JP4433296B2 - 活性酸素殺菌装置及び活性酸素殺菌方法 - Google Patents

活性酸素殺菌装置及び活性酸素殺菌方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、細菌対策を必要とする医療分野、食品分野、衛生分野、遺伝子工学分野等の各分野において利用される活性酸素殺菌装置に関するものである。
従来、医療や食品や微生物関連産業等で利用される殺菌装置又は滅菌装置には、高温高圧蒸気殺菌(オートクレーブ)装置、エチレンオキサイドガス(EOG)殺菌装置、γ線等を利用した放射線殺菌装置等がある。
高温高圧蒸気殺菌装置は、約120℃の高温、高圧の水蒸気で殺菌(滅菌)する方法を利用したものである。この高温高圧蒸気殺菌装置は、金属製の器具等を殺菌する場合に使用することができるが、プラスチック製の容器等のように高温で変形してしまう製品を殺菌する場合には使用することができない。
エチレンオキサイドガス殺菌装置は、エチレンオキサイドガスの毒性により病原菌や微生物を不活化する方法を利用したものである。このエチレンオキサイドガス殺菌装置は、プラスチック製の容器等も殺菌することができる。しかし、エチレンオキサイドガスは変異原性、発ガン性などの毒性、爆発性等を有するため、当該殺菌装置を使用する際には、作業者の健康上及び作業環境上の危険性が高い。しかも、処理に使用した高濃度のエチレンオキサイドガスが低濃度になるまでに長い時間を要し、総処理時間が長くなるという問題があった。また、使用済みのガスを大気中に放出すると、大気汚染の原因にもなる。そこで、現在では、他の方法によっては殺菌することが難しい場合のみ、エチレンオキサイドガス殺菌装置を使用するよう奨励されている。
γ線等を利用した放射線殺菌装置は、透過力があり加熱の必要もないのでプラスチック製の容器などを殺菌するのに適している。しかしながら、放射線であるために被曝したときの人体への影響が大きく、このため放射能を確実に管理する必要性から設備が大型になる。したがって、放射線殺菌を行うには、専門業者から殺菌(滅菌)した容器を購入するか、或いは委託して殺菌してもらう必要がある。
また、従来から、オゾン供給装置、紫外線発生ランプ及び攪拌装置を備え、活性酸素を用いて殺菌する活性酸素殺菌装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この活性酸素殺菌装置では、オゾン供給装置から供給されたオゾンに紫外線発生ランプからの紫外線を照射することにより活性酸素を発生させ、その発生させた活性酸素を用いて容器等を殺菌する。
特許第2555613号公報
活性酸素殺菌装置は、紫外線が直接届く表面の殺菌を行うことができるだけでなく、活性酸素を使用するので、被処理物の内側まで殺菌することができる。しかしながら、従来の活性酸素殺菌装置では、例えば、袋内に収納された医療器具を、医療福祉分野で求められる殺菌レベルまで殺菌する場合、袋内に十分な量の活性酸素を入り込ませることができず、このため殺菌処理に時間がかかるという問題があった。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、十分な量の活性酸素により、医療福祉分野等で求められている高い殺菌レベルの処理を短時間で行うことができる活性酸素殺菌装置及び活性酸素殺菌方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明に係る活性酸素殺菌装置は、処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する装置において、前記処理室内に酸素を含む気体を供給する酸素供給手段と、少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプと、波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプと、前記処理室内の圧力を減ずる減圧手段と、前記処理室内を冷却する冷却手段と、を具備し、前記減圧手段により前記処理室内を減圧状態にした後に、前記酸素供給手段により前記酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、前記第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記冷却手段を用いて前記処理室内の温度を制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、前記第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る活性酸素殺菌装置は、処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する装置において、前記処理室内に酸素を含む気体を供給する酸素供給手段と、少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプと、波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプと、前記処理室内の圧力を減ずる減圧手段と、前記処理室内を加湿する加湿手段と、を具備し、前記減圧手段により前記処理室内を減圧状態にした後に、前記酸素供給手段により前記酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