JP4426719B2 - ジャカード機の選針装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、織機の縦糸開口装置であるジャカード機の選針装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ジャカード機の縦糸の開口を行うための縦針の選針装置は、電歪現象にて湾曲する帯板状の圧電素子体や電磁ソレノイドをアクチュエータとして、任意の縦針選針子を所定角度に揺動させ、該縦針選針子を縦針と係合させることにより縦針の選針を行う構成となっており、例えば実開平4−118483号公報所載の考案が公知である。
【0003】
かかる公報所載のジャカード機の選針装置は、図13に示す如く、昇降駆動されるスライドガイド100と、該スライドガイド100に挿通され、鉤部102がスライドガイド100に係止されることにより、該スライドガイド100の上昇に伴って上昇可能な複数の縦針101,…と、スライドガイド100の上方に配置され、該スライドガイド100と逆位相で昇降駆動されるハウジング104とを備えている。
【0004】
そして、前記ハウジング104内には、複数の縦針101,…に対応して複数の永久磁石付フックレバー(縦針選針子)106,…が揺動自在に装備され、各フックレバー106の永久磁石107に対向したハウジング104内の所定位置には、磁性コアを内挿した電磁ソレノイド109が配置され、さらに、各フックレバー106の下端部には、縦針101の上端部に形成された鉤部103と係合可能なフック部108が形成されている。
【0005】
前記フックレバー106は、スライドガイド100の上昇及びハウジング104の下降による両者の最終接近位置の近傍で、永久磁石107が電磁ソレノイド109により反発駆動された時、フック部108と縦針101の鉤部103とが係合する角度位置となる一方、永久磁石107が対応する電磁ソレノイド109に引付けられた時、係合を解除する角度位置となる。
【0006】
従って、複数のフックレバー106,…の角度位置を各フックレバー106ごとに制御して所望の縦針101を選針することにより、縦針101の下端に通糸110を介して連結された縦糸(図示しない)を所望する態様にて開口させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ジャカード機の選針装置は、複数のフックレバー106,…、複数の電磁ソレノイド109,…、該複数の電磁ソレノイド109,…を制御するための電気回路基板(図示しない)、及び電気ケーブル(図示しない)を備えた比較的重量物であるハウジング104を、選針した縦針101,…と共に昇降駆動させる構成であるため、ハウジング104の昇降動作に伴って大きな振動が発生し、耐久性、選針の信頼性(開口動作の確実性)の面で少なからず問題が生じていた。一方、この振動問題を解決すべく、ハウジング104の昇降速度を下げることも考えられるが、これでは生産性の向上が図れない。
【0008】
また、電磁ソレノイド109のアクチュエータでは処々の問題があるとして、本願出願人が本願に先立ってなした特開平11−81104号公報所載のジャカード機の選針装置は、図14に示す如く、電圧の印加により湾曲する帯状の圧電素子体121をアクチュエータとして用い、圧電素子体121の一端部122を縦針選針子123に係止させることにより、圧電素子体121の湾曲を以て縦針選針子123を選針位置Bと非選針位置Aとに揺動させる構成を採用しているが、この構成によれば、縦針124に大きな荷重を加わると、縦針選針子123に直接連結された圧電素子体121が損傷を受ける可能性がある。
【0009】
また、上記何れの公報所載のジャカード機の選針装置においても、メンテナンスや電磁ソレノイド109(圧電素子体121)の寿命のために、ジャカード機本体(図示しない)から取り外し可能となっているが、ジャカード機の稼働中に選針装置に不具合が生じた場合の該選針装置の取り外し作業においては、まず、作業者が選針された複数の縦針101,…(124,…)をフックレバー106,…(縦針選針子123,…)から一本一本手作業で取り外さなければならず、この作業が極めて煩雑であると共に、長大な時間を要し、ジャカード機の稼働率を低下させる原因となっていた。
【0010】
そこで、本発明は上記の如き問題点に鑑みてなされたもので、耐久性、選針の信頼性(開口動作の確実性)、耐荷重性に優れたジャカード機の選針装置を提供することを第一の課題とし、併せて、交換作業を容易に行うことができるジャカード機の選針装置を提供することを第二の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るジャカード機の選針装置は、複数の縦針20,…,50,…を係止して往復動する搬送部材13,43と、該搬送部材13,43の進行方向に配置され、それぞれ縦針20,50の進路Pに進出する位置Aと縦針20,50の進路Pから退避する位置Bとに揺動可能な複数の縦針選針子5,…,35,…とを備えたジャカード機の選針装置において、前記縦針20,50の少なくとも先端側20a,50aが、該縦針20,50の進路Pに進出した縦針選針子5,35との接触によって屈曲可能に形成され、しかも、該縦針20,50と搬送部材13,43とを相対変位させるべく、該縦針20,50の屈曲した部位23,53を係止可能な係止部材17,47が設けられ、前記縦針20,50又は前記縦針選針子5,35の何れか一方に、縦針20,50の進路Pに対して傾斜する傾斜面6a,36aが形成され、他方に、該傾斜面6a,36aを摺動可能な突起部24,57が形成されてなり、傾斜面6a,36aを突起部24,57が摺動することにより、縦針20,50が屈曲するよう構成されてなることを特徴とする。
