JP4425600B2 - 建設機械の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械の原動機に作用する入力トルクを制御する建設機械の制御装置に関する。
エンジンにより駆動される可変容量油圧ポンプからの吐出油によって駆動される走行用油圧モータを備え、例えば走行ペダルの操作に応じて油圧モータに導かれる圧油量を制御して車両を走行させるとともに、走行ペダルの操作に応じてエンジン回転数も制御可能とした建設機械が知られている(例えば特許文献1参照)。
上記特許文献記載の建設機械では、以下のようなスピードセンシングによる入力トルク制御を行う。すなわち、回転数センサにより検出される実際のエンジン回転数と、エンジンのガバナレバー位置に対応した目標回転数との偏差からエンジンストールを防止するための目標トルクを演算し、この目標トルクから目標ポンプ傾転角を求めてポンプ傾転角を制御する。目標トルクの演算にあたっては、入力トルクが増加する方向の制御のみ行い、入力トルクが減少する方向の制御を行わない。これにより油圧ポンプの傾転角は所定値以上に保持され、スムーズな加速性を確保することができる。
特許第2633095号公報
ところで、近年、黒煙の発生を抑えるために排ガス対応のエンジンが使用される。排ガス対応のエンジンとは、エンジンの全負荷性能曲線における低回転側のエンジン出力トルクを従来のものに比べて小さくしたものである。より具体的にはエンジンの最高出力トルクを高回転側にシフトするとともに、低回転域から中回転域のトルクライズを小さくし、中回転域から高回転域のトルクライズを大きくしたものである。これにより低回転側の燃料消費が抑えられ、黒煙の発生が抑制される。
このような排ガス対応のエンジンを用いた場合に上記公報記載の入力トルク制御を行うと、次のような問題が発生する。すなわち、上記公報記載の建設機械では、入力トルクを減少させる制御を行わないので、走行開始時や登坂走行時等、エンジン出力トルクが小さい領域において走行負荷が増加した場合に、入力トルクがエンジン出力トルクを上回り、エンジンストールを引き起こすおそれがある。
本発明による建設機械の制御装置は、原動機に作用する入力トルクの変更機能を有し、原動機により駆動される可変容量油圧ポンプと、原動機の目標回転数を設定する回転数設定手段と、回転数設定手段により設定された目標回転数に応じて原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、目標回転数の変化に対して原動機に作用する入力トルクが遅れて変化するように、目標回転数に応じて入力トルクを制御する入力トルク制御手段とを備え、トルク制御用の目標回転数を遅れて出力する回転数遅延部と、この遅延された目標回転数に応じた目標入力トルクを演算するトルク演算部と、トルク演算部で演算された目標入力トルクに油圧ポンプの入力トルクを制御するトルク制御部とにより、入力トルク制御手段を構成することを特徴とする
回転数遅延部は、トルク制御用の目標回転数を一次遅れにより出力することが好ましい。
本発明によれば、原動機の目標回転数の変化に対して原動機に作用する入力トルクが遅れて変化するように、目標回転数に応じて入力トルクを制御するようにしたので、排ガス対応のエンジンを用いた場合であっても、走行開始時の入力トルクを原動機の出力トルクよりも小さくすることができ、エンジンストールを防止することができる。
以下、図1〜図10を参照して本発明による建設機械の制御装置をホイール式油圧ショベルに適用した一実施の形態を説明する。
図1に示すように、ホイール式油圧ショベルは、走行体1と、走行体1の上部に旋回可能に搭載された旋回体2とを有する。旋回体2には運転室3とブーム4a、アーム4b、バケット4cからなる作業用フロントアタッチメント4が設けられている。ブーム4aはブームシリンダ4dの駆動により起伏し、アーム4bはアームシリンダ4eの駆動により起伏し、バケット4cはバケットシリンダ4fの駆動によりクラウドまたはダンプする。走行体1には油圧駆動による走行用油圧モータ5が設けられ、走行モータ5の回転はプロペラシャフト、アクスルを介して車輪6(タイヤ)に伝達される。
