JP4419221B2 - 高分子製光学的ローパスフィルター、その製造方法及び高分子製光学的ローパスフィルター複合体 - Google Patents

高分子製光学的ローパスフィルター、その製造方法及び高分子製光学的ローパスフィルター複合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報を離散的にサンプリングして出力情報を得るCCD素子(電荷結合素子)、MOS素子(金属酸化物半導体素子)等の固体撮像素子、又は画像情報を2次元的に配列した画素によって表現する液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル等のドットマトリックス型表示装置等に好適に用いられる高分子製光学的ローパスフィルター及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、複屈折型の高分子製光学的ローパスフィルター及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CCD素子やMOS素子の如き固体撮像素子を用いて、撮像素子の画素周期の2倍よりも細かい周期パターンを含む物体を撮影しようとすると、モアレ縞が発生し、撮影画像が劣化するという現象がある。また、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルの如きドットマトリックス型表示装置等においても、画素の周期構造に起因するノイズが発生し、画質が劣化する現象が見られる。このような問題となる現象の発生を防ぐための手段として、画素のピッチによって規定される周波数よりも低い空間周波数成分を通過させる光学的ローパスフィルターを利用する方法が採用されている。このような光学的ローパスフィルターとしては、単軸結晶を光軸に対して斜めに切断して平行平面板とした複屈折型のものが多用されている。
【0003】
光学的ローパスフィルターの特性(空間遮断周波数)を規定するものとして、変位距離がある。平行平面板に自然光線が入射すると、出射光が常光線と異常光線とに分離するが、変位距離は、この常光線と異常光線との間の距離を指す。この変位距離は、平行平面板の法線と光軸とのなす角度(以下、配向角とよぶ)、平行平面板の厚み、結晶の常光屈折率、異常光屈折率の関数で表わされ、例えば、平行平面板の厚み、結晶の常光屈折率、異常光屈折率が一定であれば、配向角は45度に近いほど変位距離は大きくなり、配向角が0度又は90度に近いと変位距離はほとんど零になる性質がある(応用物理学会光学懇話会編、結晶光学、森北出版、198項)。
【0004】
現在では、水晶を光軸に対して約45度斜めに切断したものが、複屈折型の光学的ローパスフィルターとして主流をなしているが、水晶を用いているので、高価であり、また大面積のものを作成できないという問題点がある。
【0005】
このような問題点を解決する手段として、有機材料の利用、特に、延伸処理を行うことによって複屈折性を得ることが可能な高分子フィルム材料の利用が考えられるが、延伸処理によって配向角は、ほぼ0度に固定されてしまうため、光学的ローパスフィルターとしては機能しないものである。
【0006】
配向角の制御が困難であるという問題を解決する手段として、特開昭61−258570号(特許第2556831号)公報には、低分子液晶材料を利用する方法が提案されている。この方法は、低分子液晶材料が、複屈折率が大きく、かつ、配向角の制御が容易であるという特徴を利用したものであって、空間遮断周波数を低分子液晶材料に印加する電界の強さによって制御できるという特徴がある。しかしながら、この方法では、約2〜3mm程度の厚みを有する液晶セルに低分子液晶材料を封じ込める必要があり、小型化が難しい、という問題点がある。また、低分子液晶材料の複屈折率は、周囲の温度によって大きく変化するので、一定の空間遮断周波数で制御可能とはいえ、使用環境の温度変化を考慮して低分子液晶に印加する電界の強さを制御する必要があり、温度センサーや温度補償回路を付加するために、装置が複雑になってしまう、という問題点があった。
【0007】
低分子液晶材料の複屈折率が周囲の温度によって変化する問題を解決する手段として、特開平7−33885号公報には、液晶オリゴマーを利用した配向角が10〜80度のフィルムの製造方法が提案されている。また、特開平7−20434号公報には、液晶高分子を利用した配向角が5〜85度のフィルムの製造方法が提案されている。これらの公報で提案されているフィルムは、光学的ローパスフィルターとしての応用を主たる目的としたものではないが、光学的ローパスフィルターとして利用可能であり、周囲の温度によって複屈折率が大きく変化しないことが期待できる。
【0008】
しかしながら、液晶オリゴマーを用いてフィルムを製造する場合、液晶性オリゴマーが配向しにくいため、20ミクロン以上の膜厚のものを得ることが困難であり、一般に光学的ローパスフィルターとして求められる空間遮断周波数を得ることは難しい、という問題点がある。また、液晶高分子を用いてフィルムを製造する場合、フィルムの耐熱性確保の観点から、約100℃以上で液晶性を示す液晶高分子を用いる必要がある。そのため、液晶高分子を配向させるために、基板上で約100℃以上に加熱する製造工程において、使用する基板として、変形や劣化が無く、耐熱性に優れたものを使用することが求められており、基板の材質が限られてしまう、という問題点がある。
