JP4439827B2 - 製造装置および発光装置の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着により成膜可能な材料(以下、蒸着材料という)の成膜に用いる成膜装置に関する。特に、本発明は蒸着材料として有機材料を用いる場合に有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】
近年、自発光型の素子としてEL素子を有した発光装置の研究が活発化しており、特に、EL材料として有機材料を用いた発光装置が注目されている。この発光装置は有機ELディスプレイ又は有機発光ダイオードとも呼ばれている。
【0003】
なお、EL素子は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electro Luminescence)が得られる有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)と、陽極と、陰極とを有する。有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明の成膜装置および成膜方法により作製される発光装置は、どちらの発光を用いた場合にも適用可能である。
【0004】
発光装置は、液晶表示装置と異なり自発光型であるため視野角の問題がないという特徴がある。即ち、屋外に用いられるディスプレイとしては、液晶ディスプレイよりも適しており、様々な形での使用が提案されている。
【0005】
EL素子は一対の電極間にEL層が挟まれた構造となっているが、EL層は通常、積層構造となっている。代表的には、コダック・イーストマン・カンパニーのTangらが提案した「正孔輸送層/発光層/電子輸送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常に発光効率が高く、現在、研究開発が進められている発光装置は殆どこの構造を採用している。
【0006】
また、他にも陽極上に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層の順に積層する構造も良い。発光層に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。また、これらの層は、全て低分子系の材料を用いて形成しても良いし、全て高分子系の材料を用いて形成しても良い。
【0007】
なお、本明細書において、陰極と陽極との間に設けられる全ての層を総称してEL層という。したがって、上述した正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層は、全てEL層に含まれるものとする。
【0008】
また、本明細書中では、陰極、EL層及び陽極で形成される発光素子をEL素子といい、これには、互いに直交するように設けられた2種類のストライプ状電極の間にEL層を形成する方式(単純マトリクス方式)、又はTFTに接続されマトリクス状に配列された画素電極と対向電極との間にEL層を形成する方式(アクティブマトリクス方式)の2種類がある。
【0009】
また、EL層を形成するEL材料は低分子系(モノマー系)材料と高分子系(ポリマー系)材料に大別されるが、このうち低分子系材料は主に蒸着により成膜される。
【0010】
EL材料は極めて劣化しやすく、酸素もしくは水の存在により容易に酸化して劣化する。そのため、成膜後にフォトリソグラフィ工程を行うことができず、パターン化するためには開口部を有したマスク(以下、蒸着マスクという)で成膜と同時に分離させる必要がある。従って、昇華した有機EL材料の殆どが成膜室内の内壁、もしくは防着シールド(蒸着材料が成膜室の内壁に付着することを防ぐための保護板)に付着していた。
【0011】
また、従来の蒸着装置は、膜厚の均一性を上げるために、基板と蒸着源との間隔を広くしており、装置自体が大型化していた。また、基板と蒸着源との間隔が広いため、成膜速度が遅くなり、成膜室内の排気に要する時間も長時間となってスループットが低下している。
【0012】
加えて、従来の蒸着装置は、高価なEL材料の利用効率が約1%以下と極めて低く、発光装置の製造コストは非常に高価なものとなっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
EL材料は非常に高価であり、グラム単価が金のグラム単価よりも数段高く、できるだけ効率よく使用することが望まれている。しかしながら、従来の蒸着装置では高価なEL材料の利用効率が低い。
【0014】
本発明は、EL材料の利用効率を高め、且つ、均一性に優れ、且つ、スループットの優れた蒸着装置を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蒸着の際、基板と蒸着源との間隔距離dを代表的には30cm以下に狭め、蒸着材料の利用効率及びスループットを格段に向上させる。基板と蒸着源との間隔距離dを狭めることによって、成膜室サイズを小型化することができる。小型化によって、成膜室容積量を小さくしたことにより真空排気の時間を短縮でき、且つ、成膜室内に存在するトータルの不純物量を低減でき、高純度なEL材料への不純物(水分や酸素など)混入防止を実現するものである。本発明により、今後のさらなる蒸着材料の超高純度化への対応を可能とする。
【0016】
加えて、蒸着室内において、蒸着材料が封入された容器を設置した蒸着源ホルダが、基板に対してあるピッチで移動することを特徴とする。本明細書では、移動する蒸着ホルダを備えた蒸着装置を有する製造装置をムービングセルクラスタ方式と呼ぶ。また、一つの蒸着ホルダにはルツボを2個以上、好ましくは4個や6個、設置可能とする。本発明は、蒸着源ホルダが移動するため、その移動速度が速ければ、蒸着マスクはほとんど加熱されず、熱によるマスクの変形が引き起こす成膜不良なども抑えることができる。
【0017】
本明細書で開示する発明の構成は、
基板に対向して配置した蒸着源から蒸着材料を蒸着させて前記基板上に成膜を行う成膜装置であって、
前記基板が配置される成膜室には、蒸着源と、該蒸着源を移動する手段とを有し、
前記蒸着源をX方向またはY方向、或いはジグザグに移動させて成膜を行うことを特徴とする成膜装置を有する製造装置である。
【0018】
さらに、成膜室内に基板を回転させる機構を設け、蒸着の際、基板の回転と、蒸着源の移動とを同時に行うことによって、膜厚均一性の優れた成膜を行ってもよい。
【0019】
本明細書で開示する発明の構成は、
基板に対向して配置した蒸着源から蒸着材料を蒸着させて前記基板上に成膜を行う成膜装置であって、
前記基板が配置される成膜室には、蒸着源と、該蒸着源を移動する手段と、基板を回転する手段とを有し、
前記蒸着源を移動させ、且つ、同時に前記基板を回転させて成膜を行うことを特徴とする成膜装置を有する製造装置である。
【0020】
また、マルチチャンバー方式の製造装置とすることも可能であり、本発明の他の構成は、
ロード室、該ロード室に連結された搬送室、及び該搬送室に連結された成膜室とを有する製造装置であって、
前記成膜室には、蒸着源と、該蒸着源を移動する手段と、基板を回転する手段とを有し、
前記蒸着源を移動させ、且つ、同時に前記基板を回転させて成膜を行うことを特徴とする成膜装置を有する製造装置である。
【0021】
上記各構成において、前記蒸着源と前記基板との間隔は、30cm以下、好ましくは5cm〜15cmに狭め、蒸着材料の利用効率及びスループットを格段に向上させている。これらの間隔距離は蒸着ホルダをZ方向に移動させる移動手段によって調節すればよい。本発明においては、基板と蒸着源との距離が狭いため、基板以外(例えば、成膜室内壁など)に材料が飛ぶ量を少なくし、材料の使用効率を向上できる。成膜室内壁の付着も少ないものとすることができれば、成膜室内壁のクリーニングなどのメンテナンスの頻度を減らすことができる。
【0022】
また、上記各構成において、前記成膜室は、前記成膜室内を真空にする真空排気処理室と連結されていることを特徴としている。
【0023】
また、上記各構成において、前記蒸着源は、X方向またはY方向に移動することを特徴としている。また、上記各構成において、前記基板と前記蒸着源との間にマスクが設置されており、該マスクは低熱膨張率を有する金属材料からなるマスクであることを特徴としている。
【0024】
また、本発明の他の構成は、図6に示すように、基板を固定し、蒸着源を移動させることによって成膜を行ってもよく、
ロード室、該ロード室に連結された搬送室、及び該搬送室に連結された成膜室とを有する製造装置であって、
前記成膜室には、蒸着源と、該蒸着源を移動する手段と、基板を固定する手段とを有し、
前記基板を固定し、前記蒸着源をX方向またはY方向に移動させて成膜を行うことを特徴とする成膜装置を有する製造装置である。
【0025】
また、上記各構成において、前記蒸着材料は有機化合物材料、或いは金属材料であることを特徴としている。
【0026】
また、蒸着させるEL材料や金属材料に対して、酸素や水等の不純物が混入する恐れのある主な過程を挙げた場合、蒸着前にEL材料や金属材料を蒸着装置にセットする過程、蒸着過程などが考えられる。
【0027】
通常、EL材料を保存する容器は、褐色のガラス瓶に入れられ、プラスチック製の蓋(キャップ)で閉められている。このEL材料を保存する容器の密閉度が不十分であることも考えられる。
【0028】
従来、蒸着法により成膜を行う際には、容器(ガラス瓶)に入れられた蒸発材料を所定の量取りだし、蒸着装置内での被膜形成物に対向させた位置に設置された容器(代表的にはルツボ、蒸着ボート)に移しかえているが、この移しかえ作業において不純物が混入する恐れがある。すなわち、EL素子の劣化原因の一つである酸素や水及びその他の不純物が混入する可能性がある。
【0029】
