JP4419130B2 - 色変換フィルタの製造方法および色変換機能付カラーフィルタ - Google Patents

色変換フィルタの製造方法および色変換機能付カラーフィルタ Download PDF

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本発明は、多色表示を可能とする色変換フィルタの製造方法に関する。該色変換フィルタは、イメージセンサー、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、テレビ、ファクシミリ、オーディオ、ビデオ、カーナビゲーション、電気卓上計算機、電話機、携帯端末機ならびに産業用計測器等の表示などに使用することが可能である。
近年、ディスプレイのマルチカラー化またはフルカラー化の方法の1例として、近紫外光、青色光、青緑色光または白色光を吸収し、波長分布変換を行って可視光域の光を発光する色変換色素をフィルタに用いる色変換方式が検討されてきている(特許文献1および2参照)。色変換方式を用いる場合、光源の発光色が白色に限定されないため、光源の選択の自由度を高めることが可能となる。たとえば、青色発光の有機EL発光素子を用い、波長分布変換により緑色および赤色光を得ることができる。したがって、より効率の高い光源を用いることができ、かつ近紫外光ないし可視光のような弱いエネルギー線を用いても、フルカラーの発光型ディスプレイを構築できる可能性が検討されてきている(特許文献3参照)。
カラーディスプレイとしての実用上の重要課題は、精細なカラー表示機能、色再現性を含めた長期的な安定性を有することに加えて、高い色変換効率を有する色変換フィルタを提供することである。しかしながら、色変換効率を高めるために、色変換色素の濃度を上昇させると、いわゆる濃度消光による効率の低下、ならびに経時による色変換色素の分解などが発生するため、色変換色素を含む色変換層の厚さを厚くすることによって所望の色変換効率を得ているのが現状である。色変換色素の濃度消光および分解の防止について、かさ高い置換基を色素母核に導入することが検討されてきている(特許文献4〜6参照)。また、色変換色素の分解防止について、クエンチャーを混合することも検討されている(特許文献7参照)。
特開平8−279394号公報 特開平8−286033号公報 特開平9−80434号公報 特開平11−279426号公報 特開2000−44824号公報 特開2001−164245号公報 特開2002−231450号公報 特開平5−134112号公報 特開平7−218717号公報 特開平7−306311号公報 特開平5−119306号公報 特開平7−104114号公報 特開平7−48424号公報 特開平6−300910号公報 特開平7−128519号公報 特開平9−330793号公報 特開平8−27934号公報 特開平5−36475号公報 月刊ディスプレイ、1997年、第3巻、第7号
色変換方式によるマルチカラーまたはフルカラーのディスプレイを高精細化する場合、色変換層を高精細にパターニングする必要がある。しかしながら、たとえば、1つのパターンの幅が膜厚より小さくなるようなパターニングを行う場合、パターンの形状再現性または引き続く工程におけるパターンの変形などが問題となってくる。加えて、通常のフォトリソグラフィーによるパターニングを行う場合、塗布工程、マスクの位置合わせを伴う露光工程、現像工程が、各色の色変換層について必要となる。たとえば、フルカラーディスプレイを得る場合には、少なくとも赤色、緑色および青色の色変換層が必要となるので、その製造工程は多くの工程を必要とし、また煩雑なものとなってしまう。
したがって、本発明においては、製造工程を簡略化すると同時に、高精細のパターニングを可能とする色変換フィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の実施形態の色変換フィルタの製造方法は、透明基板上にカラーフィルタ層を形成する工程と、前記カラーフィルタ層上に色変換色素を含む色素層を形成する工程と、色素分解光を用いて、前記透明基板および前記カラーフィルタ層を通して前記色素層を露光して、前記カラーフィルタ層に相当する位置に色変換層を形成する工程とを含み、ここで、前記色変換色素は、前記カラーフィルタ層が透過する波長域以外の光によって分解され、前記色素分解光は、前記色変換色素を分解する波長成分を含み、前記色変換層は、波長分布変換により前記カラーフィルタ層が透過する光を放射することを特徴とする。
本発明の第2の実施形態の色変換フィルタの製造方法は、透明基板上にn種のカラーフィルタ層を形成する工程と、前記n種のカラーフィルタ層上に(n−1)種の色変換色素を含む色素層を形成する工程と、色素分解光を用いて、前記透明基板および前記カラーフィルタ層を通して前記色素層を露光して、第m種のカラーフィルタ層に相当する位置に第m種の色変換層を形成する工程とを含み、ここで、nは、2〜6の整数であり、mは、1〜n−1の整数のそれぞれを表し、前記n種のカラーフィルタ層のそれぞれは、異なる波長域の光を透過させ、第m種の色変換色素は、第m種のカラーフィルタ層が透過させない光によって分解され、第m種の色変換層は、波長分布変換により第m種のカラーフィルタ層が透過する光を放射することを特徴とする。本実施形態において、前記色素層は、第n種の色変換色素をさらに含み;前記露光により第n種のカラーフィルタ層に相当する位置に第n種の色変換層が形成され;第n種の色変換色素は、第n種のカラーフィルタ層が透過させない光によって分解され;第n種の色変換色素は、波長分布変換により第n種のカラーフィルタ層が透過する光を放射してもよい。
本発明の第3の実施形態の色変換機能付カラーフィルタは、透明基板と、透明基板上に形成されたn種(nは2〜6の整数である)のカラーフィルタ層と、少なくとも1つの色変換色素を含み、前記n種のカラーフィルタ層を覆って一体に形成される色素層とを具え、前記少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することを特徴とする。
以上のように、本発明の第1および第2の実施形態の製造方法によってカラーフィルタ層をマスクとして用い、セルフアライメントによって高精細の色変換層を形成することが可能となる。本発明によれば、フォトリソグラフィー法によって色変換層のパターニングを行う必要性が排除され、工程の短縮が可能となる。さらに、より大きな厚さを有する色変換層が平坦化層と一体として形成されるので、膜厚に比較して幅が狭い色変換層を形成したとしても、色変換層の変形などを抑制することができる。したがって、本発明の方法によって、マイクロディスプレイ(ビデオカメラのビューファインダーなど)用途に用いられる色変換フィルタを製造することが可能となる。
また、本発明の第3の実施形態の色変換機能付カラーフィルタは、ディスプレイ用カラーフィルタとして特有の利点を有する。この形態においては、マトリクス状に設けられる副画素に対応する位置の独立制御可能な光源を発した光は、色素層で色相を変化させられて白色光となり、副画素のカラーフィルタ層に入射する。したがって、それぞれの副画素の色に対応する色変換層を設けた場合とは異なり、各色のカラーフィルタ層のそれぞれに同一の光が入射するので、光源を駆動する際にそれぞれの色の色変換層の色変換の効率を考慮する必要をなくし、光源の駆動回路の単純化による低コスト化が可能となる。さらに、マトリクス状に配置される光源のそれぞれを同一条件で駆動することができるので、長時間の駆動時に特定の色に対応する光源のみが劣化することを抑制して、長期にわたって表示色相を維持することが可能となる。
