JP4425200B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動側プーリの回転速度が運転状態に応じた目標値になるように制御する無段変速機の制御装置に関する。
車両は、駆動輪からの出力を変速機により変速して駆動輪に伝達するように構成されている。変速機として、プーリ幅可変の駆動側プーリおよび従動側プーリにVベルトを巻き掛けて構成されたVベルト機構を有した無段変速機がよく知られている。この変速機は、駆動側および従動側プーリに供給される作動油の油圧を制御することによりプーリ幅を変更し、プーリへのVベルトの巻き掛け半径を変更することにより、無段階的に変速比(減速比)を変更制御できるようになっている。このような変速機を有した車両には、運転状態に応じて両プーリに供給される油圧を制御し、運転状態に応じた目標の回転速度にする制御を行うための無段変速機の制御装置(例えば、特許文献1参照)が設けられている。
従来、このような制御装置では、目標の変速比を車速やスロットルバルブの開度に応じて求められる目標駆動側プーリ回転速度(図3参照)を駆動輪の回転速度で除して算出し、この目標変速比に応じて両プーリに供給するべき作動油の油圧指令値を求め、両プーリにこの油圧が供給されるように指令する制御を行うように構成されている。さらに、この目標駆動側プーリ回転速度を目標値として設定し、この目標値と実際の駆動側プーリの回転速度との差を偏差とするフィードバック制御を行い、駆動側プーリの回転速度がこの目標値になるように制御している。
なお、摩擦係数の低い路上を走行しているときには、駆動輪に伝達される駆動力が大きいとスリップを生じさせるおそれがある。このため、駆動輪がスリップ状態であるか否かを判断し、スリップ状態であるときにエンジンの出力を低減させるなどの制御を行い、スリップを抑制する駆動力制御装置(TCS(トラクションコントロールシステム)制御装置)を搭載した車両が知られている。この駆動力制御装置の作動中には、走行状態や路面状態によっては駆動輪がスキッド状態とグリップ状態とを繰り返すように挙動することがある。このようなときには、駆動輪の回転速度がハンチングし、これに追従して変速機側の駆動側プーリおよび従動側プーリの回転速度がハンチングする。
特開平10−297321号公報
無段変速機の制御装置と駆動力制御装置を搭載した車両においては、駆動力制御装置の作動中に駆動輪の回転速度がハンチングすると、実際の駆動側プーリの回転速度がこれに追従するためフィードバック制御に用いられる偏差がハンチングしてしまい、指令値を安定させることが難しく、変速比が目標変速比にならずに走行性の悪化を招くおそれがあった。また、このように変速比が安定しないため、駆動力制御装置により制御された駆動源からの出力が駆動輪側に安定して伝達されず、駆動力制御装置の作動が狙い通りに作用しなくなり、スリップの抑制を効果的に行うことができなくなるおそれがあった。
また、目標変速比を駆動輪の回転速度に基づいて算出すると、駆動輪の回転速度がハンチングした場合、算出される目標変速比がハンチングして変速制御を安定して行わせることが難しくなるという課題があった。これに対して従来の制御装置として、従動輪が駆動輪と比べて安定した回転速度になることを利用し、駆動力制御装置の作動中には、目標駆動側プーリ回転速度を駆動輪に替えて従動輪の回転速度で除して目標変速比を算出するように構成されたものがある。
しかしながら、このような算出方法によると、目標変速比が本来的には(駆動力制御装置が非作動となる通常走行時などを想定して)駆動輪の回転速度に基づいて算出されるように構成されたものであり、スキッド状態では空転傾向にある駆動輪に対して従動輪の回転速度が小さくなることから、目標変速比が望ましい値よりも高めに算出され、アクセルペダルの操作状態などによっては過回転(オーバーレブ)を引き起こすおそれがあった。これにより、エンジンの稼動がいわゆるレッドゾーンで行われるおそれがあった。