走行用および作業用の油圧回路を図2に示す。可変容量型油圧ポンプ10は、制御弁11を介して油圧モータ5に接続され、制御弁12を介して油圧シリンダ(例えばブームシリンダ4d)に接続されている。制御弁11のパイロットポートは前後進切換弁13を介してパイロットバルブ14に接続され、制御弁12のパイロットポートはパイロットバルブ15に接続されている。
前後進切換バルブ13は図示しないスイッチにより切り換えられ、パイロットバルブ14は走行ペダル14aの操作量に応じて駆動される。スイッチ操作により前後進切換バルブ13を前進位置または後進位置に切り換え、走行ペダル14aを操作すると、制御弁11には油圧源16からのパイロット圧が作用する。これにより制御弁11が駆動されて油圧ポンプ10からの圧油が油圧モータ5に供給され、油圧モータ5の回転により車両を前進または後進させることができる。
一方、パイロットバルブ15は操作レバー15aの操作量に応じて駆動される。操作レバー15aを操作すると、制御弁12には油圧源17からのパイロット圧が作用する。これにより制御弁12が駆動されて油圧ポンプ10からの圧油がブームシリンダ4dに供給され、ブームシリンダ4dの駆動により掘削作業等を行うことができる。
油圧ポンプ10はエンジン20によって駆動され、ポンプ傾転角qpはレギュレータ30により変更される。レギュレータ30にはポンプ吐出圧力がフィードバックされ、馬力制御が行われる。馬力制御とは図3に示すようないわゆるP−qp制御である。これと同時に本実施の形態では、後述するようにスピードセンシングを行って入力トルクを演算し、この入力トルクに応じてポンプ傾転角pqを制御する。これにより図3の矢印に示すように入力トルクが増減される。
本実施の形態では、黒煙の発生を抑制するために排ガス対応のエンジンが用いられる。図4はエンジンの全負荷性能曲線を示す特性図であり、排ガス対応のエンジン特性を実線で、排ガス対応でないエンジン特性を点線で示す。排ガス対応のエンジンとは、図4に示すように、低回転側の出力トルクTを小さくしたものである。より具体的には最高出力トルクを高回転側にシフトさせるとともに、低回転域から中回転域のトルクライズを小さくし、中回転域から高回転域のトルクライズを大きくしたものである。このような特性のエンジンを用いることで低回転側の燃料消費が抑えられ、黒煙の発生が抑制される。
図5は、本実施の形態に係わる制御装置のブロック図である。エンジン20のガバナレバー21は、リンク機構22を介してパルスモータ23に接続され、パルスモータ23の回転によりエンジン回転数が制御される。すなわちパルスモータ23の正転でエンジン回転数が上昇し、逆転で低下する。このパルスモータ23の回転はコントローラ40からの制御信号により後述するように制御される。ガバナレバー21にはリンク機構22を介してポテンショメータ24が接続され、ポテンショメータ24によりエンジン20の回転数に応じたガバナレバー角度を検出し、エンジン制御回転数Nθとしてコントローラ40に入力される。
さらにコントローラ40には、エンジン20の実回転数Nrを検出する回転数センサ31と、ブレーキスイッチ32と、前後進切換弁13の切換位置を検出する位置センサ33と、エンジン回転数指令用の操作部材である燃料レバー34の操作量Xを検出する検出器35と、走行ペダル14aの操作量に応じたパイロット圧力Ptを検出する圧力センサ36が接続されている。
ブレーキスイッチ32は走行、作業および駐車位置に切り換えられて作業/走行信号を出力する。走行位置に切り換えられると駐車ブレーキを解除し、ブレーキペダルによりサービスブレーキの作動を許容する。作業位置に切り換えられると駐車ブレーキとサービスブレーキを作動する。駐車位置に切り換えられると駐車ブレーキを作動する。走行位置に切り換えられるとブレーキスイッチ32はオン信号を出力し、作業および駐車位置に切り換えられるとオフ信号を出力する。
コントローラ40は、入力トルクを制御するトルク制御部40Aとエンジン回転数を制御する回転数制御部40Bとを有する。図6は、トルク制御部40Aの詳細を説明する概念図である。
