JP4422949B2 - TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤 - Google Patents

TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自律神経異常、膀胱機能障害、聴覚障害、骨疾患などの予防・治療剤として有用なTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤に関する。
また、本発明は、神経新生薬、神経機能回復薬、自律神経異常の予防・治療剤および膀胱機能障害の予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
TGF−βスーパーファミリーは、成熟分子内システインの特徴的な配置が保存されているタンパク質群であり、様々な細胞、組織に対して多彩な作用を及ぼすことが知られている。特に、種々の反射を担う自律神経、種々の知覚・運動神経、モノアミン作動神経、コリン作動神経、ギャバ作動神経、グルタミン酸作動神経および種々のペプチド作動神経に対してその機能に重要な働きを担っている。
TGF−βスーパーファミリーの中でも、GDNF(グリア細胞由来神経栄養因子、Glial cell line-derived neurotrophic factor)やGDF(成長/分化因子、Growth/differentiation factor)−15は、種々の反射を担う自律神経機能、種々の知覚・運動神経機能およびモノアミン作動神経機能に重要な働きをしていることが知られている[ニューロン(Neuron)、15、p.1465−1473、1995;ネイチャー(Nature)403、p.312−316、2000;ネイチャー(Nature)407、p.1011−1015、2000;ジャーナル オブ ニューロサイエンス(J.Neurosci.)20、p.8597−8603、2000;ニューロリポート(Neuroreport)9、p.2183−2187,1998]。
一方、本発明の活性成分である式(I)で表される化合物は、WO01/14372において、ニューロトロフィン産生・分泌促進剤として記載されている。
しかしながら、該化合物がTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤として用いられるという報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自律神経異常、膀胱機能障害、聴覚障害、骨疾患などの予防・治療剤として有用なTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤を提供することにある。
本発明の別の目的は、神経新生薬、神経機能回復薬、自律神経異常の予防・治療剤および膀胱機能障害の予防・治療剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤を求めて、研究した結果、式
【化7】
Figure 0004422949
[式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基または置換されていてもよいアミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基またはエステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていてもよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環基を示す。]で表される化合物が、意外にも優れたTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1)式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなるTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤;
2)Rが置換されていてもよい複素環基である前記1)記載の剤;
3)Rが置換されていてもよい5員の含窒素芳香族複素環基である前記1)記載の剤;
4)Rが置換されていてもよいイミダゾリル基である前記1)記載の剤;
5)Aが置換されていてもよいヒドロキシ基である前記1)記載の剤;
6)Aが置換されていてもよいアリールオキシ基である前記1)記載の剤;
7)Aが置換されていてもよいアルキル基で置換されたフェノキシ基である前記1)記載の剤;
8)Bが置換されていてもよいフェニル基である前記1)記載の剤;
9)Xが酸素原子である前記1)記載の剤;
10)Yが2価の脂肪族炭化水素基である前記1)記載の剤;
11)化合物が4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾールである前記1)記載の剤;
12)TGF−βスーパーファミリーがGDNFである前記1)記載の剤;
13)TGF−βスーパーファミリーがGDF−15である前記1)記載の剤;
14)自律神経異常の予防・治療剤である前記1)記載の剤;
15)膀胱機能障害の予防・治療剤である前記1)記載の剤;
16)式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる神経新生薬;
17)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を含有してなる神経機能回復薬;
18)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を含有してなる自律神経異常の予防・治療剤;
19)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を含有してなる膀胱機能障害の予防・治療剤;
20)式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるTGF−βスーパーファミリーの産生および/または分泌促進方法;
21)式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における神経新生方法;
22)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における神経機能回復方法;
23)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における自律神経異常の予防および/または治療方法;
24)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における膀胱機能障害の予防および/または治療方法;
25)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤を製造するための、式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用;
26)神経新生薬を製造するための、式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用;
27)神経機能回復薬を製造するための、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の使用;
28)自律神経異常の予防・治療剤を製造するための、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の使用;
29)膀胱機能障害の予防・治療剤を製造するための、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の使用;などに関する。
【0005】
式(I)中、RまたはAで示される「置換されていてもよい複素環基」における複素環基としては、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1ないし4個の原子を含む5または6員環またはその縮合環が挙げられる。縮合環としては、例えばこのような5または6員環と、1または2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環との縮合環が挙げられる。
【0006】
複素環基の具体例としては、例えばピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル等)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル等)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル等)、ピラジニル(例、2−ピラジニル等)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル等)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル等)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル等)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル等)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル等)、1,2,4−オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル等)、1,2,4−トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル等)、1,2,3−トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル等)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル等)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル等)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−3−イル等)、1H−インダゾリル(例、1H−インダゾール−1−イル等)、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジニル(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−1−イル等)、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジル(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−1−イル等)、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジル(例、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−1−イル等)、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジル(例、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−1−イル等)、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジニル(例、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−1−イル等)、ベンズトリアゾリルなどの芳香族複素環基;およびピロリジニル(例、1−ピロリジニル等)、ピペリジル(例、1−ピペリジル等)、モルホリニル(例、モルホリン−4−イル等)、チオモルホリニル(例、チオモルホリン−4−イル等)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル等)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメチレンイミン−1−イル等)、オキサゾリジニル(例、オキサゾリジン−3−イル等)、チアゾリジニル(例、チアゾリジン−3−イル、チアゾリジン−2−イル等)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−3−イル等)、イミダゾリニル(例、イミダゾリン−1−イル、イミダゾリン−2−イル等)、オキサゾリニル(例、オキサゾリン−2−イル等)、チアゾリニル(例、チアゾリン−2−イル等)、オキサジニル(例、オキサジン−2−イル等)等の非芳香族複素環基等が挙げられる。なかでも、アゾリル基(例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル等)、アゾリニル基(例えば、イミダゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル等)、アゾリジニル基(例えば、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル等)などが好ましい。
