JP4422386B2 - 積層ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は積層ポリエチレンテレフタレートフィルムに関する。更に詳しくは、粗大突起が少なく、耐ブロッキング性に優れ、磁気記録媒体のベースフィルムとしたとき、得られる磁気記録媒体に、優れた電磁変換特性および走行耐久性ならびに少ないドロップアウトを具備できる積層ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびそれをベースフィルムに用いた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録媒体の高密度化の進歩はめざましく、例えば、強磁性金属薄膜を真空蒸着やスパッタリング等の物理沈着法またはメッキ法により非磁性支持体上に形成せしめた金属薄膜型磁気記録媒体、またメタル粉や酸化鉄粉等の針状磁性粉体を2μm以下に塗布した薄層塗布型磁気記録媒体の開発実用化が進められている。前者の例としては、例えば、Coの蒸着テープ(特開昭54−147010号公報)、Co−Cr合金からなる垂直磁気記録媒体(特開昭52−134706号公報)が知られ、また後者の例としては、例えば、極薄層塗布型磁気記録媒体による高密度磁気記録(電子通信学会技術報告MR94−78(1995−02))等が知られている。
【0003】
従来の塗布型磁気記録媒体(磁性粉末を有機高分子バインダーに混入させて非磁性支持体上に塗布してなる磁気記録媒体)は、磁性層の厚みが2μm程度以上と厚いことから、記録波長も長く記録密度の低いものしか得られなかった。そこで、磁性層の厚みを薄くすることで、記録密度を向上させることが検討され、真空蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティング等の薄膜形成手段によって形成される強磁性金属薄膜を磁性層としたもの(磁性層の厚みは0.2μm以下)や、磁性層を塗布する際に非磁性下地層を設けることで従来の塗布型に比べてより薄い磁性層を塗布できるようにしたもの(磁性層の厚みは0.13μm程度)が提案されてきている。
【0004】
ところで、このように磁性層を薄くすることで記録密度を高めた高密度磁気記録媒体では、非磁性支持体(ベースフィルム)の表面状態が磁性層の表面性に大きな影響を及ぼしやすく、特に金属薄膜型の磁気記録媒体では、非磁性支持体の表面状態がそのまま磁性層(磁気記録層)表面の凹凸として発現し、それが記録・再生信号の雑音の原因となる。従って、非磁性支持体の表面はできるだけ平坦であることが望ましく、触媒に起因する異物が無いことが望ましい。
【0005】
一方、非磁性支持体(ベースフィルム)の製膜、製膜工程での搬送、傷付き、巻取りおよび巻出しといったハンドリングの観点からは、非磁性支持体(ベースフィルム)の表面は出来るだけ粗いことが望ましい。なぜならば、フィルム表面が平坦過ぎると、フィルム―フィルム相互の滑り性が悪化し、ブロッキング現象が発生したり、ロールに巻いたときの形状(ロールフォーメーション)が悪化したりして、製品歩留りの低下や製品の製造コストの上昇をきたすからである。
【0006】
このように、非磁性支持体の表面は、電磁変換特性の観点からは平坦であることが要求され、ハンドリング性やフィルムの製造コストの観点からは粗いことが要求される。
【0007】
さらに金属薄膜型磁気記録媒体は、実際に使用される時の重大な問題点として、金属薄膜面の走行性がある。従来の磁性体粉末を有機高分子バインダー中に混入させてベースフィルムに塗布してなる塗布型磁気記録媒体では、該バインダー中に潤滑剤を分散させて磁性層面の走行性を向上させることが出来た。しかし、金属薄膜型磁気記録媒体では、このような対策をとることができず、走行性、特に高温高湿条件下の走行性が劣るなどの欠点を有している。
【0008】
そこで、優れた品質の高密度磁気記録媒体を製造するには、上記二律背反する性質、すなわち、電磁変換特性等に要求される平坦性を持たせつつフィルムのハンドリングや磁気記録媒体の走行性に必要な凹凸を表面に付与することが必要とされる。
【0009】
そして、この為の具体的方法として、(1)フィルム表面に特定の塗剤を塗布し、不連続皮膜を形成させる方法(特公平3−80410号、特開昭60−180839号、特開昭60−180838号、特開昭60−180837号、特開昭56−16937号、特開昭58−68223号等)、(2)フィルム表面に微細凹凸を有する連続皮膜を塗布形成する方法(特開平5−194772号、特開平5−210833号)、(3)共押出し法等の技術により表裏異面化する方法(特開平2−214657号、特公平7−80282号)、(1)または(2)と(3)との組合せによる方法(特開平3−73409号)等が提案されている。
【0010】
しかしながら、上記の不連続皮膜や微細凹凸を有する連続皮膜を塗布形成する方法では、フィルム―フィルム間の滑り、ブロッキングといった課題は解決できるものの、ベースフィルムの製膜、製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しといったハンドリングの点では不十分であり、製品歩留り、製品コストの観点で、高密度大容量磁気記録媒体用ベースフィルムヘの適用には問題がある。また従来の共押出し技術または共押出し技術と不連続皮膜もしくは連続皮膜を組合せる方法でも、同様の問題を抱えている。さらに金属薄膜型磁気記録媒体の場合は高温高湿条件下の走行性の問題を抱えたままである。
【0011】
また、ポリエチレンテレフタレートは、その製造において、重合反応を円滑に進行させるために重合触媒を用いる。この重合触媒としては種々の金属化合物が知られており、中でも三酸化アンチモンの如きアンチモン(Sb)化合物が安価でかつ高い重合活性を持つことから、広く使用されている。しかし、Sb化合物は、その一部が反応中に還元されて金属Sbやその他の異物を生成して粗大な突起を発生させて磁気記録媒体としたときに電磁変換特性の低下やドロップアウトを引き起こしたり、製造工程を不安定化させたりして成形品の品質を悪化させるといった問題を抱えている。
【0012】
アンチモン化合物以外の重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、テトラ−n−ブトキシチタンのようなチタン化合物が提案されている。ゲルマニウム化合物は、かなり高価であるため、ポリエチレンテレフタレートの製造コストが高くなるという問題がある。一方チタン化合物を重合触媒として使用した場合、上記のような金属Sbやその他の異物の生成が抑制され、上述の異物に起因する問題は改善されるが、熱安定性が乏しいといったチタン化合物特有の問題があり、製膜中にフィルムが切断したり、フィルムが脆くなる問題を抱えている。
【0013】
そのため、粗大突起が少なく、耐ブロッキング性に優れ、金属薄膜型磁気記録媒体としたときの電磁変換特性や高温高湿条件下での走行性に優れる積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは未だ提供されていないのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解消し、粗大突起が少なく、耐ブロッキング性に優れ、金属薄膜型磁気記録媒体としたときの高温高湿条件下の走行性や電磁変換特性に優れる積層ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびそれをベースフィルムに用いた磁気記録媒体、特に強磁性金属薄膜型磁気記録媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明の目的は、本発明によれば、ポリエチレンテレフタレート組成物からなる第1の層の片面に、不活性粒子を含有するポリエチレンテレフタレート組成物からなる第2の層を積層した積層ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、
