JP4425891B2 - 細胞電気生理センサおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、細胞の活動によって発生する物理化学的変化を測定するために用いられる細胞内電位あるいは細胞外電位等の細胞電気生理現象を測定するための細胞電気生理センサおよびその製造方法に関するものである。
電気生理学におけるパッチクランプ法は、細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
このため、微細加工技術を利用した平板型プローブの開発がなされており、これらは個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要とせず、減圧を行うだけで自動に細胞を固定・測定を行うことができ、自動化システムとして適している。
例えば、平板のデバイスに複数の貫通孔を設け、ここに接着した細胞の連続層を含み、電極で電位依存性のイオンチャンネル活性を測定する技術を開示している(特許文献1参照)。
また、使用時に物体がオリフィスをシールし、これによって電気的に絶縁された電極間のインピーダンスの変化によって、媒体中の物体の電気的測定を行う装置について開示している(特許文献2参照)。
特表2002−518678号公報 特表2003−527581号公報
しかしながら、前記従来の技術においては、複数の細胞の電気生理現象を一括して測定することができるが、測定対象の細胞数を増加させるとセンサチップが多数個となり構造が複雑になるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、測定対象の細胞数が増えた場合であっても、生産性に優れた効率的な細胞電気生理センサの構造を実現し、漏れ電流が少ない状態で高精度に測定することができる細胞電気生理センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、第一の貫通孔を有するウエルと、このウエルの下方に当接した第二の貫通孔を有した保持プレートと、この保持プレートの下方に液体の流入口と流出口を両端に備えた空洞を有した流路プレートを当接し、前記第二の貫通孔の内部に第三の貫通孔を備えたダイアフラムを有したセンサチップを当接した細胞電気生理センサであって、前記センサチップはシリコンよりなるチップ部とガラスよりなるチップ保持部とをガラス溶着によって接合する構成とするものである。
本発明の細胞電気生理センサおよびその製造方法は、微小なセンサチップを保持プレートに固着する際、シリコンからなるチップ部をガラスからなるチップ保持部とガラス溶着にて接合したセンサチップを保持プレートに保持することから、微小なチップ部のセルフアライメント性の向上と、隙間からの液漏れによる漏れ電流を減少させることができることによって、高精度に測定することができるとともに生産性に優れた細胞電気生理センサおよびその製造方法を実現するものである。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサおよびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図であり、図2は図1の要部拡大断面図である。また、図3は細胞電気生理センサの製造方法を説明するための断面図である。
図1および図2において、1は樹脂よりなるウエルであり、このウエル1に細胞外液18を貯留しておくための第一の貫通孔5を形成している。この第一の貫通孔5は断面形状をテーパー状に形成しておくことによって、電解液などの液体または細胞20などを投入するときに効率が良い。
また、前記ウエル1の下方には第二の貫通孔6を設けた樹脂よりなる保持プレート2を当接しており、この保持プレート2の第二の貫通孔6の内部には、少なくとも一つの第三の貫通孔7を有したダイアフラム9を備えたシリコンよりなるチップ部4aとこの微小なチップ部4aを保持するために親水性を有するガラスからなるチップ保持部4bとがガラス溶着によって接合したセンサチップ4がセットされている。このチップ部4aはシリコンウエハを半導体プロセスを用いてエッチング加工することによって、微小で高精度な形状に形成することができる。例えば、シリコンウエハをエッチング加工することによってキャビティ10を形成し、その後第三の貫通孔7を形成することによって、ダイアフラム9の厚みを10〜100μm、第三の貫通孔7の開口径を1〜3μmφの寸法形状で、半導体プロセスなどの微細加工技術を用いて一体的に加工することによってチップ部4aを形成することができる。そして、この第三の貫通孔7の開口径は細胞20の大きさによって適宜選択することができる。
