JP4436885B1 - 化成処理液及び化成皮膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素及び過酸化水素を使用することなしに、耐食性及び外観に優れた化成皮膜を形成可能なクロムフリーの化成処理技術を提供する。
【解決手段】本発明の化成処理液は、クロムと過酸化水素とフッ素とを含有していない、亜鉛又は亜鉛合金上に化成皮膜を形成するための化成処理液であって、1g/L乃至12g/Lのマグネシウムと、0.03g/L乃至5g/Lのコバルトと、0.7g/L乃至3.5g/Lの珪素と、3g/L乃至15g/Lの硝酸イオンとを含有し、前記珪素を水溶性の珪酸塩として含み、アルミニウムの含有量は0.01g/L以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、化成処理技術に係り、特には亜鉛又は亜鉛合金の表面に化成皮膜を形成する化成処理技術に関する。
クロメート処理は、亜鉛又は亜鉛合金の表面を錆から防ぐための代表的な化成処理である。クロメート処理は、安価であり且つ簡便であることから、工業的に広く利用されてきた。
しかしながら、六価クロムは有害物質であるため、その使用が規制されつつある。そこで、六価クロムの代わりに三価クロムを使用した化成処理や、クロムフリーの化成処理に関する研究が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、アルミニウムと珪素と有機酸又は無機酸の1種以上とを含有した化成処理液が記載されている。特許文献1には、この化成処理液にフッ素を添加すると、良好な外観が得られることが記載されている。
また、特許文献2には、水溶性マグネシウム無機塩及び水溶性リチウム無機塩の少なくとも一方と、他の水溶性無機塩又は無機珪酸塩若しくはコロイダルシリカと、過酸化水素とを含有した化成処理液が記載されている。特許文献2には、この化成処理液を用いると、十分な耐食性を有しているクロムフリー皮膜を形成できることが記載されている。
しかしながら、フッ素化合物は、腐食性であるのに加え、廃水処理が困難である。また、過酸化水素は、取扱いに注意を要するのに加え、安定性が低い。従って、フッ素及び過酸化水素を使用しないクロムフリーの化成処理技術が望まれている。
特開平11−181578号公報 特開2007−177304号公報
本発明の目的は、フッ素及び過酸化水素を使用することなしに、耐食性及び外観に優れた化成皮膜を形成可能なクロムフリーの化成処理技術を提供することにある。
本発明の第1側面によると、クロムと過酸化水素とフッ素とを含有していない、亜鉛又は亜鉛合金上に化成皮膜を形成するための化成処理液であって、1g/L乃至12g/Lのマグネシウムと、0.03g/L乃至5g/Lのコバルトと、0.7g/L乃至3.5g/Lの珪素と、3g/L乃至15g/Lの硝酸イオンとを含有し、前記珪素を水溶性の珪酸塩として含み、アルミニウムの含有量は0.01g/L以下である化成処理液が提供される。
本発明の第2側面によると、亜鉛又は亜鉛合金を第1側面に係る化成処理液を用いた化成処理に供することを含んだ化成皮膜の形成方法が提供される。
本発明によると、フッ素及び過酸化水素を使用することなしに、耐食性及び外観に優れた化成皮膜を形成可能なクロムフリーの化成処理技術が提供される。
以下、本発明の態様について説明する。
本発明の一態様に係る化成処理液は、亜鉛又は亜鉛合金上に化成皮膜を形成するための化成処理液である。この化成処理液は、クロムと過酸化水素とフッ素とを含有しておらず、典型的には、アルミニウムも含有していない。そして、この化成処理液は、水などの水系溶媒に加え、マグネシウムとコバルトと珪素と硝酸イオンとを含有している。
この化成処理液は、マグネシウムを、例えばマグネシウムイオンとして含んでいる。この化成処理液は、マグネシウムを、錯イオン若しくは多原子イオンとして又はそれらとマグネシウムイオンとの組み合わせとして含んでいてもよい。
この化成処理液のマグネシウム濃度は、1g/L乃至12g/Lの範囲内にあり、典型的には1.8g/L乃至5g/Lの範囲内にある。マグネシウム濃度を低くすると、耐食性が低下する。マグネシウム濃度を高くすると、耐食性が低下するのに加え、外観が劣化する。
この化成処理液は、コバルトを、例えばコバルトイオンとして含んでいる。この化成処理液は、コバルトを、錯イオン若しくは多原子イオンとして又はそれらとコバルトイオンとの組み合わせとして含んでいてもよい。
