JP4438866B2 - 中間転写体、中間転写体の製造装置、中間転写体の製造方法、及び画像形成装置 - Google Patents

中間転写体、中間転写体の製造装置、中間転写体の製造方法、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、中間転写体、中間転写体の製造装置、中間転写体の製造方法、及び中間転写体を有する画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ等が知られており、その画像形成装置において、第1のトナー画像担持体からトナー画像を1次転写され、転写されたトナー画像を担持し、更に記録紙等にトナー画像を2次転写する中間転写体を有する画像形成装置が知られている。
このような中間転写体として中間転写体の表面にシリコン酸化物や酸化アルミニウム等を被覆させることによりトナー画像の剥離性を向上させ記録紙等への転写効率向上を図るものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−212004号公報
しかし、中間転写体を有する画像形成装置は2次転写時にトナー画像を100%転写することは現時点では不可能に近く、例えば中間転写体に残留したトナーを中間転写体からブレードで掻き落とすクリーニング装置を必要としている。
特許文献1に記載された中間転写体は2次転写時のトナー転写率が十分でなく、耐久性が十分でないという問題点、また、シリコン酸化物を蒸着により、酸化アルミニウム等をスパッタリングにより形成するため真空装置等の大がかりな設備を必要とするという問題点があった。
本発明の目的は上述した問題点に鑑み、転写性がより高く、クリーニング性及び耐久性がより高い中間転写体と、真空装置等の大がかりな設備を必要としない中間転写体の製造装置と、該中間転写体を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る上記目的は下記により達成される。
(1)第1のトナー画像担持体から転写されたトナー画像を保持し、保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する中間転写体において、該中間転写体の基材上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層は、少なくとも1対の電極の間で大気圧または大気圧近傍下において少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスを基材表面近傍で発生するプラズマ放電により励起し、励起した前記原料ガスを基材表面に晒して該基材表面に堆積・形成されたものであることを特徴とする中間転写体。
(2)第1のトナー画像担持体から転写されたトナー画像を保持し、保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する中間転写体において、該中間転写体の基材上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層は、大気圧または大気圧近傍下において少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスをプラズマ放電により励起して、励起した前記原料ガスを前記基材表面に噴射して堆積・形成されたものであることを特徴とする中間転写体。
)外表層に前記硬質炭素含有層を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の中間転写体。
)前記硬質炭素含有層は、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の中間転写体。
)エンドレスのベルト状の中間転写体の製造装置において、前記中間転写体は基材の上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層を形成する第1の成膜装置は、プラズマ放電を行う少なくとも1対の電極を有し、前記1対の電極の内、一方の電極は前記基材を着脱可能に巻架して回転駆動させる少なくとも1対のローラの内の一方のローラで、他方の電極は前記一方のローラに前記基材を介して対向する固定電極であることを特徴とする中間転写体の製造装置。
)前記基材の表面に前記一方のローラと前記固定電極との対向領域において発生するプラズマを晒して前記硬質炭素含有層を堆積・形成することを特徴とする()に記載の中間転写体の製造装置。
)エンドレスのベルト状の中間転写体の製造装置において、前記中間転写体は基材の上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層を形成する第2の成膜装置は、前記基材を着脱可能に巻架して回転駆動させる少なくとも1対のローラと、プラズマ放電を行う少なくとも1対の電極とを有し、前記1対の電極は前記1対のローラの内の一方のローラに前記基材を介して対向する少なくとも1対の固定電極であることを特徴とする中間転写体の製造装置。
)前記基材の表面に前記少なくとも1対の固定電極の対向領域において発生するプラズマを噴射して硬質炭素含有層を堆積・形成することを特徴とする()に記載の中間転写体の製造装置。
)エンドレスのベルト状の中間転写体の製造装置において、前記中間転写体は基材の上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層を形成する第3の成膜装置は、複数の前記基材を着脱可能に巻架して回転駆動させる少なくとも2対のローラを有し、プラズマ放電を行う少なくとも1対の電極の内、一方の電極は前記2対のローラの内の一方の対の一方のローラで、他方の電極は前記2対のローラの内の他方の対の一方のローラで、前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとが所定の間隙で対向していることを特徴とする中間転写体の製造装置。
10)複数の前記基材に前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの対向領域において発生するプラズマを晒して前記硬質炭素含有層を堆積・形成することを特徴とする()に記載の中間転写体の製造装置。
11)前記一方のローラと前記固定電極とにそれぞれ接続された異なる電圧及び異なる周波数を出力する複数の電源とを有し、該電源によって前記一方のローラと前記固定電極との間に発生した異なる周波数を重畳した電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする()または()に記載の中間転写体の製造装置。
12)前記一方のローラと前記固定電極との少なくとも一方に接続された1台の電源とを有し、該電源によって前記一方のローラと前記固定電極との間に発生した単一の周波数の電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする()または()に記載の中間転写体の製造装置。
13)前記1対の固定電極にそれぞれ接続された異なる電圧及び異なる周波数を出力する複数の電源とを有し、該電源によって前記1対の固定電極の間に発生した異なる周波数を重畳した電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする()または()に記載の中間転写体の製造装置。
14)前記1対の固定電極の少なくとも一方に接続された1台の電源とを有し、該電源によって前記1対の固定電極の間に発生した単一の周波数の電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする()または()に記載の中間転写体の製造装置。
15)前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとにそれぞれ接続された異なる電圧及び異なる周波数を出力する複数の電源とを有し、該電源によって前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの間に発生した異なる周波数を重畳した電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする()または(10)に記載の中間転写体の製造装置。
