JP4447941B2 - ポジ型スペーサー用樹脂組成物および接着性スペーサーの製造方法 - Google Patents

ポジ型スペーサー用樹脂組成物および接着性スペーサーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2枚の透明基板の間隔を一定に保つのに有効である接着性スペーサーを提供することができるポジ型スペーサー用樹脂組成物に関する。
液晶パネルには2枚の透明基板の間隔を一定に保つために、所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサー粒子が一般に使用されている。これらのスペーサー粒子を分散させる場合は、基板上にランダムに散布される。そのため、スペーサー粒子は、有効画素部内か画素間の境界部を遮光するブラックマトリックス上であるかに関係なくランダムに分散することとなる。スペーサー粒子が表示領域である画素部上に配置された場合、バックライトの光が粒子を透過して表示画像の品位を低下させることとなる。また、入射光が散乱を受け液晶パネルのコントラストが低下するという問題があった。
さらに近年は、携帯端末機等において高品位表示可能な液晶表示部が求められている。ここで、スペーサー粒子のランダムな散布は、高品位表示性を妨げる要因ともなることも判明してきた。
これらの問題を解決すべく、スペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が提案された。例えば、特開2001−106765号公報(特許文献1)および特開2002−303976号公報(特許文献2)には、フォトリソグラフィーによるスペーサーの形成方法が記載されている。これらの方法は、感光性樹脂を透明基板に塗布し所定のマスクを介し紫外線等を照射した後、現像により未露光部を溶解除去してドット状やストライプ状のスペーサーを形成する、ネガ型フォトリソグラフィーによるものである。この方法によって、有効画素部以外の場所にスペーサーを形成することができ、上記問題を解決できる。さらには、セルギャップを塗布膜厚によりコントロールできるため2枚の透明基板の間隔のコントロールが容易であり、精度が高いという特徴も有する。
ところで、スペーサーは、2枚の透明基板の間隔をコントロールするために設けられているため、各透明基板に対するスペーサーの接着性が高い方が、基板間の間隔をより正確にコントロールすることができる。各透明基板に対するスペーサーの接着性が低い場合は、スペーサーにより設けられた間隙部に液晶を注入する場合、スペーサーと透明基板との間に「うき」ができてしまい、スペーサー自体は均一な高さを有していても基板間の間隔が不均一となることがあるためである。このような不都合を解消するため、特開2001−228484号公報(特許文献3)には、上下両方の基板への接着力が高い液晶表示板用接着性スペーサーが記載されている。しかしこの接着性スペーサーは粒状物であるため、スペーサー粒子を用いる場合の上記不具合が生じることとなる。
一方、ネガ型フォトリソグラフィーによりスペーサーを作成する場合は、紫外線等の照射により曝露部分が硬化することによって、ドット状やストライプ状のスペーサーが形成される。こうして形成されたスペーサーは、透明基板と貼り合わせられる面が紫外線等の照射により硬化しているため、透明基板に対するスペーサーの接着性が劣ることとなる。
特開平6−201901号公報(特許文献4)には、アルカリ可溶性樹脂としてビニルフェノール系共重合体、感光剤として1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステル、熱硬化剤として加熱処理によりレンズを形成する際に耐熱性,耐溶剤性を付与させる熱硬化剤及び溶剤からなることを特徴とするマイクロレンズ形成用ポジ型感光材料が記載されている。しかしここに記載される発明は、屈折率および透明性などが必要とされるマイクロ集光レンズ用材料である点において、本発明とは利用分野および解決課題が異なる。また、この発明中でアルカリ可溶性樹脂として用いられているビニルフェノール系樹脂は熱軟化点が高く、200℃を超えるものまであり、本発明における用途に適しているとは言い難い。
特開2000−63684号公報(特許文献5)には、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]メラミン類、および[C]トリハロメチルトリアジン類またはオニウム塩類、を含む、表示パネルスペーサー用感放射線性樹脂組成物が記載されている。しかしここに記載される発明は、トリハロメチルトリアジン類またはオニウム塩類などの光酸発生剤が含まれる点において本発明と相違する。これらは低分子量の化合物であるため、特にスペーサー形成のような永久膜形成に用いる場合は、これらの化合物が残存することによる不具合が生じるおそれがある。
特開2001−106765号公報 特開2002−303976号公報 特開2001−228484号公報 特開平6−201901号公報 特開2000−63684号公報
本発明は上記従来技術の問題点解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、2枚の透明基板の間隔を一定に保つのに有効なスペーサーを作成することができるスペーサー用樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、アルカリ可溶性樹脂(a)、ジアゾナフトキノン化合物(b)および熱硬化剤(c)を含む、ポジ型スペーサー用樹脂組成物を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
このアルカリ可溶性樹脂(a)は、(メタ)アクリル酸共重合体またはフェノール樹脂であるのが好ましい。また、前記熱硬化剤(c)は、メラミン系硬化剤、エポキシ系硬化剤およびイソシアネート系硬化剤からなる群から選択される1種以上を含むのが好ましい。さらには、アルカリ可溶性樹脂(a)の重量平均分子量が500〜100,000であるのが好ましい。
