JP4433681B2 - カバリング弾性糸及びそれを用いたストレッチ編地、ストッキングならびにその製造方法 - Google Patents

カバリング弾性糸及びそれを用いたストレッチ編地、ストッキングならびにその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
【発明の属する分野】
本発明は、カバリング弾性糸およびそれからなるストレッチ編地、ストッキングならびにその製造方法に関するものであり、特に、軽量感、保温性、ソフトでさらっとした触感に良好なカバリング弾性糸およびそれからなるストレッチ編地、ストッキングならびにその製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
近年、弾性糸を用いたストレッチ素材が、着心地が良いことで好評を得ている。ストレッチ素材の一つである、ポリウレタン弾性糸にポリアミド繊維を巻き付けるカバリング弾性糸は、ソックス、ストッキング、インナーウエアなどに幅広く使用されている。
【0004】
これら製品に独自の特徴を付与させるために、巻糸であるポリアミド繊維を異形断面にすることにより、風合い、表面感に変化を持たせたり、吸水性、保温性などの機能性を持たせるという方法が取られてきた。
【0005】
例えば、直接紡糸した異形断面をカバリング弾性糸の巻糸として用い、艶感、透明感、フラット感等に良好な布帛を得ることが提案されており(特許文献1)、また、中空断面にすることにより保温性に良好な布帛を得ることが提案されている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−181935号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平8−134701号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異形断面化の従来技術によるカバリング弾性糸では、ソフトな風合いは得られるものの、さらっとした触感、保温性を得ることはできなかった。また、中空断面化の従来技術によるカバリング弾性糸では、保温性は得られるものの、単糸繊度1.5デシテックス以下のポリアミド中空繊維の製造が困難なため、単糸繊度が太くなりソフトな風合いを得ることはできなかった。
【0009】
一方、さらっとした触感を得るためY型、T型のような異形断面糸を用いた場合、従来技術による異形口金からの直接紡糸方法では、口金吐出直後のポリマーの粘度が低いために表面張力を下げようとする働きにより断面形状が丸みを帯びたものとなり、さらっとした触感について満足を得られるものではない。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、従来より触感に有効である異形断面糸を、高次加工工程で初めて発現させ、紡糸段階では得られない断面形状を得られるという新たな手法によりソフトでさらっとした触感、保温性、軽量感に優れたカバリング弾性糸およびそれからなるストレッチ編地、ストッキングおよびその製造方法を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は主として次のような構成からなる。すなわち、本発明のカバリング弾性糸は、弾性繊維からなる芯糸の周辺にポリアミド繊維を巻付けてなるカバリング弾性糸において、前記ポリアミド繊維が、多葉断面フィラメント糸であって、かつ、前記多葉断面フィラメント糸の横断面が、葉の頂点のなす角αが90°以下である葉を3つ以上有する形状であり、かつ、前記多葉断面フィラメント糸が、下記(1)〜(2)式を満たすものであることを特徴とするものである。
(1)0.5r≦amax
(ただし、フィラメント横断面の外接円半径をrとし、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と共有する2点Bi(Ciー1と共通)、Ci(Bi+1と共通)がそれぞれ各葉の頂点Tiで結ばれる線分のうち最も長いものをamaxとする。)
(2)Σ2Si/KiiN≦1.5
(ただし、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と構成する2点Bi(Ciー1と共通)、Ci(Bi+1と共通)を結ぶ線分Biiの長さをKiとし、各葉が線分Biiで切り取られる部分の面積をSi、各葉の頂点と線分Biiの距離をLiとした。またフィラメント横断面がもつ葉の数をNとする。)。
【0012】
