JP4417723B2 - ヘッドループdnaの増幅 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳型分子、特に核酸の選択的増幅に関する。特定の態様では本発明は、DNAを増幅させるための方法、およびその方法で使用するための新規なプライマーに関するが、これらだけには限らない。本発明は、本発明の方法の具体的な適用例にも及ぶ。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、二本鎖DNAの変性、次にオリゴヌクレオチドプライマーのDNA鋳型へのアニーリング、DNAポリメラーゼによるプライマーの伸長の反復サイクルに基づく(例えばMullis他の米国特許第4,683,195号、第4,683,202号および第4,800,159号を参照のこと)。PCRで使用するオリゴヌクレオチドプライマーは、DNAの反対側の鎖をアニーリングするために設計されており、DNAポリメラーゼ触媒による1つのプライマーの伸長産物が、他のプライマー用の鋳型の鎖として働くことができるように配置される。PCR増幅法によって、別個のDNAの指数的増加がもたらされ、その長さはオリゴヌクレオチドプライマーの5'末端によって定義される。
その開示の全容が参照により本明細書に組み込まれている、2003年2月25日に出願された「核酸の増幅」という表題の本発明者らの同時係属の国際出願において、本発明者らは、非標的核酸中の逆向き反復配列である領域を含むプライマーを使用して、核酸を選択的に増幅させるための方法を記載する。
DNAのPCR増幅における特異性は、アニーリングステップを行う温度と組み合わせた、プライマーの配列によって主に決定される。密接に関連がある配列に関しては、選択的増幅をもたらすために、他の手法が取り入れられてきている。配列の違いが制限酵素部位に対応する場合、制限酵素による消化を使用して、不必要な配列を切断し、その増幅を妨げることができる。増幅を抑制する他の方法は、増幅させるかつ/またはプライマーの1つの結合部位を重複する領域内で、DNA鎖の1つとアニーリングするオリゴヌクレオチドまたはPNA(ペプチド核酸)分子を使用して、DNA合成の開始または延長を妨げることである。このようなオリゴヌクレオチドは、2つの関連配列の1つと優先的にアニーリングし増幅を抑制するために、設計されている。
本発明者らは、標的および抑制配列上を、プライミングし、伸長させることができるPCRプライマーを使用しながら、1つまたは複数の密接に関連がある配列の増幅を選択的に抑制するための、新規な方法を以下に記載する。
Mullis他の米国特許第4,683,195号 Mullis他の米国特許第4,683,202号 Mullis他の米国特許第4,800,159号 2003年2月25日に出願された「核酸の増幅」という表題の本発明者らの同時係属の国際出願 国際特許出願公開no.WO99/55905 米国特許第4,458,068号 V Potaman BioTechniques 27 1110〜1114(1999) Devon他、Nucleic Acids Res.23:1644(1995) Herman他、Proc Natl Acad Sci U S A.93:9821〜6(1996)
第1の態様では、本発明は、標的核酸および少なくとも1つの非標的核酸を含むサンプル中の、標的核酸を選択的に増幅させるための方法であって、
標的および非標的核酸上においてプライミングし伸長させることができるプライマー領域、および
少なくとも1つの非標的核酸の増幅産物の内部配列の逆向き反復であるが、存在するならば、標的核酸の増幅産物の対応する内部配列が存在に対して少なくとも1つのミスマッチを含む領域
を含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーによって、核酸を増幅させることを含む方法を提供する。
逆向き反復は、プライマーの5'末端の伸長であることが好ましい。
第1の態様のプライマーは、「ヘッドループプライマー」とも呼ばれる。
本発明の方法は、1つのプライマーの使用を含むことができるが、増幅は「指数的」であることが好ましく、したがって一般に「フォワード」および「リバース」プライマーと呼ばれる1対のプライマーを使用することができ、これらのプライマーの1つは核酸鎖と相補的であり、そのもう1つはその鎖の相補鎖と相補的である。1対の増幅プライマーを使用する場合、1つまたは両方のプライマーは、逆向き反復配列を含むことができる。
増幅は、例えばPCRなどの任意の適切な増幅技法によって、行うことができる。PCRはリアルタイムPCRであってよい。
逆向き反復部分を除いたプライマーの長さは、増幅法に適した任意の長さ、典型的には約15塩基と35塩基の間であってよい。
プライマーの逆向き反復部分(あるいは本明細書ではヘッドと呼ぶ)は、増幅のアニーリングおよび伸長の条件下においてマッチング配列をプライミングすることができる充分な数個のヌクレオチドを、典型的には約5塩基〜30塩基の範囲で含むことができる。
本発明の方法には、2つ以上の密接に関連がある配列からの、標的配列の選択的増幅における特定の用途がある。
したがって、第2の態様では、本発明は、標的核酸および少なくとも1つの密接に関連がある非標的核酸を含むサンプル中の、標的核酸を選択的に増幅させるための方法であって、
標的および非標的核酸をプライミングし、伸長させることができるプライマー領域、および
少なくとも1つの非標的核酸の増幅産物の内部配列の逆向き反復であるが、存在するならば、標的核酸の対応する内部配列に対して少なくとも1つのミスマッチを含む領域
を含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーによって、核酸を増幅させることを含む方法を提供する。
本発明の一実施形態では、核酸はメチル化核酸であってよい。したがって、本発明の方法を使用して、メチル化DNAまたは非メチル化DNAの選択的増幅を可能にすることができる。
したがって、第3の態様では、本発明は、第1の態様または第2の態様に従った方法であって、標的核酸および非標的核酸を、増幅前の核酸の化学的修飾によって形成する方法を提供する。