【0007】
またはAで示される複素環基は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えばオキソ基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシ基などが挙げられる。
【0008】
オキソ基で置換された複素環基としては、例えば1または2個のオキソ基で置換されたアゾリジニル基などが挙げられ、その具体例としては、例えば2−オキソイミダゾリジニル(例えば、2−オキソイミダゾリジン−1−イル等)、2,4−ジオキソイミダゾリジニル(例えば、2,4−ジオキソイミダゾリジン−3−イル等)、2,4−ジオキソオキサゾリジニル(例えば、2,4−ジオキソオキサゾリジン−3−イル等)または2,4−ジオキソチアゾリジニル(例えば、2,4−ジオキソチアゾリジン−3−イル等)などが挙げられる。
【0009】
該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜15の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。アルキル基の好適な例としては、炭素数1〜10のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
アルケニル基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルケニル基、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
アルキニル基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルキニル基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。
【0010】
該脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基などが挙げられる。
シクロアルキル基の好適な例としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシルなどが挙げられる。
シクロアルケニル基の好適な例としては、炭素数3〜10のシクロアルケニル基、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
シクロアルカジエニル基の好適な例としては、炭素数4〜10のシクロアルカジエニル基、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
アリール基とは、単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基を意味し、好適な例としては炭素数6〜14のアリール基、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
【0011】
芳香族複素環基の好適な例としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
【0012】
非芳香族複素環基の好適な例としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニルなどが挙げられる。
ハロゲン原子の例としてはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられ、とりわけフッ素および塩素が好ましい。
置換されていてもよいアミノ基としては、例えばヒドロキシで置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアシル基(例、ホルミル、C1−9アルキル−カルボニル等)、炭素数6〜12の芳香族基(例、フェニルなどのC6−12アリール等)、炭素数7〜10のアラルキル基(例、ベンジル等)等から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(−NH基)が挙げられる。置換されたアミノ基としては、例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチル−N−ベンジルアミノ、N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ等が挙げられる。
【0013】
置換されていてもよいアシル基におけるアシル基としては、炭素数1〜13のアシル基、具体的にはホルミルの他、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3ないし10のシクロアルケニル基または炭素数6〜12の芳香族基(例、フェニルなどのC6−12アリール基等)とカルボニル基とが結合した基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイルなどのC1−10アルキル−カルボニル基;シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニルなどのC3−10シクロアルキル−カルボニル基;クロトニルなどのC2−10アルケニル−カルボニル基;2−シクロヘキセンカルボニルなどのC3−10シクロアルケニル−カルボニル基;ベンゾイル、ニコチノイルなどのC6−12アリールカルボニル基等);ホスホノ基などが挙げられる。置換されたアシル基における置換基としては、例えば炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、塩素,フッ素,臭素など)、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
【0014】
置換されていてもよいヒドロキシ基において、置換されたヒドロキシ基としては、例えばハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ基(例、トリフルオロアセチルアミノ等)で置換されていてもよいアルコキシ基;アルケニルオキシ基;シクロアルキルオキシ基; シクロアルケニルオキシ基;アラルキルオキシ基;アシルオキシ基;置換されていてもよいアリールオキシ基;アルキルスルホニルオキシ基;C1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基;インダニルオキシ基;1ないし4個のC1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよいテトラヒドロナフトキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基の好適な例としては、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ、t.−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ等が挙げられる。アルケニルオキシ基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えばアリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ等が挙げられる。
シクロアルキルオキシ基の好適な例としては、炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、例えばシクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
シクロアルケニルオキシ基の好適な例としては、炭素数5〜7のシクロアルケニルオキシ基、例えば2−シクロペンテニルオキシ、2−シクロヘキセニルオキシ等が挙げられる。
アラルキルオキシ基の好適な例としては、炭素数7〜10のアラルキルオキシ基、例えばフェニル−C1−4アルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなど)等が挙げられる。
アシルオキシ基の好適な例としては、炭素数2〜13のアシルオキシ基、さらに好ましくは炭素数2〜4のアルカノイルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシなど)等が挙げられる。
【0015】
「置換されていてもよいアリールオキシ基」におけるアリールオキシ基の好適な例としては、炭素数6〜14のアリールオキシ基、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。該アリールオキシ基(好ましくはフェノキシ基)は、1ないし3個(好ましくは1ないし2個)の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン原子(例、塩素,フッ素,臭素など);ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ等);ヒドロキシ基、カルボキシル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル等)またはシアノ基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t.−ブチル等);シアノ基;カルボキシル基;ヒドロキシ基;C6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ等);C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル等);C1−6アルキルスルファニル基(例、メチルスルファニル等);C −6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ等)等が挙げられる。置換されたアリールオキシ基としては、例えば2−,3−または4−クロロフェノキシ;2−,3−または4−メトキシフェノキシ;2−,3−または4−メチルフェノキシ;2−,3−または4−シアノフェノキシ;2−,3−または4−ヒドロキシフェノキシ;等が挙げられる。
アルキルスルホニルオキシ基の好適な例としては、炭素数1〜10のアルキルスルホニルオキシ基、例えばメチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ等が挙げられる。
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基の好適な例としては、C1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基、例えばフェニルスルホニルオキシ、4−メチルフェニルスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0016】
置換されていてもよいチオール基(置換されていてもよいメルカプト基)において、置換されたチオール基としては、例えばヒドロキシ基で置換されていてもよいアルキルスルファニル基;シクロアルキルスルファニル基;C1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよいアリールスルファニル基;ヘテロアリールスルファニル基;アラルキルスルファニル基;ヘテロアリールアルキルスルファニル基;アシルスルファニル基などが挙げられる。
アルキルスルファニル基の好適な例としては、炭素数1〜10のアルキルスルファニル基(例、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、sec.−ブチルスルファニル、t.−ブチルスルファニル、ペンチルスルファニル、イソペンチルスルファニル、ネオペンチルスルファニル、ヘキシルスルファニル、ヘプチルスルファニル、ノニルスルファニルなど)等が挙げられる。
シクロアルキルスルファニル基の好適な例としては、炭素数3〜7のシクロアルキルスルファニル基(例、シクロブチルスルファニル、シクロペンチルスルファニル、シクロヘキシルスルファニルなど)等が挙げられる。