このような課題に鑑み、本発明は、スリップ状態になると駆動源が出力する駆動力を低減させる制御を行う駆動力制御装置を備え、駆動力制御装置の作動時における変速制御を安定して行わせることができる無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明に係る無段変速機の制御装置は、駆動源と駆動輪との間に
、駆動源に連結された入力軸に設けられてプーリ幅可変の駆動側プーリと、入力軸に平行
に配設されたカウンタ軸に設けられてプーリ幅可変の従動側プーリと、駆動側プーリおよび従動側プーリに巻き掛けられたベルトとから構成されて駆動側プーリおよび従動側プーリのプーリ幅を変更することにより変速比を変更可能な無段変速機が設けられた車両に備えられ、駆動側プーリの回転速度が運転状態に応じた制御目標回転速度になるように、無段変速機の変速制御を行うように構成されており、駆動輪がスリップしていると判断されたときに作動して駆動輪に伝達される駆動力を低減させ、駆動輪のスリップを抑制する駆動力制御装置を備えている。そして、駆動力制御装置の作動時には、運転状態に応じて設定される目標変速比と実際の従動側プーリの回転速度とを掛け合わせて制御目標回転速度を算出し、算出された制御目標回転速度と実際の駆動側プーリの回転速度との制御用偏差に基づいて無段変速機の変速制御を行う
また、車両の車速および駆動源の出力状態を基にして定まる運転状態に応じて予め設定された目標駆動側プーリ設定回転速度を、駆動源において発生した駆動力の伝達が遮断されて車両に備えられた従動輪の回転速度と、従動輪の回転速度を増加補正する補正値との和で除して目標変速比を算出することが好ましい。
このように構成される本発明に係る無段変速機の制御装置によると、駆動輪がスリップすると作動する駆動力制御装置を備え、駆動力制御装置の作動時には、目標変速比と実際の従動側プーリの回転速度との積が駆動側プーリの回転速度の目標値として設定される。なお、変速比と従動側プーリの回転速度との積は、駆動側プーリの回転速度となる。ここで、目標値と実際値との差を偏差としてフィードバック制御を行う場合、駆動力制御装置の作動時に駆動輪がスキッド状態とグリップ状態とを繰り返すことにより実際の駆動側プーリの回転速度がハンチングしても、追従してハンチングする実際の従動側プーリの回転速度に基づいて目標値が設定されるため、この偏差のハンチングが低減される。このため、無段変速機に対する作動指令値が安定し、実際の変速比が安定して目標変速比への追従性が向上し、走行性の改善が図られる。そして、駆動力制御装置により制御された駆動源からの駆動力を安定して駆動輪に伝達することができるため、駆動力制御装置の作動を狙い通りに作用させることができ、スリップの抑制効果を向上させることができる。
また、駆動力制御装置の作動時に、目標駆動側プーリ回転速度と、従動輪の回転速度と、従動輪の回転速度に対する補正値とから目標変速比を算出するように構成すると、ハンチングするおそれのある駆動輪の回転速度を用いることなく算出できる。また、スキッド状態であっても安定した回転速度が得られるとともに駆動輪に対して回転速度の小さい従動輪の回転速度を補正値により増加補正し、この補正された従動輪の回転速度を分母として目標変速比が算出される。したがって、駆動輪がスキッド状態とグリップ状態とを繰り返す状態であっても安定した目標変速比を算出できるとともに、増加補正により目標変速比が高めに算出されることがなくなり、オーバーレブの回避が図られる。そして、このように適切に算出された目標変速比に基づいて駆動側プーリの回転速度の目標値が設定されるため、目標値を適切に設定でき、無段変速機の作動制御が安定する。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1に、本発明に係る変速機の制御装置が設けられた四輪車のパワートレインPTを示している。このパワートレインPTは、エンジンEおよび電気モータ・ジェネレータMからなるハイブリッド型の駆動源PWと、駆動源PWおよび駆動輪DRWの間に設けられた変速機TMとから構成される。この車両はフロントドライブ型であり、前左輪Waおよび前右輪Wbの二輪が駆動輪DRWとされ、後左輪Wcおよび後右輪Wdの二輪が従動輪DNWとされている。
