JP4424195B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の制御装置に関し、特に、4輪駆動車の前後輪の駆動力配分を制御する制御装置に関する。
従来、4輪駆動車においては、前後輪の駆動力を適切に配分して、燃費と走行性能とを両立させる駆動力制御が行なわれている。たとえば、特開平7−144552号公報(特許文献1)は、運転者による加速操作に対する応答性は高く維持しながら、定速走行状態における燃費を向上可能な車両の前後輪間駆動力配分制御装置を開示する。この前後輪間駆動力配分制御装置は、車両の前後輪のいずれか一方を主駆動輪とし、他方を副駆動輪として、制御信号に応じて主駆動輪及び副駆動輪に相当する前後輪間で機関からの駆動力の配分を調整する駆動力配分調整手段と、主駆動輪及び副駆動輪に相当する前後輪の夫々の回転状態を検出する前後輪回転状態検出手段と、少なくとも前記前後輪回転状態検出手段で検出された前後輪回転状態検出値の偏差に基づいて、前記駆動力配分調整手段による前後輪間の主副駆動輪間駆動力配分を調整するための制御信号を出力する駆動力配分制御手段とを含む。前後輪間駆動力配分制御装置は、車両に作用する入力又は車両に発生している物理量を検出するための入力物理量検出手段と、入力物理量検出手段で検出された入力物理量検出値に基づいて、車両の定速走行状態を検出する定速走行状態検出手段と、定速走行状態検出手段で検出された定速走行状態検出値に基づいて、車両の定速走行状態では副駆動輪への駆動力配分を小さくするために、前後輪回転状態検出値の偏差に基づく前後輪間の駆動力配分調整の特性を変更する駆動力配分特性変更手段とを含む。
特許文献1において開示される前後輪間駆動力配分制御装置によると、車両の定速走行状態で、たとえば、四輪駆動状態への移行制御を実行しない不感帯を設けるなどして、駆動力配分特性を変更することで、定速走行状態における車両の燃費を向上することができる。また、この駆動力配分特性の変更量を、たとえば、車両の走行抵抗に応じて補正することで、定速走行状態における車両の燃費向上と4輪駆動走行による走行安定性とを両立することができる。
特開平7−144552号公報
しかしながら、特許文献1に開示された前後輪間駆動力配分制御装置においては、不感帯の設定が車速に依存しているという問題がある。すなわち、不感帯が車速に依存していると、大加速時には不感帯が小さすぎる場合がある。そのため、不要な駆動力が副駆動輪側に伝達されて、4輪駆動で走行する。その結果、燃費が悪化するという問題がある。
また、小加速時には、不感帯が大きすぎる場合がある。そのため、4輪駆動による走行が必要となる氷結路面等の低い摩擦係数の路面を走行するときに、4輪駆動とならず、トラクション性能が悪化するという問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、走行状況に応じて、燃費性能とトラクション性能とを両立させる車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、4輪駆動車の前後輪における駆動力の配分を制御する車両の制御装置である。4輪駆動車は、前後輪のいずれか一方であって、動力源に連結された主駆動輪と、主駆動輪の他方であって、動力源からの駆動力の伝達量を可変にするカップリングを介して動力源に接続された副駆動輪とを含む。制御装置は、前後輪の回転状態の偏差に基づいて、前後輪間のスリップ状態の実状態量を算出するための算出手段と、乾燥路面における主駆動輪のスリップ状態の予測状態量を予測するための予測手段と、実状態量と予測状態量との差に応じて、副駆動輪の駆動力の配分特性を設定するための設定手段と、設定された配分特性に基づいて、カップリングにおける伝達量を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、算出手段は、前後輪の回転状態の偏差に基づいて、前後輪間のスリップ状態の実状態量(たとえば、前後輪間のスリップ率の差)を算出する。予測手段は、乾燥路面における主駆動輪のスリップ状態の予測状態量(たとえば、主駆動輪におけるスリップ率)を予測する。設定手段は、実状態量と予測状態量との差に応じて、前後輪の駆動力の配分特性を設定する。制御手段は、設定された配分特性に基づいて、カップリングにおける伝達量を制御する。たとえば、予測手段は、乾燥路面を主駆動輪の駆動力だけで走行するとき(すなわち、2輪駆動での走行時)の主駆動輪のスリップ状態の予測状態量を予測する。大加速時においても前後輪の回転状態の偏差に基づいて算出される実状態量が予測状態量を超えない場合には、車両は乾燥路面上を走行しているといえる。そのため、主駆動輪の駆動力だけで走行するようにすると、燃費を向上させることができる。