ガラス瓶から容器に移しかえる際には、例えば、蒸着装置にグローブなどが備えられた前処理室内で人間の手で行うことが考えられる。しかし、前処理室にグローブを備えた場合、真空にすることができず、大気圧で作業を行うこととなり、たとえ窒素雰囲気で行うとしても前処理室内の水分や酸素を極力低減することは困難であった。ロボットを使用することも考えられるが、蒸発材料は粉状であるので、移しかえするロボットを作製することは困難である。従って、下部電極上にEL層を形成する工程から上部電極形成工程までの工程を全自動化し、不純物混入を避けることが可能な一貫したクローズドシステムとすることを困難にしていた。
【0030】
そこで、本発明は、EL材料を保存する容器として従来の容器、代表的には褐色のガラス瓶等を使用せず、蒸着装置に設置される予定の容器にEL材料や金属材料を直接収納し、搬送後に蒸着を行う製造システムとし、高純度な蒸着材料への不純物混入防止を実現するものである。また、EL材料の蒸着材料を直接収納する際、得られた蒸着材料を分けて収納するのではなく、蒸着装置に設置される予定の容器に直接昇華精製を行ってもよい。本発明により、今後のさらなる蒸着材料の超高純度化への対応を可能とする。また、蒸着装置に設置される予定の容器に金属材料を直接収納し、加熱抵抗により蒸着を行ってもよい。
【0031】
上記蒸着装置に設置する容器に蒸着材料を直接収納する作業は、蒸着装置を使用する発光装置メーカーが蒸着材料を作製、または販売している材料メーカーに依頼することが望ましい。
【0032】
また、いくら高純度なEL材料を材料メーカーで提供されても、発光装置メーカーで従来の移しかえの作業があるかぎり不純物混入の恐れが存在し、EL材料の純度を維持することができず、純度に限界があった。本発明により発光装置メーカーと材料メーカーが連携して不純物混入の低減に努めることによって、材料メーカーで得られる極めて高い純度のEL材料を維持し、そのまま純度を落とすことなく発光装置メーカーで蒸着を行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
【0034】
(実施の形態)
本発明の成膜装置を図1に示す。図1(A)は断面図、図1(B)は上面図である。
【0035】
図1において、11は成膜室、12は基板ホルダ、13は基板、14は蒸着マスク、15は蒸着シールド(蒸着シャッター)、17は蒸着源ホルダ、18は蒸着材料、19は蒸発した蒸着材料19である。
【0036】
真空度が5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Paまで真空排気された成膜室11で蒸着を行う。蒸着の際、予め、抵抗加熱により蒸着材料は蒸発(気化)されており、蒸着時にシャッター(図示しない)が開くことにより基板13の方向へ飛散する。蒸発した蒸発材料19は、上方に飛散し、蒸着マスク14に設けられた開口部を通って基板13に選択的に蒸着される。
【0037】
上記蒸着装置において、蒸着源ホルダとは、ルツボと、ルツボの外側に均熱部材を介して配設されたヒータと、このヒータの外側に設けられた断熱層と、これらを収納した外筒と、外筒の外側に旋回された冷却パイプと、ルツボの開口部を含む外筒の開口部を開閉するシャッタ装置とから構成されている。なお、本明細書中において、ルツボとは、BNの焼結体、BNとAlNの複合焼結体、石英、またはグラファイトなどの材料によって形成された比較的大きな開口部を有する筒状容器であり、高温、高圧、減圧に耐えうるものとなっている。
【0038】
なお、マイクロコンピュータにより成膜速度を制御できるようにしておくと良い。
【0039】
図1に示す蒸着装置においては、蒸着の際、基板13と蒸着源ホルダ17との間隔距離dを代表的には30cm以下、好ましくは20cm以下、さらに好ましくは5cm〜15cmに狭め、蒸着材料の利用効率及びスループットを格段に向上させている。また、図1に示す蒸着装置においては、蒸着源ホルダ17に開口の幅が基板と同じ長さの細長い容器に蒸着材料18が収納されている。また、ルツボを並列に複数並べて細長い形状に蒸着されるようにしてもよい。
【0040】
さらに、基板ホルダ12には、基板13を回転させる機構が設けられている。また、蒸着源ホルダ17は、水平を保ったまま、成膜室11内をX方向またはY方向に移動可能な機構が設けられている。図1では一方向のみ移動させる例を示したが特に限定されず、二次元平面で蒸着源ホルダ17をX方向またはY方向に移動させてもよい。また、蒸着源ホルダ201は、X方向またはY方向に複数回往復させてもよいし、斜めに移動させてもよいし、弧を描くように移動させてもよい。また、蒸着源ホルダ201を等加速度で移動させたり、基板付近で加減速を行ってもよい。例えば、図6に一例を示したように蒸着源ホルダ201をジグザグに移動させてもよい。図6中、200は基板、201は蒸着ホルダ、202は蒸着ホルダの移動する方向をそれぞれ指している。なお、図6において、蒸着ホルダ201には4つのルツボが設置可能となっており、蒸着材料203aと蒸着材料203bとが異なるルツボに充填されている。
【0041】
図1に示す蒸着装置は、蒸着の際、基板13の回転と、蒸着源ホルダ17の移動とを同時に行うことによって、膜厚均一性の優れた成膜を行うことを特徴としている。また、蒸着の際には基板は固定しておき、蒸着後に基板を回転させてもよい。
【0042】
また、移動可能な蒸着源ホルダ17に蒸着シャッターを設けてもよい。また、一つの蒸着源ホルダに備えられる有機化合物は必ずしも一つである必要はなく、複数であっても良い。例えば、蒸着源に発光性の有機化合物として備えられている一種類の材料の他に、ドーパントとなりうる別の有機化合物(ドーパント材料)を一緒に備えておいても良い。蒸着させる有機化合物層として、ホスト材料と、ホスト材料よりも励起エネルギーが低い発光材料(ドーパント材料)とで構成し、ドーパントの励起エネルギーが、正孔輸送性領域の励起エネルギーおよび電子輸送層の励起エネルギーよりも低くなるように設計することが好ましい。このことにより、ドーパントの分子励起子の拡散を防ぎ、効果的にドーパントを発光させることができる。また、ドーパントがキャリアトラップ型の材料であれば、キャリアの再結合効率も高めることができる。また、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料をドーパントとして混合領域に添加した場合も本発明に含めることとする。また、混合領域の形成においては、混合領域に濃度勾配をもたせてもよい。
【0043】
また、一つの蒸着源ホルダに備えられる有機化合物を複数とする場合、互いの有機化合物が混ざりあうように蒸発する方向を被蒸着物の位置で交差するように斜めにすることが望ましい。また、共蒸着を行うために図6に示したように4つの蒸着材料(蒸着材料aとしてホスト材料2種類、蒸着材料bとしてドーパント材料2種類)を備えた蒸着ホルダ201としてもよい。
【0044】
また、基板13と蒸着源ホルダ17との間隔距離dを代表的には30cm以下、好ましくは5cm〜15cmに狭めるため、蒸着マスク14も加熱される恐れがある。従って、蒸着マスク14は、熱によって変形されにくい低熱膨張率を有する金属材料(例えば、タングステン、タンタル、クロム、ニッケルもしくはモリブデンといった高融点金属もしくはこれらの元素を含む合金、ステンレス、インコネル、ハステロイといった材料を用いることが望ましい。例えば、ニッケル42%、鉄58%の低熱膨張合金などが挙げられる。また、加熱される蒸着マスクを冷却するため、蒸着マスクに冷却媒体(冷却水、冷却ガス)を循環させる機構を備えてもよい。
【0045】
また、蒸着マスク14は選択的に蒸着膜を形成する際に使用するものであり、全面に蒸着膜を形成する場合には特に必要ではない。
【0046】
また、基板ホルダ12は永久磁石を備えており、金属からなる蒸着マスクを磁力で固定しており、その間に挟まれる基板13も固定されている。ここでは、蒸着マスクが基板13と密接している例を示したが、ある程度の間隔を有して固定する基板ホルダや蒸着マスクホルダを適宜設けてもよい。
【0047】
また、成膜室11には、成膜室内を真空にする真空排気処理室と連結されている。真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、またはドライポンプが備えられている。これにより搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高純度化された後に成膜装置に導入されるようにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去することができるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを防ぐことができる。
【0048】
また、成膜室11内にプラズマ発生手段を設け、基板を配置していない状態で成膜室内にプラズマ(Ar、H、F、NF3、またはOから選ばれた一種または複数種のガスを励起して発生させたプラズマ)を発生させ、成膜室内壁、防着シールド、または蒸着マスクに付着した蒸着物を気化させて成膜室外に排気することによって、クリーニングしてもよい。こうして、メンテナンス時に成膜室内を大気にふれることなくクリーニングすることが可能となる。なお、クリーニングの際、気化した有機化合物は、排気系(真空ポンプ)などによって回収し、再度利用することもできる。
【0049】
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【0050】
(実施例)
[実施例1]
ここでは、同一基板上に画素部と駆動回路とを有し、EL素子を含むアクティブマトリクス型発光装置の作製工程を例にとって図2に説明する。
【0051】