【0012】
上記構成からなるジャカード機の選針装置によれば、縦針選針子5,35との接触によって屈曲した縦針20,50の少なくとも先端側20a,50aが係止部材17,47に係止された状態で、搬送部材13,43が縦針選針子5,35から離間すると、縦針20,50と搬送部材13,43との相対変位が行なわれる。一方、縦針選針子5,35と接触しないために屈曲しない縦針20,50は、係止部材17,47に係止されることがないため、搬送部材13,43と共に縦針選針子5,35から離間し、縦針20,50と搬送部材13,43との相対変位が行なわれない。この何れかの操作をそれぞれ縦針20,50に対して行なうことにより、縦糸の開口操作を行なうことができる。
【0013】
また、本発明に係るジャカード機の選針装置は、複数の縦針20,…,50,…を係止して往復動する搬送部材13,43と、該搬送部材13,43の進行方向に配置され、それぞれ縦針20,50の進路Pに進出する位置Aと縦針20,50の進路Pから退避する位置Bとに揺動可能な複数の縦針選針子5,…,35,…とを備えたジャカード機の選針装置において、前記縦針20,50の少なくとも先端側20a,50aが、該縦針20,50の進路Pに進出した縦針選針子5,35との接触によって屈曲可能に形成され、しかも、該縦針20,50と搬送部材13,43とを相対変位させるべく、該縦針20,50の屈曲した部位23,53を係止可能な係止部材17,47が設けられてなり、一の縦針選針子35に対し、前記搬送部材43、前記係止部材47及び前記縦針50がそれぞれ一対ずつ設けられ、しかも、一対の搬送部材43,43が、逆位相で往復動するよう構成され、前記縦針選針子35の先端部に、縦針50の進路Pに対して傾斜する一対の傾斜面36a,36aが形成される一方、それぞれの縦針50に、傾斜面36aを摺動可能な突起部57が形成されてなり、一方の突起部57が一方の傾斜面36aを、そして、他方の突起部57が他方の傾斜面36aを摺動することにより、それぞれの縦針50が屈曲するよう構成されてなることを特徴とする。これにより、複動式の選針装置を得ることができる。
【0014】
上記構成からなるジャカード機の選針装置によれば、一対の搬送部材43,43及びこれに伴って一対の縦針50,50が交互に往復動するから、一の縦針選針子3は、何れかの縦針50が接近するごとに選針若しくは非選針を行うこととなる。一対の搬送部材43,43を逆位相で動かすことにより、二本の縦針50,50の両方が同時に接近することはないため、選針若しくは非選針操作が相互に干渉することはなく、一の縦針選針子3を以て一対の縦針50,50の選針若しくは非選針操作をそれぞれ独立に実施することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係るジャカード機の選針装置を図1乃至図4に基づき説明する。
【0016】
20は、縦糸27に連結された通糸28が結び付けられて縦糸27の開口動作を行う縦針である。該縦針20は、上下方向に延びる帯板状の本体片21と、該本体片21の上端側20aと下端側20bを除き、該本体片21の長手方向に沿って付設された補強片22とで構成されている。該補強片22は、本体片21の中心線に沿って該本体片21の板面と直交するように付設された帯板状のもので、図4(ロ)に示す如く、断面視略T字状をなしている。
【0017】
そして、前記本体片21及び補強片22は、樹脂成形で一体的に形成されたもので、材質はナイロン系プラスチック成形品からなっている。従って、本体片21のうち、補強片22が形成された箇所を除く部位、即ち、縦針20の上端側20a(先端側)及び下端側20bは、弾性(可撓性)を備えて屈曲(あるいは湾曲)可能となっている。尚、弾性を備えたもの、例えば針金、平バネ等のバネ性金属であれば、縦針20の材質として採用可能である。
【0018】
また、前記縦針20の上端側20aの一面(表面)には、ナイフ17に係止可能とすべく、鉤部23が形成され、一方、縦針20の上端側20aの他面(裏面)には、縦針選針子5と係合可能とすべく、突起部24が形成されている。前記鉤部23は、縦針20の最上端にフック状に突設されたものであり、前記突起部24は、鉤部23よりも低い位置(縦針20の上端側20aの中間位置)に半円弧状に突設されたものである。
【0019】
さらに、前記縦針20の下端側20bには、通糸28を引っ掛けるための鉤部25が形成されている。該鉤部25は、縦針20の最下端を棒状に細めて略U字状に屈曲したものであり、ここに通糸28を結び付けるようにしている。
【0020】
また、前記縦針20の途中位置には、本体片21の幅を狭めることにより、底板13に係止可能とすべく、係止部(段差部)26が形成されている。該係止部26は、上端側20aの幅を下端側20bの幅よりも細くして形成されたものであり、底板13から下方に抜け落ちるのを防止する目的を持つ。
