JP4434914B2 - 分極性電極 - Google Patents

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本発明は、電気二重層コンデンサに関し、特にそれに用いられる分極性電極に関する。
電気二重層コンデンサは、電極を構成する導電体と、それに含浸させた電解質溶液との界面にそれぞれ符号の異なる一対の電荷層(電気二重層)が生じることを利用するものであって、充放電に伴う劣化が生じないという特徴を有している。そのため、電気二重層コンデンサは、例えば、電源(電池、又は商用交流電源を直流に変換した電源)と並列に接続して電荷を蓄積させておき、電源の瞬断時にそこに蓄積された電荷を放出させることにより、種々の電気・電子機器(例えばD−RAM等)のバックアップをするという形で使用されている。
従来の電気二重層コンデンサでは、その電極用導電体(炭素材料)として、活性炭粉末等が用いられている。これは、電気二重層コンデンサの静電容量は、電気二重層に蓄えられる電荷量によって決まり、その電荷量は電極の表面積が大きければ大きいほど大きいからである。活性炭は、1000m/g以上という高い比表面積を有していることから、大きな表面積を必要とする電気二重層コンデンサの電極材料として適した材料である。
活性炭粉末を分極性電極として用いた電気二重層コンデンサは、例えば、特許文献1に記載されている。この公報に記載された分極性電極は、活性炭粉末をフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と混合して固形化し、固体活性炭電極として利用している。
特公平4−44407号公報
電気二重層コンデンサのうち、特に大容量のものは、パルスパワー用電源としての利用が期待できる。しかしながら、従来の電気二重層コンデンサは、瞬時に大電流を供給することができず、パルスパワー用電源として必要とされる機能を果たすことができない。これは、活性炭粉末のもつ直径数nmの微細な細孔の内部において、イオンの移動が抑制されてしまうからである。詳述すると、活性炭粉末を用いた固体活性炭電極は、特開平4−288361号公報に記載されているように、活性炭粉末のもつ直径数nmの細孔と、フェノール樹脂の炭化時に形成される直径100nm以上の細孔とを有している。これらの細孔のうち、活性炭粉末のもつ直径数nmの微細な細孔の内部では、イオンの移動が抑制されてしまう。従って、従来の電気二重層コンデンサには、大電流で放電を行うと、見かけ上、容量が減少し、十分な性能を発揮できないという問題点がある。このため、イオンの移動がより容易であるような細孔構造(細孔のサイズ分布)を有する電極の実現が望まれている。
また、単位体積あたりの電極に流すことができる最大電流値は、その電極の単位体積あたりの静電容量に比例する。そのため、電極の単位体積あたりの静電容量は、より大きいことが望ましい。
本発明の目的は、上記の課題を解決するために、イオンの移動を容易にするような細孔サイズ分布(細孔構造)を有する分極性電極を提供し、もって静電容量が大きくかつ瞬時に大電流を取り出すことができる電気二重層コンデンサを提供することにある。
本発明は、第一に、炭素複合体からなる分極性電極において、前記炭素複合体の炭素材料として単層カーボンナノホーンが球状に集合してなる単層カーボンナノホーン集合体を用い、前記炭素複合体の構造を、当該単層カーボンナノホーン集合体間の細孔が活性炭の細孔よりも大きな径を有する多孔質構造とし、前記単層カーボンナノホーン集合体を構成する前記単層カーボンナノホーンの先端をカーボンナノファイバーに融合させることによって、前記単層カーボンナノホーン集合体を前記カーボンナノファイバーに担持させたことを特徴とする第1の分極性電極を提供する。
本発明は、第二に、上記第1の分極性電極において、前記単層カーボンナノホーン集合体間の細孔の直径分布のピークが50〜1000nmの間にあることを特徴とする第2の分極性電極を提供する。
本発明は、第三に、上記第1又は第2の分極性電極のいずれかにおいて、前記単層カーボンナノホーンが単層グラファイトナノホーンであることを特徴とする第3の分極性電極を提供する。