まず、図2(A)に示すように、絶縁表面を有する基板21上に公知の作製工程により薄膜トランジスタ(以下、TFTという)22を形成する。画素部20aには、nチャネル型TFT及びpチャネル型TFTを設けるが、ここでは、有機発光素子に電流を供給するpチャネル型TFTを図示している。なお、有機発光素子に電流を供給するTFTがnチャネル型TFTであってもpチャネル型TFTであってもよい。また、画素部の周辺に設ける駆動回路20bには、nチャネル型TFT、pチャネル型TFT、およびこれらを相補的に組み合わせたCMOS回路などを形成する。なお、ここでは、透明な酸化物導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)からなる陽極23をマトリクス状に形成した後、TFTの活性層と接続する配線を形成している例を示す。次いで、陽極23の端部を覆う無機絶縁材料または有機絶縁材料からなる絶縁膜24を形成する。
【0052】
次に、図2(B)に示すように、EL素子を形成する有機化合物層(EL層)の成膜を行う。
【0053】
まず、前処理として陽極23のクリーニングを行う。陽極表面のクリーニングとしては、真空中での紫外線照射、または酸素プラズマ処理を行い、陽極表面をクリーニングする。また、酸化処理としては、100〜120℃で加熱しつつ、酸素を含む雰囲気中で紫外線を照射すればよく、陽極がITOのような酸化物である場合に有効である。また、加熱処理としては、真空中で基板が耐えうる50℃以上の加熱温度、好ましくは65〜150℃の加熱を行えばよく、基板に付着した酸素や水分などの不純物や、基板上に形成した膜中の酸素や水分などの不純物を除去する。特に、EL材料は、酸素や水などの不純物により劣化を受けやすいため、蒸着前に真空中で加熱することは有効である。
【0054】
次いで、大気にふれさせることなく、図1に示す成膜装置である成膜室に搬送し、陽極23上に有機化合物層の1層である正孔輸送層、正孔注入層、または発光層などを適宜、積層形成する。ここでは、図1に示す成膜装置である成膜室に備えられた蒸着源を加熱して蒸着を行い、正孔注入層25と、発光層(R)26と、発光層(G)27と、発光層(B)28とを形成する。なお、発光層(R)は、赤色光を発する発光層であり、発光層(G)は、緑色光を発する発光層であり、発光層(B)は、青色光を発する発光層である。図1に示す成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、有機化合物層の膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる。
【0055】
次いで、陰極29を形成する。陰極29の形成に図1に示す成膜室を用いてもよい。図1に示す成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、陰極の膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる。
【0056】
陰極29に用いる材料としては仕事関数の小さい金属(代表的には周期表の1族もしくは2族に属する金属元素)や、これらを含む合金を用いることが好ましいとされている。仕事関数が小さければ小さいほど発光効率が向上するため、中でも、陰極に用いる材料としては、アルカリ金属の一つであるLi(リチウム)を含む合金材料が望ましい。なお、陰極は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線を経由して入力端子部に端子電極を有している。
【0057】
次いで、保護膜、封止基板、或いは封止缶で封入することにより、有機発光素子を外部から完全に遮断し、外部から水分や酸素等のEL層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことが好ましい。なお、乾燥剤を設置してもよい。
【0058】
次いで、異方性導電材で入出力端子部の各電極にFPC(フレキシブルプリントサーキット)を貼りつける。異方性導電材は、樹脂と、表面にAuなどがメッキされた数十〜数百μm径の導電性粒子とから成り、導電性粒子により入出力端子部の各電極とFPCに形成された配線とが電気的に接続する。
【0059】
また、必要があれば、偏光板と位相差板とで構成される円偏光板等の光学フィルムを設けてもよいし、ICチップなどを実装させてもよい。
【0060】
以上の工程でFPCが接続されたモジュールタイプアクティブマトリクス型の発光装置が完成する。
【0061】
また、ここでは、陽極を透明導電膜とし、該陽極、有機化合物層、陰極の順に積層する例を示したが、本発明は、この積層構造に限定されず、陰極、有機化合物層、陽極の順に積層してもよいし、陽極を金属層とし、該陽極、有機化合物層、透光性を有する陰極の順に積層してもよい。
【0062】
また、ここではTFTの構造としてトップゲート型TFTの例を示したが、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
【0063】
[実施例2]
図3は、ELモジュールの上面図の外観を示す図である。無数のTFTが設けられた基板(TFT基板とも呼ぶ)35には、表示が行われる画素部30と、画素部の各画素を駆動させる駆動回路31a、31bと、EL層上に設けられる陰極と引き出し配線とを接続する接続部と、外部回路と接続するためにFPCを貼り付ける端子部32とが設けられている。また、EL素子を封止するための基板と、シール材34とによって密閉する。
【0064】
なお、図3において画素部の断面は、特に限定されないが、ここでは、図2(B)の断面図を一例とし、図2(B)の断面構造に保護膜や封止基板を接着するなどの封止工程後のものとなる。
【0065】
基板上に絶縁膜が設けられ、絶縁膜の上方には画素部、駆動回路が形成されており、画素部は電流制御用TFTとそのドレインに電気的に接続された画素電極を含む複数の画素により形成される。また、駆動回路はnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを組み合わせたCMOS回路を用いて形成される。
【0066】
これらのTFTは、公知の技術を用いて形成すればよい。
【0067】
また、画素電極は発光素子(有機発光素子)の陽極として機能する。また、画素電極の両端にはバンクとよばれる絶縁膜が形成され、画素電極上には有機化合物層および発光素子の陰極が形成される。
【0068】
陰極は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線を経由してFPCと接続する端子部に電気的に接続されている。さらに、画素部及び駆動回路に含まれる素子は全て陰極、及び保護膜で覆われている。さらに、カバー材(封止するための基板)と接着剤で貼り合わせてもよい。また、カバー材には凹部を設け、乾燥剤を設置してもよい。
【0069】
また、本実施例は、実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0070】
[実施例3]
実施例1ではTFT22としてトップゲート型TFT(具体的にはプレーナ型TFT)を作製した例を示しているが、本実施例ではTFT22の代わりにTFT42を用いる。本実施例で用いるTFT42は、ボトムゲート型TFT(具体的には逆スタガ型TFT)であり、公知の作製工程により形成すれば良い。
【0071】
まず、図4(A)に示すように、絶縁表面を有する基板41上に公知の作製工程によりボトムゲート型TFT42を形成する。なお、ここでは、TFTを形成した後、金属層(Pt、Cr、W、Ni、Zn、Sn、Inから選ばれた一種または複数の元素を含む導電性材料)からなる陽極43をマトリクス状に形成した例を示す。
【0072】
次いで、陽極43の端部を覆う無機絶縁材料または有機絶縁材料からなる絶縁膜44を形成する。
【0073】
次に、図4(B)に示すように、EL素子を形成する有機化合物層(EL層)の成膜を行う。蒸着源を備えた成膜室に搬送し、陽極43上に有機化合物層の1層である正孔輸送層、正孔注入層、または発光層などを適宜、積層形成する。ここでは、図1に示す成膜装置で蒸着を行い、正孔注入層45と、発光層(R)46と、発光層(G)47と、発光層(B)48とを形成する。図1に示す成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、有機化合物層の膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる。
【0074】
次いで、下層となる陰極49aを図1に示す成膜装置で形成する。図1に示す成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、陰極49aの膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる。下層となる陰極49aは、非常に薄い金属膜(MgAg、MgIn、AlLi、CaNなどの合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜)、あるいはそれらの積層を用いることが好ましい。
【0075】
次いで、陰極49a上に電極49bを形成する。(図4(C))電極49bは、透明な酸化物導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)を用いればよい。図4(C)の積層構造は、図中における矢印方向に発光させる場合(陰極に発光を通過させる場合)であるので、陰極を含む電極として、透光性を有する導電性材料を用いることが好ましい。
【0076】
以降の工程は、上記実施例1に示したモジュールタイプのアクティブマトリクス型の発光装置の作製方法と同一であるのでここでは省略する。
【0077】
また、本実施例は、実施の形態、実施例1、または実施例2のいずれとも自由に組み合わせることができる。
【0078】
[実施例4]
本実施例では上部電極までの作製を全自動化したマルチチャンバー方式の製造装置の例を図5に示す。
【0079】
