JP4428897B2 - 食品充填包装袋の製造方法及びその装置 - Google Patents

食品充填包装袋の製造方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品充填包装袋の製造方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、液状の食品をレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌してなる食品充填包装袋において、特に、レトルトパウチ容器の容量の大きい製品について、特に含気量を一定化させ、食品の品質劣化の防止と高い殺菌効果とを両立させた高品質の製品を製造することを可能とする新しい食品充填包装袋の製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品の品質を劣化させることなく、しかも、安全かつ確実に殺菌し、保存することを可能とする製品として、固形ないし液状の食品をレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌してなる食品充填包装袋が広く利用されている。それらの技術の一つとして、カレー、シチュー等の食品を、空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに充填密封し、次いで、該レトルトパウチを回転させながら、加圧加熱殺菌処理する技術(以下、回転式レトルト殺菌技術という)が知られている。
上記技術においては、レトルトパウチ内の空気・不活性ガス等の含気量を、所定量以上、例えば、密封後のレトルトパウチの全容積に対して2容量%以上にすることが、加熱殺菌ムラや過加熱に起因する食品の品質劣化を有効に防止する点及び短時間での加熱殺菌を可能とする点で極めて重要である。
【0003】
同時に、レトルトパウチの含気量は、所定量以下、例えば、密封後のレトルトパウチの全容積に対して20容量%以下にすることが、例えば、レトルトパウチを載置したトレーを複数段積み重ねる際に、レトルトパウチが上下のトレーに挟まれることに起因するレトルトパウチの破袋の発生や、加熱殺菌処理を施した場合の個体間の殺菌効果のバラツキの発生を有効に防止する上で重要である。
これらのことから、レトルトパウチの含気量を所定量にすることは極めて重要であり、特に、3kg用パウチ容器等の容器が大型のものになる程、殺菌効率と品質保持の面から含気量を一定にすることが極めて重要である。
【0004】
従来、それらの先行技術として、例えば、固形ないし液状の食品をレトルトパウチに充填した後、パウチ容器内の空気を効率的に除去する方法、パウチ容器内の気体を排出して脱気する方法、脱気したパウチ容器内に所定量の気体を供給してパウチ容器内の気体量を制御する方法、口封シール前の包装袋に蒸気を吹き込んで袋内空気を蒸気と置換させて口封シールする方法、パウチ容器内の気体量をほぼ零にする脱気装置、内容物が充填された包装袋を両側からプレスして袋内を脱気するプレス脱気装置等が種々提案されている。しかしながら、これらの方法及び装置では、固形ないし液状の食品の隙間に存在する空気による影響を確実に制御することができず、特に、レトルトパウチ容器の容量が大きい大型のパウチ容器を用いた製品の場合には、各レトルトパウチにおける上記空気の量的な違いにより、個々のレトルトパウチに充填された食品の品質及びその殺菌効率等に大きなバラツキが生じ、均一な品質の製品を製造することが困難になるという問題があった。
一方、レトルトパウチ容器の新しい包材、製造技術、加圧加熱殺菌技術の研究開発の進展に伴い、パウチ容器の容量が小さい製品では、食品の品質劣化の少ない高品質の製品を製造できる条件が整いつつあるものの、パウチ容器の容量が大きい大型のパウチ容器を用いた製品では、食品の品質劣化の少ない高品質の製品を製造する上で改善すべき技術上の課題が多々あり、それらを確実に克服できる新しい技術の開発が要請されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、特に、レトルトパウチ容器の容量の大きい、いわゆる大型のパウチ容器を用いた製品において、過加熱に起因する食品の品質劣化がきわめて少なく、しかも、高い殺菌効率を達成し得る新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、その製造工程において、液状の食品の充填前、充填時、充填後における該食品ないし包装袋の新しい処理方法を採用することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、液状の食品をレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌してなる食品充填包装袋において、液状の食品の隙間に存在する空気による影響を確実に制御して、過加熱に起因する食品の品質劣化がきわめて少なく、しかも、高い殺菌効率を確実に実現することが可能な新しい食品充填包装袋の製造方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明を、本発明と密接に関連する一連の技術と合せて総合的に、分かり易く説明するために、先ず、以下の関連技術について説明する。