第1の層は、リン化合物として、以下の式(I)
【化4】
(ここで、式中の、R 1 およびR 2 はそれぞれ炭素数原子数1〜4のアルキル基、Xは−CH 2 −または―CH(Y)−を示す(Yは、ベンゼン環を示す。)。)
で表されるホスホネート化合物および触媒としてポリエチレンテレフタレートに可溶なチタン化合物のみを、以下の式(1)〜(3)
【0016】
【数3】
【0017】
(ここで、式(1)〜(3)中の、Tiはポリエチレンテレフタレートに可溶なチタン化合物のチタン元素としてのモル数を、組成物中のエチレンテレフタレート成分のモル数で割った値(ミリモル%)であり、Pはリン化合物のリン元素としてのモル数を組成物中のエチレンテレフタレート成分のモル数で割った値(ミリモル%)である。)
の範囲で含有し、かつ平均粒径が100nm以上の不活性粒子を含有していない、そして、
第一の層側の表面は、高さが1nm以上100nm以下でかつ幅が5nm以上100μm以下のうねり状突起を100個/mm2以上2万個/mm2以下の頻度で有し、かつ第二の層側の表面よりも中心面平均粗さ(WRa)が小さい、デジタル記録方式の磁気記録媒体のベースフィルムに用いる積層ポリエチレンテレフタレートフィルムによって達成される。
【0018】
本発明によれば、本発明の好ましい態様として、第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物に含まれる、
【0020】
(ロ)チタン化合物が、下記一般式(II)
【0021】
【化5】
【0022】
(上記式(II)中、R3 ,R4 ,R5 ,R6は、2〜10個の炭素原子を有するアルキル基または炭素数6〜8のフェニル基であり、mは1〜3の整数である。)
で表わされる化合物または上記一般式(II)で表わされる化合物と下記一般式(III)
【0023】
【化6】
【0024】
(上記式中、nは2〜4の整数を表わす)
で表わされる芳香族多価カルボン酸との反応生成物であること、または(ハ)不活性粒子が実質的にないことのいずれかを具備する積層ポリエチレンテレフタレートフィルムも提供される。
【0025】
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、第二の層に含まれる不活性粒子の平均粒径と、第一の層の厚みが下記式(4)
【0026】
【数4】
【0027】
(ここで、式(4)中の、tAは第一の層の厚み(μm)であり、dBは第二の層に含まれる不活性粒子の平均粒径(μm)である。)
を満足すること、第二の層に含まれる不活性粒子は、その平均粒径(dB)が0.1μm以上1μm以下で、第二の層の重量を基準としたときのその含有量が0.01重量%以上1.0重量%以下であること、第一の層側の表面の中心面平均粗さ(WRaA)が0.5nm以上10nm以下であること、第二の層側の表面の中心面平均粗さ(WRaB)が3nm以上20nm以下であること、第一の層は0.8μm以上の厚みを有し、第二の層は含有する不活性粒子の平均粒径(dB)の0.5倍以上の厚みを有し、かつ両者の厚みの合計が2μm以上12μm以下であることのいずれかを具備する積層ポリエチレンテレフタレートフィルムも提供される。
【0028】
さらに本発明によれば、本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムと、該積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの第一の層側の表面に設けられた磁性層と、該積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの第二の層側の表面に設けられたバックコート層とからなることを特徴とする磁気記録媒体、特にその好ましい態様として磁性層が強磁性金属薄膜層である磁気記録媒体も提供される。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、第一の層の片面に第二の層を積層したものであり、以下に説明する。
【0030】
[第一の層のポリエチレンテレフタレート組成物]
本発明において、第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、80重量%以上、好ましくは85重量%以上がポリエチレンテレフタレート樹脂からなるものであり、ポリエチレンテレフタレート樹脂以外の他の樹脂を、混合したものであっても良い。また、ここでいうポリエチレンテレフタレート樹脂とは、エチレンテレフタレート成分を主たる繰返し単位とするポリエステルである。なおここでいう主たる繰り返し単位とは、全繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは85モル%以上が、エチレンテレフタレート成分からなるものである。ポリエチレンテレフタレート樹脂を構成するエチレンテレフタレート成分以外の共重合される第3成分(共重合成分)としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸等の如きテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコールが例示でき、これらは単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
【0031】
本発明において、第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、ポリマーの製造時に安定剤としてリン化合物が添加されている。リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスホネート化合物及びそれらの誘導体等があげられ、これらは単独で使用してもよく、また二種以上併用してもよい。これらの中でも、特に前記一般式(I)で表されるホスホネート化合物が好ましい。特に好ましいホスホネート化合物は、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボプトキシメタンホスホン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステルおよびジブチルエステルである。上記のホスホネート化合物は、通常安定剤として使用されるリン化合物に比べ、チタン化合物との反応が比較的緩やかに進行する。すなわち、チタン化合物の触媒活性が重縮合反応中に長時間持続することから、ポリエチレンテレフタレートヘのチタン化合物の添加量が少なくでき、また、触媒に対して、多量の安定剤を添加しても、ポリエチレンテレフタレートの熱安定性を損ないにくい特性を有しているからである。
【0032】
リン化合物の添加時期は、エステル交換反応またはエステル化反応が実質的に終了した後であればいつでもよく、例えば、重縮合反応を開始する以前の大気圧下でも、重縮合反応を開始した後の減圧下でも、重縮合反応の末期でもまた、重縮合反応の終了後、すなわちポリマーを得た後に添加してもよい。