【0021】
1は、平板状の基板からなるハウジングであり、該ハウジング1は、ジャカード機本体に固定装着されている。そして、ハウジング1の実装面1aに複数突出して並設された軸支部2,…に、縦針選針子5の一部に穿設された孔を嵌合させることにより、縦針選針子5が軸支部2を中心として揺動自在に複数配置される。
【0022】
前記縦針選針子5は、揺動中心に対する一方側である作用部5aと、他方側である揺動部5bとからなり、作用部5aは二股状に形成される一方、揺動部5bの先端には、縦針20の突起部24と係合可能とすべく、実装面1aから離間する方向に突起部6が突設されている。
【0023】
前記突起部6は、側面視略直角台形状に形成されており、該突起部6は、縦針20の長手方向Pに対して傾斜する傾斜面6aと、縦針20の長手方向Pに沿って平行な平坦面6bとを有している。本実施形態においては、傾斜面6aは、縦針選針子5の先端側ほど、縦針20に近づく(ハウジング1の実装面1aから離間する)方向に傾斜しており、平坦面6bは、傾斜面6aに連続して形成されている。
【0024】
8は、揺動操作手段としての圧電素子体であり、該圧電素子体8は帯板状に形成されると共に、一端がハウジング1の実装面1aに形成された突起体3に挟持固定され、他端が縦針選針子5の作用部5aの二股内に係入される。
【0025】
前記圧電素子体8は、例えば曲げ易く且つ曲げ疲労強度に優れた金属基材を帯板状に成形し、表面に圧電セラミック層を被覆したもので、該金属基材及び圧電セラミック層間に電圧を印加すると、圧電セラミック層が電歪現象を呈し、金属基材に曲げ応力が生じるものである。また、前記圧電素子体8は、印加する電圧の正負によって、湾曲する方向を変えることが可能である。
【0026】
従って、前記圧電素子体8は、前記実装面1aに対して帯板面を縦にして取付けられているため、実装面1aに沿って湾曲し、他端が縦針選針子5の二股内の壁面を押圧するようにして縦針選針子5を揺動させることとなるが、正の電圧が印加された場合には、圧電素子体8が左隣の圧電素子体8の方向に湾曲して、縦針選針子5を反時計回りに揺動させると共に、負の電圧が印加された場合には、圧電素子体8が右隣の圧電素子体8の方向に湾曲して、縦針選針子5を時計回りに揺動させる。
【0027】
しかも、前記ハウジング1の実装面1aには、軸支部2と同一間隔で複数の制止部4,…が並設されており、揺動する縦針選針子5が両隣の何れの制止部4,4とも当接して縦針選針子5の揺動範囲は限定されることとなる。
【0028】
以上より、圧電素子体8に正の電圧が印加された場合には、該圧電素子体8が湾曲して縦針選針子5が時計回りに揺動すると共に、該縦針選針子5が揺動方向に位置する制止部4と当接した位置、即ち、縦針20と略同一線上となる位置Aになる揺動する一方、圧電素子体8に負の電圧が印加された場合には、該圧電素子体8が湾曲して縦針選針子5が反時計回りに揺動すると共に、該縦針選針子5が揺動方向に位置する制止部4に当接した位置、即ち、縦針20の長手方向に対して傾斜した位置Bに揺動する。
【0029】
なお、同一間隔にて複数並設された縦針選針子5,…を選択的に揺動させるべく、同一間隔にて複数並設された圧電素子体8,…のうち、任意の圧電素子体8に電圧を印加するための回路基板(図示しない)がハウジング1に設けられており、該回路基板は、コード(図示しない)を介して送られる信号、動力により制御されている。
【0030】
前記底板13は、縦針20を係止して該縦針20を往復動させる第一の搬送部材としての機能を果たすもので、縦針20の長手方向に並んだ一対の平板からなる。そして、ハウジング1側に位置する上底板13a及び縦糸27側に位置する下底板13bには、それぞれ略T字状の挿通孔14a,14bが形成されている。従って、一本の縦針20は、一対の挿通孔14a,14bに挿通され、長手方向にスライド可能となる。
【0031】
しかも、前記下底板13bの挿通孔14bは、縦針20が底板13から抜け落ちて落下するのを防止すべく、縦針20の係止部26が引っ掛かる(係止される)大きさに形成されている。従って、底板13に係止された縦針20,…は、底板13の昇降(上下)動作に伴って進路P上を昇降するようになっている。
【0032】
前記ナイフ17は、縦針20の鉤部23を係止して縦針20と底板13とを相対変位させる第二の搬送部材としての機能を果たすもので、長手方向を略水平にし且つ板面をハウジング1の実装面1aと平行にして配置した帯板体からなる。該ナイフ17は、底板13と同様、上下方向に往復動するようになっており、その方向は底板13との接離方向にある。しかも、該ナイフ17は、縦針20の進路Pから所定距離離れた位置を進路Pと平行に昇降するようになっている。
【0033】
また、前記底板13と前記ナイフ17とは、逆位相で往復動するよう駆動制御されており、底板13が上昇している間は、ナイフ17が下降する一方、底板13が下降している間は、ナイフ17が上昇すると共に、底板13が上死点に位置する時は、ナイフ17が下死点に位置する一方、底板13が下死点に位置する時は、ナイフ17が上死点に位置する。
【0034】
本実施形態に係るジャカード機の選針装置は以上の構成からなり、以下に、縦針20の選針態様について説明する。
【0035】