本発明によれば、特異な構造を有する単層カーボンナノホーン集合体を電気二重層コンデンサの分極性電極に用い、単層カーボンナノホーン集合体間に活性炭の細孔よりも大きな径を有する細孔を存在させたことにより、イオンの拡散が促進され、大電流の供給に適した分極性電極及びそれを用いた電気二重層コンデンサを提供することが可能となる。
以下に、図面を参照して、本発明の分極性電極とその製造方法及びそれを用いた電気二重層コンデンサの実施の形態について詳細に説明する。
一般に、分極性電極は、電極の表面が大きいほど大きな静電容量を得ることができるので、活性炭のように1000m/g以上の比表面積の大きな物質が用いられることが多い。しかしながら、活性炭を分極性電極に用いた場合には、活性炭のもつ数nmの微細な細孔内でイオンの移動が抑制され、大電流で放電を行う場合、見かけ上の容量が減少し十分な性能が引き出せないという問題点がある。したがって、電気二重層コンデンサの分極性電極に用いる炭素材料には、静電容量を大きくするための大きな比表面積とイオンの移動性を高めるための適切な細孔サイズ分布(構造)の両方を兼ね備えたものが必要である。
上記の様な条件を満たす材料として、最近、本発明の発明者らによって発見された、炭素原子のみからなる新しい炭素同位体である単層カーボンナノホーンが球状に集合してなる単層カーボンナノホーン集合体がある(特願2000−358362号)。本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサでは、その分極性電極に用いられる炭素微粒子として、この単層カーボンナノホーンが球状に集合してなる単層カーボンナノホーン集合体を用いる。
単層カーボンナノホーンは、単層カーボンナノチューブの一端が円錐形状となった管状体物質である。単層カーボンナノホーン集合体は、図1の電子顕微鏡写真に見られるように、多数の単層カーボンナノホーンが、それらの間に働くファンデルワールス力によって集合したものである。各単層カーボンナノホーンは、そのチューブ部分を集合体の中心部に向け、円錐部を集合体の表面から角(ホーン)のように突き出している。この単層カーボンナノホーン集合体の直径は、120nm以下であり、代表的には10−100nm程度である。また、単層カーボンナノホーン集合体を構成する各ナノチューブは、直径2nm程度、長さ30〜50nm程度であり、その円錐部は軸断面の傾角が平均20度程度である。そして、図2に見られるように多数の単層カーボンナノホーン集合体が集合することによって、微細な粉末を構成している。
上記のような特異な構造を有する単層カーボンナノホーン集合体は、非常に大きな表面積を有する。また、この単層カーボンナノホーン集合体を電気二重層コンデンサの分極性電極の炭素微粒子として用いる場合、得られた分極性電極は、単層カーボンナノホーン集合体の球状粒子が集合したものとなる。そして、それらの球状粒子同士の間には、数十nm程度までの細孔が存在する。即ち、単層カーボンナノホーン集合体を用いた分極性電極は、活性炭に比べて大きな径の細孔を有する多孔質構造となる。その結果、この部分でイオンの移動性が活性炭を用いた場合よりも高まり、大電流の放電の際にも見かけ上の容量の低下が起こり難い。このように、本実施の形態では、特異な構造を有する単層カーボンナノホーン集合体を電気二重層コンデンサの分極性電極の炭素微粒子として用いることにより、比表面積を大きくして静電容量を高めるとともに、イオンの移動性が高くなるような細孔サイズ分布(細孔構造)が自然に形成することができる。
本実施の形態に使用される単層カーボンナノホーン集合体は、例えば、室温、760Torrの不活性ガス雰囲気中で、グラファイト等の固体状炭素単体物質をターゲットとするレーザーアブレーション法によって製造することができる。また、各単層カーボンナノホーン集合体における各単層カーボンナノチューブの形状、単層カーボンナノチューブ同士間の間隔、及び、単層カーボンナノホーン集合体の球状粒子間の細孔の大きさはレーザーアブレーション法による製造条件や製造後の酸化処理や硝酸等による後処理よって制御することが可能である。また、熱処理などにより、この単層カーボンナノホーン集合体の各単層カーボンナノホーンを単層グラファイトナノホーンにすることもでき、その場合には電気伝導性が向上するので分極性電極の性能をさらに向上させることができる。さらに、上記単層カーボンナノホーン集合体を炭素繊維またはカーボンナノファイバーなどに担持させることによって分極性電極の細孔構造(細孔サイズ分布)を調整することもできる。この場合の担持方法としては、真空中雰囲気等の熱処理によって単層カーボンナノホーンの先端を炭素繊維またはカーボンナノファイバーに融合させる等の方法がある。