、前記第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記加湿手段を用いて前記処理室内の湿度を制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、前記第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る活性酸素殺菌装置は、処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する装置において、前記処理室内に酸素を含む気体を供給する酸素供給手段と、少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプと、波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプと、前記処理室内の圧力を減ずる減圧手段と、前記処理室内を冷却する冷却手段と、前記処理室内を加湿する加湿手段と、を具備し、前記減圧手段により前記処理室内を減圧状態にした後に、前記酸素供給手段により前記酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、前記第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記冷却手段を用いて前記処理室内の温度を制御すると共に前記加湿手段を用いて前記処理室内の湿度を制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、前記第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とするものである。
更に、上記の目的を達成するための本発明に係る活性酸素殺菌方法は、処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する方法において、前記処理室内を減圧状態にした後に、酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記処理室内の温度を約10〜40℃に制御すると共に前記処理室内の相対湿度を約20〜50%に制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とするものである。
本発明は、処理室内の温度及び/又は湿度を所定の値に制御することにより、処理室内の活性酸素の濃度を高めることができ、これにより医療福祉分野等で求められている高い殺菌レベルの処理を短時間で行なうことができる。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の1実施形態である活性酸素殺菌装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態の活性酸素殺菌装置は、被処理物を収納するチャンバー(処理室)10と、チャンバー10に酸素を含んだガスを供給する酸素供給装置(酸素供給手段)20と、ガスの流量(注入速度)を制御するマスフローコントローラ30と、活性酸素発生用ランプ(第一のランプ)40と、活性酸素分解用ランプ(第二のランプ)50と、チャンバー10内のガスを循環させる送風ファン60a,60bと、チャンバー10内を減圧する真空ポンプ(減圧手段)70と、オゾン分解触媒71と、チャンバー10内を冷却する冷却装置(冷却手段)80と、冷却用配管81と、チャンバー10内を加湿する加湿装置(加湿手段)90と、被処理物を載置する処理台11(不図示)と、チャンバー10内の温度と湿度を制御する制御部(制御手段)100と、チャンバー10内の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)101と、チャンバー10内の湿度を検出する湿度センサ(湿度検出手段)102とを備えるものである。尚、図1においては、図を簡略化するために、処理台11は省略している。
図2は本実施形態の活性酸素殺菌装置のチャンバー10の概略斜視図、図3は本実施形態の処理台11に被処理物1を載置した状態を示す概略斜視図、図4は低圧水銀ランプの発光分布と酸素及びオゾンの吸収帯とを説明するための図、図5は活性酸素を発生させる原理を説明するための図である。チャンバー10は、活性酸素を用いて処理台11に載置した被処理物1を殺菌処理するためのものである。酸素供給装置20は、チャンバー10内に酸素を含むガスを供給するものである。酸素を含むガスとしては、少なくとも空気に含まれる酸素の割合と同じ割合の酸素を含むガス、すなわち、少なくとも酸素が全体の約20%(体積)を占めるようなガスを用いることが望ましい。例えば、酸素を含むガスとして、空気や純酸素またはPSA等の酸素ガス発生装置を用いることができる。また、マスフローコントローラ30は、酸素供給装置20からチャンバー10内に供給するガスの流量(注入速度)をコントロールするものである。具体的には、当該ガスがある一定の流量以上でチャンバー10内に流入しないようにコントロールしている。
活性酸素発生用ランプ40は、真空紫外域の紫外線を発生するものであり、活性酸素分解用ランプ50は、真空紫外域以外の紫外線を発生するものである。これらの紫外線ランプ40,50は、チャンバー10内に設けられている。ここで、真空紫外域の紫外線とは、波長が200nmから1nmまでの範囲にある紫外線をいい、真空紫外域以外の紫外線とは、波長が400nmから200nmまでの範囲にある紫外線をいう。