【0009】
上述の方法以外に、低分子液晶材料の複屈折率が周囲の温度によって変化する問題を解決する手段として、特開平5−215921号公報には、分子内に重合性官能基を有する低分子液晶材料を用いた複屈折板が提案されている。
この複屈折板は、分子内に重合性官能基を有する低分子液晶材料を配向させた後、重合性官能基を重合させて配向を固定するものである。
【0010】
しかしながら、該公報に記載の低分子液晶材料は、液晶性を示す温度が134℃以上であり、そのため、低分子液晶材料を基板上にて134℃以上に加熱し、配向させる製造工程において、使用する基板には変形や劣化が無く、耐熱性に優れたものを使用する必要があり、基板の材質が限られてしまう、という問題点がある。また、液晶性を示す温度が高いために、配向させる工程において熱重合を誘起してしまう可能性があり、熱重合が誘起された場合、光学的均一性が劣化してしまう、という問題点もある。
【0011】
低分子液晶材料を用いた場合において、複屈折率が周囲の温度によって変化せず、膜厚を20ミクロン以上確保可能で、かつ製造工程において使用する基板の材質が耐熱性の観点から制限を受けない光学的ローパスフィルターが、特開平8−122708号公報に開示されている。この公報に記載の光学的ローパスフィルターは、分子内に重合性官能基を有し、かつ、室温にて液晶性を示す低分子液晶材料を配向させた状態において、室温で重合させて高分子化することにより製造されるものである。
【0012】
しかしながら、特開平8−122708号公報に開示された光学的ローパスフィルターは、光を散乱させるため、解像度と感度が低下するという問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来、複屈折型光学的ローパスフィルターの材料として有機材料の利用が試みられてきたが、今後、有機材料製の複屈折型光学的ローパスフィルターが広く利用されるには、さらに、画像の明るさと解像度を改善する必要がある。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、光学的ローパスフィルターとして優れた機能を有し、しかも容易に製造することができ、かつ、画像の明るさと解像度を改善した複屈折型高分子製光学的ローパスフィルターを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、(1)重合性液晶組成物からなる層を、該組成物が液晶相を示す温度で重合させて得られる光学異方性高分子フィルムであって、常光線と異常光線との変位距離が1〜70ミクロンの範囲にあり、かつ、ヘイズが5%以下である光学異方性高分子フィルムからなる高分子製光学的ローパスフィルターを提供する。
【0016】
また、本発明は上記課題を解決するために、(2)一般式(I)
【0017】
【化4】
Figure 0004419221
【0018】
(式中、L1 、 L2 及びL3 はそれぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表わし、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキレン基を表わす。)で表わされる化合物を含有し、かつ、一般式(II)
【0019】
【化5】
Figure 0004419221
【0020】
(式中、L4 は水素原子又はメチル基を表わし、R4 は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わす。)
で表わされる化合物及び/又は一般式(III)
【0021】
【化6】
Figure 0004419221
【0022】
(式中、L5 は水素原子又はメチル基を表わし、R5 は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わす。)で表わされる化合物を含有する重合性液晶組成物を、該組成物が液晶相を示す温度にて、ハイブリッド配向又は特定の角度に傾いたホモジニアス配向させた後、活性エネルギー線を照射して重合させる上記(1)に記載された高分子光学的ローパスフィルターの製造方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子製光学的ローパスフィルターは、重合性液晶組成物からなる層を、該組成物が液晶相を示す温度で重合させて得られる光学異方性高分子フィルムであって、常光線と異常光線との変位距離が1〜70ミクロンの範囲にあり、かつ、ヘイズが5%以下である光学異方性高分子フィルムからなるものである。
【0024】
本発明の高分子製光学的ローパスフィルターは、例えば、重合性液晶組成物が液晶相を示す温度にて、ハイブリッド配向又は特定の角度に傾いたホモジニアス配向させた後、活性エネルギー線を照射して重合させることにより製造することができる。
【0025】
本発明で用いる重合性液晶組成物は、前記一般式(I)で表わされる化合物を含有し、さらに、前記一般式(II)で表わされる化合物及び/又は一般式(III )で表わされる化合物を含有するものが特に好ましい。しかしながら、一般式(I)で表わされる化合物と併用する重合性液晶化合物は、規定した変位距離とヘイズとを満足できる重合性液晶組成物を調整できる材料であれば、前記一般式(II)で表わされる化合物及び/又は前記一般式(III) で表わされる化合物に制限されるものではない。
