JP4435221B2 - 熱処理装置の空焼き方法 - Google Patents
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熱処理装置はウエハが搬入される処理室を形成する縦形に設置されたプロセスチューブと、プロセスチューブ内を排気する排気管と、プロセスチューブ外に敷設されてプロセスチューブ内を加熱するヒータユニットとを備えており、複数枚のウエハがボートによって垂直方向に整列されて保持された状態でプロセスチューブ内に下端の炉口から搬入され、ヒータユニットによってプロセスチューブ内が加熱されることにより、ウエハに拡散処理が施されるように構成されている。
このような熱処理装置においては、ヒータユニットはプロセスチューブを全体的に被覆する長い円筒形状に形成された断熱槽の内周に長大に形成されたヒータ素線が敷設されている。
そして、従来のこの種の断熱槽は円盤形状の天井壁部材が円筒形状の側壁部材にその上端開口部を閉塞するように被せられて形成されている(例えば、特許文献1参照)。
(1)処理室を形成する処理管と、
前記処理室にガスを導入するガス導入管と、
前記処理室の雰囲気を排出する排気管と、
前記処理管の外側に設けられた断熱槽と、を備え、
前記断熱槽は、
上下両端が開口した円筒形状の側壁部材と、
前記側壁部材の上端に載置され、上端の開口を閉塞する天井壁部材と、を備え、
前記天井壁部材の下端面は、前記側壁部材に載置される前記側壁部材の上端面よりも下側に位置し、前記下端面が平坦面であることを特徴とする熱処理装置。
(2)熱処理装置に使用されるヒータユニットであって、
前記ヒータユニットは、
円筒形状のケースと、
前記ケースの内部に設置される断熱槽と、
前記断熱槽の内周側に設けられたヒータ素線と、を備え、
前記断熱槽は、
上下両端が開口した円筒形状の側壁部材と、
前記側壁部材の上端に載置され、上端の開口を閉塞する天井壁部材と、を備え、
前記天井壁部材の下端面は、前記側壁部材に載置される前記側壁部材の上端面よりも下側に位置し、前記下端面が平坦面であることを特徴とするヒータユニット。
(3)熱処理装置に使用される断熱槽であって、
前記断熱槽は、
上下両端が開口した円筒形状の側壁部材と、
前記側壁部材の上端に載置され、上端の開口を閉塞する天井壁部材と、を備え、
前記天井壁部材の下端面は、前記側壁部材に載置される前記側壁部材の上端面よりも下側に位置し、前記下端面が平坦面であることを特徴とする断熱槽。
(4)処理室を形成する処理管と、
前記処理室にガスを導入するガス導入管と、
前記処理室の雰囲気を排出する排気管と、
前記処理管の外側に設けられた断熱槽と、
前記断熱槽の内周側に設けられたヒータ素線と、を備え、
前記断熱槽は、
上下両端が開口した円筒形状の側壁部材と、
前記側壁部材の上端に載置され、上端の開口を閉塞する天井壁部材と、を備え、
前記天井壁部材の下端面は、前記側壁部材に載置される前記側壁部材の上端面よりも下側に位置し、前記下端面が平坦面である熱処理装置を用いて被処理基板に半導体集積回路装置を製造する半導体集積回路装置の製造方法であって、
前記処理室内に前記被処理基板を搬入する工程と、
前記被処理基板を加熱して所望の処理を実行する工程と、
を備えることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
プロセスチューブ2は石英(SiO2 )が使用されて、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に成形されている。プロセスチューブ2の筒中空部はボートによって垂直方向に整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室3を形成しており、プロセスチューブ2の下端開口は被処理基板としてのウエハを出し入れするための炉口4を構成している。
プロセスチューブ2の外側には炭化シリコン(SiC)が使用されて上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に成形された均熱チューブ5が同心円に被せられて、筐体1によって垂直に支持されている。
プロセスチューブ2の一部には排気管6が接続されており、排気管6は排気装置(図示せず)に接続されて処理室3を所定の真空度に真空排気し得るように構成されている。
プロセスチューブ2の側壁の他の部位にはガス導入管7がプロセスチューブ2の炉口4に連通するように接続されており、ガス導入管7には窒素ガス供給装置(図示せず)に接続されている。
プロセスチューブ2の下端部の外側にはこれを包囲するスカベンジャ8が、均熱チューブ5の外側空間に連通するように形成されており、スカベンジャ8の内部は排気管(図示せず)によって排気されるようになっている。
また、ボート搬入搬出口9にはシールキャップ17が垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ17はボート搬入搬出口9よりも大径の円盤形状に形成されており、筐体1の内部に垂直に設備されたエレベータ(図示せず)によって垂直方向に昇降されるように構成されている。
シールキャップ17の中心線上には被処理基板としてのウエハWを保持するためのボート11が垂直に立脚されて支持されるようになっている。
ボート11は三本の保持部材14の保持溝15間にウエハWの周辺部を挿入されることにより、複数枚のウエハWを水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するようになっている。
ボート11とシールキャップ17との間には断熱キャップ部16が配置されており、断熱キャップ部16はボート11をシールキャップ17の上面から持ち上げた状態に支持することにより、ボート11の下端を炉口4の位置から適当な距離だけ離間させるように構成されている。