16)前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの少なくとも一方に接続された1台の電源とを有し、該電源によって前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの少なくとも一方との間に発生した単一の周波数の電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする()または(10)に記載の中間転写体の製造装置。
17)前記硬質炭素含有層の堆積・形成は大気圧または大気圧近傍下において行われることを特徴とする(5)〜(16)のいずれか1項に記載の中間転写体の製造装置。
18)アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含む前記硬質炭素含有層を形成するものであることを特徴とする(5)〜(17)のいずれか1項に記載の中間転写体の製造装置。
19)基材上に少なくとも1つの層を形成する少なくとも1つの工程を有する中間転写体の製造方法において、最終工程として大気圧または大気圧近傍下において硬質炭素含有層を形成する成膜工程を有することを特徴とする中間転写体の製造方法。
20)前記成膜工程は、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含む前記硬質炭素含有層を形成することを特徴とする(19)に記載の中間転写体の製造方法。
21)前記成膜工程は、少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスを基材表面近傍で発生するプラズマ放電により励起し、励起した前記原料ガスを基材表面に晒して前記硬質炭素含有層を前記基材表面に堆積・形成する工程であることを特徴とする(19)または(20)に記載の中間転写体の製造方法。
22)前記成膜工程は、少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスをプラズマ放電により励起して励起した前記原料ガスを前記基材表面に噴射して前記硬質炭素含有層を、堆積・形成する工程であることを特徴とする(19)または(20)に記載の中間転写体の製造方法。
23)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の中間転写体を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば次のような効果を得ることが出来る、すなわち、
(1)〜()に記載の、外表層にアモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含む硬質炭素含有層を有する中間転写体により、転写性が高く、クリーニング性及び耐久性が高い中間転写体を得ることが可能となる。
)〜(18)に記載の、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含む硬質炭素含有層を大気圧または大気圧近傍下のプラズマCVD装置により形成することにより、真空装置等の大がかりな設備を必要とせず上記効果を有する中間転写体を製造する製造装置を得ることが可能となる。
19)〜(22)に記載の、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含む硬質炭素含有層を大気圧または大気圧近傍下でプラズマ放電を行う工程で形成することにより、効率よく、転写性が高い、クリーニング性及び耐久性が高い中間転写体の製造方法を得ることが可能となる。
23)に記載の、(1)〜()に記載の中間転写体を有することにより、転写性が高く、クリーニング性及び耐久性が高い画像形成装置を提供することが可能となる。
カラー画像形成装置の1例を示す断面構成図である。 中間転写体の層構成を示す概念断面図である。 中間転写体を製造する第1の製造装置の説明図である。 中間転写体を製造する第2の製造装置の説明図である。 中間転写体を製造する第3の製造装置の説明図である。 プラズマにより中間転写体を製造する第1のプラズマ成膜装置の説明図である。 プラズマにより中間転写体を製造する第2のプラズマ成膜装置の説明図である。 ロール電極の一例を示す概略図である。 固定電極の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 カラー画像形成装置
2 中間転写体の製造装置
3 大気圧プラズマCVD装置
4 大気圧プラズマ装置
17 中間転写体ユニット
20 ロール電極
21 固定電極
23 放電空間
24 混合ガス供給装置
25 第1の電源
26 第2の電源
41 薄膜形成領域
117 2次転写ローラ
170 中間転写ベルト
175 基材
176 硬質炭素含有層
201 従動ローラ
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本欄の記載は請求の範囲の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
本発明の中間転写体は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に好適に用いられ、感光体の表面に担持されたトナー画像をその表面に1次転写され、転写されたトナー画像を保持し、保持したトナー画像を記録紙等の被転写物の表面に2次転写するものであれば良く、ベルト状の転写体でも、ドラム状の転写体でも良い。
先ず、本発明の中間転写体を有する画像形成装置について、タンデム型フルカラー複写機を例に取り説明する。
図1は、カラー画像形成装置の1例を示す断面構成図である。
このカラー画像形成装置1は、タンデム型フルカラー複写機と称せられるもので、自動原稿送り装置13と、原稿画像読み取り装置14と、複数の露光手段13Y、13M、13C、13Kと、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、中間転写体ユニット17と、給紙手段15及び定着手段124とから成る。
画像形成装置の本体12の上部には、自動原稿送り装置13と原稿画像読み取り装置14が配置されており、自動原稿送り装置13により搬送される原稿dの画像が原稿画像読み取り装置14の光学系により反射・結像され、ラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより読み取られた原稿画像を光電変換されたアナログ信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段13Y、13M、13C、13Kに各色毎のデジタル画像データとして送られ、露光手段13Y、13M、13C、13Kにより対応する第1の像担持体としてのドラム状の感光体(以下感光体とも記す)11Y、11M、11C、11Kに各色の画像データの潜像を形成する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されており、感光体11Y、11M、11C、11Kの図示左側方にローラ171、172、173、174を巻回して回動可能に張架された半導電性でエンドレスベルト状の第2の像担持体である本発明の中間転写体(以下中間転写ベルトと記す)170が配置されている。
そして、本発明の中間転写ベルト170は図示しない駆動装置により回転駆動されるローラ171を介し矢印方向に駆動されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体11Yの周囲に配置された帯電手段12Y、露光手段13Y、現像手段14Y、1次転写手段としての1次転写ローラ15Y、クリーニング手段16Yを有する。
マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体11M、帯電手段12M、露光手段13M、現像手段14M、1次転写手段としての1次転写ローラ15M、クリーニング手段16Mを有する。
シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体11C、帯電手段12C、露光手段13C、現像手段14C、1次転写手段としての1次転写ローラ15C、クリーニング手段16Cを有する。
