JP4441824B2 - セメント密着体及びその施工方法 - Google Patents

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本発明は、天然植物由来の繊維質またはその粉体または合成繊維由来の繊維質またはその粉体の中から選ばれた無機系粘着性接着性組成物との組成物である繊維粉末含有無機系接着性組成物を建築用のパネルの片面または両面上に付着手段により形成させ十分乾燥させた後にセメント含有材料を付着手段により形成させ、前記無機系粘着性接着性組成物の付着形成体をセメント密着体として用いたことを特徴とする、セメント密着体及びその施工方法の提供を目的とする。
従来、鉄筋コンクリート造などの建物は、例えば、断熱材が建物の内側に施工される内断熱工法においては、外装をタイル仕上にする場合は、建物の外面となるコンクリート躯体に直接モルタル仕上し外装タイルを取付けていたり、例えば、断熱材が建物の外側に施工される外断熱工法においては、断熱材には発泡系断熱材を使用し、その外側に直接ラスと共にモルタル仕上した後、外装タイルを張付けしていたり、例えば外断熱工法の断熱材に繊維系断熱材を使用した場合、コンクリート躯体と外装材の間に断熱層及び通気層を構成させるため、コンクリート躯体と外装材の距離も大きくなるため、外装材の自重や地震による外装面の揺れの力が、外装材を取付ける金物に曲げモーメントとして働くため、軽量な金属パネルやセラミック系サイデングなどを下地とした乾式タイル工法などが知られている。
また、モルタルやコンクリートといったセメント含有材料は、安価であり施工性に富んでいて、一般的な建築物の壁材や床材の下地材として、またはこれらに前記セメント含有材料の塗布等による化粧仕上材として多用されているが、壁下材や床下材との密着性を向上させるために、壁下材や床下材とセメント含有材料との中間にラス材を用いるのが一般的である。
そこで、近年では、上述した問題点を改善しようと、以下のような開発例が見られるようになってきた。
例えば、モルタルやコンクリートといったセメント含有材料と密着させる用途に使用するのに適したセメント含有材料との密着性に優れた表面処理鋼板の提供を目的とし、そのための解決手段として、亜鉛系もしくはアルミニウム系めっき鋼板のめっき面上に、シリカおよび有機樹脂を含有するクロメート皮膜を、Cr換算で5〜120mg/mの付着量で有することを特徴とする、セメント含有材料と密着させる用途に使用される表面処理鋼板のような開発例が見られる。(特許登録3219002号を参照する)
また、例えば、化粧仕上げとして付着塗布したコンクリートモルタル材の経年変化によるひび割れ、クラック、剥離等を生じさせず、また躯体壁に対する固着、連続する隣接施工も容易で、簡単に取り扱えるようにすることを課題とし、その解決手段として、躯体壁面に取り付け固着する発泡合成樹脂材製の壁下地本体において、その組立施工後におけるコンクリートモルタル材を付着塗布する外表面に充填溝を配列形成し、この充填溝は鉛直方向あるいは水平方向、斜めの傾斜方向に沿って複数列あるいは格子状に配列し、壁下地本体に内装の取付手段の止着部材で躯体壁面に固着取り付け、壁下地本体の上下、左右の端縁面夫々には、隣接配置する壁下地本体相互を噛み合い状に結合する断面でほぼ溝形を呈する噛み合い溝を、隣接する同士のものでは互いに逆向きに設け、壁下地本体には例えば段ボール紙、硬質性ビニル樹脂、鉄等の金属、コンクリートモルタル材等の剛性の補強部材を内装するような開発例が見られる。(特開2001−20491号公報を参照する)
さらに、例えば、従来の複合建材に比べて、発泡合成樹脂製材に対するセメントモルタル材自体の付着能力を向上し、剥離、亀裂等の発生を防止し、しかも強度的に優れたものの提供を課題とし、その解決手段として、発泡合成樹脂製板材層の表裏両面の少なくとも片側面に複数の溝条を並列にして凹設形成し、該各溝条夫々の内部に各溝条サイズに対応した網目状の溝条用ラス材を配設し該溝条用ラス材を埋め込むようにしてセメントモルタル材を充填した後、片側面全体に網目状の面用ラス材を張設して再度セメントモルタル材を積層することにより発泡合成樹脂製板材層とセメントモルタル層とが一体化した複合建材を形成し、溝条は、略蟻溝型に凹設形成し、溝条用ラス材が溝条の溝奥部に配するように構成する、複合建材及びその製造方法が知られている。(特開平11−324216号公報を参照する)
ところが、壁下材や床下材とセメント含有材料との中間に用いたラス材の多くが夫々の壁下材や床下材との密着性がよくないという指摘を受けている。