一方、小加速時においても実状態量が予測状態量を超える場合は、車両は、少なくとも乾燥路面よりも摩擦係数の低い低μ路面上を走行しているといえる。そのため、副駆動輪に駆動力が発生するようにカップリングにおける伝達量を制御することにより、車両は4輪駆動で走行するため、トラクション性能および走行安定性を向上させることができる。したがって、実状態量と予測状態量との差に応じて、前後輪の駆動力の配分特性を設定することにより、走行状況に応じて、燃費性能とトラクション性能とを両立させる車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、予測手段は、主駆動輪から乾燥路面に伝達される駆動力に基づいて、予測状態量を予測するための手段を含む。
第2の発明によると、予測手段は、たとえば、乾燥路面を主駆動輪の駆動力だけで走行するとき(すなわち、2輪駆動での走行時)に主駆動輪から乾燥路面に伝達される駆動力に基づいて、予測状態量を予測する。これにより、実状態量が予測状態量を超えない場合には、車両は乾燥路面上を走行しているといえる。一方、実状態量が予測状態量を超える場合には、車両は少なくとも乾燥路面よりも摩擦係数の低い低μ路面上を走行しているといえる。実状態量と予測状態量との差に応じて、前後輪の駆動力の配分特性を設定することにより、走行状況に応じて、燃費性能とトラクション性能とを両立させることができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、設定手段は、実状態量が予測状態量を越えると、副駆動輪に駆動力を配分するように配分特性を設定するための手段を含む。
第3の発明によると、実状態量が予測状態量を越える場合、車両は少なくとも乾燥路面よりも摩擦係数の低い低μ路面上を走行しているといえる。そのため、副駆動輪に駆動力を配分するように配分特性を設定することにより、車両は4輪駆動で走行するため、トラクション性能および走行安定性を向上させることができる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、設定手段は、車両の直進走行時に、配分特性を設定するための手段を含む。
第4の発明によると、設定手段は、車両の直進走行時に、配分特性を設定する。これにより、車両の直進中に加速を開始するような場合においても、走行状況に応じて、適切な配分特性を設定することができるため、燃費性能とトラクション性能とを両立させることができる。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、実状態量は、車両の走行速度に対する前後輪の回転速度差の割合で示される前後輪間におけるスリップ率の差である。予測状態量は、車両の走行速度に対する主駆動輪の回転速度と走行速度との差の割合で示されるスリップ率である。
第5の発明によると、前後輪間のスリップ率の差である実状態量と、乾燥路面における主駆動輪のスリップ率である予測状態量との差に応じて、副駆動輪の駆動力の配分特性を設定することにより、走行状況に応じて、燃費性能とトラクション性能とを両立させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示すように、本実施の形態における車両100は、エンジン102と、トランスミッション104と、トランスファ106と、前輪差動装置108と、前輪110と、プロペラシャフト112と、制御カップリング114と、後輪差動装置116と、後輪118と、ECU(Electronic Control Unit)200から構成される。本実施の形態に係る車両の制御装置は、ECU200によって実現される。
本実施の形態において、前輪110を主駆動輪とし、後輪118を副駆動輪とするFFベースの4輪駆動車について説明するが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、後輪を主駆動輪とし、前輪を副駆動輪とするFRベースの4輪駆動車であってもよい。
エンジン102の出力軸は、トランスミッション104の入力軸に接続される。トランスミッション104は、変速機であれば特に限定されるものではなく、たとえば、自動変速機であってもよいし、手動変速機であってもよいものとする。また、エンジン102は、動力源であればよく、たとえば、駆動用モータ等の動力源を用いてもよいものとする。
トランスミッション104の内部には、入力軸からの動力伝達経路に接続される前輪差動装置108が設けられる。前輪差動装置108は、ドライブシャフトを介して前輪110に接続される。
トランスミッション104には、トランスファ106が接続される。トランスファ106には、エンジン102の動力を後輪側に伝達するプロペラシャフト112が設けられる。プロペラシャフト112の後輪側の端部は、制御カップリング114の入力側に接続される。制御カップリング114の出力側には、後輪差動装置116が接続される。後輪差動装置116は、ドライブシャフトを介して後輪118に接続される。
