以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の特徴はすべてコントロール装置からデータ記憶装置へのデータ送信時の通信に関するものであるため、以下の実施の形態においてはデータ記憶装置からコントロール装置へのデータ送信に関する動作説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る2線式データ通信方法を示す電圧波形図であり、図2は本発明の実施の形態1に係る2線式データ通信方法を用いた接触式データ記憶システムにおけるデータ記憶装置の構成例を示すブロック図である。
本実施の形態の2線式データ通信方法は、図1(a)に示す安定なクロックパルスである第1の送信信号と、図1(b)に示すようなクロックパルスにデータを重畳した第2の送信信号からなる。送信データがある特定の論理(図1では“1”)である区間では、第1の送信信号と第2の送信信号は互いに逆相のクロックパルスの関係になっており、送信データが逆の論理(図1では“0”)である区間では、第2の送信信号にはクロックパルスを送信しないようにする。
このような送信信号を受信したデータ記憶装置では、まず、第1と第2の送信信号から全波整流により内部動作電圧を生成するとともに、第1の送信信号に基づいて安定な内部動作クロックを抽出する。次に、この内部動作クロックを用いて第2の送信信号のクロックパルスの有無を検出することにより、図1(e)に示すように簡易にデータ復調を行うことができる。
図2に示すデータ記憶装置は、第1と第2の送信信号から内部電源電圧を生成するための整流回路208と、コントロール装置からの受信データを抽出するためのデータ復調回路211と、内部電源用の平滑容量212を備えており、また、データ記憶装置からコントロール装置へデータを送信する場合に使用する第2の送信回路210を備えている。
データ復調回路211では、第1の送信信号に基づいて安定なクロックパルス(図1(a))を抽出し、それを動作クロックとしてその立上りエッジで第2の送信信号(図1(b))を直接Dフリップフロップにラッチすることで復調データを抽出している(図1(e))。
なお、説明を簡略にするために、図2においては第1および第2の送信信号をデータ復調回路211のDフリップフロップへ直接入力しているが、実際には第1および第2の送信信号から電圧レベルと極性を調整して信号を再生する調整回路が必要である。また、クロックスキューによるホールドエラーを起こさないようにタイミング調整回路が必要となる場合もあることは言うまでもない。
また、本実施の形態の特徴であるデータ復調回路は、第1の送信信号を内部動作クロックとして第2の送信信号のクロックパルスの有無をデータとして検出するものであるので、第1と第2の送信信号の排他的論理和などの組合せ論理データをデータ復調回路211のDフリップフロップへの入力信号とするといった回路構成をとることも可能である。
整流回路208では全波整流により内部電源電圧を生成しているため、上記実施の形態においてデータが“0”論理の場合に第2の送信信号にパルスが送信されず、クロックの半周期で電力が供給できない区間が発生する。そのため、内部電源回路に平滑容量212を挿入してこの区間の電力を維持する必要がある。
図1(d)に示すように、第1と第2の送信信号が互いに逆相となるときのデータ記憶装置内部の電源電圧をVDD、電力が供給できない区間をt0、データ記憶装置の内部回路の等価抵抗値をR、内部電源回路の容量値をCとすると、t0時間経過後の電源電圧値VDD1は次式となる。
VDD1=VDD×(exp(−t0/RC))
したがって、このVDD1が内部回路の最低動作電圧を下回らないように容量値Cの値を決定すればよい。この値が小さい場合は、特に容量素子を挿入しなくても内部回路の寄生容量だけで賄える場合もある。
従来の技術はデータが小振幅信号の故に信号の変化点をエッジ検出する復調方法であったため、信号間のスキューによる内部電源電圧の変動等で簡単に復調誤りが発生する可能性があったが、本実施の形態では、データ信号をクロックパルスの有無で表す全振幅信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずにロジック回路で復調処理が可能であり、信号間スキュー等の影響による復調誤りの可能性がほとんどない。
また、データ記憶装置の復調回路も従来の技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も、基本クロックと送信データがあれば簡単なロジック回路で第2の送信信号を生成することができ、従来例のような3値の電圧値が不要なためデータ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど、設計負担が軽減できる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2に係る2線式データ通信方法を示す電圧波形図であり、図6は本発明の実施の形態2に係る2線式データ通信方法を用いた接触式データ記憶システムにおけるコントロール装置の構成例を示すブロック図である。
本実施の形態の2線式データ通信方法は、図3(a)に示す安定なクロックパルスである第1の送信信号と、図3(b)に示すようなクロックパルスにデータを重畳した第2の送信信号からなる。第1の送信信号と第2の送信信号は互いに逆相のクロックパルスの関係になっており、送信データがある特定の論理(図3では“1”)の場合は、第1の送信信号の“L”パルスに対して第2の送信信号の“H”パルスが時間td1だけ進んだ信号となっており、送信データが逆の論理(図3では“0”)の場合は、第2の送信信号の“H”パルスが時間td2だけ進んだ信号となる。