例えば、この方法を重亜硫酸ナトリウムで化学的に修飾したDNAに適用して、非メチル化配列を抑制しながらメチル化DNAの選択的増幅を行うことができる。メチル化DNAは、ヒト遺伝子、例えばGSTP1遺伝子の配列であってよい。国際特許出願公開no.WO99/55905(関連出願により、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている)中に、本発明者らは、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)Pi遺伝子および/またはその制御フランキング配列中の1つまたは複数の部位におけるシトシンの異常なメチル化によって特徴付けられる、疾患または状態(例えば前立腺癌、肝臓癌、および乳癌)の診断または予後アッセイを開示する。
WO99/55905中に記載されたアッセイは、GSTP1遺伝子および/またはその制御フランキング配列中の1つまたは複数の部位におけるメチル化シトシンに特異的な、メチル化特異的プライマーを使用することに基づく。対照的に、本発明の方法は、標的および非標的核酸の両方をプライミングすることができるが、標的核酸を増幅させるために、非標的核酸の増幅産物の内部配列の逆向き反復である領域を含むプライマーの使用に選択性を有するプライマーの使用に基づく。したがって本発明の方法によって、WO99/55905中に記載されたメチル化特異的プライマーの方法の代替法が与えられる。
したがって、さらに第4の態様では、本発明は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)Pi遺伝子および/またはその制御フランキング配列中の1つまたは複数の部位におけるシトシンの異常なメチル化のアッセイである。本アッセイは、
標的領域が異常なシトシンのメチル化が起こる1つまたは複数の部位であり、
単離DNA中の標的領域およびメチル化されていない非標的領域上を、プライミングし、伸長させることができるプライマー領域、および、非標的領域の増幅産物の内部配列の逆向き反復であるが、標的領域の対応する内部配列に対する少なくとも1つのミスマッチを含む領域を含む、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用して増幅を行う、
GSTP1遺伝子および/またはその制御用フランキング配列中の標的領域を増幅させるための反応物および条件に単離DNAを曝すこと、および、増幅DNAの存在を決定することを含むアッセイを提供する。
標的領域は、-43〜+55CpG部位によって規定される(を含めた)、GSTP1遺伝子および/またはその制御フランキング配列の領域内に存在する、核酸配列であってよい。
本発明の第4の態様である単離DNAに、化学的修飾を施して、非メチル化シトシンをウラシルに変換することができる。化学的修飾は、重亜硫酸塩処理によって行うことができる。
第4の態様のアッセイは、対象の疾患または状態の診断または予後アッセイとして使用することができ、前記疾患または状態はシトシンの異常なメチル化によって特徴付けられる。疾患または状態は癌であってよい。癌は例えば前立腺癌、肝臓癌、または乳癌であってよい。
以下に記載する特定の例では、本発明の方法を、過剰の非メチル化配列中に存在するメチル化DNAを、選択的に増幅させるために使用する。重亜硫酸ナトリウムで処理した後、シトシン(C)をウラシル(U)に変換し、一方メチルシトシンは変換されない状態のままである。この場合ヘッド配列は、非メチル化DNA断片の重亜硫酸塩による変換から生じることが予想される、下流配列の逆向き反復であるように設計する。コピーされた後、加えられた配列によって、非メチル化DNAに由来する断片上でセルフプライミングが引き起こされ、非メチル化断片の増幅の阻害がもたらされる。(メチル化DNAの場合、重亜硫酸塩による変換が起こらない)数個のCpG部位を含む下流配列を選択するので、セルフプライミングを可能にするのに不充分な相補性が存在し、したがってメチル化DNA断片の増幅はほとんど、あるいは全く阻害されない。
本発明の方法は、他の状況、例えば対立遺伝子のバリアント(allelic variants)またはミューテーション(mutations)、および遺伝子ファミリーのメンバーを識別するために使用することもできる。野生型配列の増幅を抑制しながら、短い配列領域内に変異を含むDNAを増幅させることができる(例えば腫瘍抑制遺伝子)。
本発明は、優勢種の配列の増幅を抑制することにより、環境中の劣勢種の(例えば細菌の)DNAの選択的増幅にも適用することができる。
第5の態様では、本発明は、鋳型増幅用のオリゴヌクレオチドプライマーを含み、このプライマーは非標的増幅産物中の核酸配列の逆向き反復を含むが、標的核酸の対応する配列とミスマッチがある。
本発明はさらにキットを含み、このキットは、本発明の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを含む。
本発明は、このようなプライマー、およびこのようなアッセイを行うためのキットを使用する、増幅法およびアッセイも含む。
用語
本出願で使用する、用語「プライマー」および「プライマー領域」は、ヌクレオチドおよび重合剤の存在下において合成の開始点として働くことができる、オリゴヌクレオチドを指す。プライマーは一本鎖であることが好ましいが、二本鎖であってもよい。プライマーが二本鎖である場合、それらの鎖は、増幅反応前に分離させる。本発明で使用するプライマーは、それらが増幅させる異なる鎖の配列と充分相補的であり、したがってプライマーが、増幅反応条件下においてその配列の鎖とハイブリダイズすることができるように選択する。したがって、非相補的塩基または配列をプライマー中に含めることができる。ただしそのプライマーは、当該の配列と充分相補的であり、その配列とハイブリダイズするものとする。
オリゴヌクレオチドプライマーは、当分野でよく知られている方法によって作製することができ、あるいは生物源から単離することができる。固形支持体上でオリゴヌクレオチドプライマーを合成するための1つの方法が、米国特許第4,458,068号中に開示されており、その開示は参照により本出願に組み込まれている。
