JP4437676B2 - 永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置およびワーク残留磁気による吸着解除方法 - Google Patents

永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置およびワーク残留磁気による吸着解除方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4437676B2
JP4437676B2 JP2004051682A JP2004051682A JP4437676B2 JP 4437676 B2 JP4437676 B2 JP 4437676B2 JP 2004051682 A JP2004051682 A JP 2004051682A JP 2004051682 A JP2004051682 A JP 2004051682A JP 4437676 B2 JP4437676 B2 JP 4437676B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic pole
chuck
workpiece
pole member
auxiliary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004051682A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005238387A (ja
Inventor
謙介 若松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsudakoma Industrial Co Ltd filed Critical Tsudakoma Industrial Co Ltd
Priority to JP2004051682A priority Critical patent/JP4437676B2/ja
Publication of JP2005238387A publication Critical patent/JP2005238387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4437676B2 publication Critical patent/JP4437676B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Jigs For Machine Tools (AREA)

Description

本発明は、ワークを磁力により固定する永電磁式マグネットチャックにおいて、ワークの残留磁気による吸着を解除する装置および方法に関する。
特許文献1は、永電磁式マグネットチャックを開示している。その技術による永電磁式マグネットチャックは、定極性永久磁石と、極性変更用の主コイルが巻き付けられた可逆性永久磁石と、先端にチャック面を有し両永久磁石に接する磁極部材とを有する。両永久磁石は、磁極部材に作用し、主コイルに電流を流して、可逆性永久磁石の極性を変更することにより、磁極部材のチャック面へのワークの吸着動作(チャッキング動作)と吸着解除動作(チャッキング解除動作)とを行っている。この可逆性永久磁石の極性を変更してのチャッキング解除動作により、両永久磁石による磁場がチャック面の外側で消滅し、ワークをチャック面から取り外すことが可能となる。しかし、ワークによっては、チャッキング動作時に生じていた強い磁場のために、磁場の消滅後もワークはチャック面との対向部分が磁化されたままとなり、該対向部分に残留磁気が生じる。そのためワークはなおもチャック面に強く吸着し、ワークの取り外しを困難とするほか、無理に取り外すことにより、変形やキズを生じてワークの精度を損なったり、場合によっては作業時にケガをすることもある。また、ワークの加工基準面に切削鉄粉等が付着し、後の工程での加工精度を損なう。
このようなワークの残留磁気による弊害をなくするため、特許文献1の永電磁式マグネットチャックでは、電磁石が設けられている。即ち、磁極部材は、先端にチャック面を有する補助磁極部材部分と両永久磁石に接する主磁極材部分からなるとともに、補助磁極部材部分に補助コイルが巻き付けられて電磁石が形成され、ワークのチャッキング解除後、電磁石によりワークの脱磁(残留磁気除去)を行っている。
上記の特許文献1の技術によると、(1)電磁石のメンテナンス性が悪いこと。(2)電磁石のメンテナンス性を向上するために、電磁石を着脱可能とした場合、または残留磁気の小さなワークの加工の際は必要がないので電磁石を取り外せるように、電磁石を着脱可能とした場合には、電磁石の再取付け時に、チャック面の精度が損なわれるおそれがある。などの問題がある。