エンジンEはガソリンを燃料とするレシプロタイプの4気筒エンジンであり、シリンダブロック10に形成された4つのシリンダ室11,11,…の内部にそれぞれピストンが配設されている。エンジンEは、各シリンダ室11に対する吸排気を行わせるための吸気バルブおよび排気バルブの作動制御を行う吸排気制御装置12と、各シリンダ室11に対する燃料噴射制御および噴射燃料の点火制御を行う燃料噴射・点火制御装置13とを有している。
電気モータ・ジェネレータMは、エンジンEの出力軸Es上に配設されており、車載のバッテリにより駆動されてエンジンEの駆動力をアシストし、減速走行時には車輪側からの回転駆動により発電(エネルギー回生)してバッテリの充電を行う。
変速機TMは、入力軸1とカウンタ軸2との間に配設された金属Vベルト機構20と、入力軸1の上に配設された前後進切換機構30と、カウンタ軸2の上に配設された発進クラッチ5と、発進クラッチ5に接続された減速ギヤ列6,8とを備えて構成される無段変速機である。入力軸1は、カップリング機構CPを介してエンジンEの出力軸Esと連結されている。カウンタ軸2および減速ギヤ列のアイドル軸7は、入力軸1と平行に配設されている。
金属Vベルト機構20は、入力軸1上に配設された駆動側プーリ21と、カウンタ軸2上に配設された従動側プーリ26と、両プーリ21,26間に巻き掛けられた金属Vベルト25とから構成される。駆動側プーリ21は、入力軸1上に固定された固定プーリ半体22と、固定プーリ半体22に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体23とを有する。可動プーリ半体23の側方にはシリンダ壁23aにより囲まれて駆動側シリンダ室24が形成されている。可動プーリ半体23は、駆動側シリンダ室24に供給される作動油の油圧に応じて軸方向に移動する。従動側プーリ26は、カウンタ軸2に固定された固定プーリ半体27と、固定プーリ半体27に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体28とを有する。可動プーリ半体28の側方にはシリンダ壁28aにより囲まれて従動側シリンダ室29が形成されている。可動プーリ半体28は、従動側シリンダ室29に供給される作動油の油圧に応じて軸方向に移動する。両シリンダ室24,29に供給される作動油の油圧を制御することにより、両プーリ21,26のプーリ溝幅が変化して金属Vベルト25の巻き掛け半径が変化し、変速比を無段階に変化させることができる。
前後進切換機構30は、遊星歯車機構からなり、入力軸1に結合されたサンギヤ31と、固定プーリ半体22に結合されたリングギヤ32と、後進ブレーキ37により固定保持可能なキャリア33と、サンギヤ31とリングギヤ32とを連結可能な前進クラッチ35とを備える。前進クラッチ35が係合されると全ギヤ31〜33が入力軸1と一体に回転し、エンジンEの駆動により駆動側プーリ21は入力軸1と同方向(前進方向)に回転駆動される。一方、後進ブレーキ37が係合されると、キャリア33が固定保持されるため、リングギヤ32はサンギヤ31と逆の方向に駆動され、エンジンEの駆動により駆動側プーリ21は入力軸1と逆方向(後進方向)に回転駆動される。なお、前進クラッチ35および後進ブレーキ37の係合作動は、前進クラッチ35および後進ブレーキ37に供給される作動油の油圧に応じて制御される。
発進クラッチ5は、カウンタ軸2と減速ギヤ列6,8との間の動力伝達を制御する油圧クラッチであり、カウンタ軸2に発生した出力を係合状態に応じた伝達率で減速ギヤ列6,8に伝達する。発進クラッチ5が係合されると、金属Vベルト機構20により変速されたエンジンEからの出力が減速ギヤ列6,8に伝達され、減速ギヤ列6,8により減速されてデフ機構9に伝達される。発進クラッチ5が解放されると、このような動力伝達は行えず、変速機TMは中立状態になる。デフ機構9は、伝達された出力を左右に分割し、左右のアクスルシャフト9a,9bを介して駆動輪DRWに伝達する。