このような送信信号を受信したデータ記憶装置では、まず、第1と第2の送信信号から全波整流により内部動作電圧を生成するとともに、第1の送信信号に基づいて安定な内部動作クロックを抽出する。次に、この内部動作クロックを用いて第2の送信信号の遅延時間の変化をデータ信号として検出することにより、図3(e)に示すように簡易にデータ復調を行うことができる。
この間の動作を、さらに図4および図5を用いて説明する。図4は第1と第2の送信信号から内部動作電圧を生成するための全波整流回路の一例であり、PchMOSトランジスタM1〜M4で構成している。図5は図4の構成の全波整流回路を用いて生成された内部電源を基準とした場合の内部動作を説明するための電圧波形図である。
まず図4の全波整流回路において、第2の送信信号入力端子に“H”電圧、第1の送信信号入力端子に“L”電圧が印加されている場合、第2の送信信号入力端子からM2を通して内部VDDに電流が流れ込み、内部VssからM3を通して第1の送信信号入力端子へ電流が流れ出る。このとき、M1、M4はオフ状態である。
次に、第2の送信信号入力端子の印加電圧が”H“から”L“に変化した場合、内部VDD電位はM2を通して第2の送信信号端子にクランプされた状態であるため、第1、第2の送信信号入力端子電圧とほとんど同電位(M2トランジスタのVt電圧分程度の差あり)となる。内部VDD−Vss間電圧は電源間平滑容量で一定期間保持されるので、第2の送信信号入力端子の印加電圧の変化にあわせて内部Vss電位も低下する。このため、内部Vss電位を基準として第1、第2の送信信号入力端子の電圧変化を見た場合には、逆に第1の送信信号入力波形が”L“から”H“に変化し、第2の送信信号入力波形は”H“のままとなる。その状態から次に第1の送信信号入力端子電圧が”L“から”H“に変化した時に、内部Vssを基準としてみた場合の第2の送信信号入力波形が”H“から”L“に変化する。
次に、第1の送信信号入力端子電圧が“H”、第2の送信信号入力端子電圧が“L”の状態(M1、M4がオン状態、M2、M3がオフ状態)から、第2の送信信号入力端子電圧が“L”から“H”に変化した場合、内部VDD電位はM1を通して第1の送信信号入力端子電圧にクランプされた状態であり、ほとんど同電位(M1トランジスタのVt電圧分程度の差あり)のままであるため、内部Vssを基準としてみた場合の第2の送信信号入力波形もその端子電圧の変化どおりに“L”から“H”に変化する。その状態から第1の送信信号入力端子電圧が“H”から“L”に変化した場合には内部VDD電位はM2を通して第2の送信信号入力端子電圧にクランプされた状態であるため、内部Vssを基準としてみた場合の第1の送信信号入力波形も“H”から“L”へと変化する。
上記で説明した動作を波形図で表したものが図5である。第1の送信信号波形(a)と第2の送信信号波形(b)を内部Vssを基準としてみた場合の信号波形がそれぞれ(d)、(e)となる。ここで内部信号(d)を整形することで動作クロック(g)が得られ、この立下りタイミングで内部信号(e)をΔdだけ遅延させた信号(f)をラッチすることで復調データ(h)を得ることができる。遅延時間Δdは、td1−Δdがラッチ用フリップフロップのセットアップタイムを、|td2−Δd|(td2がマイナス値の場合は−td2+Δd)がホールドタイムを満たすように設定すればよい。
図5においては、抽出した動作クロック(g)の立下りタイミングが第1の送信信号波形(a)の立下りタイミングと同期しているが、信号波形(e)の立下りタイミングと第1の送信信号(a)の立上がりタイミングも同期するので、この信号波形(e)から動作クロックを生成してもよい。この場合には、信号波形(d)を同じくΔd遅延させた信号をデータとしてラッチすることで、第1の送信信号(a)の立上がりのタイミングで復調データを得ることができる。
また、本実施の形態では図4の構成の整流回路を用いて説明しているが、整流回路の構成を変えることにより、内部Vssを基準としてみた第1の送信信号波形(d)や第2の送信信号波形(e)の変化タイミングが今回の説明と異なってくる場合があるため、整流回路の構成に応じて各内部信号の抽出の方法を調整する必要がある。
本実施の形態におけるデータ記憶装置の回路構成は、図2に示した実施の形態1のデータ記憶装置と回路イメージとしては基本的に同じ構成でよいため、その詳細説明を省略するが、第1の送信信号であるクロックパルスの立ち下がりエッジで第2の送信信号をDフリップフロップにラッチすることでデータ復調を行うことができる。また、図5の動作説明で述べたようにDフリップフロップへの入力信号をΔdだけ遅延させる回路が必要である。
図6に示すコントロール装置は、基準クロックに対して3段のインバータ回路を直列接続することにより第1の送信信号(図3(a))を生成し、同じく基準クロックに対して2段のインバータ回路を直列接続することにより第2の送信信号(図3(b))を生成し、伝送したいデータの論理により第2の送信信号を遅延させるために、インバータ回路の配線負荷を切換えるためのトランジスタスイッチ401および遅延用コンデンサ402を備えている。
このように構成されたコントロール装置において、まず、第1の送信信号線には基準クロックからインバータ回路を3段通過したクロックパルスが出力される。第2の送信信号線には、送信データが論理“1”の場合は、トランジスタスイッチ401のゲートに“L”電圧が印加されてトランジスタスイッチ401がオフとなり、基準クロックからインバータ回路を2段通過したクロックパルスが出力される。このとき、第1の送信信号に対して第2の送信信号はインバータ回路1段分(図3のtd1)だけ早く出力される。