用語「PCR」は、ポリメラーゼ連鎖反応を指し、これは熱サイクル式の、ポリメラーゼを用いたDNA増幅反応である。PCRは典型的には、核酸、核酸のそれぞれの鎖と相補的なオリゴヌクレオチドプライマー、耐熱性DNAポリメラーゼ、およびデオキシリボヌクレオチドを含み、元の核酸の増幅を行うために多数回繰り返される3つの異なる方法を含む。この3つの方法(変性、ハイブリダイゼーション、およびプライマー伸長)は、異なる温度において、異なる一時的なステップで行われることが多い。しかしながら、多くの実施形態で、ハイブリダイゼーションとプライマー伸長法は、同時に行うことができる。
「核酸」は、特異的な同一性の分子を指し、これは相補的な分子を合成するための鋳型として働くことができる。
「核酸」はDNAまたはRNA、例えば二本鎖または一本鎖DNAまたはRNA、あるいは二本鎖DNA-RNAハイブリッドおよび/またはその類似体および誘導体であってよい。詳細には「核酸」は、2つのプライマー間の、およびそれらを含めた配列を指す。核酸の個々の配列は、ヒト、哺乳動物、脊椎動物、昆虫、細菌、真菌、植物およびウイルスを含めた任意のいくつかの源に由来するものであってよい。いくつかの実施形態では、標的核酸は、疾患または癌の予後および/または診断などの医学または法医学目的、選択的な種の単離、DNAフィンガープリントなどだけには限られないが、これらを含めた目的で、その有無を利用することができる核酸である。任意の核酸は本発明を使用して増幅させることができる。ただし、配列の両端の充分な数の塩基が知られており、したがって、増幅させる配列の異なる鎖とハイブリダイズするであろう、オリゴヌクレオチドプライマーを作製することができるものとする。PCRにおいては、「標的核酸」は、反応に加える核酸の断片または画分であってよい。「非標的核酸」は、他の種からの核酸、同じ種の他の遺伝子、または任意の他の関連源の均等な領域である。
用語「デオキシリボヌクレオシド三リン酸」は、dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPまたは他の類似体を指す。
本出願で使用する、用語「重合剤」は、それを使用してプライマーの伸長産物を合成することができる、任意の化合物または系を指す。適切な化合物には、耐熱性ポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ断片、T4DNAポリメラーゼ、T7DNAポリメラーゼ、T.litoralisのDNAポリメラーゼ、および逆転写酵素だけには限られないが、これらがある。
「耐熱性ポリメラーゼ」は、100℃近い温度などの極端に高い温度に耐えることができる、DNAまたはRNAポリメラーゼ酵素を指す。耐熱性ポリメラーゼは、Thermus aquaticusなどの、極端な温度中に生息する生物に由来することが多い。耐熱性ポリメラーゼの非制限的な例には、Taq、Tth、Pfu、Vent、deep vent、UlTmaおよびその変異体および誘導体がある。
「大腸菌DNAポリメラーゼI」は、細菌である大腸菌のDNAポリメラーゼIホロ酵素を指す。
「クレノウ断片」は、DNAポリメラーゼIホロ酵素の2つのタンパク質分解断片の大きな方を指し、その断片はポリメラーゼ活性を保持しているが、元の酵素に関連した5'-エクソヌクレアーゼ活性は失っている。
「T7DNAポリメラーゼ」は、バクテリオファージT7からのDNAポリメラーゼ酵素を指す。
「増幅産物」は、増幅反応から生じるポリヌクレオチド産物である。
本発明における「ミスマッチ」という言及は、プライマーの逆向き反復領域(ヘッド)中のヌクレオチドが、非標的核酸(逆向き反復領域が由来する)の内部配列に対応する標的核酸の当該部分に由来する、標的増幅産物中の対応するヌクレオチドと、ワトソン-クリックの塩基対形成を介した対を形成しない、あるいは対を形成することができない場合を含む。例えば、逆向き反復領域中のアデニンは、標的増幅産物内の対応する配列中のアデニン、シトシン、またはグアニンとのミスマッチを形成すると思われる。さらに、第2のヌクレオチドが不在である(すなわちヌクレオチドがマッチしない)、あるいは他のヌクレオチドの結果であるために、第1のヌクレオチドが第2のヌクレオチドと対を形成することができないときに、ミスマッチが起こる。逆向き反復領域は、1つを超えるミスマッチを含む可能性がある。ヌクレオチドの不在または他のヌクレオチドは、プライマーのヘッド中、あるいは標的核酸の内部配列中に存在すると思われる。
本発明をさらに容易に理解することができるように、本発明者らは以下の本発明の非制限的な実施形態を与える。
本発明のさらなる理解を可能にする目的で、ただし本発明を制限することは決して望まずに、本発明の好ましい実施形態の一般的な原理を、図1に概略する。5'伸長部(「ヘッド」)を、PCRで使用する1つまたは両方のプライマーに加える。ヘッドの配列は増幅産物内の内部配列の逆向き反復であり、その配列は、その増幅を抑制すべきである配列とマッチするが、増幅させることが望ましい配列と著しくミスマッチであるように設計されている。
コピーすると、ヘッドからは、下流配列とのその相補性のためにセルフプライミングすることができる3'末端配列が生じる。これによって、望ましくない断片の増幅の阻害を引き起こす、増幅の他のラウンド用に鋳型として効果的に使用することができない、長いヘアピンループ構造が生じると思われる。
1つのプライマーがこのようなヘッド伸長部を含む場合、PCR反応は、増幅の特異性を決定する3つの領域、フォワードおよびリバースプライミング部位、ならびにヘッドプライミング部位を含む。フォワードおよびリバースプライマーの両方に1つのヘッドを含めることによって、4つの選択領域を1つのPCR反応に組み込むことができる。
予想外に高分子量の断片の合成をもたらす、ヘアピン構造の形成が以前に観察されているが(V Potaman BioTechniques 27 1110〜1114(1999))、ヘアピン構造を使用して、選択的増幅がもたらされているわけではない。プライミングがプライマー内で起こる、ヘアピンプライミングの異なる適用例を使用して、PCR作業において重大な「末端修復」プライミングが抑制されている(Devon他、Nucleic Acids Res.23:1644(1995))。これは、標的配列内のヘッドループのプライミングに関するものではない。
(実施例1)
種々の細菌16SリボゾームRNA遺伝子に選択的なヘッドループPCR