(1)第1態様
固形ないし液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に固形物と液状物とを充填し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、固形物を加熱処理することにより、固形物の隙間に存在する空気を膨張させ、空気密度を小さくした状態で充填することを特徴とする該包装袋の製造方法。
第1態様には、次の好適態様が含まれる。
1.包装袋1袋当たりに充填する固形物をリテイナーに収容し、該リテイナーより包装袋に固形物を充填する際に、リテイナーに収容した固形物を加熱処理した後に包装袋内に充填する。
2.固形物を蒸気及び/又は熱風によって加熱処理する。
3.固形物を60℃以上の加熱状態で充填する。
4.固形物と液状物とを充填した包装袋を、加熱殺菌処理する。
5.第1態様の製造方法に使用する装置であって、包装袋1袋当たりに充填する固形物を収容するためのリテイナー、リテイナーに収容した固形物を加熱処理するための加熱装置、及びリテイナーに収容した固形物を包装袋に充填するための充填機構を備えた包装袋の充填装置。
【0007】
(2)第2態様
固形ないし液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に固形物と液状物とを充填し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、包装袋に固形物をその上方より落下投入して充填する際に、落下経路に蒸気を充満させ、落下する固形物に対して蒸気を当てて、固形物の隙間に存在する空気を蒸気に置換することを特徴とする該包装袋の製造方法。
第2態様には、次の好適態様が含まれる。
1.落下経路に蒸気を上方に送風して充填させる。
2.包装袋1袋当たりに充填する固形物をリテイナーに収容し、該リテイナーよりシュートを介して包装袋に固形物を充填する際に、該シュート内に蒸気を充満させる。
3.固形物を充填する際に包装袋内に蒸気を充満させる。
4.第2態様の製造方法に使用する装置であって、包装袋1袋当たりに充填する固形物を収容するためのリテイナー、リテイナーに収容した固形物を投下するための投下装置、投下された固形物を包装袋に案内するためのシュート、及び該シュート内ないし包装袋内に蒸気を充満させる蒸気装置を備えた包装袋の充填装置。
5.該シュートの下端部に、該シュート内に蒸気を上方に送風させるべく蒸気を上方に噴出す蒸気ノズルを有する蒸気装置を備えた充填装置。
6.固形物を充填する際に包装袋内に蒸気を充満させるべく蒸気を包装袋内に噴出する蒸気ノズルを有する蒸気装置を備えた充填装置。
【0008】
(3)第3態様
固形ないし液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に固形物と液状物とを充填し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、包装袋に固形物を加熱状態でその上方より落下投入して充填する際に、落下経路に蒸気を充満させ、落下する固形物に対して蒸気を当てて、固形物の隙間に存在する空気を蒸気に置換することを特徴とする該包装袋の製造方法。
第3態様には、次の好適態様が含まれる。
1.固形物を60℃以上の加熱状態で充填する。
【0009】
(4)第4態様
固形ないし液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に固形物と液状物とを充填し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、加熱した一部の液状物を充填した後、固形物を充填し、更に残りの液状物を充填することを特徴とする該包装袋の製造方法。
第4態様には、次の好適態様が含まれる。
1.最初に充填する液状物の品温が60〜95℃である。
2.最初に充填する液状物と残りの液状物との重量割合が、前者1に対して後者1〜5である。
3.一部の液状物を充填した後可及的速やかに固形物を充填する。
4.第4の態様の製造方法に使用する装置であって、加熱した一部の液状物を充填するための第1液状物充填機、固形物を充填するための固形物充填機、及び残りの液状物を充填するための第2液状物充填機を備えた包装袋の充填装置。
【0010】
(5)第5態様
固形ないし液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に固形物と液状物とを充填し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、高粘性の液状物を充填した後、固形物を液状物の上に載置するように充填し、上記の固形物を液状物の上に載置した状態で包装袋の開口をシールすることを特徴とする該包装袋の製造方法。
第5態様には、次の好適態様が含まれる。
1.液状物の粘度が1600cp以上である。
2.液状物の品温が60〜95℃である。
3.固形物を液状物の上に緩やかに載置する手段を介して固形物を充填する。
4.第5態様の製造方法に使用する装置であって、高粘性の液状物を充填するための液状物充填機、固形物を充填するための固形物充填機、及び固形物を液状物の上に緩やかに載置するためのショックアブソーバー機構を備えた包装袋の充填装置。