【0033】
第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、触媒に起因する異物が少ないことが必要である。そのため、本発明において、第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物の製造に用いる触媒は、実質的にポリマー中に可溶なチタン化合物である。なお、ここでいう実質的にとは、ポリエチレンテレフタレートポリマー中のアンチモン元素およびゲルマニウム元素の含有量は高々5ミリモル%以下であることを意味する。アンチモン元素およびゲルマニウム元素の含有量が5ミリモル%以下を超えると、これらの触媒に起因する異物が析出し、第一の層の表面が粗いものとなる。
【0034】
本発明で触媒として用いられるチタン化合物は、ポリマー中に可溶なものであれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートの重縮合触媒として一般的なチタン化合物、例えば、酢酸チタンやテトラ−n−ブトキシチタンなどが挙げられる。それらの中でも、特に望ましいのは、前記一般式(II)で表わされる化合物または前記一般式(II)で表わされる化合物と前記一般式(III)で表わされる芳香族多価カルボン酸との反応生成物である。
【0035】
前記一般式(II)で表わされるテトラアルコキサイドチタンとしては、式中のR3、R4、R5およびR6がそれぞれ2〜10個の炭素原子を有するアルキル基または炭素数6〜8のフェニル基で、mが1〜3の整数であれば特に限定されない。特に前記一般式(II)で表わされるテトラアルコキサイドチタンのなかでも、テトライソプロポキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラフェノキシチタンなどが好ましい。また、かかるチタン化合物として反応させる一般式(III)で表される芳香族多価カルボン酸としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸が好ましく用いられる。なお、一般式(III)で表される芳香族多価カルボン酸は、無水物であってもよい。上記チタン化合物と芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを反応させる場合には、溶媒に芳香族多価カルボン酸またはその無水物の一部とを溶解し、これにチタン化合物を滴下し、0〜200℃の温度で30分以上反応させれば良い。
【0036】
本発明において、第1の層は、ポリマー中に可溶なチタン金属元素として2ミリモル%以上10ミリモル%以下含有することが必要である。特に好ましいポリマー中に可溶なチタン金属元素の含有量は、第1の層の重量を基準として、3ミリモル%以上10ミリモル%以下の範囲である。該チタン金属元素の含有量が下限未満ではポリエチレンテレフタレートの生産性が低下し、目標の分子量のポリエチレンテレフタレートが得られない。一方、該チタン金属元素の含有量が上限を超えると、ポリマーの熱安定性が低下し、フィルム製造時の分子量低下が大きくなり目的のポリエチレンテレフタレートが得られない。なお、ここで言うチタン金属元素量は、エステル交換反応による第一段階反応をする場合は、エステル交換反応触媒として使用されたチタン化合物と重縮合反応触媒として使用されたチタン化合物の合計を示す。
【0037】
また、本発明において、第1の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、前述のチタン化合物を触媒としかつ前述のリン化合物を安定剤として製造されたものであり、両者の含有量は、前記式(2)および(3)を満足すること必要である。
【0038】
上記(P/Ti)が下限未満の場合、熱安定性が低下し好ましくない。また、上記(P/Ti)が上限を超えるとポリエチレンテレフタレートの重合反応性が大幅に低下し、目的のポリエチレンテレフタレートを得ることができない。本発明で用いるポリエチレンテレフタレートにおいて、(P/Ti)の適正範囲は通常の金属触媒よりも極めて狭く、この適正範囲にある場合、本発明のごとく従来にない効果を得ることができる。上記(2)式中の(P/Ti)の好ましい範囲は4以上10以下である。また、上記(Ti+P)が下限に満たない場合は、静電印加法によるフィルム製膜プロセスにおける生産性が大きく低下し、またフィルム厚みの均一性も低下することに起因する成形加工性、特に製膜性の低下や耐衝撃性の低下が生じ、満足な性能が得られなくなる。一方、上記(Ti+P)が上限を超える場合は、触媒に起因する異物が少量ではあるが発生し、磁気記録媒体とした場合にドロップアウトが発生し、電磁変換特性が低下してしまい、満足な性能が得られなくなる。好ましい上記(3)式中の(Ti+P)は20ミリモル%以上70ミリモル%以下の範囲である。
【0039】
本発明において、第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、テレフタル酸とエチレングリコールを原料として用いたものでも、ジメチルテレフタレートに代表されるテレフタル酸のエステル形成性誘導体とエチレングリコールを原料として用いたものでもよい。これらのなかでも、原料として用いる全ジカルボン酸成分の80モル%以上がジメチルテレフタレートである、エステル交換反応を経由して製造されたものが好ましい。ジメチルテレフタレートを原料物質に使用すると、テレフタル酸を原料とする製造方法に比較し、重縮合反応中に安定剤として添加したリン化合物の飛散が少ないという利点がある。また、ジメチルテレフタレートを原料物質とする製造方法の中でも、触媒の添加量を低減できることから、チタン化合物の少なくとも一部をエステル交換反応開始前に添加し、エステル交換反応触媒と重縮合反応触媒の二つ触媒を兼用させる製造方法が好ましく、特にエステル交換反応を0.05MPa以上0.20MPa以下の加圧下にて実施するのが、よりエステル交換反応触媒として使用するチタン化合物量を低減できることから好ましい。エステル交換反応時の圧力が、0.05MPa以下では、チタン化合物の触媒作用による反応の促進が十分では無く、一方0.20MPa以上では、副生成物として発生するジエチレングリコールのポリマー中の含有量が著しく増加し、ポリマーの熱安定性等の特性が劣ってしまう。
【0040】
このようにして得られた第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、従来用いられている三酸化アンチモンに代表されるアンチモン触媒を使用したときのような異物を含まない。しかも、ゲルマニウム触媒を使用したときのようなコストの上昇はなく、また、従来型のチタン触媒使用時のような溶融時熱安定性が劣ることが無く、磁気記録媒体のベースフィルムに極めて好適である。
【0041】
第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の固有粘度は、0.50以上0.80以下の範囲にあることが好ましく、さらに0.55以上0.75以下、特に0.60以上〜0.70以下の範囲が好ましい。固有粘度が下限未満であると、フィルムの耐衝撃性が不足するため好ましくない。他方、固有粘度が上限を超えると、原料ポリマーの固有粘度を過剰に引き上げる必要があり不経済である。
【0042】
[第二の層のポリエチレンテレフタレート組成物]