通常、かかる紫外線発生ランプ40,50としては、例えば低圧水銀ランプやキセノンガスを封じてあるエキシマランプが用いられる。図4に一般の低圧水銀ランプの発光分布を示す。図4において横軸は波長(nm)、縦軸は比エネルギー(%)である。低圧水銀ランプでは、図4に示すように、飛び飛びの波長の光が出力される。主な出力光は、波長185nm、波長254nm、波長313nm、波長366nm等の紫外線である。尚、図4において比エネルギーとは、最大出力の波長254nmの光のエネルギーに対する当該光のエネルギーの割合(%)のことである。
活性酸素発生用ランプ40と活性酸素分解用ランプ50は本来同一のランプ(例えば、低圧水銀ランプ)であるが、発光管の材質を変えることにより、所望の波長域の紫外線が外部に出力されるように調整している。具体的には、活性酸素発生用ランプ40における発光管の材質としては、例えば普通石英(天然溶融石英ガラス)又は合成石英を用いている。かかる合成石英等は波長200nm以下の紫外線も透過するので、活性酸素発生用ランプ40からは、波長が200nmより長い紫外線とともに、波長が200nm以下である紫外線も外部に出力される。また、活性酸素分解用ランプ50における発光管の材質としては、例えば石英に酸化チタンを入れた石英ガラスを用いている。かかる酸化チタンは波長200nm以下の紫外線を吸収するので、活性酸素分解用ランプ50からは波長が200nmより長い紫外線だけが外部に出力される。尚、活性酸素発生用ランプ40は、少なくとも真空紫外域の紫外線を発生するものであればよく、この例のように、活性酸素発生用ランプ40としては、真空紫外域の紫外線と真空紫外域以外の紫外線とを両方発生するものを用いてもよい。
本実施形態の活性酸素殺菌装置では、反応性の高い活性酸素により被処理物の殺菌処理を行う。かかる活性酸素は、図5に示す反応を利用して発生させる。図4には酸素及びオゾンの吸収帯も示されている。かかる吸収帯に関しては、図4の縦軸は吸収率を表す。酸素は、図4に示すように、波長200nm以下の紫外線に対する吸収をもっている。このため、酸素が波長200nm以下の紫外線を受けると、図5(a)に示す反応により、活性酸素が生成される。本実施形態では、活性酸素発生用ランプ40から発せられる波長185nmの紫外線により、図5(a)の反応を進行させることになる。また、活性酸素は不安定なものであるので、図5(a)に示す反応の逆反応により活性酸素が活性酸素と結合して再び酸素に戻ったり、あるいは、図5(b)に示す反応により活性酸素が酸素と結合してオゾンが発生したりする。一方、オゾンは、図4に示すように、波長260nm付近をピークとする紫外線に対する吸収をもっている。このため、オゾンが波長254nm付近の紫外線を受けると、図5(c)に示す反応により、オゾンは酸素と活性酸素に分解する。本実施形態では、活性酸素分解用ランプ50から発せられる波長254nmの紫外線により、図5(c)の反応を進行させることになる。
このように、本実施形態の活性酸素殺菌装置では、活性酸素発生用ランプ40で紫外線を発生させることにより、図5(a)に示す反応を利用して、チャンバー10内に活性酸素を発生させることができる。したがって、本実施形態の活性酸素殺菌装置は、チャンバー10内に酸素を含むガスを供給し、その酸素から活性酸素を生成している点で、従来の活性酸素殺菌装置とは異なる。従来の活性酸素殺菌装置では、オゾナイザー等からチャンバー内にオゾンを供給し、そのオゾンから活性酸素を生成しているのである。
尚、活性酸素発生用ランプ40は、その真空紫外域の紫外線を効率よく酸素に照射するために、酸素供給装置20からの酸素がチャンバー10に流入する流入口の近傍に設けることが望ましい。
活性酸素分解用ランプ50は、殺菌処理後にチャンバー10内に残留しているオゾンの分解処理のために使用する。すなわち、殺菌処理が終了した後、活性酸素発生用ランプ40を消灯した状態にすると図5(a)に示す反応により発生した活性酸素は不安定な物質であるので、図5(b)に示す反応により、オゾンが発生しチャンバー10内に残留する。チャンバー10内のオゾンの濃度が高いと人体に悪影響を及ぼすので、活性酸素分解用ランプ50を点灯することにより、図5(c)に示す反応を進行させて、チャンバー10内に残留したオゾンを分解することができる。これにより、チャンバー10内のオゾン濃度が急速に低下し、これに伴い、活性酸素は図5(a)に示す反応と逆の反応により酸素に戻るので、活性酸素の濃度も急速に低下することになる。本実施形態の活性酸素殺菌装置では、殺菌処理後にチャンバー10内に残留しているオゾン及び活性酸素を容易に分解することができるので、オゾン等の自然消滅を待たずに、殺菌処理後短時間で、被処理物1をチャンバー10から取り出すことができる。このように、活性酸素分解用ランプ50は、殺菌処理後にオゾンを分解してオゾン及び活性酸素の濃度を低下させる役割を果たす。
なお、空気中の酸素に紫外線を照射すると、実際には、オゾン(O3)と活性酸素(O・)の他に、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル等、酸素原子を含む多種多様な活性酸素化学種が生成される。しかし、オゾン(O3)と活性酸素(O・)以外の化学種は存在比率が小さくまた寿命も短いので、上記の説明では簡単化のために、活性酸素化学種のうちオゾンと活性酸素だけを取り上げて記述した。