次に、送信データが論理“0”の場合は、トランジスタスイッチ401のゲートに“H”電圧が印加されてトランジスタスイッチ401がオンとなり、基準クロック入力から1段目のインバータ回路の出力配線負荷が遅延用コンデンサ402によって増大する。その結果、第2の送信信号線への出力信号は遅延用コンデンサ402の分(図3のtd1−td2時間相当分)だけ遅れるので、第1の送信信号出力に対してtd2時間だけ早く出力されることになる。このようにして、図3の第1の送信信号(a)、第2の送信信号(b)が生成される。
なお、本実施の形態では配線負荷の変更をトランジスタスイッチと遅延用コンデンサで行っているが、配線抵抗による負荷や、配線抵抗と遅延用コンデンサの組合せによる負荷をトランジスタスイッチで切換えるようにして実現してもよい。
図3における時間td1−Δdは図2のデータ復調回路211のDフリップフロップのセットアップタイムの時間規定を満たすように、|td2−Δd|は同じくDフリップフロップのホールドタイムを満たすように決めればよい。
次に、通常のロジック回路による第1および第2の送信信号生成と比較して、本実施の形態のように信号の中間ノードの配線負荷変更による信号遅延時間の変化で送信信号を生成する方法に利点があることを説明する。
データ記憶装置では第1と第2の送信信号を全波整流することで内部動作電源を生成する。したがって、第1と第2の送信信号が同極性で一旦停止した場合、すなわち、図3におけるスキューtd1やtd2の時間内の状態で信号が停止した場合には内部回路の電源電圧がダウンしてしまい、その後、信号送信が再開されたとしても処理を引続き継続することができず、最初から処理をやり直す必要がある。
例えば、第1および第2の送信信号をマイコンの出力ポートで生成して直接出力させた場合に、途中でマイコンの割り込み処理が発生してデータ記憶装置への送信信号をある一定時間停止した後に処理を再開するといったことがよく起こり得るが、一旦停止するときに上記の第1と第2の送信信号は必ず逆極性で停止しなければならないという条件を課する必要があり、マイコンの負担が大きくなる。
本発明のコントロール装置による構成をとれば、基準クロックが通信途中で停止したとしても、信号遅延時間後に第1と第2の送信信号が定常状態では逆極性で停止することになるので、データ記憶装置の内部電源電圧がダウンすることなく、基準クロック再開後に処理を継続することが可能となるので、マイコン処理等で余計な負担をかける必要がないという利点がある。
なお、全波整流により内部電源電圧を生成しているため、互いの信号間のスキューによる電力が供給できない時間(td1、td2)が発生する。そのため、内部電源に平滑容量を挿入してこの区間の電力を維持する必要がある。平滑容量の容量値の決め方は実施の形態1で説明したとおりであるが、実施の形態1の場合の時間t0に比べて本実施の形態では信号間スキュー(td1とtd2のどちらか大きい方)ということでより短い時間とすることが可能であるため、容量値はさらに小さい値で実現可能である。
従来の技術はデータが小振幅信号の故に信号の変化点をエッジ検出する復調方法であったため、信号間のスキューによる内部電源電圧の変動等で簡単に復調誤りが発生する可能性があったが、本実施の形態では、データ信号をクロックパルスの遅延時間の変化で表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
また、データ記憶装置の復調回路も従来の技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も、従来例のような3値の電圧値が不要なためデータ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど、設計負担が軽減できる。
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3に係る2線式データ通信方法を示す電圧波形図であり、図8は本発明の実施の形態3に係る2線式データ通信方法を用いた接触式データ記憶システムにおけるデータ記憶装置の構成例を示すブロック図である。
本実施の形態の2線式データ通信方法は、図7(a)に示す安定なクロックパルスである第1の送信信号と、図7(b)に示すような、第1の送信信号と逆相のクロックパルスであって、送信データの論理によりクロックパルスのデューティ比を変化させた第2の送信信号からなる。
このような送信信号を受信したデータ記憶装置では、まず、第1と第2の送信信号から全波整流により内部動作電圧を生成するとともに、第1の送信信号に基づいて安定な内部動作クロックを抽出する。次に、この内部動作クロックを用いて第2の送信信号のクロックパルスのデューティ比の変化を抽出することにより、図7(e)に示すように簡易にデータ復調を行うことができる。
図8に示すデータ記憶装置は、第1と第2の送信信号から内部電源電圧を生成するための整流回路608と、コントロール装置からの受信データを抽出するためのデータ復調回路611と、内部電源用の平滑容量612を備えており、また、データ記憶装置からコントロール装置へデータを送信する場合に使用する第2の送信回路610を備えている。
データ復調回路611では、第1の送信信号に基づいて安定なクロックパルス(図7(a))を抽出し、それを動作クロックとしてその立下りエッジで第2の送信信号(図7(b))を直接Dフリップフロップにラッチすることで復調データを抽出している(図7(e))。復調のメカニズムは前述の(実施の形態2)と基本的に同じであるため、詳細説明は省略する。
