JP4420698B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特に、携帯情報端末(例えばPDA)、携帯電話、車載用液晶ディスプレイ、デジタルカメラ、パソコン、アミューズメント機器、テレビなどに好適に用いられる液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置は、薄型で低消費電力であるという特長を生かして、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子手帳などの情報機器、あるいは液晶モニターを備えたカメラ一体型VTRなどに広く用いられている。
高コントラスト化および広視野角化を実現できる表示モードとして、垂直配向型液晶層を利用した垂直配向モードが注目されている。垂直配向型液晶層は、一般に、垂直配向膜と誘電異方性が負の液晶材料とを用いて形成される。
例えば、特許文献1には、画素電極に液晶層を介して対向する対向電極に設けた開口部の周辺に斜め電界を発生させ、開口部内で垂直配向状態にある液晶分子を中心に周りの液晶分子を傾斜配向させることによって、視角特性が改善された液晶表示装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている構成では、画素内の全領域に斜め電界を形成することが難しく、その結果、電圧に対する液晶分子の応答が遅れる領域が画素内に発生し、残像現象が現れるという問題が生じる。
この問題を解決するために、特許文献2は、画素電極または対向電極に規則的に配列した開口部を設けることによって、放射状傾斜配向を呈する複数の液晶ドメインを画素内に有する液晶表示装置を開示している。
さらに、特許文献3には、画素内に規則的に複数の凸部を設けることによって、凸部を中心に出現する傾斜状放射配向の液晶ドメインの配向状態を安定化する技術が開示されている。また、この文献には、凸部による配向規制力とともに、電極に設けた開口部による斜め電界を利用して液晶分子の配向を規制することによって、表示特性を改善できることを開示している。
一方、近年、屋外または屋内のいずれにおいても高品位な表示が可能な液晶表示装置が提案されている(例えば特許文献4および特許文献5)。この液晶表示装置は、半透過型液晶表示装置と呼ばれ、画素内に反射モードで表示を行う反射領域と、透過モードで表示を行う透過領域とを有している。
現在市販されている半透過型液晶表示装置は、ECBモードやTNモードなどが利用されているが、上記特許文献3には、垂直配向モードを透過型液晶表示装置だけでなく、半透過型液晶表示装置に適用した構成も開示されている。また、特許文献6には、垂直配向型液晶層の半透過型液晶表示装置において、透過領域の液晶層の厚さを反射領域の液晶層の厚さの2倍にするために設ける絶縁層に形成した凹部によって液晶の配向(多軸配向)を制御する技術が開示されている。凹部は例えば正八角形に形成され、液晶層を介して凹部に対向する位置に突起(凸部)またはスリット(電極開口部)が形成された構成が開示されている(例えば、特許文献6の図4および図16参照)。
また、反射モードにおける表示品位を改善するために、拡散反射特性が優れた拡散反射層を形成する技術が検討されている。例えば、特許文献7には2層の感光性樹脂膜を用いたフォトリソグラフィ工程を経て、反射電極の表面にランダム配置された微細な凹凸形状を形成することによって、良好な拡散反射特性を得る技術が開示されている。さらに、特許文献8には、製造プロセスの簡略化を目的として、1層の感光性樹脂を用いて、コンタクトホールおよび微細な凹凸を形成するためのフォトマスクを介して露光し、これを現像することによって、微細な凹凸形状を有する反射電極を形成する技術が開示されている。
特開平6−301036号公報 特開2000−47217号公報 特開2003−167253号公報 特許第29555277号公報 米国特許第6195140号明細書 特開2002−350853号公報 特開平6−75238号公報 特開平9−90426号公報
特許文献2または特許文献3に開示されている技術は、画素内に凸部または開口部を設けて複数の液晶ドメインを形成し(すなわち、画素分割し)、液晶分子に対する配向規制力を強めているが、本発明者の検討によると、十分な配向規制力を得るためには、液晶層の両側(互いに対向する一対の基板の液晶層側)に、凸部や開口部などの配向規制構造を形成することが必要であり、製造工程が複雑になるという課題がある。また、画素内の凸部の周辺から光漏れが発生するためにコントラスト比が低下することもある。さらに、配向規制構造を両方の基板に設ける場合には、基板のアライメントマージンの影響を受けるので、有効開口率の低下および/またはコントラスト比の低下はさらに顕著になる。
また、特許文献6に開示されている技術では、多軸配向を制御するために設けられる凹部と反対側に凸部または電極開口部を配置することが必要となり、上記従来技術と同様の問題が発生する。
また、例えば、半透過型液晶表示装置の反射モードの表示品位を改善するために、特許文献7または8に記載されている方法を用いて反射電極を形成すると、製造プロセスが複雑になるという問題がある。すなわち、配向規制のための凸部だけでなく、拡散反射特性を改善するための微細な凹凸を形成する必要が生じ、液晶表示装置のコストアップにつながる。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡便な構成で、液晶の配向を十分に安定化できるとともに、従来よりも簡便なプロセスで製造できる液晶表示装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向するように設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、それぞれが、前記第1基板上に形成された第1電極と、前記第1基板と前記1電極との間に設けられた層間絶縁膜と、前記第2基板上に形成され第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた前記液晶層とを含む複数の画素を備え、前記層間絶縁膜は、所定の位置に設けられた少なくとも1つの凹部を有し、前記液晶層は、少なくとも所定の電圧を印加した時に、前記少なくとも1つの凹部によって規定される方位に傾斜した液晶分子を含む少なくとも1つの液晶ドメインを形成することを特徴とする。
ある実施形態において、前記第1電極は、少なくとも1つの開口部を有し、前記少なくとも1つの開口部は前記少なくとも1つの凹部に対応する位置に形成された開口部を含む。
ある実施形態において、前記複数の画素はマトリクス状に配列されており、短い方のピッチをPSとすると、前記少なくとも1つの凹部の最大内径幅DCは、DC<0.35・PSの関係を満足する。
ある実施形態において、前記層間絶縁膜の厚さIdと前記少なくとも1つの凹部の深さhとの関係が、h<0.8・Idの関係を満足する。
ある実施形態において、前記第1電極は、少なくとも1つの切欠き部をさらに有する。
ある実施形態において、前記層間絶縁膜と一体に形成された壁構造体を更に有し、前記壁構造体は、前記複数の画素のそれぞれの周囲に規則的に配列されている。
ある実施形態において、前記複数の画素のそれぞれの周囲に遮光領域を有し、前記壁構造体は前記遮光領域に規則的に配置されている。
ある実施形態において、前記液晶層は垂直配向型の液晶層であって、前記液晶層に少なくとも所定の電圧を印加した時に形成される前記少なくとも1つの液晶ドメインは軸対称配向を呈する液晶ドメインを含み、軸対称配向の中心軸は、前記少なくとも1つの凹部内または近傍に形成される。
ある実施形態において、前記第2電極は、画素内の所定の位置に形成された少なくとも1つのさらなる開口部を有し、前記液晶層は垂直配向型の液晶層であって、前記液晶層に少なくとも所定の電圧を印加した時に形成される前記少なくとも1つの液晶ドメインは軸対称配向を呈する液晶ドメインを含み、軸対称配向の中心軸は、前記少なくとも1つのさらなる凹部内または近傍に形成される。
ある実施形態において、前記第1電極に電気的に接続されたスイッチング素子を前記第1基板上にさらに有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部は前記層間絶縁膜に覆われている。
ある実施形態において、前記第1電極は、透過領域を規定する透明電極と反射領域を規定する反射電極とを含む。
ある実施形態において、前記少なくも1つの液晶ドメインは、前記透過領域に形成され軸対称配向を呈する液晶ドメインを含み、軸対称配向の中心軸は前記少なくとも1つの凹部内または近傍に形成されている。
ある実施形態において、前記層間絶縁膜は、表面が実質的に平坦な第1領域と表面が凹凸形状を有する第2領域とを有し、前記透明電極は前記第1領域上に形成されており、前記反射電極は前記第2領域上に形成されている。
ある実施形態において、前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板を有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの2軸性光学異方性媒体層をさらに有する。
ある実施形態において、前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板をさらに有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの1軸性光学異方性媒体層をさらに有する。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1基板と、前記第1基板に対向するように設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、それぞれが、前記第1基板上に形成された第1電極と、前記第1電極に電気的に接続された回路要素と、前記第1基板と前記1電極との間に設けられた層間絶縁膜と、前記第2基板上に形成され第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた前記液晶層とを含む複数の画素を備える液晶表示装置の製造方法であって、第1基板上に回路要素を形成する工程と、前記回路要素を覆うポジ型の感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を露光する工程であって、露光量が互いに異なる所定の領域を形成する工程と、露光された前記感光性樹脂膜を現像することによって、前記回路要素の一部を露出するコンタクトホールと、少なくとも1つの凹部を有する層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜上に第1電極を形成する工程とを包含することを特徴とする。