1−6アルキル基で置換されていてもよいアリールスルファニル基の好適な例としては、C1−6アルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリールスルファニル基、例えばフェニルスルファニル、ナフチルスルファニル、4−メチルフェニルスルファニル等が挙げられる。
ヘテロアリールスルファニル基としては、例えば前記した芳香族複素環基により置換されたチオール基が挙げられ、なかでも2−ピリジルスルファニル、3−ピリジルスルファニル、2−イミダゾリルスルファニル、1,2,4−トリアゾール−5−イルスルファニル、2−ピリミジニルスルファニル等が好ましい。
アラルキルスルファニル基の好適な例としては、炭素数7〜10のアラルキルスルファニル基、例えばフェニル−C1−4アルキルスルファニル基(例、ベンジルスルファニル、フェネチルスルファニルなど)等が挙げられる。
ヘテロアリールアルキルスルファニル基としては、例えば前記した芳香族複素環基により置換されたアルキルスルファニル基が挙げられる。ここにおいて、アルキルスルファニル基は前記アルキルスルファニル基と同様のものが挙げられる。ヘテロアリールアルキルスルファニル基の好適な例としては、ピリジル−C1−4アルキルスルファニル基(例、2−ピリジルメチルスルファニル、3−ピリジルメチルスルファニル等)等が挙げられる。
アシルスルファニル基の好適な例としては、炭素数2〜13のアシルスルファニル基、さらに好ましくは炭素数2〜4のアルカノイルスルファニル基(例、アセチルスルファニル、プロピオニルスルファニル、ブチリルスルファニル、イソブチリルスルファニルなど)等が挙げられる。
【0017】
エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシ基において、エステル化されたカルボキシ基としては、例えばアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基の好適な例としては、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボニルなどのC1−4アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基の好適な例としては、炭素数8〜10のアラルキルオキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニルなどのC7−9アラルキルオキシ−カルボニル基等が挙げられる。
1−6アルキル基で置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基の好適な例としては、C1−6アルキル基で置換されていてもよい炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニル,p−トリルオキシカルボニルなどのC6−14アリールオキシ−カルボニル基等が挙げられる。
ヘテロアリールアルキルオキシカルボニル基としては、例えば前記した芳香族複素環基により置換されたアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。ここにおいて、アルキルオキシカルボニル基は前記アルコキシカルボニル基と同様のものが挙げられる。ヘテロアリールアルキルオキシカルボニル基の好適な例としては、ピリジル−C1−4アルコキシ−カルボニル基(例、2−ピリジルメトキシカルボニル、3−ピリジルメトキシカルボニル等)等が挙げられる。
【0018】
エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基において、アミド化されたカルボキシル基としては、式:−CON(R)(R
〔式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていてもよい複素環基を示す〕で表される基などが挙げられる。
ここにおいて、RまたはRで示される置換されていてもよい炭化水素基における炭化水素基としては、RまたはAで示される複素環基の置換基として例示した脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基等が挙げられる。RまたはRで示される置換されていてもよいヒドロキシ基としては、前記と同様のものが挙げられる。また、RまたはRで示される置換されていてもよい複素環基における複素環基としては、RまたはAで示される複素環基の置換基として例示した芳香族複素環基などが挙げられる。RまたはRで示される「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における置換基としては、ハロゲン原子(例、塩素,フッ素,臭素.ヨウ素など)、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等から選ばれる1〜3個の置換基が挙げられる。
【0019】
式(I)中、RまたはAで示される複素環基上の置換基は、それらが脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基,アリール基,芳香族複素環基,非芳香族複素環基などを含む置換基であるときは、さらにそれぞれ適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン化されていてもよく、カルボキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基およびハロゲン化されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれた置換基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基(例、フェニル,ナフチルなど)、芳香族複素環基(例、チエニル,フリル,ピリジル,オキサゾリル,チアゾリルなど)、非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル,モルホリニル,チオモルホリニル,ピペリジル,ピロリジニル,ピペラジニルなど)、炭素数7〜9のアラルキル基(例、ベンジルなど)、アミノ基、N−モノ(C1−4)アルキルアミノ基、N,N−ジ(C1−4)アルキルアミノ基、炭素数2〜8のアシルアミノ基(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミノなどのC1−7アルキル−カルボニルアミノ;ベンゾイルアミノなど)、アミジノ基、炭素数2〜8のアシル基(例、アセチルなどのC1−7アルキル−カルボニルなど)、カルバモイル基、N−モノ(C1−4)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1−4)アルキルカルバモイル基、スルファモイル基、N−モノ(C1−4)アルキルスルファモイル基、N,N−ジ(C1−4)アルキルスルファモイル基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、炭素数7〜9のアラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシなど)、炭素数6〜14のアリールオキシ基(例、フェニルオキシ,ナフチルオキシなど)、メルカプト基、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜4のアルキルスルファニル基、炭素数7〜9のアラルキルスルファニル基(例、ベンジルスルファニルなど)、炭素数6〜14のアリールスルファニル基(例、フェニルスルファニル,ナフチルスルファニルなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)などが挙げられる。
【0020】
式(I)中、Rで示されるハロゲン原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基、置換されていてもよいアミノ基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示したものなどが挙げられる。
式(I)中、Rは好ましくは置換されていてもよい複素環基である。Rとしては、置換されていてもよい含窒素複素環基が好ましく、また、置換されていてもよい芳香族複素環基が好ましい。なかでも、Rとしては、置換されていてもよい5員の含窒素芳香族複素環基が好ましく、とりわけ、置換されていてもよいイミダゾリル基が好ましい。
【0021】
式(I)中、Aで示される置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシ基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示したものなどが挙げられる。
式(I)中、Aは好ましくは置換されていてもよいヒドロキシ基である。なかでも、Aとしては置換されていてもよいアリールオキシ基が好ましく、とりわけ、置換されていてもよいアルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基(好ましくは、アルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基)が好ましい。Aは、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基である。
【0022】
式(I)中、Bで示される置換されていてもよい芳香族基における芳香族基としては、例えば芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基の好適な例としては、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、例えばC6−14アリール基(例、フェニル、ナフチル)等が挙げられる。
芳香族複素環基の好適な例としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示したものが挙げられ、なかでも、フリル、チエニル、ピリジル、キノリル等が好ましい。
Bで示される置換されていてもよい芳香族基における置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基等から選ばれる1〜3個の置換基が挙げられる。
ここにおいて、ハロゲン原子としては、例えばフッ素,塩素,臭素,ヨウ素等が挙げられる。
置換されていてもよいアルコキシ基におけるアルコキシ基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示したものが挙げられ、なかでも、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基が好ましい。
置換されていてもよいアルキル基におけるアルキル基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示したものが挙げられ、なかでも、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基が好ましい。
置換されていてもよいシクロアルキル基におけるシクロアルキル基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示したものが挙げられ、なかでも、炭素数3〜7のシクロアルキル基が好ましい。
前記した置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいシクロアルキル基における置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基等から選ばれる1〜3個の置換基が挙げられる。
置換されたアルコキシ基としては、例えばトリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1−ジフルオロエトキシ等が挙げられる。
置換されたアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリクロロメチル、1−ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2,2−ジメトキシエチル等が挙げられる。
式(I)中、Bは、好ましくは置換されていてもよい芳香族炭化水素基であり、さらに好ましくは置換されていてもよいフェニル基である。Bは、特に好ましくはハロゲン原子(好ましくは塩素)で置換されていてもよいフェニル基である。
