JP4427678B2 - 化粧品収納容器 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は口紅、リップクリーム、スチックアイシャドウ、スチックファンデーション等の化粧品を収納する化粧品収納容器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ハカマ部材と、このハカマ部材の内底部と嵌合する嵌合部、この嵌合部の上部外周部にリング状の巻き締め溝、この巻き締め溝の上部に軸心方向の切欠部を有する内筒部材本体とからなる内筒部材と、この内筒部材の外周部に回動可能に取付けられた螺旋溝を有する螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を覆い、下端部の前記内筒部材の巻き締め溝と対応する部位で回動可能に巻き締めされた外筒部材と、前記内筒部材内に上下移動可能に取付けられた口紅を支持する該内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺旋溝と係合する係合ピンを有する皿部材とを用いて口紅等の収納容器を構成している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種の口紅収納容器は、外筒部材の下端部を内筒部材に回動可能に巻き締めしているため、皿部材に口紅を充填してしまうと、口紅の交換等は口紅収納容器の組み付け状態では皿部材や内筒部材の掃除が大変でコスト高となり、廃棄処分せざるを得ないという欠点があるとともに、内筒部材と外筒部材を分解することが困難なため再利用することは難しく、産業廃棄物となってしまうという欠点があった。
【０００４】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、口紅等を充填した後にでも外筒部材や内筒部材を抜き取り、新しい口紅等を容易に充填し直せ、経済的に使用できるとともに、効率よく分解組み立てができ、容易に部品別あるいは素材別に分別することができる化粧品収納容器を提供することを目的としている。
【０００５】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は底面に治具挿入孔が形成されたハカマ部材と、このハカマ部材内に収納された治具挿入孔からの治具の挿入によって上方へスライド移動する皿状の係合解除部材と、前記ハカマ部材内に上部のキャップ嵌合部を残して挿入固定される下部に内筒部材の抜け脱を防止する係合部および該係合部位に撓み防止片が形成され、該撓み防止片と対応する前記キャップ嵌合部に嵌合突起が形成された金属材製のキャップ嵌合部材と、このキャップ嵌合部材内に挿入され、該キャップ嵌合部材の係合部と前記係合解除部材のスライド移動以外では係合状態を保持するように係合する下部寄りの部位に形成された係合片、この係合片の上部外周部に形成されたリング状の係止溝および、この係止溝が形成された部位で前記係合片と対応する部位に形成された前記キヤップ嵌合部材の撓み防止片が挿入される切欠溝を有する内筒部材と、前記キャップ嵌合部材内に下部が挿入されるとともに、前記内筒部材の係止溝と回転可能に係合するリング状の係止片が下部寄りの部位に形成された金属材製の外筒部材と、この外筒部材内に上下移動可能に取付けられた化粧品を支持する皿部材と、前記ハカマ部材と前記外筒部材とを回動させることにより、前記皿部材を上下移動させることができる上下移動機構とで化粧品収納容器を構成している。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
【０００８】
図１ないし図１５に示す本発明の第１の実施の形態において、１は口紅等の化粧品を収納する本発明の化粧品収納容器で、この化粧品収納容器１は図２に示すように、底面中央部に治具挿入孔２が形成された楕円筒状の金属材製のハカマ部材３と、このハカマ部材３内に回動不能で上下方向にスライド移動可能に収納された前記治具挿入孔２からの治具４の挿入によって上方へスライド移動する皿状の係合解除部材５と、前記ハカマ部材３内に上部のキャップ嵌合部６を残し挿入固定される下部の対向する長径部側の外壁面に凹部７、７を形成して形成された内筒部材の抜け脱を防止する係合部８、８および、前記凹部７、７の中央部部位に撓み防止片９、９が形成され、該撓み防止片９、９と対応する前記キャップ嵌合部６に嵌合突起１０、１０が形成された金属材製の楕円筒状のキャップ嵌合部材１１と、このキャップ嵌合部材１１内に挿入され、該キャップ嵌合部材１１の係合部８、８と前記係合解除部材５のスライド移動以外では係合状態を保持するように係合する下部寄りの部位に形成された係合片１２、１２、この係合片１２、１２の上部外周部に形成されたリング状の係止溝１３およびこのリング状の係止溝１３が形成された部位で前記係合片１２、１２と対応する部位に形成された前記キャップ嵌合部材６の撓み防止片９、９が挿入される切欠溝１４、１４を有する円筒状の内筒部材１５と、前記キャップ嵌合部材１１内に下部が挿入されるとともに、前記内筒部材１５のリング状の係止溝１３と回転可能に係合するリング状の係止片１６が下部寄りの部位に形成され、上部が傾斜面に形成された金属材製の円筒状の外筒部材１７と、この外筒部材１７内に上下移動可能に取付けられた、口紅等の化粧品１８を支持する皿部材１９と、前記ハカマ部材３と前記外筒部材１７とを回動させることにより、前記皿部材１９を上下移動させることができる上下移動機構２０と、前記キャップ嵌合部材１１のキャップ嵌合部６の嵌合突起１０、１０と着脱可能に嵌合して、前記外筒部材１７の上部を覆うキャップ２１とで構成されている。
【０００９】
前記係合解除部材５は金属材で、図５に示すように長径側の両側面で前記内筒部材１５の下部を挿入支持できるように小径に形成されている。
【００１０】
前記キャップ嵌合部材１１は図４ないし図６に示すように、金属材で楕円筒状に形成されたキャップ嵌合部材本体２２と、このキャップ嵌合部材本体２２の上端部が円形状となるように絞り形成された絞り部２３と、前記キャップ嵌合部材本体２２のほぼ中央部に外方へ突出する複数、本発明の実施の形態では４個の嵌合突起２４、２４、２４、２４と、前記キャップ嵌合部材本体２２の下部に形成された凹部７、７の一方の角部に形成されたポケットダボ２５、２５等とで構成されている。
【００１１】
前記内筒部材１５は図７ないし図９に示すように、合成樹脂材で下端部が前記係合解除部材５内に挿入される筒状に形成された内筒部材本体２６と、この内筒部材本体２６の下部寄りの部位をコ字状の切欠部２７、２７を形成して、該コ字状の切欠部２７、２７で形成された舌片２８、２８の遊端部が外方へ突出するように形成された係合片１２、１２と、前記内筒部材本体２６のコ字状の切欠部２７、２７のほぼ中央部より軸心方向に形成された切欠溝１４、１４と、この切欠溝１４、１４と対応する部位の前記係合片１２、１２部位に形成された、前記撓み防止片９、９をスムーズに通過させる撓み防止片通過溝２９、２９と、前記内筒部材本体２６のほぼ中央部の外周部に形成されたリング状の係止溝１３の上部外周部に外方へ突出する、前記外筒部材１７の内壁面に押し圧される抵抗付与突起３０、３０、この抵抗付与突起３０、３０の上下部位にそれぞれ形成させた２対の弾性付与切欠溝３１、３１、３１、３１と、前記内筒部材本体２６の上部内壁面に形成された上下移動機構２０の一部を構成するねじ孔３２とで構成されている。
【００１２】
前記外筒部材１７は図１０に示すように、金属材で形成された外筒部材本体３３と、この外筒部材本体３３の下部に形成されたリング状の係止片１６と、前記外筒部材本体３３の上部内壁面を除く部位に形成された前記上下移動機構２０の一部を構成する複数個の軸心方向のガイド溝３４とで構成されている。
【００１３】
前記皿部材１９は図１１に示すように、合成樹脂材で形成された口紅等の化粧品１８を支持する皿部材本体３５と、この皿部材本体３５に形成された前記上下移動機構２０の一部を構成する、該皿部材本体３５の下部外周部に外方へ突出するように形成された前記外筒部材１７のガイド溝３４と係合する複数個の係合片３６および皿部材本体３５の底面ほぼ中央部より下方へ突出した前記内筒部材１５のねじ孔３２と螺合するねじ棒、本発明の実施の形態では多数個の突起を複数列並列して形成したねじ棒３７とで構成されている。
【００１４】
上記構成の化粧品収納容器１は図１２に示すように、ハカマ部材３内に係合解除部材５を挿入した後、ハカマ部材３内にキャップ嵌合部材１１を押し込み、嵌合固定してハカマ部材組付け品３８を組付ける。
また、図１３に示すように内筒部材１５に皿部材１９を取付け、外筒部材１７の下端部より皿部材１９および内筒部材１５を押し込み、外筒部材１７のリング状の係止片１６と内筒部材のリング状の係止溝１３とを係合させ、外筒部材組付け品３９を組付ける。
しかる後、図１４に示すように外筒部材組付け品３９の係合片１２とハカマ部材組付け品３８のキャップ嵌合部６の嵌合突起１０とを位置合わせして、ハカマ部材組付け品３８内に外筒部材組付け品３９を押し込み、内筒部材１５の係合片１２、１２とキャップ嵌合部材１１の係合部８、８と係合させる。
【００１５】
このように組付けられた化粧品収納容器１はハカマ部材３と外筒部材１７とを持って回動させることにより、皿部材１９を上下移動させることができるとともに、ハカマ部材３より外筒部材１７を引き抜こうとしても、内筒部材１５の係合片１２、１２がキャップ嵌合部材１１の係合部８、８との係合により、抜け脱するのを防止する。
【００１６】
皿部材１９に充填した口紅等の化粧品１８が不良品になったりした場合には、図１５に示すようにハカマ部材３の治具挿入孔２より棒状の治具４を挿入して皿状の係合解除部材５を押し上げることにより、内筒部材１５の係合片１２、１２を内筒部材１５内方向へ押し込み、キャップ嵌合部材１１の係合部８、８との係合を解除し、外筒部材１７をハカマ部材３より引き抜くように引っ張ることにより、容易に抜き取ることができる。
【００１７】
【発明の異なる実施の形態】
次に、図１６ないし図１８に示す本発明の異なる実施の形態につき説明する。なお、この本発明の異なる実施の形態の説明に当って、前記本発明の第１の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【００１８】
図１６ないし図１８に示す本発明の第２の実施の形態において、前記本発明の第１の実施の形態と主に異なる点は四角形状のハカマ部材３Ａと、このハカマ部材３Ａとの嵌合部およびキャップ嵌合部６Ａが四角形状に形成されたキャップ嵌合部材１１Ａと、四角形状のキャップ２１Ａとを用いた点で、このように構成した化粧品収納容器１Ａにしても、前記本発明の第１の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【００１９】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【００２０】
（１）底面に治具挿入孔が形成されたハカマ部材と、このハカマ部材内に収納された治具挿入孔からの治具の挿入によって上方へスライド移動する皿状の係合解除部材と、前記ハカマ部材内に上部のキャップ嵌合部を残して挿入固定される下部に内筒部材の抜け脱を防止する係合部および該係合部位に撓み防止片が形成され、該撓み防止片と対応する前記キャップ嵌合部に嵌合突起が形成された金属材製のキャップ嵌合部材と、このキャップ嵌合部材内に挿入され、該キャップ嵌合部材の係合部と前記係合解除部材のスライド移動以外では係合状態を保持するように係合する下部寄りの部位に形成された係合片、この係合片の上部外周部に形成されたリング状の係止溝および、この係止溝が形成された部位で前記係合片と対応する部位に形成された前記キヤップ嵌合部材の撓み防止片が挿入される切欠溝を有する内筒部材と、前記キャップ嵌合部材内に下部が挿入されるとともに、前記内筒部材の係止溝と回転可能に係合するリング状の係止片が下部寄りの部位に形成された金属材製の外筒部材と、この外筒部材内に上下移動可能に取付けられた化粧品を支持する皿部材と、前記ハカマ部材と前記外筒部材とを回動させることにより、前記皿部材を上下移動させることができる上下移動機構とで構成されているので、ハカマ部材の治具挿入孔より治具を挿入して、皿状の係合解除部材を押し上げることにより、キャップ嵌合部材の係合と係合している内筒部材の係合片の係合状態を解除することができる。
したがって、化粧品の充填後に交換作業も容易に行なうことができ、従来のように全体を廃棄処分する必要がなく、経済的に使用することができる。
【００２１】
（２）前記（１）によって、組付けられた状態で外筒部材をハカマ部材より抜き取る方向に力を加えても、内筒部材の係合片がキャップ嵌合部材の係合部と係合および内筒部材の切欠溝に挿入されているキャップ嵌合部材の撓み防止片によって、抜け脱を確実に阻止することができる。
【００２２】
（３）前記（１）によって、各部品に容易に分解することができる。
したがって、再使用や材質毎に分別して再利用を図ることができ、経済的に使用することができる。
【００２３】
（４）請求項２も前記（１）〜（３）と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の断面図。
【図２】本発明の第１の実施の形態のハカマ部材の説明図。
【図３】本発明の第１の実施の形態の係合解除部材の説明図。
【図４】本発明の第１の実施の形態のキャップ嵌合部材の一部破断正面図。
【図５】本発明の第１の実施の形態のキャップ嵌合部材の平面図。
【図６】本発明の第１の実施の形態のキャップ嵌合部材の底面図。
【図７】本発明の第１の実施の形態の内筒部材の一部破断正面図。
【図８】本発明の第１の実施の形態の内筒部材の一部破断側面図。
【図９】本発明の第１の実施の形態の内筒部材の底面図。
【図１０】本発明の第１の実施の形態の外外筒部材の説明図。
【図１１】本発明の第１の実施の形態の皿部材の説明図。
【図１２】ハカマ部材組付け品の組付け状態の説明図。
【図１３】外筒部材組付け品の組付け状態の説明図。
【図１４】本発明の第１の実施の形態の組付け状態の説明図。
【図１５】本発明の第１の実施の形態の分解状態の説明図。
【図１６】本発明の第２の実施の形態の断面図。
【図１７】本発明の第２の実施の形態のハカマ部材の説明図。
【図１８】本発明の第２の実施の形態のキャップ嵌合部材の説明図。
【符号の説明】
１、１Ａ：化粧品収納容器、
２：治具挿入孔、 ３、３Ａ：ハカマ部材、
４：治具、 ５：係合解除部材、
６、６Ａ：キャップ嵌合部、
７：凹部、 ８：係合部、
９：撓み防止片、 １０：嵌合突起、
１１、１１Ａ：キャップ嵌合部材、
１２：係合片、 １３：リング状の係止溝、
１４：切欠溝、 １５：内筒部材、
１６：リング状の係止片、１７：外筒部材、
１８：口紅等の化粧品、 １９：皿部材、
２０：上下移動機構、 ２１、２１Ａ：キャップ、
２２：キャップ嵌合部材本体、
２３：絞り部、 ２４：嵌合突起、
２５：ポケットダボ、 ２６：内筒部材本体、
２７：コ字状の切欠部、 ２８：舌片、
２９：撓み防止片通過溝、３０：抵抗付与突起、
３１：弾性付与切欠溝、 ３２：ねじ孔、
３３：外筒部材本体、 ３４：ガイド溝、
３５：皿部材本体、 ３６：係合片、
３７：ねじ棒、 ３８：ハカマ部材組付け品、
３９：外筒部材組付け品。

Claims (2)

1. 底面に治具挿入孔が形成されたハカマ部材と、このハカマ部材内に収納された治具挿入孔からの治具の挿入によって上方へスライド移動する皿状の係合解除部材と、前記ハカマ部材内に上部のキャップ嵌合部を残して挿入固定される下部に内筒部材の抜け脱を防止する係合部および該係合部位に撓み防止片が形成され、該撓み防止片と対応する前記キャップ嵌合部に嵌合突起が形成された金属材製のキャップ嵌合部材と、このキャップ嵌合部材内に挿入され、該キャップ嵌合部材の係合部と前記係合解除部材のスライド移動以外では係合状態を保持するように係合する下部寄りの部位に形成された係合片、この係合片の上部外周部に形成されたリング状の係止溝および、この係止溝が形成された部位で前記係合片と対応する部位に形成された前記キヤップ嵌合部材の撓み防止片が挿入される切欠溝を有する内筒部材と、前記キャップ嵌合部材内に下部が挿入されるとともに、前記内筒部材の係止溝と回転可能に係合するリング状の係止片が下部寄りの部位に形成された金属材製の外筒部材と、この外筒部材内に上下移動可能に取付けられた化粧品を支持する皿部材と、前記ハカマ部材と前記外筒部材とを回動させることにより、前記皿部材を上下移動させることができる上下移動機構とからなることを特徴とする化粧品収納容器。
2. 底面に治具挿入孔が形成された楕円筒状のハカマ部材と、このハカマ部材内に回動不能で、上下方向にスライド移動可能に収納された治具挿入孔からの治具の挿入によって上方へスライド移動する皿状の係合解除部材と、前記ハカマ部材内に上部のキャップ嵌合部を残して挿入固定される下部の対向する長径部側の外壁面に凹部を形成して形成された内筒部材の抜け脱を防止する係合部および前記凹部部位に撓み防止片が形成され、該撓み防止片と対応する前記キャップ嵌合部に嵌合突起が形成された金属材製の楕円筒状のキャップ嵌合部材と、このキャップ嵌合部材内に挿入され、該キャップ嵌合部材の係合部と前記係合解除部材のスライド移動以外では係合状態を保持するように係合する下部寄りの部位に形成された係合片、この係合片の上部外周部に形成されたリング状の係止溝およびこの係止溝が形成された部位で前記係合片と対応する部位に形成された前記キヤップ嵌合部材の撓み防止片が挿入される切欠溝を有する円筒状の内筒部材と、前記キャップ嵌合部材内に下部が挿入されるとともに、前記内筒部材の係止溝と回転可能に係合するリング状の係止片が下部寄りの部位に形成され、上部が傾斜面に形成された金属材製の円筒状の外筒部材と、この外筒部材内に上下移動可能に取付けられた化粧品を支持する皿部材と、前記ハカマ部材と前記外筒部材とを回動させることにより、前記皿部材を上下移動させることができる上下移動機構とからなることを特徴とする化粧品収納容器。

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