トルク制御部40Aは、エンジン実回転数Nrと制御回転数Nθの偏差ΔNを演算する偏差演算部41と、基準トルクTB1,TB2をそれぞれ演算する基準トルク演算部42,43と、制御回転数Nθを一次遅れさせて制御回転数Nθ1として出力する一次遅れフィルタ55と、補正トルクΔT1,ΔT2をそれぞれ演算する補正トルク演算部44,45と、係数をそれぞれ演算する係数演算部46,47と、補正トルクΔT1,ΔT2と係数をそれぞれ乗じる乗算部48,49と、乗算後の補正トルクΔT1,ΔT2と基準トルクTB1,TB2をそれぞれ加算して目標入力トルクT1,T2を演算する加算部50,51と、目標入力トルクT1,T2の一方を選択する選択部52と、選択した目標入力トルクT1またはT2にポンプ入力トルクを制御するための制御信号iを出力する変換部53とを有する。
基準トルク演算部42と補正トルク演算部44と係数演算部46にはそれぞれ作業に適した特性が設定され、基準トルク演算部43と補正トルク演算部45と係数演算部47にはそれぞれ走行に適した特性が設定されている。
トルク制御部40Aにおける演算について詳細に説明する。
一次遅れフィルタ55は、図7に示すようにポテンショメータ24で検出された制御回転数Nθ(点線)を実線で示すように1次遅れさせ、制御回転数Nθ1としてトルク演算部TB2に出力する。各基準トルク演算部42,43には、図6に示すように制御回転数Nθ,Nθ1と基準トルクTB1,TB2の関係が予め記憶されている。
基準トルク演算部42,43の特性は、エンジン20の出力トルク特性に基づき設定され、制御回転数Nθ,Nθ1が低い領域で基準トルクTB1,TB2は小さく、その後、制御回転数Nθ,Nθ1の増加に伴い基準トルクTB1,TB2を増加させる特性であり、エンジンの全負荷性能に沿って、また全負荷性能を越えないように設定されている。基準トルク演算部42,43に記憶されたこのような特性に基づき、基準トルク演算部42は、ポテンショメータ24で検出された制御回転数Nθに応じた基準トルクTB1を演算し、基準トルク演算部43は、一次遅れフィルタ55から出力された制御回転数Nθ1に応じた基準トルクTB2を演算する。
偏差演算部41は、回転数センサ31で検出されたエンジン実回転数Nrとポテンショメータ24で検出された制御回転数Nθとの偏差ΔN(=Nr−Nθ)を演算する。この偏差ΔNは補正トルク演算部44,45にそれぞれ入力される。各補正トルク演算部44,45には、図示のように偏差ΔNと補正トルクΔT1,ΔT2の関係が予め記憶されており、この特性から偏差ΔNに応じた補正トルクΔT1,ΔT2をそれぞれ演算する。
補正トルク演算部44の特性によれば、偏差ΔNが正のとき補正トルクΔT1も正であり、偏差ΔNの増加に伴い補正トルクΔT1は比例的に増加する。偏差ΔNが負のとき補正トルクΔT1も負であり、偏差ΔNの減少に伴い補正トルクΔT1は比例的に減少(|ΔT1|は増加)する。この場合、偏差ΔNが正のときの特性の傾きは、偏差ΔNが負のときの特性の傾きに等しい。
一方、補正トルク演算部45の特性によれば、偏差ΔNが正のとき補正トルクΔT2も正であり、偏差ΔNの増加に伴い補正トルクΔTは比例的に増加する。これに対して偏差ΔNが負のときは、補正トルクΔT2は0である。したがって、偏差ΔNが負のときはトルク補正を行わない。
各係数演算部46,47には、図示のように制御回転数Nθに対して係数が比例的に増加する特性が予め記憶され、この特性から制御回転数Nθに応じた係数を演算する。各乗算部48,49は、補正トルク演算部44,45で演算された補正トルクΔT1,ΔT2に係数演算部46,47で演算された係数を乗じる。
各加算部50,51は、乗算部48,49で乗算された補正トルクΔTと基準トルク演算部42,43で演算された基準トルクTB1,TB2をそれぞれ加算し、目標入力トルクT1,T2を演算する。
選択部52は、ブレーキスイッチ32と位置センサ33と圧力センサ36からの信号により車両走行か否かを判定する。すなわち、ブレーキスイッチ32がオフし、かつ、前後進切換弁13が中立位置以外にあり、かつ、走行ペダル14aの操作によるパイロット圧Ptが所定値以上のとき車両走行と判定し、これ以外の条件では車両非走行と判定する。そして、車両走行時には目標入力トルクT2を選択し、車両非走行時(例えば作業時)には目標入力トルクT1を選択する。