本発明において、第二の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、80重量%以上、好ましくは85重量%以上がポリエチレンテレフタレート樹脂からなるものであり、ポリエチレンテレフタレート樹脂以外の他の樹脂を、混合したものであっても良い。また、ここでいうポリエチレンテレフタレート樹脂とは、エチレンテレフタレート成分を主たる繰返し単位とするポリエステルである。なおここでいう主たる繰り返し単位とは、全繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは85モル%以上が、エチレンテレフタレート成分からなるものである。ポリエチレンテレフタレート樹脂を構成するエチレンテレフタレート成分以外の共重合される第3成分(共重合成分)としては、前記第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物で説明したのと同じものが使用できる。
【0043】
また、第二の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物は、上記のものであれば、特に制限されず、それ自体公知のものを好適に使用でき、かつそれ自体公知の方法によって製造することができる。特に好ましいのは、触媒に起因する粗大粒子の発生を抑制できることから、前述の第一の層を構成するポリエチレンテレフタレート組成物で説明したのと同じポリエチレンテレフタレート組成物である。
【0044】
[積層ポリエチレンテレフタレートフィルム]
本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、前述のポリエチレンテレフタレート組成物からなる第一の層と第二の層とが積層されたものである。第1の層と第2の層とを構成するポリエチレンテレフタレートは、同じ組成のものでも、異なる組成のものでもあっても良い。特に好ましいのは、第1の層と第2の層とを構成するポリエチレンテレフタレートが同じ組成のものである。
【0045】
また、本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、第一の層が平坦な電磁変換特性等に優れた表面を形成し、第2の層が粗い走行性に優れた表面を形成する。そして、第二の層の第一の層と接していない表面には、必要に応じ被覆層を設けてもよい。また、第一の層の第二の層と接していない表面にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、薄い被覆層を設けてもよい。これらの皮膜層は、それ自体公知の皮膜層を好適に使用できる。これらの中でも、第一の側の表面に微細粒子を含む被膜層が形成された積層ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。微細粒子としてはシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル、ポリスチレン、内外部のそれぞれの性質が異なる物質で構成される多層構造のコアシェル型粒子が例示でき、電磁変換特性から平均粒径は5nm以上50nm以下であることが好ましい。また、バインダー樹脂としては、ポリエステル、アクリル、ポリビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、ポリウレタン等の有極性高分子およびこれらの共重合体、ブレンド体が使用できる。特に好ましいバインダー樹脂は、ポリエステルフィルムとの接着性、平坦性、微粒子の保持力、耐ブロッキング性の観点から、ポリエステル、アクリル及びこれらの共重合体が好ましい。被膜層の厚みは1nm以上20nm以下が好ましい。本発明で用いられる被膜層は、水溶性、水分散性、或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されることが好ましい。被膜を形成するために、必要に応じて、上記組成物以外の他の樹脂や化合物、例えば帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、ワックス、架橋剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。
【0046】
本発明において、第1の層は、平坦な電磁変換特性等に優れた表面を形成することから、平均粒径が100nm以上、好ましくは60nm以上、更に好ましくは10nm以上の不活性粒子を実質的に含有しないことが好ましい。ここでいう実質的にとは、触媒を析出させて不活性粒子を形成したり、外部から不活性粒子を添加したりしていないことを意味する。
【0047】
また、本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、第1の層側の表面に、後述の3次元表面粗さ計によって測定された高さが1nm以上100nm以下で、幅が5μm以上100μm以下のうねり状突起を100個/mm2以上2万個/mm2以下の頻度で有することが必要である。なお、うねり状突起の幅は、フィルム長手方向に対し0±10度の方向で測定された値である。該幅の測定方向は、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを磁気記録媒体としたときの、磁気記録システムの磁気ヘッドが磁気テープのスキャンするトラックの方向に相当する。うねり状突起の頻度が下限未満だと、製膜工程での搬送性に劣ったり、フィルム−フィルム間のブロッキング現象が発生したり、また金属薄膜型磁気記録用として用いられたときに、高温高湿条件下のテープの走行性が乏しくなる。一方、うねり状突起の頻度が上限を超えると、電磁変換特性に支障をきたし、高密度磁気記録媒体用のベースフィルムとしては適さない。好ましいうねり状突起の頻度は、150個/mm2以上1万個/mm2以下、更に好ましくは200個/mm2以上5000個/mm2以下の範囲である。
【0048】
また、本発明において、該うねり状突起の高さの平均は、2nm以上50nm以下、更に2nm以上30nm以下であることが好ましい。該うねり状突起の平均高さが下限未満であると、製膜工程での搬送性が乏しくなったり、フィルム−フィルム間のブロッキング現象が発生したり、また金属薄膜型磁気記録用として用いられた場合、高温高湿条件下のテープの走行性といった点で不十分になることがある。一方、うねり状突起の平均高さが上限を超えると、電磁変換特性に支障をきたしたりすることがある。また、本発明において、該うねり状突起の幅の平均は、8μm以上80μm以下、更には10μm以上60μm以下であることが好ましい。該うねり状突起の平均幅が上限を超えると、製膜工程での搬送性が乏しくなったり、フィルム−フィルム間のブロッキング現象が発生したり、また金属薄膜型磁気記録用として用いられた場合、高温高湿条件下のテープの走行性といった点で不十分になることがある。一方、うねり状突起の平均幅が下限未満だと、うねり状突起の高さが25nm以下の領域で、製膜工程での搬送性、テープの走行性の点が不十分となる。
【0049】
第1の層側の表面にあるうねり状突起は、その形成方法によって制約を受けるものでないが、第2の層に含有せしめた不活性粒子の延伸に伴う第1の層の突き上げ作用によって形成されたものが好ましい。この突き上げ作用をより効率よく発現させるには、第2の層に含有せしめた不活性粒子の平均粒径と第1の層の厚さとが特定の関係を満たすようにするのが好ましい。具体的には、第2の層は、不活性粒子を1種類または種類や粒径の異なる不活性粒子を2種以上含有する。そして、不活性粒子が1種類の場合は、その平均粒径を、また、不活性粒子が2種類以上の場合は、粒子のうち最も平均粒径の大きな不活性粒子の平均粒径を、dB(μm)とし、第一の層の厚さをtA(μm)としたときに、前記式(4)を満足させるのが好ましい。特に、上記tA/dBは、さらに4以上30以下であることが好ましい。