エンジン102で発生する駆動力は、トランスミッション104、前輪差動装置108およびドライブシャフトを介して前輪110に伝達される。また、エンジン102で発生する動力は、前輪差動装置108からトランスファ106、プロペラシャフト112および制御カップリング114を介して後輪差動装置116に伝達される。後輪差動装置116に伝達された動力は、ドライブシャフトを介して後輪118に伝達される。
制御カップリング114は、プロペラシャフト112から伝達される駆動力を入力として、ECU200から出力される指令電流に基づいて、後輪差動装置116に出力する動力の伝達量を調整する。制御カップリング114は、たとえば、多板クラッチ等から構成され、指令電流に基づいて、クラッチの圧着力が制御される。すなわち、制御カップリング114は、クラッチの解放状態から直結状態までの間で制御されることにより、後輪側に出力される伝達量が制御される。
ECU200には、車輪速センサ300と、変速比検知センサ400と、スロットル開度センサ500と、エンジン回転数センサ600と、前後Gセンサ700とが電気的に接続される。
車輪速センサ300は、前輪110および後輪118の4輪にそれぞれ設けられる。車輪速センサ300は、前輪110あるいは後輪118の回転速度を検知する。車輪速センサ300は、検知された車輪の回転速度に対応する検知信号をECU200に送信する。
変速比検知センサ400は、トランスミッション104における変速比を検知する。変速比検知センサ400は、たとえば、トランスミッション104が自動変速機であれば、トランスミッション104の入力軸側の回転数と出力軸側の回転数との比により変速比を検知するようにしてもよいし、トランスミッション104が手動変速機であれば、シフトレバー(図示せず)の位置に対応する変速比を検知するようにしてもよい。変速比検知センサ400は、変速比に対応する検知信号をECU200に送信する。
スロットル開度センサ500は、エンジン102に設けられるスロットル弁(図示せず)の開度を検知する。スロットル開度センサ500は、検知されたスロットル開度に対応する検知信号をECU200に送信する。
エンジン回転数センサ600は、エンジン102の出力軸の回転数を検知する。エンジン回転数センサ600は、たとえば、エンジン102の出力軸であるクランクシャフトの回転数を検知するクランクポジションセンサ(図示せず)により実現される。エンジン回転数センサ600は、検知されたエンジン102の出力軸の回転数をECU200に送信する。
前後Gセンサ700は、車両の発生する前後方向の加速度を検知する。前後Gセンサ700は、検知された車両の前後方向の加速度に対応する検知信号をECU200に送信する。
ここで、ECU200は、走行状況に応じて、制御カップリング114の直結状態から解放状態までを制御して、副駆動輪である後輪118の駆動力の伝達量を制御する。具体的には、ECU200は、前輪110および後輪118における回転状態の偏差に基づいて、後輪118への駆動力の伝達量を制御する。
たとえば、車両100が乾燥路面上を走行する場合には、ECU200が制御カップリング114を解放状態になるように制御することにより、車両100は、主駆動輪である前輪110の2輪にエンジン102の駆動力が伝達されて走行する。乾燥路面においては、路面の摩擦係数が高く、前後輪の回転状態に偏差は生じにくいため、2輪駆動でもトラクション性能を確保することができる。2輪駆動で走行することにより、駆動抵抗は4輪駆動のときよりも減少するため、燃費を向上させることができる。
一方、車両100が路面の摩擦係数が低い低μ路面上を走行する場合には、ECU100が前後輪の回転状態の偏差に応じて後輪118への伝達量を制御することにより、車両100は、後輪118にも駆動力が伝達されて4輪駆動で走行する。4輪駆動で走行することにより、トラクション性能を向上させることができる。
好ましくは、車両100は、4輪駆動であることが必要な状況でないかぎりは2輪駆動で走行することが望ましい。不要な4輪駆動での走行を抑制することにより、燃費の悪化を抑制することができる。特に、乾燥路面においては、車両100は、2輪駆動で走行することが望ましい。
そこで、本発明においては、乾燥路面における主駆動輪のスリップ状態の予測状態量を予測して、前後輪の回転状態の偏差から算出される実状態量と予測状態量との差に応じて、副駆動輪の駆動力の配分特性を設定する点に特徴を有する。