なお、キャビティ10または第三の貫通孔7を形成する順序はどちらが先であっても構わない。
このように、シリコンをチップ部4aの構成材料とすることによって、効率よく高精度に作製することができるとともに、その生産設備も入手が容易である。
しかしながら、このような微小なシリコンよりなるチップ部4aは取扱いと組み立ての観点からは課題を有していた。
これに対して、このチップ部4aをガラスからなるチップ保持部4bを介して保持プレート2へ固着することによって効率良く細胞電気生理センサを高精度に作製できるセンサ構造と製造方法を実現することができる。その詳細な説明については後述する。
そして、前記保持プレート2の下方には、その両端に液体を流出入させるための空洞8を有した流路プレート3を当接して細胞電気生理センサを構成しており、第三の貫通孔7の上面に細胞20を密着保持し、この細胞20の電気生理現象を測定することができるようになっている。そして、流入口16から細胞内液19を充填し、流出口17から吸引ポンプなどを用いて吸引することによって前記空洞8の内部には細胞内液19を充填することができる。
また、ウエル1、保持プレート2および流路プレート3は樹脂で構成しておくと都合が良く、より好ましくは熱可塑性樹脂である。これにより、これらの材料は射出成型などの手段を用いることによって生産性良く、高均質な成形体を得ることができる。さらに好ましくは、これらの熱可塑性樹脂はポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、オレフィンポリマー、ポリメタクリル酸メチルアセテート(PMMA)のいずれか、またはこれらの組み合わせである。これらの材料は紫外線硬化型の接着剤を用いることによって容易に親水性に優れたガラスからなる保持プレート2と接合することができる。さらに好ましくは、これらの熱可塑性樹脂として、環状オレフィンポリマー、線状オレフィンポリマー、またはこれらが重合した環状オレフィンコポリマー、またはポリエチレン(PE)とすることが作業性、製造コストおよび材料の入手性の観点から好ましい。
特に、環状オレフィンコポリマーは透明性、アルカリ・酸などの無機系薬剤に対する耐性が強く、本発明の製造方法もしくは使用環境に適している。またこれらの材料は紫外線を透過させることができることから、紫外線硬化型の接着剤を用いる時に効果を発揮する。
以上のような構成からなる細胞電気生理センサに対して、例えば保持プレート2をシリコン基板から一体的に作製し、保持プレート2の一部にチップ部4aを一体形成した場合、コストもかかり、歩留まりも悪くなるとともに、一部に不良のチップ部4aが存在した場合においてリペア性を有しない構成となる。これに対して、本発明の構成であれば微小なチップ部4aを一括して効率よく作製し、その中の良品のみを選別して用いることから高歩留まりの細胞電気生理センサを実現できるとともに、リペア性を有した構成を実現できる。
また、この第三の貫通孔7の直径は5μm以下が望ましく、細胞20を保持するために最適な形状の貫通孔となっている。このように、チップ部4aとチップ保持部4bからなるセンサチップ4と、保持プレート2を別々に作製しておいて、保持プレート2の第二の貫通孔6に前記センサチップ4をはめ込み接合することによって、効率よく細胞電気生理センサを作製することができる。さらに、不良のセンサチップ4があった場合においても、交換を容易に行うことができる。
しかしながら、前記チップ部4aは微小形状であることからその取り扱いが難しく、このチップ部4aを直接保持プレート2に形成した第二の貫通孔6の内部へ挿入する際、乾燥状態で行うと静電気などの影響でチップ部4aを所定の位置にうまく挿入することが難しかった。
そこで、チップ部4aを純水などに浸漬しておいて、その状態で親水性に優れたガラスからなるチップ保持部4bの開口部へ挿入すると親水性に優れたガラスとの親和性から微小なチップ部4aはチップ保持部4bの開口部へセルフアライメントしながら図2に示した位置にうまく整列することによって、非常に効率良く作業ができることが分かった。