【0050】
本発明において、第一の層側の表面は、表面粗さが、中心面平均粗さ(WRaA)で0.5nm以上10nm以下、更には0.5nm以上5nm以下であることが好ましい。該表面粗さが上限を超えると、電磁変換特性等が低下しやすい。一方、該表面粗さが下限未満だと、フィルムの耐ブロッキング性が悪化することがある。
【0051】
本発明において、第二の層は、前述のとおり、不活性粒子を含有する。そして、第二の層側の表面は、第一の層側の表面よりも中心面平均粗さ(WRa)が粗い。さらに、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの第二の層側の表面は、上記の表面粗さの関係を維持しつつ、中心面平均粗さ(WRaB)が3nm以上20nm以下、更には3nm以上17m以下であることが好ましい。なお、第二の層側の表面粗さ(WRaB)が上限を超えると、第一の層側の表面に形成されるうねり状突起の高さや幅を、前述の範囲にすることが難しくなる。一方、該WRaBが、下限未満では、搬送等におけるフィルムのブロッキング性やテープにしたときの走行性などが低下しやすい。さらにWRaBがWRaA以下では、その平坦性の故に、ベースフィルムの製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しといったハンドリング性の悪化をきたし、またロールに巻いたときの形状(ロールフォーメーション)が悪化し、生産性の悪化、製品歩留りの低下、ひいては製品の製造コストの上昇をきたす。
【0052】
第2の層側の表面に、上記の表面粗さを付与し、かつ第1の層側の表面に上記のうねり状突起を発現させるには、第2の層に含有される不活性粒子の平均粒径(dB)は0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、更に0.2μm以上0.8μm以下、特に0.2μm以上0.6μm以下であることが好ましい。
【0053】
この平均粒径dBを有する不活性粒子としては、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、架橋メチルメタクリレート共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き耐熱性有機高分子からなる微粒子、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、二硫化モリブデン等の如き無機化合物からなる微粒子のいずれを用いてもよい。
【0054】
第二の層は、上記平均粒径dBを有する不活性粒子のほかに、該不活性粒子よりも平均粒径の小さい不活性粒子を1種以上含有させることができる。そしてこの場合、第2、第3の小さい粒子としては、平均粒径が0.01μm以上0.1μm以下の微細粒子、例えばコロイダルシリカ、α、γ、δ、θ等の結晶形態を有するアルミナ等の微細粒子を好ましく用いることができる。また平均粒径dBを有する不活性粒子として例示したもののうち平均粒径が0.01μm以上0.1μm以下の微細粒子も用いることもできる。これら不活性粒子の含有量は、第二の層の重量を基準として、0.01重量%以上1重量%以下、更には0.05重量%以上0.8重量%以下、特に0.1重量%以上0.6重量%であることが好ましい。
【0055】
本発明において、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの全厚みは、通常2μm以上20μm以下であり、好ましくは2.5μm以上10μm以下、更に好ましくは3μm以上7μm以下である。平坦面を形成する第一の層と走行面を形成する第二の層との層厚構成は、第一の層の表面に前記うねり状突起が生じるように、第二の層に添加する不活性粒子の平均粒径dBと第一の層の厚さとが、前述の関係を満足するように構成されるのが好ましい。また、第一の層の厚さは、0.8μm以上であることが好ましく、第二の層の厚さは、前記平均粒径dBの1/2倍以上(μm)であることが好ましい。
【0056】
本発明において、磁気記録媒体としてのヘッドタッチ、走行耐久性を初めとする各種性能を向上させつつ、磁気記録媒体の薄膜化を達成するには、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムのヤング率を縦方向、横方向でそれぞれ4GPa以上6GPa以上、更には4.5GPa以上6.5GPa以上、特に4.7GPa以上6.8GPa以上とするのが好ましい。また積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの結晶化度は、30%以上50%以下であることが望ましい。結晶化度が下限を下回ると、熱収縮率が大きくなるし、一方、上限を上回るとフィルムの耐磨耗性が悪化し、ロールやガイドピン表面と摺動した場合に白粉が生じやすくなる。
【0057】
[積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法]
本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、従来から知られている或いは当業界に蓄積されている方法で製造することができる。そのうち、共押出し法により製造するのが好ましい。例えば、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムで説明すると、押出し口金内または口金以前(一般に前者はマルチマニホールド方式、後者はフィードブロック方式と呼ぶ)で、前述の第一の層を構成するポリエチレンテレフタレートと不活性粒子を含有する第二の層を構成するポリエチレンテレフタレートとを、溶融状態にて積層複合し、前述の好適な厚み比の積層構造と成し、次いで口金より融点270℃〜330℃の温度でフィルム状に共押出した後、10〜30℃で急冷固化し未延伸積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを得る。しかる後に、該未延伸積層フィルムを常法に従って一軸方向(縦方向または横方向)に60〜130℃の温度で2.5〜6.0倍の倍率で、好ましくは3.0〜5.0倍の倍率で延伸し、次いで前記方向とは直交する方向に80〜130℃の温度で2.5〜6.0倍の倍率で、好ましくは3.0〜5.0倍の倍率で延伸する。更に必要に応じて縦方向及び/または横方向に再度延伸しても良い。即ち、2段、3段、4段、或いは多段の延伸を行うと良い。全延伸倍率は、面積延伸倍率として通常9倍以上、好ましくは12〜35倍、更に好ましくは15〜26倍である。更に引き続いて、二軸配向フィルムを180〜230℃で熱固定結晶化することによって優れた寸法安定性が付与される。なお、熱固定時間は1〜60秒が好ましい。このようにして、層間の密着性が高い二軸配向積層ポリエチレンテレフタレートフィルムが得られる。
【0058】