図5において、100a〜100k、100m〜100uはゲート、101は仕込室、119は取出室、102、104a、108、114、118は搬送室、105、107、111は受渡室、106R、106B、106G、109、110、112、113は成膜室、103は前処理室、117は封止基板ロード室、115はディスペンサ室、116は封止室、120a、120bはカセット室、121はトレイ装着ステージである。
【0080】
以下、予めTFT22及び陽極23が設けられた基板を図5に示す製造装置に搬入し、図2(B)に示す積層構造を形成する手順を示す。
【0081】
まず、カセット室120aまたはカセット室120bにTFT及び陽極23が設けられた基板をセットする。基板が大型基板(例えば300mm×360mm)である場合には、カセット室120bにセットし、通常基板(例えば、127mm×127mm)である場合には、トレイ装着ステージ121に搬送し、トレイ(例えば300mm×360mm)に数枚の基板を搭載する。
【0082】
次いで、基板搬送機構が設けられた搬送室118から仕込室101に搬送する。
【0083】
仕込室101は、真空排気処理室と連結されており、真空排気した後、不活性ガスを導入して大気圧にしておくことが好ましい。次いで仕込室101に連結された搬送室102に搬送する。予め、搬送室内には極力水分や酸素が存在しないよう、真空排気して真空を維持しておく。
【0084】
また、搬送室102には、搬送室内を真空にする真空排気処理室と連結されている。真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、またはドライポンプが備えられている。これにより搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高純度化された後に成膜装置に導入されるようにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去することができるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを防ぐことができる。
【0085】
また、基板に含まれる水分やその他のガスを除去するために、脱気のためのアニールを真空中で行うことが好ましく、搬送室102に連結された前処理室103に搬送し、そこでアニールを行えばよい。さらに、陽極の表面をクリーニングする必要があれば、搬送室102に連結された前処理室103に搬送し、そこでクリーニングを行えばよい。
【0086】
また、陽極上に高分子からなる有機化合物層を全面に形成してもよい。成膜室112は、高分子からなる有機化合物層を形成するための成膜室である。本実施例では、正孔注入層25として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に形成する例を示す。成膜室112においてスピンコート法やインクジェット法やスプレー法で有機化合物層を形成する場合には、大気圧下で基板の被成膜面を上向きにしてセットする。本実施例では、受渡室105には、基板反転機構が備わっており、基板を適宜反転させる。水溶液を用いた成膜を行った後は、前処理室103に搬送し、そこで真空中での加熱処理を行って水分を気化させることが好ましい。なお、本実施例では高分子からなる正孔注入層25を形成する例を示したが、低分子有機材料からなる正孔注入層を抵抗加熱法による蒸着で形成してもよいし、正孔注入層25を特に設けなくともよい。
【0087】
次いで、大気にふれさせることなく、搬送室102から受渡室105に基板104cを搬送した後、搬送室104に基板104cを搬送し、搬送機構104bによって、成膜室106Rに搬送し、陽極23上に赤色発光するEL層26を適宜形成する。ここでは抵抗加熱を用いた蒸着によって形成する。成膜室106Rには、受渡室105で基板の被成膜面を下向きにしてセットする。なお、基板を搬入する前に成膜室内は真空排気しておくことが好ましい。
【0088】
例えば、真空度が5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Paまで真空排気された成膜室106Rで蒸着を行う。蒸着の際、予め、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、蒸着時にシャッター(図示しない)が開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタルマスク(図示しない)に設けられた開口部(図示しない)を通って基板に蒸着される。
【0089】
本実施例においては、図1に示す成膜装置を用いて成膜を行う。図1に示す成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、有機化合物層の膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる。
【0090】
ここでは、フルカラーとするために、成膜室106Rで成膜した後、順次、各成膜室106G、106Bで成膜を行って、赤色、緑色、青色の発光を示す有機化合物層26〜28を適宜形成する。
【0091】
陽極23上に正孔注入層25、および所望のEL層26〜28を得たら、次いで、大気にふれさせることなく、搬送室104aから受渡室107に基板を搬送した後、さらに、大気にふれさせることなく、受渡室107から搬送室108に基板を搬送する。
【0092】
次いで、搬送室108内に設置されている搬送機構によって、成膜室110に搬送し、抵抗加熱による蒸着法で金属層からなる陰極29を適宜形成する。ここでは、成膜室110は、LiとAlを蒸着源に備えて抵抗加熱により蒸着する蒸着装置とする。
【0093】
以上の工程で図2(B)に示す積層構造の発光素子が形成される。
【0094】
次いで、大気に触れることなく、搬送室108から成膜室113に搬送して窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜からなる保護膜を形成する。ここでは、成膜室113内に、珪素からなるターゲット、または酸化珪素からなるターゲット、または窒化珪素からなるターゲットを備えたスパッタ装置とする。例えば、珪素からなるターゲットを用い、成膜室雰囲気を窒素雰囲気または窒素とアルゴンを含む雰囲気とすることによって窒化珪素膜を形成することができる。
【0095】
次いで、発光素子が形成された基板を大気に触れることなく、搬送室108から受渡室111に搬送し、さらに受渡室111から搬送室114に搬送する。
【0096】
次いで、発光素子が形成された基板を搬送室114から封止室116に搬送する。なお、封止室116には、シール材が設けられた封止基板を用意しておくことが好ましい。
【0097】
封止基板は、封止基板ロード室117に外部からセットされる。なお、水分などの不純物を除去するために予め真空中でアニール、例えば、封止基板ロード室117内でアニールを行うことが好ましい。そして、封止基板にシール材を形成する場合には、搬送室108を大気圧とした後、封止基板を封止基板ロード室からディスペンサ室115に搬送して、発光素子が設けられた基板と貼り合わせるためのシール材を形成し、シール材を形成した封止基板を封止室116に搬送する。
【0098】
次いで、発光素子が設けられた基板を脱気するため、真空または不活性雰囲気中でアニールを行った後、シール材が設けられた封止基板と、発光素子が形成された基板とを貼り合わせる。なお、ここでは、封止基板にシール材を形成した例を示したが、特に限定されず、発光素子が形成された基板にシール材を形成してもよい。
【0099】
次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室116に設けられた紫外線照射機構によってUV光を照射してシール材を硬化させる。なお、ここではシール材として紫外線硬化樹脂を用いたが、接着材であれば、特に限定されない。
【0100】
次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室116から搬送室114、そして搬送室114から取出室119に搬送して取り出す。
【0101】
以上のように、図5に示した製造装置を用いることで完全に発光素子を密閉空間に封入するまで外気に晒さずに済むため、信頼性の高い発光装置を作製することが可能となる。なお、搬送室114においては、真空と、大気圧での窒素雰囲気とを繰り返すが、搬送室102、104a、108は常時、真空が保たれることが望ましい。
【0102】
なお、インライン方式の成膜装置とすることも可能である。
【0103】
以下、予めTFT及び陽極が設けられた基板を図5に示す製造装置に搬入し、図4(C)に示す積層構造を形成する手順を示す。
【0104】
まず、図2(A)の積層構造を形成する場合と同様にカセット室120aまたはカセット室120bにTFT及び陽極43が設けられた基板をセットする。
【0105】
次いで、基板搬送機構が設けられた搬送室118から仕込室101に搬送する。次いで仕込室101に連結された搬送室102に搬送する。
【0106】
また、基板に含まれる水分やその他のガスを除去するために、脱気のためのアニールを真空中で行うことが好ましく、搬送室102に連結された前処理室103に搬送し、そこでアニールを行えばよい。さらに、陽極の表面をクリーニングする必要があれば、搬送室102に連結された前処理室103に搬送し、そこでクリーニングを行えばよい。
【0107】
また、陽極上に高分子からなる有機化合物層を全面に形成してもよい。成膜室112は、高分子からなる有機化合物層を形成するための成膜室である。例えば、正孔注入層45として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に形成してもよい。成膜室112においてスピンコート法やインクジェット法やスプレー法で有機化合物層を形成する場合には、大気圧下で基板の被成膜面を上向きにしてセットする。受渡室105には、基板反転機構が備わっており、基板を適宜反転させる。また、水溶液を用いた成膜を行った後は、前処理室103に搬送し、そこで真空中での加熱処理を行って水分を気化させることが好ましい。
