JP4424836B2 - エアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のフロントピラー部に取り付けられるピラーガーニッシュに関し、特にはエアバッグを内蔵するピラーガーニッシュ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の側面衝突時にも乗員を保護するために、図12および図13に示すように、車体のピラー部95に取り付けられるピラーガーニッシュ80の裏側にもエアバッグAが収容されるようになった。その場合、側面衝突によってエアバッグAが膨張し、その膨張により、ピラーガーニッシュ80が車室内側へ押し曲げられて車体ピラー部95とピラーガーニッシュ80間にエアバッグA通過用の隙間を形成し、その隙間を通ってエアバッグAが乗員頭部TとウインドガラスG間に、鎖線Boのように展開し、乗員頭部Tを保護する。図中の符号Gはサイドガラス、Pはインストルメントパネルである。
【0003】
ところで、前記エアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ80にあっては、エアバッグA膨張時にピラーガーニッシュ80が車体ピラー部95から外れて飛散しないようにする必要がある。そのため、前記ピラーガーニッシュ80の幅方向中間部をボルト等の棒状固定部材で車体ピラー部95に確実に係止する構造が提案されている。
【0004】
さらに、前記固定部材の頭部がピラーガーニッシュの意匠面、すなわち車室内側の表面に露出して美観を損なわないようにするため、図12のX−X断面を示す図14のように、射出成形時にピラーガーニッシュ80の裏側に突出する固定部材用保持部81を形成し、該固定部材用保持部81に固定部材85一端の頭部86をインサート成形で埋設し固定することが考えられている。前記固定部材85の軸部87における他端には拡大した係止部88が形成されている。図において、符号91は車両のインナーパネル、96はインナーパネル91に形成された係止孔、Fはフロントガラス、Cはエンジンルームからの配線、101はオープニングトリム、102はグラスランチャンネル、103はボディフレームを示す。
【0005】
しかしながら、図14に示した構造を採用する場合には、固定部材用保持部81の存在によってピラーガーニッシュ80の厚みが局部的に変化するため、意匠面にヒケを生じ易くなる等の不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたもので、ピラーガーニッシュの外観にヒケの無い良好なもので、しかも簡単な構造で、かつエアバッグの膨張展開時にピラーガーニッシュの外れや破壊等を生じにくいエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ及び、該ピラーガーニッシュを効率よく且つ精度良く射出成形できる製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1の発明は、射出成形品からなるピラーガーニッシュの裏面に側壁を略筒状とする固定部材用保持部が突出形成され、該固定部材用保持部内に、軸部途中から該軸部一端の拡大した頭部までを被覆樹脂で覆った棒状固定部材が前記頭部を含む一端側で収容保持されて軸部途中の前記被覆樹脂で覆われた部位から他端側にかけて固定部材用保持部より突出したエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュにおいて、前記固定部材用保持部にはその先端に内向きの環状係止突部が形成され、前記被覆樹脂の側面外周には環状溝が形成され、該環状溝内の奥まで前記固定部材用保持部先端の環状係止突部内周縁が入り込んで係止すると共に、以下の(イ)、(ロ)の何れか又は両方の条件を満たしていることを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュに係る。
(イ)前記環状溝の溝幅t1と、前記環状溝外側の固定部材用保持部外に位置する被覆樹脂の厚みt2との関係が、t2>t1である。
(ロ)前記環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3が1.5mm以上である。
【0008】
また、請求項2の発明は、射出成形品からなるピラーガーニッシュの裏面に側壁を略筒状とする固定部材用保持部が突出形成され、該固定部材用保持部内に、軸部途中から該軸部一端の拡大した頭部までを被覆樹脂で覆った棒状固定部材が前記頭部を含む一端側で収容保持されて軸部途中の前記被覆樹脂で覆われている部位から他端側にかけて固定部材用保持部より突出したエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュにおいて、前記固定部材用保持部には側壁の内周に2つの環状係止突部が該側壁の長さ方向に離れて形成され、前記被覆樹脂の側面外周には前記環状係止突部と対応する位置に2つの環状溝が形成され、当該2つの環状溝内の奥までそれぞれ対応する前記環状係止突部が入り込んで係止すると共に、以下の(ニ)、(ホ)の何れか又は両方の条件を満たしていることを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュに係る。