本発明の色変換フィルタの製造方法の第1の実施形態を図1に示す。図1(a)は、透明基板1の上に、カラーフィルタ層2と、色変換色素(CCM)を含む色素層3が設けられた積層体である。
透明基板1は、可視光(波長400〜700nm)、好ましくは色変換層4によって変換された光に対して透明であることが必要である。また、透明基板1は、色変換層4および他の必要に応じて設けられる層(後述)の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐えるものであるべきであり、さらに寸法安定性に優れていることが好ましい。透明基板1の材料として好ましいものは、ガラス、ならびにポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂を含む。ホウケイ酸ガラスまたは青板ガラス等が特に好ましいものである。
カラーフィルタ層2は、所望される波長域の光のみを透過させる層である。カラーフィルタ層2は、完成した色変換フィルタにおいては、色変換層4にて波長分布変換されなかった光源からの光を遮断し、また色変換層4にて波長分布変換された光の色純度を向上させることに有効である。加えて、本実施形態のカラーフィルタ層2は、以下の工程(b)において、色素層3をパターニングして色変換層4を形成する際のマスクとして機能する。カラーフィルタ層2は、色素と感光性樹脂とを含む。色素としては、高い耐光性を有する顔料を用いることが好ましい。感光性樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光重合開始剤とからなる組成物、(2)ボリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物、および(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物(ナイトレンが発生して、オレフィンを架橋させる)、(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤とからなる組成物などを含む。たとえば、市販の液晶用カラーフィルタ材料(富士フイルムアーチ製カラーモザイクなど)を用いてカラーフィルタ層2を形成してもよい。
カラーフィルタ層2は、色素含有量に依存するが、1〜2.5μm、好ましくは1〜1.5μmの厚さを有する。この範囲の膜厚とすることで、高精細なパターニングが可能となり、工程(b)におけるマスクとしても完成時のフィルタとしても充分に機能する透過スペクトルを有することが可能となる。
色素層3は、色変換色素とマトリクス樹脂からなる層である。色変換色素は、入射光の波長分布変換を行って、カラーフィルタ層2が透過させる波長域の光を放射する色素であり、好ましくは近紫外光または青色〜青緑色の光の波長分布変換を行って、カラーフィルタ層2が透過させる波長域の光(たとえば、青色、緑色または赤色)を放射する色素である。所望される場合には、色変換色素は、カラーフィルタ層2が透過させる波長域の範囲内で波長分布変換を行ってもよい。また、色変換色素は、透明基板1を透過した光によって分解されるが、カラーフィルタ層2を透過した光によっては分解されない色素から選択される。ここで、透明基板1を透過した光によって分解される際に、着色分解物を生成しないことが重要である。特に、波長分布変換によって得られる波長域に吸収がないことが強く求められる。なぜなら、該波長域の光を吸収してしまうと、光変換効率の低下を招くからである。そして、該波長域の光を吸収しないとしても、着色分解物は得られる色変換フィルタに不要な着色をもたらすために好ましくない。
青色〜青緑色領域の光を吸収して、赤色光を発する色変換色素は、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウムパークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素を含む。
青色〜青緑色領域の光を吸収して、緑色光を発する色変換色素としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などを含む。
近紫外ないし可視領域の光を吸収して、青色光を発する蛍光色素としては、例えばクマリン466、クマリン47、クマリン2、およびクマリン102などのクマリン系色素が挙げられる。
前述の色素以外のものであっても、(1)所望の波長分布変換を行うことができ、(2)透明基板1を透過した光で分解されるが、カラーフィルタ層2を透過した光では分解されず、(3)光分解された時に着色分解物を生成しないことを条件として、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)を使用することができる。
色素層3に用いることが出来るマトリクス樹脂は、前述のカラーフィルタ層用感光性樹脂を硬化させたものに加えて、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル系樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂などの熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂;あるいはポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネートなどと、3官能性または4官能性のアルコキシシランとを含むポリマーハイブリッド等を含む。これらの樹脂の混合物をマトリクス樹脂として用いてもよい。
本発明において、用いられるマトリクス樹脂1g当たり0.2マイクロモル以上、好ましくは1〜20マイクロモル、より好ましくは3〜15マイクロモルの色変換色素を用いることが好ましい。また、色変換層4(すなわち、色素層3および平坦化層5)は、5μm以上、好ましくは7〜15μmの膜厚を有する。このような色素含有量および膜厚を有することにより、所望の強度の色変換された出力光を得ることが可能となる。さらに、所望されるならば、色変換層は複数種の色素を含んでもよい。
図1(b)の露光工程において、光がカラーフィルタ層2を通して色素層3に到達するように、露光は透明基板側から行われる。露光に用いられる光は、色素層中に含まれる色素を分解するが、カラーフィルタ層2によって吸収される波長成分を含む。たとえば、赤色の色変換層を作製する場合には、カラーフィルタ層2は赤色であり、露光は600nm以下の波長成分を含む光を用いる。同様に、緑色の色変換層を作製する場合には、カラーフィルタ層2は緑色であり、露光は500nm以下の波長成分を含む光を用いる。さらに、青色の色変換層を作製する場合には、カラーフィルタ層2は青色であり、露光は400nm以下の波長成分を含む光ないし近紫外線を用いる。それぞれの場合において、前述の波長成分を含む白色光を用いて露光を実施してもよい。
露光に用いられる光は、形成する色変換フィルタによって波長分布変換を行うことを予定する光の強度よりも著しく高い強度を有するべきであり、用いられる色変換色素などに依存するが、入射する透明基板表面において0.05W/cm以上、好ましくは1W/cm以上の強度を有することが望ましい。露光時間は、色変換色素の所望される分解の程度に依存し、当業者が適宜決定できる事項である。このように高い強度を有する光を用いることによって、所望される区域の色変換色素の分解を行うことが可能となる。