また、上述した従来技術によるセメント含有材料とラス材を用いた施工には多くの工程を要し、従って長時間を要していた。
また、上述した従来技術によるセメント含有材料と前記下地材を用いた施工であることによって、前記セメント含有材料の水分が前記下地材中に透過されて夫々の接触面での水分量が低下してしまい、硬化不良を引き起こし、密着力の低下を招くという問題が生じ、従って施工後に前記セメント含有材料が剥離し易いという問題点を有していた。
また、例えば、特許登録3219002号の亜鉛系もしくはアルミニウム系めっき鋼板のめっき面上へのセメント含有材料と密着させる用途に使用される表面処理鋼板のような開発例に関しては、前記めっき鋼板のめっき面上に新たな表面処理を必要とすることは、新たな設備とそれに伴う設備費を必要とし、それだけコストアップに繋がることで、力のない企業には導入しづらいという指摘を受けている。
また、例えば、特開2001−20491号の、躯体壁面に取り付け固着する発泡合成樹脂材製の壁下地本体において、その組立施工後におけるコンクリートモルタル材を付着塗布する外表面に充填溝を配列形成する開発例に関しては、コンクリートモルタル材を付着塗布する外表面に充填溝を配列形成する手段の分だけ手間も増えてコストアップにつながり、前記外表面の充填溝以外のコンクリートモルタル材の密着力に問題があるという指摘を受けている。
また、例えば、特開平11−324216号の、発泡合成樹脂製板材層の表裏両面の少なくとも片側面に複数の溝条を並列にして凹設形成し、該各溝条夫々の内部に各溝条サイズに対応した網目状の溝条用ラス材を配設し該溝条用ラス材を埋め込むようにしてセメントモルタル材を充填した後、片側面全体に網目状の面用ラス材を張設して再度セメントモルタル材を積層することにより発泡合成樹脂製板材層とセメントモルタル層とが一体化した複合建材を形成する開発例に関しては、前記ラス材自身と発泡合成樹脂製板材との密着性や前記ラス材自身と前記セメントモルタル材との密着性が弱いと言う指摘を受けている。
本発明は、上記のような問題点を解決するために成されたものであり、上述したようなモルタルやコンクリートといったセメント含有材料と壁下材や床下材との密着力を向上させるための手段を安価に提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した壁下材や床下材とセメント含有材料とを密着させるための手段が熟練工でない通常の作業者の手によっても容易に製作することが可能なセメント密着体とその施工方法の提供を目的とする。
また、本発明は、コンクリートモルタル材などのセメント含有材料を壁下材や床下材に付着塗布施工するに際し、ラス材を用いなくとも簡便な施工が可能で、かつ経年変化によるひび割れ、クラック、剥離等が生ぜず、施工後の状態を長期間維持できる手段の提供を目的とする。
課題を解決するための第1の手段は、天然植物由来の繊維質またはその粉体または/及び合成繊維由来の繊維質またはその粉体の中から選ばれた少なくとも1種類と無機系粘着性接着性組成物との組成物である繊維粉末含有無機系接着性組成物を建築用のパネルの片面または両面上に付着手段により形成させ十分乾燥させた後にセメント含有材料を付着手段により形成させ、前記無機系粘着性接着性組成物の付着形成体をセメント密着体として用いたことを特徴とする、セメント密着体を提供することであるが、本発明で用いる前記無機系粘着性接着性組成物に関しては、水ガラスを主成分とした水ガラス系接着組成物またはシラノール系接着組成物またはコロイダルシリカ系接着組成物の中から選ばれた少なくとも1種類を用いればよい。前記建築用パネルに関しては、規格の寸法・仕様で製造された板状体であれば寸法に関しては任意で構わないが、市販されているタイプが多種類入手可能なのでそれを利用すればよく、また前記パネルには、表面と裏面を貫通する孔部を複数以上設けてあるものを利用するのが好ましく、もしくは前記パネルには、表面と裏面を貫通する孔部を複数以上設けることが好ましい。
また、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物に関しての発明者は、2003年2月19日に、特許願2003−83899「繊維粉末含有無機系接着性組成物」として出願したが、本願発明者は研究室内で、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物がモルタルやコンクリートやコンクリートモルタル材などのセメント含有材料を大変よく接着することを見出したことが、今回の発明に至った。したがって、前記天然植物由来の繊維質またはその粉体または/及び合成繊維由来の繊維質に関しての記述は、特許願2003−83899号の文章に準拠する。