(ニ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3aが1.5mm以上である。
(ホ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝の溝幅t1aと、該固定部材用保持部先端からの被覆樹脂の突出寸法t2aの関係が、t2a>t1aである。
【0009】
請求項3の発明は、型面に固定部材用保持部形成凹部と該固定部材用保持部形成凹部内底面中央に形成された固定部材保持孔とを有するコア型と、前記コア型の型面との間で成形キャビティを構成する型面を有するキャビティ型とよりなる成形型を用い、被覆樹脂によって軸部の途中から該軸部一端の拡大頭部までが覆われて当該軸部を覆う被覆樹脂側面外周に環状溝が形成された棒状固定部材を、前記拡大頭部とは反対の他端側から前記コア型の固定部材保持孔に挿入して被覆樹脂を固定部材用保持部形成凹部に配置し、該固定部材用保持部形成凹部の内壁側面と被覆樹脂側面間の隙間及び該被覆樹脂の環状溝により前記成形キャビティの固定部材用保持部形成空間を構成し、前記成形キャビティに溶融樹脂を射出することにより、ピラーガーニッシュの裏面に、側壁を略筒状とし該側壁先端に前記被覆樹脂側面の環状溝内の奥まで入り込んだ内向きの環状係止突部を有する固定部材用保持部が突出形成されたエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュを製造する方法において、以下(イ)、(ロ)、(ハ)の少なくとも1の条件を満たすことを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュの製造方法に係る。
(イ)前記環状溝の溝幅t1と、前記環状溝外側の固定部材用保持部外に位置する被覆樹脂の厚みt2との関係が、t2>t1である。
(ロ)前記環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3が1.5mm以上である。
(ハ)前記コア型の固定部材保持孔の内径W1と、前記環状溝内最奥の被覆樹脂の径W2との関係が、W2≧W1である。
【0010】
請求項4の発明は、型面に固定部材用保持部形成凹部と該固定部材用保持部形成凹部内底面中央に形成された固定部材保持孔とを有するコア型と、前記コア型の型面との間で成形キャビティを構成する型面を有するキャビティ型とよりなる成形型を用い、被覆樹脂によって軸部の途中から該軸部一端の拡大頭部までが覆われて当該軸部を覆う被覆樹脂側面外周に2つの環状溝が軸部の長さ方向に離れて形成された棒状固定部材を、前記拡大頭部とは反対の他端側から前記コア型の固定部材保持孔に挿入して被覆樹脂を固定部材用保持部形成凹部に配置し、該固定部材用保持部形成凹部の内壁側面と被覆樹脂側面間の隙間及び該被覆樹脂の2つの環状溝により前記成形キャビティの固定部材用保持部形成空間を構成し、前記成形キャビティに溶融樹脂を射出することにより、ピラーガーニッシュの裏面に、側壁を略筒状とし該側壁の内周面に前記被覆樹脂の2つの環状溝内の奥まで入り込んだ2つの環状係止突部を有する固定部材用保持部が突出形成されたエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュを製造する方法において、以下(ニ)、(ホ)、(ヘ)の少なくとも1の条件を満たすことを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュの製造方法に係る。
(ニ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3aが1.5mm以上である。
(ホ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝の溝幅t1aと、該固定部材用保持部先端からの被覆樹脂の突出寸法t2aの関係が、t2a>t1aである。
(ヘ)前記コア型の固定部材保持孔の内径W1と、前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝内最奥の被覆樹脂の径W2aとの関係が、W2a≧W1である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明のエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュが取り付けられた車室内を示す概略図、図2は図1の2−2断面図、図3は図2の固定部材付近を示す拡大断面図、図4は図1の4−4断面図、図5は図1のピラーガーニッシュの製造時を示す成形型の部分断面図、図6は他の実施例に係るピラーガーニッシュの固定部材付近を示す図1の2−2と同位置における断面図、図7は図6の固定部材付近を示す拡大断面図、図8は図6のピラーガーニッシュの製造時を示す成形型の部分断面図、図9はインナーパネルの係止孔を示す斜視図、図10は従来のピラーガーニッシュの製造時前半を示す成形型の部分断面図、図11は同じくピラーガーニッシュの製造時後半を示す成形型の部分断面図である。