5.ショックアブソーバー機構がメッシュ状の板材で、開閉可能に設けられたものである充填装置。
【0011】
(6)第6態様
固形ないし液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に固形物と液状物とを充填し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、固形物又は液状物の充填工程以後よりシール工程までの間に、包装袋を振動させて包装袋内より空気を抜くことを特徴とする該包装袋の製造方法。
第6態様には、次の好適態様が含まれる。
1.振動を振動回数3〜80回/秒、振幅10〜40mmで与える。
2.包装袋に底部及び/又は側部から振動を与えるか、包装袋を把持する把持爪を振動させるか、これらを併せて行うことによって包装袋を振動させる。
3.包装袋の底部及び/又は側部に対して局部的に当接乃至離隔する振動バーによって包装袋を振動させる。
【0012】
(7)第7態様
固形ないし液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に液状物又は固形物及び液状物を充填し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、シール工程の前に、包装袋の開口部のヘッドスペースに気体を吹き付けることを特徴とする該包装袋の製造方法。
第7態様には、次の好適態様が含まれる。
1.液状物の液面に気体を吹き付ける。
2.気体が空気又は不活性ガスである。
3.気体が冷却したものである。
4.気体を吹き付けた後、可及的速やかにシールする。
5.包装袋に固形物と液状物とを充填した後、包装袋を整形し、この整形した包装袋の開口部のヘッドスペースに気体を吹き付けた後、可及的速やかにシールする。
6.包装袋に固形物と液状物とを充填した後、包装袋の開口部のヘッドスペースに気体を吹き付け、包装袋を押圧して脱気し、その後、包装袋内に所定量の気体を入れることにより空気量を一定にする。
7.第7態様の製造方法に使用する装置であって、包装袋の開口部のヘッドスペースに気体を吹き付ける気体吹き付けノズルと、包装袋の開口をシールするシール機とを備え、これらが気体吹き付けノズルで気体を吹き付けた後、可及的速やかにシール機で包装袋の開口をシールするように構成されていることを特徴とする包装袋の包装装置。
【0013】
次に、前記課題を解決するための本発明を説明すると、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
)第態様
液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に液状物を充填した後、包装袋を整形することによって脱気し、必要により包装袋内に所定量の気体を入れて、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、整形工程の前に、液状物の液面を検出し、上記検出結果に基づいて整形工程の動作を調節することによって、脱気量を一定にすることを特徴とする該包装袋の製造方法(請求項記載の発明)。
態様の発明には、次の好適態様が含まれる。
1.上記液状物の液面の検出を、次の方法;
a.赤外線カメラで包装袋の側面の熱画像を撮影する、
b.放射温度計で包装袋の側面における高さ方向の温度分布を測定する、
c.X線で包装袋の側面の撮像する、
d.距離センサ(レーザーセンサ・超音波センサ等)により、包装袋の開口部上方より液面の高さを検出する、
の1つ以上によって実施する。
2.上記整形工程における動作の調節を、次の方法;
a.包装袋の袋口の側面を両側から押圧する押圧バーの高さ及び/又は押出し幅を調節する、
b.包装袋の側面を両側から押圧する押さえ型の形状を変えるか、押出し幅を調節する、
c.押さえ型と包装袋との間を減圧の程度を調節する、
d.押さえ型で包装袋を押えて、包装袋の開口部より注入する気体量を調節する、
の何れかによって実施する。
3.前記の押圧バーの高さ及び押出し幅を調節する場合に、液状物の液面の検出結果が、低い場合、正常の場合、及び高い場合に応じて、それぞれ押圧バーの高さを低くする/押圧バーの押出し量を多くする、押圧バーの高さ標準位置とする/押出し幅を標準幅とする、押圧バーの高さを高くする/押出し量を少なくする、ことにより上記押出し幅を制御する。
【0014】
II)第II態様
液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に液状物を充填した後、包装袋を整形することによって脱気し、必要により包装袋内に所定量の気体を入れて、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、整形工程の際に、液状物の液面を検出し、上記検出結果に基づいて整形工程の動作を停止することによって、脱気量を一定にすることを特徴とする該包装袋の製造方法(請求項記載の発明)。
II態様の発明には、次の好適態様が含まれる。
1.上記液状物の液面の検出を、次の方法;
a.赤外線カメラで包装袋の側面の熱画像する、