また、紫外線発生ランプ40,50は、紫外線を効率よく放射する電極部の温度帯があり、本ランプの場合、約40℃である。このため、本紫外線発生ランプ40,50には、ランプの電極部を冷却するための専用の冷却装置(不図示)が設けられている。
真空ポンプ70は、チャンバー10内の圧力を減じるものである。この真空ポンプ70としては、大気圧を100kPaとしたときに、チャンバー10内の圧力を1kPa程度に減圧させる能力があるものであれば十分であり、例えばロータリー真空ポンプやスクロール式真空ポンプやダイヤフラム式真空ポンプ等を用いることができる。本実施形態では、後述するように、チャンバー10内を減圧状態にした後、殺菌処理を開始する。尚、以下では、大気圧を100kPaとして、圧力を表現することにする。
また、真空ポンプ70とチャンバー10との間にはオゾン分解触媒71を設けている。オゾン分解触媒71としては、例えばマンガン系の金属触媒が用いられる。これにより、チャンバー10内のガスを排気するときに残留オゾンが外部に排出されるのを防止することができる。
二台の送風ファン60は、チャンバー10内に含まれるガス(活性酸素を含む)を攪拌するためのものであり、図2に示すように送風ファン60aは処理台11の下に、また送風ファン60bは処理台11の近傍に設けられている。送風ファン60aは、チャンバー10の底面からチャンバー10の上蓋10aに向かってガスの流れができるように送風する。また、送風ファン60bは、チャンバー10の上蓋10aからチャンバー10の底面に向かってガスの流れができるように送風する。この二台の送風ファン60により、チャンバー10内のガスは処理台11の下から上に流れ、チャンバー10の内側面に沿って上から下に流れる。すなわち、本実施形態では、チャンバー10内のガスは、チャンバー10の中央では下から上に流れ、チャンバー10の周側部では上から下に流れてチャンバー10内を循環する。このように殺菌処理時に送風ファン60を回転させてガスを循環させることにより、チャンバー10内の活性酸素はランプ等の陰になる部分にも回りこませることができるので、当該陰になる部分の被処理物1も効果的に殺菌することができる。
冷却装置80は、チャンバー10内を冷却するためのものであり、水冷式のチリングユニットを用いている。冷却用配管81内には、冷却装置80により冷却されたクーラント(冷却液)が循環して流れる。冷却用配管81は、チャンバー10内の被処理物1を置く処理台11を囲むようにして配置されている。尚、冷却配管81は、図2に示すように本実施形態では被処理物1を置く処理台11を囲むようにして一重に配管してあるが、冷却効果を向上させるために二重、三重又はそれ以上にしても構わない。
加湿装置90は、チャンバー10内を加湿するためのものであり、本実施形態では超音波式の加湿装置90を使用している。超音波式の加湿装置90は、超音波の振動で水を霧状にするタイプのものである。尚、本実施形態では超音波振動式の加湿装置90を用いたがチャンバー10内を加湿できるものであれば、加熱式等のものでもよい。
チャンバー10内には、温度センサ101及び湿度センサ102が取り付けられている。制御部100は、温度センサ101が検出したチャンバー10内の温度に基づいて、冷却装置80を制御してチャンバー10内を所定の温度に制御する。また、制御部100は、湿度センサ102が検出したチャンバー10内の湿度に基づいて、加湿装置90を制御してチャンバー10内を所定の湿度に制御する。本実施形態の活性酸素殺菌装置では、活性酸素発生用ランプ40を点灯すると、このランプの熱でチャンバー10内の温度が上昇し、チャンバー10内の温度が40°C以上になることがある。チャンバー10内の温度が40°C以上になると、活性酸素による殺菌効果が低くなり、殺菌処理に時間がかかるようになる。また、チャンバー10内の温度が10°C以下になると、活性酸素発生用ランプ40の発光効率が極端に落ちるので、十分な量の活性酸素を生成することができなくなる。このため、制御部100は、冷却装置80を駆動して、チャンバー10内の温度が約10〜40℃の範囲内の所定の温度になるように制御する。
また、本実施形態の活性酸素殺菌装置では、チャンバー10内を減圧するので、この減圧処理により、チャンバー内の相対湿度は約10%以下になる。また、減圧後に、例えば酸素を含むガスを供給しても、この酸素を含むガスには水分は含まれていないので、チャンバー内の相対湿度は下がったままである。更に、本実施形態の装置では、チャンバー内を冷却するために、冷却装置80を駆動する。すると、チャンバー10内に配管した冷却用配管81が冷えて、冷却用配管81に結露が生じ、チャンバー10内の湿度はさらに下がる。このようにチャンバー10内の相対湿度が10%より下がると、後述するように活性酸素による殺菌効果が低くなり、処理に時間がかかるようになる。このため、本実施形態は、チャンバー内の湿度を湿度センサ102によって検出し、検出した湿度に基づいて制御部100が加湿装置90を駆動して、チャンバー10を加湿している。本実施形態の装置では、チャンバー内の湿度は、約20〜50%の範囲内の所定の湿度に保持される。