また、本発明のストレッチ編地、ストッキングは、かかるカバリング弾性糸を用いて構成されていることを特徴とするものである。かかるストレッチ編地、ストッキングの製造方法は、芯成分がナイロン6又はナイロン66で、かつ、多葉断面形状を有し、鞘成分がポリエステルからなる芯鞘型複合フィラメント糸を、弾性繊維からなる芯糸の周辺に巻付けてカバリング弾性糸を製造した後、このカバリング弾性糸を用いてストレッチ編地を編成するか、または、ストッキングを編成し、次いでこれらをアルカリ減量加工することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、かかる課題、つまり、ソフトでさらっとした触感、保温性、軽量感に優れたカバリング弾性糸およびそれからなるストレッチ編地、ストッキングについて、鋭意検討し、従来より触感に有効である異形断面糸を、高次加工工程で初めて発現させ、紡糸段階では得られない断面形状を得られるという新たな手法を採用してみたところ、初めてかかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
本発明の対象とするカバリング弾性糸は、シングルカバリング弾性糸であってもよいし、ダブルカバリング弾性糸であってもよい。シングルカバリング弾性糸は、弾性繊維糸の周囲にカバリング用糸を一重に巻付けてなる複合弾性糸である。ダブルカバリング弾性糸は、弾性繊維糸の周囲にカバリング用糸を異方向又は同方向に二重に巻付けてなる複合弾性糸である。
【0016】
また、カバリング弾性糸の芯糸となる弾性繊維としては、ポリウレタン系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維、ポリエステル系弾性繊維、天然ゴム系繊維、合成ゴム系繊維、ブタジエン系繊維等が用いられるが、その弾性特性、熱特性、耐久性等から好ましいのは、ポリウレタン系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維である。
【0017】
これらの弾性繊維の繊度は特に限定されるものではないが、例えば、ストッキング用途の場合には、締め付け圧の設定により異なるが、一般に8〜80デシテックス程度の範囲であればよい。かかる範囲であれば、糸強力が十分でカバリング時及び編立て時に芯糸切れ等のトラブルを生じ難く、ストッキングとしての伸縮性、耐久性が十分となる一方締付け力が強くなり過ぎることもない。
【0018】
本発明ではこの弾性繊維を芯糸としてその周囲にポリアミド繊維を巻き付けてカバリング弾性糸とする。
【0019】
本発明のカバリング弾性糸を構成するポリアミド繊維は、その横断面が葉の頂点のなす角αが90°以下である葉を3以上有する多葉断面形状のものであり、好ましくは葉の数は5以上である。ここで葉とは、図1中の符号1に示すように、横断面において、凸状の突起となっている部分をさす。また、角αは葉の頂点Tiと各葉が隣の葉と共有する2点Bi(Ciー1と共通)、Ci(Bi+1と共通)によりなす角Biiiと定義する。
【0020】
葉の頂点のなす角αが90°未満である葉が2以下の場合には織物、編地にしたときに突起部が十分に表面に突き出た形とならないために、柔らかなタッチが損なわれる。葉の頂点のなす角は糸の横断面を顕微鏡写真にとり、角度を測定することで求められる。
【0021】
フィラメント横断面の外接円半径をr、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と共有する2点Bi(Ciー1と共通)、Ci(Bi+1と共通)がそれぞれ各葉の頂点Tiで結ばれる線分のうち最も長いものをamaxと図2、図3で示すように定義する。このとき、本発明におけるフィラメントは、
(1)0.5r≦amax
を満たすことであり、
好ましくは0.6r≦amax、さらに好ましくは0.7r≦amaxである。
【0022】
0.5r>amaxのときには、葉の長さが小さいためにソフトでさらっとした触感、軽量感、保温性を得ることは出来ない。
【0023】
また、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と構成する2点Bi(Ciー1と共通)、Ci(Bi+1と共通)を結ぶ線分Biiの長さをKiとし、各葉が線分Biiで切り取られる部分の面積をSi、各葉の頂点と線分Biiの距離をLiとし、フィラメント横断面がもつ葉の数をNとしたとき、本発明におけるフィラメントは、(2)Σ2Si/KiiN≦1.5
を満たすことであり、
好ましくはΣ2Si/KiiN≦1.35、さらに好ましくはΣ2Si/KiiN≦1.2である。
【0024】
Σ2Si/KiiN>1.5のときには、葉が丸みを帯びるため、ソフトでさらっとした触感を得ることができない。
【0025】
