥した後、プラスチックラミネートフィルムからなる包装材の三方を熱溶着によりシールして袋状に成形した外包材3に挿入し、減圧チャンバー内で外包材内部が10Pa以下になるように減圧し、開口部を熱溶着により密閉封止している。
この時、外包材3は、外側から第1層目にナイロンフィルム(15μm)、第2層目にナイロンフィルム(25μm)、第3層目にアルミ箔(6μm)、第4層目にシーラント層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)を適用している。
芯材2は、ガラス短繊維からなるウェブ間が物理的交絡により結合されたガラス繊維の積層体であり、平均繊維径3.5μmのグラスウールを所定密度になるまで積層したものを使用し、ガラス繊維の品温がガラスの歪点よりも低い450℃で5分間加熱プレスすることでボード状に成形している。
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化カルシウムを適用している。
この時、酸化カルシウムは、水酸化カルシウムの微粉末を平均粒径3mmとなるように造粒し、その後、550℃で焙焼することで酸化カルシウムを成形し、通気性に優れた不織布に所定量を充填し適用している。
このように作製した真空断熱材の熱伝導率を測定した結果、熱伝導率は0.0015W/mKであり、炭酸カルシウムを設定温度1400℃のロータリーキルン式炉で焙焼して成形した比表面積3m2/gの従来酸化カルシウムと比較して熱伝導率は0.0005W/mK低減していた。
なお、本発明の酸化カルシウム(A)とロータリーキルン式炉にて成形した従来酸化カルシウム(B)について、その細孔分布を比較した結果を図2に示す。この時、細孔分布は窒素BET比表面積にて測定を行った。また、その時の比表面積と細孔半径について(表1)に示す。
Figure 0004449630
図2、及び(表1)から判るように、AはBと比較して細孔容積、及び比表面積が約7〜10倍大きく、半径14.6nmをピークにメソ孔と判断できる細孔が存在している。一方、Bは無孔と考えられる状態である。
以上の結果より、水分吸着剤を適用することで、真空断熱材内部の水蒸気分圧を低減することが可能となる。この時の平衡水蒸気圧は、水分吸着剤の比評面積を10m2/gより大きくすることで、一層、低減できる。これは、水分吸着剤の水分吸収が、その第一ステップとして、水分子が水分吸着剤の表面層に吸着されることから起こるため、その比表面積を大きくすることで有効に吸収できるためと考える。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における真空断熱材を適用した冷蔵庫の断面図であり、本発明の冷蔵庫の一例として示している。
図3は冷蔵庫31であり、冷蔵庫の筐体を形成する断熱箱体32と冷凍サイクルとからなる。断熱箱体32は、鉄板をプレス成形した外箱33と、ABS樹脂等を成形した内箱34とが、フランジ(図示せず)を介して構成している。
断熱箱体32の内部には、予め真空断熱材1を配設し、真空断熱材1以外の空間部を、硬質ウレタンフォーム35にて発泡充填したものである。硬質ウレタンフォーム35は、発泡剤としてシクロペンタンを使用している。
断熱箱体32は仕切り板36にて区切られており、上部が冷蔵室37、下部が冷凍室38となっている。仕切り板36には電動ダンパー39が、冷凍室38の内箱34には冷却用のファンモーター40とデフヒーター41が取付けられている。
一方、冷凍サイクルは、蒸発器42、圧縮機43、凝縮器44、キャピラリチューブ45を順次環状に接続しこれを形成している。なお、蒸発器42は冷蔵室37と冷凍室38の2カ所に設け、それらを直列に、また並列に繋ぎ冷凍サイクルを形成してもよい。
また、冷蔵庫31にはドア体46が取付けられており、ドア体46の内部には真空断熱材1が配設され、真空断熱材1以外の空間部は硬質ウレタンフォーム35にて発泡充填されている。
なお、真空断熱材1は実施の形態1に示したものと同様の構成のものを用いている。
本発明の水分吸着剤は、アルカリ土類金属の酸化物の表面層に水分子が吸着することで水分除去が可能となる。
一般に、冷蔵庫庫内環境のような低温度下における水分吸収反応は、常温と比較して水とアルカリ土類金属酸化物との反応速度が低下する。しかしながら、アルカリ土類金属酸化物の比表面積が大きいことから水分の吸着自体は効率的に起こるため全体として吸収反応が低下することなく優れた水分除去性能が得られる。
その結果、真空断熱材は、初期、及び経時的にも優れた断熱性能を保持することが可能となり、長期に渡って消費電力量の低い冷蔵庫が提供できる。