この化成処理液のコバルト濃度は、0.03g/L乃至5g/Lの範囲内にあり、典型的には0.05g/L乃至2g/Lの範囲内にある。コバルト濃度を低くすると、耐食性が低下する。コバルト濃度を高くすると、耐食性が低下するのに加え、外観が劣化する。なお、コバルト濃度を0.03g/L以上とすると、化成処理液を製造してから使用するまで長期間に亘って放置したとしても、液のゲル化を生じることはない。特に、コバルト濃度を0.05g/L以上とすると、化成処理液を製造してから使用するまで長期間に亘って放置したとしても、液の粘度が上昇することはない。
この化成処理液は、珪素を水溶性の珪酸塩として含んでいる。この化成処理液が、珪素を水溶性の珪酸塩以外の形態で、例えばコロイダルシリカとして含んでいる場合、化成処理液が珪素を水溶性の珪酸塩として含んでいる場合ほど優れた耐食性及び/又は外観を達成することはできない。
珪酸塩としては、例えば、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムなどのアルカリ金属塩を使用することができる。珪酸塩として、単一の化合物を使用してもよく、複数の化合物を混合して使用してもよい。
この化成処理液の珪素濃度は、0.7g/L乃至3.5g/Lの範囲内にあり、典型的には1.2g/L乃至3g/Lの範囲内にある。珪素濃度を低くすると、耐食性が低下する。珪素濃度を高くすると、耐食性が低下するのに加え、外観が劣化する。
この化成処理液の硝酸イオン濃度は、3g/L乃至15g/Lの範囲内にあり、典型的には4.5g/L乃至11g/Lの範囲内にある。硝酸イオン濃度を低くした場合又は高くした場合、耐食性が低下する。
この化成処理液は、典型的にはアルミニウムを含んでいないが、0.01g/L以下の濃度でアルミニウムを含むことができる。アルミニウム濃度を高くすると、耐食性が低下するのに加え、外観が劣化する。
この化成処理液は、典型的には、金属元素としてマグネシウム及びコバルトのみを含有しているか、又は、金属元素としてマグネシウム、コバルト及びアルミニウムのみを含有している。この化成処理液は、クロム、マグネシウム、コバルト及びアルミニウム以外の金属元素を更に含有していてもよい。例えば、この化成処理液は、リチウム、ナトリウム、カリウム及びカルシウムなどの金属元素を更に含有していてもよい。但し、これら追加の金属元素の合計量は、例えば10g/L以下とする。
この化成処理液は、酸として、硝酸のみを含有していてもよく、硝酸に加え、他の無機酸を更に含有していてもよい。追加の無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、又はそれらの組み合わせを使用することができる。この化成処理液における硝酸以外の無機酸の濃度は、例えば10g/L以下とする。
この化成処理液は、酸性溶液である。この化成処理液のpH値は、例えば1.5乃至3.5の範囲内にあり、典型的には1.8乃至3.0の範囲内にある。
この化成処理液を調製する際、マグネシウム及びコバルトなどの金属元素源としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、又はこれらの2つ以上の組み合わせを使用することができる。また、硝酸イオン源としては、例えば、硝酸、マグネシウム及びコバルトなどの金属の硝酸塩、又はこれらの組み合わせを使用することができる。
この化成処理液を用いた化成皮膜の形成は、例えば、以下の方法により行う。
まず、亜鉛若しくは亜鉛合金からなる被処理物又は表面に亜鉛若しくは亜鉛合金からなる層が設けられた被処理物を準備する。表面に亜鉛又は亜鉛合金からなる層が設けられた被処理物としては、例えば、表面に亜鉛又は亜鉛合金からなるめっき層が設けられた金属部品を使用する。
次に、被処理物の亜鉛又は亜鉛合金からなる表面を、活性処理に供する。この活性処理は、例えば、被処理物の亜鉛又は亜鉛合金からなる表面に硝酸水溶液を接触させることにより行う。例えば、被処理物を硝酸水溶液中に浸漬させる。
活性処理した被処理物を水洗した後、被処理物を化成処理に供する。即ち、被処理物に上述した化成処理液を接触させる。例えば、被処理物を化成処理液中に浸漬させる。このとき、化成処理液の温度は、例えば10℃乃至80℃の範囲内とし、典型的には30℃乃至50℃の範囲内とする。また、被処理物に化成処理液を接触させる時間は、例えば30秒乃至600秒の範囲内とし、典型的には60秒乃至180秒の範囲内とする。