上記の(1)について詳述すると、ワークの取付・取り外し作業等によって、電磁石の補助コイルが損傷する場合があり、その場合、補助磁極部材部分が補修作業の障害物となって、補助コイルの補修が困難である。
上記の(2)について詳述する。電磁石を着脱可能に構成すれば、補修作業の際に、やはり補助磁極部材部分が補修作業の障害物となることや、また補助コイルが補修不能な場合は、補助磁極部材部分ごと交換する必要がある等の問題点が残るものの、電磁石のメンテナンス性は向上する。また、電磁石を着脱可能に構成すれば、残留磁気の小さなワークを扱う場合には、電磁石を取り外すことができ、電磁石を取り外してできるだけ大きなチャッキング力を得るのが好ましい。すなわち可逆性永久磁石の極性を変更する際に、主コイルは大電流を必要とするが、その際効率よく極性を変更するために、短時間に大電流を流す。このとき電磁石の補助コイル内の磁束が急激に変動し、補助コイルに起電力が生じる。この起電力が可逆性永久磁石の着磁を妨げるので、チャッキング力が弱くなる。チャッキング力を強くするには、主コイルにより大きな電流を流す必要がある。従って、残留磁気の影響が少ない即ち脱磁の必要がないワークのを扱う場合は、電磁石を取り外すのが好ましい。しかしこのような補助コイルの補修後の電磁石の再取付けの場合や、ワークが変更されて電磁石の再取付を必要とする場合、互いの取付面間、即ち補助磁極部材部分と主磁極部材部分の間に異物が入って、チャック面の精度が損なわれるおそれがある。
特許第2974694号公報
したがって、本発明の課題は、永電磁式マグネットチャックからワークを容易に取り外しできるようにするとともに、永電磁式マグネットチャックのメンテナンス性を改善し、同時にチャック面の精度を維持できるようにする。
上記課題のもとに、請求項1の発明は、定極性永久磁石と、主コイルが巻かれている可逆性永久磁石と、両者の定極性永久磁石および可逆性永久磁石に接する主磁極部材とを有し、上記主磁極部材は複数設けられて互いに異なる極性で隣接する永電磁式のマグネットチャックにおいて、先端にチャック面を有する補助磁極部材が各主磁極部材に固定的に設けられ、各補助磁極部材に対応する複数の補助コイルを保持する枠体が着脱可能に設けられることを特徴とする。
補助磁極部材は、請求項2によると、主磁極部材と別体として構成され、主磁極部材のチャック面に固定され、請求項3によると、主磁極部材と一体に構成される。ここに補助磁極部材は主磁極部材と別体とは、補助磁極部材が、ボルト等によって分離可能に主磁極部材に固定されている状態、およびロー付けなどの溶接、圧接、圧入、接着等によって分離不能に主磁極部材に接合されている状態を含み、同じく一体とは、補助磁極部材が接合によらず主磁極部材と一体物により形成されている状態である。
そして、請求項4のワーク残留磁気による吸着解除方法は、請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置において、補助コイルに交番型減衰電流を流すことにより、ワークの残留磁気を消去する。
請求項5のワーク残留磁気による吸着解除方法は、請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置において、補助コイルに所定の方向の電流を流し、チャック面をワークの残留磁気の極性と同極に着磁させ、ワークの固有保磁力とほぼ同一の磁場を形成することにより、ワークの残留磁気を消去する。
請求項6のワーク残留磁気による吸着解除方法は、請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置において、補助コイルに所定の方向の電流を流して、チャック面をワークの残留磁気の極性と同極に着磁させ、ワークの固有保磁力よりも弱い磁場を形成することにより、ワークの残留磁気を減磁する。
請求項7のワーク残留磁気による吸着解除方法は、請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置において、補助コイルに所定の方向の電流を流して、チャック面をワークの残留磁気の極性と同極に着磁させながら、かつワークの固有保磁力よりも弱い磁場を形成させながら、ワークを取り外すことを特徴とする。