光源としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、白熱ランプ、放電灯、水銀灯、レーザーなど当該技術において知られている任意のものを用いてもよいが、ただし、前述の波長に関する条件を満たすものを選択すべきである。
前述の露光を行ったときに、カラーフィルタ層2の上の区域では色変換色素の分解は起こらないのに対して、カラーフィルタ層2が設けられていない区域においては色変換色素の分解が起こる。その結果、図1(c)に示すように、カラーフィルタ層2の上に色変換層4が形成され、カラーフィルタ層2が設けられていない区域には、色変換色素を含まない無色の平坦化層5が形成される。なお、本実施形態においては、色変換層4は最初に形成される色素層3と同一の組成を有する層である。
本発明の色変換フィルタの製造方法の第2の実施形態の色変換フィルタの製造方法は、透明基板上にn種のカラーフィルタ層を形成する工程と、前記n種のカラーフィルタ層上に(n−1)種の色変換色素を含む色素層を形成する工程と、色素分解光を用いて、前記透明基板および前記カラーフィルタ層を通して前記色素層を露光して、第m種のカラーフィルタ層に相当する位置に第m種の色変換層を形成する工程とを含み、ここで、nは、2〜6の整数であり、mは、1〜n−1の整数のそれぞれを表し、前記n種のカラーフィルタ層のそれぞれは、異なる波長域の光を透過させ、第m種の色変換色素は、第m種のカラーフィルタ層が透過させない光によって分解され、第m種の色変換層は、波長分布変換により第m種のカラーフィルタ層が透過する光を放射することを特徴とする。n=3の場合を図2に示す。
図2(a)は、透明基板1の上に、第1(赤色)のカラーフィルタ層2R、第2(緑色)のカラーフィルタ層2Gと、第3(青色)のカラーフィルタ層2Bと、第1の色変換色素R1および第2の色変換色素Y1を含む色素層3が設けられた積層体を示す。
第1の色変換色素R1は、波長分布変換により赤色光を放射する色素であり、好ましくは、近紫外光または青色〜青緑色の光の波長分布変換を行って、赤色光(600〜700nmの波長範囲内)を放射する色素である。また、第1の色変換色素R1は、600nm以下の波長成分を含む光によって分解される。第2の色変換色素Y1は、波長分布変換により緑色光(500〜600nmの波長範囲内)を放射する色素であり、好ましくは、近紫外光または青色〜青緑色の光の波長分布変換を行って、緑色光を放射する色素である。また、第2の色変換色素Y1は、500nm以下の波長成分を含む光によって分解される。色変換色素を含めて、本実施形態の積層体の各構成要素は、第1の実施の形態において説明した材料を用いて形成することができる。
図2(b)は、透明基板1および複数種のカラーフィルタ層2を通した露光工程を示す。露光に用いられる光は、少なくとも赤色変換色素R1と緑色変換色素Y1とを分解する成分を含み、具体的には、500〜600nmの波長成分と、500nm以下の波長成分とを含む。これらの波長成分を含む白色光を用いて、露光を実施してもよい。
露光の際、赤色カラーフィルタ層2Rは600nm以下の波長成分を透過させないので、赤色カラーフィルタ層2R上方に位置する色素層3においては、赤色変換色素R1も、緑色変換色素Y1も分解されない。したがって、赤色カラーフィルタ層2R上方に、R1およびY1を含む赤色変換層4Rが形成される。本実施形態における赤色変換層4Rにおいては、赤色変換色素R1のみによって赤色光への波長分布変換を行ってもよい。あるいはまた、緑色変換色素Y1から放射される緑色光を、赤色変換色素R1よって赤色光に波長分布変換してもよい。
また、緑色カラーフィルタ層2Gは500〜600nmの波長成分を透過させるが、500nm以下の波長成分を透過させない。したがって、緑色カラーフィルタ層2G上方に位置する色素層3においては、500〜600nmの波長成分によって赤色変換色素R1が分解されるが、緑色変換色素Y1は分解されない。したがって、緑色カラーフィルタ層2G上方に、Y1を含む緑色変換層4Gが形成される。本実施形態における緑色変換層4Gにおいては、緑色変換色素Y1のみによって緑色光への波長変換が行われる。
さらに、青色カラーフィルタ層2Bは400nm〜500nm以下の波長成分を透過させる。したがって、青色カラーフィルタ層2B上方に位置する色素層3においては、400〜500nmの波長成分によって赤色変換色素R1および緑色変換色素Y1が分解される。したがって、図2に示した例において青色カラーフィルタ層2G上方に形成される層4Bは、色変換色素を含まない。
上述の露光工程により得られる色変換フィルタを図2(c)に示した。カラーフィルタ層2が設けられていない部分は、400nm〜500nmの波長成分によって赤色変換色素R1および緑色変換色素Y1が分解され、色変換色素を含まない平坦化層5となる。この色変換フィルタに対して、色変換層4の側から青色ないし青緑色光を照射すると、赤色変換層4Rの波長分布変換による赤色光が赤色カラーフィルタ層2Rを通して放射され、緑色変換層4Gの波長分布変換による緑色光が緑色カラーフィルタ層2Gを通して放射される。また、青色カラーフィルタ層2Bを通して青色光が放射される。
本実施形態における色変換層4中の色変換色素の含有量、色変換層4の膜厚は、第1の実施形態のものと同様である。また、本実施形態においても、それぞれの色変換層が複数種の色素を含んでもよい。
本実施形態において、色素層3が、紫外線または可視光の波長分布変換によって青色光を放射する青色変換色素B1をさらに含んでもよい。青色変換色素B1としては、400nm以下の波長成分を含む光ないし近紫外線によって分解される色素を用いることが望ましい。
図2(b)の露光工程において、青色変換色素B1は、各カラーフィルタ層2R、2Gおよび2Bが設けられている部分では分解されない。したがって、青色変換層4Bは青色変換色素B1を含む層となる。また、色変換層4Rおよび4Gも、青色変換色素B1をさらに含む層となる。このとき、赤色変換色素R1および/または緑色変換色素G1は、青色変換色素B1の放射する青色光をさらに波長分布変換してもよい。さらに、露光に用いられる光源が400nm以下の波長成分を含む場合、カラーフィルタ層2が設けられていない部分において青色変換色素B1が分解されて、平坦化層5は色変換色素を含まない層となる。光源が400nm以下の波長成分を含まない場合、平坦化層5は青色変換色素4Bを含む層となる。
本実施形態の変形例を図3に示す。図3の例においては、2回の露光工程を用いて色変換フィルタを形成する。図3(a)に示した積層体は、図2(a)に示したものと同一である。図2(b)に示す第1露光工程では、500〜600nmの波長成分を含む光を用いる。該波長成分は、緑色カラーフィルタ層4Gを透過し、色素層3中の赤色変換色素R1を分解する。一方、赤色カラーフィルタ層2Rおよび青色カラーフィルタ層2Bはこの波長成分を透過させないので、2Rおよび2Bの上方に位置する色素層3において、赤色変換色素R1は分解されない。
次に、図2(c)に示す第2露光工程では、400〜500nmの波長成分を含む光を用いる。該波長成分は、青色カラーフィルタ層4Bを透過し、色素層3中の赤色変換色素R1および緑色変換色素Y1を分解する。一方、赤色カラーフィルタ層2Rおよび緑色カラーフィルタ層2Gはこの波長成分を透過させないので、2Rおよび2Gの上方に位置する色素層3において、赤色変換色素R1および緑色変換色素Y1は分解されない。