16SリボゾームDNAの増幅は、細菌種の同定において使用されることが多く、多数の種の配列が決定されてきている。いくつかの充分に保存された領域の存在が、ほぼすべての細菌リボゾームDNAの増幅用の、プライマー対の設計を可能にしている。図2は、細菌種、大腸菌、Sulfobulus acidophilusおよびSulfobulus thermosulfidooxidansの16SリボゾームRNAの標的領域、および「ユニバーサル」プライマー、NR-RliおよびNR-Fliが結合する領域の配列を示す。フォワードプライマーNR-Lliは、大腸菌のDNA(接頭語EHL)またはS.acidophilusのrDNA(表参照)の増幅を阻害するための、ヘッドループプライマーを設計するための主成分として使用した。EHL48プライマーのヘッドループプライミングの一例は、図3に示す。最初のプライミングサイクルの後、その後のサイクル中に、リバースプライマーの伸長によって、合成された鎖の3'末端においてEHL48の「ヘッド」と相補的な配列の取り込みがもたらされる。これらのヘッド配列をループ状に戻し、増幅産物中のその相補的な標的配列にアニーリングすることができる。ヘッドは大腸菌の標的配列との完全なマッチ部分を形成し、したがってこれをプライミングし伸長させて、伸長したヘアピンループ構造を形成することができる。このような構造は更なる増幅を無効にすると予想される。S.acidophilusの増幅産物に関しては、ヘッド配列は相補領域と4つのミスマッチを有し、プライミングを妨げ、鎖をPCRの更なるラウンド用に利用可能にする。
Figure 0004417723
以下のものを含む25μl中における、標準的なPCR反応を設定した。
2×PCRマスターミックス(Promega) 12.5μl
フォワードプライマー(最終400nM) 1.0μl
リバースプライマー(最終400nM) 1.0μl
DNA 1.0μl
SyberGreen(1:1000希釈のストック) 0.2μl
水 9.5μl
反応は、Applied Biosystems ABI Prism7700装置上において、以下のサイクル条件で行った。
Figure 0004417723
増幅サイクルの後、反応生成物の融解プロファイル(melting profile)を、温度を20分間で60℃から100℃に上げたときの、SyberGreen蛍光発光の変化を測定することによって決定した。
大腸菌rDNA増幅の抑制
大腸菌のDNAと、S.acidophilusまたはS.thermosulfooxidansのDNAの混合物を、非選択的プライマーNR-FliおよびNR-Rli、あるいはヘッドループプライマーEHL48またはEHL68、およびリバースプライマーNR-Rliを使用して増幅させた(図4)。増幅産物は、それらの融解プロファイルを決定することにより分析し、大腸菌のrDNAの産物は約77℃〜78℃で融解し、一方S.acidophilusおよびS.thermosulfooxidansの増幅産物は、約91℃で融解する。対照PCR産物はヘッドループPCR産物より短く、したがってわずかに低い温度で融解することに留意されたい。その際、ブロック内の試験管位置によるわずかな違いも見られる。
非選択的プライマーを使用したときは、DNAの1:1混合物で始め、PCR産物の割合は、大腸菌:S.acidophilusに関して約1:2であった。EHL48およびEHL64ヘッドループプライマーは、大腸菌増幅産物の増幅を効果的に阻害した。なぜなら、産物の融解曲線は、S.acidophilusのrDNAの存在のみを示したからである(パネルA)。同様にEHL48も、等量のS.thermosulfidooxidansのDNAの存在下で、大腸菌rDNAの増幅を効果的に抑制した(パネルB)。DNAの割合が50:1に増大すると(パネルC)、S.thermosulfidooxidansの増幅産物の相当な増大が見られた。PCRプライミング部位近くの配列を標的とする、他のヘッドループプライマーEHL2aは、S.thermosulfidooxidansのDNAの高レベルの増大を示し、大腸菌DNAの領域中の融解プロファイルによって、異常なDNA構造の形成が示される。
EHL48およびEHL64と同じ領域を標的とするが、S.acidophilusの配列とアニーリングしそれをプライミングするように設計されている、ヘッドループプライマーSAHLも、S.acidophilusのrDNAの増幅を抑制するその能力に関して試験した(パネルD)。S.acidophilusのrDNAと大腸菌のrDNAの50:1混合物で始め、S.acidophilusのDNAの増幅は強く抑制され、生成物はわずかに過剰な大腸菌の増幅産物を示した。
マグネシウム濃度およびベタインのヘッドループ抑制PCRに対する影響
いくつかのヘッドループPCRの最適化において、本発明者らは、遊離Mg2+の最終濃度を下げた場合、増幅の選択性が改善されたことに気付いた。図5に示す例では、SAHLヘッドループプライマーを使用する50倍過剰なS.acidophilusのDNAの存在下において、大腸菌DNAの増幅の選択性は、Mg2+濃度を1.5mMから1.3mMに低下させると著しく改善される。反応中のdNTPの全体濃度は0.8mMであり、遊離Mg2+濃度は0.5mMのままであった。この増幅に関しては、遊離Mg2+を0.3mMにさらに低下させることによって、任意の増幅が阻害された。パネルBおよびCには、250倍および500倍過剰なS.acidophilusのrDNAの存在下での、大腸菌rDNAの検出を示す。
ベタインは、G+Cが豊富なDNAの増幅を改善することが以前に示されている。ベタインを加えることによって、ヘッドループPCRの選択性が増大することも見出された。図3、パネルDでは、大腸菌の増幅産物の比率が、0.6Mのベタインを含む反応混合物中で著しく増大している。
これらの例によって、選択した標的DNA、大腸菌またはS.acidopilusの16SrDNAの増幅を抑制する際の、ヘッドループPCRプライマーの機能が示され、PCRプライミング部位の近辺および40塩基離れた標的領域に関する、ヘッドループ抑制の有効性が示される。
(実施例2)
メチル化DNAに選択的なヘッドループPCR
DNAのメチル化を分析または検出するために、重亜硫酸塩、CのUへの変換(したがって最終的には、コピー後にTへの変換)をもたらす手順で、DNAを最初に処理する。しかしながら、(通常はCpG部位で)メチル化状態である任意のCは、この変換に対して耐性がある。メチル化および非メチル化形のDNA断片は異なる配列を有しているので、メチル化形を特異的に増幅させるプライマーを設計することができる。