単層カーボンナノホーン集合体を分極性電極として利用するためには、炭素複合体(単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体)を製造する必要がある。
炭素複合体は、例えば、単層カーボンナノホーン集合体と熱溶融性かつ硬化性フェノール樹脂とを混合し、その混合物を80〜120℃で成形し、さらに非酸化性雰囲気中で熱処理を行うことにより得ることができる。こうして得られた炭素複合体においては、単層カーボンナノホーン集合体とフェノール樹脂との間に空隙が形成されるので、この空隙の働きによりイオンの移動性がさらに高まる。また、この単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体は、高比表面積かつ高密度であるため、単位体積当たりの静電容量も大きくなり、より大電流放電が可能である。
また、他の炭素複合体が、例えば、単層カーボンナノホーン集合体と熱溶融性かつ硬化性フェノール樹脂と熱不溶性フェノール樹脂とを混合し、成形し、熱処理を加えることにより得られる。この炭素複合体では、成形時に熱不溶性フェノール樹脂が粒形状を維持するため、その後の熱処理により熱不溶性フェノール樹脂が炭化されることによって、成形体の内部に空隙が形成される。この空隙の働きによってイオンの移動性がさらに向上する。
分極性電極は、上記のようにして得られた炭素複合体に電解液を含浸させることにより得られる。
本実施の形態による電気二重層コンデンサは、上記のようにして得られた一対の分極性電極を有している。即ち、この電気二重層コンデンサは、図3に示すように、一対の分極性電極31と、その間に挟み込まれたイオン透過可能な絶縁セパレータ32と、これらを両側(図の上下)から挟み込むように各分極性電極31の端面に取付けられた一対の導電性シート(集電体)33と、これら集電体33の縁部同士が接触することがないように分極性電極31及びセパレータ32の外周を取り囲むように配された枠形状のガスケット(筐体)34と、各導電シート33に圧着された外部端子35と、集電体33の両側(図の上下)に配置された支持体36と、電解液を封じ込めるためにガスケット34と支持体36との間を埋めるようこれらの外周面を塗り込めるエポキシ樹脂37とを有している。
単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体を分極性電極に利用した電気二重層コンデンサは、単層カーボンナノホーン集合体の特異な構造故に、静電容量が大きく、かつ、イオンの移動性が容易なため大電流放電が可能である。
以下に本発明の分極性電極とその製造方法及びそれを用いた電気二重層コンデンサについて実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
まず、室温、760Torrの不活性ガス雰囲気中で、グラファイトをターゲットとするレーザーアブレーション法によって単層カーボンナノホーン集合体を作製した。次に、作製した単層カーボンナノホーン集合体を硝酸溶液で処理した。続いて、硝酸溶液で処理された単層カーボンナノホーン集合体と熱溶融性と熱硬化性を共に有するフェノール樹脂粉末(ベルパールS−タイプ、カネボウ(株)製)とを、重量比7:3で混合した後、さらにボールミルにて乾式混合を行った。なお、ここで使用した単層カーボンナノホーン集合体は、単層グラファイトナノホーンからなる単層グラファイトナノホーン集合体である。そして、その単層グラファイトナノホーン集合体の比表面積は1300m/gであった。
上記のようにして得た混合粉末を10gずつに分け、それぞれ150℃、100kg/cmの圧力で10分間金型成形し、70×50mm、厚さ3mmの単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体を複数作製した。そして、これら複合体を電気炉中に置き、900℃で2時間熱処理を行った。得られた単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体の細孔容積を水銀圧入法で測定し、細孔の直径分布を求めたところ、分布のピークは50−1000nmの間にあった。
