JP4422668B2 - トラクターローダーバックホーのフレーム構造 - Google Patents
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Description
また、シャシであるフレーム(9)において、剛性の必要となる部位を効率的に補強できる。
また、簡便な構成で、効率的なフレーム(9)の補強を行うことができる。
本発明の実施の一形態である作業車について説明する。図1は作業車両の全体側面図。図1に示す作業車両1はトラクターローダーバックホーであり、ローダー2および掘削装置3が装着されている。作業車両1の中央には操縦部4が設けられており、操縦部4の前方にローダー2が、後方に掘削装置3が配設されている。そして、作業車両1には、前輪8・8および後輪7・7が装着されており、ローダー2および掘削装置3を装着した状態で走行可能に構成されている。操縦部4には、ステアリングハンドル5および座席6が配設されており、座席6の側方には走行操作装置およびローダー2の操作装置が配設されている。これにより、操縦部4において、作業車両1の操向操作およびローダー2の操作を可能としている。積み込み装置であるローダー2は、作業車両1の側部に接続して前方に延出されており、先端にバケットが装着されている。作業車両1のシャシであるフレーム9の前部にはエンジンが配設されており、フレーム9上に配設したボンネット30がこれを覆っている。ローダー2はボンネット30の外側に配設されている。掘削装置3は作業車両1の後部に着脱自在に装着され、掘削装置3の操作は操縦席6の後方に配設された操作装置により行われる。操縦部4の側方には、作動油タンク90が配設されており、作動油タンク90は操縦部4のへの乗降時の階段を兼ねるものであり、操縦部4の反対側には、燃料タンクにより構成される階段が設けられている。
次に、作業車両1のフレーム構成について説明する。図2は作業車両のフレームを示す平面図。図3は同じく側面図。図4は同じく正面図。図5は作業車両フレームの上斜め前方よりの斜視図。図6は作業車両フレームの下斜め後方よりの斜視図。作業車両のフレーム9は、主に、前後方向に左右平行に配設されたサイドフレーム62・62と、サイドフレーム62の前部に接続するフロントフレーム63・63、フロントフレーム63・63の前部を接続するフロントプレート61とにより構成されている。そして、フロントフレーム63の外側面には、マスト部64が構成され、フロントフレーム63・63間はリブ65により接続されている。サイドフレーム62・62間には接続部材である中間仕切り74が配設され、フレーム9をラダー構造としている。中間仕切り74は、サイドフレーム62・62間において、エンジン配設部とトランスミッション配設部とを仕切るクロスメンバ部材であり、フレーム9の略中央部に配設されている。そして、サイドフレーム62には、外側方に向けてビーム62bが延出されている。ビーム62bは左右方向に延出されており、サイドフレーム62に対してほぼ直角に構成されている。ビーム62bは断面形状がC字状に構成されており、操縦部4の床部を支持する。
次に、フレーム9の構成についてより詳しく説明する。図7はフロントフレームとサイドフレームの接続構成を示す側面一部断面図。図8は作業車両フロント部分の構成を示す斜視一部断面図。図9はフレーム左側前部の構成を示す斜視図。図10はフレーム前下部の構成を示す斜視図。図11は同じく底面図。作業車両1のシャシであるフレーム9は主に平板および曲がった板体を接合することにより構成されている。そして、フレーム9の各所に補強を行うことにより、作業車両1のフレームを容易にかつ製造にかかるコストの低減を図っている。曲がった板部材は曲げ加工などにより容易に構成可能であり、フレームにI字型鋼などを使う場合に比べて、作業車両1の製造コストを低減でき、加工も容易となる。フレーム9は下部が舟形に構成されており、正面視において下部がだんだん狭くなる構成となっている。すなわち、フレーム9の下部の両側面がそれぞれ内側に傾斜した構成となっている。このように、フレーム9を構成することにより、前輪8近傍の空間を十分に確保することができ、前輪8の操舵角を大きくとることができる。フレーム9においては、サイドフレーム62の下部が内側に曲がった形状に構成されており、上下端部は内側水平方向に曲がっている。サイドフレーム62を内側に曲げることにより、サイドフレーム62の正面方向における有効断面積を増大させ、サイドフレーム62の剛性を向上できる。これにより、フレーム9の剛性を向上させながら、操向輪とフレーム9との干渉を避けることが出来る。