上記の2回の露光工程によって得られる図3(d)の色変換フィルタは、図2(c)のものと同一の構造を有する。本変形例においては、露光工程の回数が多くなるが、それぞれの露光工程において、より狭い発光波長域およびより高い強度を有する光源を使用することが可能となる。したがって、各露光工程の時間を短くすることが可能となる。なお、本変形例において、各露光工程の順番は固定されるものでなく、より短波長の波長成分による露光を先に実施してもよい。
また、本変形例においても、色素層3は、紫外線または可視光の波長分布変換によって青色光を放射する青色変換色素B1をさらに含んでもよい。その場合には、青色変換層4Bが青色変換色素B1を含む層となる。
以上のように、本実施形態の方法によって、フルカラー表示に必要なRGB三色を与える色変換フィルタが得られる。したがって、色変換層の位置に対応させて、独立的に制御可能な光源を複数配置することによって多色表示ディスプレイを形成することが可能となる。また、本実施形態においては、膜厚が薄く、かつ高精細に形成することが可能なカラーフィルタ層2をマスクとして用いるセルフアライメントによって、より短い工程で、所望の位置に色変換層4を形成することが可能となる。さらに、色変換層4および平坦化層5のマトリクス樹脂は、色素層3として形成された際のまま一体であるので、膜厚に比較して幅が狭い色変換層4を形成したとしても、色変換層4の変形などを抑制することができる。
本実施形態を、RGB三色の色変換層を形成する場合について説明したが、他の色を用いてもよいことは理解されるべきである。また、所望される場合には、2種または4種以上、好ましくは2〜6種の色変換層を形成してもよい。6種の色変換層を形成する場合、波長が長い順に第1〜第6の波長域の光を透過させる第1〜第6のカラーフィルタ層とし、波長分布変換により放射する光の波長が長い順に第1〜第5の色変換色素としたときに、第1の色変換色素が第2の波長域の光によって分解され、以下同様に、第5の色変換色素が第6の波長域の光によって分解されるようにすることが望ましい。第6の色変換色素をさらに含む場合、第6の色変換色素は第1〜第6の波長域の光によっては分解されないようにすることが望ましい。2〜5種の色変換層を形成する場合も同様である。
複数種の色変換層4を形成する場合には、ある区域のみにそれ以外の区域とは別の色変換層を設けて、いわゆるエリアカラー表示用色変換フィルタを行ってもよい。あるいはまた、たとえば矩形または円形形状を有するRGBの色変換層4を1組としてマトリクス状に配設することにより、あるいは平行するストライプ形状を有する色変換層4を1組として透明基板上に反復して配設することによって、ディスプレイ用の色変換フィルタを形成してもよい。ここで、特定の色変換層を、他の色の色変換層よりも多く(数的および面積的に)配置することもできる。あるいはまた、模様、サイン、文字、マークなどに従って複数種の色変換層を配設して、それらを表示するようにしてもよい。あるいはまた、微小の区域に分割された適当な面積比で配設される2種の色変換層4を用いて、単独の色変換層4では達成できない単一色を示すようにしてもよい。
さらに、本実施形態の方法において、色素層3を覆うガスバリア層を設けてもよい。ガスバリア層を形成するのに用いることが出来る材料は、可視域における高い透明性(400〜700nmの範囲において透過率50%以上)、100℃以上のTg、鉛筆硬度2H以上の表面硬度を示す材料であって、その下にある色素層3ないし色変換層4の機能を低下させることのない材料から選択することができる。ガスバリア層を形成するのに好ましい材料は、SiO、SiN、SiN、AlO、TiO、TaO、ZnOなどの無機酸化物または無機窒化物を含む。
さらに、本発明の方法においてガスバリア層を設ける場合には、ガスバリア層は、単層であってもよいし、複数の別個の材料を用いて複数層の積層構造を採ってもよい。ガスバリア層が複数層の積層構造をとる場合には、前述の無機酸化物または無機窒化物を複数層積層してもよい。あるいはまた、ガスバリア層表面の平坦性をより向上させることを目的として、前述の無機酸化物または無機窒化物の層と有機材料の層とを積層してもよい。用いることができる有機材料は、たとえば、イミド変性シリコーン樹脂(たとえば特許文献8〜10参照)、アクリル、ポリイミドまたはシリコーン樹脂中に分散された無機金属化合物(TiO、Al、SiOなど、特許文献11,12参照)、エポキシ変性アクリレート樹脂、反応性ビニル基を含むアクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーのような紫外線硬化型樹脂(特許文献13参照)、レジスト樹脂(特許文献1、14〜16参照)、無機化合物(ゾル−ゲル法により形成されてもよい、非特許文献1、特許文献17参照)、フッ素系樹脂などの光硬化型および/または熱硬化型樹脂(特許文献16、18参照)を含む。
上記のような材料からガスバリア層を形成する際には、たとえば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法など)、および湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法など)などの、当該技術において知られている任意の方法を用いてもよい。また、ガスバリア層を設ける場合には、視野角依存性(観察角度の変化による色相変化)を最小限にするために、ガス(酸素、水蒸気、有機溶剤蒸気など)に対する充分なバリア性を達成できる限りにおいて、ガスバリア層の膜厚が小さいことが好ましい。
本発明の第1の実施形態の方法により形成される色変換フィルタと、発光部(光源)とを組み合わせて色変換発光デバイスを形成することができる。発光部としては、近紫外から可視域、好ましくは青色から青緑色の光を発する任意の光源を用いることができる。そのような光源の例は、EL発光素子、プラズマ発光素子、冷陰極管、放電灯(高圧ないし超高圧水銀灯)、発光ダイオード(LED)などを含む。発光部は、色変換層4の側に配置される。あるいはまた、本発明の方法により形成される色変換フィルタの上に、発光部を直接積層してもよい。発光部を直接積層する場合、本発明の方法により形成される色変換フィルタの上面が平坦であることは、特に有利である。
本発明の色変換発光デバイスの一例として、色変換フィルタの貼り合わせによって形成されるトップエミッション方式の有機ELディスプレイを図4に示す。スイッチング素子としてTFT11があらかじめ形成されている基板10の上に、平坦化膜12、下部電極13、有機EL層14、上部電極15およびパッシベーション層16からなる有機EL素子が形成される。下部電極13は複数の部分に分割され、それぞれの部分がTFT11と1対1で接続される反射性電極であり、上部電極15は全面に均一に形成される透明電極である。有機EL素子を形成する各層は、当該技術において知られている材料および方法を用いて形成することができる。
一方、透明基板1の上に、青色、緑色および赤色のカラーフィルタ層2B、2Gおよび2Rと、青色、緑色および赤色変換層4B、4G、4Rとが形成されている。また、各カラーフィルタ層の間および周囲には、コントラスト向上を目的とするブラックマスク6が形成されている。このため、図4に示す例において、ブラックマスク6に相当する位置には、いずれの色素も分解されていない形成されたままの色素層3が存在し、平坦化層として機能する。