【0108】
次いで、大気にふれさせることなく、搬送室102から受渡室105に基板104cを搬送した後、搬送室104に基板104cを搬送し、搬送機構104bによって、成膜室106Rに搬送し、陽極43上に赤色発光するEL層46を適宜形成する。ここでは図1の成膜装置を用いた蒸着によって形成する。図1に示す成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、有機化合物層の膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる
【0109】
ここでは、フルカラーとするために、成膜室106Rで成膜した後、順次、各成膜室106G、106Bで成膜を行って、赤色、緑色、青色の発光を示す有機化合物層46〜48を適宜形成する。
【0110】
陽極43上に正孔注入層45、および所望のEL層46〜48を得たら、次いで、大気にふれさせることなく、搬送室104aから受渡室107に基板を搬送した後、さらに、大気にふれさせることなく、受渡室107から搬送室108に基板を搬送する。
【0111】
次いで、搬送室108内に設置されている搬送機構によって、成膜室110に搬送し、非常に薄い金属膜(MgAg、MgIn、AlLi、CaNなどの合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜)からなる陰極(下層)49aを図1に示す成膜装置で形成する。薄い金属層からなる陰極(下層)49aを形成した後、成膜室109に搬送してスパッタ法により透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)からなる電極(上層)49bを形成し、薄い金属層と透明導電膜との積層からなる電極49a、49bを適宜形成する。
【0112】
以上の工程で図4(C)に示す積層構造の発光素子が形成される。図4(C)に示す積層構造の発光素子は図中に矢印で示した発光方向となり、図2(B)の発光素子とは逆方向となる。
【0113】
また、以降の工程は上記した図2(A)に示す積層構造を有する発光装置の作製手順と同一であるのでここでは説明を省略する。
【0114】
このように、図5に示す製造装置を用いれば、図2(B)、図4(C)に示す積層構造とを作り分けることができる。また、図1に示す成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、有機化合物層の膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる
【0115】
また、本実施例は、実施の形態、実施例1乃至3のいずれとも自由に組み合わせることができる。
【0116】
[実施例5]
図7に本実施例の製造システムの説明図を示す。
【0117】
図7において、61aは第1の容器(ルツボ)であり、61bは第1の容器を大気から隔離して汚染から防ぐための第2の容器である。また、62は高純度に精製された粉末状のEL材料である。また、63は真空可能なチャンバーであり、64は加熱手段、65は被蒸着物、66は蒸着膜である。また、68は、材料メーカーであり、蒸着材料である有機化合物材料を生産、精製している製造者(代表的には原材料取り扱い業者)であり、69は蒸着装置を有する発光装置メーカーであり、発光装置の製造者(代表的には生産工場)である。
【0118】
本実施例の製造システムの流れを以下に説明する。
【0119】
まず、発光装置メーカー69から材料メーカー68に発注60を行う。材料メーカー68は発注60に従って、第1の容器と第2の容器を用意する。そして、材料メーカーが清浄室環境内で不純物(酸素や水分など)の混入に十分注意を払いながら第1の容器61aに超高純度のEL材料62を精製または収納する。その後、材料メーカー68が清浄室環境内で第1の容器の内部または外部に余分な不純物が付着しないように第2の容器61bで第1の容器61aを密閉することが好ましい。密閉する際には、第2の容器61bの内部は、真空、または不活性ガスで充填することが好ましい。なお、超高純度のEL材料62を精製または収納する前に第1の容器61aおよび第2の容器61bをクリーニングしておくことが好ましい。
【0120】
本実施例において、第1の容器61aは、後に蒸着を行う際、そのままチャンバー内に設置されるものである。また、第2の容器61bは、酸素や水分の混入をブロックするバリア性を備えた包装フィルムであってもよいが、自動で取り出し可能とするため、筒状、または箱状の頑丈な遮光性を有する容器とすることが好ましい。
【0121】
次いで、第1の容器61aが第2の容器61bに密閉されたままの状態で、材料メーカー68から発光装置メーカー69に搬送67する。
【0122】
次いで、第1の容器61aが第2の容器61bに密閉されたままの状態で、真空排気可能な処理室63内に導入する。なお、処理室63は、内部に加熱手段64、基板ホルダー(図示しない)が設置されている蒸着チャンバーである。その後、処理室63内を真空排気して酸素や水分が極力低減されたクリーンな状態にした後、第2の容器61bから第1の容器61aを取り出し、真空を破ることなく、加熱手段64に設置することで蒸着源を用意することができる。なお、第1の容器61aに対向するように被蒸着物(ここでは基板)65が設置される。
【0123】
次いで、抵抗加熱などの加熱手段64によって蒸着材料に熱を加えて蒸着源に対向して設けられた被蒸着物65の表面に蒸着膜66を形成することができる。こうして得られた蒸着膜66は不純物を含まず、この蒸着膜66を用いて発光素子を完成させた場合、高い信頼性と高い輝度を実現することができる。
【0124】
こうして、第1の容器61aは一度も大気に触れることなく蒸着チャンバー63に導入され、材料メーカーで蒸着材料62を収納した段階での純度を維持したまま、蒸着が行えることを可能とする。また、材料メーカーで第1の容器61aに直接EL材料62を収納することによって、必要な量だけを発光装置メーカーに提供し、比較的高価なEL材料を効率よく使用することができる。
【0125】
従来の抵抗加熱による蒸着法においては、材料の使用効率が低く、例えば以下に示すような使用効率をあげる方法がある。蒸着装置のメンテナンス時にルツボに新しいEL材料を入れた状態で1回目の蒸着を行った後は、蒸着されずに残留物が残る。そして、次に蒸着を行う際には残留物上に新たにEL材料を補充して蒸着を行い、以降の蒸着はメンテナンスを行うまで上記補充を繰り返す方法で使用効率をあげることができるが、この方法では、残留物が汚染の原因となり得る。また、補充する際には作業者が行うため、その際、蒸着材料に酸素や水分が混入して純度が低下する恐れがある。また、何回か繰り返し蒸着したルツボはメンテナンス時に放棄する。また、不純物の汚染を防ぐため、蒸着を行うごとに新しいEL材料をルツボに入れ、蒸着するごとにルツボも放棄することも考えられるが、製造コストが高くなる。
【0126】
従来において蒸着材料を収納していたガラス瓶をなくすことができ、さらに、上記製造システムによりガラス瓶からルツボに移しかえる作業をなくすことができ、不純物混入を防ぐことができる。加えて、スループットも向上する。
【0127】
本実施例により、全自動化してスループットを向上させる製造システムを実現するとともに、材料メーカー68で精製した蒸着材料62への不純物混入を避けることが可能な一貫したクローズドシステムを実現することが可能となる。
【0128】
また、上記ではEL材料を例に説明を行ったが、本実施例では陰極や陽極となる金属層も抵抗加熱により蒸着を行うこともできる。抵抗加熱法で陰極を形成すれば、TFT22の電気特性(オン電流、オフ電流、Vth、S値など)を変化させることなくEL素子を形成することができる。
【0129】
金属材料としても、同様にして、予め、第1の容器に金属材料を収納して、その第1の容器をそのまま蒸着装置に導入して、抵抗加熱により蒸発させて蒸着膜を形成すればよい。
【0130】
また、本実施例は、実施の形態、実施例1乃至4のいずれとも自由に組み合わせることができる。
【0131】
[実施例6]
本実施例では、搬送する容器の形態について図8(A)を用いて具体的に説明する。搬送に用いる上部(721a)と下部(721b)に分かれる第2の容器は、第2の容器の上部に設けられた第1の容器を固定するための固定手段706と、固定手段に加圧するためのバネ705と、第2の容器の下部に設けられた第2の容器を減圧保持するためガス経路となるガス導入口708と、上部容器721aと下部容器721bとを固定するOリングと、留め具702とを有している。この第2の容器内には、精製された蒸着材料が封入された第1の容器701が設置されている。なお、第2の容器はステンレスを含む材料で形成され、第1の容器701はチタンを有する材料で形成するとよい。
【0132】
材料メーカーにおいて、第1の容器701に精製した蒸着材料を封入する。そして、Oリングを介して第2の容器上部721aと下部721bとを合わせ、留め具702で上部容器721aと下部容器721bとを固定し、第2の容器内に第1の容器701を密閉する。その後、ガス導入口708を介して第2の容器内を減圧し、更に窒素雰囲気に置換し、バネ705を調節して固定手段706により第1の容器701を固定する。なお、第2の容器内に乾燥剤を設置してもよい。このように第2の容器内を真空や減圧、窒素雰囲気に保持すると、蒸着材料へのわずかな酸素や水の付着でさえも防止することができる。
【0133】
この状態で発光装置メーカーへ搬送され、第1の容器701を蒸着室へ設置する。その後、加熱により蒸着材料は昇華し、蒸着膜の成膜が行われる。