そして、微細加工によって作製したチップ部4aは酸、アルカリなどの化学処理、あるいはプラズマ、UVなどの物理処理による清浄化を行った後、親水性を保持しておくために純水中へ浸漬しておくことが好ましい。
また、チップ保持部4bの開口部の内部へ挿入して組み立てる直前にチップ部4aを純水中より取り出し、チップ保持部4bの開口部の入り口へチップ部4aの一部を挿入する。このとき、チップ部4aの表面とキャビティ10の内部には純水が十分に付着充填した状態とし、チップ保持部4bの開口部の内壁面は親水性を有したガラスを用いることにより、このチップ部4aは水の表面張力の作用によって図2に示した位置に均一にセルフアライメントすることを見いだした。
この水の表面張力の作用を利用することによって、簡単にチップ部4aの配置をチップ保持部4bの所定の位置に均一に配置することが可能である。
また、チップ部4aの方向によるセルフアライメントの影響は無く、ダイアフラム9の面が上下いずれの面を向いていたとしても、チップ部4aはチップ保持部4bの一平面に沿うようにセルフアライメントすることが分かっている。
また、親水性を高めるためにはチップ保持部4bを構成するガラス組成には二酸化ケイ素を含んでいることがより好ましい。
その後、このチップ部4aが所定の位置から動かないように静置させるためには、チップ部4aとチップ保持部4bが横方向に水平になるように固定した後、熱処理炉などへ入れる。
なお、熱処理炉を用いた例について説明してきたが、ヒータなどによる局部加熱、あるいは近赤外レーザなどによる局部加熱などによってセンサチップ4の近傍のみを加熱することによって溶着することができる。
そして、約100℃にて付着した水を乾燥させた後、ガラスが溶着する所定の温度まで加熱をしてチップ部4aとチップ保持部4bをガラス溶着によって接合する。このようにガラス溶着によって接合したセンサチップ4は封止性に優れることから液漏れなどの少ない信頼性に優れたセンサチップ4を実現でき、これによって測定精度の高い細胞電気生理センサを実現することができる。
特に、チップ部4a近傍における液漏れはギガシールの特性に重要な影響があり、このチップ部4aの外壁面における液漏れを確実に防止できる構造が細胞電気生理センサの構造として非常に重要である。
そして、このチップ部4aの外壁面とチップ保持部4bの開口部の内壁面との隙間を300μm以下とすることによって、確実に溶着接合を行うことができ、300μmを超える隙間を有しているとガラスによる溶着接合の確実性が低下するという問題が発生する。また、接合性、作業温度および信頼性の観点からガラスとして、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスまたはホウケイ酸鉛ガラスを用いることが好ましい。
そして、本実施の形態1におけるチップ保持部4bの開口部の内壁面は親水性を有していることが重要である。そのためには、例えばチップ保持部4bをホウケイ酸ガラス(コーニング;#7052、#7056)、アルミノケイ酸塩ガラスまたはホウケイ酸鉛ガラス(コーニング;#8161)などを用いることが好ましい。さらに、ガラスの融点が作業性の観点から重要であり、チップ部4aとガラス溶着によって接合するために都合の良い温度はガラスの軟化点以上とすることが好ましく、そして、より好ましくは500〜900℃の範囲である。500℃より低いガラスを用いると強度が不十分であり、900℃を越えると作業性が悪くなるからである。
また、親水性を付与するためにチップ保持部4bの開口部の内壁面を化学的、あるいは物理的な処理を行って親水性を高めておいても良い。あるいはさらに親水性を高めるための親水性膜などを形成することによっても、その効果をより高めることができる。さらに、別の親水性を付与する方法としては、酸素プラズマによる炭素化合物の除去、紫外線照射による有機物の分解除去、あるいは硫酸、過酸化水素などによる湿式処理などによる炭素原子を含む有機物質の分解除去が非常に効果的であり、生産性にも優れている。
そして、チップ保持部4bの開口部の内壁面の親水性は、接触角表示で10度以下が好ましい。その接触角とは、固体表面の上に純水などの液滴を乗せ,平衡になった状態で、液滴表面と固体表面のなす角度をいう。そして、その測定方法は一般的にθ/2法を用いることができる。その方法は液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を求めることができる。または分度器などを用いて測ることも可能である。