黒色画像を形成する画像形成部10Kは、感光体11K、帯電手段12K、露光手段13K、現像手段14K、1次転写手段としての1次転写ローラ15K、クリーニング手段16Kを有する。
トナー補給手段141Y、141M、141C、141Kは、現像装置14Y、14M、14C、14Kにそれぞれ新規トナーを補給する。
ここで、1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kは、図示しない制御手段により画像の種類に応じて選択的に作動され、それぞれ対応する感光体11Y、11M、11C、11Kに中間転写ベルト170を押圧し、感光体上の画像を転写する。
このようにして、画像形成部10Y、10M、10C、10Kにより感光体11Y、11M、11C、11K上に形成された各色の画像は、1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kにより、回動する中間転写ベルト170上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
即ち、中間転写ベルトは感光体の表面に担持されたトナー画像をその表面に1次転写され、転写されたトナー画像を保持する。
また、給紙カセット151内に収容された記録媒体としての記録紙Pは、給紙手段15により給紙され、次いで複数の中間ローラ122A、122B、122C、122D、レジストローラ123を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ117まで搬送され、2次転写ローラ117により中間転写体上の合成されたトナー画像が記録紙P上に一括転写される。
即ち、中間転写体上に保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する。
ここで、2次転写手段6は、ここを記録紙Pが通過して2次転写を行なう時にのみ、記録紙Pを中間転写ベルト170に圧接させる。
カラー画像が転写された記録紙Pは、定着装置124により定着処理され、排紙ローラ125に挟持されて機外の排紙トレイ126上に載置される。
一方、2次転写ローラ117により記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト170は、クリーニング手段8により残留トナーが除去される。
ここで、中間転写体は前述したような回転するドラム状の中間転写ドラムに置き換えても良い。
次に、中間転写ベルト170に接する1次転写手段としての1次転写ローラ15Y、15M、15C、15K、と、2次転写ローラ117の構成について説明する。
一次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kは、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が105〜109Ω・cm程度のソリッド状態または発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム硬度が20〜70°程度(アスカー硬度C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
二次転写ローラ6は、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が105〜109Ω・cm程度のソリッド状態または発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム硬度が20〜70°程度(アスカー硬度C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
そして、二次転写ローラ6は、一次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kと異なり、記録紙Pが無い状態ではトナーが接する可能性があるため、二次転写ローラ6の表面に半導電性のフッ素樹脂やウレタン樹脂等の離型性の良いものを被覆すると良く、ステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴムや樹脂材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりした半導電性材料を、厚さが0.05〜0.5mm程度被覆して形成される。
以下に上述した中間転写ベルト170を例に取り本発明の中間転写体について説明する。
図2は、中間転写体の層構成を示す概念断面図である。
中間転写ベルト170は基材175と、基材175の表面に形成された少なくとも硬質炭素含有層(DLC〔ダイアモンド・ライク・カーボン〕層)176とを有している。
前記硬質炭素含有層は、組成中の炭素濃度は30〜100%、硬度は5〜50GPa及び密度は1.2〜3.2g/cmである。また、好ましくは、膜厚は10〜1000nm及び屈折率は2〜2.8である。
基材171は、体積抵抗が106〜1012Ω・cmオーダーの無端ベルトであり、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、エトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料や、EPDM、NBR、CR、ポリウレタン等のゴム材料にカーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりしたものが用いられるが、より好ましくはポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)である。その厚みは、樹脂材料の場合50〜200μm程度、ゴム材料の場合は300〜700μm程度に設定されている。
ここで、中間転写ベルト170は基材175と硬質炭素含有層176との間に他の層を有しても良く、硬質炭素含有層176は最外表層に位置している。
本発明の硬質炭素膜は、化学的気相堆積法(CVD)で形成することが可能であり、真空CVD、大気圧CVD、サーマルCVDのどの方法でも良いが、低温で、且つ、生産性高く形成でき、膜質も良い大気圧CVDが好ましい。
更に、硬質炭素含有層176はアモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、金属含有アモルファスカーボン膜等の炭素を含む層を堆積する観点から、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して原料ガスに応じた膜を堆積・形成するプラズマCVD、特に大気圧または大気圧近傍下において行われるプラズマCVDにより形成されることが好ましい。
大気圧またはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
以下に中間転写体の硬質炭素含有層を大気圧プラズマCVDにより形成する場合を例に取り、装置及び方法、また使用するガスについて説明する。
図3は、中間転写体を製造する第1の製造装置の説明図である。
中間転写体の製造装置2(放電空間と薄膜堆積領域が略同一なダイレクト方式)は基材上に硬質炭素含有層を形成するもので、エンドレスベルト状の中間転写体の基材175を巻架して矢印方向に回転するロール電極20と従動ローラ201、及び、基材表面に硬質炭素含有層を形成する成膜装置である大気圧プラズマCVD装置3より構成されている。
大気圧プラズマCVD装置3は、ロール電極20の外周に沿って配列された少なくとも1式の固定電極21と、固定電極21とロール電極20との対向領域で且つ放電が行われる放電空間23と、少なくとも原料ガスと放電ガスとの混合ガスGを生成して放電空間23に混合ガスGを供給する混合ガス供給装置24と、放電空間23等に空気の流入することを軽減する放電容器29と、ロール電極20に接続された第1の電源25と、固定電極21に接続された第2の電源26と、使用済みの排ガスG’を排気する排気部28とを有している。
混合ガス供給装置24はアモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を形成する原料ガスと、窒素ガス或いはアルゴンガス等の希ガスを混合した混合ガスを放電空間23に供給する。