処理台11は、図3に示すように、被処理物1を載置するためのものであり、送風ファン60により循環される活性酸素が効率よく被処理物1に行渡るように丸棒で形成されている。被処理物1は、袋2に入れた状態で滅菌処理される。この袋2の表面の素材には、活性酸素や水蒸気を透過する素材である、高密度ポリエチレンを用いたフラッシュ紡糸不織布、例えば、タイベック(米国デュポン社、登録商標)を用いている。また、袋2の裏面の素材には、ポリプロピレンを用いている。尚、袋2は、本実施形態の素材に限られるものではなく、活性酸素が効率よく透過するものであればどのようなものであってもよい。例えば、表面及び裏面の一部、或いは表面及び裏面の両面全体にタイベック(米国デュポン社、登録商標)を用いた袋でもよい。
通常、医療器具の製造会社では、医療器具を殺菌袋に入れて殺菌した状態で販売する。医療機関で、この医療器具を使用するときには、この袋を破って、収納されている器具を取り出して使用している。本実施形態でも、より実際に近い状態で、殺菌処理を行うために、以下では、医療器具等の被処理物1を袋2に入れた状態で殺菌処理を行う場合について説明する。
なお、被処理物1が、紫外線を直接照射しても材質劣化の生じないテフロン(登録商標)樹脂製や金属製のものである場合、紫外線を直接照射するようにすれば紫外線による効果と活性酸素による効果の相乗効果が得られ、より高いレベルの殺菌処理を迅速に行うことができる。また、被処理物1が、紫外線で材質劣化等が懸念されるプラスチック製品や紙製品の場合、紫外線が直接被処理物1に当たらないように紫外線をカットする金属板やガラス板等を被処理物1と紫外線ランプとの間に配置することにより、紫外線の照射を避けて、活性酸素による殺菌処理を行うことができる。
次に、本実施形態の活性酸素殺菌装置において被処理物の殺菌を行う処理手順を説明する。図6は本実施形態の活性酸素殺菌装置において被処理物の殺菌を行う処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、片面にタイベック(米国デュポン社、登録商標)を用いた袋2に被処理物1を入れ、その袋2をチャンバー10内の処理台11に載置する(S1)。次に、真空ポンプ70により、チャンバー10内の圧力を減じる(S2)。例えば、チャンバー10内の圧力を1kPaに減圧する。その後、酸素供給装置20から酸素を含むガスをチャンバー10内に供給すると共に、活性酸素発生用ランプ40を点灯する(S3)。これにより、図5(a)に示す反応が起こり、チャンバー10内には活性酸素が発生する。このとき、チャンバー10内を減圧状態にした後、酸素供給装置20から酸素を含むガスをチャンバー10内に供給するので、チャンバー10内に流入した酸素を含むガスや発生した活性酸素等は、チャンバー10内のすべての部分に急速に拡散していく。このため、例えば、袋2に入れた被処理物1を殺菌する場合にその袋2内に活性酸素等を十分入り込ませたり、筒状の被処理物1を殺菌する場合には、その被処理物1の内部にまで活性酸素等を行渡らせたりすることができる。
尚、真空ポンプ70によりチャンバー10内をどの程度減圧させるのかについては、例えば、チャンバー10内の圧力を10kPaから0.1kPaまでの範囲にすることが望ましい。0.1kPaよりも大きく減圧できるようにするには、装置の製造コストがかさんでしまい、また、少なくとも10kPa程度にチャンバー10内を減圧すれば、活性酸素をある程度拡散させることができるからである。
こうして酸素を含むガスをチャンバー10内に供給すると、チャンバー10内の圧力は徐々に大気圧に戻ってくる。そして、酸素を含むガスの供給開始から所定時間経過したときに、酸素を含むガスの供給を停止する(S4)。ここで、所定時間とは、チャンバー10内の圧力が大気圧よりも少し低い所定の圧力、例えば94kPaになるまでの時間である。このように、ガスの供給停止時にチャンバー10内の圧力を大気圧から若干減圧した状態にしているのは、大気圧にしてしまうと、チャンバー10内のガスが外部に漏れてしまうおそれがあるからである。尚、このときも、活性酸素発生用ランプ40は点灯したままにしておく。
酸素を含むガスの供給を停止した後、冷却装置80・加湿装置90を始動する(S5)。チャンバー内を冷却しないと、活性酸素発生用ランプ40の点灯により、チャンバー10内の温度は、外気温度にも左右されるが約60℃以上になることがある。このようにチャンバー内が高温になると、活性酸素による殺菌効果が低くなり、処理に時間がかかるようになる。活性酸素の殺菌効果はチャンバー10内の温度が低ければ低いほどよい。
また、チャンバー10内は減圧により湿度が約10%以下になり、酸素供給装置20から送られる酸素を含むガスは、ボンベなどに乾燥したガスの状態で貯蔵されているためにほとんど湿度がない。したがって、ガスを供給しても、チャンバー内の湿度は上がらない。また、冷却装置80を駆動すると、冷却用配管81に結露が生じ、これによりチャンバー内の湿度は更に低下する。後述するように、湿度が20%より低くなると、活性酸素により殺菌効果が低くなる。このため、本実施形態では、チャンバー内の湿度が20〜50%の範囲内の所定の湿度なるように加湿装置90によりチャンバー10内の加湿を行う。
その後、送風ファン60を回転させる。これにより、チャンバー10内の活性酸素をランプの陰になる部分等にまで回りこませることができる。そして、所定の時間(処理時間)だけ、活性酸素発生用ランプ40の点灯状態、送風ファン60の回転状態を維持する(S6)。この間に、活性酸素が被処理物1に接触し、活性酸素による被処理物1の殺菌処理が進行することになる。かかる処理時間は、一般的には、チャンバー10の大きさ、被処理物1の殺菌レベルや形状や大きさ、活性酸素の濃度、チャンバー10内の温度・湿度等によって異なるが、通常、約30分程度必要である。