次に有機EL素子と色変換フィルタとを、それらの間に充填剤層22(任意選択的に設けてもよい層である)を形成しながら位置合わせをして貼り合わせ、最後に周辺部分を外周封止層(接着剤)21を用いて封止して、有機ELディスプレイが得られる。図4にはアクティブマトリクス駆動型のディスプレイを示したが、パッシブマトリクス駆動型の有機EL素子を用いてもよいことはもちろんである。
前述の有機EL層14は、近紫外から可視領域の光、好ましくは青色から青緑色領域の光を発する。その発光が色変換フィルタ層に入射して、所望される色を有する可視光へと波長分布変換される。有機EL層14は、少なくとも有機発光層を含み、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および/または電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子注入層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(上記において、陽極は有機発光層または正孔注入層に接続され、陰極は有機発光層または電子注入層に接続される)
上記各層の材料としては、公知のものが使用される。青色から青緑色の発光を得るためには、有機発光層中に、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。また、正孔注入層としては、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物またはm−MTDATAのようなトリフェニルアミン誘導体などを用いることができ、正孔輸送層としては、TPD、α−NPDのようなビフェニルアミン誘導体などを用いることができる。一方、電子輸送層としては、PBDのようなオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体などを用いることができ、電子注入層としてはアルミニウムのキノリノール錯体などを用いることができる。さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはそれらを含む合金、アルカリ金属フッ化物などを、電子注入層として用いてもよい。
本発明の第3の実施形態の色変換機能付カラーフィルタは、第1の実施形態の方法の中間体としても有用な透明基板1/カラーフィルタ層2/色素層3の積層体に相当する構造を有するものである。該構造において、色素層3は、光源からの入射光の色相を変化させる層として機能する。具体的には、色素層3中の色変換色素が入射光の一部の波長域の光を吸収して、吸収波長域と異なる波長域の光を放射し、色変換色素が吸収しなかった波長域の光および色変換色素が放射した光を組み合わせて、異なる色相の光を放出する。より具体的には、色素層3が入射光の一部の波長域の光を吸収して、該波長域と補色の関係にある光を放射するような構成を採れば、色素層3を出射する光を白色光とすることが出来る。たとえば、青緑色の光を入射光として用い、その青色の波長域の光の一部を色変換色素によって赤色光に変換することによって、白色光の出射が可能となる。
透明基板1およびカラーフィルタ層2は、第1の実施形態の記載と同様のものを用いることができる。色素層3についても、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
本実施形態において色素層3を出射する光を白色光とする場合には、使用する光源の発する光の波長分布を考慮して、用いる色変換色素の種類、吸収スペクトル、変換光の発光スペクトルおよび含有量、色素層3の膜厚を適宜選択するべきである。色変換色素としては、第1の実施形態において前述した赤色変換色素を用いることが望ましい。また、光源の発する光の波長分布にも依存するが、色素層3中に緑色変換色素を導入して、光源光の青色成分を減少させると同時に、緑色変換色素が発する緑色光を赤色変換色素によってさらに変換して赤色光への変換効率を高めて出射光中の赤色成分を増大させ、望ましい波長分布の白色光を得ることもできる。用いることのできる緑色変換色素は、第1の実施形態に記載のようなものである。
色素層3を出射する光を白色光とする場合には、色素層3中の色変換色素の含有量および色素層3の膜厚を調節して、光源光中の青色成分の減少量および出射光中の赤色成分の増加量を調節して、青色、緑色および赤色の各成分の強度を均等にして白色光を得ることができる。第1の実施形態の色素層3と比較した場合、本実施形態の色素層3は、一般的に、より薄い膜厚を有するか、より少ない色変換色素含有量を有するか、あるいはその両者を併用してもよい。
さらに、本実施形態の色素層3は、その下に存在する複数種のカラーフィルタ層2を覆うように形成されるので、周囲環境(湿度、酸素など)の影響からカラーフィルタ層2を保護する保護層としての機能も併せ持つものである。そして、色素層のパターニングが不要であるので、本実施形態の色変換機能付カラーフィルタは、製造工程の簡略化という点で有利であり、また第1の実施形態におけるのと同様の理由により、高精細化に有利である。
本実施形態の色変換機能付カラーフィルタにおいて、色素層3を覆うようにガスバリア層を設けてもよい。ガスバリア層として用いることのできる材料、構造および形成方法は、第1の実施形態に記載のものと同様である。
本実施形態の色変換機能付きカラーフィルタは、独立して制御可能で、かつ高い精細度でマトリクス状に配列することが可能な光源との組合せにおいて特に有用である。光源は、色素層3の側に配置される。たとえば、液晶シャッター付ライトバルブ、EL発光素子、プラズマ発光素子、発光ダイオード(LED)などと組み合わせることができ、好ましくはEL発光素子、特に好ましくは有機EL発光素子と組み合わせることができる。色素層3によって白色光を得る場合には、青色から青緑色の光を発する光源を用いることが好ましい。第1の実施形態の方法で形成される色変換フィルタの場合と同様に、本実施形態の色変換機能付カラーフィルタと、別の基板上に形成した有機EL発光素子とを貼り合わせて、トップエミッション方式の有機ELディスプレイを作製することが可能である。
さらに、本実施形態の色変換機能付カラーフィルタは、透明基板1上に複数種(2〜6種、好ましくは3種、特に青色、緑色および赤色の3種)のカラーフィルタ層2を用いてマトリクス状の画素(各色に対応する複数の副画素から構成される)を設けるディスプレイ用カラーフィルタとして特有の利点を有するものである。この形態においては、マトリクス状に設けられる副画素に対応する位置の独立制御可能な光源を発した光は、色素層3で色相を変化させられて白色光となり、副画素のカラーフィルタ層2に入射する。したがって、それぞれの副画素の色に対応する色変換層を設けた場合とは異なり、各色のカラーフィルタ層のそれぞれに同一の光が入射するので、光源を駆動する際にそれぞれの色の色変換層の色変換の効率を考慮する必要をなくし、光源の駆動回路の単純化による低コスト化が可能となる。さらに、マトリクス状に配置される光源のそれぞれを同一条件で駆動することができるので、長時間の駆動時に特定の色に対応する光源のみが劣化することを抑制して、長期にわたって表示色相を維持することが可能となる。
(実施例1)