また、従動ローラ201は張力付勢手段202により矢印方向に付勢され、基材175に所定の張力を掛けている。張力付勢手段202は基材175の掛け替え時等は張力の付勢を解除し、容易に基材175の掛け替え等を可能としている。
第1の電源25は周波数ω1の電圧を出力し、第2の電源26は周波数ω2の電圧を出力し、これらの電圧により放電空間23に周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生する。そして、電界Vにより混合ガスGをプラズマ化して混合ガスGに含まれる原料ガスに応じた膜(硬質炭素含有層)が基材175の表面に堆積される。
なお、複数の固定電極の内、ロール電極の回転方向下流側に位置する複数の固定電極と混合ガス供給装置で硬質炭素含有層を積み重ねるように堆積し、硬質炭素含有層の厚さを調整するようにしても良い。
また、複数の固定電極の内、ロール電極の回転方向最下流側に位置する固定電極と混合ガス供給装置で硬質炭素含有層を堆積し、より上流に位置する他の固定電極と混合ガス供給装置で、例えば硬質炭素含有層と基材との接着性を向上させる接着層等、他の層を形成しても良い。
また、硬質炭素含有層と基材との接着性を向上させるために、硬質炭素含有層を形成する固定電極と混合ガス供給装置の上流に、アルゴンや酸素などのガスを供給するガス供給装置と固定電極を設けてプラズマ処理を行い、基材の表面を活性化させるようにしても良い。
以上説明したように、エンドレスベルトである中間転写ベルトを1対のローラに張架し、1対のローラの内一方を1対の電極の一方の電極とし、一方の電極としたローラの外周面の外側に沿って他方の電極である少なくとも1の固定電極を設け、これら1対の電極間に大気圧または大気圧近傍下で電界を発生させプラズマ放電を行わせ、中間転写体表面に薄膜を堆積・形成する構成を取ることにより、転写性が高く、クリーニング性及び耐久性が高い中間転写体を得ることを可能としている。
更に他の形態として、ロール電極及び固定電極の内、一方の電極をアースに接続して、他方の電極に電源を接続しても良い。この場合の電源は第2の電源を使用することが緻密な薄膜形成を行え好ましく、特に放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましい。
図4は、中間転写体を製造する第2の製造装置の説明図である。
中間転写体の第2の製造装置2a(放電空間と薄膜堆積領域が異なり、プラズマを基材に噴射するプラズマジェット方式)は基材上に硬質炭素含有層を形成するもので、エンドレスベルト状の中間転写体の基材175を巻架して矢印方向に回転するロール203と従動ローラ201、及び、基材表面に硬質炭素含有層を形成する成膜装置である大気圧プラズマCVD装置3aより構成されている。
大気圧プラズマCVD装置3aは前述した大気圧プラズマCVD装置3と、電極に対する電源の接続と混合ガスの供給と膜の堆積に係る部分とが異なり、以下異なる部分について説明する。
大気圧プラズマCVD装置3aは、ロール203の外周に沿って配列された少なくとも1対の固定電極21と、固定電極21の一方の固定電極21aと他方の固定電極21bとの対向領域で且つ放電が行われる放電空間23aと、少なくとも原料ガスと放電ガスとの混合ガスGを生成して放電空間23aに混合ガスGを供給する混合ガス供給装置24aと、放電空間23a等に空気の流入することを軽減する放電容器29と、一方の固定電極21aに接続された第1の電源25と、他方の固定電極21bに接続された第2の電源26と、使用済みの排ガスG’を排気する排気部28とを有している。
混合ガス供給装置24aはアモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を形成する原料ガスと、窒素ガス或いはアルゴンガス等の希ガスを混合した混合ガスを放電空間23aに供給する。
第1の電源25は周波数ω1の電圧を出力し、第2の電源26は周波数ω1より高い周波数ω2の電圧を出力し、これらの電圧により放電空間23aに周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生する。そして、電界Vにより混合ガスGをプラズマ化(励起)し、プラズマ化(励起)した混合ガスを基材175の表面に噴射し、噴射されたプラズマ化(励起)した混合ガスに含まれる原料ガスに応じた膜(硬質炭素含有層)が基材175の表面に堆積・形成される。
更に他の形態として、1対の固定電極の内、一方の固定電極をアースに接続して、他方の固定電極に電源を接続しても良い。この場合の電源は第2の電源を使用することが緻密な薄膜形成を行え好ましく、特に放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましい。
図5は、中間転写体を製造する第3の製造装置の説明図である。
中間転写体の第3の製造装置2bは複数の基材上に同時に硬質炭素含有層を形成するもので、主として基材表面に硬質炭素含有層を形成する複数の成膜装置2b1及び2b2より構成されている。
第3の製造装置2b(ダイレクト方式の変形で、対向したロール電極間で放電と薄膜堆積を行う方式)は、第1の成膜装置2b1と所定の間隙を隔てて略鏡像関係に配置された第2の成膜装置2b2と、第1の成膜装置2b1と第2の成膜装置2b2との間に配置された少なくとも原料ガスと放電ガスとの混合ガスGを生成して放電空間23bに混合ガスGを供給する混合ガス供給装置24bとを有している。
第1の成膜装置2b1はエンドレスベルト状の中間転写体の基材175を巻架して矢印方向に回転するロール電極20aと従動ローラ201と矢印方向に従動ローラ201を付勢する張力付勢手段202とロール電極20aに接続された第1の電源25とを有し、第2の成膜装置2b2はエンドレスベルト状の中間転写体の基材175を巻架して矢印方向に回転するロール電極20bと従動ローラ201と矢印方向に従動ローラ201を付勢する張力付勢手段202とロール電極20bに接続された第2の電源26とを有している。
また、第3の製造装置2bはロール電極20aとロール電極20bとの対向領域に放電が行われる放電空間23bを有している。
混合ガス供給装置24bはアモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を形成する原料ガスと、窒素ガス或いはアルゴンガス等の希ガスを混合した混合ガスを放電空間23bに供給する。
第1の電源25は周波数ω1の電圧を出力し、第2の電源26は周波数ω2の電圧を出力し、これらの電圧により放電空間23bに周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生する。そして、電界Vにより混合ガスGをプラズマ化(励起)し、プラズマ化(励起)した混合ガスを第1の成膜装置2b1の基材175及び第2の成膜装置2b2の基材175の表面に晒し、プラズマ化(励起)した混合ガスに含まれる原料ガスに応じた膜(硬質炭素含有層)が第1の成膜装置2b1の基材175及び第2の成膜装置2b2の基材175の表面に同時に堆積・形成される。
ここで、対向するロール電極20aとロール電極20bとは所定の間隙を隔てて配置されている。
更に他の形態として、ロール電極20aとロール電極20bの内、一方のロール電極をアースに接続して、他方のロール電極に電源を接続しても良い。この場合の電源は第2の電源を使用することが緻密な薄膜形成を行え好ましく、特に放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましい。
以下に基材上に硬質炭素含有層を形成する各種の大気圧プラズマCVD装置の形態について詳細に説明する。
なお、下記の図6、7は図3、4の主として破線部を抜き出したものである。
図6は、プラズマにより中間転写体を製造する第1のプラズマ成膜装置の説明図である。
図6を参照して、硬質炭素含有層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第1の形態(ダイレクト方式)の1例を説明する。
大気圧プラズマCVD装置3は、基材を着脱可能に巻架して回転駆動させる少なくとも1対のローラと、プラズマ放電を行う少なくとも1対の電極とを有し、前記1対の電極の内、一方の電極は前記1対のローラの内の一方のローラで、他方の電極は前記一方のローラに前記基材を介して対向する固定電極であり、前記一方のローラと前記固定電極との対向領域において発生するプラズマに、前記基材が晒されて前記硬質炭素含有層を堆積・形成される中間転写体の製造装置であり、例えば放電ガスとして窒素を用いる場合に一方の電源により高電圧を掛け他方の電源により高周波を掛けることにより安定して放電を開始し且つ放電を継続するため好適に用いられる。