また、上記のポジ型スペーサー用樹脂組成物から得られた塗膜の熱軟化点が70〜180℃であるのが好ましい。
また本発明は、接着性スペーサーの製造方法も提供する。
接着性スペーサーの製造方法の1態様として、
上記ポジ型スペーサー用樹脂組成物を第1の透明基材に塗布する塗布工程、
得られた塗膜を乾燥させてスペーサー形成塗膜を形成するプリベーク工程、
180〜500nmの波長を有する光をスペーサー形成塗膜に照射するパターン露光工程、
アルカリ溶液を用いて、パターン露光された塗膜を現像する現像工程、および
現像された塗膜と第2の透明基材とを貼り合せ、加熱接着する、貼り合わせ工程、
を包含する、製造方法が挙げられる。
接着性スペーサーの製造方法の他の態様として、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、現像された塗膜を加熱するポストベーク工程、を包含する製造方法が挙げられる。
接着性スペーサーの製造方法の他の態様として、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、180〜500nmの波長を有する光を現像された塗膜に照射するポスト露光工程、を包含する製造方法が挙げられる。
接着性スペーサーの製造方法の他の態様として、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、現像された塗膜を加熱するポストベーク工程および180〜500nmの波長を有する光を現像された塗膜に照射するポスト露光工程の両工程、を包含する製造方法が挙げられる。
本発明はさらに、上記の接着性スペーサーの製造方法により得られる接着性スペーサーを有する液晶パネルも提供する。
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物を用いることによって、フォトリソグラフィーによりスペーサーを形成することができる。そのため、一定の高さを有するスペーサーを所望の箇所に容易に形成することができる。また、本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物を用いることによって、ポジ型フォトリソグラフィーによりスペーサーを形成することができる。ポジ型フォトリソグラフィーにおいては、スペーサーを完全硬化させる前に、スペーサーを有する第1の透明基材上のスペーサーと第2の透明基材とを対向接触させることができる。そのため、スペーサーと第2の透明基材との接着性が向上する。従って、2枚の透明基材の間隔を一定に保つのに有効なスペーサーを提供することができる。さらに本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物は、トリアジン類などの低分子量光酸発生剤を含まないため、液晶に悪影響を与える可能性が低く、また変色安定性等に優れるスペーサーを得ることができる。
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(a)、ジアゾナフトキノン化合物(b)および熱硬化剤(c)を含む。
アルカリ可溶性樹脂(a)
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂(a)は、フェノール性水酸基またはカルボキシル基などの酸基を有する樹脂である。フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有する樹脂として、例えば、アルカリ可溶性のラジカル重合性モノマーの単独重合体あるいはこのようなラジカル重合性モノマーとそれ以外の他のラジカル重合性モノマーの共重合体を挙げることができる。これらのうち、(メタ)アクリル酸と他のラジカル重合性モノマーとが共重合した(メタ)アクリル酸共重合体が本発明において好ましく使用される。(メタ)アクリル酸共重合体は、酸価および熱軟化点が本発明における使用に望ましい範囲にあるからである。
アルカリ可溶性のラジカル重合性モノマーとしては、例えばメタクリル酸、アクリル酸またはこれらのα−位のハロアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロもしくはシアノにより置換された置換誘導体が挙げられ、その他にもo−、m−、p−ヒドロキシスチレンまたはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステルもしくはカルボキシにより置換された置換誘導体;ビニルヒドロキノン、5−ビニルピロガロール、6−ビニルピロガロール、1−ビニルフロログリシノール等のポリヒドロキシビニルフェノール類;o−、m−、p−ビニル安息香酸またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミドもしくはエステルにより置換された置換誘導体;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸等の二価の不飽和カルボン酸またはこれらのメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ter−ブチル、フェニル、o−、m−、p−トルイルハーフエステルまたはハーフアミドを挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