そして、このようにしてあらかじめ作製しておいたセンサチップ4を樹脂よりなる保持プレート2の第二の貫通孔6の内部へ挿入し、例えば接着剤などによって接合することによってセンサチップ4を固定保持することができる。このとき、接着剤としては紫外線硬化型樹脂などを用いることが作業性の観点から好ましい。
この紫外線硬化型樹脂は保持プレート2とチップ保持部4bのガラスを紫外線を透過する特性を持たせておくことによって、作業性を高めるとともに封止性の高い接合面とすることができる。これは紫外線硬化型樹脂は親水性であり、ガラスからなるチップ保持部4bの外壁面が親水性を有していることから、接合面の隙間への紫外線硬化型樹脂の浸透性が高まり、その接合信頼性を高めることができる。
これに対して、乾燥した状態でチップ部4aを直接保持プレート2に形成した第二の貫通孔6の内部へ挿入する方法では、静電気などによってチップ部4aが飛散させられてしまうことがあり、作業性があまり良くなく、挿入したチップ部4aの挿入位置もばらつきがあり、整列配置に多くの時間を要していた。さらに、例えば保持プレート2の第二の貫通孔6の内部へ挿入した後、接着剤21を用いて接合した場合、十分に接着剤などが接合の界面に浸透することが少なく、液漏れなどの接合不良を起こしていた。
次に、図1に示すように保持プレート2には第一の電極14と第二の電極15を設けており、これらの電極14,15は細胞20の電気生理現象によって発生する電気的指標、例えば電位、電流などを測定するためのものであるが、これらの形状、材質は特に限定するものではない。
次に、本発明の細胞電気生理センサを用いて細胞20の電気生理活動を測定する方法について簡単に述べる。
まず、ウエル1に細胞外液18を貯留し、細胞内液19をウエル1の流入口16から流出口17にかけて吸引することで空洞8に充填する。ここで、細胞外液18とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液であり、細胞内液19とは、例えば哺乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液である。この状態で、ウエル1の内部に設置した第一の電極14と空洞8の内部に設置した第二の電極15との間で、100kΩ〜10MΩ程度の導通抵抗値を観測することができる。これは細胞内液19あるいは細胞外液18が浸透し、第一の電極14と第二の電極15の間で電気回路が形成されるからである。
次に、ウエル1側から細胞20を投入する。なおセンサチップ4を第二の貫通孔6の内部に設置する方向として、ダイアフラム9が第一の貫通孔5側へ近くなるように配置しても良い。この選択は測定する細胞20の性質によって最適に決定されるべきである。
そして、最後にウエル1の流入口16または流出口17の一方を減圧すると、細胞20は第三の貫通孔7に引き付けられ、細胞20が第三の貫通孔7を塞ぐことによって、ウエル1側と空洞8側の電気抵抗がGΩ以上の十分に高い状態となる(ギガシールと呼ぶ)。このギガシールの状態において、細胞20の電気生理活動によって細胞内外の電位が変化した場合には、わずかな電位差あるいは電流であっても高精度な測定が可能となる。
以上のように構成した細胞電気生理センサについて、以下にその製造方法を説明する。
まず始めに、図3に示すようにチップ部4aはフォトリソグラフィー、ドライエッチング等の半導体加工技術を用いて、シリコンウエハなどからダイアフラム9を形成した後、このダイアフラム9に第三の貫通孔7を形成する。そして、チップ部4aの外形となるように個片化することによって、一括して多数のチップ部4aを作製することができる。
その後、必要に応じて親水性を高めるために、酸素の介在した雰囲気中でのシリコンの熱酸化処理、あるいはCVD、スパッタ法などの薄膜プロセスを用いてシリコン化合物を成膜して親水性を高めることも可能である。その後、このチップ部4aを純水中に浸漬して保管することが好ましい。
一方、チップ保持部4bは、内径がチップ部4aの外形よりも若干大きめのホウケイ酸ガラスからなるガラス管を準備し、その後、必要に応じてガラス管の開口部の内壁面の親水性を確認し、前記純水中に保管していたチップ部4aを取り出し、チップ部4aに純水が付着した状態で、ガラス管の開口部の入り口へチップ部4aの一部を挿入する。挿入されたチップ部4aは純水の表面張力の相互作用によるセルフアライメントによってガラス管の開口部の上面部で静置する。