ある実施形態において、前記層間絶縁層を形成する工程は、表面が実質的に平坦な第1領域と、表面が凹凸形状を有する第2領域とを形成する工程を含み、前記第1電極を形成する工程は、前記第1領域の前記層間絶縁膜上に透明電極を形成する工程と、前記第2領域の前記層間絶縁膜上に反射電極を形成する工程とを包含する。
ある実施形態において、前記露光工程は、第1フォトマスクを用いて、前記第2領域となる領域とその他の領域を形成する第1露光工程と、前記その他の領域に、第2フォトマスクを用いて、前記コンタクトホールとなる領域および前記少なくとも1つの凹部となる領域を形成する第2露光工程とを含む。
ある実施形態において、前記液晶表示装置は、前記複数の画素のそれぞれの周囲に規則的に配列され前記層間絶縁膜と一体に形成された壁構造体を更に有し、前記第1露光工程は、前記第2領域となる領域と壁構造体となる領域を形成する工程である。
ある実施形態において、前記第1電極および/または前記第2電極を形成する工程は、導電膜を形成する工程と、前記導電膜をパターニングする工程とを包含し、前記パターニングする工程は、前記第1電極および/または前記第2電極の所定の位置に複数の開口部または切欠き部を形成する工程を包含する。
本発明の液晶表示装置は、第1電極(例えば画素電極)と第1基板との間に設けられた層間絶縁膜が所定の領域に凹部を有する。この凹部に対応して液晶層側の表面に形成される凹部が配向規制構造として作用し、少なくとも所定の電圧(閾値以上の電圧)を印加した時に液晶分子が傾斜する方位を規定する。層間絶縁間膜は、典型的には第1電極と電気的に接続された回路要素(配線やスイッチング素子(TFT等))覆う様に形成され、上記凹部は層間絶縁膜にコンタクトホールを形成するプロセスを利用して形成され得るので、製造工程が複雑になることが無い。また、第1電極の凹部に対応する位置に開口部を設けると、電圧印加時に開口部の近傍に発生する斜め電界によって、液晶分子が傾斜する方位(方向)を規制することができる。
さらに、第1電極に切欠き部を設けると、切欠き部の近傍に発生する斜め電界によって、液晶分子が傾斜する方向を規定することができる。また、画素の周囲に規則的に配置された壁構造体を設けることによって、液晶分子が傾斜する方向を規定することもできる。壁構造体は、その傾斜側面のアンカリング作用(配向規制力)によって、液晶分子が電界によって傾く方向を規定し、壁構造体によって実質的に包囲された領域に、配向方向が互いに異なる液晶分子を含む少なくとも1つの液晶ドメインが安定に形成されるという作用を示す。この壁構造体を層間絶縁膜と一体に形成することによって、製造工程の複雑化を回避することができる。また、画素の周辺は遮光領域とされるので、壁構造体による光漏れは抑制・防止される。
層間絶縁膜に形成される凹部、第1電極(典型的には画素電極)に形成される開口部、および壁構造体という配向規制構造は、いずれも第1基板側に形成され、第2基板側に配向規制構造を設けなくとも、十分な配向規制力が得られる。
例えば、液晶層として垂直配向型液晶層を用いると、上記凹部内または近傍に中心軸が固定・安定化された軸対称配向ドメインを形成することができる。凹部に対応する位置に開口部を設けることによって、さらに確実に中心軸が固定・安定化される。また、切欠き部および/または壁構造体の配向規制力を利用して、軸対称配向そのものを安定化することもできる。特に画素内に複数の軸対称配向ドメインを形成する場合には、それらの境界に切欠き部を設けることによって、軸対称配向ドメインを効果的に安定化することができる。
なお、軸対称配向の中心軸の固定・安定化のために、第1電極に対向する第2電極に開口部を設けても良いし、さらに必要に応じて切欠き部を設けても良い。
このように、本発明によると、例えば、軸対称配向を安定化し、且つ、その中心軸を固定・安定化できるので、中心軸の位置が表示領域内で不均一となる(画素毎にばらつく)ことに起因する表示のざらつき感の発生や中間調電圧間の遷移時に見られる緩和応答時間の遅さに起因する残像現象などを改善できる。なお、各画素に少なくとも1つの液晶ドメインが形成されればよいが、画素の大きさや形状に応じて、2以上の液晶ドメインを形成しても良く、典型的な長方形の画素に対しては、2以上の液晶ドメインを形成することが好ましい。
本発明による実施形態の液晶表示装置は、第1基板(例えばTFT側ガラス基板)と、第1基板に対向するように設けられた第2基板(例えばカラーフィルタ側ガラス基板)と、これらの基板の間に設けられた液晶層(例えば垂直配向型液晶層)と、第1基板上に形成された第1電極(例えば画素電極)と、第2基板上に形成され第2電極(例えば対向電極)と、第1電極と第1基板との間に設けられた層間絶縁膜とを有している。層間絶縁膜は規則的に配置された少なくとも1つの凹部を有しており、この凹部が液晶層側の表面に形成する凹部が液晶分子が電界によって傾斜する方向を規定する。凹部の形状および配置によって、1つの画素内に液晶分子が電界によって傾斜する方位が異なる複数の領域を形成することができる。以下では、個々の液晶ドメインが、電界によって異なる方位に傾斜する液晶分子を含む軸対称配向ドメインを形成する構成を例示するが、これに限られず、例えば、個々の液晶ドメイン内の液晶分子が傾斜する方向が同じであり、その方向が互いに異なる複数のドメイン(好ましくは90°ずつ異なる4つのドメイン)を形成するように凹部を配置しても良い。
本発明は、垂直配向型液晶層を用い、それぞれの画素に複数の軸対称配向ドメインを形成する場合に、特に、広視野角で高コントラスト比な表示が可能な液晶表示装置を実現できる。従って、以下では、垂直配向型液晶層を用いた液晶表示装置(いわゆるVAモードの液晶表示装置)を例に本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限られず、少なくとも所定の電圧を印加した時に、互いに異なる方向に配向した液晶分子を含む少なくとも1つの液晶ドメインが画素内に形成される液晶表示装置に適用できる。なお、視野角特性の観点からは、液晶分子の配向方向が4方向以上の液晶ドメインを有することが好ましく、以下では軸対称配向ドメインを例示する。
また、以下の実施形態では、透過型と半透過型の液晶表示装置を例示するが、反射型表示装置にも適用できる。
以下に、図面を参照しながら本発明による実施形態の液晶表示装置の構成を具体的に説明する。
(透過型液晶表示装置)
まず、本発明による実施形態の一例の透過型液晶表示装置100の構成を図1を参照しながら説明する。図1は、透過型液晶表示装置100の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は図1(a)中の1B−1B’線に沿った断面図である。
ここでは、1画素を2分割(N=2)した例を示すが、画素ピッチに応じて分割数(=N)は3以上に設定できる。なお、分割数(=N)が多くなると、有効開口率は低下する傾向にあるので、高精細な表示パネルに適用する場合は、分割数(=N)を小さくすることが好ましい。また、画素を分割しない(N=1と表現することもある。)場合にも本発明を適用することができる。また分割された領域を「サブ画素」ということもある。本発明の好ましい実施形態では、サブ画素に1つの軸対称配向ドメインが形成される。
液晶表示装置100は、透明基板(例えばガラス基板)110aと、透明基板110aに対向するように設けられた透明基板110bと、透明基板110aと110bとの間に設けられた垂直配向型の液晶層120とを有する。基板110aおよび110b上の液晶層120に接する面には垂直配向膜(不図示)が設けられており、電圧無印加時には、液晶層120の液晶分子は、垂直配向膜の表面に対して略垂直に配向している。液晶層120は、誘電異方性が負のネマティック液晶材料を含み、必要に応じて、カイラル剤を更に含む。
液晶表示装置100は、透明基板110a上に形成された画素電極111と、透明基板110aと画素電極111との間に設けられた層間絶縁膜115aと、透明基板110b上に形成された対向電極131とを有し、画素電極111と対向電極131との間に設けられた液晶層120とが画素を規定する。ここでは、画素電極111および対向電極131のいずれも透明導電層(例えばITO層)で形成されている。なお、典型的には、透明基板110bの液晶層120側には、画素に対応して設けられるカラーフィルタ130(複数のカラーフィルタをまとめて全体をカラーフィルタ層130ということもある。)と、隣接するカラーフィルタ130の間に設けられるブラックマトリクス(遮光層)132とが形成され、これらの上に対向電極131が形成されるが、対向電極131上(液晶層120側)にカラーフィルタ層130やブラックマトリクス132を形成しても良い。
層間絶縁膜115aは、画素内の所定の位置に設けられた凹部117を有し、この凹部117は、液晶層側の表面に凹部を形成し、その形状効果によって、液晶分子の軸対称配向の中心軸を固定・安定化するように作用する。ここでは、画素電極111が凹部117に対応する位置に開口部114を有し、凹部117は開口部114内に形成されている。画素電極111の開口部114は電圧印加時にその周辺に斜め電界を生成し、凹部114による形状効果と共に、軸対称配向の中心軸を固定・安定化するように作用するが、開口部114を省略しても、画素電極111の液晶層側の表面(さらにその上に形成される配向膜の表面)に凹部117に対応する凹部が形成される。
さらに、液晶表示装置100は、それぞれの画素の周辺に遮光領域を有し、この遮光領域内の透明基板110a上に壁構造体115bを有している。壁構造体115bは、透明基板110a上に形成された回路要素(スイッチング素子などの能動素子だけでなく、配線や電極を含む:ここでは不図示)を覆うように形成された層間絶縁膜115aと一体に形成されている。例えば、後述するように、回路要素としてTFTを有する透過型液晶表示装置において層間絶縁膜を設けると、画素電極111をゲート信号配線および/またはソース信号配線と一部重畳させて形成することが可能となり、開口率を向上することができる。
ここで、遮光領域とは、透明基板110a上の画素電極111の周辺領域に形成される、例えばTFTやゲート信号配線、ソース信号配線、または、透明基板110b上に形成されるブラックマトリクスによって遮光される領域であり、この領域は表示に寄与しない。従って、遮光領域に形成された壁構造体115bは表示に悪影響を及ぼすことが無い。