透明ガラス基板1上に、青色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCB−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、線幅0.1mm、線間隔0.33mm、膜厚2μmの、縦方向に延びるラインパターン状の青色カラーフィルタ層2Bを形成した。
青色カラーフィルタ32Bを形成した支持基板1上に、緑色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCG−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、線幅0.1mm、線間隔0.33mm、膜厚2μmの、縦方向に延びるラインパターン状の緑色カラーフィルタ層2Gを形成した。
次に、赤色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCR−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、線幅0.1mm、線間隔0.33mm、膜厚2μmの、縦方向に延びるラインパターン状の赤色カラーフィルタ層2Rを形成した。
次に、クマリン6(0.1質量部)、ローダミン6G(0.3質量部)およびベーシックバイオレット11(0.3質量部)を、プロピレングリコールモノエチルアセテート溶剤(120質量部)に溶解させた蛍光変換色素溶液を調製した。該溶液に対して、100質量部の光重合性樹脂「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)を添加して溶解させ、塗布液を得た。この塗布液をスピンコート法にて塗布し、加熱乾燥して膜厚7μmの色素層3を形成した。ここで、クマリン6が緑色変換色素であり、ローダミン6Gおよびベーシックバイオレット11が赤色変換色素である。
次に、透明基板1の側に配置したカーボンアーク灯(白色光源)を用いて、露光を行った。透明基板表面における光強度は、1W/cmであった。ここで、カラーフィルタ層および色素層をガラス基板上に積層したサンプルを別途形成し、該サンプルの色変換色素の光分解挙動を検討し、該色素の吸収強度が初期の1/10になるまでの時間を、本実施例における露光時間として用いた。露光の結果、赤色カラーフィルタ層2R上に、ローダミン6Gおよびベーシックバイオレット11を含む赤色変換層4Rが形成され、緑色カラーフィルタ層2G上に、クマリン6を含む緑色変換層4Gが形成された。青色カラーフィルタ層2B上、およびカラーフィルタ層が設けられていない領域では、色素層3中の各色素が分解された。
得られた色変換フィルタにおいて、色変換層4Rおよび4Gは、対応するカラーフィルタ層2Rおよび2Gの位置に設けられており、色変換層の変形などは認められなかった。
(実施例2)
透明基板10上に、ブラックマスク材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCK−7000)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、縦方向0.33mm×横方向0.09mmの複数の開口部を有する、膜厚1.5μmのブラックマスク4を得た。開口部間の間隔は、縦横ともに0.03mmとした。
次に、青色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCB−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、線幅0.1mm、線間隔0.33mm、膜厚2μmの、縦方向に延びるラインパターン状の青色カラーフィルタ層32Bを形成した。
青色カラーフィルタ32Bを形成した支持基板1上に、緑色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCG−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、線幅0.1mm、線間隔0.33mm、膜厚2μmの、縦方向に延びるラインパターン状の緑色カラーフィルタ層32Gを形成した。
次に、赤色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCR−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、線幅0.1mm、線間隔0.33mm、膜厚2μmの、縦方向に延びるラインパターン状の赤色カラーフィルタ32Rを形成した。
次に、クマリン6(0.1質量部)、ローダミン6G(0.3質量部)およびベーシックバイオレット11(0.3質量部)を、プロピレングリコールモノエチルアセテート溶剤(120質量部)に溶解させた蛍光変換色素溶液を調製した。該溶液に対して、100質量部の光重合性樹脂「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)を添加して溶解させ、塗布液を得た。この塗布液をスピンコート法にて塗布し、加熱乾燥して膜厚7μmの色素層3を形成した。ここで、クマリン6が緑色変換色素であり、ローダミン6Gおよびベーシックバイオレット11が赤色変換色素である。
次に、透明基板1の側に配置したカーボンアーク灯(白色光源)を用いて、露光を行った。透明基板表面における光強度は、1W/cmであった。ここで、カラーフィルタ層および色素層をガラス基板上に積層したサンプルを別途形成し、該サンプルの色変換色素の光分解挙動を検討し、該色素の吸収強度が初期の1/10になるまでの時間を、本実施例における露光時間として用いた。露光の結果、赤色カラーフィルタ層2R上に、ローダミン6Gおよびベーシックバイオレット11を含む赤色変換層4Rが形成され、緑色カラーフィルタ層2G上に、クマリン6を含む緑色変換層4Gが形成された。青色カラーフィルタ層2B上の層4Bでは、いずれの色素も分解された。
得られた色変換フィルタにおいては、ブラックマスクを含めて0.36mm×0.36mmの寸法を有するピクセルがマトリクス状に配列されており、各ピクセルは、縦方向0.33mm×横方向0.09mmのRGBのサブピクセルから構成された。
TFT11、および該TFTのソース電極部分を開口した絶縁性の平坦化膜12をあらかじめ設けたガラス基板10上に、マスクを用いるスパッタ法にて厚さ500nmのAlおよび厚さ100nmのIZOを積層して、TFT11のそれぞれと1対1に対応する複数の部分に分割された第1電極13を形成した。第1電極13のそれぞれの部分は縦方向0.33mm×横方向0.09mmの寸法を有し、縦横ともに0.03mmの間隔をおいてマトリクス状に配列された。
続いて、第1電極13を形成した基板を抵抗加熱蒸着装置内に装着して、有機EL層14を形成した。有機EL層14は、正孔注入層/正孔輸送層/有機EL発光層/電子注入層の4層構成とした。真空槽内圧を1×10−4Paまで減圧し、厚さ100nmの銅フタロシアニン(CuPc、正孔注入層)、厚さ20nmの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD、正孔輸送層)、厚さ30nmの4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi、有機EL発光層)、および厚さ20nmのアルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq、電子注入層)を、真空を破ることなく積層して、有機EL層80を得た。さらに真空を破ることなしに、厚さ10nmのMg/Ag(質量比10:1)および厚さ10nmのIZOを積層して、第2電極15を形成した。