また、その他のラジカル重合性モノマーとしては、例えばスチレンまたはスチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステルにより置換された置換誘導体;ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等のオレフィン類;メタクリル酸またはアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ter−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソアミルヘキシル、シクロヘキシル、アダマンチル、アリル、プロパギル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アントラキノニル、ピペロニル、サリチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェネシル、クレシル、グリシジル、1,1,1−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、パーフルオロ−n−プロピル、パーフルオロ−i−プロピル、トリフェニルメチル、ジシクロペンタニル、クミル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、3−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、フリルもしくはフルフリルエステル;メタクリル酸またはアクリル酸のアニリドもしくはアミド、またはN,N−ジメチル、N,N−ジエチル、N,N−ジプロピル、N,N−ジイソプロピルもしくはアントラニルアミド、アクリロニトリル、アクロレイン、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、N−フェニルマレインイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレインイミド、N−メタクリロイルフタルイミド、N−アクリロイルフタルイミド等を用いることができる。上記のうち、メタクリル酸、アクリル酸、o−,m−,p−ヒドロキシスチレンなどが好ましく使用される。なお、これらは1種のみを用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸などのアルカリ可溶性のラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの好ましい共重合割合は、アルカリ可溶性のラジカル重合性モノマー100重量部に対して他のラジカル重合性モノマー50〜600重量部、好ましくは100〜400重量部、特に好ましくは200〜300重量部である。上記範囲から外れる場合は、アルカリ溶液における現像が非常に困難となる場合がある。
上記樹脂の合成に用いられる溶媒としては、具体的には、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。これらの溶媒の使用量は、反応原料100重量部当たり、好ましくは20〜1,000重量部である。
上記重合で用いることができる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤として用いてもよい。
またアルカリ可溶性樹脂として、フェノール樹脂を用いることもできる。フェノール樹脂は、フェノール類(フェノール、o−、m−、p−クレゾール、キシレノールなど)とホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られる樹脂である。このような樹脂として、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、クレゾール−ノボラック樹脂などが挙げられる。
これらのアルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上で用いてもよい。また重合前にカルボキシル基やフェノール性水酸基に保護基を導入しておき、重合後に脱保護することによってアルカリ可溶性を付与する方法でアルカリ可溶性樹脂を合成してもよい。
本発明において使用されるアルカリ可溶性樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、Mwという)は、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜25,000である。平均分子量が500未満ではパターン形状、解像度、現像性、耐熱性が劣化し易く、100,000を超えると現像性が悪化し易く、特に感度が悪化する傾向が大きくなる。
また、本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物は、塗膜の熱軟化点が下限70℃上限180℃であるものが好ましい。上記下限は100℃であるのがより好ましく、また上記上限は170℃であるのがより好ましい。このような熱軟化点となる樹脂組成物を用いることにより、対向基板への接着性をより高めることができる。「塗膜の熱軟化点」は、本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物から得られた塗膜の熱軟化点を意味する。具体的には、本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物を塗布し、乾燥させ溶剤等を除去することによって得られた塗膜の熱軟化点を意味する。塗膜の熱軟化点は、セイコーインスツルメンツ株式会社製、TMA/SS6100を用いて、JIS K7197に準拠して測定することができる。
本発明において使用されるアルカリ可溶性樹脂(a)は、酸価の下限20上限150であるのが好ましい。上記下限は50であるのがより好ましく、上記上限は100であるのがより好ましい。酸価の下限が20より低い場合は、樹脂(a)のアルカリに対する可溶性が低くなるため現像が困難となる恐れがある。また、酸価の上限が150を超える場合は、アルカリ溶液に対する溶解性が悪くなり、パターン形状の保持が困難となる恐れがある。
ジアゾナフトキノン化合物(b)
