JP4432151B2 - シリコーン変性ビニル系樹脂、その製造方法およびそれを含有するコーティング剤 - Google Patents

シリコーン変性ビニル系樹脂、その製造方法およびそれを含有するコーティング剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンを共重合したシリコーン変性ビニル系樹脂、その製造方法およびそれを用いたコーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、片末端にラジカル重合性基を有するポリオルガノシロキサンをビニル系化合物と共重合した、主鎖がビニル系重合体であると共に側鎖にポリオルガノシロキサン基を有するシリコーン変性ビニル系樹脂が知られている(特開昭61−78806号公報)。かかるシリコーン変性ビニル系樹脂は、ポリオルガノシロキサン基の効果により、耐汚染性、はっ水性、非粘着性に優れており、たとえばかかるシリコーン変性ビニル系樹脂に各種の材料を配合したコーティング剤を使用して、色々な被塗物にコーティング処理を施すと、その機能を被塗物に付与することができる。
【0003】
しかしながら、片末端にラジカル重合性基を有するポリオルガノシロキサンとビニル系化合物を溶液重合法を用いて重合すると、用いるポリオルガノシロキサンの分子量が高くなると重合後の樹脂溶液が白濁する問題があり、透明性が求められる用途には使用が制限されると共に、白濁の状態のままに放置しておくと白濁物質が沈降して、樹脂溶液が不均一な状態になるために使用上の面および性能のばらつきの面から望ましくなかった。
【0004】
更に、用いるポリオルガノシロキサンの分子量が低い場合には共重合する際の該ポリオルガノシロキサンの量を多くすると、分子量が高いポリオルガノシロキサンの場合と同様に樹脂溶液が白濁してしまい、ポリオルガノシロキサンの分子量が更に低いものを共重合すると、重合後の樹脂溶液は透明になるものの、かかるシリコ−ン変性ビニル系樹脂を用いたコ−ティング剤はコーティング処理後のコーティング膜の耐汚染性、はっ水性、非粘着性が不充分になるという問題点があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記課題を解決するためにラジカル共重合する際のポリオルガノシロキサンマクロモノマーについて鋭意検討した。その結果、ビニル系化合物と共重合する片末端にラジカル重合性基を有するポリオルガノシロキサンを、片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンに代替することにより、得られるシリコーン変性ビニル系樹脂溶液の白濁を極めて低くすることができ、かかるシリコ−ン変性ビニル系樹脂を用いたコ−ティング剤は、コーティング膜の耐汚染性、はっ水性、非粘着性等の性能が片末端にラジカル重合性基を有するポリオルガノシロキサンを共重合したものを用いたそれと比較して遜色がないことを見出し、この知見に基づき、本発明を完成した。
【0006】
本発明の目的は、耐汚染性、はっ水性、非粘着性等のコーティング膜の性能を損なうことなく、透明性に優れた樹脂溶液を得ることができるシリコーン変性ビニル系樹脂、その製造方法およびそれを含有するコーティング剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記に示される。
(1)下記一般式(1)で表わされる、重量平均分子量が500〜100000であるポリオルガノシロキサンとビニル系化合物とをラジカル共重合させることにより、主鎖がビニル系重合体であると共に側鎖にポリオキシアルキレン基と結合したポリオルガノシロキサンを有し、そのポリオルガノシロキサンを全単量体使用量の0.1〜20重量%含有する重量平均分子量が5000〜200000のシリコーン変性ビニル系樹脂。
一般式(1)
Figure 0004432151
(式中R1、R2、R3、R4、R5は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、R6は水素、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、m、nは0もしくは1以上の整数であり、Xは炭素数が2〜20の2価のアルキレン基であり、Yは−OCH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−または−OCH2CH(CH3)−であり、pは3以上の整数であり、Zは炭素数が1〜20の2価のアルキレン基である)。
【0008】
(2)前記第1項記載の一般式(1)で示される片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンを全単量体使用量の0.1〜20重量%とビニル系化合物を全単量体使用量の80〜99.9重量%とを少なくとも1種の溶媒中でラジカル共重合することを特徴とする重量平均分子量5000〜200000のシリコーン変性ビニル系樹脂の製造方法。
【0009】
(3)前記第1項記載の一般式(1)で示される片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンを全単量体使用量の0.1〜20重量%と、ビニル基含有シラン化合物を全単量体使用量の1〜30重量%および水酸基を含有するビニル系化合物を全単量体使用量の5〜45重量%およびそれ以外の重合性化合物を全単量体使用量の5〜93.9重量%からなる成分を、少なくとも1種のアルコール溶媒を使用してラジカル共重合することを特徴とする重量平均分子量5000〜200000のシリコーン変性ビニル系樹脂の製造方法。
【0010】
(4)前記第1項記載のシリコーン変性ビニル系樹脂および硬化剤を含有するコーティング剤。
【0011】
(5)前記第2項もしくは第3項のいずれか1項記載の製造方法で得られたシリコーン変性ビニル系樹脂および硬化剤を含有するコーティング剤。
(6)硬化剤がイソシアネ−ト化合物およびメラミン化合物の中から選ばれる1種以上の化合物である前記第4項もしくは第5項のいずれか1項記載のコ−ティング剤。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴は、ビニル系化合物と共重合する片末端にラジカル重合性基を有するポリオルガノシロキサンを、片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンに代替することにより、得られるシリコーン変性ビニル系樹脂、その製造方法およびそれらのシリコ−ン変性ビニル系樹脂を主成分としたコ−ティング剤である。