【0012】
図1ないし図3に示すように、この発明におけるピラーガーニッシュ10は、裏面側にエアバッグAが折り畳まれた状態で自動車のインストルメントパネルP上方の車体ピラー部20に取り付けられ、ピラー部20の車室内側を覆う。そして自動車衝突時にはインストルメントパネルP付近に設置されているインフレータIの作動によりガスがエアバッグA内に圧入され、インストルメントパネルP側(ピラーガーニッシュ10下方側)から順次エアバッグAが膨張して、ピラーガーニッシュ10の車両後方側11(すなわちサイドガラスG側)の側縁12を車室内側へ押し曲げ、その押し曲げられたピラーガーニッシュ10の側縁12と車体ピラー部20との隙間からエアバッグAがサイドガラスG内側で展開して乗員の主として頭部を保護するようになっている。
【0013】
前記ピラーガーニッシュ10は、射出成形によって成形されたもので、車室内側へ膨らむ湾曲形状の横断面形状をした所要長さの樹脂製カバー体からなり、車両前後方向と対応する幅方向の略中央位置を境として車両後方側11(サイドガラスG側)の裏面がエアバッグAを収容する部分とされ、車両前方側14(すなわちフロントガラスF側)の裏面がエンジンルームからの電源コードC等を収容する部分になっている。
【0014】
前記ピラーガーニッシュ10を構成する樹脂は適宜とされる。しかし、該ピラーガーニッシュ10は、通常50cm以上の長尺の部品とされるため、夏期の高い車室内温度等による熱膨張で寸法変化が生じ易く、しかも高温下では樹脂の軟化によってピラー部への取付部付近の強度が低下し易い性質がある。また、自動車の使用場所や季節を考慮すると、低温(−35℃)から高温(90℃)の範囲においてエアバッグ膨張時にピラーガーニッシュの破壊や飛散が生じにくいようにする必要があり、さらには、車体ピラー部への取付作業性の点から樹脂を適宜の硬さ(柔らかさ)とする必要がある。かかる点から、ピラーガーニッシュを構成する樹脂としては、アイゾッド衝撃強度(−35℃、JIS K 7110)が196N・m/m(20kg・cm/cm)より大、曲げ弾性率(JIS K7203)が4.41×103MPa(4,500kg/cm2 )より大、耐熱変形温度(0.45MPa(4.6kg荷重)、JIS K 7207)が90℃より大、線膨張係数(−35℃〜90℃、ASTM D 696)が10℃・cm/cmより小のTPO(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)が特に好ましい。
【0015】
この例のピラーガーニッシュ10は、下端がインストルメントパネルPに形成された孔(図示せず)に挿入固定され、中間部がピラーガーニッシュ10の長手方向に沿う4箇所の取付部位15,15,16,16で車体ピラー部20に取り付けられる。この例の中間取付部位15,15,16,16は、エアバッグA膨張時のピラーガーニッシュ外れ防止用取付部位15と、平常時のガタツキ防止用取付部位16とよりなり、ピラーガーニッシュ10の下方側から順に外れ防止用取付部位15とガタツキ防止用取付部位16が交互に位置する。
【0016】
外れ防止用取付部位15では、ピラーガーニッシュ10の裏面に固定部材用保持部30が突出形成され、その固定部材用保持部30内に棒状固定部材40の頭部42側が収容保持されている。この固定部材用保持部30は側壁31を略筒状とするものであり、該側壁31先端に内向きの環状係止突部35が形成されている。この例の環状係止突部35は、前記側壁31先端から固定部材用保持部30内へ略直角に突出し、中央部が固定部材40との係合孔34を構成している。なお、この固定部材用保持部30における側壁31の厚みT2は、固定部材用保持部30外側のピラーガーニッシュの厚みT1との関係が、T1>T2≧0が好ましい。このような厚み関係にすると、固定部材用保持部30の側壁31の剛性が小さくなって、ピラーガーニッシュ10の車室内側への押し曲げの際に、ヒンジ部となる固定部材用保持部30側壁31の基部32に応力集中が少なくなり、エアバッグAの膨張展開時に固定部材用保持部30側壁31の基部32で亀裂を生じ難くなる。
【0017】
棒状固定部材40は、軸部43の一端を大径の頭部42とし、該軸部43の他端側に大径の係止部44を設けた固定部材本体41と、前記軸部43の途中(軸部43の両端間の適宜位置)から、該軸部43一端の拡大頭部42までを覆った被覆樹脂45とよりなる。
【0018】