本発明に用いられるジアゾナフトキノン化合物は、感光剤として作用する。ジアゾナフトキノン化合物(b)として、例えば、1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸エステル、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸エステル、1,2−ジアゾナフトキノン−6−スルホン酸エステル、2,1−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸エステル、2,1−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸エステルなどを挙げることができる。これらのうち好ましい化合物は、1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸エステル、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸エステル等である。
上記ジアゾナフトキノンスルホン酸エステルのエステル成分としては、特性を維持できるものであれば特に限定するものではないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、フェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸フェニル等が挙げられる。
ジアゾナフトキノン化合物(b)は、アルカリ可溶性樹脂(a)と水素結合を形成する。これによって、ジアゾナフトキノン化合物(b)とアルカリ可溶性樹脂(a)とが存在する場合は、アルカリ可溶性樹脂(a)のアルカリ可溶度は低下して、アルカリに対して難溶性となる。一方、ジアゾナフトキノン化合物(b)は、180〜500nmの波長を有する光を照射することによってインデンカルボン酸となる。これによりアルカリ可溶性樹脂(a)との水素結合形成は解除されることとなり、アルカリ可溶性樹脂(a)は照射を受けた部分のみアルカリに可溶することとなる。そしてその後の加熱処理によって、ジアゾナフトキノン化合物(b)から生じたインデンカルボン酸は、アルカリ可溶性樹脂(a)と共に熱硬化剤(c)と反応し、重合することとなる。これにより、低分子量窒素化合物を含まない、液晶に悪影響を与える可能性が低く変色安定性等に優れるスペーサーを得ることができる。
ジアゾナフトキノン化合物(b)は、アルカリ可溶性樹脂(a)100重量部に対して下限5重量部上限150重量部の量で含まれる。上記下限は10重量部であるのが好ましく、30重量部であるのがより好ましい。上記上限は100重量部であるのが好ましく、60重量部であるのがより好ましい。5重量部未満であると、露光によって生成する酸の量が少ないため、該組成物から形成される塗膜は露光部と未露光部との現像液に対する溶解度差が小さくなってパターニングが困難になることがある。一方150重量部を超えると、感光剤が紫外線エネルギーを吸収する為に深部反応性が悪くなり、パターン形成が困難となる恐れがある。
熱硬化剤(c)
本発明に用いられる熱硬化剤(c)は、アルカリ可溶性樹脂(a)に含まれる水酸基、カルボキシル基またはフェノール基などと加熱により反応し、架橋反応を形成するものである。このような熱硬化剤(c)として、例えば、メラミン系硬化剤、エポキシ系硬化剤、イソシアネート系硬化剤等が挙げられる。この中で、メラミン系硬化剤、エポキシ系硬化剤およびイソシアネート系硬化剤が好ましく使用される。
メラミン系硬化剤として、例えば下記一般式で示される化合物が挙げられる:
Figure 0004447941
[式中、Wは、−NY{Y、Yはそれぞれ水素又は−CHOZ(Zは水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)を示す。}またはフェニル基を示し、Y〜Yは、それぞれ独立して、水素または−CHOZ(Zは水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)を示す。]。メラミン系硬化剤として、例えば、ヘキサメチロールメラミン及びアルキル化ヘキサメチロールメラミン、部分メチロール化メラミン及びそのアルキル化誘導体、テトラメチロールベンゾグアナミン及びアルキル化テトラメチロールベンゾグアナミン部分メチロール化ベンゾグアナミン及びそのアルキル化誘導体等が挙げられる。
エポキシ系硬化剤として、分子中に平均して1以上のエポキシ基を有する化合物の1種または数種の組み合わせが挙げられる。このような化合物として例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エトキシヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタンジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルや、ダイセル化学工業(株)製のEHPE3150、セロサイド2021、エポリードGT300、エポリードGT403などの脂環式エポキシ等、が挙げられる。
イソシアネート系硬化剤としては、分子中に平均して1以上のシソシアネート基を有する化合物の1種または数種の組み合わせが挙げられる。このような化合物として例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、およびこれらの化合物をメチルエチルケトンオキシムなどのようなブロック剤によってブロックした化合物などが挙げられる。
これらの熱硬化剤(c)は単独で用いてもよく、また2種以上を組合せて用いてもよい。また、熱硬化剤(c)は、アルカリ可溶性樹脂(a)100重量部に対して下限5重量部上限100重量部の量で含まれる。上記下限は10重量部であるのが好ましく、30重量部であるのがより好ましい。上記上限は70重量部であるのが好ましく、40重量部であるのがより好ましい。5重量部未満であると、硬化が不十分となり液晶に悪影響を及ぼすおそれがある。一方100重量部を超えると、加熱貼り合わせ時にパターン形成が困難となる恐れがある。