ここで、「実状態量」は、本実施の形態において、車両100の走行速度に対する前後輪の回転速度差の割合で示される前後輪間におけるスリップ率の差である。「予測状態量」は、本実施の形態において、乾燥路面における、車両の走行速度に対する主駆動輪の回転速度と車両の速度との差で示されるスリップ率である。すなわち、前後輪の回転状態の偏差から算出される前後輪間におけるスリップ率の差に基づき、乾燥路面における予測される主駆動輪のスリップ率を不感帯として、ECU200は、後輪118への駆動力の伝達量を制御する。
図2を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU200で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する。)1000にて、ECU200は、エンジントルクを算出する。ECU200は、エンジン102のエンジントルクを、たとえば、スロットル開度とエンジン102の出力軸の回転数とから算出する。エンジン102のエンジントルクと変速比検知センサ400より検知される変速比とを算出して、主駆動輪である前輪110から乾燥路面に伝達する駆動トルクTを算出する。
S1100にて、ECU200は、不感帯を計算する。すなわち、ECU200は、算出された駆動トルクTを用いて、乾燥路面における主駆動輪のスリップ率slip_dryを予測する。「slip_dry」は、前輪接地荷重Mfと、前輪のタイヤ径Rと、駆動トルクTと、前輪110におけるスリップ率係数Kとから、slip_dry=T/R/Mf/Kの式により予測される。なお、前輪110のスリップ率係数Kは、予め定められた係数であって、乾燥路面に対応する係数である。また、「T/R/Mf」の部分が「前後力係数」に対応する部分である。
すなわち、図3に示すように、slip_dryは、エンジン102のトルク変化に応じて、乾燥路面におけるスリップ率の変化に対応するように、前後力係数に対して線形的に変化する。
たとえば、走行中の車両100において、検知されたエンジン102のエンジントルクに基づくslip_dryがA点におけるS(1)であると、ECU200は、S(1)を不感帯とする。一方、検知されたエンジン102のエンジントルクに基づくslip_dryがB点におけるS(2)であると、ECU200は、S(2)を不感帯とする。
S1200にて、ECU200は、フィードバック用のスリップ率slipを計算する。フィードバック用のスリップ率slipは、前後輪間の回転状態の偏差から算出される実際のスリップ率slip_realから不感帯slip_dryを減じた値である。すなわち、slipの値は、slip=slip_real−slip_dryの式より算出される。なお、slip_realが上述の実状態量に対応する。
S1300にて、ECU200は、後輪トルクToutを計算する。すなわち、ECU200は、算出されたslipの値を用いて、後輪118に伝達する駆動力Toutを計算する。具体的には、ECU200は、予め図4に示すようなマップを記憶しておき、算出されたslipに対応するマップ値Map(slip)に駆動トルクTを乗じた値を後輪トルクToutとする。すなわち、ECU200は、Tout=T×Map(slip)の式よりToutの値を算出する。
S1400にて、ECU200は、制御カップリング114を制御する。すなわち、ECU200は、算出された後輪トルクToutが後輪118において発現するように、制御カップリング114における伝達量を制御する。伝達量の制御については周知の技術を用いればよいため、その詳細については説明しない。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU200で実行されるプログラムの動作について説明する。
車両100が乾燥路面上で発進あるいは走行しているような場合、運転者が加速しようとしてアクセルペダルを踏み込んだときに、前後輪間における回転速度差から算出されるスリップ率slip_realと乾燥路面おいて予測される主駆動輪のスリップ率slip_dryとの差、すなわち、フィードバック用のスリップ率slipがゼロであると、後輪トルクToutもゼロとなるため、後輪118に対して駆動力の伝達は行なわれない。すなわち、制御カップリング114において、解放状態になるように制御される。このとき、車両100は2輪駆動で走行する。