前記固定部材本体41は、図示のものに限られるものではなく、ボルトとナットからなるものとし、ボルトの頭部が固定部材の頭部を構成し、ナットが係止部を構成するようにしたもの等適宜のものが用いられる。ボルトとナットで構成される場合は、前記係止部としてのナットはボルトに螺合され、頭部との間隔を所定距離として溶接などで位置がずれないように固着されたものとする。なお、前記頭部42と係止部44の間隔は、このピラーガーニッシュ10を車体ピラー部20に取り付ける際に取付け可能な寸法とされる。
【0019】
前記被覆樹脂45は、予め射出成形等によって固定部材本体41の軸部43途中から該軸部43一端の頭部42までを覆うようにして形成される。この被覆樹脂45で覆われた状態で固定部材40は、前記ピラーガーニッシュ10の射出成形の際に固定部材用保持部30に収容保持される。前記被覆樹脂45は固定部材本体41の頭部42より大径の円柱状からなり、該被覆樹脂45の側面外周に、環状溝46が形成され、該環状溝46内の奥まで前記固定部材用保持部30先端の環状係止突部35内周縁36が入り込んで係止する。前記環状溝46の位置は、前記固定部材本体41の頭部42よりも軸部他端の係止部44寄りが好ましい。
【0020】
前記頭部42表面42sに位置する被覆樹脂45の表面45sは、前記固定部材用保持部30の側壁31で包囲されたピラーガーニッシュの部分10sの表面形状と等しくなっていることが好ましい。それによって、前記固定部材用保持部30の側壁31で覆われたピラーガーニッシュ部分10sにおけるピラーガーニッシュ10の樹脂厚が均一になり、樹脂厚の不均一に起因するピラーガーニッシュ10意匠面のヒケを防止できる。
【0021】
また、前記固定部材40は、後に詳述するように被覆樹脂45で覆われた頭部42を含む軸部43の一端側がインサート射出成形によってピラーガーニッシュ10の固定部材用保持部30に収容保持される。そのインサート成形の際、図10及び図11に示すように、固定部材40を射出成形型60のコア型61に形成されている固定部材保持孔62に係止部44側の他端側から挿入して固定部材用保持部形成凹部63に被覆樹脂45部分を配置し、該コア型61とキャビティ型65間の成形キャビティCに溶融樹脂Pを射出し、該溶融樹脂Pをコア型61の固定部材用保持部形成凹部内壁側面63aと被覆樹脂45間及び被覆樹脂45の環状溝46内とで構成される固定部材用保持部形成空間64に充填することによって、前記筒状の側壁31とその先端の環状係止突部35とよりなる固定部材用保持部30がピラーガーニッシュ10の裏面に形成される。固定部材保持孔62の内径はピラーガーニッシュ10の脱型が可能なように、固定部材40における係止部44の径以上の寸法とされるため、固定部材40の軸部43と固定部材保持孔62内周面間には空間Sが形成される。符号69は突き出しピンである。
【0022】
ところが、前記溶融樹脂Pが固定部材用保持部形成空間64を満たす際に、図11の(I)のように射出圧により、及び図11の(II)のように射出完了後の型内保圧により、溶融樹脂Pが被覆樹脂45の環状溝46内奥を突き破ってコア型61の固定部材保持孔62内にまで侵入し、軸部43周囲の空間Sを満たして硬化することが発生し易い。そのため、得られるピラーガーニッシュ10は、前記環状溝46が破壊された状態になり、前記固定部材40の頭部42保持不良を生じ易い。この不具合を防ぐには、コア型61を分割式のものとし、前記被覆樹脂45で覆われていない軸部43の外周面と固定部材保持孔62内周面間に空間Sを生じないようにすることが考えられるが、その場合には成形型のコストが上昇し、ピラーガーニッシュの作業性にも好ましくない。
【0023】
そこで、前記不具合の発生を防ぐため、この発明においては、前記被覆樹脂45を、以下の(イ)又は(ロ)のいずれか又は両方の条件を満たしているものとする。(イ)前記環状溝46の溝幅t1と、前記環状溝46外側の固定部材用保持部30外に位置する被覆樹脂45の厚みt2との関係が、t2>t1である。(ロ)前記環状溝46内最奥における被覆樹脂45の厚みt3が1.5mm以上である。このようにすることによって、前記被覆樹脂45の環状溝46部分における強度が向上して前記射出成形時の圧力に耐えられ、該環状溝46が破壊されていない良好な固定部材用保持部30が得られる。最も好ましいのは、前記(イ)、(ロ)の両方を満たす場合である。この例では、t1:1.5mm、t2:2.5mm、t3:2.5mmである。
【0024】
前記被覆樹脂45を構成する合成樹脂としては、例としてオレフィン系のエラストマーを挙げることができる。さらに好ましくは、被覆樹脂45を構成する樹脂の曲げ弾性率(JISK7203で測定)が700MPa以上、熱変形温度(JISK7207 45.08N荷重(4.6kg荷重))が100℃以上のエラストマーが挙げられる。このように樹脂を選択することによって、成形に際してピラーガーニッシュ本体10(固定部材40を除く部分)を成形する樹脂の熱及び圧力に耐える高剛性、高温耐熱の樹脂とすることができ、またピラーガーニッシュ10本体の樹脂との融着強度が高くなる。
【0025】