また、比較のために、単層カーボンナノホーン集合体の代わりにフェノール系活性炭粉末(比表面積2000m/g)を用いたフェノール系活性炭粉末/フェノール樹脂複合体も複数作製した。これらのフェノール系活性炭粉末/フェノール樹脂複合体のサイズも、上記サイズと同じとした。
次に、上述のようにして作製した単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体とフェノール系活性炭粉末/フェノール樹脂複合体とをそれぞれ分極性電極に用いて、電気二重層コンデンサを作製した。電気二重層コンデンサの作製方法は次のとおりである。
まず、各複合体を、電気二重層コンデンサの電解液として用いられる30wt%の硫酸溶液に浸し、真空中で各複合体への電界液の含浸を行った。この工程により、各複合体は、分極性電極となった。
次に各分極性電極を水溶液から取り出し、同一材料からなる分極性電極同士を組み合わせて対にし、その間にポリプロピレン製のセパレータを挟んで対向させた。さらに対向させた分極性電極の両側(互いに対向する面の裏面側)端面に、集電体としてのブチルゴム製の導電性シートを圧着した。
次に、両側の集電体の縁部が互いに接触しないように、ポリカーボネート製ガスケットを分極性電極及びセパレータの周囲に配置した。それから、一対のポリカーボネート製支持体を集電体の両側に配置し、支持体とガスケットとで集電体の縁部を挟み込んだ。さらに、ガスケット及び支持体の周囲にエポキシ樹脂で塗りこめることにより、電解液を封止した。引き続いて、端子取り出しのためのステンレス製の端子板を両側から集電体に圧着した。このようにして本発明の分極性電極を用いた電気二重層コンデンサを作製した。
本実施例の単層カーボンナノホーン集合体を用いた電気二重層コンデンサ及びフェノール系活性炭粉末を用いた電気二重層コンデンサのそれぞれについて、0.9Vで1時間低電圧充電した後、0.45Vまで定電流放電させた。各電機二重層コンデンサについて、放電電流値を0.1Aとした場合と、10Aとした場合の放電電荷量を測定して容量を求めた。そして、放電電流値を0.1Aとした場合における容量から10Aにおける容量を引いた値をdCとして、各電気二重層コンデンサの容量変化率dC/C0.1Aを求めた。
その結果、フェノール系活性炭粉末を用いた電気二重層コンデンサの容量変化率が−15%であったのに対して、本実施例による単層カーボンナノホーン集合体を用いた電気二重層コンデンサの容量変化率は−5%であって、大電流での放電時の容量低下現象が大幅に改善されていることが確認された。これは、単層カーボンナノホーン集合体を用いた分極性電極の細孔のサイズ分布が良好なため、電極内でのイオンの移動性が高まったことが原因と考えられる。このように、本実施例では、単層カーボンナノホーン集合体を用いて分極性電極を構成することにより、電気二重層コンデンサの大電流放電特性を向上させることができた。また、本実施例では、電気二重雄コンデンサの容量を増大させることができた。
まず、実施例1と同様に、レーザーアブレーション法によって単層カーボンナノホーン集合体を作製し、硝酸溶液で処理した。次に、硝酸溶液処理された単層カーボンナノホーン集合体をカーボンナノファイバーと共に1×10−3Torrの真空中に置き、熱処理することによって、単層カーボンナノホーンの先端をカーボンナノファイバーに融合(担持)させた。この単層カーボンナノホーン集合体をカーボンナノファイバーに担持させた材料の比表面積は1350m/gであった。
以下、実施例1と同様に、上記材料をフェノール樹脂粉末と重量比で7:3で混合した後、さらにボールミルにて乾式混合を行った。それから、この混合粉末10gずつに分け、150℃、100kg/cmの圧力で、10分間金型成形し、70×50mm、厚さ3mmの単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体を作製した。これら複合体を電気炉中に置き、900℃で2時間熱処理を行った。得られた単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体の細孔容積を水銀圧入法で測定し、細孔の径を求めたところ、直径の分布のピークは50−1000nmの間にあった。このカーボンナノファイバーに担持した単層カーボンナノホーン集合体とフェノール樹脂の複合体を分極性電極として、実施例1の場合と同様の方法で電気二重層コンデンサを作製した。