次に、機体中央部におけるフレーム9の補強構成について説明する。図12はサイドフレームの構成を示す側面図。図13は図12におけるB−B線断面図。図14はフレーム後部の構成を示す斜視図。サイドフレーム62は正面視において、縦長のC字形状に構成されている。サイドフレーム62には補強部材が装着されており、上部にパイプ66が、後部に後部補強部材68が、後下部には側面視略三角形状の補強部材67が取付けられている。そして、サイドフレーム62の中央下面にはサイドフレーム62の延出方向に沿って、下部補強部材69が取付けられている。サイドフレーム62の上部には、パイプ66が取付けられている。パイプ66は断面視四角形状に構成されており、エンジン配置部からトランスミッション取付部に渡り構成されている。パイプ66はサイドフレーム62の上部の折り返し部内側面に取付けられており、サイドフレーム62の上部前端から後部補強部材68までサイドフレーム62に装着されている。そして、サイドフレーム62の中央部に配設される中間仕切り74を貫通した状態で配設される。これにより、作業車両1のシャシであるフレーム9において大きな応力がかかる部位を効果的に補強できる。角パイプを用いて補強を行うので、長い範囲にわたる取付けも容易に行うことができる。
次に、作業車両1のフレーム9へのトランスミッション10の取付け構成について説明する。図15はトランスミッションのフレームへの取付け構成を示す模式図。図16はリアアクスルの取付け構成を示す模式図。トランスミッション10は、サイドフレーム62の後部に固設された後延出部72のステー73を介して取付けられている。トランスミッション10はリアアクスル以外に、側部フレーム62から延出された正面視L字形状のステー73によりトランスミッション10の下面もしくは側面を固定される。図15に示す実施例においては、ステー73の下端がトランスミッション10の下面に接続している。ステー73は板体を屈曲することにより構成されるものであり、シャシを構成するサイドフレーム62の外側面より下方に延出された後に機体内側に延出され、トランスミッション10の下面に接続している。ここにおいて、ステー73をトランスミッション10の側面に接続することも可能となっている。ステー73を介してトランスミッション10をサイドフレーム62に固定するので、装着可能なトランスミッションのバリエーションを広げることが出来、車両フレームに汎用性を持たせることが出来る。そして、ステー73がトランスミッション10より受ける力の一部を変形などにより吸収することができる。また、トランスミッション10より過剰な負荷がかかる場合においても、ステー73が弾性変形し、力を分散してサイドフレーム62とトランスミッション10、リアアクスルケース11、伝導ケース10bが保護される。
次に、作業車両1に配設されるタンクの構成について説明する。図17はタンクの取付け構成を示す斜視図。図18は同じく側面図。作業車両1の操縦部4の側方には、作動油タンク90と燃料タンク91とが配設されている。作動油タンク90と燃料タンク91とは、フレーム9の側方において、フレーム9より側方に突出した部材に吊設される。本実施例においては、側方に突出した部材として、マスト下部64bとビーム62bとを用いるものであり、これらの下面に作動油タンク90、燃料タンク91が装着される。マスト下部64bとビーム62bとは、ともにフレーム9を構成するサイドフレーム62より側方に突出した構成となっている。マスト下部64bはサイドフレーム62およびマスト部64に接続しており、マスト部64の剛性向上に寄与している。作動油タンク90および燃料タンク91の上面には、螺孔を有する接続部96・96が設けられており、タンクの接続部に、マスト下部64bの底面およびビーム62bの底面を介して、ボルトを螺装することにより、タンクがマスト下部64bの底面およびビーム62bの底面に締結される構成となっている。