ガタツキ防止用固定部位16には、図4に示すように、ピラーガーニッシュ10裏面に形成されたクリップ用座部53を有し、この座部53に金属製または樹脂製のクリップ51が固着され、車体ピラー部20のインナーパネル21に形成されたクリップ孔29にクリップ51が挿入されて係合するようになっている。この例のクリップ51は、外側へ膨らむように屈曲した係止片52,52を有し、ピラーガーニッシュ10の車体ピラー部20への取り付けによって、ガタツキなくピラーガーニッシュ10を車体ピラー部20に固定し、エアバッグAの膨張によるピラーガーニッシュ10の押し曲げ時に、クリップ51がインナーパネル21のクリップ孔29から外れるようになっている。また、このクリップ用座部53は、薄肉のリブ状からなり、ピラーガーニッシュ10の意匠面にヒケを生じないようになっている。
【0026】
次に、前記ピラーガーニッシュ10の製造方法の実施例について、射出成形型60の一部を示す図5を用いて説明する。この発明のエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ10は、射出成形型60を用いる公知のインサート射出成形を利用して行われる。射出成形型60は、型面所定部に固定部材用保持部形成凹部63と該固定部材用保持部形成凹部内底面中央に形成された固定部材保持孔62とを有するコア型61と、前記コア型61の型面との間で成形キャビティCを構成する型面を有するキャビティ型65とよりなる。固定部材用保持部形成凹部63の寸法は、深さが前記固定部材40の被覆樹脂45の軸長方向の厚みと等しくされ、内径については固定部材40の頭部42とは反対側の被覆樹脂45端部の径と等しくされている。また、前記固定部材保持孔62は被覆樹脂45を支持できるように被覆樹脂45の径より小さくされ、さらに固定部材40の係止部44まで完全に収容できる深さとされる。なお、前記コア型61の型面にはその他、前記ガタツキ防止用座部のための凹部等、必要な凹凸形状が成形されて前記成形キャビティCがピラーガーニッシュ形状とされている。符号69は製品突き出しピンである。
【0027】
そして、前記被覆樹脂45側面外周に環状溝46が形成された棒状固定部材40を、前記拡大頭部42とは反対の他端側から前記コア型61の固定部材保持孔62に挿入して被覆樹脂45を固定部材用保持部形成凹部63に配置し、該固定部材用保持部形成凹部63の内壁側面63aと被覆樹脂45側面間の隙間及び該被覆樹脂45の環状溝46により前記成形キャビティCの固定部材用保持部形成空間64を構成する。次いで、この成形キャビティCに溶融樹脂Pを射出することにより、ピラーガーニッシュ10の裏面に、側壁31を略筒状とし該側壁31先端に前記被覆樹脂45側面の環状溝46内の奥まで入り込んだ内向きの環状係止突部35を有する固定部材用保持部30が突出形成される。
【0028】
前記製造においては、図4に示した不具合を生じないようにするため、すなわち前記溶融樹脂Pが被覆樹脂45の環状溝46を破壊しないようにするため、以下(イ)、(ロ)、(ハ)の少なくとも1の条件を満たすことが好ましい。
(イ)前記環状溝46の溝幅t1と、前記環状溝46外側の固定部材用保持部外に位置する被覆樹脂45の厚みt2との関係が、t2>t1である。
(ロ)前記環状溝46内最奥における被覆樹脂45の厚みt3が1.5mm以上である。
(ハ)前記コア型61の固定部材保持孔62の内径W1と、前記環状溝46内最奥の被覆樹脂45の径W2との関係が、W2≧W1である。
この(イ),(ロ)に関しては、先に述べたように被覆樹脂45の強度向上を図る条件であり、(ハ)は射出成形時に環状溝46外の被覆樹脂45先端面を固定部材保持孔62周縁の固定部材用保持部形成凹部63で支持し、環状溝46内に充填された溶融樹脂Pが被覆樹脂45を破壊しないようにするものである。最も好ましいのは(イ)、(ロ)、(ハ)の全ての条件を満たす場合である。
射出終了後成形型60を開き、前記突き出しピン69により成形品を押し出せば、図1ないし4に示したピラーガーニッシュ10が得られる。
【0029】
この発明のピラーガーニッシュにおける外れ防止用取付部位15の構造としては、前記したものだけでなく、図6及び7に示すピラーガーニッシュ10Aのように、固定部材用保持部30Aの側壁31Aの内周に固定部材40Aの軸方向に離れた2つの環状係止突部35A,35Aが形成され、棒状固定部材40Aの被覆樹脂45Aの側面外周には前記2つの環状係止突部35A,35Aと対応する位置に2つの環状溝46A,46Aが形成され、当該2つの環状溝46A,46A内の奥までそれぞれ対応する前記環状係止突部35A,35Aが入り込んで係止するとともに、以下の(ニ)、(ホ)のいずれか又は両方の条件を満たしている構造も好ましい。なお、前記ガタツキ防止用取付部位16については、前記実施例のピラーガーニッシュ10と同様である。図において、同一部材は同一符号で表す。
(ニ)前記固定部材用保持部30A先端側に位置する環状溝46A内最奥における被覆樹脂45Aの厚みt3aが1.5mm以上である。