また、前記無機系粘着性接着性組成物である、水ガラスを主成分とした水ガラス系接着組成物またはシラノール系接着組成物またはコロイダルシリカ系接着組成物などが、前記セメント含有材料の硬化促進材料や接着材料として公知な材料であることも今回の発明のきっかけになった。
前記付着手段に関しては、被付着対象面に前記繊維粉末含有無機系接着性組成物を、練り付けたり、塗布したり、スプレーガンを用いたりすればよい。
前記セメント含有材料に関しては、セメントモルタル材やコンクリートモルタル材やセメント系パテ材など、セメントが含有されている材料であればほとんど全て使用可能である。また、石膏や石灰など水和作用により凝固・硬化する材料であればほとんど全て使用可能である。
課題を解決するための第2の手段は、前記セメント密着体の表面には、幾何学的または非幾何学的に、凹部または凸部または孔部または溝状の形体を形成することを特徴とする、課題を解決するための第1の手段に記載のセメント密着体を提供することであるが、前記凹部に形成されたものに関しては、前記凹部に前記セメント含有材料層を形成するようにする。前記孔部に形成されたものに関しては、前記孔部に前記セメント含有材料層を形成するようにする。前記溝状の形体に形成されたものに関しては、前記溝状の形体に前記セメント含有材料層を形成するようにする。
また、前記凹部の形体を形成することに関しては、前記セメント密着体の表面に任意寸法の凹形体が形成されていればよく形成手段に関しては特に制限はない。前期凸部の形体を形成することに関しては、前記セメント密着体の表面に任意寸法の凸形体が形成されていればよく形成手段に関しては特に制限はない。前記孔部の形体を形成することに関しては、任意寸法の孔形体が前記セメント密着体の表面から前記パネルの片面または両面上まで貫通する状態で形成されていればよく形成手段に関しては特に制限はない。前記溝状の形体を形成することに関しては、前記セメント密着体の表面から前記パネルの片面または両面上まで貫通しない状態での任意寸法の溝形体が形成されていればよく形成手段に関しては特に制限はない。
課題を解決するための第3の手段は、前記セメント密着体の表面が粗面または非平面であることを特徴とする、課題を解決するための第1の手段に記載のセメント密着体を提供することである。
前記セメント密着体の表面が粗面であることに関しては、前記繊維質またはその粉体の寸法が約1μm〜10mmで使用可能であり、好ましくは約100μm〜5mmであるが、本願の繊維粉末含有無機系接着性組成物の特徴の一つが、硬化すると多孔質になり、この作用が前記セメント密着体の表面を粗面にすることになるので、目的に応じて前記繊維質またはその粉体の寸法を約1μm〜10mmの範囲で調節すればよい。前記セメント密着体の表面が非平面であることに関しては、前記セメント密着体を前記パネルの片面または両面上に前記付着手段により施工するときに非平面になるように施工するのは容易であり、その手段に関しては任意の手段で構わない。前記繊維質またはその粉体が、パルプまたはその粉末であることがコスト的に有利である。
課題を解決するための第4の手段は、前記セメント密着体または/及びその表面または/及び前記形体の形成手段として、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物を前記パネルの片面または両面上に付着させ、その上にシートまたは板体を載置し、前記シート上面または板体上面から押圧手段によって前記表面または前記形体を作成し、次に前記シートまたは板体を剥離し、前記形体または前記表面を乾燥させた後に、前記形体の表面または前記表面に必要に応じて水膜を形成するとともに前記セメント含有材料を付着させた後に、前記セメント含有材料を乾燥させることを特徴とする、課題を解決するための第1の手段から課題を解決するための第3の手段のいずれかに記載のセメント密着体の施工方法を提供することである。
本発明は、前記セメント密着体または/及びその表面または/及び前記形体の形成手段として、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物を前記パネルの片面または両面上に付着させ、その上にシートまたは板体を載置し、前記シート上面または板体上面から押圧手段によって前記表面または前記形体を作成し、次に前記シートまたは板体を剥離することによって、前記セメント密着体が波打つ現象が生じたり、前記セメント密着体の表面に起毛作用が生じることを利用するものである。また、この波打ち現象や起毛作用により生じた形体を乾燥させたものが、前記セメント含有材料との密着性を向上させることを発明者が実験室にて見出した。