このような変速機TMは、電磁制御弁CVから油路41,42を介して両プーリ21,26のシリンダ室24,29に供給されるプーリ制御油圧Pdr,Pdnにより変速制御が行われ、油路43を介して前進クラッチ35および後進ブレーキ37に供給される前後進制御油圧PFBにより前後進制御が行われ、油路44を介して供給される発進クラッチ制御油圧PCLにより発進クラッチ係合制御が行われる。
車両には車両状態を検出する各種のセンサが配設されている。例えば図1に示すものとして、駆動側プーリ21の近傍に取り付けられて駆動側プーリの回転速度Ndrを検出する駆動側プーリ回転速度センサ51と、従動側プーリ26の近傍に取り付けられて従動側プーリ26の回転速度Ndnを検出する従動側プーリ回転速度センサ52と、減速ギヤ列6,8を構成するファイナルギヤ8bの近傍に取り付けられ、変速機TMの出力速度VTMを検出する出力速度センサ53とが設けられている。この出力速度センサ53により、デフ機構9により分割される直前の回転速度が検出される。
さらには、前左輪Waの近傍に取り付けられて前左輪Waの回転速度Nwaを検出する第1駆動輪回転速度センサ54と、前右輪Wbの近傍に取り付けられて前右輪Wbの回転速度Nwbを検出する第2駆動輪回転速度センサ55と、後左輪Wcの近傍に取り付けられて後左輪Wcの回転速度Nwcを検出する第1従動輪回転速度センサ56と、後右輪Wdの近傍に取り付けられて後右輪Wdの回転速度Nwdを検出する第2従動輪回転速度センサ57とが設けられている。
車両には、駆動源PWや変速機TMを作動制御する制御装置60が設けられている。制御装置60には、上記センサ51〜57からの検出信号とともに、エンジン回転速度Neや吸排気制御装置12に備えられた吸気スロットルバルブの開度θTHなどのエンジン状態を示す信号が入力される。制御装置60は、入力された信号に基づいて車両状態を判断し、制御ライン46〜48を介してパワートレインPTの構成装置に作動制御信号を出力する。
例えば、制御装置60は、制御ライン46を介して吸排気制御装置12および燃料噴射・点火制御装置13に作動制御信号を出力し、いくつかのシリンダ室11に対する吸気バルブおよび排気バルブを閉止保持するとともに燃料噴射および点火を行わせず、部分気筒運転制御(部分休筒制御)を行うことができるように構成されている。また、図示しない制御ラインを介して吸気スロットルバルブに作動制御信号を出力し、吸気スロットルバルブの開度θTHを調整する制御を行うことができるように構成されている。さらに、制御ライン47を介して電動モータ・ジェネレータMに作動制御信号を出力し、電動モータ・ジェネレータMを利用したエンジンEの駆動力アシスト制御やバッテリ充電制御を行うことができるように構成されている。また、制御装置60は、制御ライン48を介して電磁制御弁CVのソレノイドに作動制御信号を出力して電磁制御弁CVを作動制御することによりプーリ制御油圧Pdr,Pdn、前後進制御油圧PFBおよび発進クラッチ制御油圧PCLを設定し、車両状態に応じた変速機TMの作動制御(変速制御、前後進制御および発進クラッチ係合制御)を行うことができるように構成されている。
制御装置60には、メモリ61が備えられている。メモリ61には、エンジン回転速度Neや吸気スロットルバルブの開度θTHなどのエンジン情報、シフトレバーの操作位置やアクセルペダルおよびブレーキペダルの操作状態などの運転操作情報、前後輪Wa〜Wdの回転速度Nwa〜Nwdなどの車輪情報に応じてプーリ制御油圧Pdr,Pdn、前後進制御油圧PFBや発進クラッチ制御油圧PCLなどを求めるためのマップが予め記憶されている。