【0013】
本発明の主鎖がビニル系重合体であると共に側鎖にポリオキシアルキレン基と結合したポリオルガノシロキサンを有するシリコーン変性ビニル系樹脂は、片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンとビニル系化合物をラジカル共重合させて得ることができる。以下、本発明のシリコ−ン変性ビニル系樹脂の詳細について説明する。
【0014】
シリコ−ン変性ビニル系樹脂の共重合成分の一つである片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンとしては、下記一般式(1)で表わされる。
一般式(1)
Figure 0004432151
(式中R1、R2、R3、R4、R5は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、R6は水素、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、m、nは0もしくは1以上の整数であり、Xは炭素数が2〜20の2価のアルキレン基であり、Yは−OCH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−または−OCH2CH(CH3)−であり、pは3以上の整数であり、Zは炭素数が1〜20の2価のアルキレン基である)。
【0015】
前記一般式(1)において、R1、R2、R3、R4、R5で示される炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基などがあげられる。
【0016】
また、炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、エチルフェニル基などがあげられる。
【0017】
前記一般式(1)において、Xで示される炭素数が2〜20の2価のアルキレン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、テトラデカメチレン、2−メチルエチレン、2−メチルトリメチレン、2−メチルテトラメチレン、2−メチルペンタメチレン、2−メチルヘキサメチレン、2−メチルヘプタメチレン、2−メチルオクタメチレン、2−メチルノナメチレン、2−メチルデカメチレン、2−メチルウンデカメチレンなどがあげられる。
【0018】
前記一般式(1)において、Zで示される炭素数が1〜20の2価のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、テトラデカメチレン、2−メチルエチレン、2−メチルトリメチレン、2−メチルテトラメチレン、2−メチルペンタメチレン、2−メチルヘキサメチレン、2−メチルヘプタメチレン、2−メチルオクタメチレン、2−メチルノナメチレン、2−メチルデカメチレン、2−メチルウンデカメチレンなどがあげられる。
【0019】
前記一般式(1)において、R6で示される炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基などがあげられる。または炭素数10以下のアリール基としてはフェニル基、トルイル基、キシリル基、エチルフェニル基などがあげられる。
【0020】
本発明の片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンは、例えば、反応式(1)に示すように片末端に水素官能基をもつポリオルガノシロキサンに、末端が水酸基であり、もう片方の末端にビニル基を有するポリオキシアルキレンをヒドロシリル化反応により反応させて、末端が水酸基でポリオキシアルキレン基を有するポリオルガノシロキサンを得た後に、更に、反応式(2)に示すようなイソシアネート化合物を付加反応させることによって製造することが出来る。
【0021】
反応式(1)
Figure 0004432151
【0022】
反応式(2)
Figure 0004432151
【0023】
反応式(1)および(2)中のR1、R2、R3、R4、R5は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、R6は水素または炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、m、nは0もしくは1以上の整数であり、X'は少なくともひとつの二重結合を有する炭素数が2〜20の2価のアルケニル基であり、Xは炭素数が2〜20の2価のアルキレン基であり、Yは−OCH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−または−OCH2CH(CH3)−であり、pは3以上の整数であり、Zは炭素数が1〜20の2価のアルキレン基である。
【0024】
反応式(1)のヒドロシリル化反応においては反応触媒を使用してもよく、一般的に使用される触媒としては、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、モリブデン、マンガンを例示することができる。更に、これらは溶媒に溶解するいわゆる均一系触媒という形態や、カーボン、シリカなどに担持させた担持型触媒の形態、ホスフィンやアミン、酢酸カリウムなどを助触媒とした触媒系の形態のいずれのものも使用することができる。
【0025】
反応式(1)のヒドロシリル化反応において反応溶媒は必ずしも必要ではないが、必要に応じて適当な溶媒を使用してもよい。このような溶媒としては反応を阻害するものでなければよく、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶媒、ベンゼンやトルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル系溶媒、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒、水などを例示することができる。これらの溶媒は単独で使用することもいくつかを組み合わせて使用することもできる。