最後に第2電極以下の構造を覆うように、膜厚500nmのSiOからなるパッシベーション層を形成して、有機EL発光素子を得た。
次に、色変換フィルタを、水分濃度1ppm、酸素濃度1ppmに管理されたグローブボックス内に搬入した。そして、色変換フィルタの透明基板1の外周部に、ディスペンサーロボットを用いて、直径20μmのビーズを分散させた紫外線硬化型接着剤(スリーボンド社製、商品名30Y−437)を、外周封止層21として塗布した。アライメントを行いながら、色変換フィルタおよび有機EL発光素子を接着して集成体を形成した。続いて、UVランプを用いて、100mW/cmの紫外線を30秒間にわたって照射して、外周封止層11を硬化させて有機ELディスプレイを得た。
(実施例3)
本実施例は、本発明の第3の実施形態において用いられる色素層2の効果を例示するためのものである。
フォトレジストV259PAP5(新日鐵化成工業株式会社製)25gに対して、0.05gのクマリン6および0.04gのローダミンBを添加し、塗布液を得た。これを、透明基板(コーニング製1737ガラス基板)上面に塗布して、膜厚2μmの色素層を得た。
次に、スパッタ法を用いて、色素層を覆うように膜厚0.5μmのSiO膜からなるガスバリア層を形成して、色素層基板を得た。スパッタ装置としてRF−プレーナマグネトロン型装置、ターゲットとしてSiO、スパッタガスとしてArを用いた。SiO膜形成時の基板温度を80℃に設定した。
別個の基板上に、陽極(膜厚500nmのAlと膜厚100nmのITOとの積層体)、有機EL層、陰極(膜厚10nmのMg/Ag(質量比10/1)と膜厚10nmのITOとの積層体)を形成して、有機EL素子を得た。有機EL層は、陽極側から、膜厚100nmのCuPc、膜厚20nmのα−NPD、膜厚30nmのDPVBi、および膜厚20nmのAlqの積層構造とした。得られた有機EL素子は、CIEのXYZ座標系において、青緑色光を発した。
上記のように得られた色素層基板と有機EL素子とを、ガスバリア層と透明陽極とが対向するように配置して、有機EL素子を発光させた。色素層を透過して出射した光は、(x、y)=(0.30、0.33)の色度値を有し、可視域に広い波長分布を有した。
(実施例4)
透明基板(コーニング製1737ガラス基板)上に、ブラックマスク材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCK−7000)、青色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCB−7001)、緑色フィルタ材料、および赤色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCR−7001)を用い、フォトリソグラフ法にてカラーフィルタ層およびブラックマスクを作製した。
ここで、各副画素の寸法を300μm×100μmとし;隣接する副画素間のギャップ(すなわち、ブラックマスクが形成される領域)を縦方向30μm、横方向10μmとし;青色、緑色および赤色の副画素の組が1つの画素を形成するように配列した。また、縦方向に50画素、横方向に50画素を配列し、合計2500画素とした。各カラーフィルタ層の膜厚は、青色および赤色について1μm、緑色については2ミクロンとした。
次に、フォトレジストV259PAP5(新日鐵化成工業株式会社製)25gに対して、0.05gのクマリン6および0.04gのローダミンBを添加し、塗布液を得た。これを、カラーフィルタ層およびブラックマスクの上面に塗布して、膜厚2μmの色素層を得た。
次に、スパッタ法を用いて、色素層を覆うように膜厚0.5μmのSiO膜からなるガスバリア層を形成して、色変換機能付カラーフィルタを得た。スパッタ装置としてRF−プレーナマグネトロン型装置、ターゲットとしてSiO、スパッタガスとしてArを用いた。SiO膜形成時の基板温度を80℃に設定した。
別個のガラス基板上に、スパッタ法およびフォトリソグラフ法を用いて、膜厚500nmのAlおよび膜厚100nmのITOからなる第1電極(反射性の陽極)を形成した。第1電極は、縦方向に延びるストライプパターンを有し、各ストライプの幅を105μmとし、ピッチが110μm(隣接するストライプ間の間隔が5μm)となるように配列した。
次に、第1電極を形成した基板を抵抗加熱蒸着装置内に配置し、10−4Paの真空槽内圧において、正孔注入層として膜厚100nmのCuPc、正孔輸送層として膜厚20nmのα−NPD、発光層として膜厚30nmのDPVBi、および電子注入層として膜厚20nmのAlqを積層して、有機EL層を形成した。
そして、マスクを用いて、有機EL層の上に膜厚10nmのMg/Ag(質量比10/1)および膜厚10nmのITOからなる第2電極を積層した。第2電極は、横方向に延びるストライプパターンを有し、各ストライプの幅を300μmとし、ピッチが330μm(隣接するストライプ間の間隔が30μm)となるように配列した。
最後に第2電極以下の構造を覆うように、膜厚500nmのSiOからなるパッシベーション層を形成して、有機EL発光素子を得た。
次に、色変換機能付カラーフィルタおよび有機EL発光素子を、水分濃度1ppm、酸素濃度1ppmに管理されたグローブボックス内に搬入した。そして、色変換機能付カラーフィルタの透明基板の外周部に、ディスペンサーロボットを用いて、直径20μmのビーズを分散させた紫外線硬化型接着剤(スリーボンド社製、商品名30Y−437)を、外周封止層として塗布した。アライメントを行いながら、色変換機能付カラーフィルおよび有機EL発光素子を接着して集成体を形成した。続いて、100mW/cmの紫外線を30秒間にわたって照射して、外周封止層を硬化させて有機ELディスプレイを得た。
以上のように作製した有機ELディスプレイの発光特性を測定した。具体的には、全画素を点灯させた場合(W)の色度値、および各色に対応する副画素のみを点灯させた場合(R,G,B)の色度値および輝度比(全画素を点灯させた場合を100とする相対値)を測定した。結果を第1表に示す。
Figure 0004419130
本発明の第1の実施形態の色変換フィルタの製造方法を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態の色変換フィルタの製造方法を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態の色変換フィルタの製造方法の変形例を示す概略図である。 本発明の方法により製造される色変換フィルタを用いて形成される色変換発光デバイスの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2(R,G,B) カラーフィルタ層(赤色、緑色、青色)
3 色素層
4(R,G,B) 色変換層(赤色、緑色、青色)
5 平坦化層
6 ブラックマスク
10 基板
11 TFT
12 平坦化膜
13 第1電極
14 有機EL層
15 第2電極
16 パッシベーション層
21 外周封止層
22 充填剤層

Claims (21)

  1. 透明基板上にカラーフィルタ層を形成する工程と、
    前記カラーフィルタ層上に色変換色素を含む色素層を形成する工程と、