プライミングを担うここで使用するプライマーの切片は、偏り無くメチル化および非メチル化形のDNAに作用するように設計する。これを実施するために、CpGを欠く標的DNA断片の領域を選択する。このような領域中では、重亜硫酸塩による変換から生じたDNA配列は、断片の全体的なメチル化状態とは無関係に同一であろう。
メチル化形の選択的増大は、PCRで使用する1つまたは両方のプライマーに、5'伸長部を含ませることによって実施する。ヘッドの配列は、それに対して選択されたDNA断片中の下流配列の逆向き反復である。コピーすると、ヘッドからは、下流配列とのその相補性のためにセルフプライミングすることができる、3'末端配列が生じる。これによって、望ましくない断片の増幅の阻害を引き起こす、増幅の更なるラウンドに鋳型として効果的に使用することができない、長いヘアピンループ構造が生じる。ヘッド配列は、非メチル化DNA断片の重亜硫酸塩による変換から生じることが予想される、下流配列の逆向き反復であるように設計されている。取り込みの後に、加えた配列によって、非メチル化DNAに由来する断片のセルフプライミングが引き起こされ、非メチル化断片の増幅の阻害がもたらされる。(メチル化DNAの場合、重亜硫酸塩による変換が起こらない)数個のCpG部位を含む下流配列を選択するので、セルフプライミングを可能にするのに不充分な相補性が存在し、したがってメチル化DNA断片の増幅はほとんど、あるいは全く阻害されない。
これらの実験で使用したプラスミド:
プラスミド番号77および番号58を、この作業において使用した。これらは、重亜硫酸塩処理したヒトのGST断片の増幅に由来する、PCR産物のpGEM-T(Promega)への挿入から生成したものであった。これらのプラスミド中のこの挿入体の配列を、以下に示す。
Figure 0004417723
この配列は、DNAをCpG部位でメチル化されているときに、重亜硫酸塩処理したヒトのGST断片の増幅から生成すると予想される、配列に対応する。簡潔性のために、「メチル化DNA」と呼ぶ。
挿入体の完全な配列を示す。DNA断片中の第1のCpGは-41であり、最後(大部分は表中の3')はCpG+10である。
Figure 0004417723
この配列は、DNAがCpG部位でメチル化されていないときに、重亜硫酸塩処理したヒトのGST断片の増幅から生成すると予想される、配列に対応する。簡潔性のために、ここでは「非メチル化DNA」と呼ぶ。増幅領域内の挿入体の配列を、CpG部位-39から-29まで示す。フォワードプライマーF2およびリバースプライマーR1T標的領域の配列は、ボックス状にする。ヘッドループプライマーLUHF2、CLUHF2およびFTF2のヘッド部分は、それらの逆相補配列の下に示す。配列中で使用する記号は、以下の通りである。
T:元の配列中のT残基
t:重亜硫酸塩による元の配列中のC残基の変換から生成すると予想されるT残基
C:(CpG配列の一部であるために)メチル化し、したがって重亜硫酸塩処理による変換に対して耐性があるC残基
t:CpG配列中に存在したにもかかわらず非メチル化状態であった、Cの変換から生成するT残基
使用したプライマー:
保存特異的プライマー
保存特異的プライマーを、それらが重亜硫酸塩処理により首尾よく変換されたDNA断片を選択的に増幅させるように、(Cの変換から生じる)いくつかの変換されたtを含む領域用に設計する。CpG部位を含む領域を避けることによって、これらのプライマーは、それらのCpG残基におけるメチル化状態と無関係に、DNA断片を増幅させることができるはずである、すなわち、メチル化形断片と非メチル化形断片が、均等に充分に増幅されるはずである。
F2:5'GGTtTTAGGGAATTTttttt
R1T:5'CACCTTTCCCAaaTCCCCAa
下側の場合の塩基(aおよびt)は、元の配列中の変換されたCに対応する。
これらのプライマーが標的断片とハイブリダイズする領域は、上の表中でボックス状のものである。プライマーが結合する領域は、メチル化形DNA断片と非メチル化形DNA断片で同一である。
ヘッドループプライマー:
非メチル化形の断片に対する選択は、1つまたは両方のプライマーに特別な5'伸長部を含ませることによって実施する。原理の明らかな証拠を示すために、ただ1つのプライマーを、その特別な5'伸長部に関して作製した。両方のプライマーを改変する場合、したがって、ここで報告する任意の影響が、大幅に増大すると予想されることは明らかである。F2をプライマーとして選択して、これらの試験用に改変した。5'伸長部(ボックス状)を、以下に示すようにF2プライマーに加えた。
Figure 0004417723
LUHF2、CLUHF2およびFTF2はいずれも、非メチル化DNA断片内の逆向き反復配列である、5'伸長部を有する。したがって、LUHF2に関しては、以下の配列の5'伸長部は、F2プライミング部位の下流の、ttttGtGATGTtttGGtGt配列を標的化する。
Figure 0004417723
塩基は以下のものとして示す:
A:元の配列中のTとの相補体
a:元の配列中の変換されたC(U)との相補体、CpG部位の一部ではない
a:元の配列中の変換されたC(U)との相補体、CpG部位の一部である
CLURF2プライマーは対照である。これは、その5'伸長部にCLUHF2と同数であるが、GST遺伝子の関連領域内の任意の配列とマッチしない順序のA、CおよびTを有する。
方法
リアルタイムPCRを、Applied Biosystems7700装置を使用して行った。同じ「リバース」プライマーR1Tを、全体を通して使用した。Sybergreenを使用して増幅を調べた。
リバースプライマーR1Tは1μMで使用した。F2は200nMで使用した。他のプライマーはすべて、40nMで使用した。Platinum Taq Polymerase(Invitrogen)を用いたホットスタートシステム、および供給された緩衝液を使用した。
インプットしたDNA:
M=番号77のメチル化プラスミドの106個の分子
U=番号58の非メチル化プラスミドの108個の分子
M*U 104個の番号77および108個の番号58(混合物、10,000倍過剰の非メチル化プラスミド)