前記シートに関しては、規格の寸法・仕様で製造されたシート体であれば寸法に関しては任意で構わないが、市販されているタイプが多種類入手可能なのでそれを利用すればよい。前記板体に関しては、規格の寸法・仕様で製造された板状体であれば寸法に関しては任意で構わないが、市販されているタイプが多種類入手可能なのでそれを利用すればよい。
課題を解決するための第5の手段としては、前記表面または前記形体の形成手段として、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物を前記パネルの片面または両面上に付着させ、その上から型押し手段を用いて前記形体または前記表面を形成させた後に乾燥させ、前記形体の表面または前記表面に必要に応じて水膜を形成するとともに前記セメント含有材料を付着させた後に乾燥させることを特徴とする、課題を解決するための第1の手段から課題を解決するための第3の手段のいずれかに記載のセメント密着体の施工方法を提供することである。
前記型押し手段に関しては、金属製またはプラスチック製のローラーの表面に所望する形体になるような型を設けた回転型の金型を用いるか、金属製またはプラスチック製の板体の表面に所望する形体になるような型を設けた平面型の金型を用いるかして、前記セメント密着体の表面に所望する形体が形成されるようにする。
課題を解決するための第6の手段は、前記建築用のパネルが、金属製、コンクリート製、木質系、石膏、発泡合成樹脂製、であることを特徴とする、課題を解決するための第1の手段に記載のセメント密着体を提供することである。
また、前記金属製パネルに関しては亜鉛系もしくはアルミニウム系めっき鋼板であり、前記コンクリート製パネルに関しては建築用に一般的に用いられているコンクリート・パネルであり、前記木質系パネルに関しては合板やベニヤ板やパーティクルボードやハードボードであり、前記石膏パネルに関しては建築用に一般的に用いられている石膏ボードや珪酸カルシウムボードである。
以上の構成からなる本発明のセメント密着体及びその施工方法を提供できることで、以下のような優れた効果を奏することができる。
(イの1)この本発明のセメント密着体は、前記無機系粘着性接着性組成物に水ガラスを主成分とした水ガラス系接着組成物またはシラノール系接着組成物またはコロイダルシリカ系接着組成物の使用を想定しており、これらの接着性組成物は前記セメント含有材料の硬化を促進させる効果や硬化した前記セメント含有材料を接着させる効果を備えており、前記セメント密着体はこの効果を利用することで、前記セメント含有材料と密着性が優れたセメント密着体を提供できる。
(イの2)この本発明のセメント密着体は、前記無機系粘着性接着性組成物に天然植物由来の繊維質またはその粉体または/及び合成繊維由来の繊維質またはその粉体の中から選ばれた少なくとも1種類を混合させた繊維粉末含有無機系接着性組成物であることでこれが硬化することによって、この繊維粉末含有無機系接着性組成物は多孔質になり、その作用によってこの繊維粉末含有無機系接着性組成物は硬化した前記セメント含有材料との接着効果が向上し、前記セメント密着体はこの効果を利用することで、前記セメント含有材料と密着性が優れたセメント密着体を提供できる。
(イの3)本発明のセメント密着体は、前記無機系粘着性接着性組成物に天然植物由来の繊維質またはその粉体または/及び合成繊維由来の繊維質またはその粉体の中から選ばれた少なくとも1種類を混合させた繊維粉末含有無機系接着性組成物であることで、これを請求項6の建築用のパネルに請求項4の施工方法で施工することによって、繊維粉末含有無機系接着性組成物で形成された形体の内部で前記繊維質が起毛作用により前記セメント含有材料側に向かって引っ張られた状態になり、その状態で硬化させることで、前記セメント密着体の表面が多孔質および粗面率が向上しおよび前記セメント密着体の非平面率が向上することで、前記セメント密着体の強度や耐久性の向上や密着率の向上が図られ、前記セメント密着体はこの効果を利用することで、前記セメント含有材料と密着性が優れたセメント密着体を提供できる。
(ロ)上述した発明の効果により、前記セメント密着体の表面が構成されているので、耐摩粍性、耐候性にすぐれ、室温、湿度等の室内環境変化が激しい場所に用いても、長年月にわたり、ひび割れ、脱落等の損傷がなく安定性にすぐれている。