以下、実施例、及び比較例を用いて、本発明の真空断熱材について具体的に説明するが、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
(表2)に水分吸着剤として、各種アルカリ土類金属の酸化物を適用した場合の真空断熱材の熱伝導率を実施例1〜5、及び比較例A〜Dに示した。
Figure 0004449630
なお、真空断熱材は、実施の形態1と同様の方法で作製しているが、真空断熱材1を構成する水分吸着剤4のみを各種変更して作製した。また、水分吸着剤の多孔体物性である比表面積と細孔容積は、窒素分子をプローブとしてBET法にて測定を行った。また、真空断熱材の熱伝導率は、英弘精機(株)製のHC−074により平均温度24℃にて測定を行った。
なお、熱伝導率は、初期値は真空断熱材作製24時間経過後に測定、耐熱試験後は100℃×30日間の温度加速エージングを実施した後、測定を行った。ここで、耐熱試験は長期断熱性能を加速評価するために実施した。
(実施例1)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化カルシウムを適用している。
この時、酸化カルシウムは、水酸化カルシウムの微粉末を平均粒径3mmとなるように造粒し、その後、550℃で焙焼することで酸化カルシウムを成形し、通気性に優れた不織布に酸化カルシウム10gを充填し適用している。
この時、酸化カルシウムの比表面積は23m2/g、細孔容積は0.11ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0015W/mK、耐熱試験後が0.0040W/mKと従来品と比較して初期、経時性能共に優れた断熱性能を有していた。
(実施例2)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化カルシウムを適用している。
この時、酸化カルシウムは、水酸化カルシウムの微粉末を550℃で焙焼することで酸化カルシウムを成形し、通気性に優れた不織布に酸化カルシウム10gを充填し適用している。
この時、酸化カルシウムの比表面積は20m2/g、細孔容積は0.09ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0015W/mK、耐熱試験後が0.0040W/mKと従来品と比較して初期、経時性能共に優れた断熱性能を有していた。
(実施例3)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化カルシウムを適用している。
この時、酸化カルシウムは、メツル式炉にて炭酸カルシウムを910℃で焙焼することで成形し、前記酸化カルシウムを粉砕後、平均粒径3mmとなるように篩い分けを行った。その後、通気性に優れた不織布に酸化カルシウム10gを充填し適用している。
この時、酸化カルシウムの比表面積は10m2/g、細孔容積は0.09ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0016W/mK、耐熱試験後が0.0040W/mKと従来品と比較して初期、経時性能共に優れた断熱性能を有していた。
(実施例4)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化マグネシウムを適用している。
この時、酸化マグネシウムは、炭酸マグネシウムを560℃で焙焼して成形し、前記酸化マグネシウムを粉砕後、平均粒径3mmとなるように篩い分けを行った。その後、通気性に優れた不織布に10gの酸化マグネシウムを充填し適用している。
この時、酸化カルシウムの比表面積は50m2/g、細孔容積は0.21ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0014W/mK、耐熱試験後が0.0040W/mKと従来品と比較して初期、経時性能共に優れた断熱性能を有していた。
(実施例5)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化バリウムを適用している。
この時、酸化バリウムは、水酸化バリウムを800℃で焙焼して成形し、前記酸化バリウムを粉砕後、平均粒径3mmとなるように篩い分けを行った。その後、通気性に優れた不織布に10gの酸化マグネシウムを充填し適用している。
この時、酸化バリウムの比表面積は23m2/g、細孔容積は0.21ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0014W/mK、耐熱試験後が0.0040W/mKと従来品と比較して初期、経時性能共に優れた断熱性能を有していた。
(比較例A)