また、Si、Ki、Li、Nについては、糸を繊維長方向に垂直に切断し、この切断面をSEMで観察し、写真に撮しとり、写し取られた断面について、面積・長さを実測することにより求めることができる。実測した値から、Si/KiiNをi=1〜Nについて、それぞれ計算し、これを合計することでΣ2Si/KiiNが求められる。例えば、図2の(a)の場合、S1、K1、L1、S2、K2、L2・・・・S8、K8、L8を実測し、S1/K11N、S2/K22N・・・・S8/K88Nを計算し、それらを合計することでΣ2Si/KiiNが求められる。葉の頂点のなす角αが90°以下である葉を3以上有するものであり、好ましくは葉の数は5以上である。ここで葉とは、図1中の符号1に示すように、横断面において、凸状の突起となっている部分をさす。また、角αは葉の頂点Tiと各葉が隣の葉と共有する2点Bi(Ciー1と共通)、Ci(Bi+1と共通)によりなす角Biiiと定義する。
【0026】
本発明のカバリング弾性糸を構成するポリアミド繊維の単糸繊度、糸条繊度に特に制限はないが、単糸繊度が2デシテックス以下であることが、ソフトでさらっとした触感を得るために好ましい。
【0027】
本発明のカバリング弾性糸の製造方法は特に限定しないが、例えば次のような手法を用いて製造される。
【0028】
その製造方法は、ポリアミドを多葉断面形状に芯部に配置し、ポリエステルを鞘部に配置する形に設計された紡糸口金を用いて、溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い、1000m/分以上の速度で紡糸引取り、引き続いて延伸し巻取る方法、あるいは、溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い1000m/分以上の速度で紡糸引取りし実質的に延伸することなく巻取る方法により行うことが好ましい。さらに好ましくは、巻取速度が3000m/分以上であることが生産性の上で好ましい。その後、本発明の目的を阻害しない範囲において様々の仮撚り加工、混繊加工などの糸加工を施してもよい。
【0029】
また、鞘成分を構成するポリマは、アルカリ溶出処理により溶解するポリマであれば特に限定しないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステルが好ましい。また、これらのポリマに対して、アルカリ溶出速度を促進させるために必要に応じて共重合させたり、添加剤等を含ませることができる。
【0030】
また、芯成分を構成するポリマは、ポリアミドであれば特に限定しないが、例えばナイロン6、ナイロン66が好ましい。本発明の目的を阻害しない範囲において種々の添加剤を含んでも良い。この添加剤を例示すれば、酸化防止剤、耐熱安定剤、可塑剤、難燃剤、導電性付与剤、吸湿剤、抗菌剤などである。
【0031】
本発明のカバリング弾性糸は、先に述べたポリエステル/ポリアミド芯鞘複合繊維を、通常のカバリング機で弾性糸に巻き付ける。この巻き付け回数(以下、撚数という)は、特に限定しないが、例えばシングルカバリング弾性糸の場合、500〜4000t/mがソフト性の点から好ましい。さらに好ましくは、600〜2500t/mである。
【0032】
その後、編成後、アルカリ溶出処理することにより鞘成分のポリエステルを溶解して多葉断面状の芯成分を残し得ることができる。アルカリ溶出処理に使用するアルカリの種類は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど強アルカリであれば特に限定しないが、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。アルカリ処理条件は、アルカリ濃度、処理時間、処理温度によって決められるが、アルカリ濃度は30〜40g/L、処理温度は80〜120℃の範囲で処理されることが望ましい。また、アルカリ溶出速度を速めるために第4級アンモニウム塩、カチオン活性剤などの減量促進剤が知られており、カバリング弾性糸の特性を阻害しない範囲であれば併用してもかまわない。
【0033】
このような方法を用いることのメリットは、芯成分が鞘成分により囲まれているために、芯成分が表面張力を小さくしようと丸くなろうとするのが阻害され、シャープな形状を維持することができることにある。
【0034】
また、芯成分が丸くなろうとするのが阻害される観点から、鞘成分に用いるポリマーは芯成分に用いるポリマーよりも高粘度であることが望ましい。また、鞘成分溶出前の糸断面は、丸、四角、扁平、Y字その他どのような形状であっても特に構わないが、芯成分の形状を保持する観点から丸が好ましい。
【0035】
本発明の対象とするストレッチ編地は、特に限定するものではないが、丸編地であるシングル丸編地やダブル丸編地、経編地であるシングルトリコット編地やダブルトリコット編地、シングルラッシェル編地やダブルラッシェル編地があり、これらも各々の専用編機にて製編することができる。また、編組織としては、丸編地の天竺組織、インターロック組織、ジャカード組織、経編地のハーフ組織、サテン組織、ジャカード組織など、特に限定されるものではない。