【0134】
また、その他の部品、例えば膜厚モニタ(水晶振動子など)、シャッターなども同様にして大気にふれることなく搬送し、蒸着装置内に設置することが好ましい。
【0135】
また、本実施例では、大気にふれることなく容器内に真空封止されたルツボ(蒸着材料が充填されている)を容器から取り出し、蒸着ホルダにルツボをセットするための設置室が成膜室に連結されており、大気にふれることなく設置室から搬送ロボットでルツボを搬送する。設置室にも真空排気手段を設け、さらにルツボを加熱する手段も設けることが好ましい。
【0136】
図8(A)および図8(B)を用いて、第2の容器721a、721bに密閉されて搬送される第1の容器701を成膜室へ設置する機構を説明する。
【0137】
図8(A)は、第1の容器が収納された第2の容器721a、721bを載せる回転台713と、第1の容器を搬送するための搬送機構と、持ち上げ機構711とを有する設置室の断面が記載されている。また、設置室は成膜室と隣り合うように配置され、ガス導入口を介して雰囲気を制御する手段により設置室の雰囲気を制御することが可能である。なお、本実施例の搬送機構は、図8(B)に記載されるように第1の容器701の上方から、該第1の容器を挟んで(つまんで)搬送する構成に限定されるものではなく、第1の容器の側面を挟んで搬送する構成でも構わない。
【0138】
このような設置室内に、留め具702を外した状態で第2の容器を回転設置台713上に配置する。内部は真空状態であるので留め具702を外しても取れない。次いで、雰囲気を制御する手段により、設置室内を減圧状態とする。設置室内の圧力と第2の容器内の圧力とが等しくなるとき、容易に第2の容器は開封できる状態となる。そして持ち上げ機構711により第2の容器の上部721aを取り外し、回転設置台713が回転軸712を軸として回転することによって第2の容器の下部および第1の容器を移動させる。そして、第1の容器701を搬送機構により蒸着室へ搬送して第1の容器701を蒸着源ホルダ(図示しない)に設置する。
【0139】
その後、蒸着源ホルダに設けられた加熱手段により、蒸着材料は昇華され、成膜が開始される。この成膜時に、蒸着源ホルダに設けられたシャッター(図示しない)が開くと、昇華した蒸着材料は基板の方向へ飛散し、基板に蒸着され、発光層(正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層を含む)が形成される。
【0140】
そして、蒸着が完了した後、蒸着源ホルダから第1の容器を持ち上げ、設置室に搬送して、回転台713に設置された第2の容器の下部容器(図示しない)に載せられ、上部容器721aにより密閉される。このとき、第1の容器と、上部容器と、下部容器とは、搬送された組み合わせで密閉することが好ましい。この状態で、設置室805を大気圧とし、第2の容器を設置室から取り出し、留め具702を固定して材料メーカーへ搬送される。
【0141】
また、第1の容器911を複数設置可能な設置室の例を図9に示す。図9(A)において、設置室905には、第1の容器911または第2の容器912を複数載せることができる回転台907と、第1の容器を搬送するための搬送機構902bと、持ち上げ機構902aとを有し、成膜室906には蒸着源ホルダ903と、蒸着ホルダを移動させる機構(ここでは図示しない)とを有している。図9(A)は上面図を示し、図9(B)には設置室内の斜視図を示している。また、設置室905は成膜室906と隣り合うようにゲート弁900を介して配置され、ガス導入口を介して雰囲気を制御する手段により設置室の雰囲気を制御することが可能である。なお図示しないが、取り外した上部(第2の容器)912を配置する箇所は別途設けられる。
【0142】
或いは、成膜室に連結した前処理室(設置室)にロボットを備え、蒸着源ごと成膜室から前処理室に移動させ、前処理室で蒸着源に蒸着材料をセットしてもよい。即ち、蒸着源が前処理室まで移動する製造装置としてもよい。こうすることによって、成膜室の洗浄度を保ったまま、蒸着源をセットすることができる。
【0143】
また、本実施例は、実施の形態、実施例1乃至5のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0144】
[実施例7]
本実施例では、第1の電極から封止までの作製を全自動化したマルチチャンバー方式の製造装置の例を図10に示す。
【0145】
図10は、ゲート500a〜500yと、搬送室502、504a、508、514、518と、受渡室505、507、511と、仕込室501と、第1成膜室506Hと、第2成膜室506Bと、第3成膜室506Gと、第4成膜室506R、第5成膜室506Eと、その他の成膜室509、510、512、513、531、532と、蒸着源を設置する設置室526R、526G、526B、526E、526Hと、前処理室503a、503bと、封止室516と、マスクストック室524と、封止基板ストック室530と、カセット室520a、520bと、トレイ装着ステージ521と、取出室519と、を有するマルチチャンバーの製造装置である。なお、搬送室504aには基板504cを搬送するための搬送機構504bが設けており、他の搬送室も同様にそれぞれ搬送機構が設けてある。
【0146】
以下、予め陽極(第1の電極)と、該陽極の端部を覆う絶縁物(隔壁)とが設けられた基板を図10に示す製造装置に搬入し、発光装置を作製する手順を示す。なお、アクティブマトリクス型の発光装置を作製する場合、予め基板上には、陽極に接続している薄膜トランジスタ(電流制御用TFT)およびその他の薄膜トランジスタ(スイッチング用TFTなど)が複数設けられ、薄膜トランジスタからなる駆動回路も設けられている。また、単純マトリクス型の発光装置を作製する場合にも図10に示す製造装置で作製することが可能である。
【0147】
まず、カセット室520aまたはカセット室520bに上記基板をセットする。基板が大型基板(例えば300mm×360mm)である場合はカセット室520bにセットし、通常基板(例えば、127mm×127mm)である場合には、カセット室520aにセットした後、トレイ装着ステージ521に搬送し、トレイ(例えば300mm×360mm)に複数の基板をセットする。
【0148】
カセット室にセットした基板(陽極と、該陽極の端部を覆う絶縁物とが設けられた基板)は搬送室518に搬送する。
【0149】
また、カセット室にセットする前には、点欠陥を低減するために第1の電極(陽極)の表面に対して界面活性剤(弱アルカリ性)を含ませた多孔質なスポンジ(代表的にはPVA(ポリビニルアルコール)製、ナイロン製など)で洗浄して表面のゴミを除去することが好ましい。洗浄機構として、基板の面に平行な軸線まわりに回動して基板の面に接触するロールブラシ(PVA製)を有する洗浄装置を用いてもよいし、基板の面に垂直な軸線まわりに回動しつつ基板の面に接触するディスクブラシ(PVA製)を有する洗浄装置を用いてもよい。また、有機化合物を含む膜を形成する前に、上記基板に含まれる水分やその他のガスを除去するために、脱気のためのアニールを真空中で行うことが好ましく、搬送室518に連結されたベーク室523に搬送し、そこでアニールを行えばよい。
【0150】
次いで、基板搬送機構が設けられた搬送室518から仕込室501に搬送する。本実施例の製造装置では、搬送室518に設けられたロボットは、基板の表裏を反転させることができ、仕込室501に反転させて搬入することができる。本実施例において、搬送室518は常に大気圧が維持されている。仕込室501は、真空排気処理室と連結されており、真空排気した後、不活性ガスを導入して大気圧にしておくことが好ましい。
【0151】
次いで仕込室501に連結された搬送室502に搬送する。搬送室502内には極力水分や酸素が存在しないよう、予め、真空排気して真空を維持しておくことが好ましい。
【0152】
また、上記の真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、またはドライポンプが備えられている。これにより仕込室と連結された搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高純度化された後に蒸着装置に導入されるようにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去することができるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを防ぐことができる。
【0153】
また、不用な箇所に形成された有機化合物を含む膜を除去したい場合には、前処理室503aに搬送し、有機化合物膜の積層を選択的に除去すればよい。前処理室503aはプラズマ発生手段を有しており、Ar、H、F、およびOから選ばれた一種または複数種のガスを励起してプラズマを発生させることによって、ドライエッチングを行う。マスクを使用することによって不要な部分だけ選択的に除去することができる。また、陽極表面処理として紫外線照射が行えるように前処理室503aにUV照射機構を備えてもよい。
【0154】
また、シュリンクをなくすためには、有機化合物を含む膜の蒸着直前に真空加熱を行うことが好ましく、前処理室503bに搬送し、上記基板に含まれる水分やその他のガスを徹底的に除去するために、脱気のためのアニールを真空(5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Pa)で行う。前処理室503bでは平板ヒータ(代表的にはシースヒータ)を用いて、複数の基板を均一に加熱する。この平板ヒータは複数設置され、平板ヒータで基板を挟むように両面から加熱することもでき、勿論、片面から加熱することもできる。特に、層間絶縁膜や隔壁の材料として有機樹脂膜を用いた場合、有機樹脂材料によっては水分を吸着しやすく、さらに脱ガスが発生する恐れがあるため、有機化合物を含む層を形成する前に100℃〜250℃、好ましくは150℃〜200℃、例えば30分以上の加熱を行った後、30分の自然冷却を行って吸着水分を除去する真空加熱を行うことは有効である。