b.放射温度計で包装袋の側面における高さ方向の温度分布を測定する、
c.X線で包装袋の側面の撮像する、
d.距離センサ(レーザーセンサ・超音波センサ等)により、包装袋の開口部上方より液面の高さを検出する、
の1つ以上によって実施する。
2.上記整形工程における動作の調節を、次の方法;
a.包装袋の袋口の側面を両側から押圧する押圧バーの押出しを停止する、
b.包装袋の側面を両側から押圧する押さえ型の形状を変えるか、押出し幅を調節する動作を停止する、
c.押さえ型と包装袋との間を減圧を停止する、
d.押さえ型で包装袋を押えて、包装袋の開口部より気体を注入する動作を停止する、
の何れかによって実施する。
【0015】
III)第III態様
液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に液状物を充填した後、包装袋を整形することによって脱気し、必要により包装袋内に所定量の気体を入れて、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法における、上記整形工程に用いるための脱気装置であって、包装袋の側面を両側から押圧する側面押さえ型と、包装袋の底面を下側から押圧する底面押さえ型とからなり、それぞれの押さえ型が包装袋に向けて進退し、かつそれぞれの押さえ型の内面の形状が、押圧時に包装袋の外面が一定の形状に整形されるように成形されていることを特徴とする該脱気装置(請求項記載の発明)。
III態様の発明には、次の好適態様が含まれる。
1.液状の食品を空気、不活性ガス等の気体と共にレトルトパウチに代表される包装袋に充填、密封し、加圧加熱殺菌する食品充填包装袋の製造方法において、包装袋に液状物を充填した後、包装袋を整形することによって脱気し、必要により包装袋内に所定量の気体を入れて、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する方法であって、包装袋を押さえ型で押え、包装袋の開口部を閉じた状態で、開口部より液体ガスを導入し、液体ガスを気化させ包装袋内の圧力を高めて、包装袋を押さえ型の形状に沿った形状に膨らませて整形し、この状態で包装袋の開口をシールする。
2.押圧時に包装袋と押さえ型との間を減圧するための減圧装置が備えられている。
3.押圧時に袋内に気体を導入するための気体導入装置が備えられている。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、レトルトパウチに代表される包装袋に食品を充填し、密封し、加圧加熱殺菌してなる食品充填包装袋の製造方法及びその装置を提供するものであり、特に、レトルトパウチ容器の容量の大きい、いわゆる大型のパウチ容器を用いた製品について、特に含気量を一定化させ、過加熱に起因する食品の品質劣化の防止と高い殺菌効率とを両立させた高品質の製品を製造することを可能とする新しい食品充填包装袋の製造方法及びその装置を提供するものである。
本発明において、包装袋としては、好適には、例えば、スタンディングパウチ等があり、その容量は、比重1として1kg以上、好ましくは2.5kg〜5kgのものが用いられる。また、軟包装袋の材質としては、好適には、例えば、第1層(外層)ポリエチレンテレフタレート/第2層ナイロン/第3層アルミニウム/第4層無延伸ポリプロピレンの積層物が例示される。しかし、これらのものに限定されるものではない。本発明は、特に、内部の側面及び底面の接続部分でエッヂがあって、この部分に空気が溜まりやすいスタンディングパウチを用いる場合に有用である。
【0017】
本発明において、殺菌される対象物は、包装袋に充填されたスープ、シチュー、カレー等の液状物ないしこれに固形物を含むものであるが、これらと同等のものであれば対象物となる。これらの充填は、密封後の軟包装袋の全容積に対するヘッドスペース(空間)の容積比率、即ち、含気率が、例えば、2ないし20%であるように行われる。ヘッドスペースは、一般的には空気であるが、窒素ガス、アルゴンガスであってもよい。この含気率は、更に詳しくは、例えば、3〜20%であり、好ましくは3〜10%である。固形物と液状物との重量割合は、前者1に対して後者2〜10がよい。本発明では、後者の割合が2〜4の高い固形物含量の製品においても良好な脱気効果が得られる。
【0018】
本発明は、一般的なレトルトパウチ等の包装袋に使用する包装充填装置を用いて好適に実施される。その基本構造は、例えば、円形テーブルに給袋装置、開口装置、充填装置、整形装置、シール装置、排出装置等を備え、包装袋を2つの把持爪で把持して吊り下げらた状態で、テーブルと共に回動しながら、上記各装置において包装動作を連続して実行する構造となっているものが例示される。
そして、上記各装置の機能及び工程は、次の通りである。
給袋装置は、貯袋器内の包装袋を1枚づつ取上げてテーブル側の把持爪へ受渡す(給袋工程)。開口装置は、包装袋開口部の両側面を、吸盤により吸着し、吸盤を離隔して、袋の開口を開く(開口工程)。充填装置は、包装袋内に液状物や固形物を充填するものであり、例えば、液状物の充填ノズルや、包装袋1袋当たりに充填する固形物を収容するためのリテイナー、リテイナーに収容した固形物を投下するための投下装置、投下された固形物を包装袋に案内するためのシュート等を備える(充填工程)。