水分吸着剤4、及びその他吸着剤を適用せずに真空断熱材を作製した。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0030W/mK、耐熱試験後が0.0080W/mKと従来品と比較して初期、経時性能共に断熱性能は大きく低下した。
(比較例B)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化カルシウムを適用している。
この時、酸化カルシウムは、メツル式炉にて炭酸カルシウムを1000℃で焙焼することで成形し、前記酸化カルシウムを粉砕後、平均粒径3mmとなるように篩い分けを行った。その後、通気性に優れた不織布に酸化カルシウム10gを充填し適用している。
この時、酸化カルシウムの比表面積は9m2/g、細孔容積は0.04ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0019W/mK、耐熱試験後が0.0045W/mKであった。
(比較例C)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化カルシウムを適用している。
この時、酸化カルシウムは、ロータリーキルン式炉にて炭酸カルシウムを1400℃で焙焼することで成形し、前記酸化カルシウムを粉砕後、平均粒径3mmとなるように篩い分けを行った。その後、通気性に優れた不織布に酸化カルシウム10gを充填し適用している。
この時、酸化カルシウムの比表面積は3m2/g、細孔容積は0.01ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0020W/mK、耐熱試験後が0.0045W/mKであった。
(比較例D)
水分吸着剤4は、アルカリ土類金属の酸化物として酸化カルシウムを適用している。
この時、酸化カルシウムは、ロータリーキルン式炉にて炭酸カルシウムを1400℃で焙焼することで成形し、前記酸化カルシウムを粉砕後、平均粒径3mmとなるように篩い分けを行った。その後、篩い分けした前記酸化カルシウムを更に乳鉢を用いて平均粒径が0.1mmとなるように粉砕し、通気性に優れた不織布に前記酸化カルシウム10gを充填し適用している。
この時、酸化カルシウムの比表面積は4m2/g、細孔容積は0.01ml/gであった。
上記構成の水分吸着剤を適用した真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0023W/mK、耐熱試験後が0.0050W/mKと従来品よりも悪化した。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、比表面積が10m2/g以上であるアルカリ土類金属の酸化物を水分吸着剤として適用しているので、真空断熱材の熱伝導率を一層低減できることから、優れた断熱性能を有する真空断熱材が提供できる。
よって、本発明の真空断熱材は、冷凍冷蔵庫、冷凍機器、及び米や野菜保冷庫等をはじめとして、冷却システムを有しないクーラーボックスやコンテナボックス等、保冷を必要とするあらゆる機器や設備等に適用することが可能である。また、併せて、保温、遮熱を必要とする機器にも効率的に使用することが可能であり、その結果、大幅な省エネルギー化や省スペース化に貢献できる。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図 各種水分吸着剤と細孔径分布曲線との関係を示す特性図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の断面図 従来の真空断熱材の断面図
符号の説明
1 真空断熱材
2 芯材
3 外包材
4 水分吸着剤
31 冷蔵庫
32 断熱箱体
33 外箱
34 内箱
35 硬質ウレタンフォーム(硬質樹脂フォーム)
46 ドア体

Claims (2)

  1. 芯材と、水分吸着剤と、前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリア性を有する外包材とからなり、内部を減圧密閉した真空断熱材であって、前記芯材はガラス短繊維のウェブの積層体からなり、前記水分吸着剤は平均粒径が1mm以上5mm未満で比表面積が10m2/g以上である酸化カルシウムを通気性を有する不織布に充填したものであって、前記酸化カルシウムは比表面積を10m 2 /g以上とするために少なくとも水酸化カルシウムを焙焼して形成したものを含む真空断熱材。
  2. 少なくとも冷蔵機能を有する冷蔵庫であって、冷蔵庫の外箱と内箱とで形成される空間に硬質樹脂フォームを充填した断熱箱体または断熱ドア体の少なくともいずれかにおいて、前記内箱と前記外箱との間に請求項に記載の真空断熱材を具備する冷蔵庫。
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