【0026】
また、一般式(I)で表わされる化合物は、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立的に炭素原子数3〜8のアルキレン基である化合物が好ましい。また、一般式(I)で表わされる化合物は、L1 、L2 及びL3 が水素原子である化合物、一般式(II)で表わされる化合物は、L4 が水素原子である化合物、かつ、一般式(III) で表わされる化合物が、L5 が水素原子である化合物がより好ましい。
【0027】
重合性液晶組成物中の一般式(II)で表わされる化合物の使用割合と一般式(III) で表わされる化合物の使用割合は同量であることが好ましい。また、前記重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わされる化合物の使用割合が20〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
【0028】
活性エネルギー線照射工程における、望ましくない熱重合の誘起を避け、均一性に優れた光学異方体を製造するために、本発明で用いる重合性液晶組成物は、40℃以下で、さらに好ましくは30℃以下、特に好ましくは室温、即ち、典型的には20〜25℃で液晶相を呈するものが好ましい。
【0029】
一般式(II)及び一般式(III) で表わされる単官能液晶性(メタ)アクリレート化合物は、一般式(I)で表わされる3官能液晶性(メタ)アクリレート化合物と比較して、液晶相を示す温度が低く、室温に近い温度で液晶性を示す傾向がある。従って、重合性液晶組成物中における一般式(II)及び一般式(III) で表わされる化合物の含有量が多いほど、液晶性を示す温度を低減することができる。特に、一般式(II)で表わされる化合物と一般式(III) で表わされる化合物との使用割合を同量とした場合、液晶性を示す温度の低減効果は顕著であり、室温で液晶性を確保するのに有効である。
【0030】
一方、本発明で用いる重合性液晶組成物における一般式(I)で表わされる化合物の含有量が多いほど、重合して得られる光学的ローパスフィルターのヘイズを低減できる傾向がある。従って、40℃以下、さらに好ましくは30℃以下、特に好ましくは室温における液晶性が確保される限り、重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わされる化合物の含有割合を増やすのは有効である。
【0031】
重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わされる化合物の含有割合は、20〜30重量%の範囲が好ましい。重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わされる化合物の含有割合が20重量%より少ない場合、重合性液晶組成物を重合させて得られる光学的ローパスフィルターのヘイズが5%以上になる傾向にあり、30重量%より多い場合、重合性液晶組成物の液晶性を示す温度が高くなってしまう傾向にあるので、好ましくない。
【0032】
本発明で用いる重合性液晶組成物には、一般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わされる化合物の他に、1分子中に1個の重合性官能基を有する液晶化合物(以下、単官能の液晶化合物という。)を添加することもできる。重合性液晶組成物に添加することができる一般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わされる化合物以外の単官能の液晶化合物としては、例えば、以下の式(1)〜(20)で表わされる化合物を挙げることができる。
【0033】
【化7】
Figure 0004419221
【0034】
【化8】
Figure 0004419221
【0035】
【化9】
Figure 0004419221
【0036】
【化10】
Figure 0004419221
【0037】
(式中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表わし、数字は相転移温度を表わし、相転移温度におけるCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
【0038】
以上に挙げた化合物は、比較的低い温度で液晶性を示すため、液晶性を示す温度を低減する観点から好ましい。これらの単官能の液晶化合物は、単独でも、また複数を組み合わせて添加することもできる。これらの単官能の化合物を重合性液晶組成物に添加する場合の添加割合は、50重量%以下が好ましく、20重量%以下が特に好ましく、10重量%以下が更に好ましい。これらの化合物の含有割合が50重量%を超える場合、重合して得られる光学的ローパスフィルターのヘイズが大きくなる傾向があるので、好ましくない。
【0039】