請求項1によると、補助磁極部材と補助コイルとによって電磁石が形成され、ワークに残留磁気が存在していても、補助コイルに所定の電流を流すことによって、永電磁式マグネットチャックからワークが容易に取り外しできるようになる。また、永電磁式マグネットチャックに対して、補助コイル付きの枠体が着脱自在であり、枠体が補助磁極部材に案内され同時に位置決めされるから、その着脱操作および載置が容易で、補助コイルの補修の際に補助磁極部材が障害物とならないのでメンテナンスも簡単になり、同時にメンテナンスのためやワークの残留磁気の強弱に基づく枠体の着脱に際して補助磁極部材の取り外しや取り付けの必要がないため、チャック面の精度が維持できる。
請求項2によると、補助磁極部材が後付けとして取付けできるから、既設の永電磁式マグネットチャックに本発明が容易に適用でき、また長さ、形状、および材質等の改良も可能となる。
請求項3によると、チャック面の精度が維持され、更に、補助磁極部材と主磁極部材とが一体であるから、接合部分がなくその部分での磁気抵抗が大きくならず、磁束が有効に利用できる。
請求項4によると、残留磁気の極性と関係なく、確実に消磁でき、しかも、ほぼ完全に消磁できるので、ワーク残留磁気による吸着が解除可能となると共に、ワークの後工程での着磁による切削粉等の吸着などの悪影響がなくなる。
請求項5によると、その操作によりほぼ消磁できので、ワーク残留磁気による吸着が解除可能となると共に、後工程での着磁による悪影響がなくなり、更に短時間で消磁できるので、消費電力を抑えかつ長い作業時間を必要としない。
請求項6によると、ワークの残留磁気による吸着が解除可能となるまで、残留磁気が小さくなるので、ワークを取り外すことが可能となると共に、後工程での着磁による悪影響を小さくすることができ、更に短時間で減磁できるので、消費電力を抑えかつ長い作業時間を必要としない。
請求項7によると、互いに対向するワーク面とチャック面の極性は同極なので、互いに反発し、ワークはチャック面から離間する方向の力を受け続け、これにより、ワークを容易に取り外すことが可能となる。
図1は、本発明の前提となる永電磁式マグネットチャック1を示しており、図2は、本発明の永電磁式マグネットチャック1のワーク残留磁気による吸着解除装置2で用いられる枠体3を示している。図3は、図2の部分拡大図であり、4つの補助コイル6を示す。図4は、図3のA−A断面図であり、図5は、4つの補助コイル6の接続例を模式化した結線図である。図6は、永電磁式マグネットチャック1に補助磁極部材4が取り付けられており、それに枠体3を組み込むときの状態を示している。また、図7および図9は、チャッキング動作時、チャッキング解除時をそれぞれ示している。図8は、図7の平面図であって、チャッキング動作時の永電磁式マグネットチャック1の全体図であり、枠体3および複数の補助コイル6とともに吸着解除装置2を構成する補助コイル制御回路17も示す。
まず、図1において、永電磁式マグネットチャック1は、複数の定極性永久磁石5と、主コイル9が巻かれている複数の可逆性永久磁石7と、両者の定極性永久磁石5および可逆性永久磁石7に接する複数の主磁極部材8とを有している。可逆性永久磁石7および主磁極部材8は、共に角柱状であり、それらの上下の面で接した状態としてチャック本体10の内部に一定の間隔をおいて、図8の永電磁式マグネットチャック1の全体平面図に示す補助磁極部材4に対応して、碁盤の目状に整列状態で納められている。
可逆性永久磁石7の下面は、隣合う可逆性永久磁石7の極性に対して異なる極性でチャック本体10の内底に当接しており、また主磁極部材8の上部は、チャック上面体11の孔11aに嵌まり、チャック上面体11の上面と同一の平面に露出して、チャック面8aを形成している。また、定極性永久磁石5は、主コイル9とチャック上面体11とで形成される空間内で、隣合う主磁極部材8の間に介在し、NまたはS極の磁極面によって主磁極部材8の側面に当接し、隣合う主磁極部材8に互いに異なる極性を付与している。このように、複数の主磁極部材8は、複数整列状態で設けられ、互いに異なる極性で隣接している。
なお、主磁極部材8およびチャック本体10、また補助磁極部材4は、比透磁率が大きく、かつ残留磁束密度の小さい材質、例えば、軟鉄やケイ素鋼により構成されている。また、チャック上面体11は、磁束をワーク12に有効に作用させるために非磁性体材料により構成される。
つぎに、図2において、枠体3は、プラスチックス、ゴム、ガラス、セラミックス、ロウ、スポンジ(表面が膜状に形成されて孔のない方が好ましい。)などの材料を用いて、主磁極部材8に対応する位置に、磁極部材挿入孔13を有する板状のものとして例えば成形型により成形される。その成形の際に、各巻き付け状態の補助コイル6は、インサート成形型の所定の位置に支持され、成形後に磁極部材挿入孔13の周りに位置する。なお枠体3の成形時に、適当な位置に1または2以上の取付け孔14が形成される。
