JP4441833B2 - 耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた接着フィルム - Google Patents

耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた接着フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は低弾性率で耐熱性に優れた各種プリント配線板、半導体パッケージ用接着剤、封止材などに好適な耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化、多機能化に伴い、プリント配線板や半導体パッケージの配線もより高密度化、微細化が進んでいる。このため、接着剤や接着フィルムに対しても、実装の際の高温プロセスに対応し、かつ電子部品を搭載する際の熱応力を緩和できる、高耐熱性、低弾性率材料が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、耐熱性に優れた樹脂であるポリイミドやポリアミドイミドに、シロキサン構造を導入した、低弾性率材料が開発されてきた。特開平5−9254号公報、特開平6−116517号公報などにはいずれもシロキサン変性ポリアミドイミドが提案されている。しかしながら、これらの樹脂は銅箔に対する接着力が十分でなく、また、ガラス転移点以上の温度領域では樹脂の弾性率が著しく低下し、耐熱性も十分でない。
【0004】
また、特開平10―60111号公報にはシロキサン変性ポリアミドイミドにマレイミド基を2個以上有する化合物を配合して、高温特性を改良することが提案されているが、この樹脂組成物は特に銅箔に対する接着性に劣る。
本発明は、上記の欠点を解消すべく、接着性、耐熱性に優れ、かつ低弾性率な耐熱性樹脂組成物とそれを用いた接着フィルムを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のものに関する。
(1) (A)アラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹及び(B)2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物であって、(A)成分のアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、一般式(2式)で示される構造単位と、一般式(3式)で示される構造単位とが不規則に配列してなる、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂である、耐熱性樹脂組成物。
【化2】
Figure 0004441833
(2) (A)成分のアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、測定周波数10Hzの条件で、250℃における弾性率が10MPa以上であることを特徴とする項(1)に記載の耐熱性樹脂組成物。
(3) 前記(A)成分のアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂において、含有するアラミド構造が本質的に一般式(1式)で示されるものでもよい
【化3】
Figure 0004441833
) (B)成分の2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂が、フェノール類ノボラック型のエポキシ樹脂である項(1)または項()に記載の耐熱性樹脂組成物。
) 項(1)または項(2)に記載の耐熱性樹脂組成物を用いて得られる接着フィルム。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の耐熱性樹脂は、(A)アラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、(B)2個以上のグリシジル基を含有するエポキシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物であって、低弾性率であり、接着性に優れ、かつガラス転移温度以上の高温においても比較的高い弾性率を持つため、耐熱性にも優れている。この樹脂をワニスとして支持基材上に塗布すれば、銅箔などとの密着性に優れた接着フィルムを得ることが出来る。
【0007】
本発明では、接着フィルムと単に述べるが、接着フィルムと接着シートの両方を意味する。
【0008】
耐熱性や電気特性に優れた樹脂であるポリアミドイミドに、シロキサン構造を導入すると、弾性率や可とう性、及び溶解性を改善することが出来る。さらに、このシロキサン変性ポリアミドイミドに熱硬化樹脂として、2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂を配合すれば、接着力、耐熱性に優れた樹脂組成物とすることが出来る。
【0009】
本発明では、この際、特にアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミドと、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を用いると、―70℃〜室温付近においては低弾性率でありながら、ガラス転移温度以上の温度においても弾性率の低下がほとんど見られず、このため耐熱性に優れた材料となることを見いだした。
本発明は(A)アラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、(B)2個以上のグリシジル基を含有するエポキシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物である。
【0010】