(ホ)前記固定部材用保持部30A先端側に位置する環状溝46Aの溝幅t1aと、該固定部材用保持部30A先端からの被覆樹脂45Aの突出寸法t2aの関係が、t2a>t1aである。
この条件は前記実施例のピラーガーニッシュ10と同様に、射出成形の際の被覆樹脂45Aの強度を高め、図4の不具合を防止するものである。勿論、最も好ましいのは(ニ)、(ホ)の両方を満たす場合である。
【0030】
この実施例のピラーガーニッシュ10Aに対する製造方法としては、前記ピラーガーニッシュ10の製造と同様の成形キャビティCを有する射出成形型60を用い、前記被覆樹脂45A側面外周に2つの環状溝46A,46Aが形成された棒状固定部材40Aを、前記拡大頭部42とは反対の他端側から前記コア型61の固定部材保持孔62に挿入して被覆樹脂45Aを固定部材用保持部形成凹部63に配置し、該固定部材用保持部形成凹部63の内壁側面63aと被覆樹脂45A側面間の隙間及び該被覆樹脂45Aの2つの環状溝46A,46Aにより前記成形キャビティの固定部材用保持部形成空間64Aを構成する。そして、前記成形キャビティCに溶融樹脂Pを射出することにより、ピラーガーニッシュ10Aの裏面に、側壁31Aを略筒状とし該側壁31Aの内周面に前記被覆樹脂45Aの2つの環状溝46A,46A内の奥まで入り込んだ2つの環状係止突部35A,35Aを有する固定部材用保持部30Aが突出形成されたエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ10Aが得られる。
【0031】
また、前記製造方法において、以下(ニ)、(ホ)、(ヘ)の少なくとも1の条件を満たすことが好ましい。
(ニ)前記固定部材用保持部30A先端側に位置する環状溝46A内最奥における被覆樹脂45Aの厚みt3aが1.5mm以上である。
(ホ)前記固定部材用保持部30A先端側に位置する環状溝46Aの溝幅t1aと、該固定部材用保持部30A先端からの被覆樹脂45Aの突出寸法t2aの関係が、t2a>t1aである。
(ヘ)前記コア型61の固定部材保持孔62の内径W1と、前記固定部材用保持部30A先端側に位置する環状溝46A内最奥の被覆樹脂45Aの径W2aとの関係が、W2a≧W1である。
これらの条件は(ニ)、(ホ)は成形時における樹脂圧に耐えうるように被覆樹脂45Aを強化し、(へ)は環状溝46A,46A周辺における被覆樹脂45Aをコア型61の固定部材用保持部形成凹部63で支持し、溶融樹脂Pが被覆樹脂45Aを破壊するのを防止するものであり、最も好ましいのは、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の全てを満たす場合である。
【0032】
このようにしてなる前記ピラーガーニッシュ10(10A)が取り付けられる車体ピラー部20は、図4に示すようにインナーパネル21に前記クリップ孔29と、図9に示したような係止孔25がピラーガーニッシュ10の固定部材用固定部材用保持部30(30A)の位置に対応して形成されている。この係止孔25は、ピラーガーニッシュ10(10A)の長手方向に沿う所定長の長孔からなり、前記固定部材40(40A)の係止部44が挿通可能な大径の孔26を下端に有し、その上方に係止部44の径より小さく、かつ軸部43(43A)が挿通可能な大きさの軸部挿通路27が伸びている。そして、ピラーガーニッシュ10の取付時、まず、前記係止孔25の大径の孔26に前記固定部材40(40A)の係止部44を挿通し、前記軸部挿通路27の上端28に軸部43(43A)が衝突するまで、ピラーガーニッシュ10を車体ピラー部20に沿って上方へスライドさせる。これによって、前記クリップ51がインナーパネル21のクリップ孔29上に移動する。次いで、その位置でピラーガーニッシュ10をインナーパネル21側へ強く押してクリップ51をクリップ孔29に挿入係合させれば、ピラーガーニッシュ10(10A)の取り付けが完了する。
【0033】
前記車体ピラー部20に取り付けられたピラーガーニッシュ10(10A)は、エアバッグAの膨張によりピラーガーニッシュ10が車室内側へ押し曲げられる際に、前記固定部材40(40A)の係止部44がインナーパネル21の係止孔25の軸部挿通路27に係合する(軸部挿通路27の裏面に当たる)ことによって、車体ピラー部20から外れることが防がれる。なお、前記固定部材40(40A)の被覆樹脂45(45A)で覆われていない軸部43部分には、適宜ガタツキ防止用のクリップ等が適宜設けられてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、請求項1の発明のエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュによれば、予め頭部を合成樹脂の被覆樹脂で覆った固定部材を、インサート射出成形時にピラーガーニッシュ裏面に一体に突出成形された固定部材用保持部に収容保持し、かつ固定部材用保持部には環状係止突部を設け、被覆樹脂には環状溝が形成されて該環状溝の奥まで固定部材用保持部先端の環状係止突部周縁が入り込んで係止する構造としたものであるため、意匠面にヒケの無い外観良好なものとなり、しかもエアバッグ膨出時におけるピラーガーニッシュの外れを確実に防止することができる。さらに、前記(イ)、(ロ)の条件の少なくとも一方を満たすことによって成形不良品を極めて少なくすることができ、かつ精度高いピラーガーニッシュが得られる。