【0026】
ヒドロシリル化反応を行う際の反応温度は特に限定されないが、通常は反応溶媒の沸点以下で行われる。反応溶媒を使用しない場合は0〜250℃で反応することができるが、経済性などを考慮すると20〜120℃で行なうことが好ましい。
【0027】
末端が水酸基であり、他の片方の末端にビニル基を有するポリオキシアルキレンは市販品として入手でき、例えば、日本油脂(株)のユニオックス(商標)などがこの化合物に相当する。
【0028】
反応式(2)のイソシアネート化合物を付加させる反応においては、反応触媒として下記に示す公知慣用の触媒を使用することができ、反応液の粘度を下げ、反応が充分に完結することを目的に溶媒を添加するもできる。その代表的な触媒としては、無機酸、リン酸もしくはほう酸のエステルまたはp−トルエンスルホン酸のような酸触媒、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N‘−ジメチルピペラジン、N,N,N’,N‘−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N‘−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N“,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのようなアミン触媒、あるいはナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化第一錫、塩化第二錫、トリ−n−ブチルチンアセテート、トリメチルチンハイドロオキサイド、テトラオクチルチタネート、ジブチル錫ラウレート、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト、三塩化アンチモンなどのような金属錯体などである。これらは単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
【0029】
上記反応式(2)の付加反応における反応溶媒としては、反応を阻害するものでなければ制限はなく、へキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶媒、ベンゼンやトルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル系溶媒、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒などを例示することができる。これらの溶媒は単独で使用しても、その複数を組み合わせて使用してもよい。付加反応させるイソシアネート化合物と反応する、水、アルコール類、アミン類などの成分の含有量が極力少ない溶媒を使用することが好ましい。
【0030】
該付加反応の際の反応温度は特に限定されないが、該反応に溶媒を用いる場合には、該溶媒の沸点以下であることが好ましい。溶媒を使用しない場合には、0〜250℃で反応させることが好ましい。経済性などを考慮すると20〜120℃で行なうことが好ましい。
【0031】
イソシアネート化合物は市販品として入手でき、例えば、昭和電工(株)製のカレンズ(商標)MOI(Zがエチレンであり、R6がメチル基である2−メタクリロキシオキシエチルイソシアネート)などがこの化合物に該当する。
【0032】
本発明の片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンとビニル系化合物をラジカル共重合する場合の使用割合は重合に使用する全単量体の0.1〜20重量%が好ましい。使用量が0.1重量%未満では、得られるシリコ−ン変性樹脂を用いたコ−ティング剤がコーティング処理後のコーティング膜の耐汚染性、はっ水性、非粘着性の点で劣る傾向にあり、使用量が20重量%を越える場合は、重合後の樹脂溶液が白濁し易くなる。
【0033】
場合によってはポリオキシアルキレン部もしくはポリオルガノシロキサン部の分子量が異なるポリオルガノシロキサンを2種以上併用しても良い。ビニル系重合体の側鎖にポリオキシアルキレン鎖に直結したポリオルガノシロキサン鎖を組み込むことにより、コ−ティング膜に耐汚染性、はっ水性、非粘着性、離型性、柔軟性等を付与することができる。
【0034】
本発明に使用されるビニル系化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルのようなアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルおよびメタクリル酸イソボルニルのようなメタクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレンおよびクロロメチルスチレンのようなスチレン類、メチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテルのようなビニルエーテル類、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびフルオロアルキルトリフルオロエチレンのようなフルオロオレフィン類、エチレン、プロピレンのようなオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。本発明に使用されるビニル系化合物の使用割合は全単量体使用量の80〜99.9重量%である。得られる樹脂を架橋可能なものとする場合には、官能基を有する単量体を共重合すれば良く、官能基を有する単量体としては、例えば、加水分解性シリル基、水酸基、カルボン酸基等を有する単量体が挙げられる。
【0035】
加水分解性シリル基を導入する場合は、ビニル基含有シラン化合物を使用すれば良く、それは、ビニル基以外にケイ素原子に直結した加水分解性の官能基を1個、2個もしくは3個有するものである。ビニル基としては、例えば、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などを挙げることができ、その中でもメタクリル基が他のメタクリル基を持つ単量体と共重合し易く好ましい。加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、クロル基、イソプロペノキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、アミド基などが挙げられ、その中でも炭素数1〜4のアルコキシ基及び炭素数1〜4のアセトキシ基が使用し易く、好ましい。