本発明で用いる重合性液晶組成物には、一般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わされる化合物の他に、1分子中に2個の重合性官能基を有する液晶化合物(以下、2官能の液晶化合物という。)を添加することもできる。重合性液晶組成物に添加することができる一般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わされる化合物以外の2官能の液晶化合物としては、例えば、以下の式(21)〜(30)で表わされる化合物を挙げることができる。
【0040】
【化11】
Figure 0004419221
【0041】
(式中、L6 及びL7 はそれぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表わし、s及びtはそれぞれ1〜20の整数を表わす。)
【0042】
ここに挙げた2官能の重合性官能基を有する液晶化合物の多くは、一般式(II)及び(III) で表わされる化合物と比較して、高い温度で液晶性を示す傾向がある。これらの化合物は、単独でも、また複数を組み合わせて添加することもできる。これらの2官能の液晶化合物を重合性液晶組成物に添加する場合の添加割合は、20重量%以下が好ましく、15重量%以下が特に好ましく、10重量%以下がさらに好ましい。
【0043】
本発明で用いる重合性液晶組成物には、重合性官能基を有していない液晶化合物を用途に応じて添加することもできる。しかしながら、液晶組成物を用いて作製する光学異方体の耐熱性を確保する観点から、その添加量は10重量%以下にすることが好ましい。
【0044】
また、本発明で用いる重合性液晶組成物には、重合性官能基を有する化合物であって、液晶性を示さない化合物を添加することもできる。そのような化合物としては、通常、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができるが、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、ビニルエーテル化合物が特に好ましい。
【0045】
本発明で用いる重合性液晶組成物には、以上のように、重合性官能基を有する液晶化合物、重合性官能基を有しない液晶化合物、液晶性を示さない重合性化合物を適宜組み合わせて添加することができるが、少なくとも得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われないよう、液晶性を示す温度が40℃以下に、特に好ましくは30℃以下に、更に好ましくは室温、典型的には25℃で液晶性が発現するように、かつ、重合して得られる光学的ローパスフィルターのヘイズが5%以上にならないように各成分の添加量を調整する必要がある。
【0046】
更に、本発明で用いる重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、熱重合開始剤、光重合開始剤等の重合開始剤を添加することもできる。
【0047】
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ビスアゾブチロニトリル等が挙げられる。また、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等が挙げられる。熱重合開始剤あるいは光重合開始剤を添加する場合の添加量は、重合性液晶組成物に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましく、0.5〜1.5重量%の範囲が更に好ましい。
【0048】
また、本発明で用いる重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下が特に好ましい。
【0049】
本発明で用いる重合性液晶組成物の液晶相は、通常この技術分野で液晶相と認識される相を示す組成物であればよい。そのような液晶組成物の中でも、液晶相として、ネマチック相、スメクチックA相、スメクチックC相、(キラル)スメクチックC相、コレステリック相を発現するものが好ましい。この中でも、ネマチック相は粘度が低くなる傾向があり、光学異方体の製造時の配向工程において、安定した配向状態を迅速に得られる傾向があるため、特に好ましい。
【0050】
安定した配向状態を迅速に得るために、本発明で用いる重合性液晶組成物の透明点(液晶相から等方性液体相へ転移する温度)を調節することも重要である。同じ温度で配向処理を行なうことを考えた場合、透明点を低くすればするほど、必然的に流動性が高い状態で配向処理を行なうことになり、迅速に配向が安定する効果が得られる。透明点としては80℃以下が好ましく、70℃以下がさらに好ましく、60℃以下が特に好ましい。
【0051】
本発明の製造方法の重合工程において、重合性液晶組成物の温度は40℃以下に保つことが好ましい。この場合、製造の際に耐熱性に優れた基板を用いる必要がない。また、重合性液晶組成物は、60〜80℃以上の温度に保つと、自発的に熱重合してしまう恐れがあるが、40℃以下の温度で重合させる場合には、望ましくない熱重合の誘起も避けることができる。これにより、液晶の配向状態を重合によって均一に固定化することができ、結果として良質な光学的ローパスフィルターを容易に製造することができる。
【0052】