まず、縦針20が選針される態様について図1に基づき説明する。図1(イ)は、底板13とナイフ17とが最も接近した状態を示している。この時、縦針20の突起部24は、縦針選針子5の突起部6よりも上方に位置、即ち、縦針20の突起部24と底板13との間に縦針選針子5の突起部6が介在する位置にある。そして、縦針選針子5の突起部6は、縦針20の進路Pに進出した位置A(図3参照)に変位している。
【0036】
かかる状態から底板13とナイフ17とが相対離間、即ち、底板13が下降し、ナイフ17が上昇すると、図1(ロ)に示す如く、縦針20の突起部24と縦針選針子5の突起部6とが係合し、縦針20の突起部24が縦針選針子5の突起部6の傾斜面6a及び平坦面6bを摺動するため、縦針20の先端側20aが屈曲し、縦針20の鉤部23がナイフ17の進路上に進入する。従って、縦針20の鉤部23は、上昇するナイフ17に係止されることとなる。
【0037】
しかる後、底板13とナイフ17とがさらに離間することにより、図1(ハ)に示す如く、選針された縦針20がナイフ17の移動によって上方に持ち上げられ、これに伴って、縦糸27が持ち上げられる。
【0038】
次に、縦針20が選針されない態様について図2に基づき説明する。図2(イ)は、底板13とナイフ17とが最も接近した状態を示している。この時、縦針20の突起部24は、縦針選針子5の突起部6よりも上方に位置、即ち、縦針20の突起部24と底板13との間に縦針選針子5の突起部6が介在する位置にある。そして、縦針選針子5の突起部6は、縦針20の進路Pから退避した位置B(図3参照)に変位している。
【0039】
かかる状態から底板13とナイフ17とが相対離間、即ち、底板13が下降し、ナイフ17が上昇しても、図2(ロ)に示す如く、縦針20の突起部24と縦針選針子5の突起部6とが係合することはないため、縦針20の先端側20aが屈曲することはなく、縦針20の鉤部23がナイフ17の進路上に進入することもない。従って、縦針20は、真っ直ぐな姿勢を維持し、鉤部23は、上昇するナイフ17に係止されることはなくナイフ17とすれ違うこととなる。
【0040】
しかる後、底板13とナイフ17とがさらに離間することにより、図2(ハ)に示す如く、選針されない縦針20は、底板13と共に下降し、これに伴って、縦糸27が下げられる。
【0041】
尚、図1(ハ)あるいは図2(ハ)に示す如く、底板13が下死点に到達すると共に、ナイフ17が上死点に到達した後、底板13とナイフ17とが相対接近、即ち、底板13が上昇に転じ、ナイフ17が下降に転じるが、この場合、上昇する縦針20の突起部24を縦針選針子5の突起部6よりも上方に移動させないといけないから、縦針選針子5,…は、全ての突起部6,…が縦針20,…の進路P,…から退避するように揺動させておかなければならない。
【0042】
このように、ハウジング1上に並んだ複数の縦針選針子5,…のうち、所望する縦針選針子5を選択して、突起部6を縦針20の進路Pに進出させることにより、所望する縦針20のみを選針して、複数並んだ縦糸27の開口操作を行なうことができる。
【0043】
以上、本実施形態に係るジャカード機の選針装置によれば、縦針選針子5,…を取付けたハウジング1は移動することなく固定され、該ハウジング1よりも小型且つ軽量のナイフ17を昇降させることにより縦針20を選針する構成を採用しているため、従来の如く、ハウジングの昇降動作に伴って大きな振動が発生するという問題や、この振動に起因して縦針と縦針選針子とが不測に係合解除されるという問題が無くなり、耐久性、選針の信頼性(開口動作の確実性)の向上が図れるという利点を有する。
【0044】
しかも、本実施形態に係るジャカード機の選針装置によれば、縦針20に加わる荷重をナイフ17で支えるようにしているため、例え縦針20に大きな荷重が加わっても、それが縦針選針子5に直接的に伝わることはなく、圧電素子体8が損傷を受けるのを防止することができるという利点を有する。
【0045】
加えて、本実施形態に係るジャカード機の選針装置によれば、縦針選針子5が縦針20を係止するのではなく、ジャカード機本体側に設けられたナイフ17が縦針20を係止する構成であるため、ジャカード機の稼働中に選針装置に不具合が生じた場合、縦針選針子5,…から係止された縦針20,…をわざわざ外す作業が必要無くなり、従って、該選針装置を迅速且つ簡単に取り外すことができるという利点を有する。
【0046】
また、本実施形態に係るジャカード機の選針装置は、底板13とナイフ17とが逆位相で往復動する構成を採用しているため、底板13とナイフ17との移動ストロークを大きくすることができ、より有効な縦糸27,…の開口状態を得ることができるという利点を有する。
【0047】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて適宜変更可能である。
【0048】
即ち、揺動操作手段としての圧電素子体8は、セラミック層を重合させたバイモルフ圧電素子、又はユニモルフ圧電素子であってもよい。要は、揺動操作手段の湾曲を利用して、縦針選針子5を揺動させることができるものであれば、本発明の意図するところである。その場合、圧電素子体8に対する電圧の印加方法は、上記実施形態に限定されず、要は、圧電素子体8の湾曲態様の変化によって、縦針選針子5が二つの位置、即ち、突起部6が縦針20の進路Pに進出する位置及び突起部6が縦針20の進路Pから退避する位置に変更可能となればよい。