【0036】
このようなビニル基含有シラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルビニルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシランおよびスチリルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。この中でも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
【0037】
ビニル系樹脂の側鎖に導入された加水分解性のシリル基は、空気中の水分により加水分解を受け、活性なシラノール基となり、そのシラノール基がシラノール基同士および/またはアルコキシシリル基と縮合反応することにより樹脂を架橋させることができる。上記のビニル基含有シラン化合物は、少なくとも1種以上が使用され、使用割合は、全単量体の1〜30重量%が好ましい。1重量%未満では、得られるシリコ−ン変性ビニル系樹脂を用いたコ−ティング剤に硬化不良の傾向があり、且つ得られるコーティング膜の耐汚染性、はっ水性、非粘着性が充分とは言えず、使用割合が、30重量%を越えると樹脂の保存安定性が不良になる傾向にある。
【0038】
水酸基を導入する場合は、水酸基含有ビニル系化合物を使用すれば良く、そのような水酸基を含有するビニル系化合物の具体例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸グリセロール等の水酸基含有のメタクリル酸エステル類、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸ポリプロピレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル等のアクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類などが挙げられる。この中でも、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
【0039】
シリコ−ン変性ビニル系樹脂の側鎖に導入された水酸基は、イソシアネート化合物またはメラミン化合物を配合することにより樹脂を架橋することができる。これらの水酸基含有ビニル系化合物は、少なくとも1種以上が使用され、使用割合は全単量体の5〜45重量%が好ましい。5重量%未満では、得られるシリコ−ン変性ビニル系樹脂を用いたコ−ティング剤が硬化不良の傾向にあり、且つ得られるコーティング膜の耐汚染性、はっ水性、非粘着性が充分とは言えず、使用割合が、45重量%を越えると樹脂溶液が白濁し易くなる。
【0040】
必要に応じて、カルボン酸基を導入する場合は、カルボン酸基含有ビニル系化合物を使用すれば良く、そのようなカルボン酸を含有するビニル化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸及び酸無水物である無水マレイン酸などを挙げることができる。カルボン酸基含有ビニル系単量体を添加、重合することにより、得られる樹脂の付着性及びシリコーン変性ビニル系樹脂以外の樹脂をブレンドする際の相溶性および顔料など無機フィラーの分散性の向上を図ることができる。また、ビニル系単量体の中でも、エポキシ基を含有するビニル系単量体を使用した場合にこの官能基と加熱により架橋させることもできる。このカルボン酸基含有ビニル系単量体の使用割合は、全単量体の0.1〜5重量%が好ましい。カルボン酸基含有ビニル系単量体は、単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0041】
本発明のシリコーン変性ビニル系樹脂を得る重合方法としては溶液重合法が好ましい。即ち、撹拌装置、還流冷却器、温度計を備えた反応容器に、反応溶媒を仕込み、反応溶媒の温度を50〜150℃の任意の温度に加熱したところに、上記単量体各種を混合したものと重合開始剤を滴下槽から攪拌状態にある反応溶媒中に徐々に滴下し反応させる。滴下時間は2〜6時間程度が実用上好ましい。滴下終了後、未反応の単量体を重合させるために、滴下時と同温度もしくはそれ以上の温度で数時間加熱を続けても良く、さらに重合開始剤を追加補充してもよい。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートのような有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アソビスジメチルバレロニトリルのようなアゾ化合物が好適に使用できる。
【0042】
本発明においては、共重合時に使用する反応溶媒として、炭素数1〜6のアルコールを少なくとも1種以上使用することが好ましい。特に加水分解性シリル基を有する単量体と同時に水酸基および/またはカルボン酸基を有する単量体を併用して共重合反応する場合においては、共重合時に高重合物が発生し易く、重合のコントロールがしにくくなると共に、出来上がった樹脂の保存安定性も不良となる傾向があるのでかかるアルコ−ル溶媒を使用することが好ましい。
【0043】
このような炭素数1〜6のアルコール溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノールのようなアルキルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルのようなエーテルアルコールなどが挙げられる。この中でもイソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
【0044】