【0155】
次いで、上記真空加熱を行った後、搬送室502から受渡室505に基板を搬送し、さらに、大気にふれさせることなく、受渡室505から搬送室504aに基板を搬送する。
【0156】
その後、搬送室504aに連結された成膜室506R、506G、506B、506Eへ基板を適宜、搬送して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、または電子注入層となる低分子からなる有機化合物層を適宜形成する。また、搬送室102から基板を成膜室506Hに搬送して、蒸着を行うこともできる。
【0157】
また、成膜室512では大気圧下、または減圧下でインクジェット法やスピンコート法などで高分子材料からなる正孔注入層を形成してもよい。また、基板を縦置きとして真空中でインクジェット法により成膜してもよい。第1の電極(陽極)上に、正孔注入層(陽極バッファー層)として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ショウノウスルホン酸水溶液(PANI/CSA)、PTPDES、Et−PTPDEK、またはPPBAなどを全面に塗布、焼成してもよい。焼成する際にはベーク室523で行うことが好ましい。スピンコートなどを用いた塗布法で高分子材料からなる正孔注入層を形成した場合、平坦性が向上し、その上に成膜される膜のカバレッジおよび膜厚均一性を良好なものとすることができる。特に発光層の膜厚が均一となるため均一な発光を得ることができる。この場合、正孔注入層を塗布法で形成した後、蒸着法による成膜直前に真空加熱(100〜200℃)を行うことが好ましい。真空加熱する際には前処理室503bで行えばよい。例えば、第1の電極(陽極)の表面をスポンジで洗浄した後、カセット室に搬入し、成膜室512に搬送してスピンコート法でポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に膜厚60nmで塗布した後、ベーク室523に搬送して80℃、10分間で仮焼成、200℃、1時間で本焼成し、さらに前処理室503bに搬送して蒸着直前に真空加熱(170℃、加熱30分、冷却30分)した後、成膜室506R、506G、506Bに搬送して大気に触れることなく蒸着法で発光層の形成を行えばよい。特に、ITO膜を陽極材料として用い、表面に凹凸や微小な粒子が存在している場合、PEDOT/PSSの膜厚を30nm以上の膜厚とすることでこれらの影響を低減することができる。
【0158】
また、PEDOT/PSSはITO膜上に塗布すると濡れ性があまりよくないため、PEDOT/PSS溶液をスピンコート法で1回目の塗布を行った後、一旦純水で洗浄することによって濡れ性を向上させ、再度、PEDOT/PSS溶液をスピンコート法で2回目の塗布を行い、焼成を行って均一性良く成膜することが好ましい。なお、1回目の塗布を行った後、一旦純水で洗浄することによって表面を改質するとともに、微小な粒子なども除去できる効果が得られる。
【0159】
また、スピンコート法によりPEDOT/PSSを成膜した場合、全面に成膜されるため、基板の端面や周縁部、端子部、陰極と下部配線との接続領域などは選択的に除去することが好ましく、前処理室503aでマスクを使用してO2アッシングなどにより選択的に除去することが好ましい。
【0160】
ここで、成膜室506R、506G、506B、506E、506Hについて説明する。
【0161】
各成膜室506R、506G、506B、506E、506Hには、移動可能な蒸着源ホルダが設置されている。この蒸着源ホルダは複数用意されており、適宜、EL材料が封入された容器(ルツボ)を複数備え、この状態で成膜室に設置されている。フェイスダウン方式で基板をセットし、CCDなどで蒸着マスクの位置アライメントを行い、抵抗加熱法で蒸着を行うことで選択的に成膜を行うことができる。なお、蒸着マスクはマスクストック室524にストックして、適宜、蒸着を行う際に成膜室に搬送する。また、蒸着の際にはマスクストック室が空くため、成膜後または処理後の基板をストックすることも可能である。また、成膜室532は有機化合物を含む層や金属材料層を形成するための予備の蒸着室である。
【0162】
これら成膜室へEL材料の設置は、以下に示す製造システムを用いると好ましい。すなわち、EL材料が予め材料メーカーで収納されている容器(代表的にはルツボ)を用いて成膜を行うことが好ましい。さらに設置する際には大気に触れることなく行うことが好ましく、材料メーカーから搬送する際、ルツボは第2の容器に密閉した状態のまま成膜室に導入されることが好ましい。望ましくは、各成膜室506R、506G、506B、506H、506Eに連結した真空排気手段を有する設置室526R、526G、526B、526H、526Eを真空、または不活性ガス雰囲気とし、この中で第2の容器からルツボを取り出して、成膜室にルツボを設置する。なお、図8、または図9に設置室の一例が示してある。こうすることにより、ルツボおよび該ルツボに収納されたEL材料を汚染から防ぐことができる。なお、設置室526R、526G、526B、526H、526Eには、メタルマスクをストックしておくことも可能である。
【0163】
成膜室506R、506G、506B、506H、506Eに設置するEL材料を適宜選択することにより、発光素子全体として、単色(具体的には白色)、或いはフルカラー(具体的には赤色、緑色、青色)の発光を示す発光素子を形成することができる。例えば、緑色の発光素子を形成する場合、成膜室506Hで正孔輸送層または正孔注入層、成膜室506Gで発光層(G)、成膜室506Eで電子輸送層または電子注入層を順次積層した後、陰極を形成すれば緑色の発光素子を得ることができる。例えば、フルカラーの発光素子を形成する場合、成膜室506RでR用の蒸着マスクを用い、正孔輸送層または正孔注入層、発光層(R)、電子輸送層または電子注入層を順次積層し、成膜室506GでG用の蒸着マスクを用い、正孔輸送層または正孔注入層、発光層(G)、電子輸送層または電子注入層を順次積層し、成膜室506BでB用の蒸着マスクを用い、正孔輸送層または正孔注入層、発光層(B)、電子輸送層または電子注入層を順次積層した後、陰極を形成すればフルカラーの発光素子を得ることができる。
【0164】
なお、白色の発光を示す有機化合物層は、異なる発光色を有する発光層を積層する場合において、赤色、緑色、青色の3原色を含有する3波長タイプと、青色/黄色または青緑色/橙色の補色の関係を用いた2波長タイプに大別される。一つの成膜室で白色発光素子を形成することも可能である。例えば、3波長タイプを用いて白色発光素子を得る場合、複数のルツボを搭載した蒸着源ホルダを複数備えた成膜室を用意して、第1の蒸着源ホルダには芳香族ジアミン(TPD)、第2の蒸着源ホルダにはp−EtTAZ、第3の蒸着源ホルダにはAlq3、第4の蒸着源ホルダにはAlq3に赤色発光色素であるNileRedを添加したEL材料、第5の蒸着源ホルダにはAlq3が封入され、この状態で各成膜室に設置する。そして、第1から第5の蒸着源ホルダが順に移動を開始し、基板に対して蒸着を行い、積層する。具体的には、加熱により第1の蒸着源ホルダからTPDが昇華され、基板全面に蒸着される。その後、第2の蒸着源ホルダからp―EtTAZが昇華され、第3の蒸着源ホルダからAlq3が昇華され、第4の蒸着源ホルダからAlq3:NileRedが昇華され、第5の蒸着源ホルダからAlq3が昇華され、基板全面に蒸着される。この後、陰極を形成すれば白色発光素子を得ることができる。
【0165】
上記工程によって適宜、有機化合物を含む層を積層した後、搬送室504aから受渡室507に基板を搬送し、さらに、大気にふれさせることなく、受渡室507から搬送室508に基板を搬送する。
【0166】
次いで、搬送室508内に設置されている搬送機構により、基板を成膜室510に搬送し、陰極を形成する。この陰極は、抵抗加熱を用いた蒸着法により形成される無機膜(MgAg、MgIn、CaF2、LiF、CaNなどの合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜、またはこれらの積層膜)である。また、スパッタ法を用いて陰極を形成してもよい。
【0167】
また、上面出射型の発光装置を作製する場合には、陰極は透明または半透明であることが好ましく、上記金属膜の薄膜(1nm〜10nm)、或いは上記金属膜の薄膜(1nm〜10nm)と透明導電膜との積層を陰極とすることが好ましい。この場合、スパッタ法を用いて成膜室509で透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)からなる膜を形成すればよい。
【0168】
以上の工程で積層構造の発光素子が形成される。
【0169】
また、搬送室508に連結した成膜室513に搬送して窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜からなる保護膜を形成して封止してもよい。ここでは、成膜室513内には、珪素からなるターゲット、または酸化珪素からなるターゲット、または窒化珪素からなるターゲットが備えられている。例えば、珪素からなるターゲットを用い、成膜室雰囲気を窒素雰囲気または窒素とアルゴンを含む雰囲気とすることによって陰極上に窒化珪素膜を形成することができる。また、炭素を主成分とする薄膜(DLC膜、CN膜、アモルファスカーボン膜)を保護膜として形成してもよく、別途、CVD法を用いた成膜室を設けてもよい。ダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜とも呼ばれる)は、プラズマCVD法(代表的には、RFプラズマCVD法、マイクロ波CVD法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)CVD法、熱フィラメントCVD法など)、燃焼炎法、スパッタ法、イオンビーム蒸着法、レーザー蒸着法などで形成することができる。成膜に用いる反応ガスは、水素ガスと、炭化水素系のガス(例えばCH4、C22、C66など)とを用い、グロー放電によりイオン化し、負の自己バイアスがかかったカソードにイオンを加速衝突させて成膜する。また、CN膜は反応ガスとしてC24ガスとN2ガスとを用いて形成すればよい。なお、DLC膜やCN膜は、可視光に対して透明もしくは半透明な絶縁膜である。可視光に対して透明とは可視光の透過率が80〜100%であることを指し、可視光に対して半透明とは可視光の透過率が50〜80%であることを指す。