光学的ローパスフィルターとして機能させるためには、重合性液晶組成物からなる層を層の厚み方向に対して液晶分子の長軸が0度又は90度でない角度に傾けた配向状態にする必要がある。重合性液晶組成物からなる層は、層の厚み方向の一方の端面における液晶分子の配向状態がホモジニアス配向(水平一軸配向)であり、もう一方の端面における液晶分子の配向状態がホメオトロピック配向(垂直配向)したハイブリッド配向している状態において、重合させること、あるいは、液晶分子の長軸が層の厚み方向に対して特定の角度傾いたホモジニアス配向(水平一軸配向)した状態において重合させることが好ましい。特定の角度傾いたホモジニアス配向の場合、液晶分子の長軸方向が結晶軸に相当するので、特定の角度と配向角は一致する。この特定の角度は、20〜70度の範囲が好ましく、30〜60度の範囲が特に好ましい。この特定角度が45度に近いほど、変位距離を大きくすることができる。
【0053】
重合性液晶組成物からなる層の配向状態として液晶分子の長軸が層の厚み方向に特定の角度傾いたホモジニアス配向状態を用いる場合には、重合性液晶組成物を、間隙を介して対向する2枚の基板間に挟持させた後、基板法線と磁力線の方向が特定の角度となるように磁界を作用させることにより特定の角度傾いたホモジニアス配向状態を得る方法が好ましい。
【0054】
また、重合性液晶組成物からなる層の配向状態としては、ハイブリッド配向している状態を用いる場合には、基板面に対して液晶の長軸は平行方向に一軸配向させる配向処理を施した基板と、基板面に対して液晶の長軸を垂直方向に配向させる配向処理を施した基板とを、配向処理を施した面が対向するように間隙をもって配置し、その間隙に重合性液晶組成物を挟持させることにより、ハイブリッド配向状態を得る方法が好ましい。
【0055】
さらに、重合性液晶組成物からなる層の配向状態としてハイブリッド配向している状態を用いる場合には、液晶の長軸を平行方向に一軸に配向させる配向処理を施した基板に、重合性液晶組成物を塗布することにより、ハイブリッド配向状態を得る方法が好ましい。
【0056】
基板を構成する材料としては、有機材料、無機材料を問わず用いることができる。有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。用いる2枚の基板は、双方とも同じ材質でも良いし、異なる材質でも良い。しかしながら、挟持させた状態で重合性液晶組成物を重合させる必要があるので、少なくとも1枚の基板は、紫外線又は電子線等の用いるエネルギー線に対して透明である必要がある。
【0057】
また、配向処理を施した基板を用いることも有効である。配向処理を施していない場合、重合性液晶組成物を2枚の基板間に挟持させる工程において、重合性液晶組成物が流動した痕跡が残り、良質な光学的ローパスフィルターを製造できない場合がある。これを避けるために、基板表面を布等でこするラビング処理や、また基板表面にポリイミド等の有機薄膜を形成した後に、その表面を布等でこするラビング処理が好ましい。このラビング処理は、液晶の長軸を基板面に対して平行方向に一軸配向させる際に有用である。
【0058】
また、表面に界面活性剤や離型剤を塗布した基板を用いることにより、その基板表面で液晶分子をホメオトロピック配向させることができるので、そのような処理を施すことも好ましい。
【0059】
強度や光学的な問題から、基板表面に配向処理を施せない場合には、基板の温度を重合性液晶組成物の透明点以上に加熱し、等方性液体状態で重合性液晶組成物を2枚の基板間に挟持させると、流動した痕跡が残る問題を解決できるので、好ましい。しかしながら、透明点が60〜80℃以上に高くなると等方性液体相状態にした時、望ましくない熱重合が誘起されてしまい、均一性の良い光学異方体を作製できなくなる危険性がある。従って、基板の加熱により均一な配向状態を迅速に得るためには、透明点が80℃以下、さらに好ましくは70℃以下、特に好ましくは60℃以下の重合性液晶組成物を用いる必要がある。
【0060】
ホモジニアス配向状態を得るために用いる磁界の印加手段としては、例えば、永久磁石、電気磁石、超伝導磁石を用いる方法が挙げられる。磁界の強さは、用いる重合性液晶組成物の磁化率の異方性にもよるが、2kガウス以上が好ましく、4kガウス以上が特に好ましく、8kガウス以上がさらに好ましい。磁界の強さが2kガウスよりも小さい場合、重合性液晶組成物の配向状態が良好でなくなる傾向があるので、好ましくない。
【0061】
2枚の基板間の間隙は、1〜200ミクロンが好ましく、2〜150ミクロンがさらに好ましく、5〜70ミクロンが特に好ましい。
【0062】
重合性液晶組成物を基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法、などが挙げられる。また、塗布の際に、重合性液晶組成物に有機溶媒を添加する事もできる。
【0063】
そのような目的で用いる有機溶媒としては、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、セロソルブ類、などが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもでき、その蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。また、その添加量は90重量%以下が好ましい。90重量%以上になると、得られる膜厚が薄くなってしまう傾向にあるので好ましくない。添加した有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥などの方法を用いることができる。