また、上述した発明の効果により、本発明のセメント密着体は、前記繊維質の粉体を所定のレオロジー特性に調節して混合させることで、耐火性、耐熱性、難燃性、断熱性、防黴性、防音性に優れたセメント密着体を提供できる。
また、請求項1から請求項5の発明を、建築物の壁面に施工した場合であっても上述した発明の効果が期待でき、前記セメント密着体の表面が構成されているので、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物の乾燥形成体が前記セメント含有材料と前記壁面とが完全に密着されるため、前記セメント密着体が割れたり、剥落したりすることがない。
(ハ)請求項6の発明により、石膏ボードに本発明を施工した場合であっても上述した発明の効果が期待でき、石膏ボード表面のボード原紙に前記無機系接着性組成物の含浸層が形成されるたているため、紙間剥離の発生を回避することができ、しかも前記含浸層による防水効果を介してボード原紙への水の浸透が防止されるので、水の浸透に伴う塗材の水分量低下を生ずることがなく、前記セメント密着体の割れや剥落を防止することができる。
また、請求項2の発明により、前記セメント密着体の表面に凹部または孔部または溝状の形体を形成したものにあっては、前記凹部または孔部または溝状への前記セメント含有材料の投錨効果により、その密着力は更に向上される。
また、本発明による建築内装下地材はその上に塗材を直接塗着することのできる下地材であるため、その施工工程が簡略化され、施工を短時間で終了させることができる。
(ニ)前記繊維粉末含有無機系接着性組成物に前記植物繊維またはその粉体に紙製廃棄物(例えば、古新聞、古雑誌など)からの古パルプまたはその粉体を用いることで、原料として安価で大量入手が容易であり、さらに現在埋焼却処分か再生処理されている前記紙製廃棄物を、上述した発明に加わえることで、環境保全コストや再生処理コストを低減させること、または、本発明の採用業者の売上向上への貢献や地球環境への貢献が可能になる。
また、本発明を一般建築躯体壁に応用することで、例えば、前記躯体壁外表面に本発明を施工することによって、例えば化粧仕上げとして付着塗布施工されるコンクリートモルタル材やセメントモルタル材などの経年変化によるひび割れやクラックや剥離等が生ぜず、その施工後の美麗な状態を長期に亙って維持できる。
(ホ)本発明は、特許願2003−83899「繊維粉末含有無機系接着性組成物」の実施の形態例に示したように、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物の硬化後の接着強度が従来の接着組成物に比べて約1.4倍になることで、セメント密着体として十分な強度を示しながら耐火性、耐熱性、難燃性、断熱性、防黴性、防音性も保持した、セメント密着体及びその施工方法を提供できる。
また、本発明は、上述した発明の効果に加えて、熟練した作業者による施工が必要なラス張りやラス材を不要とすることで、現場での施工性に優れているために、本発明の施工が熟練工でない通常の作業者の手によっても容易に製作することが可能なセメント密着体とその施工方法の提供を目的とする。
(ヘ)本発明の繊維粉末含有無機系接着性組成物は、表面処理鋼板またはアルミ板または非表面処理鋼板に対する密着性が優れており、また前記金属板への優れた耐食性に加えて、前記無機系接着性組成物がアルカリを維持することによって高い耐酸性を示すため、セメント含有材料と密着させた後に酸性雨によりセメントからアルカリ分が流出しても、前記金属板表面まで酸性が到達せず、前記金属板表面を健全に保持することができる。従って、本発明の前記金属板は、モルタルやコンクリートと密着させて使用する建材用途にも適している。
(ト)また、本発明の効果により、発泡合成樹脂材製のパネルやボードを建築材料として使用しても、前記発泡合成樹脂材製パネルへもセメント含有材料との密着が可能であり、その結果、軽量な建築物の構成体として形成使用でき、コンクリートモルタル材やセメントモルタル材との一体性によって、外部環境の温度・湿度変化に対する耐候性、衝撃その他に対する緩和性等を発揮でき、それが長期に亙って保持されて、そのひび割れ、クラック、剥離等を阻止できる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6に基づいて説明する。
図1は本発明の概略または工程を説明する側面断面図であり、図2は本発明の概略または工程を説明する側面断面図であり、図3は本発明の概略または工程を説明する側面断面図であり、図4は本発明の概略または工程を説明する側面断面図であり、図5は本発明の概略または工程を説明する側面断面図であり、図6は本発明の概略または工程を説明する側面断面図である。