大気圧プラズマCVD装置3は前述したように混合ガス供給装置24、固定電極21、第1の電源25、第1のフィルタ25a、ロール電極20、ロール電極を矢印方向に駆動回転させる駆動手段20a、第2の電源26、第2のフィルタ26aとを有しており、放電空間23でプラズマ放電を行わせて原料ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを励起させ、励起した混合ガスG1を基材表面175aに晒し、その表面に硬質炭素含有層176を堆積・形成するものである。
そして、固定電極21に第1の電源25から周波数ω1の第1の高周波電圧が印加され、ロール電極20に第2の電源26から周波数ω2の高周波電圧が印加されるようになっており、それにより、固定電極21とロール電極20との間に電界強度V1で周波数ω1と電界強度V2で周波数ω2とが重畳された電界が発生し、固定電極21に電流I1が流れ、ロール電極20に電流I2が流れ、電極間にプラズマが発生する。
ここで、周波数ω1と周波数ω2の関係、及び、電界強度V1と電界強度V2および放電ガスの放電を開始する電界強強度IVとの関係が、ω1<ω2で、V1≧IV>V2、または、V1>IV≧V2を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が1W/cm2以上となっている。
窒素ガスの放電を開始する電界強強度IVは3.7kV/mmの為、少なくとも第1の電源25から印可する電界強度V1は3.7kV/mm、またはそれ以上とし、第2の高周波電源60から印可する電界強度V2は3.7kV/mm、またはそれ未満とすることが好ましい。
また、第1の大気圧プラズマCVD装置3に利用可能な第1の電源25(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
また、第2の電源26(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明において、第1及び第2の電源から対向する電極間に供給する電力は、固定電極21に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、薄膜を形成する。固定電極21に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm2、より好ましくは20W/cm2である。下限値は、好ましくは1.2W/cm2である。なお、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、ロール電極20にも、1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給することにより、高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることが出来る。これにより、更なる均一高密度プラズマを生成出来、更なる成膜速度の向上と膜質の向上が両立出来る。好ましくは5W/cm2以上である。ロール電極20に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cm2である。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくともロール電極20に供給する高周波は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
また、固定電極21と第1の電源25との間には、第1フィルタ25aが設置されており、第1の電源25から固定電極21への電流を通過しやすくし、第2の電源26からの電流をアースして、第2の電源26から第1の電源25への電流が通過しにくくなるようになっており、ロール電極20と第2の電源26との間には、第2フィルター26aが設置されており、第2の電源26からロール電極20への電流を通過しやすくし、第1の電源21からの電流をアースして、第1の電源25から第2の電源26への電流を通過しにくくするようになっている。
電極には前述したような強い電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことが出来る電極を採用することが好ましく、固定電極21とロール電極20には強い電界による放電に耐えるため少なくとも一方の電極表面には下記の誘電体が被覆されている。
以上の説明において、電極と電源の関係は、固定電極21に第2の電源26を接続して、ロール電極20に第1の電源25を接続しても良い。
更に他の形態として、固定電極21とロール電極20との内、一方の電極をアースに接続して、他方の電極に電源を接続しても良い。この場合の電源は第2の電源を使用することが緻密な薄膜形成を行え好ましく、特に放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましい。
図7は、プラズマにより中間転写体を製造する第2のプラズマ成膜装置の説明図である。
図7を参照して、硬質炭素含有層の形成に用いられる大気圧プラズマ装置の第2の形態(プラズマジェット方式)の1例を説明する。
大気圧プラズマ装置4は、異なる電圧及び異なる周波数を出力する複数の電源によって電極間に発生した異なる周波数を重畳した電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するもので、1対の固定電極21a、21bを有し、固定電極21aに第1フィルタ25a及び第1の電源25が接続され、固定電極21bに第2フィルター26b及び第2の電源26が接続され、また、ロール電極20がアースに接続されている以外は図6の大気圧プラズマCVD装置3と同様な構成を有している。
以下に硬質炭素含有層176を堆積・形成する作用を説明すると、固定電極21aに第1の電源25から周波数ω1の第1の高周波電圧が印加され、固定電極21bに第2の電源26から周波数ω2の高周波電圧が印加されるようになっており、それにより、固定電極21aと21bとの間に電界強度V1で周波数ω1と電界強度V2で周波数ω2とが重畳された電界が発生し、固定電極21aに電流I1が流れ、固定電極21bに電流I2が流れ、電極間にプラズマが発生する。
そしてプラズマ化された混合ガスG2が薄膜形成領域42で基材175表面に噴射され硬質炭素含有層176を堆積・形成する。
更に他の形態として、固定電極21aと固定電極21bとの内、一方の電極をアースに接続して、他方の電極に電源を接続しても良い。この場合の電源は第2の電源を使用することが緻密な薄膜形成を行え好ましく、特に放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましい。
図8は、ロール電極の一例を示す概略図である。
ロール電極20の構成について説明すると、図8(a)において、ロール電極20は、金属等の導電性母材200a(以下、「電極母材」ともいう。)に対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体200b(以下、単に「誘電体」ともいう。)を被覆した組み合わせで構成されている。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
また、図8(b)に示すように、金属等の導電性母材200Aにライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体200Bを被覆した組み合わせでロール電極20’を構成してもよい。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
金属等の導電性母材200a、200Aとしては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からステンレスが好ましい。
尚、本実施の形態においては、ロール電極の母材200a、200Aは、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材を使用している(不図示)。