【0064】
上述のような方法で重合性液晶組成物を配向させた後に光重合させる際には、重合性液晶組成物からなる層は、該組成物が液晶相を示す温度において、活性エネルギー線を照射して重合させる。その温度は、40℃以下が好ましく、30℃以下が特に好ましく、室温、典型的には25℃が好ましい。活性エネルギー線としては、紫外線や電子線などが挙げられる。
【0065】
重合の際に照射する活性エネルギー線の強度は、0.1mW/cm2 〜2W/cm2 の範囲が好ましい。照射する活性エネルギー線の強度が0.1mW/cm2 よりも低い場合、光重合を完了させるのに多大な時間を要することになり、生産性が悪化してしまうので好ましくなく、照射する活性エネルギー線の強度が2W/cm2 よりも高い場合、重合性液晶組成物が劣化してしまう危険があるので、好ましくない。照射時間は、活性エネルギー線の強度にも依存するが、0.1〜10分の範囲が好ましい。活性エネルギー線の照射終了後、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲が好ましく、熱処理時間は5秒〜12時間の範囲が好ましい。このようにして得られた光学的ローパスフィルターは、基板から剥離しても、また剥離せずに用いても良い。
【0066】
このようにして得られる本発明の高分子製光学的ローパスフィルターは、ヘイズが5%以下、好ましくは3%以下の光学異方性高分子フィルムからなるものが好ましい。また、本発明の高分子製光学的ローパスフィルターは、25℃における屈折率の異方性が0.02〜0.3の範囲にある光学異方性高分子フィルムからなるものが好ましい。
【0067】
液晶材料の複屈折率は、水晶の複屈折率より大きいので、高分子製光学的ローパスフィルターの膜厚は、水晶と比較して薄くすることが可能である。本発明の高分子製光学的ローパスフィルターの膜厚は、1〜200ミクロンの範囲が好ましく、2〜150ミクロンの範囲が特に好ましく、5〜70ミクロンの範囲が更に好ましい。高分子製光学的ローパスフィルターの膜厚が1ミクロンよりも薄い場合、目的の空間遮断周波数を得ることが困難になり、200ミクロンよりも厚い場合、ヘイズが大きくなる傾向があるので、好ましくない。
【0068】
視感度補正用光学フィルターと高分子製光学的ローパスフィルターが積層された複合体は、光学的ローパスフィルターを製造する際の基板として視感度補正用光学フィルターを用いることによって容易に製造することができる。また、基板として視感度補正用光学フィルターを使わずに高分子製光学的ローパスフィルターを製造し、その後、基板を剥離し、もしくは剥離せずに、さらに視感度補正用光学フィルターを積層することによっても製造することができる。この場合は、視感度補正用光学フィルターと高分子製光学的ローパスフィルターとを接着剤を用いて接着させることが好ましい。
【0069】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0070】
(実施例1)
(1−1)重合性液晶組成物(A)の調製
式(31)
【0071】
【化12】
Figure 0004419221
【0072】
で表わされる化合物50重量部
及び式(32)
【0073】
【化13】
Figure 0004419221
【0074】
で表わされる化合物50重量部から成る重合性液晶組成物(A)を調製した。この重合性液晶組成物(A)は、室温(25℃)でネマチック液晶相を呈した。N(ネマチック相)−I(等方性液体相)転移温度は46℃であった。また、589nmで測定したne (異常光の屈折率)は1.662で、no (常光の屈折率)は1.510、複屈折率は0.152であった。
【0075】
(1−2)重合性液晶組成物(B)の調製
重合性液晶組成物(A)80重量部及び式(33)
【0076】
【化14】
Figure 0004419221
【0077】
で表わされる化合物20重量部からなる重合性液晶組成物(B)を調製した。重合性液晶組成物(B)は、室温(25℃)でネマチック液晶相を呈した。N(ネマチック相)−I(等方性液体相)転移温度は50℃であった。また、589nmで測定したne (異常光の屈折率)は1.656で、no (常光の屈折率)は1.513、複屈折率は0.143であった。
【0078】
(1−3)高分子製光学的ローパスフィルターの作製
重合性液晶組成物(B)99重量部及び「イルガキュアー651」(チバガイギー社製の光重合開始剤)1重量部からなる重合性液晶組成物(C)を調製した。セルギャップ50ミクロンのアンチパラレル配向液晶ガラスセル(液晶を基板表面水平に一軸配向するよう配向処理を施したガラスセル)に、重合性液晶組成物(C)を室温にて注入した。その後、8kガウスの磁界中に、磁界とアンチパラレル配向液晶ガラスセルの基板面に対する法線が45度の角度をなすように静置した。静置してから2分後、室温にてUVP社の紫外線照射装置「UVGL−25」を用いて1mW/cm2 の紫外線を10分間照射して、重合性液晶組成物(C)を重合させて、光学異方体フィルムを得た。ガラスセルに入れたままの光学異方体フィルムのヘイズは1.2%であった。また、偏光顕微鏡とマイクロスケールを用いて測定した変位距離は3ミクロンであり、高分子製光学的ローパスフィルターとして機能することが確認できた。