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(a)、ジアゾナフトキノン(b)および熱硬化剤(c)などの固形分の固形分濃度が10〜50重量%となるように、適した溶剤に溶解される。適した溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びそのアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル及びそのアセテート類;ジエチレングリコールモノあるいはジアルキルエーテル類;プロピオン酸アルキル及びそのアルコキシ類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;および、乳酸エチル、ジアセトンアルコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、また2種以上混合して用いてもよい。また、溶解した後に、孔径0.1〜10μm程度のフィルターで濾過してもよい。
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物は、上記成分の他に必要に応じて、ノニオン系、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤を加えることができる。これらを加えることによって組成物の塗布性を改良することができる。界面活性剤としては例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、172、173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC−101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系またはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.57、95(共栄油脂化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの界面活性剤の配合量は、組成物の固形分あたり、通常2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
更に、本発明の組成物においては、必要に応じて、帯電防止剤、保存安定剤、ハレーション防止剤、消泡剤、顔料等を加えることもできる。
接着性スペーサーの製造方法
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物を用いて、接着性スペーサーを形成することができる。接着性スペーサーは、下記工程:
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物を第1の透明基材に塗布する塗布工程、
得られた塗膜を乾燥させてスペーサー形成塗膜を形成するプリベーク工程、
180〜500nmの波長を有する光をスペーサー形成塗膜に照射するパターン露光工程、
アルカリ溶液を用いて、パターン露光された塗膜を現像する現像工程、
現像された塗膜と第2の透明基材とを貼り合せ、加熱接着する、貼り合わせ工程、
を包含する製造方法によって形成される。この方法において、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、現像された塗膜を加熱するポストベーク工程、を包含してもよい。他の態様においては、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、180〜500nmの波長を有する光を現像された塗膜に照射するポスト露光工程、を包含してもよい。また、他の態様においては、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、現像された塗膜を加熱するポストベーク工程および180〜500nmの波長を有する光を現像された塗膜に照射するポスト露光工程の両工程、を包含してもよい。
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物は、第1の透明基材に塗布される。透明基材として、例えばガラス基板および透明樹脂基板が挙げられる。この第1の透明基材は、カラーフィルターの着色層、ブラックマトリックス層、および着色層を被覆する保護層を有していてもよい。
一般にカラーフィルターは、透明基板に所定のパターンで形成されたブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックス上に所定のパターンで形成した着色層と、当該着色層を覆うように形成された保護層を備えている。保護層上に必要に応じて液晶駆動用の透明電極が形成される。本発明においては、ブラックマトリックスが形成された領域に合わせて、透明電極板上、着色層上または保護層上に、接着性スペーサーを形成するのが好ましい。
着色層は、赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンが、モザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等の所望の形態で配列されてなり、ブラックマトリックスは各着色パターンの間及び着色層形成領域の外側の所定領域に設けられている。着色層は、様々な方法で形成できるが、上記した硬化性樹脂組成物を用いて顔料分散法により形成するのが好ましい。すなわち、上記した硬化性樹脂組成物に着色顔料を分散させて塗工材料を調製し、透明基板の一面側に塗布し、フォトマスクを介して紫外線を照射することにより露光し、アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱硬化することにより着色層を形成できる。着色層は、通常、1.5μm程度の厚さに形成する。
ブラックマトリックス層は、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法のいずれを用いても形成することができ、また、クロム蒸着等により形成してもよい。
保護層は、上記した硬化性樹脂組成物の塗工液を、スピンコーター、ロールコーター、スプレー、印刷等の方法により塗布して形成することができる。保護層は、例えば、2μm程度の厚さに形成する。スピンコーターを使用する場合、回転数は500〜1500回転/分の範囲内で設定する。