図3には、メモリ62に記憶されるマップの例として、制御装置60により作動制御される駆動側プーリ21の目標回転速度を求めるためのマップを示している。この目標駆動側プーリ回転速度は、車速(出力速度VTM)および吸気スロットルバルブの開度θTHに応じて求められる。実線(丸プロット)Aは、吸気スロットルバルブが僅かに開放されているときの線図であり、点線(三角プロット)Bは、吸気スロットルバルブの開度θTHが全開状態のときの線図であり、実線(三角プロット)Cは吸気スロットルバルブの開度θTHが中間状態のときの線図である。マップは、吸気スロットルバルブの開度θTHが大きくなるにつれてオーバードライブ(OD)側にシフトして同じ車速に対する目標駆動側プーリ回転速度Ndrtが小さくなり、吸気スロットルバルブの開度θTHが小さくなるにつれてロー(Low)側にシフトして同じ車速に対する目標駆動側プーリ回転速度Ndrtが大きくなるように設定されている。そして、車速の上昇するにつれて求められる目標駆動側プーリ回転速度Ndrtが上昇するように設定されている。なお、吸気スロットルバルブの開度θTHに応じて設定されるとしたが、アクセルペダルの開度に応じて設定されるように構成してもよい。
さらに、制御装置60には、駆動輪DRWのスリップを抑制するための駆動力制御装置70が備えられている。駆動力制御装置70は、出力速度センサ53により検出される変速機TMの出力速度VTMと、第1および第2従動輪回転速度センサ56,57により検出される従動輪DNWの回転速度Nwc,Nwdとの比較を行い、その差が所定値を超える場合には駆動輪DRWがスリップしていると判断して作動する。駆動力制御装置70が作動すると、吸気スロットルバルブに作動制御信号を出力し、駆動源PWから出力される駆動力を低減させる制御が行われ、駆動輪DNWに伝達される駆動力を低減させ、スリップ状態の回避が図られる。なお、出力速度センサ53により検出される変速機TMの出力速度VTMに替えて、第1および第2駆動輪回転速度センサ54、55により検出される駆動輪DRWの回転速度Nwa,Nwbと、従動輪の回転速度Nwc,Nwdとの比較により駆動輪DRWのスリップ状態を判断してもよい。
次に、図2を参照して制御装置60が行う制御内容について説明する。図2に示す演算処理は、所定の演算間隔(例えば、10msec)ごとに繰り返して行われる。
この制御内容の概要は、まず、駆動力制御装置70が作動しているか否かが判断される(ステップS1)。この判断に応じてステップS11あるいはステップS21に進むが、その後の処理においては、駆動力制御装置70が作動しているか否かに関わらず、目標変速比を算出し(ステップS11,S21)、フィードバック偏差を算出し(ステップS12,S22)、算出された目標変速比およびフィードバック偏差に基づいて指令値となるプーリ制御油圧Pdr,Pdnを設定する(ステップS30)。プーリ制御油圧Pdr,Pdnは、メモリ61に予め記憶されたマップを用いることにより、ステップS11,S21で算出された目標変速比に応じて求められる。また、ステップS30において、ステップS12,S22で算出されたフィードバック偏差を用いてPID制御などのフィードバック制御が行われ、実際値の目標値への追従性を向上させている。
ステップS1で駆動力制御装置70が作動していないと判断されたとき、すなわち、駆動輪DRWが適切にグリップした状態で走行しているときには、ステップS21に進み、目標駆動側プーリ回転速度Ndrtを前輪Wa,Wb(駆動輪DRW)の回転速度Nwa,Nwbで除して目標変速比を算出する。ここで、目標駆動側プーリ回転速度Ndrtは、図3に示すメモリ61に予め記憶されたマップを用いることにより、車速(出力速度VTM)および吸気スロットルバルブの開度θTHまたはアクセルペダルの開度に応じて求められる。なお、目標変速比の分母となる駆動輪DRWの回転速度は、第1および第2駆動輪回転速度センサ54,55から検出される前輪Wa,Wbの回転速度Nwa,Nwbのいずれか一方を代表して用いても、両回転速度Nwa,Nwbの平均値を用いてもよく、出力速度センサ53から検出される変速機TMの出力速度VTMを代用してもよい。