炭素数1〜6のアルコール溶媒以外で使用可能な溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンのような炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルのような酢酸エステル類、セロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートのようなエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールのようなケトン類が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて使用することができるし、炭素数1〜6のアルコール溶媒と組み合わせて使用することもできる。さらに、重合反応終了後に塗装に適する粘度にするために上記溶媒を使用して適正粘度まで希釈することもできる。
【0045】
本発明のシリコ−ン変性ビニル系樹脂の重合度は、重量平均分子量で5000〜200000である。重合度は、用いる重合開始剤の種類及び使用量、重合温度及び連鎖移動剤の使用によって調節することができる。連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好適に使用できる。重量平均分子量が、5000未満では未重合の単量体が残存し易く好ましくない。一方、重量平均分子量が200000を越える場合には塗布時に糸引き等の欠陥を生じることが多い。
【0046】
本発明のシリコ−ン変性ビニル系樹脂を含有するコ−ティング剤は、該シリコ−ン変性ビニル系樹脂を主成分とし、以下の硬化剤とから構成され、必要に応じて硬化触媒および添加剤を添加してもよい。該シリコ−ン変性ビニル系樹脂および硬化剤はそれぞれ2種類以上を併用してもよい。
【0047】
硬化剤としては、イソシアネ−ト化合物およびメラミン化合物を挙げることができ、イソシアネート化合物の具体例としては、脂肪族系のキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはこれらの多価アルコール付加タイプ、ビュレットタイプ、トリマータイプ、芳香族系のトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートのようなポリイソシアネート化合物、およびブロックイソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート化合物の市販品としては、例えば、武田薬品工業(株)製のタケネート(商標)、日本ポリウレタン工業(株)製のコロネート(商標)が挙げられる。イソシアネート化合物は、1種のみ単独で使用することができるし、2種以上を併用して使用することもできる。
【0048】
該イソシアネ−ト化合物と該シリコ−ン変性ビニル系樹脂との使用割合は、OH基/NCO基の比率で表すことができ、それぞれの使用量はシリコ−ン変性ビニル系樹脂の水酸基価とイソシアネ−ト化合物のNCO含量とから公知慣用の方法で計算できる。使用割合はOH/NCO=1/0.1〜1/2とすることが好ましい。
【0049】
また、メラミン化合物の具体例としては、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、イソブチルエーテル型メラミン、n−ブチルエーテル型メラミン等が挙げられる。これらのメラミン化合物は、1種のみ単独で使用することができるし、2種以上を併用して使用することもできる。該メラミン化合物の使用割合は、シリコ−ン変性ビニル系樹脂100重量部当たり、0.1〜30重量部とすることが好ましい。
【0050】
硬化触媒としては、有機金属化合物、アミン化合物および酸性化合物などが挙げられる。有機金属化合物の具体例としては、オクチル酸錫、ジ−n−ブチル錫ジオクテート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−オクチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジ−n−ブチル錫サルファイド、ジ−n−オクチル錫オキサイドのような有機錫化合物、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、もしくはテトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネートのような有機チタニウム化合物、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)のような有機アルミニウム化合物等が挙げられる。アミン化合物としては、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエタノール、イソホロンジアミン等が挙げられる。酸性化合物としては、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フタル酸、無水フタル酸、燐酸、モノアルキル燐酸、ジアルキル燐酸またはそれらの有機アミンブロック化合物が挙げられる。これらの硬化触媒は必要に応じて1種または2種以上併用して使用することができる。
【0051】
該硬化触媒の使用割合は、シリコ−ン変性ビニル系樹脂100重量部当たり、0.001〜5重量部とすることが好ましい。
【0052】
添加剤としては、脱水剤の他に、その他の添加剤として、顔料、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、たれ防止剤、レベリング剤、艶消し剤、擦り傷防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤等が挙げられ、これらは1種以上を用いることができる。
【0053】
脱水剤としては、加水分解性のエステルが挙げられ、これを添加することで、系中の水分を除去でき、保存安定性を一層向上させることができる。この場合の加水分解性のエステルとしては、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン、1,1−ジメトキシシクロヘキサン、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート等が挙げられ、該脱水剤の使用割合は、シリコ−ン変性ビニル系樹脂100重量部当たり、0.1〜50重量部とすることが好ましい。
【0054】
また、上記のその他の添加剤の使用割合は特に制限はなく、用途に応じてシリコ−ン変性ビニル系樹脂に対して公知慣用の使用割合を添加して使用することができる。