こうして、所定の処理時間が経過した後、活性酸素発生用ランプ40を消灯する(S7)。続いて活性酸素分解用ランプ50を点灯する(S8)。活性酸素分解用ランプ50を点灯することにより、チャンバー10内のオゾン及び活性酸素の濃度を低下させる。
そして、所定の時間が経過した後、活性酸素分解用ランプ50を消灯する(S9)。ここで、所定の時間とは、チャンバー10内のオゾン及び活性酸素の濃度が十分低下するのに要する時間である。活性酸素分解用ランプ50を消灯した後に、送風ファン60・加湿装置90を停止する(S10)。
次に、上記のステップS2からステップS10までの処理を所定回数だけ繰り返す(S11)。すなわち、真空ポンプ70により、チャンバー10内のガスを排気してチャンバー10内を減圧状態にした後(S2)、引き続き、ステップS3からステップS10までの処理を行う。通常、ステップS6の処理において、所定の処理時間以上が経過すると、活性酸素による殺菌効果はだんだん低下する。これは、活性酸素はとても不安定であるので、他の物質と反応して消滅してしまうからだと考えられる。このため、本実施形態では、ステップS2からステップS10までの1回の処理で所望のレベルの殺菌を行うことができない場合には、上記のステップS2からステップS10までの処理を繰り返し、再度、活性酸素による殺菌処理を行うことにしている。例えば、殺菌処理を滅菌レベルまで行いたいような場合には、上記の処理を3回以上繰り返すようにすることが望ましい。尚、チャンバー10の大きさ等によっては、ステップS2からステップS10までの処理を1回だけ行うことにより、高い濃度の活性酸素を発生させて、被処理物1を所望の殺菌レベルまで殺菌することできる。当然のことであるが、このような場合であれば、上記のステップS2からステップS10までの処理を複数回繰り返す必要はない。
こうして、ステップS2からステップS10までの処理が所定回数だけ繰り返し行われた後、ステップ12に移行し、チャンバー10内の圧力を減じる。チャンバー10内の圧力が下がったら、冷却装置80を停止する(S13)。最後に、チャンバー10の蓋を開ける等して、チャンバー10内に空気を供給してチャンバー10内を大気圧と同じにする(S14)。最後に、チャンバー10内のオゾン及び活性酸素の濃度が十分低下したチャンバー10内から被処理物1を入れた袋2を取り出す(S15)。以上により、殺菌処理が終了する。
次に、本発明者は、実際に微生物を使用して、本実施形態の活性酸素殺菌装置による殺菌処理の効果を確認する実験を行った。本実験は、チャンバー内の温度及び湿度と、活性酸素による殺菌効果との関係を調べるものである。本実験のチャンバー10としては、空間容積が約50リットルのものを用いた。チャンバー10内には3本の活性酸素発生用ランプ40が取り付けられている。この活性酸素発生用ランプ40としては、200WのU字管合成石英製低圧水銀ランプ(岩崎電気株式会社製 型式QGL200G-3)を用いた。容積当りの紫外線照射量は12W/リットルとなる。照射時間は60分間行い、処理回数は1回とした。また、酸素供給装置20としては、純酸素を供給するものを使用した。
本実験で用いた試料の菌種は、Geobacillus Stearothermophylus ATCC7954 である。この菌種が植菌されたものを片面タイベック(米国デュポン社、登録商標)の袋2に入れたものを試料と使用した。この試料を本実施形態の活性酸素殺菌装置で殺菌処理したものを培地で約48時間培養し、生存している菌数を数えて測定した。なお、本実験では、市販されているバイオインジケータである、初発菌数4.0×10CFUで使用した。CFUはColony Forming Unitの略称で、コロニーの個数を表す。
図7は、チャンバー内の湿度を20%に保持し、温度を変えて殺菌処理を行った第1実験の結果を示すグラフである。図7では、横軸に温度(℃)を縦軸に菌数(CFU)を取っている。図7に示すように、チャンバー内の湿度を20%に保持したときには、温度が上昇するにつれて殺菌処理後の生存菌数が増加することがわかる。図7を詳しく見ると、殺菌処理後の生存菌数は、10℃から20℃付近のときは10 のオーダであるが、20℃付近からは極端に菌数が増え、40℃付近以上から菌数が10 のオーダとなり、50℃以降は約2.0×10 CFU付近からそれ程変化が見られなくなった。
第1実験から、例えば、要求される殺菌レベルが菌数10 のオーダ以下であれば、湿度20%の状況下で、要求される殺菌レベルの条件を満たす温度は、図7に示すように約10℃以上25℃未満である。このため、チャンバー10内の湿度が20%のときは、温度は10℃以上25℃未満の範囲で温度制御を行えば要求される殺菌レベルの効果が得られる。尚、温度が10℃以下になると、活性酸素発生用ランプ40の発光効率が極端に落ちるために10℃以上からの測定とした。
図8は、チャンバー内の温度を40°Cに保持し、湿度を変えて殺菌処理を行った第2実験の結果を示すグラフである。図8は、横軸に相対湿度(%)を縦軸に菌数(CFU)を取っている。図8に示すように、殺菌処理後の生存菌数は、湿度が20%付近までは、10のオーダで推移しており、20%以降から菌数が10のオーダに減り始め、湿度が50%付近までは101のオーダとなっている。また、湿度が50%以降は極端に菌数が増えていく結果となった。