【0036】
本発明の対象とするストッキングは、パンティストッキング、ロングストッキング、ショートストッキング、タイツで代表されるストッキング製品である。
【0037】
本発明のストッキングは、このようなストッキングの少なくともレッグ部の編地をカバリング弾性糸のみで編成あるいはカバリング弾性糸とポリアミド繊維を交互に編成されることが、良好なフィット感を得るために好ましい。なお、このレッグ部編地には、他素材からなる編込み模様やワンポイントのような装飾が施されていてもよい。
【0038】
本発明のストッキングは、公知の製法で編成される。例えば、カバリング弾性糸のみで編成する場合は、2口あるいは4口給糸の編機を用い、カバリング弾性糸のみを供給して編成するという通常の方法で編成すればよい。シングルカバリング弾性糸の場合は、S方向カバリングのシングルカバリング弾性糸とZ方向カバリングのシングルカバリング弾性糸とを交互に編成する。得られた編地を、加熱アルカリ処理することにより、本発明のストッキング製品とすればよい。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。物性の測定方法は次の通りである。
A.ソフト感
温度25℃、湿度50%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地のソフト感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
【0040】
ソフト感がある:○、ソフト感が十分でない:△、ソフト感がない:×。
B.さらっと感
温度25℃、湿度50%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地のさらっと感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
【0041】
さらっと感がある:○、さらっと感が十分でない:△、さらっと感がない:×。
C.軽量感
温度25℃、湿度50%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地の軽量感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
【0042】
軽量感がある:○、軽量感が十分でない:△、軽量感がない:×。
D.保温性
温度10℃、湿度30%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地を着用し10分後の保温感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
【0043】
保温性がある:○、保温性が十分でない:△、保温性がない:×。
【0044】
実施例1
98%硫酸相対粘度2.6のナイロン6を8葉星状芯部に、ポリエチレンテレフタレートを鞘部に配置されるように設計された紡糸口金を用いて、重量比30:70、紡糸温度290℃で溶融吐出し、冷却、給油、交絡後、非加熱ローラーで引取、160℃に加熱されたローラーとの間で1.4倍に延伸して、巻取速度4000m/分で巻き取り、56デシテックス、18フィラメントの図4に示す形状の芯鞘複合糸を得た。
【0045】
得られた芯鞘複合糸を、東レデュポン社製“ライクラ”20デシテックスを芯糸とし、ドラフト2.9、撚数1000t/mでS方向又はZ方向にシングルカバリングして、S方向シングルカバリング弾性糸とZ方向シングルカバリング弾性糸とを製造した。
【0046】
得られたシングルカバリング弾性糸を用い、永田精機(株)製のスーパー4編機(針数400本)で、S方向シングルカバリング弾性糸とZ方向シングルカバリング弾性糸とを交互に編機の給糸口に供給し、レッグ部編地がカバリング弾性糸のみで編成した。
【0047】
得られた編地を、苛性ソーダ60g/Lを用いてポリエチレンテレフタレートを完全溶解させた。
【0048】
こうして得られた八葉断面形状を表1に示す。
【0049】
続いて、ドラム染色機にて、酸性染料(Lanasyn S Black S-DL 120(クラリアントジャパン株式会社製))3重量%、昇温速度1℃/分、染色温度95℃、染色時間30分で染色加工を行い、続いて、ディマフィックスESH(明成化学工業株式会社製)を3重量%、処理温度80℃、処理時間20分でFIX処理を行った。引き続き、ニッカシリコンAMO(日華化学株式会社製)を4重量%、処理温度40℃、処理時間20分で柔軟仕上げ加工を行い、続いて足型仕上げセットを110℃で行いストッキング製品とした。
【0050】
得られたストッキング製品のレッグ部についてソフト感、軽量感、保温性を評価した結果は表2に示す。
【0051】