本実施の形態では、第2の送信信号のクロックパルスのデューティ比が、送信データ論理が“1”の場合は3:7、送信データ論理が“0”の場合は5:5としている。この差を検出するために、第1の送信信号の立下りエッジで第2の送信信号をΔdだけ遅延させた信号をラッチしている。このデューティ比の比率は、第1の送信信号をクロックとして第2の送信信号をラッチする場合のDフリップフロップのセットアップタイムとホールドタイムの規定を充分満たすように設定すればよい。
なお、説明を簡略にするために、図8においては第1および第2の送信信号をデータ復調回路611のDフリップフロップへ直接入力しているが、実際には第1および第2の送信信号から電圧レベルと極性を調整して信号を再生する調整回路が必要である。また、(実施の形態2)でものべたようにDフリップフロップへの入力信号をΔdだけ遅延させる回路が必要である。
また、本実施の形態の特徴であるデータ復調回路は、第1の送信信号を内部動作クロックとして第2の送信信号のクロックパルスのデューティ比の変化をデータとして検出するものであるので、第1と第2の送信信号の排他的論理和などの組合せ論理データをデータ復調回路611のDフリップフロップへの入力信号とするといった回路構成をとることも可能である。
なお、全波整流により内部電源電圧を生成しているため、第1の送信信号と第2の送信信号のクロックパルスのデューティ比の差分だけ電力が供給できない区間(第1と第2の送信信号が互いに逆相にならない区間)が発生する。そのため、内部電源に平滑容量612を挿入してこの区間の電力を維持する必要がある。容量値の決め方は基本的には実施の形態1で説明したとおりであるので説明を省略する。
従来の技術はデータが小振幅信号の故に信号の変化点をエッジ検出する復調方法であったため、信号間のスキューによる内部電源電圧の変動等で簡単に復調誤りが発生する可能性があったが、本実施の形態では、データ信号をクロックパルスのデューティ比の変化で表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
また、データ記憶装置の復調回路も従来の技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も、従来例のような3値の電圧値でなく全振幅の信号であるので、ロジック回路で簡単に構成できて設計負担が少ない。
(実施の形態4)
図9は本発明の実施の形態4に係る2線式データ通信方法を示す電圧波形図であり、図10は本発明の実施の形態4に係る2線式データ通信方法を用いた接触式データ記憶システムにおけるデータ記憶装置の構成例を示すブロック図である。
本実施の形態の2線式データ通信方法は、図9(a)に示す安定なクロックパルスである第1の送信信号と、図9(b)に示すような、第1の送信信号と逆相のクロックパルスであって、その信号極性の“H”または“L”に小時間幅t0のパルス信号を重畳することに対応して“H”または“L”の論理データを表す第2の送信信号からなる。
このような送信信号を受信したデータ記憶装置では、まず、第1と第2の送信信号から全波整流により内部動作電圧を生成するとともに、第1の送信信号に基づいて安定な内部動作クロックを抽出する。次に、第1と第2の送信信号の排他的論理和により第2の送信信号に重畳された小時間幅t0のパルス信号を抽出し、これが第1の送信信号のクロックパルスのどの極性に重畳されているかを検出し、これを第1の送信信号に基づいて抽出した内部動作クロックで処理することで簡易にデータ復調を行うことができる。
図10に示すデータ記憶装置は、第1と第2の送信信号から内部電源電圧を生成するための整流回路808と、コントロール装置からの受信データを抽出するためのデータ復調回路811と、内部電源用の平滑容量812を備えており、また、データ記憶装置からコントロール装置へデータを送信する場合に使用する第2の送信回路810を備えている。
データ復調回路811では、第1と第2の送信信号の排他的論理和信号を抽出し(図9(d))、その信号をクロックとして第1の送信信号を1段目のDフリップフロップでラッチする(図9(e))。さらに、その1段目のDフリップフロップの出力を、第1の送信信号に基づいて抽出したクロックパルスにより次段のDフリップフロップでラッチすることにより復調データ信号を得ている(図9(f))。
なお、説明を簡略にするために、図10においては、第1および第2の送信信号をデータ復調回路811のDフリップフロップおよび論理ゲートへ直接入力しているが、実際には第1および第2の送信信号から電圧レベルと極性を調整して信号を再生する調整回路が必要である。また、第1と第2の送信信号の排他的論理和には信号間のスキューにより微小パルス(ひげ)が発生するので実際にはフィルタ回路が必要となるが、ここでは説明を簡略にするために省略している。
なお、全波整流により内部電源電圧を生成しているため、第2の送信信号に重畳されるパルス信号の小時間幅t0の間は電力が供給できなくなる。そのため、内部電源に平滑容量812を挿入してこの区間の電力を維持する必要がある。容量値の決め方は基本的には実施の形態1で説明したとおりであるので説明を省略する。
従来の技術はデータが小振幅信号の故に信号の変化点をエッジ検出する復調方法であったため、信号間のスキューによる内部電源電圧の変動等で簡単に復調誤りが発生する可能性があったが、本実施の形態では、データ信号を重畳されたパルス信号の時間位置で表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