枠体3には、剛性を得るため、アルミなどの強磁性体でない材料で骨格を形成したり、ガラス繊維、炭素繊維などを混入してもよい。枠体3の厚みは、スポンジ等の弾性変形部材を用いる場合を除いて、補助磁極部材4の高さ以下に設定される。
隣接する補助コイル6は、同一方向または反対方向に巻かれており、互いに逆回りに電流が流れるように結線されている。実施例では図5に示すように複数、例えば4つの補助コイル6は、直列に結線され1つの接続グループを形成している。また、各接続グループは接続線16に並列に接続されている。なお、接続グループを形成せず、全ての補助コイル6を直列、又は並列に結線してもよい。
図6において、枠体3は、補助磁極部材4に着脱可能に組み合わせられる。このため、複数の補助磁極部材4は、主磁極部材8と同じ底面積の角柱体で枠体3の厚みにほぼ等しい高さとして構成され、チャック面8aに固定的に取付けられ、その先端の上面でチャック面8aに代わるチャック面4aを形成する。主磁極部材8に対する補助磁極部材4の取付けは、取付けボルト15を用いて行うか、または接着により行われる。この組み合わせ時に、磁極部材挿入孔13は、補助磁極部材4に案内されて、挿入される。この結果、補助コイル6は、補助磁極部材4の周囲に位置し、その位置から容易に取り外せる状態となる。この装着状態で枠体3の上面は、補助磁極部材4のチャック面4aよりも突出していない。
なお、図10のように、補助磁極部材4は、主磁極部材8の先端部分を延長して一体の部材として形成することもできる。即ち、主磁極部材8はチャック面4aを有する補助磁極部材部分と主磁極部材部分とからなる。補助磁極部材4と主磁極部材8とが接合によらず一体の部材、即ち一体物で形成されておれば、接合部がなくなるため、磁気抵抗が高くならず、必要な磁力が確保できる点で有利である。
枠体3は、ワーク12の残留磁気に対処する部材である。従って、ワーク12の加工後に、ワーク12に残留磁気が小さいか、またはワーク12に残留磁気があっても、ワーク12自体が軽量でチャック面4aから容易に取り外せるとき、枠体3は、必要とされないことから、枠体3は、永電磁式マグネットチャック1から取り外されても良い。枠体3が永電磁式マグネットチャック1から取り外されておれば、その内部の補助コイル6の損傷の恐れがなくなり、また補助コイル6がもたらす悪影響を避けることができる。即ち、チャッキング動作時に補助コイル6内に起電力が生じて、可逆性永久磁石7の着磁が妨げられ、そのため補助磁極部材4のチャック面4aで必要な磁束(チャッキング力)を得ることができず、より大電流を主コイル9に流す必要を回避することができる。
チャック面4aが水平面か緩い傾斜面のときに、枠体3は、ボルトや両面接着テープなどによって永電磁式マグネットチャック1に固定してもよいが、自重のみによる固定としてもよい。この組み合わせ状態で、枠体3は、磁極部材挿入孔13と補助磁極部材4との嵌まり合いによって規制され、所定の位置に載置されると共に、可逆性永久磁石7の極性変更時の磁束の変化によって力が働いても、所定の位置に維持される。これに対して、チャック面4aが鉛直面や急な傾斜面のとき、枠体3は、ボルトや両面接着テープなどによって永電磁式マグネットチャック1に固定される。この時に、取付け孔14は、ボルト挿入用として利用される。
図7および図8は、永電磁式マグネットチャック1に枠体3を装着し、補助磁極部材4のチャック面4aで鉄やニッケル等の強磁性体製のワーク12を磁気的にチャッキングしたときの状態を示す。チャッキング動作時に、チャック開始スイッチ20が操作され、主コイル制御装置18によって制御されて、主コイル9に図示の極性となるように電流が流されるため、これによる可逆性永久磁石7の磁束および定極性永久磁石5からの磁束は、主磁極部材8で合流し、主磁極部材8、補助磁極部材4から磁性体のワーク12に到達する。そして、ワーク12の中の磁束は、隣の補助磁極部材4、主磁極部材8から定極性永久磁石5や可逆性永久磁石7、チャック本体10を経て元に戻る。このような閉磁路によって、ワーク12はチャック面4aに磁気的に吸着され、固定される。この状態でワーク12に必要な加工が行われる。
ワーク12の加工が終了したら、チャッキング解除のために、チャック解除スイッチ21が操作され、主コイル制御装置18によって制御されて、チャッキング動作時とは逆方向の電流が流され、図9のように、可逆性永久磁石7の極性が反転する。これにより、可逆性永久磁石7および定極性永久磁石5の両永久磁石からの磁束は、主磁極部材8、チャック本体10を介して互いに永電磁式マグネットチャック1の内部で閉回路を形成するため、チャック面4aの外側への磁束が消滅し、ワーク12に対する磁気的吸着が無くなるため、ワーク12はチャック面4aから取り外せる状態となる。