【0055】
本発明のシリコーン変性ビニル系樹脂を含有したコーティング剤を塗布する方法としては、ロールコーター法、ブレードコーター法、グラビアコーター法、ビートコーター法、カーテンフローコーター法、浸漬塗布法及びスプレー塗布法のいずれを用いてもよく、基材の片面または両面に塗布することができる。塗布後、常温〜300℃の任意の温度で硬化することができるが、溶剤の揮散促進、架橋反応の促進のためには60〜250℃の温度で5秒〜60分間加熱乾燥することが好ましい。硬化温度が高い程、硬化時間は短くでき、硬化触媒を併用することでさらに硬化時間を短縮できる。また、架橋反応を促進させるためには塗布乾燥後のコーティング物を30〜120℃の温度で1〜7日間養生処理することもできる。
【0056】
本発明のシリコーン変性ビニル系樹脂を含有したコーティング剤の塗膜の厚みとしては、0.5〜50μmが好ましい。たとえば、本発明のコーティング剤を金属基材に塗布した場合に、0.5μm未満では塗板に干渉縞が発生することが多く、外観上好ましくない。逆に50μmを越える場合は塗材を加工する際に、塗膜に割れおよび剥がれが発生し易くなり好ましくない。
【0057】
本発明のシリコーン変性ビニル系樹脂を含有したコーティング剤の被塗物として、金属、無機材料、プラスチック、複合材料が挙げられる。金属としては、ステンレス、アルミニウム、ブリキ、トタン、軟鋼板、銅、真鍮、各種メッキ鋼板及びチタン等が挙げられる。化成処理、アルマイト処理などの表面処理を施した金属基材でも好適に使用できる。無機材料としては、ガラス、モルタル、スレート、コンクリート、及び瓦等が挙げられる。プラスチックとしては、表面処理を施したポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル、ゴム及びエラストマーのようなプラスチック成形品及びこれらをフィルム状に加工した製品等が挙げられる。複合材料としては、繊維強化熱硬化性プラスチック(FRP)、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)、積層板及び金属と有機物を圧着したサンドイッチ材、金属蒸着したプラスチック等が挙げられる。
【0058】
本発明のシリコーン変性ビニル系樹脂を含有するコーティング剤は、耐汚染性、はっ水性、非粘着性、滑り性等に優れており、各種汚染物質、たとえば、油汚れ、空気中の埃や塵、排ガス、雨水に混入した汚れ、インキやトナーの付着汚れや落書き、貼り紙などの防止、着雪、着氷、水中生物の付着防止に効果がある。具体的な用途としては、台所用レンジ周辺、収納扉、換気扇、照明カバー等の油汚れ防止、コンクリート、タイル等の外壁の汚れ防止、道路トンネルや高速道路防音壁などの排ガスによる汚れ防止、印刷機ロール、電子写真ロール、感光ドラムなどのインキやトナーの付着による汚れ防止など、外壁、公衆電話ボックス、電柱、公衆トイレなどの落書き、貼り紙などの付着防止など、屋根、電線などの着雪、着氷防止、一般船舶の船底に付着するフジツボ等の付着防止などが挙げられる。
【0059】
【参考例】
(片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンの合成 : 分子量10000のポリジメチルシロキサンと分子量400のポリオキシエチレンとから構成される片末端メタクリロキシ変性のポリオキシエチレン基を有するポリオルガノシロキサンの場合)
磁気攪拌子、冷却管、温度計を取り付けた500ミリリットルの三ツ口フラスコに、片末端SiH基をもつ数平均分子量10000のポリジメチルシロキサン100g、片末端アリ−ル基をもつ数平均分子量400のポリオキシエチレン(日本油脂(株) ユニオックス PKA−5002(商標))6gおよびトルエン160gをいれ、80℃に昇温し、白金触媒65マイクロリットルを入れた。80℃で20時間反応させた後反応液を冷却し、メタノール140gを入れ未反応のポリオキシエチレンを抽出した。この抽出を2回繰りかえした。エバポレーターでトルエン層から溶媒と揮発分を減圧留去し、98gの褐色透明の液体を得た。
この生成物の数平均分子量(Mn)は9500、重量平均分子量(Mw)は11100であり、分散度(Mw/Mn)は1.17であった。
この生成物は赤外線吸収スペクトル法などの分析によって、分子量10000のポリジメチルシロキサンと分子量400のポリオキシエチレンとから構成されるポリオルガノシロキサンであることが確認された。
【0060】
続いて、磁気攪拌子、冷却管、温度計を取り付けた内容量300ミリリットルの三ツ口フラスコに、分子量10000のポリジメチルシロキサンと分子量400のポリオキシエチレンとから構成される上記のポリオルガノシロキサン138g、2-メタクリロキシオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製 カレンズMOI(商標))1.8 g、2,6-ジ-tert-ブチル4-メチルフェノール 0.7g、およびジブチルチンジラウレート5.9重量%のトルエン溶液を60マイクロリットル投入した。この混合物を70℃に昇温し、22時間反応させた後、反応液を冷却し、140 gの淡黄色透明の液体を得た。
このポリマーの粘度は915 cSt(25℃)、水分は600 ppm、比重は0.980 (d254)、 不飽和度は5291g/mol、数平均分子量(Mn)は10500、重量平均分子量(Mw)は11500であり、分散度(Mw/Mn)は1.11であった。赤外線吸収スペクトクル法および1H−NMRの測定結果から、得られた液体は、分子量10000のポリジメチルシロキサンと分子量400のポリオキシエチレンとから構成される片末端がメタクリロキシ基で変性され、ポリオキシエチレンブロックを中央部に有するポリジメチルシロキサンであることが確認された。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的且つ詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0062】
実施例1
撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を取り付けた500ミリリットルの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール100gを仕込み、70℃に加熱した。撹拌しながら、窒素雰囲気下でメタクリル酸メチル40g、メタクリル酸n−ブチル30g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18g、アクリル酸n−ブチル5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5g、上記参考例に準拠して合成した、片末端がメタクリロキシ基で変性され、ポリオキシエチレンブロックを中央部に有する、重量平均分子量11500のポリジメチルシロキサン(分子量:400のポリオキシエチレンと分子量:10000のポリジメチルシロキサンを原料として上記参考例に準拠して合成)1g、メタクリル酸1g及びアゾビスイソブチロニトリル1gの混合液を3時間かけて滴下した。さらに、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを酢酸エチル20gに溶かして添加して同温度で3時間反応を続けた後、この樹脂溶液にイソプロピルアルコール74gと酢酸エチル38gを加えて固形分濃度30重量%、OH価:24KOHmg/g、重量平均分子量69000のシリコーン変性ビニル系樹脂を得た。
【0063】
実施例2
撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を取り付けた500ミリリットルの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール100gを仕込み、70℃に加熱した。撹拌しながら、窒素雰囲気下でメタクリル酸メチル40g、メタクリル酸n−ブチル30g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18g、アクリル酸n−ブチル5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5g、片末端がメタクリロキシ基で変性され、ポリオキシエチレンブロックを中央部に有する、重量平均分子量11300のポリジメチルシロキサン(分子量:750のポリオキシエチレンと分子量:10000のポリジメチルシロキサンを原料として上記参考例に準拠して合成)1g、メタクリル酸1g及びアゾビスイソブチロニトリル1gの混合液を3時間かけて滴下した。さらに、アゾビスイソブチロニトリル1gを酢酸エチル20gに溶かして添加して同温度で3時間反応を続けた後、この樹脂溶液にイソプロピルアルコール74gと酢酸エチル38gを加えて固形分濃度30重量%、OH価:24KOHmg/g、重量平均分子量70000のシリコーン変性ビニル系樹脂を得た。
【0064】
実施例3
撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を取り付けた500ミリリットルの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール100gを仕込み、70℃に加熱した。撹拌、窒素雰囲気下でメタクリル酸メチル40g、メタクリル酸n−ブチル25g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18g、アクリル酸n−ブチル5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5g、片末端がメタクリロキシ基で変性され、ポリオキシエチレンブロックを中央部に有する、重量平均分子量6200のポリジメチルシロキサン(分子量:400のポリオキシエチレンと分子量:5000ポリジメチルシロキサンを原料として上記参考例に準拠して合成)5g、メタクリル酸1g及びアゾビスイソブチロニトリル1gの混合液を3時間かけて滴下した。さらにアゾビスイソブチロニトリル1gを酢酸エチル20gに溶かして添加して同温度で3時間反応を続けた後、この樹脂溶液にイソプロピルアルコール74gと酢酸エチル38gを加えて固形分濃度30重量%、OH価:24KOHmg/g、重量平均分子量65000のシリコーン変性ビニル系樹脂を得た。
【0065】
比較例1
撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を取り付けた500ミリリットルの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール100gを仕込み、70℃に加熱した。撹拌、窒素雰囲気下でメタクリル酸メチル40g、メタクリル酸n−ブチル30g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18g、アクリル酸n−ブチル5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5g、片末端メタクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量:11000)1g、メタクリル酸1g及びアゾビスイソブチロニトリル1gの混合液を3時間かけて滴下した。さらに、アゾビスイソブチロニトリル1gを酢酸エチル20gに溶かして添加して同温度で3時間反応を続けた後、この樹脂溶液にイソプロピルアルコール74gと酢酸エチル38gを加えて固形分濃度30重量%、OH価:24KOHmg/g、重量平均分子量69000のシリコーン変性ビニル系樹脂を得た。
【0066】
比較例2
撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を取り付けた500ミリリットルの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール100gを仕込み、70℃に加熱した。撹拌、窒素雰囲気下でメタクリル酸メチル40g、メタクリル酸n−ブチル25g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18g、アクリル酸n−ブチル5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5g、片末端メタクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量:6000)5g、メタクリル酸1g及びアゾビスイソブチロニトリル1gの混合液を3時間かけて滴下した。さらにアゾビスイソブチロニトリル1gを酢酸エチル20gに溶かして添加して同温度で3時間反応を続けた後、この樹脂溶液にイソプロピルアルコール74gと酢酸エチル38gを加えて固形分濃度30%、OH価:24KOHmg/g、重量平均分子量66000のシリコーン変性ビニル系樹脂を得た。