【0019】
整形装置は、押圧バー等で押圧して包装袋内の気体を一定量にする(包装袋内の開口部に一定量のヘッドスペースを残す)ための脱気装置を備える。上記ヘッドスペースの気体あるいは包装袋内に導入する気体を、窒素ガス、アルゴンガス等に置換するための気体置換装置が設けられる場合がある(以上、整形工程)。
シール装置は、包装袋内に空気量を一定にした状態で開口をシールし(シール工程)、排出装置は、包装が完了した袋を次工程に排出するものである(排出工程)。
【0020】
本発明は、上記の包装充填技術において、包装袋内部の気体量を一定にするための改良技術に関するものであり、先ず、本発明に密接に関連する技術の具体的態様は以下の通り、第1態様〜第態様からなる。
(充填工程に係る技術の態様)
先ず、第1態様〜第5態様は、包装袋内に固形物を充填する際に、固形物の隙間にある空気が容器内に入ることを確実に防止するための方法及びその装置である。
第1態様…固形物を加熱処理した状態で袋内に充填する。固形物を加熱処理することにより、固形物の隙間に存在する空気を膨張させ、空気密度を小さくした状態で固形物を袋内に充填することで、包装袋内への空気の持ち込みを減少させることができる。
第2態様…固形物の充填工程における落下経路(包装袋内を含む)に蒸気を充満させる。固形物に対して、相対的に対向方向に蒸気を当て、固形物の隙間に存在する空気を蒸気に置換した状態で袋内に充填することで、包装袋内への空気の持ち込みを減少させることができる。
【0021】
第3態様…固形物を加熱処理し、かつ充填工程における落下経路に蒸気を充満させる。固形物と蒸気との温度差を小さくして、蒸気のドレン化を回避して、上記第1、2態様の効果を達成することができる。
第4態様…加熱した一部の液状物、固形物、残りの液状物の順序で充填する。水蒸気を袋内に充した状態で固形物を落下投入することにより、第2態様と同様の効果を達成し、同時に均一な充填が可能になる。
第5態様…液、固形物の順に充填し、固形物が沈む前にシールする。粘性の高い液状物の上面に固形物を充填して載せ、この状態でシールを完了することにより、固形物が沈降する際に、液状物中に空気を持ち込むことを回避することができる。
【0022】
6態様は、充填後、包装袋内の液状物中に持ち込まれた空気を確実に除去するための方法及びその装置である。
第6態様…振動による脱気工程を加えることで、包装袋内の空気を除去することができる。
7態様は、充填後、包装袋内のヘッドスペースが充填物の発する蒸気等で不均一となることで、シール後の気体量がバラつく問題を確実に解消するための方法及びその装置である。
第7態様…充填後、包装袋内のヘッドスペースに気体を吹いて、ヘッドスペースを特定の気体に置換する。ヘッドスペースの蒸気(湯気の場合もある)と空気との混合状態を、均質な気体に置換して空気量を一定にすることができる。
【0023】
(整形工程に係る発明の態様)
次に、本発明の第態様〜第III態様は、包装袋の整形が不均一となることで、気体量がバラつく問題を確実に解消するための方法及びその装置である。
態様…包装袋内の液面検出に基づいて整形動作を調整する。
II態様…包装袋内の液面検出に基づいて整形動作を止める。
III態様…押さえ型の構造を改良する。
これらによって、整形工程における脱気量を整えることによって、容器内部の気体量を一定にすることができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて具体的に説明する。
図1は固形物の充填機を示す模式図であり(第1〜3態様に関連する)、図2は充填方法の一例を示す模式図であり(第4態様に関連する)、図3は別の充填方法の一例を示す模式図であり(第5態様に関連する)、図4は振動による脱気装置を示す模式図であり(第6態様に関連する)、図5は本発明の成形脱気方法の一例を示す模式図であり(第II態様に関連する)、図6は押さえ型の一例を示す模式図である(第III態様に関連する)。
【0025】
前記の包装充填装置又はこれと同様の機能を有する別の型式(例えば、各工程の装置が縦列型に配置されたもの)の包装充填装置において、固形物2の充填機の一例は、図1に示すように、包装袋Pの1袋当たりに充填する固形物2を収容するためのリテイナー4、リテイナー4を充填位置にまで移送する移送装置5、移送装置5で充填位置にまで運ばれたリテイナー4より、固形物2を包装袋P内に投下するための投下装置(図示せず)を備える。投下装置は、具体的には、充填位置にまで運ばれたリテイナー4を反転投下するための反転投下装置(図示せず)、反転投下されたリテイナー4を受け止め、固形物2のみを更に下のシュートに落とすストッパー7、固形物2を包装袋P内に案内するためのシュート8a、8b等を備える。上記ストッパー7は、開口をもつメッシュ状の部材等で形成され、通常ストッパー7で受け止めたリテイナー4は、図示しない適宜の回収装置で移送装置5の上流側にフィードバックされ、新たな固形物2を収容するために用いられる。
一方、液状物の充填機は、一般にシリンダーピストンとバルブ切替えによって定量充填を行うものが用いられる(図示せず)。
【0026】