【0023】
式(I)中、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていてもよい窒素原子を示す。
Xで示される置換されていてもよい窒素原子としては、例えば、−NR−(式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいアシル基または置換されていてもよい複素環基を示す)などが挙げられる。
ここで、Rで示される置換されていてもよい炭化水素基としては、前記R5として例示したものが挙げられる。
で示される置換されていてもよいアシル基としては、RまたはAで示される複素環基の置換基として例示したものが挙げられる。
で示される置換されていてもよい複素環基としては、RまたはAで示される置換されていてもよい複素環基と同様のものが挙げられる。
は、好ましくは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基など、さらに好ましくは水素原子、置換されていてもよいアルキル基などであり、とりわけ、水素原子、低級(C1−4)アルキル基などが好ましい。
Xは、好ましくは酸素原子または硫黄原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。
【0024】
式(I)中、Yで示される2価の炭化水素基としては、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
Yで示される2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝状のいずれでもよく、また飽和、不飽和のいずれでもよい。該脂肪族炭化水素基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示した脂肪族炭化水素基から水素原子1個を除去して形成される2価の基などが挙げられ、なかでも、炭素数1〜7のものが好ましく、その具体例としては、例えば−CH−,−CH(CH)−,−(CH−,−CH(C)−,−(CH−,−(CH−,−(CH−,−(CH−,−(CH−等の飽和のもの(例、アルキレン基)、例えば−CH=CH−,−C(CH)=CH−,−CH=CH−CH−,−C(C)=CH−,−CH−CH=CH−CH−,−CH−CH−CH=CH−CH−,−CH=CH−CH=CH−CH−,−CH=CH−CH=CH−CH=CH−CH−等の不飽和のもの(例、アルケニレン基、アルカジエニレン基、アルカトリエニレン基)が挙げられる。Yで示される2価の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜4の2価の脂肪族炭化水素基であり、さらに飽和であることが好ましい。
Yで示される2価の脂環式炭化水素基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示した脂環式炭化水素基から水素原子1個を除去して形成される2価の基などが挙げられる。
Yで示される2価の芳香族炭化水素基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示したアリール基から水素原子1個を除去して形成される2価の基などが挙げられる。
式(I)中、Yで示される2価の複素環基としては、2価の芳香族複素環基、2価の非芳香族炭化水素基などが挙げられる。
Yで示される2価の芳香族複素環基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示した芳香族複素環基から水素原子1個を除去して形成される2価の基などが挙げられる。
Yで示される2価の非芳香族炭化水素基としては、RまたはAで示される複素環基における置換基として例示した非芳香族炭化水素基から水素原子1個を除去して形成される2価の基などが挙げられる。
式(I)中、Yは好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくはアルキレン基(好ましくはC1−4アルキレン基)である。Yの好ましい具体例としては、−(CH−または−(CH−が挙げられる。
【0025】
式(I)で表される化合物〔以下、化合物(I)と略記することがある〕としては、以下のような化合物が好ましい。
(1)式(I)において、Rが置換されていてもよい複素環基で、例えばその複素環基が、(i)環構成原子として炭素以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1ないし4個の原子を含む5または6員環、または(ii)このような5または6員環と、1または2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の窒素原子を含む5員環との縮合環(さらに好ましくは、アゾリル基)である化合物。
(2)式(I)において、Aが置換されていてもよいヒドロキシ基、さらに好ましくは(i)ヒドロキシ基、(ii)C1−10アルコキシ基、(iii)C2−10アルケニルオキシ基、(iv)C7−10アラルキルオキシ基、(v)C2−13アシルオキシ基、(vi)1ないし3個のハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−4アルコキシ基で置換されていてもよいC6−14アリールオキシ基または(vii)C1−10アルキルスルホニルオキシ基である化合物。
(3)式(I)において、Yが炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数2〜4の2価の脂肪族炭化水素基である化合物。
【0026】
(4)式(I)において、Rが(i)ハロゲン原子、(ii)C1−10アルキル基、C6−14アリール基およびC1−10アルキルスルファニル基から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいイミダゾリル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはヘキサメチレンイミニル基、(iii)C1−10アルコキシ基、(iv)C6−14アリールオキシ基、(v)C1−10アルキルスルファニル基、(vi)C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−14アリールスルファニル基、(vii)C1−6アルキル基またはC6−14アリール基で置換されていてもよいイミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルまたはピリジルで置換されたチオール基、(viii)ピリジル−C1−4アルキルスルファニル基、または(ix)1または2個のC1−10アルキル基またはC3−10シクロアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;
Aが(i)ホルミル基、(ii)C1−10アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、チアゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、2,4−ジオキソイミダゾリジニル、2,4−ジオキソオキサゾリジニルまたは2,4−ジオキソチアゾリジニル基、(iii)ヒドロキシ基、(iv)ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−4アルコキシ基で置換されていてもよいC6−14アリールオキシ基、(v)C1−10アルキルスルホニルオキシ基、(vi)C1−4アルコキシ−カルボニル基、(vii)C7−9アラルキルオキシ−カルボニル基、または(viii)式:−CON(R)(R)〔式中、RおよびRはそれぞれ水素原子、またはC1−10アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−10アルキル基を示す〕で表される基;
Bがハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基;および
Yが−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−または−(CH−である化合物。
【0027】
(5)式(I)において、Rが置換されていてもよい複素環基;Aが置換されていてもよいヒドロキシ基;およびYが炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素基である化合物。
(6)前記(5)において、Rで表される複素環基がアゾリル基(例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリルまたはテトラゾリル基)である化合物。
(7)前記(5)において、RがC1−10アルキル基、C6−14アリール基およびC1−10アルキルスルファニル基から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいアゾリル基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリルまたは1,2,3−トリアゾリル基など)である化合物。
(8)前記(5)において、Aが(i)ヒドロキシ基、(ii)C1−10アルコキシ基、(iii)C2−10アルケニルオキシ基、(iv)C7−10アラルキルオキシ基、(v)C2−13アシルオキシ基、(vi)1ないし3個のハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−4アルコキシ基で置換されていてもよいC −14アリールオキシ基または(vii)C1−10アルキルスルホニルオキシ基で、さらに好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−4アルコキシ基で置換されていてもよいC6−14アリールオキシ基である化合物。
(9)前記(5)において、Bが置換されていてもよいフェニル基で、さらに好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である化合物。
(10)前記(5)において、Yが炭素数3〜5の2価の脂肪族炭化水素基で、さらに好ましくは、−(CH−、−(CH−または−(CH−である化合物。
【0028】
(11)式(I)において、
Aがアルキルで置換されたアリールオキシ基、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基で置換された炭素数6〜14のアリールオキシ基(好ましくはフェノキシ)、さらに好ましくは式:
【化8】
Figure 0004422949
[式中、C1−4 alkylはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどを、好ましくはメチルなどを示す。]で示される基;
が置換されていてもよい5員の含窒素芳香族複素環基、好ましくは置換されていてもよいイミダゾリル基、さらに好ましくはC1−10アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、特に好ましくは式:
【化9】
Figure 0004422949
[式中、C1−10 alkylはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを;好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1−4アルキル基を;さらに好ましくはメチルなどを示す。]で示される基;
Bが置換されていてもよいフェニル基、好ましくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、さらに好ましくは式:
【化10】
Figure 0004422949
[式中、Halはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を、好ましくは塩素を示す。]で示される基;
Yが2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4の2価の脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは−CH−,−(CH−,−(CH−,−(CH−などのC1−4アルキレン基、特に好ましくは−(CH−である化合物。