なお、チップ部4aを挿入する方向としてダイアフラム9の上下の位置関係を反転させた状態でも同様のようにセルフアライメントすることを確認している。
また、セルフアライメントする位置はガラス管の下から挿入した場合には、ガラス管の下面側でセルフアライメントすることも確認している。
その後、ガラス管を所定の寸法で切断し、個片化する。このような作業を繰り返すことによって複数の個片化チップを作製することができる。
なお、ガラス管はあらかじめ所定の寸法に切断しておいてチップ保持部4bを作製して整列配置しておき、整列配置されたチップ保持部4bにチップ部4aを前記の方法で挿入することも可能である。
このような個片化チップを、チップ部4aとガラス管の開口部が水平方向に重なる方向に固定する(ガラス管の開口部の内壁面でチップ部4aの外壁面を支えるように配置させる)。このような位置関係とすることによって、純水が無くなることによって、水の表面張力が無くなり、チップ部4aが動きやすくなることを防止するためである。
このような配置をしたまま、熱処理炉へ入れ、加熱する。加熱の方法は適宜最適な条件を設定することができるが、特に乾燥させるための熱処理条件とガラスによって溶着接合するための熱処理条件とが重要である。乾燥させるための熱処理条件としては80〜120℃の範囲が好ましい。そして、前記ホウケイ酸ガラス(コーニング;#7052、#7056)を用いた場合の溶着接合温度としては700〜750℃の条件が好ましい。
なお、熱処理炉を用いた例について説明してきたが、ヒータなどによる局部加熱、あるいは近赤外レーザなどによる局部加熱などによってセンサチップ4の近傍のみを加熱することによって溶着することができる。
そして、この乾燥処理と熱溶着による接合処理は一括して行うことが好ましい。これは、一括して行うことによってチップ部4aとチップ保持部4bの位置ずれを防止するためである。そしてこのとき、チップ部4aとガラス管の開口部の隙間は300μm以下であればガラス溶着による接合が可能であることを確認している。例えば、チップ部4aの外形が700μmとし、ガラス管の開口部の内径を1.0mm、外径を1.50mmとしてガラス溶着を行った結果、効率良くガラス溶着による接合を行うことができた。そのときの溶着温度は718℃で溶着時間は10秒以下の熱処理条件によって行うことができた。このガラス管の外径は保持プレート2に固着保持できるような形状であれば良い。
なお、ガラス基板を準備し、ガラス基板の所定の寸法で開口部をマトリックス状に形成し、このガラス基板の開口部に前記の方法でチップ部4aを挿入し、熱溶着によって接合した後、このガラス基板を切断あるいはエッチングによって個片化し、センサチップ4を作製することも可能である。
このようにして作製したセンサチップ4を、例えば、あらかじめ所定の寸法形状に射出成形によって成型しておいた熱可塑性樹脂よりなる保持プレート2の第二の貫通孔6の内部へ接着剤21によって固着保持する。
その後、薄膜技術、めっき技術などによって配線パターンを形成し、さらにAgとAgClを混合した電極をディスペンスまたはスクリーン印刷等の手法により第一の電極14と第二の電極15を保持プレート2の一部に形成する。
なお、センサチップ4の固着保持と、電極14,15の形成の工程順序は違っていてもよい。
次に、ウエル1と流路プレート3はアクリル樹脂などを用いて射出成型などによって金型による成型加工によって作製し、図1のような構成とすることができる。まず、保持プレート2とウエル1の接合を行う。この接合の方法としてはレーザによる熱溶着接合、あるいは紫外線照射による紫外線硬化型接着剤による接合が好ましい。
次に、前記と同様の方法によって流路プレート3の接合を行い、図1に示すような細胞電気生理センサを作製することができる。
なお、ウエル1と流路プレート3を同時に保持プレート2に一括して接合することも可能であり、いずれかの方法を適宜採用することができる。