1態様では、固形物2を加熱処理した状態で包装袋P内に充填する。具体例は、充填位置にまで運ばれるリテイナー4内の固形物2を加熱処理する。固形物2を収容したリテイナー4を充填位置にまで移送する経路を、加熱装置9で蒸気、熱風等で満たす、油揚げする等で加熱処理を実施することができる。固形物2は、60℃以上、好ましくは90℃以上、何れの場合も100℃以下が望ましく、下記の第2態様を実施する場合は、95〜100℃に加熱すればよい。各々の下限を下回ると、包装袋P内への空気の持ち込みを減少させる効果が不十分になる場合があり、一方、上限を超えると、固形物2の品質保持の面で不適な場合がある。上記範囲の条件により、固形物2の品質保持をした上で、包装袋P内への空気の持ち込みを減少させることが可能となる。また、第2態様を実施する場合に、蒸気が固形物に触れてドレン化することを好適に回避できる。
【0027】
次に、第2態様では、固形物2の充填における落下経路に蒸気を充満させる。リテイナー4の反転位置10からシュート8a、8bを介し、包装袋P内に固形物2が収まるまでの落下経路11の一部ないし全部に蒸気を充満させる。具体例としては、図示のように、シュート8aに蒸気供給管12を接続する、包装袋P内に蒸気を供給する蒸気供給管13を設ける。後者の場合は、包装袋P内に蒸気を充満させた状態で食品を充填することになる。蒸気は常圧飽和蒸気とすればよい。
第3態様では、第1態様と第2態様とを組合せて実施する。固形物2を、常圧飽和蒸気の温度(100 ℃)に可及的に近い温度以上にまで加熱処理して第1態様を実施し、その後で第2態様の蒸気処理を実施する。
【0028】
次に、包装袋P内の気体量を一定にするために、固形物2及び液状物100の充填手順に工夫を加える。
第4態様では、図2に示すように、充填工程を、1)加熱した一部の液状物100をシュート16を介し充填する、2)固形物2を充填する、3)残りの液状物100をシュート16を介し充填する、の順序で行うことにより実施する。最初に充填する液状物100は、60〜95℃のものとすることができ、これによって、液状物100の発する水蒸気が包装袋P内に充満し、この状態で固形物を落下投入することにより、前記第2態様と同様の作用に基づいて空気の持ち込みを減少させることができる。また、液状物100が比較的低水位の場合に固形物2を投入するために、液ハネが袋内上部にまで至りにくく、投入後、更に液状物100を充填することで、液面をフラットに揃えやすくなり、下記の整形工程のヘッドスペースの脱気が効率良く行える。なお、固形物2を投入する際に、下記の第5態様と同様のショックアブソーバー機構を採用してもよい。本発明を実施するための装置は、前記の包装充填装置において、固形物2及び液状物100の充填機を適当に配置することで達成できる。
【0029】
第5態様では、図3に示すように、充填工程を、1)比較的粘性の高いの液状物100を充填する、2)固形物2を上記液状物100の上面に充填して載置する、の順序で行い、かつ、シール工程を、3)固形物2が液状物100の中に沈む前にシールする、ことにより実施する。これにより、空気量が一定となる状態、即ち、液状物100と固形物2が合される部分における空気の抱き込みがない状態でシールを完了するため、包装袋P内部の気体量を一定にすることができる。液状物100の粘度は、1600cp以上、好ましくは2000cp以上がよく、これらにより、固形物2を液状物100の上面に載置可能に充填することができる。高温の液状物100を充填すれば、第2態様と同様の作用も併せて達成可能である。
【0030】
置としては、シュート8bの下端にショックアブソーバー機構14を設けることができる。このショックアブソーバー機構14は、例えば、水平な板材15a、15bを、各々の一端に蝶番(図示せず)を設け、各々の他端が包装袋Pの開口の中央部上方で近接して対向し、固形物2を受け止めかつ固形物2を損傷しないように下方に撓むように一定の張力をもって水平に保持される閉鎖状態、及び各々の蝶番を介して、上記対向する部分より下方に観音開きする開放状態となるようにして設ける。板材15a、15bをメッシュ状の材料で設ければ、高温の液形物100の発する蒸気を通して、第2態様と同様の作用を達成できる。板材15a、15bは適当なばね機構等で支持すればよい。
上記の装置を作動する場合は、固形物2を液状物100の上面に充填する際に、板材15a、15bを閉鎖状態として固形物2を受け止めた後に、板材15a、15bを開放状態として固形物2を包装袋P内に落下投入する。ショックアブソーバー機構14の作用により、固形物2を液状物100の上面に載置可能にソフトに充填することができる。
【0031】
次に、充填工程及びその終了後、包装袋P内へ持ち込まれた空気を除去するための技術として、第6態様では、振動による脱気工程を加えることで、包装袋P内の空気を除去する。
図4に示すように、充填工程及びその終了後、包装袋Pは把持爪16a、16bで両方の上端を把持して吊り下げらた状態で支えられる。この状態の包装袋Pに振動を加えるが、具体的には、次のようにして実施する。
振動を加える時期は、充填工程の際あるいはその後のシール工程までの間である。充填工程の際に振動を加える場合には、液状物100を充填する際(固形物2の充填の前後を問わない)、あるいは液状物100を充填した後、固形物2を充填する際がよい。充填工程の際以外の場合には、液状物100を充填した後、あるいは液状物100及び固形物2を充填した後の任意の時期に実施すればよい。
【0032】
振動を加える態様は、包装袋Pの底部及び/又は側部から振動棒等を接触させて行えばよい。例えば、先端に接触面17をもつ振動棒18を水平方向に進退して、包装袋Pの両側部に振動を加えるか(図4(a))、振動棒18a、18bを水平方向に進退して、包装袋Pの両側部に振動を加え、かつ振動棒18cを上下方向に進退して、包装袋Pの底部に振動を加えることができる(図4(b))。また、把持爪16a、16bを水平及び/又は上下方向に動かして振動を加えることができる(図4(a))。振動棒や把持爪はエアバイブレーター(図示せず)等で振動すればよい。振動は、振動回数3〜80回/秒、振幅10〜40mmとするのが空気が抜け易いのでよい。これらを単独あるいは任意に組合せて実施することで、液状物100に抱き込まれた空気を良好に脱気できる。振動手段は、包装袋Pに接触する一定の面積の接触面17をもつものであることが、脱気効率を高くする上で望ましい。包装袋Pの充填物収容部分の外面の20〜80%程度の接触面17をもつとよい。つまり、図面で接触面17が包装袋Pの一方の側面における充填物の液面より下方の部分の面積の20〜80%程度の面積をもつとよい。
【0033】
充填後、包装袋P内のヘッドスペースが充填物の発する蒸気等で不均一となることで、シール後の気体量がバラつく問題を解消するため、第7態様では、充填後、包装袋P内のヘッドスペースに、気体を吹いて、ヘッドスペースを特定の気体に置換する(気体ブロー工程)。これにより、ヘッドスペースの蒸気と空気との混合状態を、均質な気体に置換して空気量を一定にする。
具体的には、下記の整形工程において、整形装置で包装袋P内の気体を一定量にする場合に、次の手順で行う。即ち、整形装置で包装袋P内の気体を脱気する際、あるいはその前後に気体ブローを実施する。なお、整形装置で包装袋P内の気体を一定量にする場合には、気体ブローは、整形工程終了後、できるだけシール工程の直前に実施すると、包装袋P内の気体量を一定にできるのでよい。
【0034】
気体ブローを行う態様としては、気体ブローノズル(図示せず)を、包装袋P内のヘッドスペース、望ましくは充填液の高さ付近まで挿入し、該ノズルより気体を吹くものが例示される。低温ないし室温の気体を充填物の液面に吹きつけて液面温度を下げて、液面よりの蒸気蒸散を抑えながら、ヘッドスペースの蒸気/空気混合状態を、均質な気体に置換するとよい。気体ブローノズルより吹く気体は、空気、不活性ガス、窒素ガス、アルゴンガス等とすればよい。
【0035】
なお、パウチ容器の脱気装置に関して、従来、例えば、前記の包装袋P内の気体をほぼ零にするために使用する整形装置として、所定量の流動体を収容したパウチ容器を支持するパウチ容器支持部と、上記パウチ容器の対向する両側部の一方を押圧する高側部押圧体と、上記パウチ容器の他方の側部を上記高側部押圧体よりも低い位置で押圧する低側部押圧体とを有し、上記パウチ容器支持部によってパウチ容器を支持し、次いで開放状態のパウチ容器の側部を最初上記高側部押圧体で押圧し、次に低側部押圧体で押圧してパウチ容器内から気体を排出し、パウチ容器内の気体量をほぼ零にすることを特徴とするパウチ容器の脱気装置が提案されている(特許第3093508号、請求項3)。また、上記の脱気装置で脱気した後所定量の気体を入れるための、薄形気体供給ノズルが提案されている(同、請求項9)
【0036】
次に、整形工程では、適宜の整形装置(図示せず)により、包装袋P内の気体を一定量にする。
この場合に、第I態様では、包装袋P内の充填物の液面検出に基づいて整形動作を調整する。即ち、整形工程の前に充填物の液面検出を行い、検出結果に基づいて整形工程の動作を調整し、脱気量を整えることによって、包装袋P内部の気体量を一定にする。
【0037】
形装置に、包装袋P内両側面を押圧する棒状や平板の押出し板を用いる場合は、検出液面に応じて、押出し板の高さ及び/又は押出し幅を調整すればよく、後記する第III態様では、押さえ型の減圧の程度、包装袋Pに流入する気体量等を調整すればよい。
液面の検出方法としては、次のものが挙げられる(図5を参照)。
(1)赤外線カメラ20で包装袋Pの側面の熱画像を撮影し、充填物の液面25(熱い充填液とヘッドスペースの境界面)を検出する。
(2)放射温度計20で包装袋Pの側面の高さ方向の温度分布を測定し、充填物の液面25(熱い充填液とヘッドスペースの境界面)を検出する。
(3)X線での包装袋Pの側面の透過像の撮影により、液面を検出する。
(4)レーザーセンサ・超音波センサ21等の距離センサにより、包装袋Pの開口部上方より直接充填物の液面の高さ25を検出する。
【0038】
II態様では、包装袋P内の充填物の液面を検出し、検出結果に基づいて整形工程の動作を止める。
例えば、整形工程において包装袋P内の気体を一定量にする場合に、前記の押圧体や押出し板や押さえ型を作動させて包装袋Pを整形する際に、リアルタイムで包装袋P内の充填物の液面を検出し、検出結果、即ち、規定の高さまで液面が上がったことを検出した時点で、整形の動作を停止する。
液面の検出方法としては、次のものが挙げられる(図5を参照)。
(1)赤外線カメラ20で包装袋Pの側面の熱画像を撮影し、充填物の液面25(熱い充填液とヘッドスペースの境界面)を検出する。