接続部96は作動油タンク90および燃料タンク91の上面において左右方向に配設されており、一つの接続部に対して複数のボルトを螺装する構成となっている。接続部96がタンク上面において左右方向に配設されるので、タンクの外側端部に力がかかる場合においても、高い剛性を示すと共に、操縦者の乗降に対しても、タンクの耐久性を維持できる。本実施例では、作業車両1のフレーム9の右側部に作動油タンク90が、左側部に燃料タンク91がそれぞれ配設されている。作動油タンク90と燃料タンク91とは、正面視階段状(L字状)に構成されており、下部が上部よりも側方(機体外側)に突出した形状となっている。これにより、高さが低くても十分なタンク容量を確保することができ、操縦部4の近傍において燃料タンク91および作動油タンク90をコンパクトに構成できる。そして、操縦部4への乗降においてタンクの階段面をステップとして利用できる。また、作動油タンク90と燃料タンク91との角部には、それぞれ滑り止め94が装着され、乗降時の安定性を確保している。
次に、マスト部64の構成について説明する。図19はマスト部の内部構成を示す側面一部断面図。マスト部64は平面視L字形状に構成されており、フロントフレーム63の外側面に接続するとともに、マスト下部64bの上面に接続している。そして、マスト部64とフロントフレーム63との間に仕切り板64fが配設されている。仕切り板64fはマスト部64の内側において、マスト部64との間に空間を構成しており、マスト部64の剛性を向上させる構成となっている。そして、この空間を利用して配管79を配設する。マスト部64の内側面とフロントフレーム63の外側面とにはそれぞれ対応する位置にボス80・80・80が配設されており、ローダー2の昇降装置を両持ちにより支持する構成となっている。仕切り板64fはボス80に沿って取付けられており、ボス80の支持剛性向上に寄与する構成となっている。仕切り板64fの上部には開口部64gが構成されており、マスト下部64bの上面には開口部64hが構成されている。仕切り板64fとマスト部64とで囲まれる空間を通る配管は、開口部64gおよび開口部64gから取り出されている。両持ちのマスト構造の間に仕切り板64fを設け、下面から配管をいれてマスト仕切り板64fの裏側面に配管を通し、仕切り板64f正面に開口部64gを設け、配管79を通すので、配管79の保護およびマスト部64近傍の空間を有効に利用でき、作業車両をコンパクトに構成できる。
次に、マストの補強構造について説明する。図20はマストの組立構成を示す図。作業車両1のフレーム9において、マストはマスト部64と仕切り板64f、マスト下部64b、ボス80・80・・・により構成されており、作業車両1のシャシであるフレーム9の外側に張り出した構成となっている。サイドフレーム62と一体的に構成されるフロントフレーム63の外側面に、マスト部64と仕切り板64fが接続されている。そして、内側のボス80はフロントフレーム63の外側面と仕切り板64fの内側部分とに接続し、外側のボス80はマスト部64の内側面と仕切り板64fの外側部分とに接続している。仕切り板64fは、マスト部64の内側面と、フロントフレーム63の上部側面とに接続しており、マストの補強プレートを兼ねる構成となっている。マスト下部64bは上面にマスト部64および仕切り板64fの下部を接続し、側面においてフロントフレーム63に接続している。仕切り板64fはマストの十分な強度を確保すべく厚板により構成されており、側面視において、三角形状に構成されている。仕切り板64fはマスト部64と一体的に構成されるので、マスト部64の受ける応力をフロントフレーム63に伝達でき、マストの耐荷重性能を向上できる。
次に、ボス80の補強構成について説明する。図21はボスの補強構成を示す図。図21(a)はボスの補強構成を示す斜視図、図21(b)はボスの補強構成を示す正面図。ボス80はなだらかな山形状となっており、すそ部において左右のボス80・80を補強部材81により接続する。補強部材81はボス80の下側部分に接続するものであり、正面視において略U字状に構成されている。ボス80と補強部材81とは溶接により接続されるものであり、ボス80・80と補強部材91とが一体的に構成されている。また、ボス80を、補強部材81を接続した形状で、予め一体的に構成することも可能である。補強部材81はマスト部64の仕切り板64fの前面に取付けられ、左右のボス80・80にも接続する構成となっている。補強部材81は、中央のボス80・80以外に上下に配設したボス80に取付けることも可能である。このように、ボス80に補強部材81を接続することにより、容易にボス80およびマスト部64の補強を行うことができる。