(12)4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾールプロパノールまたはその塩、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾールブタノールまたはその塩、4−(4−クロロフェニル)−5−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾールまたはその塩、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾールペンタノールまたはその塩、または4−(4−クロロフェニル)−5−[4−(1−イミダゾリル)ブチル]−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾールまたはその塩である化合物。
【0029】
式(I)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えば以下に示す化合物(1)〜(7)などが挙げられる。
(1)4−(4−クロロフェニル)−5−[3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾール
(2)3−[3−[4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾリル]プロピル]−1−メチル−2,4−イミダゾリジンジオン
(3)4−(4−クロロフェニル)−5−[3−(3−メトキシフェノキシ)プロピル]−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾール
(4)4−(4−クロロフェニル)−5−[3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾール
(5)4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール
(6)4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(3−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール
(7)5−[3−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピル]4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾール
これら化合物を、以下、単に化合物(1)、化合物(2)などと略記することがある。
【0030】
化合物(I)の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0031】
化合物(I)またはその塩は、自体公知の方法により製造することができる。このような方法としては、例えばWO 01/14372、特開昭58−183676(EP−A 92239)、特開昭59−190979、特開平9−323983(WO 97/36882)などに記載された方法あるいはこれに準ずる方法などが挙げられる。
【0032】
本発明の化合物(I)またはその塩は、水和物であってもよい。
本発明の化合物(I)は、プロドラッグとして用いてもよく、ここで、化合物(I)のプロドラッグとは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)またはその塩に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など)、化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)、あるいは、化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
また、化合物(I)は同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識されていてもよい。
【0033】
化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグ(以下、単に本発明化合物と略記することがある)は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、安全に投与することができる。
本発明において、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤におけるTGF−βスーパーファミリーとは、成熟分子内のシステインの配置が特徴的な構造を有し、様々な細胞や組織に対して多彩な作用を及ぼすことが知られているタンパク質群を意味し、その具体例としては、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP(骨形成因子、Bone Morphogenetic Protein)−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6,BMP−7、BMP−8A、BMP−8B、BMP−14(GDF−5)、GDNF(グリア細胞由来神経栄養因子、Glial cell line-derived neurotrophic factor)、neurturin, artemin, persephin, GDF−1,GDF−8、GDF(成長/分化因子、Growth/differentiation factor)−15、inhibin α、inhibin β、DAF(dauer formation)7などが挙げられる。TGF−βスーパーファミリーは、好ましくはGDNF、GDF−15などである。
また、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤とは、生体内におけるTGF−βスーパーファミリーの産生および/または分泌能を活性化し、TGF−βスーパーファミリーの産生および/または分泌を促進することによって、生体内におけるTGF−βスーパーファミリーの量を増加させる薬剤を意味する。例えば、生体内におけるTGF−βスーパーファミリーの産生および/または分泌能に異常が生じているために、生体内にTGF−βスーパーファミリーが存在しない場合において、生体内のTGF−βスーパーファミリーを産生および/または分泌させる薬剤も、本発明のTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤に含まれる。
【0034】
本発明のTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤(以下、本発明の剤と略記することがある)は、本発明化合物そのものであってもよいが、通常、本発明化合物と薬理学的に許容し得る担体とを用いて、自体公知の方法にしたがって製剤化することにより得られる。
薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、その具体例としては、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが挙げられる。製剤化の際には、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いてもよい。
賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ、ポリエチレングリコール6000などが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、例えばα化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0035】
溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、生理食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖、キシリトール、果糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、例えばプロピレングリコール、塩酸リドカイン、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、例えば水溶性着色タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素)、不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミウム塩など)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
【0036】
本発明の剤の剤形としては、例えば錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤など)、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤、点眼剤、点鼻剤、経肺剤(吸入剤)等の非経口剤が挙げられる。これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤などの放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセルなど)であってもよい。
これらの製剤は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。以下に、各種製剤の具体的な製造法について詳述する。本発明の剤における本発明化合物の含量は、例えば0.1〜100重量%である。
【0037】
以下に、経口剤および非経口剤の製造法について具体的に説明する。
経口剤は、活性成分に、例えば賦形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトール,キシリトール,ソルビトール,エリスリトール,結晶セルロース,軽質無水ケイ酸など)、崩壊剤(例、炭酸カルシウム,デンプン,カルボキシメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースカルシウム,低置換度ヒドロキシプロピルセルロース,クロスカルメロースナトリウム,カルボキシメチルスターチナトリウム,軽質無水ケイ酸など)、結合剤(例、α化デンプン,アラビアゴム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリビニルピロリドン,結晶セルロース,メチルセルロース,白糖,D−マンニトール,トレハロース,デキストリンなど)または滑沢剤(例、タルク,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,コロイドシリカ,ポリエチレングリコール6000など)などを添加して圧縮成形することにより製造される。
【0038】
さらに、味のマスキング,腸溶化あるいは徐放化を目的として、自体公知の方法により、経口剤にコーティングを行ってもよい。コーティング剤としては、例えば腸溶性ポリマー(例、酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD、メタアクリル酸コポリマーS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース等)、胃溶性ポリマー(例、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE等)、水溶性ポリマー(例、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、水不溶性ポリマー(例、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体等)、ワックスなどが用いられる。コーティングを行う場合、上記コーティング剤とともに、ポリエチレングリコール等の可塑剤、酸化チタン,三二酸化鉄等の遮光剤を用いてもよい。
【0039】
注射剤は、活性成分を分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国),HCO 60(日光ケミカルズ製),ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセルロース,アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン,プロピルパラベン,ベンジルアルコール,クロロブタノール,フェノール等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,グリセリン,D−ソルビトール,D−マンニトール,キシリトール,ブドウ糖,果糖等)などと共に、水性溶剤(例、蒸留水,生理的食塩水,リンゲル液等)あるいは油性溶剤(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,コーン油などの植物油;プロピレングリコール,マクロゴール,トリカプリリン等)などに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造される。