以下、本発明のセメント密着体及びその施工方法を実施の形態例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1から図6より、10は建築用のパネルであり、11は建築用パネル10の片面であり、12は建築用パネル10に複数以上設けた貫通孔部の中の一つであり、20は特願2003−83899の繊維粉末含有無機系接着性組成物であり、21は繊維粉末含有無機系接着性組成物20が硬化したセメント密着体20’としての凸部形成体であり、22は繊維粉末含有無機系接着性組成物20硬化したセメント密着体としての凹部形成体であり、30は繊維粉末含有無機系接着性組成物20に密着させるシート体であり、31はシート体30の押圧手段としての押圧ローラーであり、32は繊維粉末含有無機系接着性組成物20に各種形成体を設ける型押し手段としての型付きローラーであり、40はセメント含有材料であり、41はセメント含有材料40を建築用パネル10の片面11に付着手段により形成させたのちに乾燥形成体であり、本発明は以上の構成による。
用意した市販のミキサー容器(容量5リットル用、500回転/1分間)に水1000gに対して珪酸ナトリウム濃厚水溶液(和光純薬工業(株)製)1500gを1分間攪拌し混合させた水ガラス水溶液2500gを用意しておく。この水ガラス溶液に乾燥バージンパルプ(北越製紙(株)製)を約100gと珪酸アルミニウム約300gを入れ室温(約20℃)のもとで約8時間混練した。
この混練物2900gの中から約1000gを、50cm×50cm×2cmの市販されている穴開き合板の片面に5mmから10mmの厚みになるように付着させた後に、市販の60cm×60cm×約1mmの厚みのビニールシートを密着させローラーで押圧した後にビニールシートの一端を手で把持し速やかに引き剥がすことで前記混練物の表面全体に凹凸が生じた。
表面全体に前記混練物の凹凸が生じた合板を約12時間室温(約20℃)で放置した後で、セメント含有材料として、小野田セメント製ポルトランドセメントと骨材の砂と水とを、骨材:セメント:水=1:1:0.5の割合でよく混合してモルタルを調製した。このモルタルを本実施例の合板の前記混練物の凹凸が生じた面の上に平らに塗工し、戸外の日陰にて1週間自然乾燥することにより、モルタルと密着させた試験板を作成した。
試験板を作成してから2週間後に、実験室にて付着強度試験を行った。引張試験機を用い、引張速度1mm/minの条件で付着強度を測定した。試料の付着強度は8.6Kgf/cm、であった。この値は、内装材のJIS規格において、JIS A 6909(薄付け仕上塗材)及びJIS A 6910(複層仕上塗材)に規定される標準状態での付着強度3〜5Kgf/cmを超えるものであり、本発明のセメント密着体が十分な密着強度を有することが示された。またこの板材を水中に1日間放置したが剥がれることはなかった。
用意した市販のミキサー容器(容量5リットル用、500回転/1分間)に日本工業規格JIS K1408に規定の水ガラス3号(富士化学株式会社製)1000gを用意しておく。この水ガラス溶液に乾燥バージンパルプを臼で約5μmの粉末にしたものを約100gと酸化亜鉛約400gを入れ室温(約20℃)のもとで約8時間混練した。
この混練物1500gの中から約500gを、50cm×50cm×2mmの亜鉛メッキ鋼板の片面に約3mmから5mmの厚みになるよう付着させた後に、市販の60cm×60cm×約1mmの厚みのビニールシートを密着させローラーで押圧した後にビニールシートの一端を手で把持し速やかに引き剥がすことで前記混練物の表面全体に凹凸が生じた。
表面全体に前記混練物の凹凸が生じた亜鉛メッキ鋼板を約12時間室温(約20℃)で放置した後で、セメント含有材料として、小野田セメント製ポルトランドセメントと骨材の砂と水とを、骨材:セメント:水=1:1:0.5の割合でよく混合してモルタルを調製した。このモルタルを本実施例の亜鉛メッキ鋼板の前記混練物の凹凸が生じた面の上に平らに塗工し、戸外の日陰にて1週間自然乾燥することにより、モルタルと密着させた試験板を作成した。
試験板を作成してから2週間後に、実験室にて付着強度試験を行った。引張試験機を用い、引張速度1mm/minの条件で付着強度を測定した。試料の付着強度は8.2Kgf/cm、であった。この値は、内装材のJIS規格において、JIS A 6909(薄付け仕上塗材)及びJIS A 6910(複層仕上塗材)に規定される標準状態での付着強度3〜5Kgf/cmを超えるものであり、本発明のセメント密着体が十分な密着強度を有することが示された。またこの亜鉛メッキ鋼板を水中に1日間放置したが剥がれることはなかった。