【0049】
また、上記実施形態の選針装置は、縦針20と縦糸27とが一対一で対応する、いわゆる単動式のものであるが、縦針選針子5と圧電素子体8との組み合わせをハウジング1の表裏の実装面に設け、一対の縦針20,20をそれぞれ別々のナイフ17,17で上下動可動とすると共に、縦針20,20の夫々下部に作動糸を接続し、該作動糸に第一滑車を懸吊し、該第一滑車と連結部材で連結された第二滑車に一端が固定された通糸を巻きかけた、いわゆる複動式の選針装置にも採用可能である。
【0050】
また、縦針選針子5、底板13、ナイフ17、縦針20の形状は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて変更可能である。縦針20にあっては、少なくとも先端側が変形可能であればよく、従って、縦針20全体が弾性を備えて変形可能であってもよい。
【0051】
さらに、上記実施形態においては、第一の搬送部材としての底板13及び第二の搬送部材としてのナイフ17を逆位相で往復動させるものであったが、要は、ハウジング1はジャカード機本体に固定され、底板13及びナイフ17が相対移動するものであればよい。従って、ナイフ17は動かず、底板13のみが上下動するものであってもよい。
【0052】
また、底板13及びナイフ17がそれぞれ往復動する場合であっても、上記実施形態の如く、縦針20が下降する際にその先端側が屈曲する態様に限定されず、縦針20が上昇する際にその先端側が屈曲する態様であってもよい。
【0053】
しかも、底板13とナイフ17とが同一方向に移動する必要はなく、両者が相対的に接近・離間を行なうのであれば、両者の移動方向が平行でない態様も採用可能である。
【0054】
<第二実施形態>
以下、複動式選針装置の一例として、本発明の第二実施形態に係るジャカード機の選針装置を図5及び図6に基づき説明する。
【0055】
縦針50は、上下方向に延びる帯板状の本体片51と、該本体片51の上端にインサート成型によって取り付けられた鉤体52と、本体片51の下端にインサート成型によって取り付けられたスライド体54と、本体片51の中間部位にインサート成型によって取り付けられたガイド体56とで構成されている。
【0056】
前記本体片51は、弾性を備えた帯状金属片からなり、本体片51のうち、鉤体52、スライド体54及びガイド体56が形成された箇所を除く部位、即ち、縦針50の上端側50a,50b(先端側)は、弾性(可撓性)を備えて屈曲(あるいは湾曲)可能となっている。
【0057】
また、前記鉤体52の一面(表面)には、係止部材としてのナイフ47に係止可能とすべく、鉤部53が形成され、一方、ガイド体56の他面(裏面)には、縦針選針子35と係合可能とすべく、突起部57が形成されている。前記鉤部53は、縦針50の最上端にフック状に突設されたものであり、前記突起部57は、鉤部53よりも低い位置(縦針50の上端側50a,50bの中間位置)に略直角台形状に突設されたものである。
【0058】
ここで、前記突起部57は、縦針50の長手方向に対して傾斜する傾斜面57aと、縦針20の長手方向に沿って平行な平坦面57bとを有している。本実施形態においては、傾斜面57aは、縦針50の先端側50aほど、縦針選針子35から遠ざかる(ハウジング31の実装面31aから離間する)方向に傾斜しており、平坦面57bは、傾斜面57aに連続して形成されている。
【0059】
また、前記スライド体54の一面(表面)には、搬送部材としての往復動ナイフ43に係止可能とすべく、係止部55が形成されている。該係止部55は、突起部57よりも低い位置にフック状に突設されたものであり、往復動ナイフ43から下方に抜け落ちるのを防止する目的を持つ。
【0060】
31は、平板状の基板からなるハウジングであり、該ハウジング31は、その下端部が、ジャカード機本体(図示しない)に一定間隔を以て並設された取付板40の上端部にそれぞれ近接配置され、着脱自在にしてジャカード機本体に装着されている。そして、ハウジング31の実装面31aに複数突出して並設された軸支部32,…に、縦針選針子35の一部に穿設された孔を嵌合させることにより、縦針選針子35は軸支部32を中心として揺動自在に複数配置される。
【0061】
また、前記縦針選針子35は、揺動中心に対する一方側である作用部35aと、他方側である揺動部35bとからなり、作用部35aは二股状に形成される一方、揺動部35bの先端は、ハウジング31の下端部から下方に臨出して、この部分には、縦針50の突起部57と係合可能とすべく、実装面31aと直交する方向に突起部36が突設されている。
【0062】
前記突起部36は、側面視略直角台形状に形成されており、該突起部36は、縦針50の長手方向に対して傾斜する傾斜面36aと、縦針50の長手方向に沿って平行な平坦面36bとを有している。本実施形態においては、傾斜面36aは、縦針選針子35の先端側ほど、縦針20から遠ざかる(ハウジング31の実装面31aに接近する)方向に傾斜しており、平坦面36bは、傾斜面36aに連続して形成されている。
【0063】