変換部53は、選択された目標入力トルクT1またはT2に応じた制御信号iを演算する。図示は省略するが、ポンプレギュレータ30には傾転角調整用シリンダと、このシリンダへの圧油の流れを制御する電磁弁が設けられ、この電磁弁に変換部53からの制御信号iが出力される。これによりポンプ傾転角qpが変更され、入力トルクが目標入力トルクT1またはT2に制御される。
図8は、回転数制御部40Bの詳細を説明する概念図である。目標回転数演算部61には、図示のように検出器35による検出値Xと目標回転数Nxの関係が予め記憶されており、この特性から燃料レバー34の操作量に応じた目標回転数Nxを演算する。目標回転数演算部62には、図示のように圧力センサによる検出値Ptと目標回転数Ntの関係が予め記憶されており、この特性から走行ペダル14aの操作量に応じた目標回転数Ntを演算する。
この場合、各目標回転数演算部61,62の特性とも、操作量の増加に伴い目標回転数Nx,Ntがアイドル回転数Niから直線的に増加している。目標回転数演算部61の最大目標回転数Nxmaxはエンジン20の最高回転数よりも低く設定され、目標回転数演算部62の最大目標回転数Ntmaxはエンジン20の最高回転数にほぼ等しく設定されている。したがって最大目標回転数Ntmaxは最大目標回転数Nxmaxよりも大きい。
選択部63は、目標回転数演算部61,62で演算された目標回転数Nx,Ntのうち大きい方の値を選択する。サーボ制御部64は、選択された回転数(回転数指令値Nin)とポテンショメータ24により検出されたガバナレバー21の変位量に相当する制御回転数Nθとを比較する。そして、図9に示す手順にしたがって両者が一致するようにパルスモータ23を制御する。
図9において、まずステップS21で回転数指令値Ninと制御回転数Nθとをそれぞれ読み込み、ステップS22に進む。ステップS22では、Nθ−Ninの結果を回転数差Aとしてメモリに格納し、ステップS23において、予め定めた基準回転数差Kを用いて、|A|≧Kか否かを判定する。肯定されるとステップS24に進み、回転数差A>0か否かを判定し、A>0ならば制御回転数Nθが回転数指令値Ninよりも大きい、つまり制御回転数が目標回転数よりも高いから、エンジン回転数を下げるためステップS25でモータ逆転を指令する信号をパルスモータ23に出力する。これによりパルスモータ23が逆転しエンジン回転数が低下する。
一方、A≦0ならば制御回転数Nθが回転数指令値Ninよりも小さい、つまり制御回転数が目標回転数よりも低いから、エンジン回転数を上げるためステップS26でモータ正転を指令する信号を出力する。これにより、パルスモータ23が正転し、エンジン回転数が上昇する。ステップS23が否定されるとステップS27に進んでモータ停止信号を出力し、これによりエンジン回転数が一定値に保持される。ステップS25〜S27を実行すると始めに戻る。
次に、本実施の形態に係わる制御装置の特徴的な動作について説明する。
車両走行開始時には、ブレーキスイッチ32を走行位置に操作し、前後進切換弁13を前進または後進位置に切り換える。この状態で、例えば燃料レバー34をアイドル位置に操作するとともに、駆動力を最大に発揮するために走行ペダル14aを最大操作すると、油圧ポンプ10からの圧油により走行モータ5が駆動され、車両が走行を開始する。このとき走行ペダル14aによる目標回転数Ntは燃料レバー34による目標回転数Nxより大きいので、選択部63は回転数指令値Ninとして目標回転数Ntを選択し、図9の手順にしたがい実際の回転数が回転数指令値Ninに一致するようにガバナレバー位置を制御する。これによりガバナレバー21が大きく変位し、図10(a)に破線で示すように制御回転数Nθが一気に増加する。
制御回転数Nθが増加すると実際のエンジン回転数Nrも増加するが、エンジン実回転数Nrが制御回転数Nθに達するまでにはタイムラグがあるためエンジン実回転数Nrはなだらかに上昇し、このタイムラグの間は偏差ΔNは負となる。この場合のエンジン出力トルクTは図10(b)に示すとおりであり、この特性は図4の特性から導かれる。なお、エンジン実回転数Nrがなだらかに上昇するため、エンジン出力トルクTの上昇もなだらかである。