透明電極は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、およびそれらの合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な方法により形成され、必要に応じてフォトレジストを用いたエッチング又は治具の使用により所定のパターンとしたものである。この透明電極の厚みは20〜500nm程度、好ましくは100〜300nm程度とすることできる。
本発明のポジ型スペーサー用樹脂組成物を、透明電極、着色層、保護層などを有してもよい第1の透明基材上に、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により塗布することができる。塗布により得られた塗膜を、50〜100℃で0.1〜60分間乾燥させることによって、塗膜中に含まれる溶剤が除去され、スペーサー形成塗膜が形成される。なおここの乾燥を「プリベーク」という。
こうして得られたスペーサー形成塗膜に対して、180〜500nmの波長を有する光を、所定のパターンを有するフォトマスクを介して照射する。この工程をパターン露光工程という。これによって、露光された部分はアルカリに可溶することとなり、露光されていない部分はアルカリに対して難溶性が維持されることとなる。パターン露光で使用される光源としては、例えば、超高圧水銀燈等からの紫外線である、波長365nmのi線、波長405nmのh線、436nmのg線、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子線等の荷電粒子線などが挙げられる。
次に、アルカリ溶液を用いて、このパターン露光された塗膜を現像する(現像工程)。ここで用いることができるアルカリ溶液として、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノナン等が溶解されてなるアルカリ水溶液が挙げられる。また、このアルカリ水溶液等に、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や、界面活性剤が適量添加されてなるものを使用することもできる。現像処理時間は、例えば10〜300秒間であり、現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法等を利用することができる。
こうして現像された塗膜と、第2の透明基材とを対向して貼り合わせて、加熱接着する(貼り合わせ工程)。ここでの加熱は、例えば100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、0.1〜120分間、好ましくは1〜60分間程行う。この加熱によって、アルカリ可溶性樹脂(a)、ジアゾナフトキノン化合物(b)および熱硬化剤(c)が反応して、硬化することとなる。なお、第2の透明基材を貼り合わせる前に、スペーサーが形成された面に配向膜を形成してもよい。
こうして得られた部材における接着性スペーサーにより設けられた間隙部に、液晶を満たして密封することにより、液晶パネルを得ることができる。
上記の製造方法において、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、例えば50〜200℃、好ましくは100〜150℃で、0.01〜60分間、好ましくは1〜30分間、現像された塗膜を加熱するポストベーク工程、を包含してもよい。これによって硬化剤による熱硬化を一部進行させ、パターン強度を高めることができる。
他の態様においては、現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、180〜500nmの波長を有する光を現像された塗膜に照射するポスト露光工程、を包含してもよい。この方法によって、ガスの発生を抑制することができ、またパターン化された膜の変色を抑制することができる。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において部及び%は、特にことわらない限り、重量部及び重量%を意味する。
調製例1 アルカリ可溶性樹脂(1)の製造
プロピレングリコールモノメチルアセテート 180重量部を入れた撹拌羽、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた2Lのガラス反応容器を130℃に加温し、そこヘメチルメタクリレート 247重量部、スチレン8重量部、イソボロニルメタクリレート 20重量部、メタクリル酸 49重量部、グリシジルメチルメタクリレート−サリチル酸付加物 87重量部とターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート 15重量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 60重量部の溶液とを同時に3時間かけて等速で滴下し、その後130℃で30分間反応させた。その後、ターシャルブチルペルオキシ―2−エチルヘキサノエート3重量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20重量部の溶液を130℃で30分間にて等速滴下した後、その温度にて1時間反応させた。数平均分子量6,600、重量平均分子量14,200のアクリル酸共重合体であるアルカリ可溶性樹脂(1)を得た。この樹脂の酸価は81、Tgは110℃であった。
調製例2 アルカリ可溶性樹脂(2)の製造