この際、所望により、溶解補助剤(例、サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,ポリエチレングリコール,プロピレングリコール,D−マンニトール,トレハロース,安息香酸ベンジル,エタノール,トリスアミノメタン,コレステロール,トリエタノールアミン,炭酸ナトリウム,クエン酸ナトリウム等)、懸濁化剤(例、ステアリルトリエタノールアミン,ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリルアミノプロピオン酸,レシチン,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシメチルセルロースナトリウム,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子等)、緩衝化剤(例、リン酸塩,酢酸塩,炭酸塩,クエン酸塩などの緩衝液等)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン等)、無痛化剤(例、プロピレングリコール,塩酸リドカイン,ベンジルアルコール等)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類,クロロブタノール,塩化ベンザルコニウム,ベンジルアルコール,フェネチルアルコール,デヒドロ酢酸,ソルビン酸等)等の添加物を用いてもよい。
【0040】
外用剤は、活性成分を固状、半固状または液状の組成物とすることにより製造される。例えば、上記固状の組成物は、活性成分をそのまま、あるいは賦形剤(例、乳糖,D−マンニトール,デンプン,結晶セルロース,白糖など)、増粘剤(例、天然ガム類,セルロース誘導体,アクリル酸重合体など)などを添加、混合して粉状とすることにより製造される。上記液状の組成物は、注射剤の場合とほとんど同様にして製造される。半固状の組成物は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これらの組成物は、いずれもpH調節剤(例、リン酸,クエン酸,塩酸,水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類,クロロブタノール,塩化ベンザルコニウム,ベンジルアルコール,フェネチルアルコール,デヒドロ酢酸,ソルビン酸など)などを含んでいてもよい。
【0041】
坐剤は、活性成分を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造される。該組成物の製造の際に用いられる油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂,ウイテプゾル類(ヒュルス アクチエンゲゼルシャフト社製、ドイツ)など〕、中級脂肪酸トリグリセライド〔例、ミグリオール類(ヒュルス アクチエンゲゼルシャフト社製、ドイツ)など〕、植物油(例、ゴマ油,大豆油,綿実油など)などが挙げられる。水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類,プロピレングリコールなどが挙げられる。また、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類,セルロース誘導体,ビニール重合体,アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0042】
本発明の剤の投与量は、投与対象、投与ルート、症状などによっても異なるが、本発明の剤を成人に経口投与する場合、活性成分である本発明化合物の1回量として、通常約0.05〜500mg/kg体重、好ましくは約0.5〜100mg/kg体重である。この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
本発明の剤を自律神経異常(例、糖尿病性自律神経障害など)の成人患者に経口投与する場合の投与量は、活性成分である本発明化合物の1回量として、通常約0.05〜50mg/kg体重、好ましくは約0.2〜4mg/kg体重である。この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
【0043】
本発明の剤は、TGF−βスーパーファミリー、とりわけGDNF、GDF−15の産生・分泌促進作用を有する。
本発明の剤は、副作用がなく、自律神経異常(例、糖尿病性自律神経障害、無自覚性低血糖、胃不全麻痺、神経因性下痢および便秘、***不全、起立性低血圧、不整脈、心不全、無痛性心筋梗塞、発汗異常、神経因性膀胱)、膀胱機能障害(例、膀胱反射障害など)、聴覚障害、糖尿病足病変、骨疾患(例、骨粗しょう症など)、関節疾患(例、シャルコー関節、変形性関節症、リューマチなど)、ヒルシュスプルング病(Hirschsprung病)、てんかんなどの予防・治療剤;糖尿病などの代謝あるいは内分泌系疾患および外傷による皮膚損傷の治癒促進薬;膵再生薬(膵機能回復薬);腎再生薬(腎機能回復薬);疼痛抑制薬;下肢切断予防薬;突然死予防薬などとして用いることができる。
【0044】
また、本発明の剤は、精神***病、薬物依存症、末梢神経障害(例、糖尿病性神経障害、ガン治療による神経障害など)、糖尿病性心筋症、末梢神経損傷、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、脳虚血性疾患、アルツハイマー型老年性痴呆症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、うつ病、炎症性腸疾患、慢性疼痛(例、癌性疼痛など)、痴呆症に伴う問題行動(例、徘徊、攻撃的行為など)、不安症、創傷によるしびれや疼痛などの予防・治療剤として、また末梢神経障害改善剤あるいは脳代謝障害改善剤として用いることができる。
また、本発明の剤は、糖尿病(例、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病など)、耐糖能異常、高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症、食後高脂血症など)、高インスリン血症、肥満、過食症、高血圧、心血管疾患(例、アテローム性動脈硬化症など)などの疾患、あるいはこれらの疾患のうちのいくつかを併せ持つ症候群(例、シンドロームX、内臓肥満症候群など)の予防・治療薬としても用いられる。
さらに、本発明の剤は、上記した各種疾患あるいは異常の2次予防および進展抑制にも用いられる。
【0045】
本発明の剤は、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、化学療法剤、免疫療法剤、悪液質改善剤、末梢および中枢神経作用剤、潰瘍治療剤、抗炎症剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記することがある)と組み合わせて用いることができる。この際、本発明の剤および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。
該併用薬剤は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、抗体であるか、あるいはワクチン等であってもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の剤と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明の剤1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌またはイーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例、INS−1等)など)、インスリン感受性増強剤(例、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、JTT−501、MCC−555、YM−440、GI−262570、KRP−297、FK−614、CS−011、WO99/58510に記載の化合物(例えば(E)−4−[4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸)、NN−622、AZ−242、BMS−298585、ONO−5816、LM−4156、BM−13−1258、MBX−102、GW−1536等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン等)、スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等)やその他のインスリン分泌促進剤(例、レパグリニド、セナグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物、GLP−1、ナテグリニド等)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、NVP−DPP−278、PT−100、P32/98、NVP−DPP−728、LAF237等)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677、AZ40140等)、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド等)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤等)、SGLT(sodium-glucose cotransporter)阻害剤(例、T−1095等)等が挙げられる。
【0046】
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット(SNK−860)、ミナルレスタット(ARI−509)、CT−112等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3等)、AGE阻害剤(例、ALT−945、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウムブロミド(ALT−766)、EXO−226等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チオプリド等)等が挙げられる。
高脂血症治療剤としては、コレステロール合成阻害剤であるスタチン系化合物(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩等)等)、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10224に記載の化合物、例えばN−[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸など)、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、テオフィブラート等)、ACAT阻害剤(例、アバシマイブ(Avasimibe)、エフルシマイブ(Eflucimibe)など)、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミンなど)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol)など)、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ−oryzanol)など)等が挙げられる。