【0079】
(実施例2)高分子製光学的ローパスフィルターの作製
セルギャップ50ミクロンのハイブリッド配向液晶ガラスセル(液晶がハイブリッド配向するよう配向処理を施したガラスセル)に、室温にて、実施例1で調製した重合性液晶組成物(C)を注入した。注入完了後、5分間静置してから、室温にてUVP社の紫外線照射装置「UVGL−25」を用いて1mW/cm2 の紫外線を10分間照射して、重合性液晶組成物(C)を重合させて、光学異方体フィルムを得た。ガラスセルにいれたままの光学異方体フィルムのヘイズは1.6%であった。また、偏光顕微鏡とマイクロスケールを用いて測定した変位距離は2ミクロンであり、高分子製光学的ローパスフィルターとして機能することが確認できた。
【0080】
(実施例3)高分子製光学的ローパスフィルターの作製
実施例1で調製した組成物(C)60重量部及び酢酸エチル40重量部からなる重合性液晶組成物(D)を調製した。ガラス基板にポリイミド膜を約100nmの厚みで形成した後、ラビング処理した。注射器を用いて重合性液晶組成物(D)を、ラビング処理した表面に一滴ずつ10滴を滴下した。滴下の時間間隔は、基板上に滴下された一滴の組成物(D)中に含有される酢酸エチルが自然乾燥する時間が確保されるように設定した。滴下終了後、5分間静置し、窒素気流下で室温にてUVP社の紫外線照射装置「UVGL−25」を用いて1mW/cm2 の紫外線を10分間照射して光重合させ、光学異方体フィルムを得た。得られた光学異方体フィルムの膜厚は30ミクロンであり、そのヘイズは1.0%であった。また、偏光顕微鏡とマイクロスケールを用いて測定した変位距離は1ミクロンであり、高分子製光学的ローパスフィルターとして機能することが確認できた。
【0081】
【発明の効果】
本発明の高分子製光学的ローパスフィルターは、光学異方体フィルムからなるものであるので、フィルムの膜厚を薄くすることが可能である。また、本発明の高分子製光学的ローパスフィルターは、ヘイズが小さいので、CCD素子(電荷結合素子)等と組み合わせることによって高品位な撮像装置を、また液晶ディスプレイ素子等と組み合わせることによって高品位な表示装置を構成することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、光学的性質の均一性に優れた高分子製光学的ローパスフィルターを容易に製造することができる。

Claims (21)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004419221
    (式中、L 1 、L 2 及びL 3 はそれぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表わし、R 1 、R 2 及びR 3 はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキレン基を表わす。)で表わされる化合物を含有する重合性液晶組成物からなる層を、該重合性液晶組成物が液晶相を示す温度で重合させて得られる光学異方性高分子フィルムであって、常光線と異常光線との変位距離が1〜70ミクロンの範囲にあり、かつ、ヘイズが5%以下である光学異方性高分子フィルムからなることを特徴とする高分子製光学的ローパスフィルター。
  2. 光学異方性高分子フィルムの25℃における屈折率の異方性が0.02〜0.3の範囲にある請求項1記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  3. 光学異方性高分子フィルムが、ハイブリッド配向状態にある重合性液晶組成物からなる層を重合させて得られる光学異方性高分子フィルムである請求項1記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  4. 光学異方性高分子フィルムが、液晶分子の長軸が層の厚み方向に対して特定の角度に傾いたホモジニアス配向状態にある重合性液晶組成物からなる層を重合させて得られる光学異方性高分子フィルムである請求項1記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  5. 液晶分子の長軸と、重合性液晶組成物からなる層の厚み方向との角度が20〜70度の範囲にある請求項4記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  6. 一般式(I)で表わされる化合物が、R1、R2及びR3がそれぞれ独立的に炭素原子数3〜8のアルキレン基である化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  7. 重合性液晶組成物が一般式(II)
    Figure 0004419221
    (式中、L4は水素原子又はメチル基を表わし、R4は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わす。)で表わされる化合物及び/又は一般式(III)
    Figure 0004419221