化成処理後の被処理物を水洗した後、被処理物を乾燥処理に供する。例えば、被処理物を、自然乾燥させるか又は室温より高温に加熱して乾燥させる。乾燥温度は、例えば150℃以下とする。
以上のようにして、非処理物の表面に化成皮膜を形成する。
この方法では、クロム、フッ素及び過酸化水素を使用していない。それにも拘らず、この方法によると、耐食性及び外観に優れた化成皮膜を形成することができる。
特に、この方法によると、被処理物が複雑な形状を有している場合であっても、優れた耐食性を達成することができる。即ち、一般に、被処理物がボルトのように表面に凹部及び/又は凸部を有している場合、エッジ部で優れた耐食性を達成することは難しい。これに対し、上述した方法によると、被処理物がボルトのように表面に凹部及び/又は凸部を有している場合であっても、優れた耐食性を達成することができる。
なお、ここでは、有機酸フリーの化成処理液及びこれを用いた化成皮膜の形成方法について説明したが、化成処理液は有機酸を含んでいてもよい。
また、上述した化成処理の後に、仕上げ剤を使用した処理を行ってもよい。例えば、化成処理及び水洗の後であって乾燥処理の前に、被処理物を仕上げ処理液に浸漬させてもよい。
以下、本発明の例について説明する。
<例1>
本例では、以下の方法により、化成処理液のマグネシウム濃度が化成皮膜の外観及び耐食性に及ぼす影響を調べた。
まず、複数の鉄鋼部品に亜鉛めっきを施した。鉄鋼部品としては、全長が50mmであり、螺子部の長さが25mmのM8ボルトを使用した。めっき浴としては、ジンケート浴(ノーシアン・アルカリ亜鉛めっきプロセス SurTec 704)を使用した。亜鉛めっきには、バレルめっき法を利用した。これらめっき層の厚さは10μm乃至12μmの範囲内とした。
次に、これらを十分に水洗し、続いて、活性処理に供した。この活性処理は、1%の硝酸水溶液に先の鉄鋼部品を浸漬させることにより行った。これらを十分に水洗し、更に、化成処理液1A乃至1Tを用いた化成処理に供した。以下の表1に、ここで使用した処理液1A乃至1Tの組成を示す。
Figure 0004436885
処理液1A乃至1Tは、塩化マグネシウム六水和物と塩化コバルト六水和物と無水メタ珪酸ナトリウムと硝酸ナトリウムと純水とを混合することにより調製した。また、処理液1A乃至1Tを用いた化成処理は、処理温度を40℃に設定し、浸漬時間を120秒として行った。処理液1A乃至1TのpH値は、硫酸を用いて約2.0に調節した。
化成処理を終了した後、鉄鋼部品を十分に水洗し、これらを100℃で5分間に亘って乾燥させた。以上のようにして、亜鉛めっきを施した鉄鋼部品の表面に化成皮膜を形成した。
次に、このようにして得られた化成皮膜の外観を評価した。具体的には、光沢及び干渉色に関する評価と、白粉の発生状況に関する評価とを行った。ここでは、光沢及び干渉色に関しては、全体にムラなく光沢及び干渉色が認められた場合の評価を「○」、やや曇って見えたか又は干渉色に若干のムラが認められた場合の評価を「△」、多くの部分で曇って見えたか又は干渉色に著しいムラが認められた場合の評価を「×」とした。評価結果の一部を上記の表1に纏める。
次に、日本工業規格JIS Z 2371(2000)で規定されている塩水噴霧試験方法に従って、表面処理後の鉄鋼部品の耐食性を評価した。ここでは、塩水噴霧試験を50時間継続した時点において、鉄鋼部品に生じた腐食生成物の部品全体に対する面積比(以下、腐食生成物発生率という)を測定した。
そして、腐食生成物を生じなかった場合の評価を「A」、腐食生成物発生率が0%より大きく5%以下であった場合の評価を「B」、腐食生成物発生率が5%より大きく10%以下であった場合の評価を「C」、腐食生成物発生率が10%より大きく50%以下であった場合の評価を「D」、腐食生成物発生率が50%以上であった場合の評価を「E」とした。評価結果を上記の表1に纏める。
上記表1に示すように、マグネシウム濃度が16g/L以下である場合、光沢及び干渉色に関して十分な性能を達成することができた。そして、マグネシウム濃度が15g/L以下である場合、光沢及び干渉色に関して優れた性能を達成することができた。なお、白粉の発生状況に関しては、マグネシウム濃度に拘らず、優れた性能を達成することができた。