本発明で用いるアラミド構造を有するシロキサン変性ポリアミドイミドの合成法については特に制限はなく、例えば、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸を直接縮合させてアミノ基を両末端に有するアラミドオリゴマーを製造し、これとトリメリット酸やピロメリット酸を反応させる直接重縮合法や、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸クロライドとの反応によって、アミノ基を両末端に有するアラミドオリゴマーを製造し、これとトリメリット酸やピロメリット酸を反応させる酸クロライド法、さらに芳香族ジアミンとトリメリット酸やピロメリット酸を反応させてジイミドジカルボン酸を製造し、これに芳香族ジカルボン酸を加え、芳香族ジイソシアネートを反応させるイソシアネート法などがあげられる。この中でも、イソシアネート法により合成した樹脂は塩や酸が副生することなく、また未反応のモノマーやオリゴマーの混入が少ないことのため特に好ましい。
【0011】
本発明で用いる、アラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミドを、イソシアネート法により合成する際には、シロキサンジアミンを含むジアミンの混合物の合計モル数に対し1.80〜2.20倍モル量の無水トリメリット酸を反応させて、ジイミドジカルボン酸を合成すると好ましい。このジイミドジカルボン酸を製造するに際し、非プロトン性極性溶媒の存在下に、50〜90℃で反応させ、さらに非プロトン性極性溶媒の0.1〜0.5(10重量%〜50重量%)重量比で芳香族炭化水素を投入し、120〜180℃で反応を行う。反応終了後は芳香族炭化水素は蒸留などにより除去し続いて、芳香族ジカルボン酸を加え、芳香族ジイソシアネートと反応させてシロキサン含有ポリアミドイミドを製造する。この際、反応触媒として例えばトリエチルアミンなどの塩基触媒を前記ジアミンの1.0〜50モル%加え、70℃〜190℃、好ましくは90℃〜150℃で2時間以上反応させる。生成したシロキサン含有ポリアミドイミドは非プロトン性極性溶媒に溶解し、溶媒のワニスとして製品とすることができる。
【0012】
本発明で用いるシロキサンジアミンとしては一般式(4式)で表されるものが用いられる。
【0013】
【化5】
Figure 0004441833
(ただし、式中、R3及びR4はそれぞれ2価の有機基、R5及びR6はアルキル基又は置換されていても良いフェニル基を示し、nは1〜50の整数を示す)
3及びR4の具体例としては、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよいフェニレン基又は炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよいナフタレン基等のアリーレン基がある。R5及びR6において、アルキル基は炭素数が1〜3のものが好ましく、フェニル基に結合していてもよい置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子等がある。
【0014】
この様なシロキサンジアミンとしては(5式)で示すものが挙げられ、これらの中でもジメチルシロキサン系両末端アミンであるアミノ変性反応性シリコーンオイルKF―8010(アミン当量450)、X−22−161A(アミン当量840)、X−22−161B(アミン当量1500)、以上信越化学工業株式会社製商品名、BY16−853(アミン当量650)、BY16−853B(アミン当量2200)、以上東レダウコーニングシリコーン株式会社製商品名などが市販品として挙げられる。
【0015】
【化6】
Figure 0004441833
【0016】
これらのシロキサンジアミンを単独で、あるいはこれらのシロキサンジアミンと芳香族ジアミンの混合物を無水トリメリット酸(以下、TMAと略す)と反応させる。本発明で用いる混合溶媒は、ジアミン及びTMAと反応しない有機溶媒であり、使用する混合溶媒の種類とその混合比は重要である。
【0017】
本発明で使用する非プロトン性極性溶媒として、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N―メチル−2―ピロリドン、4−ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサン等が例示できる。イミド化反応には、高温を有するため沸点の高い、N―メチル−2―ピロリドン(以下、NMPと略す)が、特に好ましい。これらの混合溶媒中に含まれる水分量はTMAが水和して生成するトリメリット酸により、十分に反応が進行せず、ポリマの分子量低下の原因になるため0.2重量%以下で管理されていることが好ましい。また、本発明で使用する非プロトン性溶媒は、特に制限されないが、ジアミンと無水トリメリット酸をあわせた重量の割合が、多いと無水トリメリット酸の溶解性が低下し十分な反応が行えなくなることや、低いと工業的製造法として不利であることから、10重量%〜70重量%の範囲になることが好ましい。
【0018】
本発明で用いる芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、(4,4−ジカルボキシル)ジフェニルエーテル、(4,4−ジカルボキシル)ジフェニルスルホン、(4,4−ジカルボキシル)ベンゾフェノン、(3,3−ジカルボキシル)ベンゾフェノン、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン時カルボン酸等が例示できる。また、アジピン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等の酸を単独で、あるいは組み合わせて用いることもできる。特にテレフタル酸は、分子形状が直線上であるため、配向性に優れ、このため生成したポリマーの耐熱性が優れることのため好ましい。