また、前記突起部36は、縦針選針子35に一対形成されており、該縦針選針子35の揺動部35bの先端は、側面視で下を向いたコ字状となっている。ここで、それぞれ突起部36の傾斜面36a及び平坦面36bが、立設した取付板40のそれぞれ縦面40a(表裏面)から外側に突出するよう、前記ハウジング31は取付板40に対して均等に配置されている。
【0064】
そして、これに併せて、一対の縦針50,50が、それぞれ取付板40の縦面40aに沿って配置され、スライド体54の他面(裏面)及びガイド体56の突起部57の平坦面57bが取付板40の縦面40aに摺接している。また、該一対の縦針50,50は、取付板40を挟んで該取付板40の板面と直交する方向に対向して配置されており、その結果、ガイド体56,56の突起部57,57は、略同一面上に並列する。
【0065】
また、一の取付板40の一方の縦面40aに接する縦針50のスライド体54と、隣の取付板40の他方の縦面40aに接する縦針50のスライド体54とは、近接対向配置されており、該一対のスライド体54,54の間に生じた偏平状空間部には、一の往復動ナイフ43が介装されている。該往復動ナイフ43の上端には、側面視V字状の溝が形成されており、それぞれ傾斜面に縦針50のスライド体54の係止部55が係止されることで、一の往復動ナイフ43をもって二本の縦針50,50が同時に昇降される。
【0066】
38は、揺動操作手段としての圧電素子体であり、先端が縦針選針子5の作用部5aの二股内に係入される。その他の詳細な形態は第一実施形態と異なるところはない。尚、一対の縦針50,50が対向配置されることにより、一対の突起部57,57が対向する位置にあるため、図7(イ)に示す如く、縦針選針子35を一方側に揺動させると、該縦針選針子35の一対の突起部36,36がそれぞれ縦針50の突起部57の進路上に位置して、両方の縦針50,50にとっての選針位置となり、図7(ロ)に示す如く、縦針選針子35を他方側に揺動させると、該縦針選針子35の一対の突起部36,36がそれぞれ縦針50の突起部57の進路から外れ、両方の縦針50,50にとっての非選針位置となる。
【0067】
第二実施形態に係るジャカード機の選針装置は以上の構成からなり、次に、縦針50の動作態様について説明する。
【0068】
図8(イ)は、二つの往復動ナイフ43,43が振幅の中心に位置した状態を示している。この時、縦針50の突起部57は、縦針選針子35の突起部36よりも下方に位置、即ち、縦針選針子35の突起部36と往復動ナイフ43との間に縦針50の突起部57が介在する位置にある。そして、縦針選針子35の突起部36は、縦針50の進路に進出した位置に揺動変位している。
【0069】
かかる状態から往復動ナイフ43とナイフ47とが相対離間、即ち、一方の往復動ナイフ43(図の左側)が上昇し、他方の往復動ナイフ43(図の右側)が下降することにより、一方の縦針50の突起部57と縦針選針子35の突起部36とが当接する。従って、図8(ロ)に示す如く、一方の往復動ナイフ43が上死点となり、他方の往復動ナイフ43が下死点となれば、一方の縦針50の先端側50aがナイフ47側に屈曲し、縦針50の鉤部53がナイフ47の上方領域に進入した状態となる。
【0070】
そして、かかる状態から一方の往復動ナイフ43が下降し、他方の往復動ナイフ43が上昇すれば、図8(ハ)に示す如く、一方の往復動ナイフ43が縦針50から離れ、縦針50の鉤部53がナイフ47に係止されて、該一方の縦針50は選針される。
【0071】
しかる後、一方の往復動ナイフ43が振幅中心からさらに下降し、他方の往復動ナイフ43が振幅中心からさらに上昇することにより、図9(イ)に示す如く、一方の往復動ナイフ43が下死点となり、他方の往復動ナイフ43が上死点となる。この時、縦針選針子35の突起部36は、縦針50の進路から退避した位置に揺動変位している。
【0072】
そのため、他方の往復動ナイフ43が上昇しても、他方の縦針50の突起部57と縦針選針子35の突起部36とが係合することはないため、縦針50の先端側50aが屈曲することはなく、他方の縦針50の鉤部53がナイフ47の上方領域に進入することもない。従って、他方の縦針50は、真っ直ぐな姿勢を維持し、鉤部53はナイフ47とすれ違うこととなる。
【0073】
しかる後、一方の往復動ナイフ43が上昇し、他方の往復動ナイフ43が下降することにより、図9(ロ)に示す如く、他方の縦針50は、選針されることなく、往復動ナイフ43と共に下降する。
【0074】
このように、ハウジング31上に並んだ複数の縦針選針子35,…のうち、所望する縦針選針子35を選択して、該縦針選針子35の突起部36を縦針50の進路に進出させることにより、所望する縦針50のみを選針して、複数並んだ縦糸の開口操作を行なうことができる。
【0075】
図10は、選針装置の動作態様の一例を示すグラフである。(イ)は一方の往復動ナイフ43の昇降態様、(ロ)は他方の往復動ナイフ43の昇降態様(一方の往復動ナイフ43の逆位相)、(ハ)は圧電素子体38への電圧印加態様(正ならば選針位置、負ならば非選針位置)、(ニ)は縦糸の開口態様を示している。
【0076】
まず、一方の往復動ナイフ43が上死点になる前(例えばaのタイミング)までに正の電圧を印加し、縦針選針子35を選針位置に揺動させておくことで、一方の縦針50が選針される。また、他方の往復動ナイフ43が上昇する際(例えばbのタイミング)も電圧印加は正のままであるので、他方の縦針50も選針される。さらに、一方の往復動ナイフ43が再度上昇する際(例えばcのタイミング)、電圧印加は未だに正のままであるので、一方の縦針50は選針状態が維持される。