一方、車両100が少なくとも乾燥路面よりも摩擦係数の低い低μ路面上で発進あるいは走行している場合、運転者が加速しようとしてアクセルペダルを踏み込んだときに、slip_realの値がslip_dryの値を越えると、slip_realとslip_dryの差に対応する後輪トルクToutが算出される。したがって、算出された後輪トルクToutが発現するように、制御カップリング114における伝達量が制御される。このとき、車両100は4輪駆動で走行する。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、ECUは、前後輪の回転状態の偏差に基づいて、前後輪間のスリップ率の差slip_realを算出する。ECUは、乾燥路面を2輪駆動での走行時の主駆動輪におけるスリップ率slip_dryを予測する。ECUは、slip_realとslip_dryとの差に応じて、前後輪の駆動力の配分特性を設定する。ECUは、設定された配分特性に基づいて、制御カップリングにおける伝達量を制御する。これにより、大加速時においても、slip_realの値がslip_dryの値を超えない場合には、車両は乾燥路面上を走行しているといえる。そのため、主駆動輪の駆動力だけで走行するようにすると、車両は2輪駆動で走行するため、燃費を向上させることができる。一方、小加速時においてもslip_realがslip_dryを超える場合は、車両は、少なくとも乾燥路面よりも摩擦係数の低い低μ路面上を走行しているといえる。そのため、副駆動輪に駆動力が発生するように制御カップリングにおける伝達量を制御することにより、車両は4輪駆動で走行するため、トラクション性能および走行安定性を向上させることができる。したがって、走行状況に応じて、燃費性能とトラクション性能とを両立させる車両の制御装置を提供することができる。
好ましくは、ECUは、車両100の直進走行時に、配分特性を設定することが望ましい。このようにすると、車両の直進中に加速を開始するような場合においても、走行状況に応じて、適切な配分特性を設定することができる。
また、好ましくは、slipの値がゼロ以下の場合においては、後輪トルクをゼロにすることが望ましい。このようにすると、想定される乾燥路面よりも摩擦係数の高い路面において、2輪駆動で走行することにより、燃費の向上が図れる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUが搭載される車両の構成を示す図である。 車輪の前後力係数とスリップ率との関係を示す図である。 フィードバック用のスリップ率と後輪トルクを算出する係数との関係を示す図である。 本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
100 車両、102 エンジン、104 トランスミッション、106 トランスファ、108 前輪差動装置、110 前輪、112 プロペラシャフト、114 制御カップリング、116 後輪差動装置、118 後輪、200 ECU、300 車輪速センサ、400 シフトポジションセンサ、500 スロットル開度センサ、600 エンジン回転数センサ、700 前後Gセンサ。

Claims (5)

  1. 4輪駆動車の前後輪における駆動力の配分を制御する車両の制御装置であって、前記4輪駆動車は、前記前後輪のいずれか一方であって、動力源に連結された主駆動輪と、前記主駆動輪の他方であって、前記動力源からの駆動力の伝達量を可変にするカップリングを介して前記動力源に接続された副駆動輪とを含み、
    前記前後輪の回転状態の偏差に基づいて、前記前後輪間のスリップ状態の実状態量を算出するための算出手段と、
    乾燥路面における前記主駆動輪のスリップ状態の予測状態量を予測するための予測手段と、
    前記実状態量と前記予測状態量との差に応じて、前記副駆動輪の駆動力の配分特性を設定するための設定手段と、
    前記設定された配分特性に基づいて、前記カップリングにおける前記伝達量を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。
  2. 前記予測手段は、前記主駆動輪から前記乾燥路面に伝達される駆動力に基づいて、前記予測状態量を予測するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記設定手段は、前記実状態量が前記予測状態量を越えると、前記副駆動輪に駆動力を配分するように前記配分特性を設定するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記設定手段は、前記車両の直進走行時に、前記配分特性を設定するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 前記実状態量は、前記車両の走行速度に対する前記前後輪の回転速度差の割合で示される前記前後輪間におけるスリップ率の差であって
    前記予測状態量は、前記車両の走行速度に対する前記主駆動輪の回転速度と前記走行速度との差の割合で示されるスリップ率である、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置。
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