図9は、固定電極の一例を示す概略図である。
図9(a)において、角柱或いは角筒柱の固定電極21及び21a、21bは上記記載のロール電極20と同様に、金属等の導電性母材210cに対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体210dを被覆した組み合わせで構成されている。また、図9(b)に示す様に、角柱或いは角筒柱型の固定電極21’は金属等の導電性母材210Aへライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体210Bを被覆した組み合わせで構成してもよい。
以下に、中間転写体の製造方法の工程の内、基材上に少なくとも1つの層を形成する少なくとも1つの工程であり、最終工程に位置し、基材175上に硬質炭素含有層176を堆積・形成する成膜工程の例を、図3、6を参照して説明する。
図3及び6において、ロール電極20及び従動ローラ201に基材175を張架後、張力付勢手段202の作動により基材175に所定の張力を掛け、次いでロール電極20を所定の回転数で回転駆動する。
混合ガス供給装置24から混合ガスGを生成し、放電空間23に放出する。
第1の電源25から周波数ω1の電圧を出力して固定電極21に印加し、第2の電源26から周波数ω2の電圧を出力してロール電極20に印加し、これらの電圧により放電空間23に周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生させる。
電界Vにより放電空間23に放出された混合ガスGを励起しプラズマ状態にする。そして、基材表面にプラズマ状態の混合ガスGを晒し混合ガスG中の原料ガスによりアモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜、即ち硬質炭素含有層176を基材175上に形成する。
また図4、7において、第1の電源25から周波数ω1の電圧を出力して固定電極21aに印加し、第2の電源26から周波数ω2の電圧を出力して固定電極21bに印加し、これらの電圧により放電空間23aに周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生させる。
電界Vにより放電空間23aを通過する混合ガスGを励起しプラズマ状態にして、プラズマ化された混合ガスG2は薄膜形成領域41に噴出され、薄膜形成領域41で基材表面に晒される。該混合ガスG2中の原料ガスによりアモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜、即ち硬質炭素含有層176を基材175上に形成する。
この様にして形成される硬質炭素含有層は、ラマン分光法及びIR吸収法による分析の結果、夫々炭素原子がSP3の混成軌道とSP2の混成軌道とを形成した原子間結合が混在していることが明らかになっている。SP3結合とSP2結合の比率は、IRスペクトルをピーク分離することで概ね推定できる。IRスペクトルには、2800〜3150/cmに多くのモードのスペクトルが重なって測定されるが、夫々の波数に対応するピークの帰属は明らかになっており、ガウス分布によってピーク分離を行ない、夫々のピーク面積を算出し、その比率を求めればSP3/SP2を知ることができる。また、X線及び電子回折分析によればアモルファス状態(a−C:H)及び約50Å〜数μm程度の微結晶粒、またはそのいずれかを含むアモルファス状態にあることが判っている。
硬質炭素含有層の一形態としては、基材175の表面に、ダイアモンド状炭素からなる硬質炭素膜を形成する方法である。このダイアモンド状炭素からなる硬質炭素膜とは、カーボン又はアモルファスカーボン、水素化アモルファスカーボン、四面体アモルファスカーボン、窒素含有アモルファスカーボン、金属含有アモルファスカーボンと呼ばれる硬質炭素により、炭素間のSP3結合を主体にして形成されたアモルファスな炭素膜のことを言い、非常に固く耐久性に優れており、しかも高い転写性を有する非常に滑らかなモルフォロジを有している。
例えば、上記の大気圧プラズマCVD装置3においては、一対の電極間(ロール電極20と固定電極21)で混合ガス(放電ガス)をプラズマ励起させ、このプラズマ中に存在する炭素原子を有する原料ガスをイオン化して基材175の表面に晒すものである。そして、この基材175の表面に晒された炭素イオンが、近接するもの同士で結合することによって、基材175の表面に極めて緻密なダイアモンド状炭素からなる硬質炭素含有層を形成するものである。
放電ガスとは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等及びそれらの混合物などがあげられる。
また、硬質炭素含有層を形成するための原料ガスとしては、常温で気体または液体の有機化合物ガス、特に炭化水素ガスが用いられる。これら原料における相状態は常温常圧において必ずしも気相である必要はなく、混合ガス供給装置24で加熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て気化し得るものであれば、液相でも固相でも使用可能である。原料ガスとしての炭化水素ガスについては、例えば、CH4、C26、C38、C410等のパラフィン系炭化水素、C22、C24等のアセチレン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さらには芳香族炭化水素などすベての炭化水素を少なくとも含むガスが使用可能である。さらに、炭化水素以外でも、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、CO、CO2等少なくとも炭素元素を含む化合物であれば使用可能である。
また、これらの原料は、単独で用いても良いが、2種以上の成分を混合して使用するようにしても良い。
上記のような方法によってダイアモンド状炭素よりなる硬質炭素含有層を基材175表面に形成することにより、転写性が高く、クリーニング性及び耐久性が高い中間転写体を提供することができ、かつ基材175の有する透明性が損なわれることもない。
なお、硬質炭素含有層の膜厚および膜質は、高周波電界を発生させる電源の出力、供給ガス流量、プラズマ発生時間、電極に発生する自己バイアスおよび原料ガスの種類等に依存し、高周波出力の増加、供給ガスの流量減少、自己バイアスの増加および原料の炭素数の低下等は、何れも硬質炭素含有層の硬化、緻密さの向上、圧縮応力の増大および脆さに大きな影響を与える。
硬質炭素膜形成原料ガス組成としては、炭化水素ガスを単独で使用することにより水素含有比率が小さいアモルファスカーボンを形成できる。炭化水素ガス以外の炭素元素含有化合物、例えばアルコール類、ケトン類、エーテル類等も単独使用により、アモルファスカーボンを得ることができる。また、水素を同時添加することにより水素化アモルファスカーボンを得ることができる。更に、有機金属を同時添加することで金属アモルファスカーボンが得られる。
硬質炭素含有層を有しない各種の基材に対して、下記の条件で該基材に硬質炭素含有層を表面に形成した場合の効果について比較テストを実施したので説明する。
以降の実施例において、作成したDLCの膜厚を全て20nmとした(実施例1〜9まで膜厚同一)。成膜時間を調整し、TEMにて膜厚評価した。
(1)試料の作成
下記の表1及び表2条件一覧に示す如く、下記の試料を作成した。
1)実施例1
[プラズマ成膜装置]
図3のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23の圧力を13.3Paとし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可して固定電極21を3.2W/cmの出力密度とした。電源26は使用せず、アースに接続した。
[硬質炭素膜の作成]
<ベルト基材>
カーボン分散した体積抵抗1010Ωcmポリイミドベルト。
<混合ガス組成>
放電ガス:アルゴン、97.9体積%
炭素硬質膜形成ガス:メタン、2.1体積%
上記条件にて、ベルト基材上に炭素硬質膜を形成して、試料1を作成した。
[評価]
<組成>XPS測定
<硬度>ナノインデンテーション
<密度>薄膜X線
<SP比率>ラマン分析