また、データ記憶装置の復調回路も従来の技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も、従来例のような3値の電圧値が不要なためデータ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど、設計負担が軽減できる。
(実施の形態5)
図11は本発明の実施の形態5に係る2線式データ通信方法を示す電圧波形図であり、図12は本発明の実施の形態5に係る2線式データ通信方法を用いた接触式データ記憶システムのデータ記憶装置におけるデータ復調回路の構成例を示す回路図である。
本実施の形態の2線式データ通信方法は、送信するデータ論理(図11(c))によりデューティ比が変わるクロックパルスである第1の送信信号(図11(a))と、第1の送信信号と常に逆相のクロックパルスである第2の送信信号(図11(b))からなる。
このような送信信号を受信したデータ記憶装置では、まず、第1と第2の送信信号から全波整流により内部動作電圧を生成する。また、第1または第2の送信信号に基づいて内部動作クロックを抽出する。この場合、第1または第2の送信信号はデューティ比は変化するがクロック周期tは一定に保たれるので、極端なデューティ比に設定しない限り内部動作クロックとして使用可能である。次に、このデューティ比の変化を抽出するための時間判定機能を持ったデータ復調回路によりデータを抽出する。デューティ比の変化率の設定は時間判定機能のばらつき範囲を考慮して決定する。
本実施の形態のデータ記憶装置は、データ復調回路を除くと実施の形態1で説明した図2のデータ記憶装置と同じ構成であるので説明を省略する。図12に示す本実施の形態のデータ記憶装置におけるデータ復調回路は、第2の送信信号の信号極性によりオンオフするトランジスタスイッチと抵抗素子および容量素子から構成される時間判定のための充放電回路1001と、この充放電回路の出力と内部基準電圧との比較を行うコンパレータ1002と、その出力を第1の送信信号に基づいて抽出したクロックパルスでラッチする2段のDフリップフロップからなる。
まず、第2の送信信号の信号極性が“H”のときはトランジスタスイッチがオンになり、内部VDDから充放電回路1001の容量素子に充電が行われる。このとき、容量素子は内部VDDに近い電圧まで充電されるので内部基準電圧よりも高い電圧となり、コンパレータ1002の出力は“H”となる。
次に、第2の送信信号の信号極性が“L”のときはトランジスタスイッチがオフになり、容量素子に充電された電荷が抵抗素子を通じて放電される。その電圧が内部基準電圧を下回ったときにコンパレータ1002の出力が“L”となる(図11(d)、(e))。
したがって、充放電回路1001の出力が内部基準電圧を下回るまでの放電時間をクロックレートの半分程度になるように抵抗素子と容量素子の値を決めておけば、クロックパルスのデューティ比の変化を時間判定することができる。なお、本実施の形態では容量素子に充電された電荷を抵抗素子を通じて放電させているが、抵抗素子の代わりにトランジスタ回路で放電させることも可能である。
その後、Dフリップフロップによりコンパレータ1002の出力を第1の送信信号の立下りエッジでラッチした後(図11(f))、その出力を第1の送信信号の立上りでラッチすることで時間整形した復調データを抽出することができる(図11(g))。
なお、本実施の形態では、第1と第2の送信信号を意図的に同極性にする時間が存在しないため、データ記憶装置の内部電源の平滑容量はわずかな容量値で構成することができる。
従来の技術ではデータが小振幅信号の故に信号の変化点をエッジ検出する復調方法であったため、信号間のスキューによる内部電源電圧の変動等で簡単に復調誤りが発生する可能性があったが、本実施の形態では、データ信号をクロックパルスのデューティ比で表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
また、コントロール装置の構成も、従来例のような3値の電圧値が不要なためデータ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど、設計負担が軽減できる。
第1の2線式データ通信方法は、コントロール装置とデータ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行う2線式データ通信方法であって、前記第1の信号線で正相のクロックパルスを伝送し、前記第2の信号線で送信データの論理に応じて変調した逆相のクロックパルスを伝送する。
上記第1の2線式データ通信方法によれば、第1の信号線に基づいて正相のクロックパルスを抽出し、これを用いて第2の信号線で伝送される変調された逆相のクロックパルスから抽出される信号を判定することができるため、適当な変調を行うことで、エッジ検出タイプの復調方法を用いずにロジック回路で復調処理を行うことができ、信号間スキュー等の影響による復調誤りを避けることが可能となる。また、復調においても従来技術に比べて簡単にできるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第2の2線式データ通信方法は、請求項1記載の2線式データ通信方法において、前記第2の信号線で伝送する逆相のクロックパルスを、前記送信データの論理に応じて、パルスの有無で変調して生成する。
上記第2の2線式データ通信方法によれば、変調された信号はクロックパルスの有無で論理値を表す全振幅信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずにロジック回路で復調処理を行うことができ、信号間スキュー等の影響による復調誤りがほとんどないデータ復調を行うことが可能となる。