【0019】
本発明で用いる芳香族ジイソシアネートとして具体的には、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略す)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o-、m-キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等が例示できる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、4、4’―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イシホロンジイソシアネートなどのイソシアネートを単独でまたは組み合わせて用いることができる。特にMDIは、分子構造においてイソシアネート基が離れており、ポリアミドイミドの分子中におけるアミド基やイミド基の濃度が相対的に低くなり、溶解性が向上するため好ましい。
【0020】
このようにして得られる、アラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミドは、特にガラス転移温度以上の高温においても高い弾性率を維持できる。本発明では、250℃において1MPa以上、好ましくは10MPa以上の弾性率をもつアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドを用いることが好ましい。
【0021】
本発明で用いる2個以上のグリシジル基を含有するエポキシ樹脂に特に制限はない。例えば、ビスフェニールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。特に、フェノール類ノボラック型のエポキシ樹脂を用いると、熱硬化後の高温弾性率が高くなり、そのため耐熱性に優れることのため、好ましい。また、エポキシ樹脂の硬化剤や硬化促進剤、難燃剤、消泡剤などを併用してもかまわないことは当然である。
【0022】
本発明のアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミドと2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂との配合比は重要である。
本発明ではアミド基とエポキシ基との反応を利用して硬化反応を行うが、エポキシ基が少なすぎると銅箔などとの接着力が十分でなく、また多すぎると過剰分のエポキシ樹脂によりガラス転移温度が低下したり、室温での弾性率が向上したりするため、エポキシ樹脂はシロキサン変性ポリアミドイミド100重量部に対して、1〜200重量部、好ましくは3〜100重量部であることが好ましい。また、硬化反応を低温で行うために、例えばイミダゾール類のような硬化触媒を併用することが好ましい。
【0023】
本発明の耐熱性樹脂組成物は、配合した後、成分を分離させないために、1時間以上、よく攪拌する必要がある。この際、泡が発生するため、泡が完全に消えるまで室温で1日以上静置して、脱泡することが好ましい。
このようにして得られた耐熱性樹脂組成物は、NMPなどの非プロトン性極性溶媒に可溶で、そのままワニスとして用いることが出来る。
【0024】
本発明の耐熱性樹脂組成物は、支持基材上に塗布すれば、銅箔などとの密着性に優れた接着フィルムを得ることが出来る。この接着フィルムは、通常180℃以上、好ましくは200℃以上の加熱によって硬化させることが出来る。この接着フィルムを用いて、銅箔などとプレスを行うことにより、接着力、はんだ耐熱性に優れた銅張り積層フィルムを得ることが出来る。
【0025】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1〜3)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1Lのセパラブルフラスコに、各種ジアミン(シロキサンジアミン:KF―8010(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量450)、芳香族ジアミン:BAPP(2、2―ビス[4―(4―アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)、TMA(無水トリメリット酸)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を仕込み、80℃で30分間攪拌した。そしてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、水分定量受器をはずし、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート)、トリエチルアミンを投入し、110℃で2時間反応させた。反応終了後、シロキサン含有ポリアミドイミドのNMP溶液を得た。なお、合成例1はアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミドであり、合成例2、3は、比較のための、アラミド構造を含有しないシロキサン変性ポリアミドイミドである。
【0026】
【表1】
Figure 0004441833
【0027】
合成例1〜3で得られたワニスを、乾燥後の膜厚が50μmになるようにPETフィルムに塗布し、120℃で30分間乾燥させた。得られた接着フィルムをPETフィルムから剥がして、ステンレス枠に固定し、180℃で1時間熱処理した。このフィルムについて、弾性率を測定した。
測定には動的粘弾性測定装置のDVE―V4(レオロジー株式会社製商品名)を用い、引張りモード、チャック間距離20mm、測定温度50〜350℃、昇温速度5℃/分、測定周波数10Hzの条件で、250℃における貯蔵弾性率を測定した。