【0077】
そして、他方の往復動ナイフ43が再度上死点になる前(例えばdのタイミング)までに電圧印加を負に転じ、縦針選針子35を非選針位置に揺動させておくことで、他方の縦針50の選針状態が解除され、次に、一方の往復動ナイフ43が再度上昇する際(例えばeのタイミング)、電圧印加は負のままであるので、一方の縦針50の選針状態も解除される。
【0078】
以上の如く、第二実施形態に係るジャカード機の選針装置は、第一実施形態に係る選針装置の効果を奏するのはもちろんであるが、特記すべきは、縦針50の突起部57が縦針選針子35の突起部36を越えて上方に移動することのない構成を採用しているため、選針装置を上方に引き抜く際、縦針選針子35と縦針50とが互いに干渉することは起こり得ず、従って、第一実施形態の選針装置に比べてより簡単に選針装置を取り外すことができるという効果を奏する。
【0079】
また、第二実施形態に係るジャカード機の選針装置は、第一実施形態のように、縦針50が下降する際にその先端側が屈曲するのではなく、縦針50が上昇する際にその先端側が屈曲する構成である。従って、往復動ナイフ43が下死点から僅かに上昇した位置(即ち、対となる往復動ナイフ43が上死点から僅かに下降して縦針50の突起部57と縦針選針子35の突起部36とが干渉しない位置)から、往復動ナイフ43が上死点に達する手前までの位置までの間を電圧印可の切り替えタイミングとして利用することができて、ゆとりのある制御を行うことができるという効果をも奏する。このことは、選針装置をさらにスピードアップして、織物の生産性を高めるという効果につながる。
【0080】
尚、複動式の選針装置は、上記実施形態に限定されず、縦針選針子35、往復動ナイフ43、ナイフ47、縦針50の形状は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて変更可能である。
【0081】
また、上記実施形態においては、一の縦針選針子35が一対の縦針50,50の選針操作を行うようにしていたが、圧電素子体38及び縦針選針子35をハウジング31の表裏に一対ずつ設けて複動式の選針装置を構成してもよい。
【0082】
また、上記実施形態の如く、一対の縦針50,50を対向配置することにより、縦針選針子35を一方側に揺動させると、両方の縦針50,50にとっての選針位置となる構成ではなく、上記実施形態に係る一対の縦針50,50をハウジング31の板面に沿って所定量(縦針選針子35の突起部36の揺動幅と略同等)ずらすことや、図11に示す如く、縦針50の突起部57を所定量変位させることにより、縦針選針子35を一方側に揺動させると、一方の縦針50にとっての選針位置となり、縦針選針子35を他方側に揺動させると、他方の縦針50にとっての選針位置となる構成も採用することができる。かかる場合、図10と同等の開口操作を得るためには、図12に示すような電圧印加態様となる。
【0083】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係るジャカード機の選針装置は、縦針の少なくとも先端側が、該縦針の進路に進出した縦針選針子との接触によって屈曲可能に形成され、しかも、該縦針と搬送部材とを相対変位させるべく、該縦針の屈曲した部位を係止可能な係止部材が設けられてなるため、従来の如く、縦針選針子を備えたハウジングの昇降動作に伴って大きな振動が発生するという問題や、この振動に起因して縦針と縦針選針子とが不測に係合解除されるという問題が無くなり、耐久性、選針の信頼性(開口動作の確実性)の向上を図ることができる。そして、選針装置の運転速度を速めることが可能となり、織物の生産性の向上を図ることができる。
【0084】
しかも、本発明に係るジャカード機の選針装置は、縦針選針子が縦針を係止するのではなく、ジャカード機本体側に設けられた係止部材が縦針を係止する構成であるため、ジャカード機の稼働中に選針装置に不具合が生じた場合であっても、該選針装置を迅速且つ簡単に取り外すことができ、チョコ停によるジャカード機の稼働率低下を好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る選針装置の選針態様を示す概略側面図であって、(イ)は、底板が上死点、ナイフが下死点にある状態、(ロ)は、底板が下降し、ナイフが上昇する状態、(ニ)は、底板が下死点、ナイフが上死点にある状態を示している。
【図2】同実施形態に係る選針装置の非選針態様を示す概略側面図であって、(イ)は、底板が上死点、ナイフが下死点にある状態、(ロ)は、底板が下降し、ナイフが上昇する状態、(ニ)は、底板が下死点、ナイフが上死点にある状態を示している。
【図3】同実施形態の選針装置の要部正面図を示している。
【図4】同実施形態の縦針であって、(イ)は、全体斜視図、(ロ)は、(イ)のA−A線断面図を示している。
【図5】本発明の第二実施形態に係る選針装置の要部側面図を示している。
【図6】同実施形態の縦針の全体斜視図を示している。
【図7】同実施形態の縦針及び縦針選針子の断面平面図であって、(イ)は、両方の縦針が選針可能となる縦針選針子の揺動態様、(ロ)は、何れの縦針も選針不可能となる縦針選針子の揺動態様を示している。