第2実験から、例えば、要求される殺菌レベルが菌数10以下であれば、チャンバー内の温度が40℃に保持された状況下では、要求される殺菌レベルの条件を満たす湿度は、図8に示すように、20%以上52%以下である。このため、チャンバー10内の温度が40℃のときは、湿度が20%以上52%以下の範囲で湿度制御を行えば要求される殺菌効果が得られる。
尚、今回の実験では紫外線の照射時間が60分で1回の処理回数であったが、15分〜30分の照射時間で且つ処理回数を増やしたほうが、短時間で医療福祉分野において求められる高い殺菌レベルの殺菌効果が得られる。また、紫外線の照射時間を増やすことにより、上述した第1実験の温度範囲よりも、より広い温度範囲まで用いることができるようになる。湿度についても同様である。
上記の第1実験及び第2実験の結果から、チャンバー内の温度は約10〜40°C範囲内であれば、温度を制御していない従来の装置(チャンバー内温度は約60°Cになることもあり、同じ実験条件の下で同様の結果を得るためには約3時間を要する。)に比べて、はるかに短い時間で従来の装置と同様の殺菌処理ができることを確認できた。また、チャンバー内の相対湿度は約20%〜50%の範囲内であれば、湿度制御をしていない従来の装置(チャンバー内湿度は10%以下になり、同じ実験条件の下で同様の結果を得るためには約3時間を要する)に比べて、はるかに短い時間で従来の装置と同様の殺菌処理ができることを確認できた。
以上の実験結果を踏まえて、要求される殺菌レベルに合わせて所定の範囲内で湿度及び温度を制御することにより、温度及び湿度を制御せずに行う従来の酸素殺菌処理装置に比べて、短時間で且つ少ない処理回数で医療福祉分野等において求められる高い殺菌レベルの殺菌効果が得られる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。たとえば、上記の実施形態では、温度と湿度の両方を制御する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度と湿度の何れか一方のみを制御するものであってもよい。
また、上記の実施形態では、制御部が温度と湿度を制御する場合について説明したが、制御部はリレー等を用いて真空ポンプのオン・オフを制御したり、電磁弁を用いて酸素供給装置からのガス供給のオン・オフを制御したりするようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、医療福祉分野で使用される医療器具の殺菌について説明したが、本発明は医療福祉分野に限られるものではなく、食品分野、衛生分野、遺伝子工学分野で使用される器具等の殺菌にも適用できる。
また、上記の実施形態では、2台の送風ファンを設けた場合について説明したが、送風ファンは1台でも、3台以上設けるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、加湿装置及び送風ファンをチャンバー内に配置したものについて説明したが、加湿装置や送風ファンはチャンバーの外に配置するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の活性酸素殺菌装置によれば、チャンバー内の温度と湿度を制御することにより、チャンバー内の活性酸素の濃度を高めることができ、これにより医療福祉分野等で求められる高い殺菌レベルまでの処理時間を従来の装置に比べて短縮することができる。したがって、本発明の活性酸素殺菌装置は、医療福祉分野等で使用される医療器具の殺菌に適用することができる。
本発明の1実施形態である活性酸素殺菌装置の概略構成図である。 本発明の1実施形態である活性酸素殺菌装置のチャンバーの概略斜視図である。 処理台に被処理物を載置した状態を示す概略斜視図である。 低圧水銀ランプの発光分布と酸素及びオゾンの吸収帯とを説明するための図である。 活性酸素を発生させる原理を説明するための図である。 本実施形態の活性酸素殺菌装置において被処理物の殺菌を行う処理手順を説明するためのフローチャートである。 チャンバー内の湿度を20%に保持し、温度を変えて殺菌処理を行った第1実験の結果を示すグラフである。 チャンバー内の温度を40°Cに保持し、湿度を変えて殺菌処理を行った第2実験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 被処理物
2 袋
10 チャンバー
11 処理台
20 酸素供給装置
30 マスフローコントローラ
40 活性酸素発生用ランプ
50 活性酸素分解用ランプ
60a、60b 送風ファン
70 真空ポンプ
71 オゾン分解触媒
80 冷却装置
81 冷却用配管
90 加湿装置

Claims (8)

  1. 処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する装置において、
    前記処理室内に酸素を含む気体を供給する酸素供給手段と、
    少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプと、
    波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプと、
    前記処理室内の圧力を減ずる減圧手段と、
    前記処理室内を冷却する冷却手段と、
    を具備し、