【0067】
(1)シリコーン変性ビニル系樹脂溶液の濁度の測定
内径35×10×43mmの石英製セルに実施各例および比較各例で得られたシリコーン変性ビニル系樹脂の溶液を測定に必要な量投入して日本電色工業(株)製の濁度計NDH−300Aにセットして濁度を測定した。濁度の数値が小さい程、透明になり、肉眼で判断した場合には、濁度の値が1以下では透明に見え、5以上では白濁が顕著である。
【0068】
測定1
固形分濃度30重量%のシリコーン変性ビニル系樹脂の溶液をそのまま測定した。
【0069】
測定2
固形分濃度30重量%のシリコーン変性ビニル系樹脂の溶液100gに対してイソプロピルアルコール37.5gと酢酸エチル12.5gの混合溶剤を添加してよく攪拌した溶液を用いて測定した。
【0070】
測定3
固形分濃度30重量%のシリコーン変性ビニル系樹脂の溶液100gに対してトルエン50gを添加してよく攪拌した溶液を用いて測定した。(固形分濃度20重量%)
【0071】
(2)シリコーン変性ビニル系樹脂を含有したコーティング剤の評価
実施例1〜3、および比較例1〜2で得られたシリコーン変性ビニル系樹脂(固形分濃度30重量%)の溶液100gに対して武田薬品工業(株)製のポリイソシアネート化合物(タケネート(商標)D−140N(NCO含量11%)を16.3gと希釈溶剤の酢酸エチル:44.4gを混合して、よく攪拌してシリコーン変性ビニル系樹脂を含有するコーティング剤(NCO/OH=1/1)を得た。このコーティング剤をバーコータを用いてアルミニウム板(JIS H 4000)に塗装して、熱風乾燥炉で120℃で30分間、加熱、硬化させた。このようにして得られた塗板を下記の評価条件に則り評価した。結果は表1にまとめて記載した。
【0072】
耐汚染性
事務用の赤色、青色、黒色の3種の油性マジックペンで文字を書き、10分間放置した後に、ティシュペーパーで拭き取った。印字時のマジックインキのはじき方およびマジックインキの拭き取れ方を目視にて観察した。
○:マジックインキがはじかれ、乾いた布で容易に拭き取ることができ表面に跡が残らない。
×:マジックインキがはじかれず、乾いた布で拭き取ることができず、マジックインキの跡が残る。
【0073】
接触角
協和界面化学(株)製の接触角計CA−DT型により水の接触角を測定した。
【0074】
非粘着性
塗膜に貼り付けたセロハンテープの剥がし易さで判定した。
○ :セロハンテープを剥がす時に抵抗がなく、容易に剥がす事ができる。
×:セロハンテープを剥がす時に抵抗があり、剥がしにくい。
【0075】
耐衝撃性
テスター産業(株)製のデュポン式衝撃試験機を用いて1/4Rの打ち型と受け型の間に塗板を挟み込み、300gの重りを所定の高さから落とした後に変形部の塗膜をセロハンテープを用いて剥離試験した。塗膜に剥がれが生じない重りの高さで判定した。
【0076】
【表1】
Figure 0004432151
【0077】
【発明の効果】
ビニル系化合物と共重合する片末端にラジカル重合性基を有するポリオルガノシロキサンとして、片末端にラジカル重合性基を有し、かつ中央部にポリオキシアルキレン基を持つポリオルガノシロキサンを用いることにより、本発明のシリコ−ン変性ビニル系樹脂は透明性に優れた樹脂溶液として得られ、かつ該ビニル系樹脂を含有するコ−ティング剤は、耐汚染性、はっ水性、非粘着性等のコーティング膜の性能にも優れている。また、該ビニル系樹脂はポリオルガノシロキサン鎖を導入し易くできるし、ポリオルガノシロキサンの添加量も幅広い範囲で変更する事が出来、油汚れ、空気中の埃や塵、排ガス、雨水に混入した汚れ、インキやトナーの付着汚れや落書き、貼り紙などの防止、着雪、着氷、水中生物の付着防止等の幅広い用途に対応するコ−ティング剤に使用することのできるシリコーン変性ビニル系樹脂である。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で示される片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基をもつポリオルガノシロキサンシを全単量体使用量の0.1〜20重量%とビニル系化合物を全単量体使用量の80〜99.9重量%とを少なくとも1種類の溶媒中でラジカル共重合することを特徴とする重量平均分子量が500〜200000のシリコーン変性ビニル系樹脂の製造方法。
    一般式(1)
    Figure 0004432151
    (式中、R、R、R、R、Rは炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、Rは水素、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であり、m、nは0もしくは1以上の整数であり、mおよびnが同時に0になることはなく、Xは炭素数が2〜20の2価のアルキレン基であり、Yは−OCHCH−、−OCH(CH)CH−または−OCHCH(CH)−であり、pは3以上の整数であり、Zは炭素数が1〜20の2価のアルキレン基である)
  2. 請求項1記載の一般式(1)で示される片末端にラジカル重合性基を有し、中央部にポリオキシアルキレン基をもつポリオルガノシロキサンを全単量体使用量の0.1〜20重量%と、ビニル基含有シラン化合物を全単量体使用量の1〜30重量%および水酸基を含有するビニル系化合物を全単量体使用量の5〜45重量%およびそれ以外の重量性化合物を全単量体使用量の5〜93.9重量%とからなる成分を、少なくとも1種のアルコール溶媒を使用してラジカル共重合することを特徴とする重量平均分子量が500〜200000のシリコーン変性ビニル系樹脂の製造方法。
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