また、上記表1に示すように、マグネシウム濃度が1g/L乃至12g/Lの範囲内にある場合、十分な耐食性を達成することができた。そして、マグネシウム濃度が1.8g/L乃至5g/Lの範囲内にある場合、優れた耐食性を達成することができた。
<例2>
本例では、以下の方法により、化成処理液のコバルト濃度が化成皮膜の外観及び耐食性に及ぼす影響を調べた。
まず、化成処理液1A乃至1Tの代わりに化成処理液2A乃至2Rを用いたこと以外は例1において説明したのと同様の方法により、亜鉛めっきを施した鉄鋼部品の表面に化成皮膜を形成した。次に、このようにして得られた化成皮膜の外観及び耐食性を、例1において説明したのと同様の方法により評価した。以下の表2に、処理液2A乃至2Rの組成及び評価結果を纏める。
Figure 0004436885
上記表2に示すように、コバルト濃度が6g/L以下である場合、光沢及び干渉色に関して十分な性能を達成することができた。そして、コバルト濃度が2.5g/L以下である場合、光沢及び干渉色に関して優れた性能を達成することができた。なお、白粉の発生状況に関しては、コバルト濃度に拘らず、優れた性能を達成することができた。
また、上記表2に示すように、コバルト濃度が0.03g/L乃至5g/Lの範囲内にある場合、十分な耐食性を達成することができた。そして、コバルト濃度が0.05g/L乃至2g/Lの範囲内にある場合、優れた耐食性を達成することができた。
<例3>
本例では、以下の方法により、化成処理液の珪素濃度が化成皮膜の外観及び耐食性に及ぼす影響を調べた。
まず、化成処理液1A乃至1Tの代わりに化成処理液3A乃至3Rを用いたこと以外は例1において説明したのと同様の方法により、亜鉛めっきを施した鉄鋼部品の表面に化成皮膜を形成した。次に、このようにして得られた化成皮膜の外観及び耐食性を、例1において説明したのと同様の方法により評価した。以下の表3に、処理液3A乃至3Rの組成及び評価結果を纏める。
Figure 0004436885
上記表3に示すように、珪素濃度が4.5g/L以下である場合、光沢及び干渉色に関して十分な性能を達成することができた。そして、珪素濃度が3g/L以下である場合、光沢及び干渉色に関して優れた性能を達成することができた。なお、白粉の発生状況に関しては、珪素濃度に拘らず、優れた性能を達成することができた。
また、上記表3に示すように、珪素濃度が0.7g/L乃至3.5g/Lの範囲内にある場合、十分な耐食性を達成することができた。そして、珪素濃度が1.2g/L乃至3g/Lの範囲内にある場合、優れた耐食性を達成することができた。
<例4>
本例では、以下の方法により、化成処理液の硝酸イオン濃度が化成皮膜の外観及び耐食性に及ぼす影響を調べた。
まず、化成処理液1A乃至1Tの代わりに化成処理液4A乃至4Pを用いたこと以外は例1において説明したのと同様の方法により、亜鉛めっきを施した鉄鋼部品の表面に化成皮膜を形成した。次に、このようにして得られた化成皮膜の外観及び耐食性を、例1において説明したのと同様の方法により評価した。以下の表4に、処理液4A乃至4Pの組成及び評価結果を纏める。
Figure 0004436885
上記表4に示すように、硝酸イオン濃度に拘らず、光沢及び干渉色に関して十分な性能を達成することができた。なお、白粉の発生状況に関しても、硝酸イオン濃度に拘らず、優れた性能を達成することができた。
また、上記表4に示すように、硝酸イオン濃度が3g/L乃至15g/Lの範囲内にある場合、十分な耐食性を達成することができた。そして、硝酸イオン濃度が4.5g/L乃至11g/Lの範囲内にある場合、優れた耐食性を達成することができた。
<例5>
本例では、以下の方法により、化成処理液のアルミニウム濃度が化成皮膜の外観及び耐食性に及ぼす影響を調べた。
まず、化成処理液1A乃至1Tの代わりに化成処理液5A乃至5Nを用いたこと以外は例1において説明したのと同様の方法により、亜鉛めっきを施した鉄鋼部品の表面に化成皮膜を形成した。なお、化成処理液5A乃至5Nは、以下の表5に示すように、何れもアルミニウムを含んでいる。ここでは、アルミニウム源として硝酸アルミニウムを使用した。
次に、このようにして得られた化成皮膜の外観及び耐食性を、例1において説明したのと同様の方法により評価した。なお、白粉の発生状況に関しては、表面に白粉が認められなかった場合の評価を「○」、鉄鋼部品に生じた白粉の部品全体に対する面積比が0%より大きく50%以下であった場合の評価を「△」、この面積比が50%以上であった場合の評価を「×」とした。