車両走行時には、選択部52は目標入力トルクT2を選択し、トルク制御部40Aは基準トルク演算部43および補正トルク演算部45の特性に基づいてスピードセンシングを行う。走行ペダル14aの操作開始直後はエンジン実回転数Nrが制御回転数Nθよりも小さく、偏差|ΔN|が負であるため、補正トルク演算部45の補正トルクΔT2は0となる。したがって、基準トルク演算部43で演算された基準トルクTB2が目標入力トルクT2となる。
この場合、基準トルク演算部43には、一次遅れフィルタ55を介して制御回転数Nθ1が遅れて入力される(図7)。したがってペダル操作開始直後の制御回転数Nθ1は小さく、制御回転数Nθよりもタイミングが遅れて制御回転数Nθ1が徐々に増加する。これにより、図10(b)に示すようにエンジン出力トルクTと同様、基準トルクTB2もなだらかに上昇し、走行開始時の入力トルクT2は出力トルクTよりも小さくなる。その結果、走行開始時のエンジンストールを回避することができる。なお、一次遅れフィルタ55の一次遅れの特性は、エンジン回転のタイムラグを考慮して決定したものである。本実施の形態は、走行開始時だけでなく登坂走行時等、車両にかかる負荷が大きくエンストが発生しやすい状況において、同様に動作する。
図10(b)の特性T20は、目標回転数Nθを一次遅れさせずにそのまま基準トルクTB2を求めた場合の特性である。この特性によれば、偏差ΔNが負の場合に入力トルクT20は基準トルクよりも小さくならない。したがって、出力トルクの小さい排ガス対応のエンジンを用いると、走行開始時の入力トルクT20がエンジン出力トルクTを上回り、エンジンストールを引き起こすおそれがある。
作業時にはブレーキスイッチ32を作業位置に操作するとともに、前後進切換弁13を中立位置に切り換える。この状態で走行ペダル14aの操作をやめて燃料レバー34を所定量操作すると、回転数制御部40Bの選択部63は回転数指令値Ninとして燃料レバー34による目標回転数Nxを選択し、実際の回転数が回転数指令値Ninに一致するようにガバナレバー位置を制御する。このときトルク制御部40Aの選択部52は目標入力トルクT1を選択し、トルク制御部40Aは基準トルク演算部42と補正トルク演算部44の特性に基づいてスピードセンシングを行う。補正トルク演算部44の偏差ΔNが負のとき補正トルクΔTも負であるため、図10(c)に示すように入力トルクT1は出力トルクTよりも常に小さくなる。
本実施の形態によれば以下のような効果を奏することができる。
(1)一次遅れフィルタ55により制御回転数Nθを一次遅れさせ(Nθ1)、この制御回転数Nθ1に応じて基準トルク演算部43で基準トルクTB2を演算し、基準トルクTB2に入力トルクT2を制御するようにした。これにより走行開始時に基準トルクTB2がなだらかに上昇し、排ガス対応のエンジンを用いた場合であっても、走行開始時の入力トルクT2を出力トルクTより小さくすることができ、エンジンストールを防止することができる。
(2)エンジン実回転数Nrと制御回転数Nθの偏差ΔNが負のとき、補正トルク演算部45のトルク補正を行わず(ΔT=0)、基準トルクTB2を一次遅れさせて入力トルクT2の上昇を抑制するようにした。これにより入力トルクT2を十分に抑制できるとともに、ハンチングを効果的に抑えることができる。これに対し、例えば偏差ΔNが負のときに補正トルクΔTが負の値となるように補正トルク演算部45の特性を設定し、基準トルクTB2から補正トルクΔT2を減算して入力トルクT2の上昇を抑える場合、入力トルクT2を十分に抑制するには補正トルク演算部45の特性の傾きを急峻とする必要があり、ハンチングが起きやすい。
(3)基準トルクTB2を一次遅れさせるので、入力トルクT2の特性が、エンジン回転数のタイムラグに伴うエンジン出力トルクTの特性に良好に対応し(図10(b))、エンジンストールを防止しつつ、良好な加速性を確保することができる。