    前記減圧手段により前記処理室内を減圧状態にした後に、前記酸素供給手段により前記酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、前記第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記冷却手段を用いて前記処理室内の温度を制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、前記第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とする活性酸素殺菌装置。
  2. 処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する装置において、
    前記処理室内に酸素を含む気体を供給する酸素供給手段と、
    少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプと、
    波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプと、
    前記処理室内の圧力を減ずる減圧手段と、
    前記処理室内を加湿する加湿手段と、
    を具備し、
    前記減圧手段により前記処理室内を減圧状態にした後に、前記酸素供給手段により前記酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、前記第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記加湿手段を用いて前記処理室内の湿度を制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、前記第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とする活性酸素殺菌装置。
  3. 処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する装置において、
    前記処理室内に酸素を含む気体を供給する酸素供給手段と、
    少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプと、
    波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプと、
    前記処理室内の圧力を減ずる減圧手段と、
    前記処理室内を冷却する冷却手段と、
    前記処理室内を加湿する加湿手段と、
    を具備し、
    前記減圧手段により前記処理室内を減圧状態にした後に、前記酸素供給手段により前記酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、前記第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記冷却手段を用いて前記処理室内の温度を制御すると共に前記加湿手段を用いて前記処理室内の湿度を制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、前記第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とする活性酸素殺菌装置。
  4. 前記処理室内の温度を検出する温度検出手段と、前記処理室内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記温度検出手段が検出した温度に基づいて前記冷却手段を制御すると共に、前記湿度検出手段が検出した湿度に基づいて前記加湿手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項3記載の活性酸素殺菌装置。
  5. 前記制御手段により、前記処理室内の温度を約10〜40℃に制御し、前記処理室内の相対湿度を約20〜50%に制御することを特徴とする請求項4記載の活性酸素殺菌装置。
  6. 高密度ポリエチレンを用いたフラッシュ紡糸不織布の袋にいれて前記被処理物を殺菌処理することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の活性酸素殺菌装置。
  7. 前記酸素を含む気体は、純酸素であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の活性酸素殺菌装置。
  8. 処理室内で活性酸素により被処理物の付着菌を殺菌する方法において、前記処理室内を減圧状態にした後に、酸素を含む気体を前記処理室内に供給し、少なくとも真空紫外域の紫外線を発生する第一のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内に供給された前記酸素に照射することにより活性酸素を前記処理室内に発生させ、且つ前記処理室内の温度を約10〜40℃に制御すると共に前記処理室内の相対湿度を約20〜50%に制御して前記活性酸素による前記被処理物の殺菌処理を行い、前記殺菌処理の終了後、波長が200nmより長い紫外線だけを発生する第二のランプを点灯して前記紫外線を前記処理室内の残留オゾンに照射することにより前記残留オゾン及び活性酸素の濃度を低下させる処理を行うことを特徴とする活性酸素殺菌方法。
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