ところが、ワーク12に残留磁気があると、補助磁極部材4のチャック面4aからのワーク12の取り外しが困難となる。すなわちワーク12には、チャッキング時の補助磁極部材4、主磁極部材8による磁束と同方向の磁束が残留し、チャッキング解除後もワーク12がチャック面4aに吸着されている。この残留磁気の程度(強度)は、ワーク材質、形状、熱処理や機械加工などの加工歴によって異なるが、ダイス鋼のような硬くて残留磁束密度が大き材質は、大きく、軟鉄のような残留磁束密度が小さい材質は小さい。図11は、或るワーク12の磁界強度Hの変化に伴う磁束密度Bおよび磁気分極Jの変化を表した磁気履歴曲線の模式図である。実線は磁束密度で表現したB−H磁気履歴曲線であり、点線は磁気分極で表現したJ−H磁気履歴曲線である。図12は、或るワーク12の減磁曲線を表し、図11の磁気履歴曲線の第2象限部分である。そこで、複数の補助コイル6と、枠体3と、補助コイル制御回路17とから構成される永電磁式マグネットチャック1のワーク残留磁気による吸着解除装置2を用いて、下記の方法により吸着解除を行う。
(1)取り外しスイッチ19を操作し、補助コイル制御回路17を介して補助コイル6に交番型減衰電流を流す。交番型減衰電流は、消磁に必要な大きさの電流を交番させながら次第にゼロに近づける。これによって、ワーク12の残留磁気は磁化曲線に沿って極性転換しながらゼロに近づく。この方法によると、残留磁気の極性と関係なく、確実に消磁でき、しかも、ほぼ完全に消磁できるので、ワーク残留磁気による吸着が解除可能となると共に、ワーク12の後工程での残留磁気による悪影響例えば切削粉などの吸着がなくなる。
(2)取り外しスイッチ19を操作し、補助コイル制御回路17を介して補助コイル6に所定の方向の電流を流して、チャック面4aをワーク12の残留磁気の極性と同極に着磁させ、ワーク12の固有保磁力Hcjとほぼ同一の磁場を形成する。これによりほぼ消磁できので、ワーク残留磁気による吸着が解除可能となると共に、後工程での着磁による悪影響がなくなる。
(3)取り外しスイッチ19を操作し、補助コイル制御回路17を介して補助コイル6に所定の方向の電流を流して、チャック面4aをワーク12の残留磁気の極性と同極に着磁させ、ワーク12の固有保磁力よりも弱い磁場を形成する。これにより、ワーク残留磁気による吸着が解除可能となるまで、残留磁気が小さくなるので、ワーク12を取り外すことが可能となると共に、後工程での着磁による悪影響を小さくすることができる。
(4)取り外しスイッチ19を操作し、補助コイル制御回路17を介して補助コイル6に所定の方向の電流を流して、チャック面4aをワーク12の残留磁気の極性と同極に着磁させ、かつワーク12の固有保磁力よりも弱い磁場を形成させながら、ワーク12を取り外す。互いに対向するワーク12の面とチャック面4aの極性は同極なので、互いに反発し、ワーク12はチャック面4aから離間する方向の力を受ける。これによって、ワーク12を取り外すことが可能となる。このときに形成される磁場は制限されず、ワーク12の固有保磁力よりもかなり弱い磁場であってもよい。なお、補助コイル6には、取り外しスイッチ19を操作後、ワーク12をチャック面8aから離間させて取り外すのに要する所定時間、例えば5秒間だけ通電される。
なお、前記(1)、(2)、(3)、および(4)のいずれの方法とも、取り外しスイッチ19を設けず、チャック解除スイッチ21を操作することにより、チャッキング解除と同時に、またはチャッキング解除よりも遅れて、補助コイル制御回路17を介して補助コイル6に電流を流す構成としてもよい。
本発明は、永電磁式マグネットチャック1の単体に適用される他、工作機械に組み込まれている永電磁式マグネットチャック1にも適用できる。新規な永電磁式マグネットチャック1の設計に当たっては、補助磁極部材4と主磁極部材8とを一体のものとして構成するが、既存の永電磁式マグネットチャック1の改良に際しては、その主磁極部材8に補助磁極部材4を取付けて、枠体3を組み込むことになる。
本発明に係る永電磁式マグネットチャック1の一部の断面図である。 枠体3、および補助コイル6の全体平面図である。 図2の部分拡大図である。 図3のA−A断面図である。 補助コイル6の接続例を模式化した結線図である。 本発明に係る永電磁式マグネットチャック1に枠体3を組み込むときの状態を示す。 チャッキング動作時における本発明に係る永電磁式マグネットチャック1の一部の断面図である。 チャッキング動作時における本発明に係る永電磁式マグネットチャック1の全体平面図である。 チャッキング解除時における本発明に係る永電磁式マグネットチャック1の一部の断面図である。 補助磁極部材4が主磁極部材8と一体に形成される永電磁式マグネットチャック1に枠体3を組み込むときの状態を示す。 或るワーク12の磁界強度の変化に伴う磁束密度、および磁気分極の変化を表した磁気履歴曲線の模式図である。 或るワーク12の減磁曲線の模式図である。