例示した壁構造体115bは、画素を包囲するように連続した壁として設けられているが、これに限らず複数の壁に分断されていても良い。この壁構造体115bは液晶ドメインの画素の外延近傍に形成される境界を規定するように作用するので、ある程度の長さを有することが好ましい。例えば、壁構造体115bを複数の壁で構成した場合、個々の壁の長さは、隣接する壁の間の長さよりも長いことが好ましい。
ここで例示した画素電極111は、凹部117に対応する位置に形成された2つの開口部114と4つの切欠き部113を有している。この液晶層に所定の電圧を印加すると、それぞれが軸対称配向を呈する2つの液晶ドメインが形成され、これら液晶ドメインのそれぞれの軸対称配向の中心軸は、層間絶縁膜115aに形成された凹部117内またはその近傍に形成される。後に詳しく説明するように、凹部117(および画素電極111の開口部114)が軸対称配向の中心軸の位置を固定するように作用する。切欠き部113は軸対称配向ドメインの境界付近に設けられ、液晶分子が電界によって倒れる方向を規定し、軸対称配向ドメインを形成するように作用する。切欠き部113の周辺には、画素電極111と対向電極113との間に印加される電圧によって、斜め電界が形成され、この斜め電界によって液晶分子が傾斜する方向が規定される結果、上述のように作用する。また、ここでは、切欠き部113は、画素(ここでは全体が透過領域)に形成される液晶ドメインの中心軸に対応する凹部(ここでは図1中の右側の凹部)117を中心に点対称に配置された4つの切欠き部113を含んでいる。
このような切欠き部113を設けることによって、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向が規定され、2つの液晶ドメインが形成される。なお、図1中、画素電極111の左側に切欠き部を設けていない理由は、図示した画素電極111の左側に位置する画素電極(不図示)の右端に設けた切欠き部によって同様の作用が得られるので、画素の有効開口率を低下する切欠き部を画素電極111の左端では省略している。ここでは、上述した壁構造体115bによる配向規制力も得られるので、画素電極111の左端に切欠き部を設けなくとも、切欠き部を設けた場合と同様に安定した液晶ドメインが形成されるのに加え、有効開口率が向上するという効果が得られる。ここでは、4つの切欠き部113を形成したが、切欠き部は、隣接する液晶ドメインの間に少なくとも1つ設ければよく、例えば、ここでは、画素の中央部に細長い切欠き部を設けて、他を省略しても良い。
軸対称配向ドメインの中心軸を固定するためにサブ画素(液晶ドメイン)の略中央に設ける凹部117の形状は、例示したように円形であるこが好ましいがこれに限られない。ただし、全方位的にほぼ等しい配向規制力を発揮させるためには、4角形以上の多角形であることが好ましく、正多角形であることが好ましい。なお、この凹部117に対応する開口部114を画素電極111に設ける場合、開口部114の形状も凹部117と同様に設計されることが好ましく、同じ形状であることが好ましい。ここでは、開口部114および凹部117の形状をいずれも円形としている。
壁構造体115bは、凹部117を有する層間絶縁膜115aと一体に形成されているので、例えば、感光性樹脂膜115を成膜、露光、現像する一連の工程で作製することができる。例えば、スイッチング素子(例えばTFT)などの回路要素を覆うように感光性樹脂膜(好ましくはポジ型感光性樹脂)を設け、感光性樹脂膜にコンタクトホール(画素電極と回路要素(例えば、TFTのドレイン電極に接続された電極(接続電極ということがある))とを接続するためのコンタクトホール)を形成する露光・現像工程において、所定の領域毎に露光量を変える(選択的に露光しない場合を含む)ことによって形成することができる。例えば、ポジ型感光性樹脂膜を用いる場合には、露光しない領域を壁構造体115bとし、完全露光領域にコンタクトホールを形成するとともに、中間の露光量の領域に凹部117を形成することができる。なお、ここでは、凹部117となる領域よりも露光量が少ない領域上に画素電極111が形成され、画素電極111の開口部114内に凹部117が露出される。
また、軸対称配向ドメイン内の液晶分子が電界によって倒れる方向を規定するように作用する切欠き部113の形状は、隣接する軸対称配向に対してほぼ等しい配向規制力を発揮するように設定され、例えば4角形が好ましい。切欠き部113は、開口部114と共に、画素電極111をパターニングする工程で同時に形成される。
液晶層120の厚さ(セルギャップともいう。)を規定するための支持体133を遮光領域(ここではブラックマトリクス132によって規定される領域)に形成すれば、表示品位を低下させることが無いので好ましい。支持体133は、透明基板110aおよび110bのどちらに形成しても良く、例示したように、遮光領域に設けられた壁構造体115b上に設ける場合に限られない。壁構造体115b上に支持体133を形成する場合は、壁構造体115bの高さと支持体133の高さとの和が液晶層120の厚さとなるように設定される。壁構造体115bが形成されていない領域に支持体133を設ける場合には、支持体133の高さが液晶層120の厚さとなるように設定される。支持体133は、例えば、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ工程で形成することができる。
この液晶表示装置100においては、画素電極111および対向電極131に所定の電圧(閾値電圧以上の電圧)を印加すると、サブ画素(軸対称配向ドメイン)の略中央に形成された凹部117(および開口部114)内またはその近傍にそれぞれの中心軸が安定化された2つの軸対称配向ドメインが形成され、画素電極111の長手方向の中央部に設けた一対の切欠き部113が隣接する2つの液晶ドメイン内の液晶分子が電界で倒れる方向を規定し、壁構造体115bおよび画素電極111のコーナ部に設けられた切欠き部113が液晶ドメインの画素の外延近傍の液晶分子が電界で倒れる方向を規定する。壁構造体115bと凹部117(および開口部114)および切欠き部113による配向規制力が協同的に作用し、液晶ドメインの配向を安定化すると考えられる。
なお、透明基板110aの液晶層120側には、例えばTFTなどのアクティブ素子およびTFTに接続されたゲート信号配線およびソース信号配線などの回路要素(いずれも不図示)が設けられる。また、透明基板110aと、透明基板110a上に形成された回路要素および上述した画素電極111、壁構造体115b、支持体133および配向膜などをまとめてアクティブマトリクス基板ということがある。一方、透明基板110bと透明基板110b上に形成されたカラーフィルタ層130、ブラックマトリクス132、対向電極131および配向膜などをまとめて対向基板またはカラーフィルタ基板ということがある。
また、上記の説明では省略したが、液晶表示装置100は、透明基板110aおよび110bを介して互いに対向するように配置された一対の偏光板をさらに有する。一対の偏光板は典型的には透過軸が互いに直交するように配置される。さらに、後述するように、2軸性光学異方性媒体層および/または1軸性光学異方性媒体層を設けても良い。
次に、図2Aおよび図2Bを参照しながら、透過型液晶表示装置100に好適に用いられるアクティブマトリクス基板の構造の一例を説明する。図2Aはアクティブマトリクス基板の部分拡大図であり、図2Bは、図2A中のX−X’線に沿った断面図である。図2Aおよび図2Bに示したアクティブマトリクス基板は、切欠き部113の数が少ない点において、図1に示したアクティブマトリクス基板と異なるが、他の構成は同じであってよい。
図2Aおよび図2Bに示すアクティブマトリクス基板は、例えばガラス基板からなる透明基板110aを有し、透明基板110a上には、ゲート信号線2およびソース信号線3が互いに直交するように設けられている。これらの信号配線2および3の交差部の近傍にTFT4が設けられており、TFT4のドレイン電極5は画素電極111に接続されている。
アクティブマトリクス基板は、ゲート信号線2、ソース信号線3やTFT4を覆う層間絶縁膜115aを有し、層間絶縁膜115aには凹部117が形成されている。凹部117は、画素内に形成される軸対称配向ドメインの略中央に位置するように形成されている。また、画素の周辺部に設けられた壁構造体115bは、層間絶縁膜115aと一体に形成されており、上述したように、一連のプロセスで単一の感光性樹脂膜115から形成することが可能で、簡便なプロセスで製造することができる。
画素電極111は、ITOなどの透明導電層から形成され透明電極であり、層間絶縁膜115a上に形成されている。層間絶縁膜115aのコンタクトホール内に形成されたコンタクト部111aでドレイン電極5に接続されている。画素電極111の所定の領域には、上述したように軸対称配向ドメインの配向を制御するために切欠き部113および開口部114が設けられている。開口部114は、その内部に凹部117が露出されるように形成されている。
画素電極111は次段のゲート信号線上にゲート絶縁膜9を介して重畳させている。また、TFT4はゲート信号線2から分岐したゲート電極10の上部にゲート絶縁膜9、半導体層12、チャネル保護層13およびn+−Si層11(ソース・ドレイン電極)が積層された構造を有している。
なお、ここではボトムゲート型のTFTの構成例を示したが、これに限られず、トップゲート型のTFTを用いることもできる。また、TFT以外のスイッチング素子(例えばMIM)を用いることもできる。
液晶表示装置100では、透明基板110a上の層間絶縁膜115aに凹部117を形成すると共に、層間絶縁膜115aと一体に壁構造体115aを設けている。さらに、層間絶縁膜115a上に形成された画素電極111に開口部114aおよび切欠き部113を形成している。すなわち、軸対称配向ドメインを形成するための配向制御構造の全てを透明基板110a側に形成しており、対向基板110b側には配向規制構造を設けていない。本実施形態によると、このような単純な構成で安定な軸対称配向ドメインを形成できるという利点が得られる。しかしながら、これに限られず、例えば図3に示す液晶表示装置100’のように、対向基板110b側にも配向規制構造を設けてもよい。このような構成を採用することによって、液晶分子の配向をさらに安定化させることができる。
液晶表示装置100’は、対向電極131に開口部114’を有している点以外は、液晶表示装置100と実質的に同じ構成を有しており、液晶表示装置100と共通の構成要素は共通の参照符号で示し、ここでは説明を省略する。