第3の2線式データ通信方法は、請求項1記載の2線式データ通信方法において、前記第2の信号線で伝送する逆相のクロックパルスを、前記送信データの論理に応じて、前記正相のクロックパルスに対する遅延時間の変化で変調して生成する。
上記第3の2線式データ通信方法によれば、変調された信号はクロックパルスの遅延時間の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
第4の2線式データ通信方法は、請求項1記載の2線式データ通信方法において、前記第2の信号線で伝送する逆相のクロックパルスを、前記送信データの論理に応じて、デューティ比の変化で変調して生成する。
上記第4の2線式データ通信方法によれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
第5の2線式データ通信方法は、請求項1記載の2線式データ通信方法において、前記第2の信号線で伝送する逆相のクロックパルスを、前記送信データの論理に応じて、反対極性で重畳するパルス信号の位置で変調して生成する。
上記第5の2線式データ通信方法によれば、変調された信号は逆相のクロックパルスに対して重畳したパルスの位置で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
第6の2線式データ通信方法は、請求項1記載の2線式データ通信方法において、前記第1の信号線で伝送する正相のクロックパルスおよび前記第2の信号線で伝送する逆相のクロックパルスを、前記送信データの論理に応じて、デューティ比の変化で変調して生成する。
上記第6の2線式データ通信方法によれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。
第1の2線式データ通信システムは、コントロール装置とデータ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行う2線式データ通信システムであって、前記コントロール装置は、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスを送信データの論理に応じて、パルスの有無で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備え、前記データ記憶装置は、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送される逆相のクロックパルスの有無を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第1の2線式データ通信システムによれば、変調された信号はクロックパルスの有無で論理値を表す全振幅信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずにロジック回路で復調処理を行うことができ、信号間スキュー等の影響による復調誤りがほとんどないデータ復調を行うことが可能となる。また、データ記憶装置の復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第2の2線式データ通信システムは、コントロール装置とデータ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行う2線式データ通信システムであって、前記コントロール装置は、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、前記正相のクロックパルスに対する遅延時間の変化で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備え、前記データ記憶装置は、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送される逆相のクロックパルスの遅延時間の変化を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第2の2線式データ通信システムによれば、変調された信号はクロックパルスの遅延時間の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、データ記憶装置の復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第3の2線式データ通信システムは、コントロール装置とデータ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行う2線式データ通信システムであって、前記コントロール装置は、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、デューティ比の変化で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備え、前記データ記憶装置は、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送されるクロックパルスのデューティ比の変化を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第3の2線式データ通信システムによれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、データ記憶装置の復