その結果、アラミド構造を含有する、合成例1のシロキサン変性ポリアミドイミドは250℃で30MPaの高い弾性率を示したが、合成例2のシロキサン変性ポリアミドイミドは200℃前後で溶融してしまった。合成例3のシロキサン変性ポリアミドイミドも、250℃での弾性率は3MPaであった。
【0028】
(実施例1〜4)
合成例1のアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂と、エポキシ樹脂としてYD―8125(東都化成製商品名)、あるいはESCN195(住友化学製商品名)を表2に示す配合量で配合し、さらに2―エチル―4―メチルイミダゾールをエポキシ樹脂に対して0.01当量配合した。樹脂が均一になるまで約1時間攪拌した後、脱泡のため24時間、室温で静置し樹脂組成物とした。その樹脂組成物を、支持基材である離型PETフィルム上に乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布し、120℃、30分間乾燥させBステージの接着フィルムを得た。
【0029】
その後、支持基材から接着フィルムを剥がし、ステンレス製の枠に固定して、180℃、60分間熱処理して硬化させた接着フィルムを得た。その硬化した接着フィルムの特性値を測定し、結果を表2に示した。
測定には動的粘弾性測定装置のDVE―V4(レオロジー株式会社製商品名)を用い、引張りモード、チャック間距離20mm、測定温度50〜350℃、昇温速度5℃/分、測定周波数10Hzの条件で、各温度における貯蔵弾性率を測定した。
【0030】
また、得られた耐熱性樹脂組成物を、電解粗化銅箔TSC―35(古河サーキットフォイル株式会社製商品名)の粗化面に、乾燥後の膜厚50μmになるよう塗布し、120℃で30分間乾燥して、銅箔付き接着フィルムを製造した。この銅箔付き接着フィルムの樹脂面と電解粗化銅箔TSC―35の粗化面とを、圧力10MPaで180℃1時間、プレスして、両面銅張り接着フィルムを得た。この両面銅張り接着フィルムを25mm角に切断し、288℃のはんだ高温槽に浮かべて、銅箔にふくれが生じるまでの時間を調べた。結果を表2に示した。
さらに、この両面銅張り接着フィルムの銅箔を10mm幅で剥がして、銅箔と樹脂との界面における、銅箔の接着力を、JISC6481に準じて測定し、結果を表2に併せて示した。
【0031】
(比較例1〜2)
実施例2の比較例として、合成例2、3で得られたアラミド構造を含有しないシロキサン変性ポリアミドイミドを用いて、その他は同様の配合、方法で樹脂組成物を得た。その樹脂組成物を用いて得られた硬化フィルムの物性と、銅箔への接着力、はんだ耐熱性を同様にして測定し、結果を表2に示した。
【0032】
【表2】
Figure 0004441833
【0033】
表2の実施例1〜4はいずれも本発明の耐熱性樹脂組成物によるものであり、50℃において低弾性率でありながら、250℃の高温でも高い弾性率を維持し、また、接着力、はんだ耐熱性にも優れていた。アラミドを含有しないシロキサン変性ポリアミドイミドを用いた比較例1、2は250℃の弾性率は十分でなく、そのためはんだ耐熱性が劣った。
さらに、エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂を用いた実施例4は、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用いた実施例2よりも250℃で高い弾性率を示した。
【0034】
【発明の効果】
本発明の耐熱性樹脂組成物は、低弾性率で耐熱性が要求されるワニス、接着剤及び接着フィルム等に使用でき、塗料分野、配線板・電気分野、自動車分野、建築・建材分野等に幅広く使用することができる。そして、それは従来の樹脂に比べて、特に耐熱性に優れるだけでなく、乾燥性、フィルム成形性、電気特性などにも優れた特性を示す。また、溶媒に可溶であるため、取り扱いも容易である。さらに樹脂組成物を接着フィルムとして層絶縁性の接着剤として使用した場合、加熱による機械特性の低下を防ぎ、層間絶縁抵抗や耐熱信頼性が向上するほか、従来の樹脂系では対応できなかったような高温のプロセスにおいても用いることが出来る。

Claims (4)

  1. (A)アラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹及び(B)2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物であって、(A)成分のアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、一般式(2式)で示される構造単位と、一般式(3式)で示される構造単位とが不規則に配列してなる、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂である、耐熱性樹脂組成物。
    Figure 0004441833
  2. (A)成分のアラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、測定周波数10Hzの条件で、250℃における弾性率が10MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. (B)成分の2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂が、フェノール類ノボラック型のエポキシ樹脂である請求項1または請求項に記載の耐熱性樹脂組成物。
  4. 請求項1または請求項に記載の耐熱性樹脂組成物を用いて得られる接着フィルム。
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