以下の表5に、処理液5A乃至5Nの組成及び評価結果を纏める。
Figure 0004436885
上記表5に示すように、アルミニウム濃度が0.05g/L以上の場合、光沢及び干渉色に関して及び耐食性に関して十分な性能を達成することができなかった。そして、アルミニウム濃度が0.20g/L以上の場合、白粉の発生が認められた。
<例6>
本例では、以下の方法により、化成処理液中の金属の種類が化成皮膜の外観及び耐食性に及ぼす影響を調べた。
まず、化成処理液1A乃至1Tの代わりに化成処理液6A乃至6Eを用いたこと以外は例1において説明したのと同様の方法により、亜鉛めっきを施した鉄鋼部品の表面に化成皮膜を形成した。なお、化成処理液6A乃至6Eは、以下の表6に示すように、何れもマグネシウムの代わりに他の金属を含んでいる。化成処理液6A乃至6Eの調製に際しては、マグネシウム源の代わりの金属源として、モリブデン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、ヘキサフルオロジルコン酸二カリウム、硝酸アルミニウム、及び塩化チタンをそれぞれ使用した。
次に、このようにして得られた化成皮膜の外観及び耐食性を、例1において説明したのと同様の方法により評価した。以下の表6に、処理液6A乃至6Eの組成及び評価結果を纏める。
Figure 0004436885
マグネシウムをモリブデン、ジルコニウム又はチタンで置換した場合、上記表6に示すように光沢及び干渉色に関して十分な性能を達成することができ、白粉の発生状況に関しても十分な性能を達成することができた。しかしながら、この場合、耐食性について十分な性能を達成することはできなかった。
また、マグネシウムをタングステン又はアルミニウムで置換した場合、上記表6に示すように、光沢及び干渉色に関して及び耐食性に関して十分な性能を達成することはできなかった。また、この場合、白粉の発生状況に関しても十分な性能を達成することはできなかった。
<例7>
本例では、以下の方法により、化成処理液中のコバルト濃度が処理液の安定性に及ぼす影響を調べた。
まず、以下の表7に示すように組成を変更したこと以外は化成処理液1A乃至1Tについて説明したのと同様の方法により、化成処理液7A乃至7Vを調製した。
Figure 0004436885
次に、これら処理液7A乃至7Vを、室温で4ヶ月間に亘って放置した。なお、4ヶ月経過後の処理液7A乃至7VのpH値は、何れも2.1乃至2.5の範囲内にあった。
その後、処理液7A乃至7Vの各々について、ゲルの発生状況を調べた。ここでは、粘度が増加しなかった場合の評価を「○」、粘度が若干増加した評価を「△」、液の一部が完全にゲル化した評価を「×」とした。評価結果を上記の表7に纏める。
上記表7に示すように、コバルト濃度を0.03g/L以上とした場合、液のゲル化を防止できた。そして、コバルト濃度を0.05g/L以上とした場合、液の粘度の上昇を防止できた。

Claims (5)

  1. クロムと過酸化水素とフッ素とを含有していない、亜鉛又は亜鉛合金上に化成皮膜を形成するための化成処理液であって、1g/L乃至12g/Lのマグネシウムと、0.03g/L乃至5g/Lのコバルトと、0.7g/L乃至3.5g/Lの珪素と、3g/L乃至15g/Lの硝酸イオンとを含有し、前記珪素を水溶性の珪酸塩として含み、アルミニウムの含有量は0.01g/L以下である化成処理液。
  2. コバルトの濃度は0.05g/L以上である請求項1に記載の化成処理液。
  3. マグネシウムの濃度は1.8g/L乃至5g/Lの範囲内にあり、コバルトの濃度は0.05g/L乃至2g/Lの範囲内にあり、珪素の濃度は1.2g/L乃至3g/Lの範囲内にあり、硝酸イオンの濃度は4.5g/L乃至11g/Lの範囲内にある請求項1に記載の化成処理液。
  4. 金属元素としてマグネシウム及びコバルトのみを含有しているか、又は、金属元素としてマグネシウム、コバルト並びにアルミニウム、ナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの元素のみを含有している請求項1乃至3の何れか1項に記載の化成処理液。
  5. 亜鉛又は亜鉛合金を請求項1乃至4の何れか1項に記載の化成処理液を用いた化成処理に供することを含んだ化成皮膜の形成方法。
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