液晶表示装置100’の対向基板131に形成された開口部114’は、基板法線方向から見たときに、画素電極111に形成された凹部117および開口部114と略重なる位置に設けられており、液晶表示装置100’の平面図は、図1(a)と実質的同じである。このように配置された開口部114’は、画素電極111に形成された凹部117および開口部114と共に軸対称配向の中心軸を固定・安定するように作用する。その結果、軸対称配向ドメインの配向がさらに安定化される。
なお、対向基板110b側には、壁構造体などの構造的な配向規制構造を設けないことが好ましい。壁構造体等を形成するためには、電極に形成される開口部や切欠き部と異なり、製造工程が増えるのでコストアップの要因となるので好ましくない。また、切欠き部113は、中心軸を固定する作用を有する凹部と異なり、壁構造体115の側面のアンカリング作用と協同して液晶分子が電界によって倒れる方向を規定するように設けられるので、壁構造体115と同じ基板110aにのみ設けることが好ましい。
(半透過型液晶表示装置)
次に、図4を参照しながら本発明による実施形態の半透過型液晶表示装置200の構成を説明する。
図4は、本発明による実施形態の半透過型液晶表示装置200の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、図4(a)は平面図であり、図4(b)は図4(a)中の2B−2B’線に沿った断面図である。
液晶表示装置200は、透明基板(例えばガラス基板)210aと、透明基板210aに対向するように設けられた透明基板210bと、透明基板210aと210bとの間に設けられた垂直配向型の液晶層220とを有する。両方の基板210aおよび210b上の液晶層220に接する面には垂直配向膜(不図示)が設けられており、電圧無印加時には、液晶層220の液晶分子は、垂直配向膜の表面に対して略垂直に配向している。液晶層220は、誘電異方性が負のネマティック液晶材料を含み、必要に応じて、カイラル剤を更に含む。
液晶表示装置200は、透明基板210a上に形成された画素電極211と、透明基板210b上に形成された対向電極231とを有し、画素電極211と対向電極231との間に設けられた液晶層220とが画素を規定する。透明基板210a上には、後述するようにTFTなどの回路要素が形成されている。透明基板210aおよびこの上に形成された構成要素をまとめてアクティブマトリクス基板210aということがある。
また、典型的には、透明基板210bの液晶層220側には、画素に対応して設けられるカラーフィルタ230(複数のカラーフィルタをまとめて全体をカラーフィルタ層230ということもある。)と、隣接するカラーフィルタ230の間に設けられるブラックマトリクス(遮光層)232とが形成され、これらの上に対向電極231が形成されるが、対向電極131上(液晶層120側)にカラーフィルタ層230やブラックマトリクス232を形成しても良い。透明基板210bおよびこの上に形成された構成要素をまとめて対向基板(カラーフィルタ基板)基板210bということがある。
画素電極211は、透明導電層(例えばITO層)から形成された透明電極211aと、金属層(例えば、Al層、Alを含む合金層、およびこれらのいずれかを含む積層膜)から形成された反射電極211bとを有する。その結果、画素は、透明電極211aによって規定される透明領域Aと、反射電極211bによって規定される反射領域Bとを含む。透明領域Aは透過モードで表示を行い、反射領域Bは反射モードで表示を行う。
液晶表示装置200は、それぞれの画素の周辺に遮光領域を有し、この遮光領域の透明基板210a上に壁構造体215bを有している。また、アクティブマトリクス基板210aは、層間絶縁膜215aのサブ画素(液晶ドメイン)の略中央に凹部117を有している。さらに、画素の周囲に規則的に配置された壁構造体115bを有し、この壁構造体215bは、透明基板210a上に形成された回路要素(スイッチング素子などの能動素子だけでなく、配線や電極を含む:ここでは不図示)を覆うように形成された層間絶縁膜215aと一体に形成されている。例えば、回路要素としてTFTを有する透過型液晶表示装置において層間絶縁膜を設けると、画素電極をゲート信号配線および/またはソース信号配線と一部重畳させて形成することが可能となり、開口率を向上することができるという利点がある。
また、遮光領域は表示に寄与しないので、遮光領域に形成された壁構造体215bは表示に悪影響を及ぼすことが無い。ここで例示した壁構造体215bは、画素を包囲するように連続した壁として設けられているが、これに限らず複数の壁に分断されていても良い。この壁構造体215bは液晶ドメインの画素の外延近傍に形成される境界を規定するように作用するので、ある程度の長さを有することが好ましい。例えば、壁構造体215bを複数の壁で構成した場合、個々の壁の長さは、隣接する壁の間の長さよりも長いことが好ましい。
ここで例示した画素電極211は、透過電極211aに凹部217に対応するように設けられた開口部214と、4つの切欠き部213とを有している。また、反射電極211bは、1つの開口部214を有している。この液晶層に所定の電圧を印加すると、それぞれが軸対称配向を呈する3つの液晶ドメインが形成され、これら液晶ドメインのそれぞれの軸対称配向の中心軸は、凹部217および開口部214内またはその近傍に形成される。後に説明するように、サブ画素の略中央に設けた凹部217が軸対称配向の中心軸の位置を固定するように作用し、切欠き部213が軸対称配向ドメイン内の液晶分子が電界によって倒れる方向を規定するように作用する。開口部214および切欠き部213の周辺には、画素電極211と対向電極213との間に印加される電圧によって、斜め電界が形成され、この斜め電界によって液晶分子が傾斜する方向が規定される結果、上述のように作用する。凹部217はその形状効果によって液晶分子が倒れる方向を規定する。
また、ここでは切欠き部213は、画素の透過領域Aに形成される液晶ドメインの中心軸に対応する凹部(ここでは図1中の右側の凹部)217を中心に点対称に配置された4つの切欠き部213を含んでいる。このような切欠き部213を設けることによって、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向が規定され、3つの液晶ドメインが形成される。凹部217および開口部214や切欠き部213の配置およびこれらの好ましい形状については、上述した透過型液晶表示装置100の場合と同様である。図4には、透過領域Aに2つの液晶ドメインを形成し、反射領域Bに1つの液晶ドメインを形成する例を示したが、これに限定されない。なお、個々の液晶ドメインは略正方形の形状にすることが、視野角特性および配向の安定性の観点から好ましい。
液晶層220の厚さ(セルギャップともいう。)を規定するための支持体233を遮光領域(ここではブラックマトリクス232によって規定される領域)に形成すれば、表示品位を低下させることが無いので好ましい。支持体233は、透明基板210aおよび210bのどちらに形成しても良く、例示したように、遮光領域に設けられた壁構造体215b上に設ける場合に限られない。壁構造体215b上に支持体233を形成する場合は、壁構造体215bの高さと支持体233の高さとの和が液晶層220の厚さとなるように設定される。壁構造体215bが形成されていない領域に支持体233を設ける場合には、支持体233の高さが液晶層220の厚さとなるように設定される。
この液晶表示装置200においては、画素電極211および対向電極231に所定の電圧(閾値電圧以上の電圧)を印加すると、3つの開口部214および凹部217内またはその近傍にそれぞれの中心軸が安定化された3つの軸対称配向が形成され、画素電極211に設けた4つの切欠き部213が隣接する3つの液晶ドメイン内の液晶分子が電界で倒れる方向を規定し、壁構造体215bが液晶ドメインの画素の外延近傍に形成される境界を安定化する。
次に、透過モードの表示と反射モードの表示の両方を行うことができる半透過型液晶表示装置200に特有の好ましい構成を説明する。
透過モードの表示では、表示に用いられる光は液晶層220を一回通過するだけであるのに対し、反射モードの表示では、表示に用いられる光は液晶層220を2回通過する。したがって、図4(b)に模式的に示したように、透過領域Aの液晶層220の厚さdtを反射領域Bの液晶層220の厚さdrの約2倍に設定することが好ましい。このように設定することによって、両表示モードの光に対して液晶層220が与えるリタデーションを略等しくすることができる。dt=0.5drが最も好ましいが、0.3dt<dr<0.7dtの範囲内にあれば両方の表示モードで良好な表示を実現できる。勿論、用途によっては、dt=drであってもよい。
液晶表示装置200においては、反射領域Bの液晶層220の厚さを透過領域Aの液晶層の厚さよりも小さくするために、ガラス基板210bの反射領域Bにのみ透明誘電体層234を設けている。このような構成を採用すると、反射電極211bの下に絶縁膜などを用いて段差を設ける必要がないので、アクティブマトリクス基板210aの製造を簡略化できるという利点が得られる。さらに、液晶層220の厚さを調整するための段差を設けるための絶縁膜上に反射電極211bを設けると、絶縁膜の斜面(テーパ部)を覆う反射電極によって透過表示に用いられる光が遮られる、あるいは、絶縁膜の斜面に形成された反射電極で反射される光は、内部反射を繰り返すので、反射表示にも有効に利用されないという問題が発生するが、上記構成を採用するとこれらの問題の発生が抑制され、光の利用効率を改善することができる。
さらに、この透明誘電体層234に光を散乱する機能(拡散反射機能)を有するものを用いると、反射電極211bに拡散反射機能を付与しなくても、良好なペーパーホワイトに近い白表示を実現できる。透明誘電体層234に光散乱能を付与しなくても、反射電極211bの表面に凹凸形状を付与することによって、ペーパーホワイトに近い白表示を実現することもできるが、凹凸の形状によっては軸対称配向の中心軸の位置が安定し無い場合がある。これに対し、光散乱能を有する透明誘電体層234と平坦な表面を有する反射電極211bとを用いれば、反射電極211bに形成する開口部214によって中心軸の位置をより確実に安定化できるという利点が得られる。なお、反射電極211bに拡散反射機能を付与するために、その表面に凹凸を形成する場合、凹凸形状は干渉色が発生しないように連続した波状とすることが好ましく、軸対称配向の中心軸を安定化できるように設定することが好ましい。