    (式中、L5は水素原子又はメチル基を表わし、R5は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わす。)で表わされる化合物をさらに含有する請求項6記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  8. 一般式(I)で表わされる化合物が、L1、L2及びL3が水素原子である化合物であり、一般式(II)で表わされる化合物が、L4が水素原子である化合物であり、一般式(III)で表わされる化合物が、L5が水素原子である化合物である請求項7記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  9. 一般式(II)で表わされる化合物及び一般式(III)で表わされる化合物を含有し、一般式(II)で表わされる化合物の使用量と一般式(III)で表わされる化合物の使用量が同量である請求項7又は8記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  10. 重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わされる化合物の使用割合が20〜30重量%の範囲にある請求項1〜9のいずれか1項記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  11. 請求項1に記載された一般式(I)で表わされる化合物を含有し、かつ、請求項7に記載された一般式(II)で表わされる化合物及び/又は一般式(III)で表わされる化合物を含有する重合性液晶組成物を、該組成物が液晶相を示す温度にて、ハイブリッド配向させた後、活性エネルギー線を照射して重合させることを特徴とする請求項1に記載された高分子光学的ローパスフィルターの製造方法。
  12. 基板面に対して液晶の長軸を平行方向に一軸配向させる配向処理を施した基板と、基板面に対して液晶の長軸を垂直方向に配向させる配向処理を施した基板とを、配向処理を施した面が対向するように間隙をもって配置し、その2枚の基板間に重合性液晶組成物を挟持させることによりハイブリッド配向を得る請求項11記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
  13. 液晶の長軸を平行方向に一軸配向させる配向処理を施した基板に、重合性液晶組成物を塗布することによりハイブリッド配向を得る請求項11記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
  14. 請求項1に記載された一般式(I)で表わされる化合物を含有し、かつ、請求項7に記載された一般式(II)で表わされる化合物及び/又は一般式(III)で表わされる化合物を含有する重合性液晶組成物を、該組成物が液晶相を示す温度にて、特定の角度に傾いたホモジニアス配向させた後、活性エネルギー線を照射して重合させることを特徴とする請求項1に記載された高分子光学的ローパスフィルターの製造方法。
  15. 間隙を介して対向する2枚の基板間に重合性液晶組成物を挟持させた後、基板面に対して磁力線の方向が特定の角度となるように磁界を作用させることにより傾いたホモジニアス配向を得る請求項14記載の高分子光学的ローパスフィルタ
  16. 一般式(I)で表わされる化合物が、R1、R2及びR3がそれぞれ独立的に炭素原子数3〜8のアルキレン基である化合物である請求項11から15のいずれかに記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
  17. 一般式(I)で表わされる化合物が、L1、L2及びL3が水素原子である化合物であり、一般式(II)で表わされる化合物が、L4が水素原子である化合物であり、一般式(III)で表わされる化合物が、L5が水素原子である化合物である請求項11から16のいずれかに記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
  18. 一般式(II)で表わされる化合物及び一般式(III)で表わされる化合物を含有し、一般式(II)で表わされる化合物の使用量と一般式(III)で表わされる化合物の使用量が同量である請求項11から17のいずれかに記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
  19. 重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わされる化合物の使用割合が20〜30重量%の範囲にある請求項11から18のいずれかに記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
  20. 重合工程において重合性液晶組成物の温度を40℃以下に保つ請求項11から19のいずれかに記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
    ーの製造方法。
  21. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の高分子製光学的ローパスフィルターと、これに積層された視感度補正用光学フィルターとからなることを特徴とする高分子製光学的ローパスフィルター複合体。
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