結果
メチル化(106個の分子)または非メチル化(108個の分子)プラスミドを、リバースプライマーR1Tと組み合わせて、3つの異なるヘッドループプライマー、LUH-F2、CLUH-F2およびFT-F2を用いるPCR反応において使用し、Sybergreenを用いて増幅を調べた(図6)。3つのプライマーはすべて、同等の効率でメチル化プラスミドを増幅させた。非メチル化プラスミドに関しては、PCR産物の出現が、100倍を超えるプラスミドを反応において使用したにもかかわらず大幅に遅れた。プライマーLUH-F2およびFT-F2によって、メチル化DNAと非メチル化DNAの間で増幅の最大の差異が与えられた。乏しい重亜硫酸塩による変換特異的プライマーF2、または無関連な5'伸長部配列を含むプライマーCLUR-F2を、リバースプライマーとしてのR1Tと組み合わせて使用すると、メチル化配列と非メチル化配列の両方が増幅された。プライマーCLUR-F2およびR1Tを使用して得た増幅産物を、融解曲線を分析することによって評価し、それらの解離曲線は図7に示す。
サンプルを加熱し、DNA鎖が分離するときに生じるSybergreen蛍光発光の低下を調べた。2つの形の増幅DNAは、融解温度の違いのために区別することができる。非メチル化断片はメチル化DNAほどGCが豊富ではなく、したがってメチル化DNAは約80℃より低い温度、約76℃で融解する。プラスミドの混合物(10000倍過剰の非メチル化)によって、非メチル化プラスミドによって与えられるものと類似のPCR産物が与えられ、予想されたように「非メチル化」産物が優勢であることが示される。Applied Biosystdms7700ブロック中のサンプルの位置は結果に若干影響を与えるので、融解曲線のピークの位置は、全く同一のサンプルでも同一であるとは予想されないことに留意されたい。
同等の実験を、ヘッドループプライマーCLUH-F2を使用して繰り返した。なぜならそれは、CLUR-F2と同じ長さの伸長部を有しているからである(図8)。メチル化プラスミドおよび非メチル化プラスミドの別の増幅によって、予想された解離曲線を伴うPCR産物が生じた。非メチル化プラスミドとメチル化プラスミドの10,000:1混合物である増幅産物は、メチル化DNAが優勢である、メチル化DNAと非メチル化DNAの混合物を示す融解曲線で解離した。したがって、メチル化形は、10000倍過剰の非メチル化プラスミドが最初に存在するにもかかわらず、首尾よく増幅される。
ヘッドループプライマーの有効性を確認するための、Taqmanプローブの使用
Taqmanプローブによって、増幅中のPCR産物を調べることができる。メチル化および非メチル化GSTP1配列の検出に選択的な、プローブを作製した。
Figure 0004417723
これがTaqmanプローブであり、それが増幅産物とハイブリダイズすることができる場合、PCR中に切断されるように設計されている。切断によって、FAM色素の蛍光発光の増大がもたらされる。
FAM=カルボキシフルオレセイン、TAMRA=カルボキシテトラメチルローダミン
Figure 0004417723
これがTaqmanプローブであり、それが増幅産物とハイブリダイズすることができる場合、PCR中に切断されるように設計されている。切断によって、TET色素の蛍光発光の増大がもたらされる。
TET=テトラクロロフルオレセイン、TAMRA=カルボキシテトラメチルローダミン
結果
非メチル化プラスミドとメチル化プラスミドの混合物を、R1Tリバースプライマーと組み合わせて、対照、保存特異的、プライマーF2およびCLUR-F2、または2つのヘッドループプライマー、LUH-F2およびFT-F2を使用して増幅させた。非メチル化およびメチル化産物の増幅は、PRB-UおよびFRB-Mプローブを使用して調べた(図9および10)。非メチル化DNAの増幅は、対照プライマーと比較して、実質的に(FT-F2)、あるいはほぼ完全に(LUH-F2)抑制された。
図10に示すように、メチル化DNAの増幅をPRBMを使用することによって検出すると、元の供給したDNAが10,000倍過剰の非メチル化形を含んでいても、メチル化DNAが試験プライマーLUHF2およびFTF2によって選択的に増幅されることが明らかである。対照プライマーを使用すると、メチル化DNAは検出されない。なぜならそれが、このようなごくわずかな産物を形成するからである。
(実施例3)
重亜硫酸塩処理したゲノムDNAからの増幅
GSTP1遺伝子がメチル化しているLNCaP前立腺癌細胞から、およびGSTP1遺伝子中で非メチル化状態であると予想されるPlacentaから、DNAを単離した。
LNCaPおよびPlacentaからの重亜硫酸塩処理したDNAを、当該の領域の外側に存在するプライマーによって増幅した。プライマーGSATA56(:GTTTTGTGAAGAGGGTGTGTAAGTTT)およびR4(AAAACCTTTCCCTCTTTCCCAAA)を、メチル化状態と無関係に重亜硫酸塩処理したDNAを増幅させ、ヘッドループプライマーおよびRITにより増幅させた領域の外側に位置させるように、設計した。
この2つの混合物を使用して、過剰の正常な(非メチル化GSTP1)DNAが存在するにもかかわらず、少量の腫瘍由来のDNA(メチル化GSTP1)を検出することが必要である状況を模倣することができる。以下の実験で使用した混合物は、LP(1:100)と呼んだ。これは、重亜硫酸塩処理したLNCaPのDNAからGSTAS56およびR4を使用して増幅させた第1ラウンドのPCRの産物の1/10,000希釈物と、重亜硫酸塩処理したPlacentalのDNAからGSTAS56およびR4を使用して増幅させた第1ラウンドのPCRの産物の1/100希釈物の混合物であった。
この混合物をインプットとしてリアルタイムPCR実験用に使用し、この実験は、出発物質が過剰の非メチル化DNAを有するにもかかわらず、新しいプライマーが検出用のメチル化DNAの充分な増大をどのようにして可能にするのかを、示すために設計したものであった。その結果は、図11および12に示す。
対照プライマーF2を使用すると、ほぼすべての産物が、非メチル化DNAから誘導される(PRBUにより検出される)。しかしながら、5'伸長部を有するヘッドループプライマーを使用すると、メチル化DNAが選択的に増幅され、ごく低レベルの非メチル化DNAが作製される。