符号の説明
1 永電磁式マグネットチャック
2 永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置
3 枠体
4 補助磁極部材 4a チャック面
5 定極性永久磁石
6 補助コイル
7 可逆性永久磁石
8 主磁極部材 8a チャック面
9 主コイル
10 チャック本体
11 チャック上面体 11a 孔
12 ワーク
13 磁極部材挿入孔
14 取付け孔
15 取付けボルト
16 接続線
17 補助コイル制御回路
18 主コイル制御装置
19 取り外しスイッチ
20 チャック開始スイッチ
21 チャック解除スイッチ

Claims (7)

  1. 定極性永久磁石(5)と、主コイル(9)が巻かれている可逆性永久磁石(7)と、両者の定極性永久磁石(5)および可逆性永久磁石(7)に接する主磁極部材(8)とを有し、上記主磁極部材(8)は複数設けられて互いに異なる極性で隣接する永電磁式のマグネットチャック(1)において、
    先端にチャック面(4a)を有する補助磁極部材(4)が各主磁極部材(8)に固定的に設けられ、各補助磁極部材(4)に対応する複数の補助コイル(6)を保持する枠体(3)が着脱可能に設けられることを特徴とする永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置(2)。
  2. 補助磁極部材(4)が主磁極部材(8)と別体として構成され、主磁極部材(8)のチャック面(8a)に固定されていることを特徴とする請求項1記載の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置(2)。
  3. 補助磁極部材(4)が主磁極部材(8)と一体に構成されていることを特徴とする請求項1記載の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置(2)。
  4. 請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置(2)において、補助コイル(6)に交番型減衰電流を流すことにより、ワーク(12)の残留磁気を消去することを特徴とするワーク残留磁気による吸着解除方法。
  5. 請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置(2)において、補助コイル(6)に所定の方向の電流を流して、チャック面(4a)をワーク(12)の残留磁気の極性と同極に着磁させ、ワーク(12)の固有保磁力とほぼ同一の磁場を形成することにより、ワーク(12)の残留磁気を消去することを特徴とするワーク残留磁気による吸着解除方法。
  6. 請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置(2)において、補助コイル(6)に所定の方向の電流を流して、チャック面(4a)をワーク(12)の残留磁気の極性と同極に着磁させ、ワーク(12)の固有保磁力よりも弱い磁場を形成することにより、ワーク(12)の残留磁気を減磁することを特徴とするワーク残留磁気による吸着解除方法。
  7. 請求項1の永電磁式のマグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置(2)において、補助コイル(6)に所定の方向の電流を流して、チャック面(4a)をワーク(12)の残留磁気の極性と同極に着磁させながら、かつワーク(12)の固有保磁力よりも弱い磁場を形成させながら、ワーク(12)を取り外すことを特徴とするワーク残留磁気による吸着解除方法。
JP2004051682A 2004-02-26 2004-02-26 永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置およびワーク残留磁気による吸着解除方法 Expired - Fee Related JP4437676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004051682A JP4437676B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置およびワーク残留磁気による吸着解除方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004051682A JP4437676B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置およびワーク残留磁気による吸着解除方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005238387A JP2005238387A (ja) 2005-09-08