    色素分解光を用いて、前記透明基板および前記カラーフィルタ層を通して前記色素層を露光して、前記カラーフィルタ層に相当する位置に色変換層を形成し、前記カラーフィルタ層が設けられていない区域に前記色変換色素を含まない平坦化層を形成する工程と
    を含み、ここで、
    前記色変換色素は、前記カラーフィルタ層が透過する波長域以外の光によって分解され、
    前記色素分解光は、前記色変換色素を分解する波長成分を含み、
    前記色変換層は、波長分布変換により前記カラーフィルタ層が透過する光を放射する
    ことを特徴とする色変換フィルタの製造方法。
  2. 前記色素分解光は、白色光であることを特徴とする請求項1に記載の色変換フィルタの製造方法。
  3. 透明基板上にn種のカラーフィルタ層を形成する工程と、
    前記n種のカラーフィルタ層上に(n−1)種の色変換色素を含む色素層を形成する工程と、
    色素分解光を用いて、前記透明基板および前記カラーフィルタ層を通して前記色素層を露光して、第m種のカラーフィルタ層に相当する位置に第m種の色変換層を形成する工程と
    を含み、ここで、
    nは、2〜6の整数であり、
    mは、1〜n−1の整数のそれぞれを表し、
    前記n種のカラーフィルタ層のそれぞれは、異なる波長域の光を透過させ、
    第m種の色変換色素は、第m種のカラーフィルタ層が透過させない光によって分解され、
    第m種の色変換層は、波長分布変換により第m種のカラーフィルタ層が透過する光を放射し、
    前記色素分解光は、前記(n−1)種の色変換色素を分解する波長成分の全てを有する
    ことを特徴とする色変換フィルタの製造方法。
  4. 第(m+1)種のカラーフィルタ層は、第m種のカラーフィルタ層よりも短波長の光を透過させ、第m種の色変換色素は、第m種のカラーフィルタ層が透過する光よりも短波長の光によって分解されることを特徴とする請求項3に記載の色変換フィルタの製造方法。
  5. 前記色素分解光は、白色光であることを特徴とする請求項3に記載の色変換フィルタの製造方法。
  6. 前記色素層は、第n種の色変換色素をさらに含み;前記露光により第n種のカラーフィルタ層に相当する位置に第n種の色変換層が形成され;第n種の色変換色素は、第n種のカラーフィルタ層が透過させない光によって分解され;第n種の色変換色素は、波長分布変換により第n種のカラーフィルタ層が透過する光を放射する
    ことを特徴とする請求項3に記載の色変換フィルタの製造方法。
  7. 第(m+1)種のカラーフィルタ層は、第m種のカラーフィルタ層よりも短波長の光を透過させ、第m種の色変換色素は、第m種のカラーフィルタ層が透過する光よりも短波長の光によって分解され、第n種の色変換色素は、第n種のカラーフィルタ層が透過する光よりも短波長の光によって分解されることを特徴とする請求項6に記載の色変換フィルタの製造方法。
  8. 前記色素分解光は、前記(n−1)種の色変換色素を分解する波長成分の全てを有することを特徴とする請求項7に記載の色変換フィルタの製造方法。
  9. 前記色素分解光は、近紫外成分を含む白色光であることを特徴とする請求項8に記載の色変換フィルタの製造方法。
  10. 透明基板上にn種のカラーフィルタ層を形成する工程と、
    前記n種のカラーフィルタ層上に(n−1)種の色変換色素を含む色素層を形成する工程と、
    色素分解光を用いて、前記透明基板および前記カラーフィルタ層を通して前記色素層を露光して、第m種のカラーフィルタ層に相当する位置に第m種の色変換層を形成する工程と
    を含み、ここで、
    nは、2〜6の整数であり、
    mは、1〜n−1の整数のそれぞれを表し、
    前記n種のカラーフィルタ層のそれぞれは、異なる波長域の光を透過させ、
    第m種の色変換色素は、第m種のカラーフィルタ層が透過させない光によって分解され、
    第m種の色変換層は、波長分布変換により第m種のカラーフィルタ層が透過する光を放射し、
    前記露光は複数回にわたって実施され、第m種の色変換色素を分解する波長成分が、前記複数回の露光に用いられる色素分解光のいずれかに含まれている
    ことを特徴とする色変換フィルタの製造方法。
  11. 前記露光は(n−1)回にわたって実施され、第m回目の露光は、第m種の色変換色素を分解する波長成分を含む光を用いて実施されることを特徴とする請求項10に記載の色変換フィルタの製造方法。
  12. 前記色素層は、第n種の色変換色素をさらに含み;前記露光により第n種のカラーフィルタ層に相当する位置に第n種の色変換層が形成され;第n種の色変換色素は、第n種のカラーフィルタ層が透過させない光によって分解され;第n種の色変換色素は、波長分布変換により第n種のカラーフィルタ層が透過する光を放射する
    ことを特徴とする請求項10に記載の色変換フィルタの製造方法。
  13. 第(m+1)種のカラーフィルタ層は、第m種のカラーフィルタ層よりも短波長の光を透過させ、第m種の色変換色素は、第m種のカラーフィルタ層が透過する光よりも短波長の光によって分解され、第n種の色変換色素は、第n種のカラーフィルタ層が透過する光よりも短波長の光によって分解されることを特徴とする請求項12に記載の色変換フィルタの製造方法。
  14. 前記露光は複数回にわたって実施され、第k種(kは、1〜nの整数のそれぞれを表す)の色変換色素を分解する波長成分が、前記複数回の露光に用いられる色素分解光のいずれかに含まれていることを特徴とする請求項12または13に記載の色変換フィルタの製造方法。
  15. 前記露光はn回にわたって実施され、第k回目の露光は、第k種の色変換色素を分解する波長成分を含む光を用いて実施されることを特徴とする請求項14に記載の色変換フィルタの製造方法。
  16. 透明基板と、
    透明基板上に形成されたn種(nは2〜6の整数である)のカラーフィルタ層と、
    少なくとも1つの色変換色素を含み、前記n種のカラーフィルタ層を覆って一体に形成される色素層と
    を具え、
    前記色素層は、前記透明基板および前記カラーフィルタ層を通した露光により、前記カラーフィルタ層とセルフアライメントしており、
    前記少なくとも1つの色変換色素は、(a)入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射し、(b)前記透明基板を透過した光により分解されるが、前記カラーフィルタ層を透過した光によっては分解されず、(c)光により分解される際に着色分解物を生成しないことを特徴とする色変換機能付カラーフィルタ。
  17. 前記色素層は、前記少なくとも1つのカラーフィルタの保護層としても機能することを特徴とする請求項16に記載の色変換機能付カラーフィルタ。
  18. 前記色素層への入射光が青色ないし青緑色光であり、前記少なくとも1つの色変換色素が赤色光を放射することを特徴とする請求項16に記載の色変換機能付カラーフィルタ。
  19. 前記色素層を出射する光が白色光であることを特徴とする請求項16に記載の色変換機能付カラーフィルタ。
  20. 前記色素層において、前記少なくとも1つの色変換色素は樹脂中に分散されていることを特徴とする請求項16に記載の色変換機能付カラーフィルタ。
  21. 前記色素層を覆うガスバリア層をさらに具えたことを特徴とする請求項16に記載の色変換機能付カラーフィルタ。
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