また、透過モードでは表示に用いられる光はカラーフィルタ層230を一回通過するだけであるのに対し、反射モードの表示では、表示に用いられる光はカラーフィルタ層230を2回通過する。従って、カラーフィルタ層230として、透過領域Aおよび反射領域Bに同じ光学濃度のカラーフィルタ層を用いると、反射モードにおける色純度および/または輝度が低下することがある。この問題の発生を抑制するために、反射領域のカラーフィルタ層の光学濃度を透過領域のカラーフィルタ層よりも小さくすることが好ましい。なお、ここでいう光学濃度は、カラーフィルタ層を特徴付ける特性値であり、カラーフィルタ層の厚さを小さくすれば、光学濃度を小さくできる。あるいは、カラーフィルタ層の厚さをそのままで、例えば添加する色素の濃度を低下させて、光学濃度を小さくすることもできる。
次に、図5および図6を参照しながら、半透過型液晶表示装置に好適に用いられるアクティブマトリクス基板の構造の一例を説明する。図5はアクティブマトリクス基板の部分拡大図であり、図6は、液晶表示装置の断面図であり、図5中のX−X’線に沿った断面図に相当する。図5および図6に示したアクティブマトリクス基板は、透過領域Aに1つの液晶ドメインを形成する構成を有している点(すなわち、開口部214、凹部217(透過領域のみ)および切欠き部213の数が少ない点)において、図4に示したアクティブマトリクス基板と異なるが、他の構成は同じであってよく、共通の構成要素は共通の参照符号で示す。
図5および図6に示すアクティブマトリクス基板は、例えばガラス基板からなる透明基板210aを有し、透明基板210a上には、ゲート信号線2およびソース信号線3が互いに直交するように設けられている。これらの信号配線2および3の交差部の近傍にTFT4を設けられており、TFT4のドレイン電極5は画素電極211に接続されている。
画素電極211は、ITOなどの透明導電層から形成された透明電極211aと、Alなどから形成された反射電極211bとを有し、透明電極211aが透過領域Aを規定し、反射電極211bが反射領域Bを規定する。なお、必要に応じて反射電極211b上に透明導電層を形成していても良い。
画素電極211は、層間絶縁膜215a上に形成されており、画素電極211(透明電極211a)は、層間絶縁膜215aのコンタクトホール内に形成されたコンタクト部211aで、ドレイン電極5に接続された接続電極25と接続されている。反射電極211bは透明電極211aに接続されている。
画素電極211は、層間絶縁膜215aと一体に形成された壁構造体215bの斜面上にまで延設されてもよい。このような構成にすることによって、液晶層の液晶分子が電圧印加時に傾斜する方向を効率よく規制できるという効果が得られる。画素電極211は、所定の領域に、軸対称配向の中心軸を固定・安定化するための開口部214および軸対称配向ドメインの配向を制御するために切欠き部213が設けられている。なお、接続電極25は、ゲート絶縁膜9を介して対向するように設けられた補助容量配線(補助容量電極)と補助容量を構成する。補助容量配線は、例えば、反射電極211bの下部にゲート信号配線2と平行に設けられる。補助容量配線には、例えば、カラーフィルタ側基板に設けられる対向電極と同じ信号(共通信号)が与えられる。
本実施形態の半透過型液晶表示装置の反射電極211bは、凹凸形状の表面を有しており、優れた拡散反射特性を有している。反射電極211bの表面の凹凸形状は、層間絶縁膜215の表面に形成された凹凸形状を反映したものである。
層間絶縁膜215aは、サブ画素(液晶ドメイン)の略中央に規則的に配置された凹部217を有し、壁構造体215bと一体に形成されている。さらに、層間絶縁膜215aは、表面が実質的に平坦な領域(「第1領域」ということがある)と、表面が凹凸形状を有する領域(「第2領域」ということがある)とを有している。表面が平坦な第1領域上には透明電極211aが形成され、凹凸を有する第2領域上には反射電極211bが形成される。
壁上構造体215bと一体と形成され、凹部217を有し、且つ、表面に凹凸形状を有する領域215cを含む層間絶縁膜215aは、後述するように、単一の感光性樹脂膜から形成することが可能であり、従来よりも簡便なプロセスで製造することができる。
画素電極211は次段のゲート信号線2上にゲート絶縁膜9を介して重畳させている。また、TFT4はゲート信号線2から分岐したゲート電極10の上部にゲート絶縁膜9、半導体層12、チャネル保護層13およびn+−Si層11(ソース・ドレイン電極)が積層された構造を有している。
なお、ここではボトムゲート型のTFTの構成例を示したが、これに限られず、トップゲート型のTFTを用いることもできる。また、TFT以外のスイッチング素子(例えばMIM)を用いることもできる。
上述したように、図4に示した構成を有する液晶表示装置200は、液晶表示装置100と同様に、片側の基板上にのみ軸対称配向の配向規制構造(層間絶縁膜に形成した凹部217および壁構造215bと画素電極211に形成した切欠き部213および開口部214)を設けた比較的簡単な構成で、液晶の配向を十分に安定化できるという効果を有する。なお、図3に示した透過型液晶表示装置100’のように、半透過型液晶表示装置200においても、対向基板側に配向規制構造を設けることによって、配向をさらに安定化することができる。但し、上述した理由から、対向基板に設ける配向規制構造は、軸対称配向の中心軸を固定するための開口部だけにすることが好ましい。
さらに、液晶表示装置200は透明誘体層234および/またはカラーフィルタ層230を上述のように構成することによって、透過モードおよび反射モードでの表示の明るさや色純度を向上することができる。
次に、図7(a)から(f)を参照しながら、凹部217を有する層間絶縁層215a、および壁構造体215bの形成方法を詳細に説明する。なお、図6および図7において、透明基板210aおよびその上に形成されたTFT、信号配線などの回路要素をまとめて「回路基板210A」と呼ぶことにする。
まず、図7(a)に示すように、TFTなどの所定の回路要素が形成された回路基板210Aを用意し、回路要素を覆うように、ポジ型の感光性樹脂膜(例えば、東京応化社製、OFPR−800)215を形成する。感光性樹脂膜215の厚さは例えば4.5μmである。
次に、図7(b)に示すように、感光性樹脂膜215を露光する。このとき、露光量が互いに異なる所定の領域を形成する。すなわち、壁構造体215bとなる領域(ソース信号配線やゲート信号配線などによって遮光される領域)、表面に凹凸を形成する領域(反射電極を形成する領域)はほとんど露光せず(露光量がほぼゼロ)、その他の領域は所定量露光(完全露光しない中間露光)する。
具体的には、反射領域に形成する凸部(凹凸表面の内の凸部)および壁構造体に対応する位置に遮光部52aを有し、他が透光部52bであるフォトマスク52を介して、感光性樹脂膜215を露光する。反射領域に形成する凸部に対応する遮光部52aの形状は、例えば、円形状あるいは多角形であり、所定の中心間隔(5〜30μm)と所定の密度でランダムに配置されている。この凸部の配置は、干渉色の発生を抑制する程度にランダムであれば良い。光源としては、例えば超高圧水銀灯(例えば、i線の照度:20〜50mW)を用い、均一に露光する(照射時間:1〜4秒)。露光量は例えば、20〜100mJ/cm2程度が好ましい。
次に、図7(c)に示すように、コンタクトホール部に対応した透光部62bと画素内の所定位置に凹部217を設けるための透光部62cを有し、他を遮光部62aとするフォトマスク62を用いて均一に露光する(照射時間:10〜15秒)。露光量は、例えば、200〜500mJ/cm2程度が好ましい。コンタクトホール部および凹部が形成される領域は、先の露光工程におけるその他の領域内にある。
この際、特に、凹部を形成する透光部62cの照射経を通常のコンタクトホール部の透光部62bの照射径よりも小さく設定する(例えば、コンタクトホール部のマスク径の1/2以下に設計する)ことで1段階コンタクトホール形成露光工程においても層間絶縁膜が下層の接続電極まで貫通せずに、所定の凹部の深さを満たすことができる。層間絶縁膜の厚さIdと凹部の深さhとは、h<0.8・Idの関係を満足することが好ましい。これについては後述する。
なお、これに限られず、コンタクトホールを形成する工程の前に別の露光工程を設けて、凹部の形成の露光工程を加えて連続で露光工程を行って、層間絶縁膜の多段階形状を形成することも可能である。
次に、図7(d)に示すように、例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)系現像液を用いて所定の条件にて現像処理を行う。例えば、高露光量の領域の樹脂膜が完全除去され(コンタクトホール229が形成され)、未露光領域の樹脂膜では約90%が残膜し(壁構造体および凸部が形成され)、低露光領域の樹脂膜では約40%が残膜する(凹部217が形成される)。
更に、図7(e)に示すように、必要に応じて、乾燥と焼成を行う。焼成は、例えば200℃で行われる。焼成を行うことによって、複数の微細な凸部を形成された反射領域215c’の樹脂が熱ダレ現象などによって、滑らかな凹凸形状215cが得られる。反射電極211bの表面を滑らかな凹凸形状とすることによって、干渉色の発生が抑制された良好な拡散反射特性を得ることができる。
このように、感光性樹脂膜215にし対して、連続した一括露光工程を行い、その後の現像工程を行うことにより、壁構造体215bと一体に形成され、微細凹凸形状を有する領域215cと画素内の液晶ドメインの略中央に規則的に配置した凹部217およびコンタクトホール229を有する層間絶縁膜215aが得られる。
なお、上記の露光工程では、透光部と遮光部とを有するフォトマスクを用いて、領域毎に照射時間を調節することによって露光量が異なる領域を形成する方法を説明したが、連続的に変化する濃淡パターンを有するグレースケールマククを用いて露光することによって、形状が連続的に変化する表面を有する層間絶縁膜を形成することもできる。
さらに、露光工程において、壁構造体を形成する領域や凹部のみを独立して遮光部とする別工程のフォトマスクを用い、コンタクトホールを形成するための露光工程の前に、別工程の露光段階を連続して行うことも可能である。
次に、図7(f)に示すように、上述したような工程を経て得られた層間絶縁膜215aおよび壁構造体215b上に、画素電極211を形成する。例えば、透明電極211aは、透明導電膜(例えば、ITO膜など)をスパッタリング法で所定の膜厚(例えば100nm)に堆積し、パターニングすることによって得られる。反射電極211bは、反射電極膜(例えばAl薄膜など)をスパッタリング法で所定の膜厚(例えば180nm)に堆積し、パターニングすることによって形成される。それぞれの電極211aおよび211bを形成する際に、開口部214および切欠き部213を形成する。