次に、作業車両1に配設されるレバースタンド85の構成について説明する。図22はレバースタンドの取付け構成を示す斜め前方斜視図。図23は同じく後方斜視図。図24はレバースタンドとリアフェンダの取付け構成を示す図。図25はレバースタンドの取付け構成を示す模式図。図26はレバースタンドの組立構成を示す模式図。図27はレバースタンドの正面図。レバースタンド85は作業車両のフレーム9に取付けられ、操縦部4に配設される。レバースタンド85にはフロントローダ2などを操作する操作レバーが配設されており、これらのレバーはレバースタンド85に取付けられた油圧バルブユニット85bに接続している。油圧バルブユニット85bはレバースタンド85に固定され一体的に構成され、レバースタンド85をフレーム9に取付けた後に油圧配管を油圧バルブユニット85bに接続することにより、油圧機器のレバーによる操作が可能となる。
9 フレーム
62 サイドフレーム
62b ビーム
63 フロントフレーム
64 マスト部
64b マスト下部
66 パイプ
67 補強部材
68 後部補強部材
69 下部補強部材
Claims (4)
- 前後の中央部に操縦部(4)を設け、該操縦部(4)の前方にローダー(2)を、後方に掘削装置(3)を配設するトラクターローダーバックホーのフレーム構造において、シャシであるフレーム(9)は、前後方向に左右平行に配設されたサイドフレーム(62・62)と、該サイドフレーム(62・62)の前部の外側に溶接固定し、該サイドフレーム(62・62)よりも前方に突出したフロントフレーム(63・63)と、該フロントフレーム(63・63)の前部を接続するフロントプレート(61)により構成し、該フロントフレーム(63・63)は、該フロントフレーム(63・63)とサイドフレーム(62・62)の接続部より、前下部から後斜め上方に向けて延出し、上方に延出されたフロントフレーム(63・63)の外側面にローダー(2)を支持するマスト部(64・64)を構成し、該左右のサイドフレーム(62・62)の内側の前後方向中央位置に、左右両側に設けたマスト部(64)の近傍から、サイドフレーム(62・62)の後方に付設したトランスミッション(10)の取付部まで、前後方向に貫通するパイプ(66・66)を固設したことを特徴とするトラクターローダーバックホーのフレーム構造。
- 請求項1記載のトラクターローダーバックホーのフレーム構造において、前記左右のサイドフレーム(62・62)間に、前部のフロントフレーム(63・63)の側と、後部のトランスミッション(10)の取付部との間を仕切るクロスメンバ部材である中間仕切り(74)を架設固定し、該中間仕切り(74)は、前記マスト部(64)よりも後方に配置し、前記パイプ(66)が、該中間仕切り(74)を貫通すべく構成したことを特徴とするトラクターローダーバックホーのフレーム構造。
- 請求項2記載のトラクターローダーバックホーのフレーム構造において、前記中間仕切り(74)から、後方のトランスミッション(10)の取付部との間において、該サイドフレーム(62・62)の内側面に、側面視略三角形状であって、箱断面を形成する補強部材(67)と、該側面視略三角形状の補強部材(67)に連接された後部補強部材(68)とを付設したことを特徴とするトラクターローダーバックホーのフレーム構造。
- 請求項3記載のトラクターローダーバックホーのフレーム構造において、前記後部補強部材(68)は、平面視コの字形状の部材により構成し、該平面視コの字形状の後部補強部材(68)の下部に、厚板(68b)を固設し、該厚板(68b)に、トランスミッション(10)から突出する伝導ケース(10b)をボルト締めにより固定したことを特徴とするトラクターローダーバックホーのフレーム構造。
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