図2に示されているように、ヒータユニット20はステンレス鋼(SUS)が使用されて上端閉塞で下端開口の円筒形状に形成されたケース21を備えており、ケース21の内径は均熱チューブ5の外径よりも充分に大きく設定されている。
ケース21の内部には耐熱温度が1600℃になるように構成された断熱槽22が設置されている。断熱槽22は均熱チューブ5の外径よりも大径の内径およびケース21の内径よりも小径の外径を有する上下両端が開口した円筒形状の側壁部材23と、側壁部材23の上端に被せられて上端開口を閉塞する円盤形状の天井壁部材24とを備えている。
側壁部材23の上端開口部には階段形状の雌形段差部25が、内側ブランケット23bの高さが外側ブランケット23aよりも低く設定されることによって形成されている。
断熱槽22の天井壁部材24は上側ボード24aと下側ボード24bとが重ね合わされて構築されている。上側ボード24aおよび下側ボード24bはいずれも、多結晶ムライト繊維に結合材を加えて円板形状に成形されており、最高使用温度加熱後の曲げ強度が0.32MPaになるように構成されている。
天井壁部材24の外周には階段形状の雄形段差部26が、下側ボード24bの外径が上側ボード24aの外径よりも小径に設定されることによって形成されている。側壁部材23の雌形段差部25と天井壁部材24の雄形段差部26とは互いに嵌合するように設定されており、天井壁部材24の雄形段差部26が側壁部材23の雌形段差部25に嵌入されることにより、天井壁部材24は側壁部材23の上端開口部を密閉するように被せ付けられている。
空焼きステップは図2に示されているように処理室3にボート11を搬入せずにボート搬入搬出口9をシャッタ10によって閉じた状態で、室温から所定の高温度(1200℃〜1300℃)まで約30時間かけて上昇させることにより、ヒータユニット20の内部の不純物を除去するステップである。
また、ヒータ素線30のアルミニウムと酸素(O2 )との酸化反応によってヒータ素線30の表面に形成された酸化アルミニウム膜の膜が、きわめて高温度をもって実施される空焼きステップにより緻密で薄い膜を形成するために、ヒータ素線30はこの表面に形成された緻密で薄い酸化アルミニウム膜によって効果的に保護される状態になる。
なお、空焼きステップが低温度をもって実施された場合には、ヒータ素線30の表面には厚くて粗い酸化アルミニウム膜が形成され、この厚くて粗い酸化アルミニウム膜は剥離し易いために、ヒータ素線30の耐久性(寿命)は低下してしまう。
ちなみに、空焼きステップにおいて発生した不純物のガスは、スカベンジャ8の排気管によってヒータユニット20の外部に排気される。
このヒータユニット20Aの下端部には吸気管31が断熱槽22の内部に連通するように接続されており、上端部には排気管32が断熱槽22の内部に連通するように接続されている。排気管32にはラジエタ33およびブロア34が上流側から順に介設されている。このヒータユニット20Aの天井壁部材24の中央部には排気管32を接続するための取付孔24cが大きく開設されている。
この熱処理装置において、冷却を行う場合には空気等の冷却媒体が吸気管31から吸い込まれ、排気管32によって断熱槽22の内周と均熱チューブ5の外周との間の空間から冷却媒体が排気される。熱を奪って昇温した冷却媒体は排気管32の途中のラジエタ33で冷却された後に排出される。処理室3内でウエハが処理されている際は冷却は行われないので、天井壁部材24の周辺部が上方に反ってしまう可能性があるが、本実施の形態においては側壁部材23と天井壁部材24との結合部には雌雄の段差部25、26が形成されているので、反りの発生は防止される。
天井壁部材が筒形状の側壁部材の上端開口部に被せられた断熱槽を備えている半導体製造装置において、
前記側壁部材と天井壁部材との結合部分には段差部が形成されていることを特徴とする半導体製造装置。
1…筐体、2…プロセスチューブ、3…処理室4…炉口、5…均熱チューブ、6…排気管、7…ガス導入管、8…スカベンジャ、9…ボート搬入搬出口、10…シャッタ、
11…ボート、12、13…端板、14…保持部材、15…保持溝、16…断熱キャップ部、17…シールキャップ、
20…ヒータユニット、21…ケース、22…断熱槽、23…側壁部材、24…天井壁部材、25…雌形段差部、26…雄形段差部、27…隙間、30…ヒータ素線、
20A…急熱急冷ヒータユニット、
31…吸気管、32…排気管、33…ラジエタ、34…ブロア。
Claims (1)
- 処理室を形成するプロセスチューブと、
前記処理室にガスを導入するガス導入管と、
前記処理室の雰囲気を排出する排気管と、
前記プロセスチューブの外側に設けられた断熱槽と、
前記断熱槽の内周側に設けられたヒータ素線と、
複数枚の基板を整列させて保持するボートと、
前記プロセスチューブのボート搬入搬出口を開閉するシャッタと、を備えた熱処理装置の空焼き方法において、
上下両端が開口した円筒形状の上端開口部に雌形段差部を有する多結晶ムライト繊維製の側壁部材と、円板形状の外周に雄形段差部を有する多結晶ムライト繊維製の天井壁部材とをそれぞれ予め形成し、前記雄形段差部を前記雌形段差部に嵌入させて、前記天井壁部材が前記側壁部材の前記上端開口部を閉塞した前記断熱槽を形成するステップと、
前記断熱槽内を排気するスカベンジャを前記プロセスチューブの下端部外側に設けるステップと、
前記処理室内に前記ボートを搬入せずに、前記ボート搬入搬出口を前記シャッタによって閉じた状態で、前記断熱槽内を前記スカベンジャによって排気しながら、前記処理室内の温度を1300℃まで上昇させる空焼きステップと、
を有することを特徴とする熱処理装置の空焼き方法。
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