降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、ロサルタン、カンデサルタン シレキセチル等)、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン等)、カリウムチャンネル開口薬(例、レブクロマカリム、L-27152、AL 0671、NIP-121など)、クロニジン等が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフルアミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット等)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677、AZ40140等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)等が挙げられる。
【0047】
利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
化学療法剤としては、例えばアルキル化剤(例、サイクロフォスファミド、イフォスファミド等)、代謝拮抗剤(例、メソトレキセート、5−フルオロウラシルおよびその誘導体等)、抗癌性抗生物質(例、マイトマイシン、アドリアマイシン等)、植物由来抗癌剤(例、ビンクリスチン、ビンデシン、タキソール等)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシドなどが挙げられる。なかでも5−フルオロウラシル誘導体であるフルツロンあるいはネオフルツロンなどが好ましい。
免疫療法剤としては、例えば微生物または細菌成分(例、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール等)、免疫増強活性のある多糖類(例、レンチナン、シゾフィラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(例、インターフェロン、インターロイキン(IL)等)、コロニー刺激因子(例、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン等)などが挙げられ、なかでもIL−1、IL−2、IL−12などのインターロイキンが好ましい。
【0048】
悪液質改善剤としては、例えばシクロオキシゲナーゼ阻害剤(例、インドメタシン等)〔キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第49巻、5935〜5939頁、1989年〕、プロゲステロン誘導体(例、メゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)、第12巻、213〜225頁、1994年〕、糖質ステロイド(例、デキサメサゾン等)、メトクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤(文献はいずれも上記と同様)、脂肪代謝改善剤(例、エイコサペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cancer)、第68巻、314〜318頁、1993年〕、成長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6、オンコスタチンMに対する抗体などが挙げられる。
末梢および中枢神経作用剤としては、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例、タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン等)、ドーパミン受容体作動薬(例、L-ドーパ、アポモルフィンなど)、モノアミン取り込み阻害薬(例,トラマドル)、GABA受容体作動薬(例、ギャバペンチン)、アセチルコリン受容体リガンド(例,ABT-594)などが挙げられる。
潰瘍治療剤としては、例えばプロスタグランディン製剤(例、プロスタグランディンE1)、成長因子製剤(例、PDGF)などの皮膚潰瘍治療剤が挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば抗リューマチ薬(例、leflunomide)などが挙げられる。
さらに、糖化阻害剤(例,ALT-711等)、神経再生促進薬(例,Y-128、VX853、prosaptide等)、抗うつ薬(例,デシプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン)、抗てんかん薬(例,ラモトリジン)、抗不整脈薬(例,メキシレチン)、エンドセリン受容体拮抗薬(例,ABT-627)、麻薬性鎮痛薬(例,モルヒネ)、α2受容体作動薬(例,クロニジン)、局所鎮痛薬(例,カプサイシン)、プロテインキナーゼC阻害剤(例,LY-333531)、抗不安薬(例,ベンゾチアゼピン)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例,シルデナフィル)、骨粗鬆症治療剤(例、アルファカルシドール、カルシトリオール、エルカトニン、サケカルシトニン、エストリオール、イプリフラボン、パミドロン酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、インカドロン酸二ナトリウム等)、尿失禁・頻尿治療剤(例、塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン等)なども本発明の剤と併用することができる。
本発明の剤と前記併用薬剤とを併用することにより、例えば本発明の剤および/または併用薬剤の作用増強効果;本発明の剤および/または併用薬剤の投与量の低減効果;本発明の剤および/または併用薬剤の副作用の低減効果などの優れた効果が得られる。
【0049】
本発明は、さらに、化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる神経新生薬に関する。
ここで、神経新生薬とは、神経前駆細胞(例、幹細胞など)を神経細胞に分化させる薬剤を意味する。また、神経新生薬は、神経前駆細胞の神経細胞への分化を促進する薬剤であってもよい。
本発明の神経新生薬は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、安全に投与することができる。該神経新生薬は、例えば、各種疾患(例、糖尿病)への罹患、骨折、交通事故などの後におこる運動機能障害;心血管事故や脳血管事故後におこる心機能障害や脳機能低下の予防・治療剤として有用であり、さらに、これらの運動機能障害、心機能障害や脳機能低下などの治癒促進にも有効である。
本発明の神経新生薬は、前記したTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤と同様にして製剤化することができ、その剤形、投与量などもTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤の場合と同様である。また、該神経新生薬は、前記した各種併用薬剤と組み合わせて用いることもできる。
【0050】
本発明は、さらに、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を含有してなる神経機能回復薬に関する。
ここで、神経機能回復薬とは、ストレス負荷など神経にさまざまな種類のダメージが加わることにより異常となった神経機能(例えば神経伝達物質の分泌など)を正常な方向に戻す作用を有する薬剤を意味する。
本明細書中、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬としては、TGF−βスーパーファミリーの産生・分泌促進作用を有する薬剤であれば特に限定されない。ここで、TGF−βスーパーファミリーとしては、前記したものが挙げられる。TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬とは、生体内におけるTGF−βスーパーファミリーの産生および/または分泌能を活性化し、TGF−βスーパーファミリーの産生および/または分泌を促進することによって、生体内におけるTGF−βスーパーファミリーの量を増加させる薬剤を意味する。例えば、生体内におけるTGF−βスーパーファミリーの産生および/または分泌能に異常が生じているために、生体内にTGF−βスーパーファミリーが存在しない場合において、生体内のTGF−βスーパーファミリーを産生および/または分泌させる薬剤も、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬に含まれる。
TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の具体例としては、前記した本発明化合物、db-cAMP (dibutyl-cyclic adenosine monophosphate), PDD (phorbol 12,13-didecanoate), PGE2 (prostaglandin E2)などが挙げられる。なかでも、本発明化合物が好ましい。
本発明の神経機能回復薬は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、安全に投与することができる。該神経機能回復薬は、例えば、各種疾患(例、糖尿病)への罹患、骨折、交通事故などの後におこる運動機能障害;心血管事故や脳血管事故後におこる心機能障害や脳機能低下の予防・治療剤として有用であり、さらに、これらの運動機能障害、心機能障害や脳機能低下などの治癒促進にも有効である。
本発明の神経機能回復薬は、前記したTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤と同様にして製剤化することができ、その剤形、投与量などもTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤の場合と同様である。また、該神経機能回復薬は、前記した各種併用薬剤と組み合わせて用いることもできる。
【0051】
本発明は、さらに、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を含有してなる自律神経異常の予防・治療剤に関する。
本明細書中、自律神経異常とは、呼吸、血圧、心拍、睡眠、***、摂食、内分泌など、さまざまな生体の恒常性を保つ神経調節系がその機能を正常に働かせることができない状態を意味し、その具体例としては、糖尿病性自律神経障害、無自覚性低血糖、胃不全麻痺、神経因性下痢および便秘、***不全、起立性低血圧、不整脈、心不全、無痛性心筋梗塞、発汗異常、神経因性膀胱などが挙げられる。
本発明の自律神経異常の予防・治療剤は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、安全に投与することができる。
本発明の自律神経異常の予防・治療剤は、前記したTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤と同様にして製剤化することができ、その剤形、投与量などもTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤の場合と同様である。また、該予防・治療剤は、前記した各種併用薬剤と組み合わせて用いることもできる。
【0052】
本発明は、さらに、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬を含有してなる膀胱機能障害の予防・治療剤に関する。
本明細書中、膀胱機能障害とは、尿を貯蔵、***する上で必要な機能、すなわち排尿反射や膀胱筋収縮が正常に働かなくなる状態を意味し、その具体例としては、膀胱反射障害、神経因性膀胱、尿貯留感の消失、異常残尿、無力性膀胱などが挙げられる。
本発明の膀胱機能障害の予防・治療剤は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、安全に投与することができる。
本発明の膀胱機能障害の予防・治療剤は、前記したTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤と同様にして製剤化することができ、その剤形、投与量などもTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤の場合と同様である。また、該予防・治療剤は、前記した各種併用薬剤と組み合わせて用いることもできる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例および実験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。以下、%は特記しない限り重量パーセントを示す。