なお、本実施形態によると、画素内に凹部217を有する層間絶縁膜215aと同一層で、壁構造体215bと反射電極部の微細凹凸形状とが形成され、その上層に画素電極が形成される。この壁構造体215bの特に画素側の傾斜側面にも画素電極211を配置することができる。壁構造体215bの傾斜側面に画素電極211を延設することによって、壁構造体215bの側面の周辺の電界(電気力線)が歪むので、壁構造体215bによる構造的な配向規制力と併せて、液晶分子の傾斜方向を効率よく規制できる効果がもたらされる。
なお、反射電極211b上に、必要に応じて、透明電極膜を形成してもよい。反射電極211b上に透明導電膜を形成することによって、反射領域と透過領域との電位差(電極電位差)のずれを低減することができる。反射電極211b上に形成する透明電極膜の材料は、透明電極211aと同じ材料であることが好ましい。
上述したように、本実施形態の製造方法によると、単一の感光性樹脂膜に対してフォトリソグラフィプロセスを行うだけで、拡散反射特性を発現するための凹凸や、配向制御構造としての画素に規則的に配置される凹部と画素外に配置される壁構造体とを形成することが可能であり、コスト低減が効果的に行える。
以下、上述のようにして得られたアクティブマトリクス基板と対向する対向基板(CF基板)に垂直配向膜を所定の条件で成膜した後、シール樹脂を介してこれらを互いに貼り合せ、その間隙に誘電異方性が負の液晶材料の封入することによって、本実施形態の液晶表示装置を得ることができる。これらの工程は公知の方法で実行されるので説明を省略する。
なお、ここでは、半透過型液晶表示装置の製造方法の例を説明したが、層間絶縁膜の形成時に、液晶ドメインの配向規制構造である壁構造体、液晶ドメイン中央に配置する凹部とコンタクトホールなどを一括して連続プロセスにおいて作製する技術は、透過型液晶表示装置や反射型液晶表示装置の場合にももちろん適用でき、従来よりも簡便なプロセスで、コスト低減や作製時のタクトタイムの短縮などの効果を奏する。
次に、本発明の実施形態において、画素内の液晶ドメインの略中央に規則的に配置される凹部の好ましい構成について図8および図9を用いて説明する。
図8に概略図で示すように、マトリクス状に配列された画素の短い方のピッチPS(μm)と凹部の最大内径幅DC(μm)の関係はDC<0.35・PSの関係を満足することが好ましい。最大内径幅DCは、凹部が円形の場合は直径であり、その他の形状の場合は凹部の内側に書ける最も長い直線の長さとして規定される。
ここで、図9は凹部の最大内径幅DCと有効開口率との関係を示すグラフである。凹部を設けることにより有効開口率は単調に減少する傾向にあるが、開口率の低下が10%以内の場合には液晶層の光学設計の最適化を行うことで液晶表示装置としての輝度低下分をほぼ補うことが可能であることから、凹部を設ける場合の設定開口率の下限値を90%にする。この条件を満足するためには、図9から、凹部の最大内径幅DC(μm)はDC<0.35・PSの関係を満足することが必要であることがわかる。すなわち、例えば、短辺のピッチが50μmの画素の場合には、凹部の最大内径は17μm以下であることが好ましい。より好ましくは、10μm以下(DC≦0.2PS)である。この最大内径幅の規定値を超えた場合には、有効開口率が10%超低下して、パネルの輝度低下が顕著になり、表示品位が悪化するという問題が発生する。
さらに、凹部の深さh(μm)と層間絶縁膜の厚さId(μm)との関係については、後に実験例を示して説明するように、h<0.8・Idの関係を満足することが好ましい。凹部の掘り込みの深さが大きくなり、この規定値よりも大きくなると、液晶ドメイン内で液晶分子が段差面に沿って傾斜して配向する傾向が大きくなり複屈折を持つことから凹部近傍での光漏れが顕著になるためにコントラスト比の低下を招く。また、凹部の深さhが大きくなると、局所的に液晶層厚が増大するため、液晶層への書き込み特性(充電特性)が変動することになり、表示特性がばらつく要因となる。より好ましい凹部の深さhは、h<0.6Idの範囲である。
次に、図10(a)および(b)を参照しながら、壁構造体215bおよび層間絶縁膜215aの好ましい形状を更に詳しく説明する。図10(a)および(b)は、図4の10A−10A’線に沿った断面図であり、図10(b)は、図10(a)の破線で囲んだ部分の拡大図である。
本発明の実施形態によると、上述したように、スイッチング素子上層の層間絶縁膜215aと凹部217および壁構造体215bとを一括の露光工程を経て一体に形成される。従って、図10(a)および(b)に模式的に示すように、壁構造体215bおよび層間絶縁膜215aの第1基板210aに垂直な面における断面形状は、液晶ドメインの軸対称配向の中心軸が形成される領域を底部215Bとする連続的な形状とすることができる。ここでは、画素電極211aは軸対称配向ドメインの中心軸の位置を固定・安定化させるための凹部217を有するので、層間絶縁膜215aの断面形状が有する底部215Bは、凹部217に対応する位置に形成されている。
このように壁構造体215bの傾斜した側面215Sと層間絶縁膜215aの上面が連続したすり鉢状の形状を有すると、すり鉢状の表面に形成された画素電極211および垂直配向膜によって、軸対称配向ドメインの配向をさらに安定化できる。その結果、中間調における応答特性の改善する効果や中間調における表示のざらつき感を低減する効果、および液晶パネルが押圧されたとき配向乱れが発生しても短時間で回復する効果を得ることができる。なお、すり鉢状とすることによる配向の安定化効果は、画素電極および垂直配向膜の表面がすり鉢状に形成されるために得られるものである。すなわち、すり鉢状の表面を有する画素電極は、液晶層に対してすり鉢の底部を中心に傾斜した電界を生成し、すり鉢状の表面を有する垂直配向膜は、すり鉢の底部を中心に液晶分子を傾斜させるように配向規制力を発揮する。このように、すり鉢状の形状に起因する配向規制力が付加的に得られるので、軸対称配向ドメインが更に安定化される。この効果は、画素内の液晶ドメインの略中央に規則的に凹部を配置することで有効に発揮できることが期待でき、軸対称配向の安定化と中心軸固定がより効果的に作用する。また、すり鉢状の形状は、例えば、層間絶縁膜215a、凹部217および壁構造体215bを構成する感光性樹脂膜をパターニングした後、熱処理工程の温度や時間などを調整することによって制御することができる。
なお、図10(b)に模式的に示すように、壁構造体215bの側面215Sの基板210aの表面に対する傾斜角αは、45°以下であることが好ましく、25°以下であることが好ましい。
壁構造体215bの側面215S上に形成された垂直配向膜(不図示)は、その表面に対して液晶分子が垂直に配向するように規制力を有するので、側面215上の液晶分子は基板210aの表面に対して傾斜した方向に配向する。液晶分子の傾斜の程度は、側面215Sの傾斜角αが大きいほど大きくなる。垂直配向膜による配向規制力は電圧の有無に拘らず作用するので、黒表示状態においては、側面215Sの近傍の傾斜した液晶分子に起因する光漏れが起こる。従って、壁構造体215bの側面215Sの傾斜角αが大きすぎるとコントラスト比が低下する。このコントラスト比の低下を抑制するためには、傾斜角αは45°以下であることが好ましく、25°以下であることが更に好ましい。また、傾斜角αが45°を超えると、液晶分子の垂直配向性が低下することで配向が不安定となることもある。但し、配向安定化の効果を得るためには、傾斜角αは3°以上あることが好ましく、5°以上あることが更に好ましい。
ここでは、層間絶縁膜215aと一体で形成する凹部217などの設計パラメータについて、半透過型液晶表示装置の例で記載したが、このパラメータは透過型液晶表示装置や反射型液晶表示装置での同様に適用可能である。
〔動作原理〕
図11を参照しながら、垂直配向型液晶層を有する本発明の実施形態の液晶表示装置が優れた広視野角特性を有する理由を説明する。
図11は、層間絶縁膜16aに形成された凹部16c、層間絶縁膜16aと一体に形成された壁構造体16bおよび画素電極6に設けた開口部6aによる配向規制力の作用を説明するための図であり、(a)は電圧無印加時、(b)は電圧印加時の液晶分子の配向状態を模式的に示している。図11(b)に示した状態は中間調を表示している状態である。
図11に示した液晶表示装置は、透明基板1上に、層間絶縁膜16a、開口部6aを有する画素電極6、配向膜22をこの順に有している。さらに、層間絶縁膜16aと一体に形成された壁構造体16bを画素外に有している。凹部16cに対応して液晶層20側の表面(配向膜12)に凹部が形成されている。他方の透明基板17上には、カラーフィルタ層18、対向電極19および配向膜32がこの順で形成されている。両基板間に設けられた液晶層20は、負の誘電異方性を有する液晶分子21を含む。
図11(a)に示すように、電圧無印加時には、液晶分子21は垂直配向膜12および32の配向規制力により基板表面に対して略垂直に配向する。但し、壁構造体16b(典型的には壁構造体を覆うように垂直配向膜を形成する)および凹部16cの液晶分子は、それぞれの傾斜面に対して略垂直に配向するので、基板面に対して傾斜する。すなわち、壁構造体16bおよび凹部16cは液晶分子の傾斜する方向を規定している。
電圧印加時には、図11(b)に示すように、誘電異方性が負の液晶分子21は分子長軸が電気力線に対して垂直になろうとするので、開口部6aの周辺に形成される斜め電界によって、液晶分子21が倒れる方向が規定されることになる。従って、例えば、開口部6aを中心とする軸対称状に配向することになる。この軸対称配向ドメイン内では液晶ダイレクタは全方位(基板面内の方位)に配向しているため、視野角特性が優れる。なお、斜め電界や壁構造体による液晶分子の傾斜方向を規制力が画素の周囲で強く、その影響を受けた液晶分子の傾斜配向が画素の内部へ進行する傾向があるために、画素(サブ画素)の中央の凹部近傍で中心軸が安定化しやすくなる。
ここでは、開口部6aの周りに形成される斜め電界の作用を説明したが、画素電極6のエッジ部に形成される切欠き部の近傍においても、同様に斜め電界が形成され、液晶分子21が電界によって傾く方向が規定される。この斜め電界による配向規制力と、上述した凹部16cおよび壁構造体16bによる配向規制力の複合的な作用により、電圧印加時では液晶ドメインの中心部により安定に中心軸が固定されることが示される。
次に、図12を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示装置のさらに具体的な構成例を説明する。