【0170】
本実施例では、陰極上に第1の無機絶縁膜と、応力緩和膜と、第2の無機絶縁膜との積層からなる保護層を形成する。例えば、陰極を形成した後、成膜室513に搬送して第1の無機絶縁膜を形成し、成膜室532に搬送して蒸着法で吸湿性および透明性を有する応力緩和膜(有機化合物を含む層など)を形成し、さらに再度、成膜室513に搬送して第2の無機絶縁膜を形成すればよい。
【0171】
次いで、発光素子が形成された基板を大気に触れることなく、搬送室508から受渡室511に搬送し、さらに受渡室511から搬送室514に搬送する。次いで、発光素子が形成された基板を搬送室514から封止室516に搬送する。
【0172】
封止基板は、ロード室517に外部からセットし、用意される。なお、水分などの不純物を除去するために予め真空中でアニールを行うことが好ましい。そして、封止基板に発光素子が設けられた基板と貼り合わせるためのシール材を形成する場合には、シーリング室でシール材を形成し、シール材を形成した封止基板を封止基板ストック室530に搬送する。なお、シーリング室において、封止基板に乾燥剤を設けてもよい。なお、ここでは、封止基板にシール材を形成した例を示したが、特に限定されず、発光素子が形成された基板にシール材を形成してもよい。
【0173】
次いで、封止室516において基板と封止基板と貼り合わせ、貼り合わせた一対の基板を封止室516に設けられた紫外線照射機構によってUV光を照射してシール材を硬化させる。なお、ここではシール材として紫外線硬化樹脂を用いたが、接着材であれば、特に限定されない。
【0174】
次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室516から搬送室514、そして搬送室514から取出室519に搬送して取り出す。
【0175】
以上のように、図10に示した製造装置を用いることで完全に発光素子を密閉空間に封入するまで大気に曝さずに済むため、信頼性の高い発光装置を作製することが可能となる。なお、搬送室514においては、大気圧で基板搬送を行うが、水分を除去するため、真空と、大気圧での窒素雰囲気とを繰り返すことができるようになっているが、搬送室502、504a、508は常時、真空が保たれることが望ましい。また、搬送室518は常に大気圧である。
【0176】
なお、ここでは図示しないが、各処理室での作業をコントロールするための制御装置や、各処理室間を搬送するための制御装置や、基板を個々の処理室に移動させる経路を制御して自動化を実現するコントロール制御装置などを設けている。
【0177】
また、図10に示す製造装置では、陽極として透明導電膜(または金属膜(TiN)が設けられた基板を搬入し、有機化合物を含む層を形成した後、透明または半透明な陰極(例えば、薄い金属膜(Al、Ag)と透明導電膜の積層)を形成することによって、上面出射型(或いは両面出射)の発光素子を形成することも可能である。なお、上面出射型の発光素子とは、陰極を透過させて有機化合物層において生じた発光を取り出す素子を指している。
【0178】
また、図10に示す製造装置では、陽極として透明導電膜が設けられた基板を搬入し、有機化合物を含む層を形成した後、金属膜(Al、Ag)からなる陰極を形成することによって、下面出射型の発光素子を形成することも可能である。なお、下面出射型の発光素子とは、有機化合物層において生じた発光を透明電極である陽極からTFTの方へ取り出し、さらに基板を通過させる素子を指している。
【0179】
また、本実施例は、実施の形態、実施例1、実施例2、実施例3、実施例5、または実施例6と自由に組み合わせることができる。
【0180】
【発明の効果】
本発明の成膜装置を用いて蒸着を行うことによって、膜厚均一性、蒸着材料の利用効率、及びスループットを格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図である。
【図2】 実施例1を示す断面図である。
【図3】 発光装置の上面図を示す図である。
【図4】 実施例3を示す断面図である。
【図5】 マルチチャンバー方式の製造装置を示す図である。(実施例4)
【図6】 蒸着源ホルダの移動させる一例を示す図である。
【図7】 実施例5を示す図である。
【図8】 設置室におけるルツボ搬送を示す図。
【図9】 設置室における蒸着源ホルダへのルツボ搬送を示す図。
【図10】 マルチチャンバー方式の製造装置を示す図である。(実施例7)

Claims (9)

  1. 成膜室を有する製造装置であって、
    被蒸着物が配置される前記成膜室には、蒸着材料を有する複数の蒸着源と、前記複数の蒸着源が設置される蒸着源ホルダと、前記蒸着源ホルダを移動させる手段と、前記被蒸着物を回転させる手段とを有し、
    前記蒸着源ホルダに前記複数の蒸着源を、各蒸発源からの蒸発方向が前記被蒸着物の位置で交差するように斜めに備え、
    前記蒸着源と前記被蒸着物との間隔が、30cm以下であり、
    前記蒸着源ホルダを移動させ、且つ、前記被蒸着物を回転させて蒸着を行うことを特徴とする製造装置。
  2. 成膜室を有する製造装置であって、
    被蒸着物が配置される前記成膜室には、蒸着材料を有する複数の蒸着源と、前記複数の蒸着源が設置される蒸着源ホルダと、前記蒸着源ホルダを移動させる手段と、前記被蒸着物を回転させる手段とを有し、
    前記蒸着源ホルダに前記複数の蒸着源を、各蒸発源からの蒸発方向が前記被蒸着物の位置で交差するように斜めに備え、
    前記蒸着源と前記被蒸着物との間隔が、30cm以下であり、
    前記蒸着源ホルダをジグザグに移動させ、且つ、前記被蒸着物を回転させて蒸着を行うことを特徴とする製造装置。
  3. 成膜室を有する製造装置であって、
    被蒸着物が配置される前記成膜室には、蒸着材料を有する複数の蒸着源と、前記複数の蒸着源が設置される蒸着源ホルダと、前記蒸着源ホルダを移動させる手段と、前記被蒸着物を回転させる手段とを有し、
    前記蒸着源ホルダに前記複数の蒸着源を、各蒸発源からの蒸発方向が前記被蒸着物の位置で交差するように斜めに備え、
    前記蒸着源と前記被蒸着物との間隔が、30cm以下であり、
    前記蒸着源ホルダを二次元平面において弧を描くように移動させ、且つ、前記被蒸着物を回転させて蒸着を行うことを特徴とする製造装置。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、前記成膜室は、前記成膜室内を真空にする真空排気処理室が連結していることを特徴とする製造装置。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、前記蒸着材料は有機化合物材料であることを特徴とする製造装置。
  6. 被蒸着物が配置される成膜室が、蒸着材料を有する複数の蒸着源と、前記複数の蒸着源を設置する蒸着源ホルダと、前記蒸着源ホルダを移動する手段と、前記被蒸着物を回転する手段とを有する製造装置を用いた発光装置の作製方法であって、
    前記蒸着源ホルダに前記複数の蒸着源を、各蒸発源からの蒸発方向が前記被蒸着物の位置で交差するように斜めに備え、
    前記蒸着源と前記被蒸着物との間隔が、30cm以下であり、
    前記成膜室において、前記被蒸着物に対向して配置された前記蒸着源を移動させながら、前記被蒸着物を回転させて、前記蒸着材料を蒸着することを特徴とする発光装置の作製方法。
  7. 被蒸着物が配置される成膜室が、蒸着材料を有する複数の蒸着源と、前記複数の蒸着源を設置する蒸着源ホルダと、前記蒸着源ホルダを移動する手段と、前記被蒸着物を回転する手段とを有する製造装置を用いた発光装置の作製方法であって、
    前記蒸着源ホルダに前記複数の蒸着源を、各蒸発源からの蒸発方向が前記被蒸着物の位置で交差するように斜めに備え、
    前記蒸着源と前記被蒸着物との間隔が、30cm以下であり、
    前記成膜室において、前記被蒸着物に対向して配置された前記蒸着源を、ジグザグに移動させながら、前記被蒸着物を回転させて、前記蒸着材料を蒸着することを特徴とする発光装置の作製方法。
  8. 被蒸着物が配置される成膜室が、蒸着材料を有する複数の蒸着源と、前記複数の蒸着源を設置する蒸着源ホルダと、前記蒸着源ホルダを移動する手段と、前記被蒸着物を回転する手段とを有する製造装置を用いた発光装置の作製方法であって、
    前記蒸着源ホルダに前記複数の蒸着源を、各蒸発源からの蒸発方向が前記被蒸着物の位置で交差するように斜めに備え、
    前記蒸着源と前記被蒸着物との間隔が、30cm以下であり、
    前記成膜室において、前記被蒸着物に対向して配置された前記蒸着源を、二次元平面において弧を描くように移動させながら、前記被蒸着物を回転させて、前記蒸着材料を蒸着することを特徴とする発光装置の作製方法。
  9. 請求項乃至請求項のいずれか一において、前記蒸着材料は有機化合物材料であることを特徴とする発光装置の作製方法。
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