2)実施例2:減圧下(13.3Pa)で図3に示すプラズマ成膜装置で基材上に硬質炭素含有層を成膜した。
混合ガス組成を、下記とした以外は実施例1と同様に行い、試料2を作成した。
放電ガス:アルゴン、97.9体積%
炭素硬質膜形成ガス:n−ヘキサノン、1.1体積%
添加ガス:水素、1.0体積%
3)実施例3
[プラズマ成膜装置]
図3のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23の圧力を大気圧とし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可して固定電極21を5W/cmの出力密度とした。電源26には50KHzの高周波電圧を印可してロール電極20を1.5W/cmの出力密度とした。
[硬質炭素膜の作成]
<ベルト基材>
カーボン分散した体積抵抗1010Ωcmポリイミドベルト。
<混合ガス組成>
放電ガス:窒素、98.4体積%
炭素硬質膜形成ガス:メタン、1.6体積%
上記条件にて、ベルト基材上に炭素硬質膜を形成して、試料3を作成した。
4)実施例4
図4のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23aの圧力を大気圧とし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可して固定電極21aを5W/cmの出力密度とした。電源26には50KHzの高周波電圧を印可して固定電極21bを3W/cmの出力密度とした。上記以外は実施例3と同様に行い、試料4を作成した。
5)実施例5
図5のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23bの圧力を大気圧とし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可してロール電極20aを5W/cmの出力密度とした。電源26には50KHzの高周波電圧を印可してロール電極20bを1.5W/cm の出力密度とした。上記以外は実施例3と同様に行い、試料5を作成した。
6)実施例6
[プラズマ成膜装置]
図3のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23の圧力を大気圧とし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可して固定電極21を4W/cmの出力密度とした。電源26には50KHzの高周波電圧を印可してロール電極20を1.3W/cmの出力密度とした。
[硬質炭素膜の作成]
<ベルト基材>
カーボン分散した体積抵抗1010Ωcmポリカーボネートベルト。
<混合ガス組成>
放電ガス:窒素、95.5体積%
炭素硬質膜形成ガス:n−ヘキサノン、2.0体積%
添加ガス:水素、2.5体積%
上記条件にて、ベルト基材上に炭素硬質膜を形成して、試料6を作成した。
7)実施例7
図5のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23bの圧力を大気圧とし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可してロール電極20aを4W/cmの出力密度とした。電源26には50KHzの高周波電圧を印可してロール電極20bを1.3W/cm の出力密度とした。上記以外は実施例5と同様に行い、試料7を作成した。
8)実施例8
[プラズマ成膜装置]
図3のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23の圧力を大気圧とし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可して固定電極21を5W/cmの出力密度とした。電源26には50KHzの高周波電圧を印可してロール電極20を1.5W/cmの出力密度とした。
[硬質炭素膜の作成]
<ベルト基材>
カーボン分散した体積抵抗1010Ωcmポリフェニレンサルファイドドベルト。
<混合ガス組成>
放電ガス:窒素、98.4体積%
炭素硬質膜形成ガス:CH、1.6体積%
上記条件にて、ベルト基材上に炭素硬質膜を形成して、試料8を作成した。
9)実施例9
図5のプラズマCVD装置を用いて、放電空間23bの圧力を大気圧とし、電源25に13.56MHzの高周波電圧を印可してロール電極20aを5W/cmの出力密度とした。電源26には50KHzの高周波電圧を印可してロール電極20bを5W/cmの出力密度とした。上記以外は実施例8と同様に行い、試料9を作成した。
上記実施例に対して比較として基材単体の試料を作成した。ここで、同一に基材に対する比較例として、基材にポリイミドを用いた実施例1〜5に対して比較例1とした。また、基材にポリカーボネートを用いた実施例6、7に対して比較例2とした。また、基材にポリフェニレンサルファイドを用いた実施例8、9に対して比較例3とした。
10)比較例1:硬質炭素含有層を形成前のポリイミド基材シート。比較対照は上記実施例1〜5となる。
11)比較例2:硬質炭素含有層を形成前のポリカーボネート基材シート。比較対照は上記実施例6、7となる。
12)比較例3:硬質炭素含有層を形成前のポリフェニレンサルファイド基材シート。比較対照は上記実施例8、9となる。
ここで、SP比率とは、ラマン分析で計測されるSP結合軌道とSP結合軌道の比率であり、ラマンスベクトルを1390cm−1付近のDバンドと1530cm−1付近のGバンドに分離しその相対強度(I/I)からSP/SPの割合を評価したものである。
(2)試料の評価
以下に上記試料の評価結果を示す。
なお、2次転写効率は複写機で所定枚数画像形成を行いその前後で画像濃度を測定し、転写率を算出した。
また、中間転写体表面状態は所定枚数画像形成を行いその後中間転写体を目視しトナーの付着状態を確認した。そして、トナーの付着のないものを◎、僅かにあるが実技上問題のないものを○、実技上問題があるものを×とした。
また、画質は所定枚数画像形成を行いその間適宜サンプリングを行い用紙に形成された画像を目視し中抜け状態を確認した。そして、中抜けのないものを◎、僅かにあるが実技上問題のないものを○、実技上問題があるものを×とした。
以上により、
1)硬質炭素含有層を形成しない基材単体(比較例1〜3)ではポリイミドにおいては30万枚の耐久テストで2次転写効率が5%低下し、更にトナー付着、中抜けが発生することが確認され、ポリカーボネートにおいては10万枚の耐久テストで2次転写効率が4%低下し、更にトナー付着、中抜けが発生することが確認され、ポリフェニレンサルファイドにおいては15万枚の耐久テストで2次転写効率が5%低下し、更にトナー付着、中抜けが発生することが確認され、基材のみでは各評価項目において問題があることが確認された。
2)それに対して、ポリイミドにおいては実施例1〜5に示すように50〜40万枚の耐久テストで、またポリカーボネートにおいては実施例6、7に示すように20〜18万枚の耐久テストで、またポリフェニレンサルファイドにおいては実施例8、9に示すように15〜10万枚の耐久テストで、転写効率が実施例1〜9全てにおいて1〜2%に収まり、また、表面状態においては全てにおいてトナー付着がなく、画質においては全てにおいて中抜けの発生がなく、硬質炭素含有層を形成することが効果があることが確認された。
3)また、特にトナー付着については、圧力に関し実施例1、3にあるように減圧可でのプラズマ放電成膜でも良いが、大気圧可でのプラズマ放電成膜が更に良いことが確認された。
4)以上説明したように、プラズマ放電成膜装置で基材表面に硬質炭素含有層を形成することにより中間転写体の目的の効果を奏することが確認できた。

Claims (23)

  1. 第1のトナー画像担持体から転写されたトナー画像を保持し、保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する中間転写体において、該中間転写体の基材上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層は、少なくとも1対の電極の間で大気圧または大気圧近傍下において少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスを基材表面近傍で発生するプラズマ放電により励起し、励起した前記原料ガスを基材表面に晒して該基材表面に堆積・形成されたものであることを特徴とする中間転写体。