JP4437676B2 true JP4437676B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=35020661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004051682A Expired - Fee Related JP4437676B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置およびワーク残留磁気による吸着解除方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4437676B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100346925C (zh) * 2005-12-13 2007-11-07 天津市机电工业科技信息研究所 传递用电永磁随行夹具及其应用
CN101934481A (zh) * 2010-09-09 2011-01-05 江苏无锡建华机床附件集团有限公司 立车用圆形电永磁吸盘
KR101030669B1 (ko) * 2010-09-16 2011-04-20 (주) 에이이지 채널분리형 전자척 제어장치
WO2012100379A1 (zh) * 2011-01-30 2012-08-02 布里斯克磁业(上海)有限公司 磁差式电永磁吸盘
TWM419639U (en) * 2011-08-19 2012-01-01 Earth Chain Entpr Co Ltd Magnetic worktable
CN102744679A (zh) * 2012-06-17 2012-10-24 淮北宇光纺织器材有限公司 针布冲齿下刀模的磨削夹具
JP6713595B2 (ja) * 2015-10-09 2020-06-24 株式会社サンアイ精機 保持装置
JP6364056B2 (ja) * 2016-11-04 2018-07-25 カネテック株式会社 サポート部材付永電磁式マグネットチャック

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005238387A (ja) 2005-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7940149B2 (en) Magnetic chuck
JP2929389B2 (ja) 保持装置及び座標測定装置用検出ヘッド
KR101513502B1 (ko) 자체-고정 자기 장치 및 이 자기 장치를 제어하기 위한 제어 유닛
JP4437676B2 (ja) 永電磁式マグネットチャックのワーク残留磁気による吸着解除装置およびワーク残留磁気による吸着解除方法
JP5319317B2 (ja) 永電磁式マグネットチャック
JP2005305565A (ja) 永電磁式マグネットチャック
JP2008030144A (ja) 永電磁式マグネットチャック
JP2005246634A (ja) 射出成形機の金型固定装置
JPH09174559A (ja) 金型固定装置
JP2974694B2 (ja) 永電磁式チャック
JPS60186339A (ja) エレクトロパ−マネント式磁気チヤツクの脱磁用励磁方法
JPH04229605A (ja) 吸着用電磁石の制御方法および回路
JP3291585B2 (ja) 中子処理装置及び方法
JP2007021682A (ja) マグネットチャック
JP2006088300A (ja) 永電磁式マグネットチャック
JPH08316025A (ja) 磁石式吸着装置
JP2017213650A (ja) 永電磁式磁気吸着装置
JPS6038843B2 (ja) 磁気的吸引装置
JP2709678B2 (ja) 永電磁式チャックの制御装置
KR20090022568A (ko) 마그네트 탈-착자방법 및 그 장치
JPS60144914A (ja) 磁気吸着装置
JPH0777701B2 (ja) 磁気チャック
JP3035864B2 (ja) 磁気吸着装置
JPH047913Y2 (ja)
JPS6348090Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees