JP4427216B2 - 接着剤、貼着対象物の接続方法、及び光学装置 - Google Patents

接着剤、貼着対象物の接続方法、及び光学装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は接着剤にかかり、特に、光学装置に用いられるガラス部品と樹脂部品とを貼り合わせる接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光ピックアップ用の光学装置に用いられる種々のレンズや支持部材、受光素子などの光学部品の材質には、ガラスが用いられており、光学部品同士の接続には、紫外線硬化型の接着剤が広く用いられている。
【0003】
ところで、各光学部品を構成する材質として、ポリメチルメタクリレート(以下PMMAと略記する)やポリカーボネ−ト等の樹脂が注目されている。これらの樹脂はガラスに比べて軽く、成形が容易であり、樹脂からなる光学部品を用いることで光学装置全体の小型軽量化が可能である上、製造にかかるコストも安い。
従って、光学部品の材質はガラスから樹脂へ移行しつつあり、現状では一つの光学装置内にガラスからなる光学部品と樹脂からなる光学部品とが混在することが多い。
【0004】
しかしながら、PMMA等の樹脂とガラスとでは熱膨張率が異なるため、樹脂からなる光学部品とガラスからなる光学部品とを接着剤で貼り合わせた場合、光学装置周囲の温度が上昇した場合に、膨張率の差により生じる応力により、光学部品が接着剤から剥がれる場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、線膨張係数が高く、かつ、適度な弾性を有する接着剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、重合性成分と、ゴム成分と、光重合開始剤とを含有し、紫外線の照射で前記重合性成分と前記ゴム成分とが重合するように構成された接着剤であって、前記重合性成分は、アクリルモノマーであるフェノキシエチルアクリレートと、ウレタンアクリレートの低重合体であるアクリルオリゴマーを含有し、前記ゴム成分は、ニトリルブタジエンゴム含有し、200mW/cm2の照度で300mJ/cm2の積算光量での紫外線照射による重合後の状態では、引張切断において、切断時の標線間距離L1と引張り前の標線間距離L0から、下記式、
N = (L1−L0)/L0×100
で求めた伸び率N(%)が200%以上であり、前記アクリルオリゴマーを単独重合させた場合に得られるポリマーの前記伸び率N(%)は150%以上である接着剤である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の接着剤であって、前記重合性成分100重量部に対する前記ニトリルブタジエンゴムの添加量は、0.5重量部以上である接着剤である。
請求項3記載の発明は、貼着対象物の接続方法であって、ガラスからなる第一の貼着対象物と、樹脂からなる第二の貼着対象物とを、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の接着剤からなる塗布層を介して密着させる工程と、前記塗布層に紫外線を照射させ、前記塗布層を構成する接着剤を硬化させる工程とを有する貼着対象物の接続方法である。
請求項4記載の発明は、光学装置であって、ガラスからなる第一の光学部品と、樹脂からなる第二の光学部品とを有し、前記第一の光学部品と前記第二の光学部品との間に、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の接着剤が配置され、前記接着剤が前記第一の光学部品と前記第二の光学部品の両方に密着した状態で、紫外線照射により前記接着剤が硬化された光学装置である。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の光学装置であって、前記第二の光学部品を構成する樹脂は、ポリメチルメタクリレートと、ポリエチレンテレフタレートと、ポリカーボネートと、ノルボルネン樹脂ポリマーとからなる群より選択される樹脂を含有する光学装置である。
【0007】
本発明において、「アクリルモノマー」とは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味し、「アクリルオリゴマー」とは、アクリレートとメタクリレートの一方又は両方からなる低重合体を意味する。
【0008】
本発明は上記のように構成されており、重合性成分を構成するアクリルオリゴマーとアクリルモノマーによって、硬化した後の接着剤全体の伸び率が200%以上と柔軟性が高くなっている。また、ゴムが添加されることによって、硬化した後の接着剤は適度な弾性をも有する。
【0009】
従って、本発明の接着剤によってガラスと樹脂のように、膨張率が大きく異なる貼着対象物同士を貼り合わせた場合に、膨張率の差により生じる応力は、該接着剤によって緩和される上、応力によって変形した接着剤は弾性により復元するので、貼り合わされた貼着対象物の位置がずれない。
【0010】
また、上記のような接着剤は樹脂やガラスに対する接着性も高いので、接着剤が貼着対象物から剥れ難い。本発明の接着剤には着色剤等の種々の添加剤を添加することができる。また、本発明の接着剤は、着色剤が添加されていない状態では、硬化した後の硬化物の透明性が高い。
【0011】
尚、本発明で「伸び率」とは、JIS K6251の「引張試験」に記載されている「切断時伸び」のことであり、下記の方法により測定した。
測定対象物である接着剤やオリゴマーに、ランプ出力120W/cmのメタルハライドランプを用いて、照度200mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、完全に硬化させてフィルム状の硬化物(膜厚約0.5mm)を得た後、ダンベル4号の金型で打ち抜いたものを試験片とした。
【0012】
試験片はJIS K6251の「引張試験方法」に記載されている条件で、切断する時点の標線間の距離を測定し、切断時の標線間距離L1から引張り前の標線間距離L0を引き、その値から更に引張り前の標線間距離L0を除し、100を乗じたものを伸び率とした((L1−L0)/L0×100、単位:%)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の接着剤の製造方法を説明する。
先ず、単独重合した場合に得られるポリマーの伸び率が150%以上となるアクリルオリゴマーを用意し、該アクリルオリゴマーとアクリルモノマーとを混合して重合性成分とする。
【0014】
次に、重合性成分に、光重合開始剤とゴム成分とを添加、混合し、本発明の接着剤を作成する。
この接着剤は、紫外線を照射しない条件では常温で液状であり、可視光や近赤外線に対して高い透過性を有している。
【0015】
次に、上記の接着剤を用いて本発明の光学装置を製造する工程について説明する。
図1(a)の符号11はガラスからなる透明な第一の貼着対象物を示している。この第一の貼着対象物11の表面に上記工程で作製された接着剤を塗布し、接着剤の塗布層14を形成する(図1(b))。
【0016】
次いで、塗布層14に樹脂フィルムからなる透明な第二の貼着対象物17を押し当てる(図1(c))。その状態で、第二の貼着対象物17に向かって紫外線を照射し、紫外線が透明な第二の貼着対象物17を透過して塗布層14に到達すると、塗布層14を構成する接着剤の重合性成分が紫外線により重合して接着剤が硬化する。
【0017】
図1(d)の符号15は硬化した接着剤からなる接着剤層を示しており、該接着剤層15によって第一、第二の貼着対象物11、17が互いに貼り合わされる。
図1(d)の符号10は第一、第二の貼着対象物11、17が貼り合わされてなる積層体を示している。
【0018】
次に、本発明の接着剤を用いた光学装置の一例について説明する。
図2の符号20は光学装置の一例を示している。光学装置20はガラスレンズである第一の光学部品25と、支持部材であり、PMMAなどの樹脂からなる第二の光学部品27とを有している。
【0019】
第一の光学部品25は、図1(a)〜(d)に示した工程で接着剤層26を介して第二の光学部品27に貼りつけられており、第一の光学部品25は第二の光学部品27に支持されることによって所定位置で保持されている。
【0020】
この光学装置20を用いて光学的記録媒体21の情報を読み取るには、先ず、レーザー照射装置28から光学的記録媒体22にレーザー光21を照射する。光学的記録媒体22で反射されたレーザー光21は光学装置20の第一の光学部品25から光学装置20内に入射し、不図示の受光素子によって検出される。
【0021】
光学的記録媒体22では、情報が凹凸のパターンとして記録されており、光学的記録媒体22で反射されるレーザー光21の強度は凹凸のパターンで変化するので、反射されるレーザー光21の強度変化を検出することで、光学的記録媒体22の情報を読み取ることができる。
【0022】
本発明の接着剤では、特定のアクリルオリゴマーとアクリルモノマーとを配合することで、硬化した接着剤層26の伸び率が200%以上と高くなっており、異なる線膨張係数を有する第一、第二の光学部品25、27が加熱し、膨張した場合であっても、膨張率の差により生じる応力は硬化した接着剤層26によって吸収、緩和されるので、第一、第二の光学部品25、27が接着剤層26から剥がれることがない。
【0023】
また、ゴム成分添加されたことによって接着剤層26が適度な弾性を示すので、外部からの物理的衝撃や温度変化などにより接着剤層26が変形した場合も、接着剤層26はその弾性により復元する。
【0024】
従って、接着剤層26を介して第二の光学部品27に取り付けられた第一の光学部品25は、常に所定位置に保持されるので、第一の光学部品25から入射するレーザー光21の焦点距離や結像のずれが防止される。
【0025】
【実施例】
<実施例1>
単独重合させた場合のポリマーの伸び率が150%以上であるアクリルオリゴマー(サートマー(株)社製の商品名「CN966J75」)30重量部に対し、アクリルモノマーであるフェノキシエチルアクリレート70重量部を添加、混合し、アクリルモノマーとアクリルオリゴマーとからなる重合性成分を作製した。
尚、ここで用いたアクリルオリゴマーはウレタンアクリレートの低重合体であり、単独重合させた場合に得られるポリマーの伸び率は238%であった。
【0026】
次いで、重合性成分100重量部に対し、ゴム成分であるニトリルブタジエンゴム2重量部と、ラジカル系の光重合開始剤である長瀬産業(株)社製の商品名「イルガキュア184」とを添加、混合し、液状で透明な実施例1の接着剤を得た。
【0027】
<実施例2〜7>
実施例1で用いたアクリルモノマーとアクリルオリゴマーの添加量と、ゴム成分の添加量とをそれぞれ下記表1に示すように変えた以外は実施例1と同じ条件で実施例2〜7の接着剤を作製した。
【0028】
【表1】
Figure 0004427216
【0029】
<比較例1>
ゴム成分を添加しない以外は、実施例2〜7と同じ条件で比較例2の接着剤を作製した。
【0030】
<比較例2、3>
アクリルオリゴマーとして、単独重合させた場合に得られるポリマーの伸び率が150%未満であるアクリルオリゴマー(サートマー(株)社製の商品名「CN980」)を用い、上記表1に記載した配合比率で比較例2、3の接着剤を作製した。尚、比較例2、3で用いたアクリルオリゴマーは、ウレタンアクリレートの低重合体であり、単独重合させた場合に得られるポリマーの伸び率は63%であった。
これら実施例1〜7、比較例1〜3の接着剤を用いて下記に示す「線膨張係数」、「弾性」、「信頼性試験」、「伸び率」各評価試験を行った。
【0031】
〔伸び率〕
実施例1〜7、比較例1〜3の接着剤を剥離紙上に塗布し、塗布層を形成し、ランプ出力120W/cmのメタルハライドランプを用いて、照度200mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させた後、硬化した接着剤を剥離紙から剥離し、10種類のフィルム状試験片をそれぞれ作製した。これら10種類の試験片を用いて、上述したようにJIS K6251の「引張り試験」の方法に準じて試験片の伸び率を測定し、得られた伸び率(%)を上記表1にそれぞれ記載した。
【0032】
〔線膨張係数〕
上記「伸び率」試験と同じ工程で10種類の試験片を作製し、それらの試験片に所定の荷重を加えた状態で初期長さLを測定した後、測定雰囲気の温度を25℃から85℃まで上昇させて試験片の温度上昇による長さの増加量dLを測定した。長さの増加量dLと、温度の変化量dTと、試料片の初期長さLとをそれぞれ下記式(1)に当てはめ、線膨張係数bを求めた。
式(1):b=(dL/dT)/L
得られた線膨張係数(×10-5/K)を上記表1にそれぞれ記載した。
【0033】
〔戻り率〕
上記「線膨張係数」試験で作製した試験片に1gの荷重を加えた状態で−40℃まで冷却する冷却処理と、85℃まで昇温する加熱処理とを繰り返し行い、−40℃のときと85℃のときの長さを測定した。
初期状態の温度は25℃の室温であり、最初に冷却処理を行った。
【0034】
第1回目の冷却処理のとき(25℃から−40℃まで冷却したとき)の試験片の長さP1と、第2回目、第3回目の冷却処理(85℃から−40℃まで冷却したとき)の試験片の長さP2、P3と、第1回目、第2回目の加熱処理のとき(−40℃から85℃まで加熱したとき)の試験片の長さQ1、Q2を測定し、低温時戻り率R1、R2(%)と、高温時戻り率S1(%)を、下記式、
1 = (P2−P1)/P1×100
2 = (P3−P1)/P1×100
1 = (Q2−Q1)/Q1×100
によって求めた。
尚、1回の加熱処理と1回の冷却処理に要する時間の合計は30分間であった。戻り率の値が低いほど、試料片の弾性は高いことを示している。
【0035】
〔信頼性試験〕
白板ガラスからなる第一の貼着対象物11に実施例1〜7、比較例1〜3の10種類の接着剤をスピンコート法によって塗布して塗布層14を形成し、該塗布層14に第二の貼着対象物17であるPMMA樹脂フィルムを密着させた後、上記「伸び率」試験と同じ照射条件で紫外線を照射し、積層体10からなる10種類の試験片を作製した。これら10種類の試験片を、「戻り率」と同じ条件で冷却処理と加熱処理とを繰り返しながら観察した。
【0036】
加熱冷却処理が400時間未満で接着剤層15の剥がれやクラック(亀裂)等が観察された場合を「NG」、400時間未満では外観の変化が起こらなかったものを「OK」として評価した。評価結果と外観変化が確認されたときの時間とを上記表1に記載した。
【0037】
上記表1から明らかなように、本発明実施例1〜7は、硬化した後の伸び率が200%以上であり、線膨張係数も大きく、充分な柔軟性を有していることがわかる。また、実施例1〜7では、戻り率も充分に低く、硬化後の接着剤が充分な弾性を有していることがわかる。
また信頼性試験の結果から明らかなように、柔軟性と弾性を併せ持つ実施例1〜7の接着剤では、比較例1〜3に比べて温度変化による耐久性が高い。
【0038】
これらの中でも、ゴム成分の添加量が0.5重量部以上15重量部以下である実施例1〜6は、ゴム成分の添加量が0.1重量部である実施例7に比べて戻り率が低く、信頼性試験においても高い結果が得られた。
他方、実施例2〜7と同じ重合性成分を含有するが、ゴム成分を含有しない比較例1の場合、線膨張係数や伸び率の結果は実施例1〜7と同程度であったが、各温度における戻り率が高かった。
【0039】
また、ゴム成分を含有するが、アクリルオリゴマーの単独重合させた場合に得れられるポリマーの伸び率が150%未満である比較例2、3では、弾性試験の戻り率の値は実施例1〜7と同程度に低かったが、線膨張係数や伸び率の値が低くかった。線膨張係数等で示される柔軟性や、戻り率で示される弾性のいずれかが充分ではない比較例1〜3では、信頼性試験の結果も悪く、比較例1では200時間で接着剤層の剥がれが見られ、比較例2、3ではそれぞれ100時間で接着剤層にクラックが見られた。
【0040】
尚、単独重合させた場合に得られるポリマーの伸び率が81%であるアクリルオリゴマー(サートマー(株)社製の商品名「CN981」)を用いた以外は比較例2、3と同じ条件で試験片を作製したところ、比較例2、3と同様に線膨張係数や伸び率の値が低かった。
【0041】
これらのことから、本発明の接着剤は、特定の重合性成分を用いることによって硬化後の伸び率や線膨張係数が高く、ゴム成分が添加されることによって硬化後に適度な弾性を有し、結果、信頼性が高くなっていることが確認された。
【0042】
以上は、アクリルモノマーとしてフェノキシエチルアクリレートを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート等種々のアクリレートを用いることができ、これらのアクリレートを単独で用いても良いし、2種類以上混合させたものを用いてもよい。
【0043】
また、アクリルオリゴマーもウレタンアクリレートの低重合体に限定されるものではなく、単独重合させた場合に得られるポリマーの伸び率が150%以上であれば、エステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等種々のアクリレートの低重合体を用いることができる。
また、光重合開始剤も特に限定されるものではない。
【0044】
以上は、ゴム成分としてニトリルブタジエンゴムを用いる場合について説明したが、ニトリルブタジエンゴム以外にも、例えば、天然ゴム、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、1、2ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等種々のゴムを用いることができる。これらのゴム成分は単独で用いてもよいし、2種類以上混合したものを用いてもよい。
【0045】
また、接着剤の貼着対象物を構成する材質はガラスや樹脂に限定されるものではない。貼着対象物を構成する樹脂は、PMMAに限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ−ト、ノルボルネン樹脂ポリマー、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン、ポリプロピレン等種々のものを用いることができる。
【0046】
紫外線の照射方法も特に限定されるものではなく、紫外線を透過する貼着対象物を用いるのであれば、該貼着対象物に紫外線を照射することで、接着剤に紫外線を到達させることができる。
また、紫外線の照射条件も特に限定されるものではないが、紫外線の照射量が多くなりすぎると重合性成分とゴム成分とが過度に重合し、弾性率が失われるので、照度が5mW/cm2以上1000mW/cm2以下であり、かつ積算光量が300mJ/cm2以上5000mJ/cm2以下であることが好ましい。
【0047】
以上は、光学部品25、27であるレンズと支持部材とを貼り合わせる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、異なる材質からなる複数のレンズの貼り合わせや、受光素子やホログラムフィルム等種々の光学部品の貼り合わせに用いることができる。
【0048】
また、貼着対象物は光学部品に限定されるものではなく、本発明の接続方法によれば、例えば、液晶表示装置に用いられる液晶パネルと偏光板とを貼り合わせたり、樹脂フィルムとガラス板とを貼り合わせることができる。例えば、可撓性を有する樹脂フィルムと、ガラス板とを貼り合わせれば、耐衝撃性に優れた複合ガラス板を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、接着剤が硬化した後の伸び率や線膨張係数が高く、かつ適度な弾性を有しているので、熱膨張率が異なる貼着対象物を貼り合わせた場合でも接着剤が剥離せず、貼着対象物の位置ずれも起こり難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d):本発明の接着剤を用いて貼着対象物の貼り合わせる工程を説明するための断面図
【図2】本発明の光学装置の一例を説明するための図
【符号の説明】
10……光学装置
14……接着剤(接着剤の塗布層)
15、26……接着剤層(硬化した接着剤)
11……第一の貼着対象物
17……第二の貼着対象物
20……光学装置
25……第一の光学部品
27……第二の光学部品

Claims (5)

  1. 重合性成分と、ゴム成分と、光重合開始剤とを含有し、紫外線の照射で前記重合性成分と前記ゴム成分とが重合するように構成された接着剤であって、
    前記重合性成分は、アクリルモノマーであるフェノキシエチルアクリレートと、ウレタンアクリレートの低重合体であるアクリルオリゴマーを含有し、前記ゴム成分は、ニトリルブタジエンゴム含有し、
    200mW/cm2の照度で300mJ/cm2の積算光量での紫外線照射による重合後の状態では、引張切断において、切断時の標線間距離L1と引張り前の標線間距離L0から、下記式、
    N = (L1−L0)/L0×100
    で求めた伸び率N(%)が200%以上であり、
    前記アクリルオリゴマーを単独重合させた場合に得られるポリマーの前記伸び率N(%)は150%以上である接着剤。
  2. 前記重合性成分100重量部に対する前記ニトリルブタジエンゴムの添加量は、0.5重量部以上である請求項1記載の接着剤。
  3. ガラスからなる第一の貼着対象物と、樹脂からなる第二の貼着対象物とを、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の接着剤からなる塗布層を介して密着させる工程と、
    前記塗布層に紫外線を照射させ、前記塗布層を構成する接着剤を硬化させる工程とを有する貼着対象物の接続方法。
  4. ガラスからなる第一の光学部品と、樹脂からなる第二の光学部品とを有し、前記第一の光学部品と前記第二の光学部品との間に、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の接着剤が配置され、前記接着剤が前記第一の光学部品と前記第二の光学部品の両方に密着した状態で、紫外線照射により前記接着剤が硬化された光学装置。
  5. 前記第二の光学部品を構成する樹脂は、ポリメチルメタクリレートと、ポリエチレンテレフタレートと、ポリカーボネートと、ノルボルネン樹脂ポリマーとからなる群より選択される樹脂を含有する請求項4記載の光学装置。
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