(4)走行と非走行で補正トルクΔTを算出するための特性を変更し、非走行時には加速性がさほど問題にならないため、偏差ΔNが負のとき補正トルクΔTも負になるようにした。これにより、作業時には常に入力トルクT1を出力トルクT以下に抑えることができる。
なお、上記実施の形態では、一次遅れフィルタ55で制御回転数Nθを一次遅れし、この一次遅れ後の制御回転数Nθ1に応じて基準トルクTB2を演算するようにしたが、制御回転数Nθの変化に対して入力トルクT2が遅れて変化するように入力トルクT2を制御するのであれば、これ以外に入力トルク制御手段を構成してもよい。
例えば一次遅れ以外(二次遅れや三次遅れ等)の遅れフィルタを回転数遅延部として設けてもよい。また、所定の待ち時間をカウントし、待ち時間経過後に制御回転数Nθを制御回転数Nθ1として出力するようにしてもよい。一次遅れフィルタ55により制御回転数Nθを遅延して出力し、入力トルクの演算値T2が遅延させるようにしたが、演算値T2を遅延させるのではなく、レギュレータ30自体にポンプ傾転角qpが遅延するような構成を設けてもよい。すなわちトルク制御部で入力トルクを遅らせてもよい。エンジンストールが発生するようなペダル操作時にのみ一次遅れフィルタ55が有効になるようにしてもよい。
上記実施の形態は、車両走行時に走行用油圧モータ5の加速性を確保する例を示したが、これに限定されず、例えば車両の上部旋回体を旋回させる旋回用油圧モータに適用してもよい。また、可変容量油圧ポンプ10のレギュレータ30を制御して入力トルクT2を変更するようにしたが、これに限らずエンジン20に作用する入力トルクT2の変更機能を有する他のアクチュエータを制御してもよい。以上では、建設機械としてホイール式油圧ショベルを例に挙げて説明したが、ホイール式以外の建設機械にも本発明を適用することができる。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の路面清掃装置に限定されない。
本発明の実施の形態に適用されるホイール式油圧ショベルの外観を示す図。 本発明の実施の形態に係わる制御装置の油圧回路を示す図。 可変容量油圧ポンプのP−qp線図。 本発明の実施の形態に適用されるエンジンの全負荷性能曲線を示す図。 本発明の実施の形態に係わる制御装置のブロック図。 入力トルクの制御回路の詳細を説明する図。 図6の一次遅れフィルタ55の特性を示す図。 エンジン回転数の制御回路の詳細を説明する図、 エンジン回転数の制御手順を示すフローチャート。 本発明の実施の形態に係わる制御装置による動作特性を示す図。
符号の説明
10 油圧ポンプ 14a 走行ペダル
23 パルスモータ 24 ポテンショメータ
30 レギュレータ 36 圧力センサ
40 コントローラ 40A トルク制御部
40B 回転数制御部 43 基準トルク演算部
55 一次遅れフィルタ

Claims (2)

  1. 原動機に作用する入力トルクの変更機能を有し、前記原動機により駆動される可変容量油圧ポンプと
    前記原動機の目標回転数を設定する回転数設定手段と、
    前記回転数設定手段により設定された目標回転数に応じて前記原動機の回転数を制御する回転数制御手段と、
    前記目標回転数の変化に対して前記原動機に作用する入力トルクが遅れて変化するように、前記目標回転数に応じて入力トルクを制御する入力トルク制御手段とを備え、
    前記入力トルク制御手段は、
    前記回転数設定手段で設定された目標回転数に基づくトルク制御用の目標回転数を遅れて出力する回転数遅延部と、
    前記回転数遅延部から出力された目標回転数に応じた目標入力トルクを演算するトルク演算部と、
    前記トルク演算部で演算された目標入力トルクに前記油圧ポンプの入力トルクを制御するトルク制御部とを有することを特徴とする建設機械の制御装置。
  2. 請求項1に記載の建設機械の制御装置において、
    前記回転数遅延部は、トルク制御用の目標回転数を一次遅れにより出力することを特徴とする建設機械の制御装置。
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