また、前記接合を行うときに用いる接着剤は紫外線硬化型の接着剤を用いることが好ましく、ウエル1,保持プレート2および流路プレート3を紫外線光が透過する樹脂とすることによって、いずれの方向からでも紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂を用いて接合することが可能となり、紫外線照射した時に確実に接着剤を硬化させることができ、保持プレート2と、ウエル1あるいは流路プレート3との接合を効率良く行うことによって液漏れの少ない構造を実現することができ、これによって細胞20の測定を確実に行うことができる細胞電気生理センサを実現することができる。
以上のように、本発明にかかる細胞電気生理センサおよびその製造法は、複数の細胞を一括して効率よく測定できる細胞の電気生理現象の測定に有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図 同要部拡大断面図 同製造方法を説明するための断面図
符号の説明
1 ウエル
2 保持プレート
3 流路プレート
4 センサチップ
4a チップ部
4b チップ保持部
5 第一の貫通孔
6 第二の貫通孔
7 第三の貫通孔
8 空洞
9 ダイアフラム
10 キャビティ
14 第一の電極
15 第二の電極
16 流入口
17 流出口
18 細胞外液
19 細胞内液
20 細胞
21 接着剤

Claims (11)

  1. 第一の貫通孔を有するウエルと、このウエルの下方に当接した第二の貫通孔を有した保持プレートとを有し、前記第二の貫通孔の内部に第三の貫通孔を備えたセンサチップを当接した細胞電気生理センサであって、センサチップはシリコンよりなるチップ部とガラスよりなるチップ保持部とからなり、前記チップ部と前記チップ保持部とをガラス溶着によって接合した細胞電気生理センサ。
  2. ガラスを二酸化ケイ素を含むガラスとした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  3. ガラスの軟化点を500〜900℃とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  4. ガラスをホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスまたはホウケイ酸鉛ガラスとした請求項2に記載の細胞電気生理センサ。
  5. ガラスを、紫外線を透過するガラスとした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  6. ガラスと水との接触角を10度以下とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  7. ウエル、保持プレートおよび流路プレートを環状オレフィンポリマー、線状オレフィンポリマー、またはこれらが共重合した環状オレフィンコポリマー、またはポリエチレンからなる材料から選択される請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  8. ウエル、保持プレートおよび流路プレートとの接合を熱溶着によって接合した請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  9. ウエル、保持プレートおよび流路プレートとの接合を紫外線硬化型樹脂にて接合した請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  10. センサチップと保持プレートとの接合を紫外線硬化型樹脂にて接合した請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  11. 第一の貫通孔を有するウエルと、このウエルの下方に当接した第二の貫通孔を有した保持プレートとを有し、前記第二の貫通孔の内部に第三の貫通孔を備えたシリコンよりなるチップ部と前記チップ部を保持するガラスよりなるチップ保持部とを備えたセンサチップを当接した細胞電気生理センサの製造方法であって、前記第一の貫通孔を有するウエルを形成する工程と、前記第二の貫通孔を有する保持プレートを形成する工程と、前記チップ部に第三の貫通孔を形成する工程と、このチップ部表面を水で濡らす工程と、熱処理によってチップ部とチップ保持部をガラス溶着によって接合してセンサチップを形成する工程と、このセンサチップを前記保持プレートの第二の貫通孔の内部へ挿入して接合する工程とを備えた細胞電気生理センサの製造方法。
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