本明細書において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものである。
本願明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
実験例2で用いられるプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:2〕
実験例2で用いられるプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:3〕
実験例2で用いられるプローブの塩基配列を示す。
【0054】
【実施例】
実施例1(カプセルの製造)
Figure 0004422949
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
実施例2(錠剤の製造)
Figure 0004422949
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、製粒を行う。この製粒末に14gの4)および1gの5)を混合し、打錠機で打錠する。一錠あたり化合物(1)30mgを含有する錠剤1000錠を得る。
【0055】
実施例3(カプセルの製造)
Figure 0004422949
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
実施例4(錠剤の製造)
Figure 0004422949
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、製粒を行う。この製粒末に14gの4)および1gの5)を混合し、打錠機で打錠する。一錠あたり化合物(1)30mgを含有する錠剤1000錠を得る。
【0056】
実施例5(フィルム錠の製造)
[コーティング剤の製造]
精製水2520gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)209.6gおよびマクロゴール6000 (ポリエチレングリコール6000)42.0gを溶解した。得られる溶液に酸化チタン28.0g、黄色三二酸化鉄0.4gを分散させ、被覆剤を製造した。
[裸錠の製造]
流動層造粒乾燥機(FD-5S,(株)パウレック)中で、化合物(5) 62.5g、乳糖3738gおよびコーンスターチ 750.0gを均一に混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L) 150g を溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。
得られる造粒物を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整粒末とした。
得られる整粒末 4136gにクロスカルメロースナトリウム 220g とステアリン酸マグネシウム 44g を加え、タンブラー混合機(TM−15、昭和化学機械工作所)で混合して打錠用顆粒とした。得られる顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作所)で8.5mmφの杵を用いて重量200mgで打錠(打錠圧7KN/杵)し、裸錠とした。
[フィルムコーティング錠の製造]
得られる裸錠に、ドリアコータ―コーティング機(DRC−500、パウレック製)中で前記被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物(5) 2.5mgを含有する下記処方のフィルムコーティング錠、19000錠を得た。
裸錠処方(1錠当たりの組成):
Figure 0004422949
フィルム錠処方(1錠当たりの組成):
Figure 0004422949
【0057】
実施例6(フィルム錠の製造)
化合物(5)および乳糖の使用量をそれぞれ375.0gおよび3425gとする以外は実施例5と同様にして、1錠当たり化合物(5) 15mgを含有する下記処方のフィルムコーティング錠、19000錠を得た。
裸錠処方(1錠当たりの組成):
Figure 0004422949
フィルム錠処方(1錠当たりの組成):
Figure 0004422949
【0058】
実施例7(フィルム錠の製造)
化合物(5)および乳糖の使用量をそれぞれ1500.0gおよび2300gとする以外は実施例5と同様にして、1錠当たり化合物(5) 60mgを含有する下記処方のフィルムコーティング錠、19000錠を得た。
裸錠処方(1錠当たりの組成):
Figure 0004422949
フィルム錠処方(1錠当たりの組成):
Figure 0004422949
【0059】
実験例1
17週齢の雌性KKAyマウス(n=10−12)を、化合物(5)を0.01%含む粉末飼料(CRF−1,オリエンタル酵母製)で7週間飼育した。ついで、マウスの坐骨神経を採取し、測定に用いるまで(約10ヶ月)、−80℃で保存した。
保存された坐骨神経を20倍容量のホモゲナイズバッファー(1M塩化ナトリウム、2%BSA、2mM EDTA、80トリプシンユニット/Lのアプロチニン、0.02%アジ化ナトリウムを含む0.1Mトリス-塩酸緩衝液、pH7.6)中で超音波破砕し、不溶物を遠心分離(15,000rpm、30分)した後の上清におけるGDNF含量を下記のELISA法により測定した。
すなわち、96穴丸底プレートに抗hGDNFヤギ抗体(ゲンザイム テクネ社)(100μg/ml)を10μlずつ分注し、室温で2時間放置し、抗体を吸着させた。抗体を除去後、洗浄液で各穴を3回洗浄した。各穴に前記上清あるいはhGDNF標準(オンコジーン社)溶液10μlを分注し、室温で2.5時間放置した。各穴を3回洗浄した後、ビオチン化抗hGDNFヤギ抗体(ゲンザイム テクネ社)(35ng/ml)を20μlずつ添加し、4℃で一晩放置した。ビオチン化抗hGDNFヤギ抗体を洗浄後、β-D-ガラクトシダーゼ標識ストレプトアビジン(ベーリンガーマンハイム社製)20μlを添加し、室温で1時間放置した。洗浄後、酵素基質に4-メチルウンベリフェリル-β-D-ガラクトシド(シグマ社製)30μl(10μg/ml)を添加し、室温で4時間反応後、0.1Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.3)130μlを添加して反応を停止させ、生成した4-メチルウンベリフェロンの蛍光強度(Ex:360nm、Em:450nm)を測定した。標準曲線から、化合物(5)投与群におけるhGDNF量を算出し、化合物(5)非投与群におけるhGDNF量(対象群)に対する相対倍率を求めた。
その結果、化合物(5)投与群の坐骨神経におけるGDNF量は、対照群に比べて87.9%増加していた。
【0060】
実験例2
6週齢雄性SDラット(n=5−8)に70mg/kgのストレプトゾトシン(STZ)を投与して、糖尿病性神経障害モデルを作成した。STZ投与4ヶ月後から、ラットに化合物(5)を10mg/kg体重/dayの用量で4ヶ月間経口投与した。ついで、ラットの後根神経節を採取し、ISOGEN溶液(日本ジーン社)で処理してトータルRNAを抽出した。
得られたトータルRNA、および、既報のGDF−15のmRNA配列をもとにそれぞれ作製された、
5’-ACTGCATGCCAACCAGAGC-3’ (配列番号:1)で表されるプライマー、および
5’-TCGCACCTCTGGACTGAGTATC-3’ (配列番号:2)で表されるプライマーと、
GDF-15特異的な配列、ACTCAGAACCAACCCCTGACCCAGC (配列番号:3)を有する蛍光プローブを用い、acidic ribosomal phosphoprotein POを内在性対照としてリアルタイム定量RT-PCR(アプライドバイオシステム社)を行った。その結果、化合物(5)投与群のGDF−15の発現レベルは、化合物(5)非投与群(対照群)に比べて135%増加していた。
実験例3
6週齢の雄性SDラット(n=9−10)に70mg/kgのストレプトゾトシン(STZ)を静脈注射して、糖尿病性神経障害モデルを作成した。STZ投与2週間後に、麻酔下でラットの左坐骨神経を切断し、化合物(5)を10mg/kg体重/dayの用量で5週間経口投与した。
投与終了後、ラットを麻酔し、電位誘導装置[ニューロパック2(Neuropack 2)、日本光電製]を用いて、神経切断部位から誘導電位が検出可能な部位までの距離(最大延長距離)を測定した。その結果、化合物(5)投与群の最大延長距離は、化合物(5)非投与群(対照群)に比べて2.4倍延長していた。
すなわち、化合物(5)投与群では、神経新生効果および神経機能回復効果が観察された。
【0061】
【発明の効果】
本発明のTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤は、副作用がなく、自律神経異常(例、糖尿病性自律神経障害、無自覚性低血糖、胃不全麻痺、神経因性下痢および便秘、***不全、起立性低血圧、不整脈、心不全、無痛性心筋梗塞、発汗異常、神経因性膀胱)、膀胱機能障害(例、膀胱反射障害など)、聴覚障害、糖尿病足病変、骨疾患(例、骨粗しょう症など)、関節疾患(例、シャルコー関節、変形性関節症、リューマチなど)、ヒルシュスプルング病(Hirschsprung病)、てんかんなどの予防・治療剤;糖尿病などの代謝あるいは内分泌系疾患および外傷による皮膚損傷の治癒促進薬;膵再生薬(膵機能回復薬);腎再生薬(腎機能回復薬);疼痛抑制薬;下肢切断予防薬;突然死予防薬などとして用いることができる。
【0062】
【配列表】
Figure 0004422949
Figure 0004422949

Claims (8)


  1. Figure 0004422949
    [式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基を、Aは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノキシ基を、Bはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を、Xは酸素原子を、YはC1−4アルキレン基を示す。]で表される化合物またはその塩を含有してなる神経新生薬。
  2. Yが−(CH−である請求項記載の神経新生薬。
  3. 4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾールまたはその塩を含有してなる神経新生薬。

  4. Figure 0004422949
    [式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基を、Aは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノキシ基を、Bはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を、Xは酸素原子を、YはC1−4アルキレン基を示す。]で表される化合物またはその塩を含有してなる神経機能回復薬。
  5. Yが−(CH−である請求項記載の神経機能回復薬。
  6. 4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾールまたはその塩を含有してなる神経機能回復薬。
  7. 神経新生薬を製造するための、式
    Figure 0004422949
    [式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基を、Aは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノキシ基を、Bはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を、Xは酸素原子を、YはC1−4アルキレン基を示す。]で表される化合物またはその塩の使用。
  8. 神経機能回復薬を製造するための、式
    Figure 0004422949
    [式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基を、Aは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノキシ基を、Bはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を、Xは酸素原子を、YはC1−4アルキレン基を示す。]で表される化合物またはその塩の使用。
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