次いで、目標とする駆動側プーリ21の回転速度(目標値)と実際の駆動側プーリ21の回転速度Ndrとの差を算出し、これをフィードバック制御のための偏差として設定する(ステップS22)。この処理では、目標値を図3のマップから求められる目標駆動側プーリ回転速度Ndrtとしている。実際の駆動側プーリ21の回転速度Ndrは、駆動側プーリ回転速度センサ51からの入力信号に基づいて得られる。
このように算出された目標変速比およびフィードバック偏差に基づいて、プーリ制御油圧Pdr,Pdnが求められ、制御装置60から電磁制御弁CVに作動制御信号が出力され、両プーリ21,26のシリンダ室24,29に供給される作動油の油圧制御が行われる(ステップS30)。これにより、設定されたプーリ制御油圧Pdr,Pdnに応じて両プーリ21,26のプーリ幅が変更され、両プーリ21,26の回転速度Ndr,Ndnが目標値となるように制御される。
一方、ステップS1で駆動力制御装置70が作動していると判断されたとき、すなわち、摩擦係数の低い路上などを駆動輪DRWがスリップしているおそれのある状態で走行しているときには、ステップS11に進み、図3のマップから求められる目標駆動側プーリ回転速度Ndrtを、後輪Wc,Wd(従動輪DNW)の回転速度と補正値(例えば+5km/h)との和で除して目標変速比を算出する。なお、後輪Wc,Wdの回転速度は、第1および第2従動輪回転速度センサ56,57の検出される回転速度Nwc,Nwdのいずれか一方を代表して用いても、両回転速度Nwc,Nwdの平均値を用いてもよい。
なお、駆動力制御装置70が作動している場合には、路面状態や走行状態に応じて駆動輪DRWである前輪Wa,Wbがスキッド状態とグリップ状態とを繰り返し、回転速度Nwa,Nwbがハンチングするおそれがある。また、駆動力制御装置70の駆動力制御の手法によっても、このようなスキッド状態とグリップ状態とを繰り返す一方、従動輪DNWである後輪Wc,Wdは、このような前輪Wa,Wbに対し、前輪Wa,Wbがスキッド状態とグリップ状態とを繰り返す状態であっても、回転速度が安定した値をとる。また、駆動力制御装置70が作動しているときには、空転傾向にある駆動輪DRWの回転速度に対して従動輪DNWの回転速度が小さくなる。
次いで、ステップS12に進み、フィードバック偏差を算出する。この処理では、ステップS11で算出された目標変速比と実際の従動側プーリ26の回転速度との積を駆動側プーリ21の回転速度の目標値として設定し、このように設定される目標値と実際の駆動側プーリ21の回転速度との差を算出し、この差をフィードバック偏差として設定する。なお、実際の従動側プーリ26の回転速度は、従動側プーリ回転速度センサ52からの入力信号に基づいて得られる。実際の変速比(減速比)と実際の従動側プーリ26の回転速度との積により実際の駆動側プーリ21の回転速度が求められるが、このようにステップS12では、目標駆動側プーリ回転速度Ndrtに替えて、目標変速比と実際の従動側プーリ26の回転速度との積が目標値として設定される。
駆動力制御装置70が作動しているときには、このように算出された目標変速比およびフィードバック偏差に基づいてプーリ制御油圧Pdr,Pdnが求められ、両シリンダ室24,29に供給される作動油の油圧が求められたプーリ制御油圧Pdr,Pdnとなるように電磁制御弁CVに作動制御信号が出力され、変速制御が行われる(ステップS30)。
このように、本構成例の制御装置60によると、駆動輪DRWがスキッド状態とグリップ状態とを繰り返す状態となって実際の駆動側プーリ21の回転速度Ndrがハンチングするおそれがあっても、このような状況が起こり得る駆動力制御装置70の作動時には、これに追従してハンチングする実際の従動側プーリ26の回転速度Ndnに基づいて目標値を設定している。このため、目標値と実際値の差を偏差とするフィードバック制御を行う場合、この偏差のハンチングが低減される。このようにフィードバック偏差が安定するため、求められるプーリ制御油圧Pdr,Pdnが安定し、実際の変速比が安定して目標の変速比に追従させることができ、走行性の改善が図られる。そして、駆動力制御装置70により制御された駆動源PWからの駆動力を安定して駆動輪DRWに伝達させることができるため、駆動力制御装置70の作動を狙い通りに作用させることができ、駆動力制御装置70による駆動輪DRWのスリップを抑制する効果を向上させることができる。