図12に示す液晶表示装置は、バックライトと、半透過型液晶パネル50と、半透過型液晶パネル50を介して互いに対向するように設けられた一対の偏光板40および43と、偏光板40および43と液晶パネル50との間に設けられた1/4波長板41および44と、1/4波長板41および44と液晶パネル50との間に設けられた光学異方性が負の位相差板42および45とを有している。液晶パネル50は、透明基板(アクティブマトリクス基板)1と透明基板(対向基板)17との間に垂直配向型液晶層20とを有している。液晶パネル50として、ここでは、図4に示した液晶表示装置200と同様の構成を有するものを用いる。
図12に示した液晶表示装置の表示動作を以下に簡単に説明する。
反射モード表示については、上側からの入射光は偏光板43を通り、直線偏光となる。この直線偏光は、偏光板43の透過軸と1/4波長板44との遅相軸とが45°になるように1/4波長板44に入射すると円偏光となり、基板17上に形成したカラーフィルタ層(不図示)を透過する。なお、ここでは法線方向から入射する光に対して位相差を与えない位相差板45を用いている。
電圧無印加時には、液晶層20中の液晶分子は基板面に略垂直に配向しているために入射光は位相差がほぼ0で透過し、下側の基板1に形成した反射電極により反射される。反射された円偏光は再び液晶層20中を通過してカラーフィルタ層を通り、再度、光学異方性が負の位相差板45を円偏光で通り、1/4波長板44を経て、最初に入射して偏光板43を透過した際の偏光方向と直交する偏光方向の直線偏光に変換されて偏光板43に到達するために、光は偏光板43を透過できず黒表示となる。
一方、電圧印加時には、液晶層20中の液晶分子は基板面に垂直な方向から水平方向に傾くため、入射した円偏光は液晶層20の複屈折により楕円偏光となり、下側の基板1に形成した反射電極により反射される。反射された光は液晶層20で偏光状態がさらに崩され、再び液晶層20中を通過してカラーフィルタ層を通り、再度、光学異方性が負の位相差板45を通り、1/4波長板44に楕円偏光として入射するため、偏光板43に到達するときに全ての光が入射時の偏光方向と直交した直線偏光とはならず、一部の光が偏光板43を透過する。特に、印加電圧を調節することで液晶分子の傾く方向が制御できて、反射光が偏光板43を透過できる光量が変調され、階調表示が可能となる。
また、透過モードの表示については、上下2枚の偏光板43および偏光板40は各々その透過軸が直交するように配置されており、光源から出射された光は偏光板40で直線偏光となり、この直線偏光は、偏光板40の透過軸と1/4波長板41との遅相軸が45°になるように1/4波長板41に入射すると円偏光になり光学異方性が負の位相差板42を経て下側の基板1の透過領域Aに入射する。なお、ここでは法線方向から入射する光に対して位相差を与えない位相差板42を用いている。
電圧無印加時には、液晶層20中の液晶分子は基板面に略垂直に配向しているため、入射光は位相差がほぼ0で透過し、下側の基板1に円偏光の状態で入射し、円偏光の状態で液晶層20および上側の基板17を経て上側の光学異方性が負の位相差板45を透過して1/4波長板44に到る。ここで、下側の1/4波長板41と上側の1/4波長板44の遅相軸が90°交差して配置することで、上側の1/4波長板44からは偏光板40での直線偏光と直交した直線偏光となり、偏光板43で吸収されて黒表示となる。
一方、電圧印加時には、液晶層20中の液晶分子21は基板面に垂直な方向から水平方向に傾くために液晶表示装置への入射した円偏光は液晶層20の複屈折により楕円偏光となり、上側のCF基板16や上側の光学異方性が負の位相差板45および1/4波長板44を楕円偏光として偏光板43に到るために入射時の偏光成分と直交した直線偏光にはならず、偏光板43を通して光が透過する。特に、印加電圧を調節することで液晶分子の傾く方向が制御できて、反射光が偏光板43を透過できる光量が変調され、階調表示が可能となる。
光学異方性が負の位相差板は液晶分子が垂直配向状態での視野角を変化させた場合の位相差の変化量を最小に抑え、広視野角側での黒浮きを抑える。また、光学異方性が負の位相差板と1/4波長板を一体化させた2軸性位相差板を用いても良い。
本発明のように電圧無印加時に黒表示を行い、電圧印加時に白表示となるノーマリーブラックモードを軸対称配向ドメインで行った場合、液晶表示装置(パネル)の上下に一対の1/4波長板を設けることによって、偏光板に起因する消光模様を解消させて明るさを改善することも可能となる。また、上下の偏光板の透過軸を互いに直交して配置してノーマリーブラックモードを軸対称配向ドメインで行った場合には、原理的にはクロスニコルに配置した一対の偏光板と同程度の黒表示を実現できることから、極めて高いコントラスト比を実現できると共に、全方位的な配向に導かれた広い視野角特性が達成できる。
以下に、本発明に関しての具体例を記載して説明する。
(実施例1)
図6示した構成を有するアクティブマトリクス基板と、対向側にはカラーフィルタ層、透明誘電体層234層、対向電極が積層されたカラーフィルタ基板を配置して液晶表示装置を構成した。
なお、本実施例のアクティブマトリクス基板は、層間絶縁膜および壁構造体は、上述したプロセスで、以下の露光条件で形成した。
ポジ型感光性樹脂膜に、凹凸形状および壁構造体を形成するための第1露光工程は、第1のフォトマスク52を用いて、低露光量条件(60mJ/cm2)で実行し、画素内の液晶ドメインの略中央に規則的に配置して軸位置を制御するために形成する凹部およびコンタクトホールなどを形成するための第2露光工程は、第2のフォトマスク62(凹部の内径幅を1.5μm;コンタクトホールの径5μm)を用いて高露光量条件(300mJ/cm2)で実行した。
この後、上述した一連の工程を実行することにより、本実施例のアクティブマトリクス基板を得た。なお、現像後の焼成工程は、200℃で1時間行った。その結果、壁構造体の側面の傾斜角αは約10°であり、すり鉢状の断面形状が得られた。また、凹部については仕上がり内径2μm、深さ1.8μmで画素内の層間絶縁膜の平坦部の厚さは2.5μmであった。
一方、カラーフィルタ基板は、反射領域に透明誘電体層の段差を配置し、表示画素外の遮光層部に液晶層厚を規定するために設けた支持体(誘電体)を形成した。
アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板に垂直配向膜を所定の条件で形成した(ラビング処理は施さない)後、互いの基板をシール樹脂を介して貼り合わせ、誘電率異方性が負の液晶材料(屈折率異方性Δn;0.1、誘電率異方性Δε;−4.5)を注入、封止して液晶表示パネルを作製した。本実施例では、透過領域の液晶層厚dtを4μm、反射領域の液晶層厚drを2.1μmとした。
次いで、この液晶表示パネルの両面に以下の用に光学フィルムを配置し、液晶表示装置を得た。
本実施例の液晶表示装置の構成は、観察者側から順に偏光板(観察側)、1/4波長板(位相差板1)、光学異方性が負の位相差板(位相差板2(NR板))、液晶層(上側;カラーフィルタ基板、下側;アクティブマトリクス基板)、光学異方性が負の位相差板(位相差板3(NR板))、1/4波長板(位相差板4)、偏光板(バックライト側)の積層構造とした。なお、液晶層の上下の1/4波長板(位相差板1と位相差板4)では互いの遅相軸を直交させ、各々の位相差を140nmとした。光学異方性が負の位相差板(位相差板2と位相差板3)は各々の位相差を135nmとした。また、2枚の偏光板(観察側、バックライト側)では、吸収軸を直交させて配置した。
得られた液晶表示装置に駆動信号を印加(液晶層に4V印加)して、表示特性を評価した。
透過表示での視角−コントラストの特性結果を図13に示す。透過表示での視野角特性はほぼ、全方位的で対称な特性を示し、CR>10の領域は±80°と良好であり、透過コントラストも正面で300:1以上と高いものであった。
一方、反射表示の特性は、分光測色計(ミノルタ社製CM2002)で評価し、標準拡散板を基準にして約8.2%(開口率100%換算値)、反射表示のコントラスト値は20であり、従来の液晶表示装置に比べて高いコントラストを示し良好であった。
また、中間調(8階調分割時での階調レベル2)におけるざらつき感も改善されることが確認された。さらに、中間調応答時間(8階調分割時での階調レベル3から階調レベル5の変化に要する時間;m秒)は30msecであり、従来の誘電異方性が正の液晶を用いたECBモードの比べて同等以上の特性を示した。
また、電圧4V印加(白表示)時に指先で表示パネルを押した際に発生する配向乱れも押圧をやめると直ちに回復した。このように、画素内の液晶ドメインの略中央に規則的に形成した凹部に効果的に中心軸が固定され、画素実質的に包囲するように形成された壁上構造体、および、画素の周囲に設けられた壁上構造体の側面から画素の中央に向けて連続的に変化するすり鉢状の表面に形成された画素電極および垂直配向膜により、軸対称配向ドメインの配向安定性が改善された。
なお、断面形状をすり鉢状としない場合、壁状構造体の側面の傾斜角が45°を超える場合には、コントラスト比が300:1に到達しなかったり、あるいは、押圧による配向乱れが発生したりするものが見られた。
(実施例2)
実施例1と同様のプロセスで、図9に示した構造を有する半透過型液晶表示装置を試作した(試作例1から6)。それぞれの試作例における凹部の形状因子とパネル特性について下の表1に示す。
ここで、画素短辺ピッチPS(μm)に対する最大内径幅DC(μm)の比;DC/PSと層間絶縁膜(画素内平坦部)Id(μm)に対する凹部の深さh(μm)の比;h/Idの値について好ましい条件を検討した。
また、液晶パネルの特性として、基準バックライト光(2000cd/m2)に対しての電圧4V印加時の透過率および電圧4V印加時の正面コントラスト比と耐衝撃性を評価した結果を併せて記載した。
透過率の設計値は4.0%、下限許容値を3.6%とした。正面コントラスト比については、設計値を300とし、下限許容値を270とした。また、耐衝撃性評価では、1kgf/cm2の圧力でパネルを加圧後に配向が回復(元の配向状態に戻る)までの時間を評価した。1分以内で不良配向から正常配向に復元した場合を○、1分超5分以内で不良配向から復元した場合を△、10分経過後も配向乱れが残った場合を×とした。
表1の結果からわかるように、画素内の液晶ドメインの略中央に規則的に配置する凹部の最大内径幅DCおよび深さhが大きくなるほど有効開口率の減少に伴う透過率の低下や凹部の側面での液晶分子が傾斜する影響で光漏れが起こりやすくなるために正面CRが低下する傾向にある。一方、耐衝撃性は、表1に記載した試作例では押圧によって配向不良が発生しても、5分以内に復元することから、本発明での凹部の配置による効果が大きいことが確認された。ざらつき感についても大きな改善効果が認められた。
(比較例)