メチルプロピレングリコール100重量部を入れた撹拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた2Lのガラス反応容器を110℃に加温し、そこヘメチルメタクリレート 7重量部、イソボロニルメタクリレート 260重量部、メタクリル酸 260重量部とターシャルブチルパーオクトエート4重量部を含むメチルプロピレンジグリコール20重量部の溶液とを同時に3時間かけて等速滴下し、その後110℃で30分間反応させた。その後、ターシャルブチルパーオクトエート2重量部を含むメチルプロピレンジグリコール10重量部の溶液を110℃で30分間等速滴下した後、1時間反応させた。更に、テトラブチルアンモニウムクロライド4重量部とヒドロキシモノメチルエーテル0.7重量部を添加し、グリシジルメタクリレート 220重量部のメチルプロピレンジグリコール 100重量部を 120℃で5時間かけて空気バブリングしながら等速滴下させて、数平均分子 12,000、重量平均分子量 84,000、酸価87の不飽和結合含有アクリル共重合体であるアルカリ可溶性樹脂(2)を得た。
調製例3 ジアゾナフトキノン化合物の製造
撹拌機、還流管、温度計を取り付けた1Lのガラス製反応フラスコの中にトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(エポキシ当量150)105重量部、o−ヒドロキシベンゾイックアシッド58重量部(全エポキシ基に対し60モル%)、プロピオニックアシッド21重量部(全エポキシ基に対し40モル%)、ジオキサン46重量部をそれぞれ仕込み、温度を120℃まで上げ、触媒としてテトラメチルアンモニウムクロリド1.8重量部を添加後、5時間反応させた。反応溶液の酸価は6.5であった。次に内容物を10℃まで冷却し、1,2−ジアゾナフトキノン−ジ−5−スルホニルクロリド94重量部(残存するOH基に対し80モル%)、アセトン570重量部を添加後、触媒としてトリエチルアミン39重量部を滴下し、10℃で2時間反応させ、多量の2重量%希塩酸水溶液中に反応生成物を滴下し沈澱させた。水洗後、40℃で18時間真空乾燥させてジアゾナフトキノン化合物を得た。
調製例4 アルカリ可溶性樹脂(3)の製造
冷却管、攪拌機および温度計を装着した1Lガラス製反応フラスコに、t−ブトキシスチレン176重量部およびアゾビスブチロニトリル5.8重量部を入れ、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル250重量部を加え、75℃で4時間撹拌し、重合させた。
得られたポリt−ブトキシスチレン溶液に、5重量%硫酸水溶液50重量部を加え、100℃で3時間撹拌して加水分解を行った。得られた反応生成物を脱イオン水1000重量部で3回洗浄し、2−ヘプタノン500重量部を加えて溶剤置換を行い、重量平均分子量24,000、酸価260のアルカリ可溶性樹脂(3)(ポリヒドロキシスチレン)を得た。
実施例1および参考例
調製例で得られた反応生成物を用い、表1に示す配合組成に従ってポジ型スペーサー用樹脂組成物を調製した。
得られた組成物の評価は以下の方法で行った。
パターン解像性
ガラス基板に上記で得たスペーサ用樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、80℃で20分間乾燥して揮発分を揮発させてスペーサ用樹脂層を形成した。冷却後、このスペーサ用樹脂層にフォトマスクを介して紫外線を照射して露光した。 紫外線の照射光量は150mJ/cmとした。フォトマスクとしては、線幅20μmのライン&スペースのパターン画集を形成するためのフォトマスクを用いた。次いで露光後のガラス基板を現像液(2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)に1分間浸漬して現像し、純水で洗浄した。洗浄後、余分な水分をエアーブローで取り除いた。上記のようにして作成したパターンの形状が再現性良く形成されていれば○、形成されていなければ×の記号で表1に結果を記載した。
パターン接着性
ガラス基板にスペーサ用樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、80℃で20分間乾燥して揮発分を揮発させてスペーサ用樹脂層を形成した。冷却後、ガラス基板を現像液(2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)に1分間浸潰し、純水で洗浄した。洗浄後、余分な水分をエアーブローで取り除いた。次に、ガラス基板を幅1cmの短冊状に切り出した。同様にスペーサ用樹脂組成物を塗布していないガラス基板も幅1cmの短冊状に切り出した。スペーサ用樹脂層が間に挟み込まれるように2つの短冊状のガラス基板を十字に重ね合わせ、150℃に加熱しているホットプレート上に置き、十字に重ね含わせたエリアの上に5kgのおもりを載せ1時間加熱加圧した。その後、十字に貫ね合わせた短冊を冷却し、ガラス基板を引き剥がした。引き剥がす際の力が大きくガラス基板自体が割れてしまえぱ○、引き剥がす際の力が大きくスペーサ用樹脂層の層破壊になっていれば○、引き剥がす際の力が小さくスペーサ用樹脂層とガラス基板の界面剥離になっていれば×の記号で表1に結果を記載した。
熱軟化点
ガラス基板にスペーサ用樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、80℃で20分間乾燥して揮発分を揮発させて、塗膜を形成した。得られた塗膜の熱軟化点を、セイコーインスツルメンツ株式会社製、TMA/SS6100を用いて、JIS K7197に準拠して測定した。測定により得られた値を表1に記載する。
比較例1
製造例2で得られた反応生成物を用い、表1に示す配合組成に従ってスペーサ用樹脂組成物を調製した。得られた組成物の評価は以下の方法で行った。
パターン解像性
ガラス基板に上記で得たスペーサ用樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、80℃で20分間乾燥して揮発分を揮発させてスペーサ用樹脂層を形成した。冷却後、このスペーサ用樹脂層にフォトマスクを介して紫外線を照射して露光した。紫外線の照射光量は150mJ/cmとした。フォトマスクとしては、線幅20μmのライン&スペースのパターン画素を形成するためのフォトマスクを用いた。次いで露光後のガラス基板を現像液(1%炭酸ナトリウム水溶液)に1分間浸漬して現像し、純水で洗浄した。洗浄後、余分な水分をエアーブローで取り除いた。上記のようにして作成したパターンの形状が再現性良く形成されていれば○、形成されていなければ×の記号で表1に結果を記載した。