(2)放射温度計20で包装袋Pの側面の高さ方向の温度分布を測定し、充填物の液面25(熱い充填液とヘッドスペースの境界面)を検出する。
(3)X線での包装袋Pの側面の撮像により、液面25を検出する。
【0039】
次に、整形工程において、包装袋P内の気体を一定量にする場合に用いる押さえ型の改良に関るものとして、第II態様では、以下の構成をとる。
1)図6(a)のように、包装袋Pを一定形状に整形するための分割した3次元形状の押さえ板、即ち、包装袋Pの両側面の形状に合致する型面を有する押さえ板21a、21bと、底面の形状に合致する型面を有する押さえ板22で、三方から包装袋Pを押さえ込み、一定形状に整形する。
2)図6(b)のように、押さえ型と包装袋Pの密着度を高めるために、両者の間を減圧する。減圧時に包装袋P内に空気が流入するように、包装袋Pの把持爪の張りを弱めて開口部に隙間を空けるとよい。押さえ型の型面に繋がる減圧用細管23を多数設け、これに図示しない減圧装置を接続する。押さえ型は上記の3次元形状のものでも、他のものでもよい。
【0040】
3)図6(b)のように、押さえ型で包装袋Pを押える際、包装袋Pの略密閉した開口部に薄型のエアノズル24を挟み込み、空気又は不活性ガス等で包装袋Pを押さえ型の形状に沿うように膨らませる。押さえ型は上記の3次元形状のものでも、他のものでもよい。
4)押さえ型で押える際、包装袋Pの把持爪の張りを強めて袋の開口部の隙間を狭め、開口部より液体の不活性ガス(液体窒素等)を注入し、袋内圧力を高め、押さえ型の型面に袋が沿うように膨らませる。液体ガスが完全に気化して圧力上昇がおさまった時点でシールする。
以上の1)〜4)では、包装袋Pを均一に整形することで、ヘッドスペースの気体量を揃える作用が達成され、2)〜4)では、同時に包装袋P内へ規定量の気体を吹き込む作用が達成される。これらの押さえ型による方法は、適宜併用することができる。また、第III態様による整形工程を実施後は、速やかに包装袋Pの開口をシールすることが望ましい。
以上の本発明の主旨を踏まえる限り、夫々の発明に応用変形を加え得ること、及び夫々の発明を組合せ得ることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明は、新しい食品充填包装袋の製造方法及びその装置に関するものであり、本発明によれば、1)包装袋内の気体量を所定量とすることできるため、殺菌効率と食品の品質保持の両面の効果を良好に達成して、高品質の殺菌済食品を製造することが可能となり、同時に上記の効果が更に安定に達成される、2)特に、上記の点で、本発明を、容量が1kgを超える大型の包装袋(2kgを超える包装袋に更に好適である)に適用することが有効である、3)また、包装袋の厚みがあり、底部に角部が形成され、その部分に空気が溜まりやすいスタンディングパウチに適用することが有効である、4)殺菌時における包装袋の破損を確実に防止することができ、多量生産における生産効率を向上させ、製品ロスを低減できる、5)本発明の態様の2つ以上を兼備するか、これらの機能を有する装置を包装充填装置に兼備すれば、包装袋の大きさ、形状や充填物の種類に応じて、各態様乃至装置を選択し、組合せて発明を実施することにより、夫々に好適な脱気操作を行うことが可能となる、6)殺菌前に包装袋内部の含気量を検査する工程(殺菌不良を無くすため)を除いて工程を簡略化できる場合がある、という格別の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】形物の充填機の模式図を示す。
【図2】填方法の一例の模式図を示す。
【図3】填方法の他の一例の模式図を示す。
【図4】動による脱気装置の模式図を示す。
【図5】 本発明の成形脱気方法の一例の模式図を示す。
【図6】 本発明の押さえ型の一例の模式図を示す。
【符号の説明】
2 固形物
4 リテイナー
5 移送装置
7 ストッパー
8a シュート
8b シュート
9 加熱装置
10 反転位置
11 落下経路
12 蒸気供給管
13 上記供給管
14 ショックアブソーバー機構
15a 板材
15b 板材
16 シュート
16a 把持爪
16b 把持爪
17 接触面
18 振動棒
18a 振動棒
18b 振動棒
18c 振動棒
20 赤外線カメラ又は放射温度計
21 レーザーセンサ・超音波センサ等の距離計(センサ)
21a 押さえ板
21b 押さえ板
22 押さえ板
23 減圧用細管
24 エアノズル
25 液面(の高さ)
100 液状物
P 包装袋

Claims (1)

  1. 液状の食品を空気、又は不活性ガスの気体と共にレトルトパウチに用いる包装袋に充填、密封し、回転式レトルト殺菌により加圧加熱殺菌処理する食品充填包装袋の製造方法において、1)上記充填した後、包装袋を整形する工程によって脱気し、一定の含気率となる状態で包装袋の開口をシールした包装袋を製造する、2)その際に、上記整形工程の前に、液面を検出し、検出結果に基づいて整形工程の動作を調節することによって、脱気量を整え、包装袋の気体量を一定にする、ことを特徴とする該包装袋の製造方法。
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