なお、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造に際し、ポリエチレンテレフタレート樹脂に、所望により上述の不活性粒子以外の添加剤例えば安定剤、着色剤、溶融ポリマーの固有抵抗調整剤等を添加したり、含有させてもよい。なお、前述の皮膜層は、延伸工程が完了するまでの段階で、フィルム表面に皮膜層を形成するための塗液を塗布し、延伸工程やその後の熱固定工程で乾燥することで、形成するのが好ましい。
【0059】
[磁気記録媒体の製造方法]
本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムをベースフィルムに用いた磁気記録媒体は、第一の層側の表面、すなわち平坦面側の表面に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法により、鉄、コバルト、クロムまたはこれらを主成分とする合金もしくは酸化物より成る強磁性金属薄膜層を形成し、またその表面に、目的や用途などの必要に応じてダイアモンドライクカーボン(DLC)等の保護層やフッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に第二の層側の表面に公知のバックコート層を設けることにより、特に短波長領域の出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体とすることができる。この蒸着型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用Hi8、デジタル信号記録用デジタルビデオカセットレコーダ(DVC)、データ8ミリ、マンモス、AIT用テープ媒体として極めて有用である。
【0060】
また、本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、第一の層側の表面、すなわち平坦面側表面に、鉄または鉄を主成分とする針状微細磁性粉を塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、更に第2の層側の表面に公知の方法でバックコート層を設けることにより、特に短波長領域での出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁気記録媒体とすることができる。また、必要に応じて第一の層側の表面に、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもできる。このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W−VHS、データ8ミリ、DDSIV、デジタルβカム、D2,D3,SX、LTO、DLT等用テープ媒体として極めて有用である。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明における各特性は、以下の方法によって測定または評価される。また、実施例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、「重量部」および「重量%」である。
(1)固有粘度
o−クロロフェノール溶媒中35℃で測定した値から求める。
(2)粒子の平均粒径1(平均粒径:0.06μm以上)
島津製作所製CP−50型セントリフューグル パーティクルサイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径「等価球直径」を読み取り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁242〜247参照)。
(3)粒子の平均粒径2(平均粒径:0.06μm未満)
小突起を形成する平均粒径0.06μm未満の粒子は、光散乱法を用いて測定する。即ち、Nicomp Instruments Inc.社製のNICOMP MODEL 270 SUBMICRON PARTICLE SIZERにより求められる全粒子の50重量%の点にある粒子の「等価球直径」をもって表示する。
(4)層厚
フィルムの全厚はマイクロメーターにてランダムに10点測定し、その平均値を用いる。層厚は、薄い側の層厚を以下に述べる方法にて測定し、また厚い側の層厚は全厚より薄い側の層厚に引き算して求める。即ち、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ5000nmの範囲のフィルム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素とポリエチレンテレフタレートの炭素元素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ5000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面という界面の為に粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明の場合、粒子濃度は一旦安定値1になった後、上昇或いは減少して安定値2になる場合と、単調に減少する場合とがある。この分布曲線をもとに、前者の場合は(安定値1+安定値2)/2の粒子濃度を与える深さをもって、また後者の場合は粒子濃度が安定値1の1/2になる深さ(この深さは安定値1を与える深さよりも深い)をもって、当該層の層厚とする。
測定条件は以下の通りである。
▲1▼測定装置
二次イオン質量分析装置(SIMS):PERKIN ELMER社製 6300
▲2▼測定条件一次イオン種:O2+
一次イオン加速電圧:12kV
一次イオン電流:200nA
ラスター領域:400μm□
分析領域:ゲート30%
測定真空度:6.0×10-9Torr
E−GUNN:0.5kV−3.0A
なお、表層から5000nmの範囲に最も多く含有する粒子がシリコーン樹脂以外の有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングしながらFT−IR(フーリエトランスフォーム赤外分光法)、粒子によってはXPS(X線高電子分光法)等で上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚を求める。
(5)フィルム表面のうねり状突起
非接触式三次元表面粗さ計(WYKO社製:NT−2000)を用いて、うねり状突起の大きさ、高さに応じ、測定倍率25倍、測定面積246.6μm×187.5μm(=0.0462mm2)、または測定倍率2.5倍、測定面積2.5mm×1.9mm(=4.75mm2)の条件にて測定し、得られた三次元粗さチャートより、うねりの高さ、幅を読み取る。なお、測定はフィルムの長手方向に対し5〜10度の方向に切り出したサンプルにて行った。また、うねり状突起の平均高さおよび平均幅は、ランダムに測定した50点の突起の平均値から算出した。
(6)中心面平均粗さ(WRa)
非接触式三次元表面粗さ計(WYKO社製:NT−2000)を用いて測定倍率25倍、測定面積246.6μm×187.5μm(=0.0462mm2)の条件にて測定し、該粗さ計に内臓された表面解析ソフトにより中心面平均粗さWRaを以下の式より求める。
【0062】
【数5】
【0063】
Zjkは測定方法(246.6μm)、それと直行する方法(187.5μm)をそれぞれm分割、n分割したときの各方向のj番目、k番目の位置における2次元粗さチャート上の高さである。
(7)ヤング率
フィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
(8)耐ブロッキング性