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第4の2線式データ通信システムは、コントロール装置とデータ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行う2線式データ通信システムであって、前記コントロール装置は、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、反対極性で重畳するパルス位置で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備え、前記データ記憶装置は、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線に伝送される反対極性で重畳するパルス位置を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第4の2線式データ通信システムによれば、変調された信号は逆相のクロックパルスに対して重畳された狭い幅のパルスの時間位置で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、データ記憶装置の復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第5の2線式データ通信システムは、コントロール装置とデータ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行う2線式データ通信システムであって、前記コントロール装置は、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相および逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、デューティ比の変化で変調して前記第1および第2の信号線にそれぞれ伝送する手段とを備え、前記データ記憶装置は、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送される逆相のクロックパルスのデューティ比の変化を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第5の2線式データ通信システムによれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、データ記憶装置の復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。さらには、コントロール装置の構成も従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第1のコントロール装置は、データ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うコントロール装置であって、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスを送信データの論理に応じて、パルスの有無で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備える。
上記第1のコントロール装置によれば、変調された信号はクロックパルスの有無で論理値を表す全振幅信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずにロジック回路で復調処理を行うことができ、信号間スキュー等の影響による復調誤りがほとんどないデータ復調を行わせることが可能となる。また、従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第2のコントロール装置は、データ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うコントロール装置であって、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、前記正相のクロックパルスに対する遅延時間の変化で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備える。
上記第2のコントロール装置によれば、変調された信号はクロックパルスの遅延時間の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行わせることが可能となる。また、従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第3のコントロール装置は、データ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うコントロール装置であって、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、デューティ比の変化で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備える。
上記第3のコントロール装置によれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行わせることが可能となる。また、従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第4のコントロール装置は、データ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うコントロール装置であって、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相のクロックパルスを前記第1の信号線に伝送する手段と、前記逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、反対極性で重畳するパルス位置で変調して前記第2の信号線に伝送する手段とを備える。