実施例の液晶パネルと同様の構成を有する液晶パネルを用いてECBモードのホモジニアス配向の液晶表示パネルを作製した。比較例の液晶パネルには、壁構造体や、画素電極の開口部または切欠き部を形成していない。また、比較例の液晶パネルは、実施例の液晶パネルの垂直配向膜に代えて水平配向膜を用い、液晶層には、誘電率異方性が正の液晶材料(Δn;0.07、Δε;8.5)を注入し、ホモジニアス配向の液晶層を形成した。透過領域の液晶層厚dtを4.3μm、反射領域の液晶層厚drを2.3μmとした。
この液晶表示パネルの両面に偏光板、1/4波長板などの位相差板を含む複数の光学層から形成された光学フィルムを配置して比較例の液晶表示装置を得た。
この比較例の液晶表示装置に駆動信号を印加(液晶層に4V印加)して実施例と同じ評価方法に従って表示特性を評価した。
透過表示での視野角特性はCR>10の領域は±30°となり、階調反転も顕著であった。また、透過コントラストは140:1であった。一方、反射表示の特性は、標準拡散板を基準にして約9.3%(開口率100%換算値)、反射表示のコントラスト値は8であり、表示画像は垂直モードの実施例に比べて白ボケした低いコントラストであった。
このように、本発明の実施形態による液晶表示装置は、従来のホモジニアス配向の液晶表示装置や従来から公知の技術と比較して、垂直配向モードを透過表示および反射表示に適用したことで透過および反射の両表示においても良好なコントラスト比が得られる。
さらに、本発明の実施形態では、片側の基板(例示ではアクティブマトリクス基板)にのみ液晶ドメイン配向の規制構造(壁構造体および開口部または切欠き部)を配置させ、しかも、壁構造体を層間絶縁膜と一体で、かつ、反射部の微細凹凸形状形成やコンタクトホール形成工程と一括で連続形成することができるので、製造プロセスを簡略化することができる。また、壁構造体や開口部または切欠き部の配向規制力によって、ラビングレス工程で電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を規制することが可能である。また、本発明の実施形態で例示したように、液晶ドメインの配向規制構造を設けることによって、電圧印加時に軸対称配向を呈する液晶ドメインが画素毎に複数形成されるので、全方位的に広い視野角特性が実現できる。
上記の実施形態では、垂直配向型液晶層を備える液晶表示装置に軸対称配向ドメインを形成する構成を例示したが、層間絶縁膜に設ける凹部の形状および配置を改変することによって、たとえば、特開平11−242225号公報に記載されているような、MVA型液晶表示装置にも適用できる。
上述したように、本発明による液晶表示装置は、優れた表示品位の液晶表示装置を比較的簡単な構成で実現できる。本発明は、透過型液晶表示装置および半透過型(透過・反射両用)型液晶表示装置に好適に適用される。特に、半透過型液晶表示装置は、携帯電話などのモバイル機器の表示装置として好適に利用される。
本発明による実施形態の透過型液晶表示装置100の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は図1(a)中の1B−1B’線に沿った断面図である。 本発明による実施形態の他の透過型液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の構成を模式的に示す平面図である。 図2Aに示したアクティブマトリクス基板の構成を模式的に示す断面図である。 本発明による実施形態の他の透過型液晶表示装置100’の構成を模式的に示す断面図である。 本発明による実施形態の半透過型液晶表示装置200の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は図4(a)中の4B−4B’線に沿った断面図である。 本発明による実施形態の半透過型液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の構成を模式的に示す平面図である。 図5に示したアクティブマトリクス基板を備える液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。 (a)から(f)は、図6に示したアクティブマトリクス基板の製造方法を説明するための模式図である。 凹部の内径幅DCと画素の短ピッチPSとの関係を示す概略図である。 凹部の最大内径幅DCと有効開口率との関係を示すグラフである。 (a)および(b)は、図4の10A−10A’線に沿った断面図であり、(b)は、(a)の破線で囲んだ部分の拡大図である。 本発明による実施形態の液晶表示装置の動作原理を説明する概略図であり、(a)は電圧無印加時、(b)電圧印加時をそれぞれ示す。 本発明による実施形態の液晶表示装置の構成一例を示す模式図である。 本発明による実施例の液晶表示装置の視角−コントラスト比特性を示す図である。
符号の説明
1 TFT(アクティブマトリクス)基板
2 ゲート信号線
3 ソース信号線
4 TFT
5 ドレイン電極
6 画素電極
6a 開口部
7 透明電極
8 反射電極
9 ゲート絶縁膜
10 ゲート電極
11 ソース・ドレイン電極(n+−Si層)
12 半導体層
13 チャンネル保護層
14 開口部
16a 層間絶縁膜
16b 壁構造体
16c 凹部
17 透明基板(対向(CF)基板)
18 カラーフィルタ層
19 対向電極
20 液晶層
21 液晶分子
22、32 配向膜
50 液晶パネル
40、43 偏光板
41、44 1/4波長版
42、45 光学異方性が負の位相差板(NR板)
100、100’ 透過型液晶表示装置
110a アクティブマトリクス基板
110b 対向基板(カラーフィルタ基板)
111 画素電極
113 切欠き部
114 開口部
115a 層間絶縁膜
115b 壁構造体
117 凹部
130 カラーフィルタ層
131 対向電極
133 支持体
200、300 半透過型液晶表示装置
210a アクティブマトリクス基板
210b 対向基板(カラーフィルタ基板)
211 画素電極
213 切欠き部
214 開口部
215a 層間絶縁膜
215b 壁構造体
217 凹部
230 カラーフィルタ層
231 対向電極
232 透明誘電体層(反射部段差)
233 支持体

Claims (12)

  1. 第1基板と、前記第1基板に対向するように設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、
    それぞれが、前記第1基板上に形成された第1電極と、前記第1基板と前記第1電極との間に設けられた層間絶縁膜と、前記第2基板上に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた前記液晶層とを含む複数の画素を備え、
    前記層間絶縁膜は、所定の位置に設けられた少なくとも1つの凹部を有し、前記液晶層は、垂直配向型の液晶層であって、少なくとも所定の電圧を印加した時に、前記少なくとも1つの凹部によって規定される方位に傾斜した液晶分子を含む軸対称配向を呈する少なくとも1つの液晶ドメインを形成し、軸対称配向の中心軸は、前記少なくとも1つの凹部内または近傍に形成され、
    前記第1電極は、少なくとも1つの開口部を有し、前記少なくとも1つの開口部は前記少なくとも1つの凹部に対応する位置に形成された開口部を含み、
    前記第2電極は、前記第1電極が有する前記少なくとも1つの開口部と略重なる位置に形成された少なくとも1つのさらなる開口部を有し、
    前記少なくとも1つの液晶ドメインの前記軸対称配向の中心軸は、前記少なくとも1つのさらなる開口部内または近傍に形成される、液晶表示装置。
  2. 前記複数の画素はマトリクス状に配列されており、短い方のピッチをPSとすると、前記少なくとも1つの凹部の最大内径幅DCは、DC<0.35・PSの関係を満足する請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記層間絶縁膜の厚さIdと前記少なくとも1つの凹部の深さhとの関係が、h<0.8・Idの関係を満足する、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1電極は、少なくとも1つの切欠き部をさらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 前記層間絶縁膜と一体に形成された壁構造体を更に有し、前記壁構造体は、前記複数の画素のそれぞれの周囲に規則的に配列されている、請求項1から4のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 前記複数の画素のそれぞれの周囲に遮光領域を有し、前記壁構造体は前記遮光領域に規則的に配置されている、請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第1電極に電気的に接続されたスイッチング素子を前記第1基板上にさらに有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部は前記層間絶縁膜に覆われている、請求項1からのいずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 前記第1電極は、透過領域を規定する透明電極と反射領域を規定する反射電極とを含む、請求項1からのいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. 前記少なくも1つの液晶ドメインは、前記透過領域に形成される液晶ドメインを含む、請求項に記載の液晶表示装置。
  10. 前記層間絶縁膜は、表面が実質的に平坦な第1領域と表面が凹凸形状を有する第2領域とを有し、前記透明電極は前記第1領域上に形成されており、前記反射電極は前記第2領域上に形成されている、請求項またはに記載の液晶表示装置。
  11. 前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板を有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの2軸性光学異方性媒体層をさらに有する、請求項1から10のいずれかに記載の液晶表示装置。
  12. 前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板をさらに有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの1軸性光学異方性媒体層をさらに有する、請求項1から10のいずれかに記載の液晶表示装置。
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