2枚のフィルムを用意し、一方のフィルムの第一の層側の表面と、他方のフィルムの第二の層側の表面とを重ね合せ、まず50℃×70%RHの雰囲気下にて、無荷重下で24時間処理し、次に15N/mm2の荷重下で100時間処理した。処理後の貼り合わされたフィルム積層体を、5cm幅の短冊状に切り取り、引張り試験機にて荷重を加えた箇所の剥離強度(mN/5cm)で評価する。なお、評価は剥離強度の値から下記の基準で評価する。
【0064】
○:0〜50mN/5cm
△:50mN/5cmを超え、100mN/5cm未満
×:100mN/5cm〜破断発生
(9)第1の層中の不活性粒子
試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC−1100型イオンエッチング装置)を用いてフィルム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。条件は、ベルジャー内に試料を設置し、約10-3Torrの真空状態まで真空度を上げ、電圧0.25kV、電流12.5mAにて約10分間イオンエッチングを実施する。更に同装置にて、フィルム表面に金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡にて5,000〜10,000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて各不活性粒粒子の等価球径分布を求める。得られら等価球形分布から、粒径が100nmを超える不活性粒子を抜き出し、その重量積算50%の点から、粒径100nmを超える不活性粒子の平均粒径を算出する。
(10)磁気テープの製造及び特性評価
積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの第一の層側の表面に、真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの厚みで形成し、次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カーボンを10nmの厚みで形成させ、更に含フッ素カルボン酸系潤滑剤を順次設ける。続いて、コバルト−酸素薄膜を形成したのとは反対側の表面に、カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を厚みが500nmとなるように設け、スリッターにより幅8mm及び6.35mmにスリットし、市販のリールに巻き取り、磁気テープを作成した。市販のHi8方式8mmビデオテープレコーダーを用いてビデオS/N比を、市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーを用いてドロップアウト(DO)個数を求める。
【0065】
DO個数の測定は、作成した6.35mmテープを市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーで録画後、1分間の再生をして画面に現れたブロック状のモザイクの個数をカウントすることによって行う。
【0066】
C/Nは、市販のHi8用VTR(SONY株式会社製、EV−BS3000)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販のHi8用ビデオテープ(SONY株式会社製、蒸着型テープ E6−120HME4)と比較して、+3dB以上のフィルムを優、+1〜+3dBのフィルムを良、+1dB未満を不良として、評価した。
【0067】
高温恒湿下の走行耐久性は40℃、80%RHで記録再生を700回繰り返した後のC/Nを測定し、初期値からのずれで判定する。
【0068】
○:初期値に対して+0.0dB以上
△:初期値に対して−1.0dB以上〜+0.0dB未満
×:初期値に対して−1.0dB未満
(11)フィルムの熱安定性
フィルムを固定枠に均一に張り、熱風乾燥機にて、大気中の雰囲気で、温度240℃で5分間処理した。処理前後のフィルムを、それぞれ試料巾10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/分にて、引張試験機(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)で引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の破断時の応力を算出する。そして、処理後の破断強度が、処理前の破断強度に対して60%を超えるフィルムを熱安定性良好(表中の記号:○)、処理後の破断強度が、処理前の破断強度に対して30〜60%であるフィルムをやや熱安定性に劣る(表中の記号:△)、処理後の破断強度が、処理前の破断強度に対して30未満であるフィルムを熱安定性が極めて劣悪(表中の記号:×)として、評価した。
(12)チタン、リンおよび金属元素の含有量
チタン、リン原子濃度は、乾燥したサンプルを走査電子顕微鏡(SEM、日立計測機器サービスS570型)にセットし、それに連結したエネルギー分散型X線マイクローアナライザー(XMA、堀場EMAX−7000)にて定量分析を実施した。
【0069】
ポリエチレンテレフタレート中の触媒金属濃度は、粒状のサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平面を有する成形体を作成し、蛍光X線装置(理学電機工業3270E型)にて、定量分析した。
【0070】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部の混合物に、テトラ−n−ブチルチタネート0.009部を加圧反応が可能なSUS製容器に仕込み、0.07MPaの加圧を行い140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、トリエチルホスホノアセテート0.04部を添加し、エステル交換反応を終了させた。その後反応生成物を重合容器に移し、290℃まで昇温させ、0.2mmHg以下の高真空にて重縮合反応を行って、固有粘度0.62、ジエチレングリコール量が1.5%である第一の層用ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(PET−1A)を作成した。また、PET−1に、表1に示す不活性粒子を添加して固有粘度0.63の第2の層用のPET樹脂(PET−2A)を得た。
【0071】
PET−1AおよびPET−2Aをそれぞれ170℃で3時間乾燥後、2台の押出し機に供給し、溶融温度280〜300℃にて溶融し、マルチマニホールド型共押出しダイを用いて、第一の層の片面に第二の層を積層させ、急冷して厚さ90μmの未延伸積層フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを予熱し、更に低速・高速のロール間でフィルム温度95℃にて3.2倍に延伸し、急冷し、続いて下記に示す組成の水溶液を、第一の層側の表面に、乾燥後の皮膜層厚みが5.2nmとなるように塗布した。
塗布液の組成:
(1)アクリル―ポリエステル樹脂:80重量%
・ポリエステル成分:テレフタル酸(70モル%)、イソフタル酸(18モル%)、5―ナトリウムスルホイソフタル酸(12モル%)/エチレングリコール(92モル%)、ジエチレングリコール(8モル%)
・アクリル樹脂成分:メチルメタクリレート(80モル%)、グルシジルメタクリレート(15モル%)、n―ブチルアクリレート(5モル%)
・ポリエステル成分/アクリル樹脂成分の重量比=1/1