この電気二重層コンデンサについて、0.9Vで1時間低電圧充電後、0.45Vまで0.1Aと10Aでそれぞれ定電流放電して容量変化率を調べた。その結果、−5%と容量変化率が実施例1と同様に改善されたのが確認された。また、実施例1に比べ容量の増加が確認された。このように、本実施例では、カーボンナノファイバーに担持した単層カーボンナノホーン集合体を用いて分極性電極を構成することにより、電気二重層コンデンサの大電流放電特性をさらに向上させることができた。
実施例1と同様に、レーザーアブレーション法によって単層カーボンナノホーン集合体を作製し、硝酸溶液で処理した。ここで、単層カーボンナノホーン集合体の比表面積は1300m/gであった。
つぎに、この単層カーボンナノホーン集合体と、フェノール樹脂粉末と重量比で7:3で混合した後、さらにボールミルにて乾式混合を行った。なお、ここでのフェノール樹脂には、熱溶融性かつ硬化性フェノール樹脂(実施例1又は2で用いたもの)に熱不溶性フェノール樹脂(ベルパールR−タイプ、カネボウ(株)製)を15〜60重量%混合したものを用いた。
次に、得られた混合粉末を10gずつに分け、150℃、100kg/cmの圧力で10分間金型成形し、70×50mm、厚さ3mmの単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体を作製した。これらを電気炉中にて、900℃で2時間熱処理を行った。このようにして作製した単層カーボンナノホーン集合体/フェノール樹脂複合体を用いて実施例1の場合と同様に電気二重層コンデンサを作製した。
この電気二重層コンデンサについて、0.9Vで1時間低電圧充電後、0.45Vまで0.1Aと10Aでそれぞれ定電流放電して容量変化率を調べた。その結果、−4.5%とさらに容量変化率が改善されるのがわかった。このように、本実施例では、単層カーボンナノホーン集合体と熱溶融性かつ硬化性フェノール樹脂に熱不溶性フェノール樹脂を混合した複合体を用いて分極性電極を構成することにより、電気二重層コンデンサの大電流放電特性をさらに向上させることができた。
以上本発明について、いくかの実施例を挙げて説明したが、本発明は上記各実施例に限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内において、適宜変更可能であることは明らかである。
単層カーボンナノホーン集合体の電子顕微鏡写真(拡大図)である。 単層カーボンナノホーン集合体の電子顕微鏡写真である。 本発明の一実施の形態に係る電気二重層コンデンサの概略断面図である。
符号の説明
31 分極性電極
32 セパレータ
33 導電性シート(集電体)
34 ガスケット(筐体)
35 外部端子
36 支持体
37 エポキシ樹脂

Claims (3)

  1. 炭素複合体からなる分極性電極において、前記炭素複合体の炭素材料として単層カーボンナノホーンが球状に集合してなる単層カーボンナノホーン集合体を用い、前記炭素複合体の構造を、当該単層カーボンナノホーン集合体間の細孔が活性炭の細孔よりも大きな径を有する多孔質構造とし
    前記単層カーボンナノホーン集合体を構成する前記単層カーボンナノホーンの先端をカーボンナノファイバーに融合させることによって、前記単層カーボンナノホーン集合体を前記カーボンナノファイバーに担持させたことを特徴とする分極性電極。
  2. 前記単層カーボンナノホーン集合体間の細孔の直径分布のピークが50〜1000nmの間にあることを特徴とする請求項1に記載の分極性電極。
  3. 前記単層カーボンナノホーンが単層グラファイトナノホーンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の分極性電極。
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