【図8】同実施形態に係る選針装置の選針態様を示す概略側面図であって、(イ)は、一対の往復動ナイフが振幅中心にある状態、(ロ)は、一方の往復動ナイフが上死点、他方の往復動ナイフが下死点にある状態、(ハ)は、一対の往復動ナイフが振幅中心にあり、一方の縦針が選針された状態を示している。
【図9】同実施形態に係る選針装置の選針態様を示す概略側面図であって、(イ)は、一方の往復動ナイフが下死点、他方の往復動ナイフが上死点にあり、一方の縦針が選針されたままの状態、(ロ)は、一対の往復動ナイフが振幅中心にあり、一方の縦針が選針されたままの状態を示している。
【図10】同実施形態に係る選針装置と縦針の状態のグラフであって、(イ)は、一方の往復動ナイフの変位−時間線図、(ロ)は、他方の往復動ナイフの変位−時間線図、(ハ)は、圧電素子体への印加電圧−時間線図、(ニ)は、縦糸の開口幅−時間線図を示している。
【図11】同実施形態の変形例に係る縦針及び縦針選針子の断面平面図であって、(イ)は、一方の縦針が選針可能となる縦針選針子の揺動態様、(ロ)は、他方の縦針が選針可能となる縦針選針子の揺動態様を示している。
【図12】同変形例に係る選針装置と縦針の状態のグラフであって、(イ)は、一方の往復動ナイフの変位−時間線図、(ロ)は、他方の往復動ナイフの変位−時間線図、(ハ)は、圧電素子体への印加電圧−時間線図、(ニ)は、縦糸の開口幅−時間線図を示している。
【図13】第一の従来の選針装置の概略側面図を示している。
【図14】第二の従来の選針装置の概略正面図を示している。
【符号の説明】
1,31…ハウジング、5,35…縦針選針子、5a,35a…作用部、5b,35b…揺動部、6,36…突起部、6a,36a…傾斜面、6b,36b…平坦面、8,38…圧電素子体、13…底板、43…往復動ナイフ、17,47…ナイフ、20,50…縦針、20a,50a,50b…上端側、23,53…鉤部、24,57…突起部、26,55…係止部
Claims (5)
- 複数の縦針(20,…,50,…)を係止して往復動する搬送部材(13,43)と、該搬送部材(13,43)の進行方向に配置され、それぞれ縦針(20,50)の進路(P)に進出する位置(A)と縦針(20,50)の進路(P)から退避する位置(B)とに揺動可能な複数の縦針選針子(5,…,35,…)とを備えたジャカード機の選針装置において、前記縦針(20,50)の少なくとも先端側(20a,50a)が、該縦針(20,50)の進路(P)に進出した縦針選針子(5,35)との接触によって屈曲可能に形成され、しかも、該縦針(20,50)と搬送部材(13,43)とを相対変位させるべく、該縦針(20,50)の屈曲した部位(23,53)を係止可能な係止部材(17,47)が設けられてなり、前記縦針(20,50)又は前記縦針選針子(5,35)の何れか一方に、縦針(20,50)の進路(P)に対して傾斜する傾斜面(6a,36a)が形成され、他方に、該傾斜面(6a,36a)を摺動可能な突起部(24,57)が形成されてなり、傾斜面(6a,36a)を突起部(24,57)が摺動することにより、縦針(20,50)が屈曲するよう構成されてなることを特徴とするジャカード機の選針装置。
- 前記係止部材(17,47)が、前記搬送部材(13,43)と接離する方向に往復動するよう構成されてなる請求項1記載のジャカード機の選針装置。
- 前記搬送部材(13,43)と前記係止部材(17,47)とが、逆位相で往復動するよう構成されてなる請求項2記載のジャカード機の選針装置。
- 複数の縦針(20,…,50,…)を係止して往復動する搬送部材(13,43)と、該搬送部材(13,43)の進行方向に配置され、それぞれ縦針(20,50)の進路(P)に進出する位置(A)と縦針(20,50)の進路(P)から退避する位置(B)とに揺動可能な複数の縦針選針子(5,…,35,…)とを備えたジャカード機の選針装置において、前記縦針(20,50)の少なくとも先端側(20a,50a)が、該縦針(20,50)の進路(P)に進出した縦針選針子(5,35)との接触によって屈曲可能に形成され、しかも、該縦針(20,50)と搬送部材(13,43)とを相対変位させるべく、該縦針(20,50)の屈曲した部位(23,53)を係止可能な係止部材(17,47)が設けられてなり、一の縦針選針子(35)に対し、前記搬送部材(43)、前記係止部材(47)及び前記縦針(50)がそれぞれ一対ずつ設けられ、しかも、一対の搬送部材(43,43)が、逆位相で往復動するよう構成され、前記縦針選針子(35)の先端部に、縦針(50)の進路(P)に対して傾斜する一対の傾斜面(36a,36a)が形成される一方、それぞれの縦針(50)に、傾斜面(36a)を摺動可能な突起部(57)が形成されてなり、一方の突起部(57)が一方の傾斜面(36a)を、そして、他方の突起部(57)が他方の傾斜面(36a)を摺動することにより、それぞれの縦針(50)が屈曲するよう構成されてなることを特徴とするジャカード機の複動式の選針装置。
- 前記傾斜面(36a,36a)が、先端側ほど互いに接近するよう形成されてなる請求項4記載のジャカード機の複動式の選針装置。
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