  2. 第1のトナー画像担持体から転写されたトナー画像を保持し、保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する中間転写体において、該中間転写体の基材上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層は、大気圧または大気圧近傍下において少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスをプラズマ放電により励起して、励起した前記原料ガスを前記基材表面に噴射して堆積・形成されたものであることを特徴とする中間転写体。
  3. 外表層に前記硬質炭素含有層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写体。
  4. 前記硬質炭素含有層は、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中間転写体。
  5. エンドレスのベルト状の中間転写体の製造装置において、前記中間転写体は基材の上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層を形成する第1の成膜装置は、プラズマ放電を行う少なくとも1対の電極を有し、前記1対の電極の内、一方の電極は前記基材を着脱可能に巻架して回転駆動させる少なくとも1対のローラの内の一方のローラで、他方の電極は前記一方のローラに前記基材を介して対向する固定電極であることを特徴とする中間転写体の製造装置。
  6. 前記基材の表面に前記一方のローラと前記固定電極との対向領域において発生するプラズマを晒して前記硬質炭素含有層を堆積・形成することを特徴とする請求項5に記載の中間転写体の製造装置。
  7. エンドレスのベルト状の中間転写体の製造装置において、前記中間転写体は基材の上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層を形成する第2の成膜装置は、前記基材を着脱可能に巻架して回転駆動させる少なくとも1対のローラと、プラズマ放電を行う少なくとも1対の電極とを有し、前記1対の電極は前記1対のローラの内の一方のローラに前記基材を介して対向する少なくとも1対の固定電極であることを特徴とする中間転写体の製造装置。
  8. 前記基材の表面に前記少なくとも1対の固定電極の対向領域において発生するプラズマを噴射して前記硬質炭素含有層を堆積・形成することを特徴とする請求項7に記載の中間転写体の製造装置。
  9. エンドレスのベルト状の中間転写体の製造装置において、前記中間転写体は基材の上に少なくとも硬質炭素含有層を有し、前記硬質炭素含有層を形成する第3の成膜装置は、複数の前記基材を着脱可能に巻架して回転駆動させる少なくとも2対のローラを有し、プラズマ放電を行う少なくとも1対の電極の内、一方の電極は前記2対のローラの内の一方の対の一方のローラで、他方の電極は前記2対のローラの内の他方の対の一方のローラで、前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとが所定の間隙で対向していることを特徴とする中間転写体の製造装置。
  10. 複数の前記基材に前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの対向領域において発生するプラズマを晒して前記硬質炭素含有層を堆積・形成することを特徴とする請求項9に記載の中間転写体の製造装置。
  11. 前記一方のローラと前記固定電極とにそれぞれ接続された異なる電圧及び異なる周波数を出力する複数の電源とを有し、該電源によって前記一方のローラと前記固定電極との間に発生した異なる周波数を重畳した電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の中間転写体の製造装置。
  12. 前記一方のローラと前記固定電極との少なくとも一方に接続された1台の電源とを有し、該電源によって前記一方のローラと前記固定電極との間に発生した単一の周波数の電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の中間転写体の製造装置。
  13. 前記1対の固定電極にそれぞれ接続された異なる電圧及び異なる周波数を出力する複数の電源とを有し、該電源によって前記1対の固定電極の間に発生した異なる周波数を重畳した電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする請求項7または8に記載の中間転写体の製造装置。
  14. 前記1対の固定電極の少なくとも一方に接続された1台の電源とを有し、該電源によって前記1対の固定電極の間に発生した単一の周波数の電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする請求項7または8に記載の中間転写体の製造装置。
  15. 前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとにそれぞれ接続された異なる電圧及び異なる周波数を出力する複数の電源とを有し、該電源によって前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの間に発生した異なる周波数を重畳した電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする請求項9または10に記載の中間転写体の製造装置。
  16. 前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの少なくとも一方に接続された1台の電源とを有し、該電源によって前記一方の対の一方のローラと前記他方の対の一方のローラとの少なくとも一方との間に発生した単一の周波数の電界により、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して前記硬質炭素含有層を堆積・形成するものであることを特徴とする請求項9または10に記載の中間転写体の製造装置。
  17. 前記硬質炭素含有層の堆積・形成は大気圧または大気圧近傍下において行われることを特徴とする請求項5〜16のいずれか1項に記載の中間転写体の製造装置。
  18. アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含む前記硬質炭素含有層を形成するものであることを特徴とする請求項5〜17のいずれか1項に記載の中間転写体の製造装置。
  19. 基材上に少なくとも1つの層を形成する少なくとも1つの工程を有する中間転写体の製造方法において、最終工程として大気圧または大気圧近傍下において硬質炭素含有層を形成する成膜工程を有することを特徴とする中間転写体の製造方法。
  20. 前記成膜工程は、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、及び、金属含有アモルファスカーボン膜から選ばれる少なくとも1つの膜を含む前記硬質炭素含有層を形成することを特徴とする請求項19に記載の中間転写体の製造方法。
  21. 前記成膜工程は、少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスを基材表面近傍で発生するプラズマ放電により励起し、励起した前記原料ガスを基材表面に晒して前記硬質炭素含有層を前記基材表面に堆積・形成する工程であることを特徴とする請求項19または20に記載の中間転写体の製造方法。
  22. 前記成膜工程は、少なくとも前記硬質炭素含有層由来の原料ガスをプラズマ放電により励起して、励起した前記原料ガスを前記基材表面に噴射して前記硬質炭素含有層を、堆積・形成する工程であることを特徴とする請求項19または20に記載の中間転写体の製造方法。
  23. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の中間転写体を有することを特徴とする画像形成装置。
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