【0035】
さらに、請求項2のピラーガーニッシュによれば、予め頭部を合成樹脂の被覆樹脂で覆った固定部材を、インサート射出成形時にピラーガーニッシュ裏面に一体に突出成形された固定部材用保持部に収容固定し、かつ固定部材用保持部には2つの環状係止突部を設け、被覆樹脂には対応する位置に2つの環状溝が形成されて該環状溝の奥まで固定部材用保持部先端の環状係止突部周縁が入り込んで係止する構造としたものであるため、前記同様、エアバッグ膨出時におけるピラーガーニッシュの外れを確実に防止することができると共に、ヒケの発生も防ぐことができるので外観が良好になる。さらに、前記(ニ)、(ホ)の条件の少なくとも一方を満たすことによって成形不良品を極めて少なくすることができ、かつ精度高いピラーガーニッシュが得られる。
【0036】
さらに、請求項3の発明における製造方法によれば、前記(イ)、(ロ)、(ハ)の条件の少なくとも1を満たすことにより、また請求項4の発明における製造方法によれば、前記(ニ)、(ホ)、(ヘ)の条件の少なくとも1を満たすことにより、エアバッグ膨出時に外れを生じ難く、しかも外観の良好なピラーガーニッシュを、成形不良少なく、かつ精度高く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュが取り付けられた車室内を示す概略図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図2の固定部材付近を示す拡大断面図である。
【図4】図1の4−4断面図である。
【図5】図1のピラーガーニッシュの製造時を示す成形型の部分断面図である。
【図6】他の実施例に係るピラーガーニッシュの固定部材付近を示す図1の2−2と同位置における断面図である。
【図7】図6の固定部材付近を示す拡大断面図である。
【図8】図6のピラーガーニッシュの製造時を示す成形型の部分断面図である。
【図9】インナーパネルの係止孔を示す斜視図である。
【図10】従来のピラーガーニッシュの製造時前半を示す成形型の部分断面図である。
【図11】同じくピラーガーニッシュの製造時後半を示す成形型の部分断面図である。
【図12】従来のエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュが取り付けられた車室内の概略図である。
【図13】エアバッグの膨張時を示す概略図である。
【図14】図12のX−X断面図である。
【符号の説明】
10 ピラーガーニッシュ
20 車体ピラー部
25 係止孔
30 固定部材用保持部
35 環状係止突部
40 固定部材
42 固定部材頭部
43 固定部材軸部
44 固定部材係止部
45 被覆樹脂
46 環状溝
60 成形型
61 コア型
62 固定部材保持孔
63 固定部材用保持部形成凹部
65 キャビティ型
P 溶融樹脂
A エアバッグ
t1 環状溝の溝幅
t2 環状溝外側の固定部材用保持部外に位置する被覆樹脂の厚み
t3 環状溝内最奥における被覆樹脂の厚み
W1 コア型の固定部材保持孔の内径
W2 環状溝内最奥の被覆樹脂の径

Claims (4)

  1. 射出成形品からなるピラーガーニッシュの裏面に側壁を略筒状とする固定部材用保持部が突出形成され、該固定部材用保持部内に、軸部の途中から軸部一端の拡大した頭部までを被覆樹脂で覆った棒状固定部材が前記頭部を含む一端側で収容保持されて軸部途中の前記被覆樹脂で覆われた部位から他端側にかけて固定部材用保持部より突出したエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュにおいて、
    前記固定部材用保持部にはその先端に内向きの環状係止突部が形成され、
    前記被覆樹脂の側面外周には環状溝が形成され、該環状溝内の奥まで前記固定部材用保持部先端の環状係止突部内周縁が入り込んで係止すると共に、以下の(イ)、(ロ)の何れか又は両方の条件を満たしていることを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ。
    (イ)前記環状溝の溝幅t1と、前記環状溝外側の固定部材用保持部外に位置する被覆樹脂の厚みt2との関係が、t2>t1である。
    (ロ)前記環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3が1.5mm以上である。
  2. 射出成形品からなるピラーガーニッシュの裏面に側壁を略筒状とする固定部材用保持部が突出形成され、該固定部材用保持部内に、軸部途中から該軸部一端の拡大した頭部までを被覆樹脂で覆った棒状固定部材が前記頭部を含む一端側で収容保持されて軸部途中の前記被覆樹脂で覆われている部位から他端側にかけて固定部材用保持部より突出したエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュにおいて、