(2)アクリル樹脂微粒子(平均粒径30nm):5重量%
(3)界面活性剤(三洋化成(株)社製 エマルミン110):15重量%
続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に4.1倍に延伸した。得られた二軸延伸積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを220℃の熱風で4秒間熱固定し、厚み6.4μmの二軸配向積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。各層の厚みについては、2台の押出し機の吐出量により調整した。この積層ポリエチレンテレフタレートフィルムのヤング率は縦方向4.9GPa、横方向6.9GPaで、それぞれの層を構成するポリエステルの固有粘度は0.62であった。
【0072】
得られた積層ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびそれをベースフィルムに用いた磁気テープの特性を表2に示す。
【0073】
[実施例2]
実施例1において、チタン化合物を下記方法にて合成したトリメリット酸チタン0.016部に変更する以外は同様にして重縮合反応を行い、PET樹脂Aを得た。
【0074】
トリメリット酸チタンの合成方法は、無水トリメリット酸2重量部をエチレングリコール98重量部に混ぜたエチレングリコール溶液にテトラブトキシチタンを無水トリメリット酸に対してモル比が0.5となるように添加し、空気中常圧下で80℃に保持して60分間反応せしめ、その後、常温に冷却し、10倍量のアセトンによって生成触媒を再結晶化させ、析出物をろ紙によって濾過し、100℃で2時間乾燥せしめ、目的の化合物を得た。次に表1に示す粒子を使用し、第1の層および第2の層の層厚みを表1の通り調整した以外は、実施例1と同様の方法で、厚み6.4μmの積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
【0075】
得られた積層ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびそれをベースフィルムに用いた磁気テープの特性を表2に示す。
【0076】
[実施例5、6、比較例1〜12]
実施例1に準じ、表1に示す触媒を使用して厚み、層厚比を調整して、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。そして、触媒や不活性粒子等を表1に示す調整した以外は、実施例1と同様にして、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
【0077】
得られた積層ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびそれをベースフィルムに用いた磁気テープの特性を表2に示す。
【0078】
[比較例13]
第1の層を構成するのに用いたPET−1Aに、平均粒径120nmの真球状シリカを0.03重量%になるように添加した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
【0079】
得られた積層ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびそれをベースフィルムに用いた磁気テープの特性を表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
表1中の、TBTはテトラ−n−ブトキシチタン、TMTはトリメリット酸チタン、TEPAはトリエチルホスホノアセテート、PEEはカルボエトキシメタン−ホスホン酸ジエチルエステル、HPEはヒドロキシメチレン−ホスホン酸ジエチルエステルを意味する。また、比較例2および比較例4は、第1の層および第2の層を構成するポリマーのIVが低すぎて製膜できず、その後の評価を行っていない。さらにまた、比較例6は、製膜時のピニング性が悪く、その後の評価に耐え得るフィルムが得られなかった。
【0083】
【発明の効果】
本発明の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、耐ブロッキング性に優れながら、さらに触媒に起因する異物も抑制されており、高密度磁気記録媒体のベースフィルムとして用いると、得られる磁気記録媒体に、ドロップアウトが少なく、電磁変換特性に優れ、しかも走行耐久性に優れるという特性を同時に具備させることができ、その工業的価値は極めて高い。
Claims (10)
- ポリエチレンテレフタレート組成物からなる第1の層の片面に、不活性粒子を含有するポリエチレンテレフタレート組成物からなる第2の層を積層した積層ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、
第1の層は、リン化合物として、以下の式(I)
で表されるホスホネート化合物および触媒としてポリエチレンテレフタレートに可溶なチタン化合物のみを、以下の式(1)〜(3)
第一の層側の表面は、高さが1nm以上100nm以下でかつ幅が5μm以上100μm以下のうねり状突起を100個/mm2以上2万個/mm2以下の頻度で有し、かつ第二の層側の表面よりも中心面平均粗さ(WRa)が小さい、デジタル記録方式の磁気記録媒体のベースフィルムに用いることを特徴とする積層ポリエチレンテレフタレートフィルム。 - 第二の層に含まれる不活性粒子は、その平均粒径(dB)が0.1μm以上1μm以下で、第二の層の重量を基準としたときのその含有量が0.01重量%以上1.0重量%以下である請求項1記載の積層ポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 少なくとも一方の表面に皮膜層が設けられている請求項1記載の積層ポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 第一の層側の表面の中心面平均粗さ(WRaA)が0.5nm以上10nm以下である請求項1または5のいずれかに記載の積層ポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 第二の層側の表面の中心面平均粗さ(WRaB)が3nm以上20nm以下である請求項1または5のいずれかに記載の積層ポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 第一の層は0.8μm以上の厚みを有し、第二の層は含有する不活性粒子の平均粒径(dB)の0.5倍以上の厚みを有し、第一の層と第二の層の厚みの合計が2μm以上12μm以下である請求項1記載の積層ポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の積層ポリエチレンテレフタレートフィルムと、該積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの第一の層側の表面に設けられた磁性層と、該積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの第二の層側の表面に設けられたバックコート層とからなることを特徴とする磁気記録媒体。
- 磁性層が強磁性金属薄膜層である請求項9記載の磁気記録媒体。
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