実施例2
ナイロン6、ポリエチレンテレフタレートの吐出重量比を45:55とした以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0052】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0053】
実施例3
ナイロン6、ポリエチレンテレフタレートの吐出重量比を35:65とした以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0054】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0055】
実施例4
芯成分のポリマを98%硫酸相対粘度2.6のナイロン66とした以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0056】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0057】
実施例5
鞘成分のポリマをポリL-乳酸(L体比率95%、D体比率5%)とした以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0058】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0059】
比較例1
紡糸口金の芯成分が吐出される孔の形状を変更して、ナイロン6、ポリエチレンテレフタレートの吐出重量比を45:55とした以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0060】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0061】
比較例2
紡糸口金の芯成分が吐出される孔の形状を変更して、ナイロン6、ポリエチレンテレフタレートの吐出重量比を50:50とした以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0062】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0063】
比較例3
98%硫酸相対粘度2.6のナイロン6を、+孔紡糸口金を用いて、紡糸温度270℃で溶融吐出し、冷却、給油、交絡後、非加熱ローラーで引き取り、155℃の加熱ローラーとの間で1.5倍に延伸して巻き取り速度4000m/分で巻き取りをおこない、33デシテックス36フィラメントの凸四角型断面糸を得た以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0064】
得られた編地について評価した結果を表2に示す。
【0065】
比較例4
98%硫酸相対粘度2.6のナイロン6を、Y孔紡糸口金を用いて、紡糸温度270℃で溶融吐出し、冷却、給油、交絡後、非加熱ローラーで引き取り、155℃の加熱ローラーとの間で1.5倍に延伸して巻き取り速度4000m/分で巻き取りをおこない、33デシテックス36フィラメントのY型断面糸を得た以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0066】
得られた編地について評価した結果を表2に示す。
【0067】
比較例5
98%硫酸相対粘度2.9のナイロン6を、丸孔が8つのスリットから構成される紡糸口金を用いて、紡糸温度270℃で溶融吐出し、冷却、給油、交絡後、非加熱ローラーで引き取り、155℃の加熱ローラーとの間で1.5倍に延伸して巻き取り速度4000m/分で巻き取りをおこない、28デシテックス12フィラメントの中空断面糸を得た以外は実施例1と同様に紡糸し、カバリング弾性糸を製造し、ストッキングを得た。
【0068】
得られた編地について評価した結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004433681
【0070】
得られたストッキングの横断面を顕微鏡写真にとり、多葉断面糸の横断面の葉の頂点のなす角度αを測定した。
【0071】
【表2】
Figure 0004433681
【0072】
表2の結果から明らかなように、本発明のカバリング弾性糸を用いたストッキングは、ソフトでさらっとした触感、軽量感、保温性に効果があることがわかる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、ソフトでさらっとした触感、軽量感および保温性に良好なカバリング弾性糸および、ストレッチ編地、ストッキングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が提供する多葉断面糸の横断面形状の一例を示す横断面図であり、(a)は8葉、(b)は6葉の例を示す。