    前記固定部材用保持部には側壁の内周に2つの環状係止突部が該側壁の長さ方向に離れて形成され、
    前記被覆樹脂の側面外周には前記環状係止突部と対応する位置に2つの環状溝が形成され、当該2つの環状溝内の奥までそれぞれ対応する前記環状係止突部が入り込んで係止すると共に、以下の(ニ)、(ホ)の何れか又は両方の条件を満たしていることを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュ。
    (ニ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3aが1.5mm以上である。
    (ホ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝の溝幅t1aと、該固定部材用保持部先端からの被覆樹脂の突出寸法t2aの関係が、t2a>t1aである。
  3. 型面に固定部材用保持部形成凹部と該固定部材用保持部形成凹部内底面中央に形成された固定部材保持孔とを有するコア型と、前記コア型の型面との間で成形キャビティを構成する型面を有するキャビティ型とよりなる成形型を用い、
    被覆樹脂によって軸部の途中から該軸部一端の拡大頭部までが覆われて当該軸部を覆う被覆樹脂側面外周に環状溝が形成された棒状固定部材を、前記拡大頭部とは反対の他端側から前記コア型の固定部材保持孔に挿入して被覆樹脂を固定部材用保持部形成凹部に配置し、該固定部材用保持部形成凹部の内壁側面と被覆樹脂側面間の隙間及び該被覆樹脂の環状溝により前記成形キャビティの固定部材用保持部形成空間を構成し、
    前記成形キャビティに溶融樹脂を射出することにより、ピラーガーニッシュの裏面に、側壁を略筒状とし該側壁先端に前記被覆樹脂側面の環状溝内の奥まで入り込んだ内向きの環状係止突部を有する固定部材用保持部が突出形成されたエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュを製造する方法において、
    以下(イ)、(ロ)、(ハ)の少なくとも1の条件を満たすことを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュの製造方法。
    (イ)前記環状溝の溝幅t1と、前記環状溝外側の固定部材用保持部外に位置する被覆樹脂の厚みt2との関係が、t2>t1である。
    (ロ)前記環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3が1.5mm以上である。
    (ハ)前記コア型の固定部材保持孔の内径W1と、前記環状溝内最奥の被覆樹脂の径W2との関係が、W2≧W1である。
  4. 型面に固定部材用保持部形成凹部と該固定部材用保持部形成凹部内底面中央に形成された固定部材保持孔とを有するコア型と、前記コア型の型面との間で成形キャビティを構成する型面を有するキャビティ型とよりなる成形型を用い、
    被覆樹脂によって軸部の途中から該軸部一端の拡大頭部までが覆われて当該軸部を覆う被覆樹脂側面外周に2つの環状溝が軸部の長さ方向に離れて形成された棒状固定部材を、前記拡大頭部とは反対の他端側から前記コア型の固定部材保持孔に挿入して被覆樹脂を固定部材用保持部形成凹部に配置し、該固定部材用保持部形成凹部の内壁側面と被覆樹脂側面間の隙間及び該被覆樹脂の2つの環状溝により前記成形キャビティの固定部材用保持部形成空間を構成し、
    前記成形キャビティに溶融樹脂を射出することにより、ピラーガーニッシュの裏面に、側壁を略筒状とし該側壁の内周面に前記被覆樹脂の2つの環状溝内の奥まで入り込んだ2つの環状係止突部を有する固定部材用保持部が突出形成されたエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュを製造する方法において、
    以下(ニ)、(ホ)、(ヘ)の少なくとも1の条件を満たすことを特徴とするエアバッグ内蔵式ピラーガーニッシュの製造方法。
    (ニ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝内最奥における被覆樹脂の厚みt3aが1.5mm以上である。
    (ホ)前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝の溝幅t1aと、該固定部材用保持部先端からの被覆樹脂の突出寸法t2aの関係が、t2a>t1aである。
    (ヘ)前記コア型の固定部材保持孔の内径W1と、前記固定部材用保持部先端側に位置する環状溝内最奥の被覆樹脂の径W2aとの関係が、W2a≧W1である。
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