さらに、駆動力制御装置70の非作動時には、運転状態に応じて図3に示すマップから得られる目標駆動側プーリ回転速度Ndrtを駆動輪DRWの回転速度で除して目標変速比を算出している。そして、駆動力制御装置70の作動時には、同様にして得られる目標駆動側プーリ回転速度Ndrtを、従動輪DNWの回転速度Nwc,Nwdとこれを増加補正する補正値との和で除して目標変速比を算出している。なお、従動輪DNWは、駆動輪DRWがスキッド状態とグリップ状態とを繰り返す状態であっても、駆動輪DRWと比べて回転速度が比較的安定しているため、算出される目標変速比がハンチングせずに安定する。また、従動輪DNWは、空転傾向にある駆動輪DRWに対して回転速度が小さいことから、従動輪DNWの回転速度を上記のように補正することにより、目標変速比が高く算出されることがなくなって望ましい値を得ることができる。したがって、適切な変速制御が行われ、オーバーレブの回避が図られる。また、このように適切に設定された目標変速比に基づいて駆動側プーリ21の回転速度の目標値が設定されるため、目標値を適切に設定でき、無段変速機TMの作動制御を安定して行わせることができる。
本発明に係る無段変速機の制御装置は、上記構成例に限られない。例えばリヤドライブ型の車両や、電気自動車や燃料電池自動車など他の形態の駆動源を設けて構成される車両にも同様に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
本発明に係る無段変速機の制御装置を備えた車両のパワートレインの構成図である。 本発明に係る無段変速機の制御装置により行われる処理内容を示すフローチャートである。 目標駆動側プーリ回転速度を求めるためのマップである。
符号の説明
PW 駆動源
TM 無段変速機
DRW(Wa,Wb) 駆動輪
DNW(Wc,Wd) 従動輪
20 金属Vベルト機構
21 駆動側プーリ
26 従動側プーリ
60 制御装置
70 駆動力制御装置

Claims (2)

  1. 駆動源と駆動輪との間に、前記駆動源に連結された入力軸に設けられてプーリ幅可変の
    駆動側プーリと、
    前記入力軸に平行に配設されたカウンタ軸に設けられてプーリ幅可変の従動側プーリと、
    前記駆動側プーリおよび前記従動側プーリに巻き掛けられたベルトとから構成されて
    前記駆動側プーリおよび前記従動側プーリのプーリ幅を変更することにより変速比を変更可能な無段変速機が設けられた車両に備えられ、
    前記駆動側プーリの回転速度が運転状態に応じた制御目標回転速度になるように、前記無段変速機の変速制御を行う無段変速機の制御装置において、
    前記駆動輪がスリップしていると判断されたときに作動して前記駆動輪に伝達される駆動力を低減させ、前記駆動輪のスリップを抑制する駆動力制御装置を備え、
    前記駆動力制御装置の作動時に、運転状態に応じて設定される目標変速比と実際の前記従動側プーリの回転速度とを掛け合わせて前記制御目標回転速度を算出し、算出された前記制御目標回転速度と実際の前記駆動側プーリの回転速度との制御用偏差に基づいて前記無段変速機の変速制御を行うことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記目標変速比が、
    前記車両の車速および前記駆動源の出力状態を基にして定まる運転状態に応じて予め設定された目標駆動側プーリ設定回転速度を、前記駆動源において発生した駆動力の伝達が遮断されて前記車両に備えられた従動輪の回転速度と、前記従動輪の回転速度を増加補正する補正値との和で除して算出されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
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