実施例1のモルタル/合板ボードを用いて、モルタル面の一部を約1,000℃のバーナーで5分間あぶり難燃度試験を行った。合板の裏面には殆ど熱が伝わることがなく、モルタルと合板が剥がれるようなことはなく、合板側から煙が出るようなことも無かった。
実施例2のモルタル/亜鉛メッキ鋼板を用いて、モルタル面の一部を約1,000℃のバーナーで5分間あぶり耐熱性試験を行った。亜鉛メッキ鋼板の裏面には殆ど熱が伝わることがなく、モルタルと亜鉛メッキ鋼板が剥がれるようなことはなく、さらにバーナーで5分間あぶったが、亜鉛メッキ鋼板の裏面には僅かしか熱が伝わることがなかった。
本発明のセメント密着体及びその施工方法は、前記建築用パネルへの施工または前記建築用パネルへ施工した製品以外にも、一般建築の躯体壁または壁面に本発明を施工することや、石膏や前記セメント含有材料を使う試作品作りやモデル製作や芸術品の制作などの分野にも応用できる。
また、本発明のセメント密着体及びその施工方法は、通気性を備えた建築パネルまたは建築躯体壁面となるため、タイルの目地や外装表面のクラックから入った水を水蒸気として逃がすことが可能なので、冬期における凍害等によるタイルの剥離を防止できることで、タイルや石材ボードなどの施工分野にも応用できる。
本発明の概略または工程を説明する側面断面図である。 本発明の概略または工程を説明する側面断面図である。 本発明の概略または工程を説明する側面断面図である。 本発明の概略または工程を説明する側面断面図である。 本発明の概略または工程を説明する側面断面図である。 本発明の概略または工程を説明する側面断面図である。
符号の説明
10 建築用パネル
11 建築用パネル片面
12 建築用パネル貫通孔部
20 繊維粉末含有無機系接着性組成物
20’ セメント密着体
21 凸部形成体
22 凹部形成体
30 シート体
31 押圧ローラー
32 型付きローラー
40 セメント含有材料
41 はセメント含有材料乾燥形成体

Claims (6)

  1. 天然植物由来の繊維質またはその粉体または/及び合成繊維由来の繊維質またはその粉体の中から選ばれた少なくとも1種類と無機系粘着性接着性組成物との組成物である繊維粉末含有無機系接着性組成物を建築用のパネルの片面または両面上に付着手段により形成させ十分乾燥させた後にセメント含有材料を付着手段により形成させ、前記無機系粘着性接着性組成物の付着形成体をセメント密着体として用いたことを特徴とする、セメント密着体。
  2. 前記セメント密着体の表面には、幾何学的または非幾何学的に、凹部または凸部または孔部または溝状の形体を形成することを特徴とする、請求項1に記載のセメント密着体。
  3. 前記セメント密着体の表面が粗面または非平面であることを特徴とする、請求項1に記載のセメント密着体。
  4. 前記セメント密着体または/及びその表面または/及び前記形体の形成手段として、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物を前記パネルの片面または両面上に付着させ、その上にシートまたは板体を載置し、前記シート上面または板体上面から押圧手段によって前記表面または前記形体を作成し、次に前記シートまたは板体を剥離し、前記形体または前記表面を乾燥させた後に、前記形体の表面または前記表面に必要に応じて水膜を形成するとともに前記セメント含有材料を付着させた後に、前記セメント含有材料を乾燥させることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセメント密着体の施工方法。
  5. 前記表面または前記形体の形成手段として、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物を前記パネルの片面または両面上に付着させ、その上から型押し手段を用いて前記形体または前記表面を形成させた後に乾燥させ、前記形体の表面または前記表面に必要に応じて水膜を形成するとともに前記セメント含有材料を付着させた後に乾燥させることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセメント密着体の施工方法。
  6. 前記建築用のパネルが、金属製、コンクリート製、木質系、石膏、発泡合成樹脂製、であることを特徴とする、請求項1に記載のセメント密着体。
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