(実施例4)
GSTP1遺伝子の第2の領域でのヘッドループ抑制PCR
ヘッドループプライマーを、GSTP1遺伝子の転写配列における、重亜硫酸塩処理したDNA領域用に設計した。プライマーの配列は、以下の表に示す。イノシンは、プライマーGSTR11iおよびGSTHLint5-10Ni中のCpG部位に対応する位置に含まれ、CpG部位では、重亜硫酸塩で変換したDNAは、メチル化の状態に応じて、CまたはUとなりうる。同様にF52Aプライマーは、CpG部位中のCの位置に意図的なミスマッチ(A)を含み、したがってメチル化または非メチル化DNAの増幅には偏りが無い。
Figure 0004417723
すべてのPCR反応は、F52Aをフォワードプライマーとして使用した。ヘッドループプライマーは、GSTintR1(HLint5-10およびHLint5-l0X)またはGSTintRlli(HLint5-1ONi)のいずれかを使用する。図13に、GSTP1遺伝子のこの領域の配列上の、プライマーの位置を示す。これらのプライマーを使用するPCRを使用して、ヘッドループプライマーを使用する最適な選択的増幅に貢献する因子を同定した。プライマーは最終濃度200nMであり、他の反応成分は前に記載した通りであった。PCRサイクル条件は、他に示さない限りは以下の通りであった:60℃〜95℃の温度範囲で20分間、解離曲線による分析を続けた。
Figure 0004417723
3つのヘッドループプライマーの有効性を、増幅させた重亜硫酸塩処理したDNAのクローニングに由来し、メチル化または非メチル化GSTP1配列に対応する、プライマーDNAを使用して比較した。プラスミドDNAは、107非メチル化分子:104メチル化分子の比で混合させ、F52Aフォワードプライマーと組み合わせた、異なるヘッドループプライマーを使用して増幅させた(図14)。メチル化配列に関する1000倍以上の増大が、3つのヘッドループプライマーで見られ、HLint5-l0Xによって、非メチル化配列の増幅の最大レベルの抑制が示された。
Mg2+イオンの濃度を変えることの影響を、図15に示す。Hlint5-10NiまたはHLint5-1OXのいずれかを使用する増幅を、1.1、1.3または1.5mMのMgCl2の存在下で行った。両方の場合で、MgCl2のレベルの低下を伴う、濃度依存性の選択性の改善があった。この影響は、いくつかの異なるヘッドループプライマーに関して見られた。最適なヘッドループの選択性は、標的配列のPCR増幅を可能にする、使用した最低のMg2+レベルで一貫して見られた。大抵の場合、これは0.3mMという遊離Mg2+イオンのレベルに対応している。
ベタインは、16SリボゾームRNA遺伝子配列のヘッドループ増幅の、選択性を改善することが示された。ベタインおよびアニーリング/伸長温度の変化の、重亜硫酸塩処理したDNAからのメチル化および非メチル化配列の選択的増幅に対する影響を、図16に示す。0.8MのベタインがヘッドループPCRの選択性を大幅に改善し、ベタインの最適効果は、0.6〜1.2Mの範囲で見られる。HLint5-1Oヘッドループの効果も見られ、これはアニーリング/伸長温度に依存する。
考察:
ヘッドループプライミングによるPCR増幅の抑制の原理を図1に概略的に示し、特異的配列の例は図3および17に示す。5'伸長部が取り込まれ、次いでコピーされた後に、図で示すように同じDNA鎖中の下流の領域と塩基対を形成することができる、3'末端が生じる。この塩基対形成およびプライミングの有効性は、ヘッド領域の長さおよび配列組成、および増幅産物中の内部配列とのそのマッチの正確さに依存することが予想される。EHL-48ヘッドループプライマーに関しては、大腸菌配列(完全にマッチ)とS.acidophilus増幅産物(4つのミスマッチ)の間の相補性の違いは、S.acidophilusのrDNAの選択的増幅をもたらすのに充分である。LUHF2ヘッドループプライマーに関しては(図17)、下流領域の下線を引いた塩基が、元の断片のCpG配列中のメチル化された可能性があるCに対応する。CpG-メチル化DNAの場合、下線を引いた位置は下流位置のAではなくGを含むと思われ、分子内二本鎖が生じることは考えられないであろう。
図3および17に概略的に示す構造を、PCR中に形成することができる場合、伸長は塩基対3'末端から起こり、長い逆向き反復を有する一本鎖断片がもたらされると、仮定することが妥当である。このような断片は、変性後、プライマーがハイブリダイズすることができる前に、「スナップバック」によりヘアピンループを形成する可能性があり、これによって新しいコピーの合成および断片の増幅を妨げる。ヘアピン構造の形成は有効なヘッドループのアニーリングおよびプライミングに依存するので、同じ塩基プライマーを共有するが、取り込まれたヘッド配列と充分にマッチしない配列が、増幅され続けるであろう。前記報告の実験中に示す、メチル化DNAの選択的増幅に関しては、有効なヘッドループのプライミングおよび増幅の抑制は、非メチル化形にのみ起こる。メチル化DNAの選択的増幅に関しては、ヘッドループプライマー法を別々に使用することができ、あるいは「メチル化特異的PCR」などの、選択的増幅用の他の方法と組み合わせることができる(Herman他、Proc Natl Acad Sci U S A.93:9821〜6(1996))。
示した例において、増幅産物内の標的配列の位置は、ヘッドが伸長部を形成するプライマーの位置に関して変わっている。EHL48およびEHL64ヘッドループプライマーの場合、ヘッドループプライミングの標的領域は、塩基プライマーの約40塩基下流であった。他のヘッドループプライマーに関しては、標的配列を塩基プライマー(H1int5-10)のプライミング末端に近づけるか、あるいはプライマーを3〜5塩基重複させた(EHL2a、SAHL、LUHF2、CLUHF2、FTF2、Hlint5-10NiおよびHlint5-10X)。
いくつかのヘッドループプライマーに関して、本発明者らは、低濃度の遊離Mg2+イオンで、あるいはベタインの存在下において、増幅の選択性が改善されることを確認した。ヘッドループプライマーの濃度を低下させることによって、選択性を改善することもできる。アニーリング温度(図16)、サイクル時間および緩衝液要素などの他の反応条件が、ヘッドループPCRの有効性を変える可能性もある。