パターン接着性
ガラス基板にスペーサ用樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、8O℃で20分間乾燥して揮発分を揮発させてスペーサ用樹脂層を形成した。冷却後、このスペーサ用樹脂層に紫外線を全面照射して露光した。紫外線の照射光量は150mJ/cmとした。次いで、ガラス基板を現像液(1%の炭酸ナトリウム水溶液)に1分間浸漬し、純水で洗浄した。洗浄後、余分な水分をエアーブローで取り除いた。次に、ガラス基板を幅1cmの短冊状に切り出した。同様にスペーサ用樹脂組成物を塗布していないガラス基板も幅1cmの短冊状に切り出した。スペーサ用樹脂層が間に挟み込まれるように2つの短冊状のガラス基板を十字に重ね合わせ、150℃に加熱しているホットプレート上に置き、十字に重ね合わせたエリアの上に5kgのおもりを載せ1時間加熱加圧した。その後、十字に重ね含わせた短冊を冷却し、ガラス基板を引き剥がした。引き剥がす際の力が大きくガラス基板自体が割れてしまえば◎、引き剥がす際の力が大きくスペーサ用樹脂層の層破壊になっていれば○、引き剥がす際の力が小さくスペーサ用樹脂層とガラス基板の界面剥離になっていれば×の記号で表1に結果を記載した。
なお、熱軟化点は、実施例と同様にして測定した。
比較例2
製造例4で得られた反応生成物を用い、表1に示す配合組成に従ってスペーサ用樹脂組成物を調製した。得られた組成物の評価は比較例1に記載した方法と同様の方法で行った。
Figure 0004447941
表1中、
クレゾール−ノボラック樹脂:住友ベークライト社製、重量平均分子量11,000、酸価67、熱軟化点164℃のフェノール樹脂、
B1358:デグザ・ヒュルス社製、イソシアネート系硬化剤、
C701:Cytec Industries社製、メラミン系硬化剤、
C300:三井サイアナミッド社製、メラミン系硬化剤、
YDCN−703:東都化成社製、エポキシ系硬化剤、
エピコート152:油化シェルエポキシ社製、エポキシ系硬化剤、
M350:東亜合成社製、アクリルモノマー、
イルガキュア365:チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、光重合開始剤、
メガファックR−8:大日本インキ化学工業社製、フッ素系界面活性剤、
メガファックF172:大日本インキ社製、フッ素系界面活性剤、
である。
上記実施例は本発明に基づく実験例であり、そして比較例1および2はいずれもジアゾナフトキノン化合物を含まない実験例である。比較例2は特開2000−63684号公報の実施例1に準じて行った実験例であり、光酸発生剤を含むものである。上記実施例において、本発明のスペーサー用樹脂組成物から形成されるスペーサーは、比較例によるものと比較して、パターン解像性およびパターン接着性に優れるものであることが確認された。

Claims (10)

  1. 酸価20〜150であり、重量平均分子量が500〜100,000である、アルカリ可溶性樹脂(a)、ジアゾナフトキノン化合物(b)およびブロックポリイソシアネート化合物(c)を含む、接着性ポジ型スペーサー用樹脂組成物。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂(a)(メタ)アクリル酸共重合体ある、請求項1記載の接着性ポジ型スペーサー用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載のポジ型スペーサー用樹脂組成物から得られた塗膜の熱軟化点が70〜180℃である、請求項1または2記載の接着性ポジ型スペーサー用樹脂組成物。
  4. 前記ブロックポリイソシアネート化合物(c)は、ポリイソシアネート化合物をオキシム類でブロックした化合物である、請求項1〜3いずれかに記載の接着性ポジ型スペーサー用樹脂組成物。
  5. 前記ジアゾナフトキノン化合物(b)が1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸エステルである、請求項1〜4いずれかに記載の接着性ポジ型スペーサー用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の接着性ポジ型スペーサー用樹脂組成物を第1の透明基材に塗布する塗布工程、
    得られた塗膜を乾燥させてスペーサー形成塗膜を形成するプリベーク工程、
    180〜500nmの波長を有する光をスペーサー形成塗膜に照射するパターン露光工程、
    アルカリ溶液を用いて、パターン露光された塗膜を現像する現像工程、および
    現像された塗膜と第2の透明基材とを貼り合せ、加熱接着する、貼り合わせ工程、
    を包含する、接着性スペーサーの製造方法。
  7. 現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、現像された塗膜を加熱するポストベーク工程、を包含する、請求項6記載の接着性スペーサーの製造方法。
  8. 現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、180〜500nmの波長を有する光を現像された塗膜に照射するポスト露光工程、を包含する、請求項6記載の接着性スペーサーの製造方法。
  9. 現像工程と貼り合わせ工程との間にさらに、現像された塗膜を加熱するポストベーク工程および180〜500nmの波長を有する光を現像された塗膜に照射するポスト露光工程の両工程、を包含する、請求項6記載の接着性スペーサーの製造方法。
  10. 請求項6〜9いずれかに記載の製造方法により得られる接着性スペーサーを有する液晶パネル。
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