【図2】本発明で定義した多葉断面糸の横断面形状を示す記号を説明する横断面図であり、(a)は8葉、(b)は6葉の例を示す。
【図3】本発明で定義した多葉断面糸の葉部分形状を示す記号を説明する横断面図である。
【図4】本発明の実施例で用いた芯鞘複合糸の断面概略図である。
【符号の説明】
1:葉

Claims (6)

  1. 弾性繊維からなる芯糸の周辺にポリアミド繊維を巻付けてなるカバリング弾性糸において、前記ポリアミド繊維が、多葉断面フィラメント糸であって、かつ、前記多葉断面フィラメント糸の横断面が、葉の頂点のなす角αが90°以下である葉を3つ以上有する形状であり、かつ、前記多葉断面フィラメント糸が、下記(1)〜(2)式を満たすものであることを特徴とするカバリング弾性糸。
    (1)0.5r≦amax
    (ただし、フィラメント横断面の外接円半径をrとし、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と共有する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)がそれぞれ各葉の頂点Tで結ばれる線分のうち最も長いものをamaxとする。)
    (2)Σ2S/KN≦1.5
    (ただし、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と構成する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)を結ぶ線分Bの長さをKとし、各葉が線分Bで切り取られる部分の面積をS、各葉の頂点と線分Bの距離をLとした。またフィラメント横断面がもつ葉の数をNとする。)。
  2. 請求項1に記載のカバリング弾性糸を用いて構成されていることを特徴とするストレッチ編地。
  3. 少なくともレッグ部が、請求項1に記載のカバリング弾性糸を用いて構成されていることを特徴とするストッキング。
  4. 少なくともレッグ部が、請求項1記載のカバリング弾性糸とポリアミド長繊維を交互に編成して構成されていることを特徴とするストッキング。
  5. 芯成分がナイロン6又はナイロン66で、かつ、多葉断面形状を有し、頂点のなす角αが90°以下である葉を3つ以上有する形状であり、さらに、多葉断面が、下記(1)〜(2)式を満たすものであり、鞘成分がポリエステルからなる芯鞘型複合フィラメント糸を、弾性繊維からなる芯糸の周辺に巻付けてカバリング弾性糸を製造した後、該カバリング弾性糸を用いてストレッチ編地を編成し、次いでこのストレッチ編地をアルカリ減量加工することを特徴とするストレッチ編地の製造方法。
    (1)0.5r≦a max
    (ただし、ナイロン6またはナイロン66の横断面の外接円半径をrとし、横断面における各葉が隣の葉と共有する2点B (C ー1と共通)、C (B i+1 と共通)がそれぞれ各葉の頂点T で結ばれる線分のうち最も長いものをa max とする。)
    (2)Σ2S /K N≦1.5
    (ただし、ナイロン6またはナイロン66横断面の各葉が隣の葉と構成する2点B (C ー1と共通)、C (B i+1 と共通)を結ぶ線分B の長さをK とし、各葉が線分B で切り取られる部分の面積をS 、各葉の頂点と線分B の距離をL とした。またナイロン6またはナイロン66横断面がもつ葉の数をNとする。)。
  6. 芯成分がナイロン6又はナイロン66で、かつ、多葉断面形状を有し、頂点のなす角αが90°以下である葉を3つ以上有する形状であり、さらに、多葉断面が、下記(1)〜(2)式を満たすものであり、鞘成分がポリエステルからなる芯鞘型複合フィラメント糸を、弾性繊維からなる芯糸の周辺に巻付けてカバリング弾性糸を製造した後、該カバリング弾性糸を用いてストッキングを編成し、次いでこのストッキングをアルカリ減量加工することを特徴とするストッキングの製造方法。
    (1)0.5r≦a max
    (ただし、ナイロン6またはナイロン66の横断面の外接円半径をrとし、横断面における各葉が隣の葉と共有する2点B (C ー1と共通)、C (B i+1 と共通)がそれぞれ各葉の頂点T で結ばれる線分のうち最も長いものをa max とする。)
    (2)Σ2S /K N≦1.5
    (ただし、ナイロン6またはナイロン66横断面の各葉が隣の葉と構成する2点B (C ー1と共通)、C (B i+1 と共通)を結ぶ線分B の長さをK とし、各葉が線分B で切り取られる部分の面積をS 、各葉の頂点と線分B の距離をL とした。またナイロン6またはナイロン66横断面がもつ葉の数をNとする。)。
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