上記第4のコントロール装置によれば、変調された信号は逆相のクロックパルスに対して重畳された狭い幅のパルスの時間位置で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行わせることが可能となる。また、従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第5のコントロール装置は、データ記憶装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うコントロール装置であって、正相および逆相のクロックパルスを生成する手段と、前記正相および逆相のクロックパルスに対して送信データの論理に応じて、デューティ比の変化で変調して前記第1および第2の信号線にそれぞれ伝送する手段とを備える。
上記第5のコントロール装置によれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行わせることが可能となる。また、従来技術のような3値の電圧値が不要なため、データ記憶装置の等価抵抗のばらつきまで考慮した調整が不要となるなど設計負担が軽減できる。
第1のデータ記憶装置は、コントロール装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うデータ記憶装置であって、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送される逆相のクロックパルスの有無を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第1のデータ記憶装置によれば、変調された信号はクロックパルスの有無で論理値を表す全振幅信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずにロジック回路で復調処理を行うことができ、信号間スキュー等の影響による復調誤りがほとんどないデータ復調を行うことが可能となる。また、復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。
第2のデータ記憶装置は、コントロール装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うデータ記憶装置であって、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送される逆相のクロックパルスの遅延時間の変化を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第2のデータ記憶装置によれば、変調された信号はクロックパルスの遅延時間の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。
第3のデータ記憶装置は、コントロール装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うデータ記憶装置であって、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送されるクロックパルスのデューティ比の変化を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第3のデータ記憶装置によれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比の変化で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。
第4のデータ記憶装置は、コントロール装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うデータ記憶装置であって、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線に伝送される反対極性で重畳するパルス位置を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第4のデータ記憶装置によれば、変調された信号は逆相のクロックパルスに対して重畳された狭い幅のパルスの時間位置で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。
第5のデータ記憶装置は、コントロール装置との間で第1および第2の信号線によりデータ通信とクロックおよび電力供給を行うデータ記憶装置であって、前記第1および第2の信号線の電圧を整流して前記データ記憶装置に電源電圧を供給する手段と、前記第1の信号線に基づいて装置内クロックを抽出する手段と、前記装置内クロックを用いて前記第2の信号線で伝送される逆相のクロックパルスのデューティ比の変化を検知するデータ復調手段とを備える。
上記第5のデータ記憶装置によれば、変調された信号はクロックパルスのデューティ比で論理値を表す全振幅の信号であるため、エッジ検出タイプの復調方法を必要とせずロジック回路で復調処理が可能であり、2線の送信信号間のタイミングスキュー等による内部電源ノイズの影響を受けずにデータ抽出を行うことが可能となる。また、復調回路も従来技術に比べて簡単に構成できるため、コストメリットも大きい。