記載した実験により、5'ヘッド伸長部をただ1つのプライマー対に加えることによって、PCRにおいて3箇所の特異的地点を生成させることが示された。ヘッドをフォワードおよびリバースプライマーに取り込ませ、4箇所の特異的地点を与え、選択性をさらに増大させることが可能である。
本明細書を通じて、「含む(comprise)」という語、または「含む(comprises)」または「含む(comprising)」などの変形は、記載の要素、整数またはステップ、または要素、整数またはステップの群を含むことを示すが、任意の他の要素、整数またはステップ、または要素、整数またはステップの群を排除するわけではないことが理解されるであろう。
さらに、本明細書中に含まれている任意の書物対話、行動、物質、装置、物品などは、単に本発明の概念を与える目的のものである。従来技術の一部からの任意またはすべてのこれらの事項は、本発明と関係がある当分野における共通の一般的知識であったか、あるいはそれに基づくものであることは、認められることとして考えるべきではない。なぜならそれは、本出願のそれぞれの特許請求の範囲の優先日前に、オーストラリアに存在していたからである。
最後に、多数の変更形態および/または変形形態を、具体的な実施形態中に示したように、広範囲に記載した本発明の精神または範囲から逸脱せずに、本発明に対して作製することができることは、当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点において例示的なものとして解釈すべきであり、制限的なものとして解釈すべきではない。
本発明の方法の一実施形態を使用する、標的配列の増幅の概略図である。 大腸菌、S.acidophilusおよびSulfobacillus thermosulfidooxidansからの16SリボゾームRNA遺伝子の増幅領域の配列を比較した図である。3つすべての種で同一である塩基は黒で影を付け、3つのうちの2つで同一である塩基はグレーで影を付ける。プライマーおよびヘッドループの標的領域に対応する配列を示す。 EHL48ヘッドループのプライミングの図である。 大腸菌のDNAと、S.acidophilusまたはS.thermosulfooxidansのrDNA増幅産物の混合物を、パネル上に示す量で調製したことを示す図である。増幅は、パネル中に示すリバースプライマーNR-Rli、および非選択的フォワードプライマーNR-Fli、またはヘッドループプライマーEHL48、EHL64またはSAHLのいずれかを使用した。パネルAは、MgCl2が1.7Mであり、プライマーが200nMであった。パネルBは、MgCl2が1.3mMであり、プライマーが400nMであり、パネルCは、MgCl2が1.5mMであり、プライマーが400nMであった。PCR反応の終わりに、融解曲線の分析を、高温でのSyberGreen蛍光の変化を調べることによって行った(ABI Prism7700リアルタイムPCR用装置使用)。 すべてのPCRを、400nMのプライマーSAHLおよびNR-Rliを使用して、パネル上に示すrDNA増幅産物のインプット比で行ったことを示す図である。パネルAは、MgCl2濃度が1.3mMまたは1.5mMのいずれかであった反応からの、PCR産物の融解の概略を示す。パネルBおよびCでは、1.3mMという最適MgCl2濃度を使用した。パネルDは、0.6Mのベタインの不在下または存在下において行った反応を示し、MgCl2は1.5mMであった。ベタインの存在下での、融解温度の低下は明らかである。 異なるヘッドループプライマーを使用する、メチル化または非メチル化プラスミドDNAの増幅を示す図である。 対照CLUR-F2プライマーを使用して、メチル化、非メチル化、および混合物DNAから得た、PCR産物の解離曲線を示す図である。 ヘッドループCLUR-F2プライマーを使用して、メチル化、非メチル化、および混合物DNAから得た、PCR産物の解離曲線を示す図である。 非メチル化PCR産物のTaqman検出を使用したプラスミドDNA混合物からの、対照プライマーおよびヘッドループプライマーによる増幅の比較の図である。 メチル化PCR産物のTaqman検出を使用したプラスミドDNA混合物からの、対照プライマーおよびヘッドループプライマーによる増幅の比較の図である。 メチル化PCR産物のTaqman検出を使用したゲノムDNA混合物からの、対照プライマーおよびヘッドループプライマーによる増幅の比較の図である。 非メチル化PCR産物のTaqman検出を使用したゲノムDNA混合物からの、対照プライマーおよびヘッドループプライマーによる増幅の比較の図である。 転写開始部位の64塩基上流から96塩基下流までの、GSTP1遺伝子の配列の図である。この配列は非修飾状態であるか(上側)、あるいは重亜硫酸塩変換およびPCR増幅後のものであり、ただしCpG部位はメチル化状態であるとする(下側、B-M)。CpG部位の位置-7〜+10は、配列の上に示す。フォワードプライマーF52Aの位置を示す(CpG部位-3における塩基のミスマッチに留意されたい)。ヘッドループHlint5-10Ni(GSTintR11i)およびHlint5-10および5-10X(GSTintR1)用の、塩基プライマーの位置は、それらの標的配列の下に示す。プライマーのヘッド領域は、それらの標的配列の下に示す。それぞれのヘッドループプライマーに関しては、そのヘッド配列が、矢印により示されるそのプライマー部分と結合する。 増幅用の、メチル化および非メチル化重亜硫酸塩処理済DNAに由来する領域を含む、2つのプラスミドの混合物を、非メチル化分子1000:メチル化分子1の割合で調製したことを示す図である。増幅は、F52Aおよび示したヘッドループプライマーを使用して、教本中に記載されたサイクルの条件、MgCl2 1.1mMで行った。融解曲線の概略を示し、メチル化配列に対応するピーク濃度は右側である。 PCR増幅を、非メチル化分子106:メチル化分子103であるプラスミドの混合物に行った。増幅はF52A、およびヘッドループプライマーHlint5-10およびHlint5-10Niを使用した。MgCl2の濃度は、パネル中に示した。 F52AおよびヘッドループプライマーHlint5-10を使用したPCR増幅を、非メチル化分子106:メチル化分子103であるプラスミドの混合物に行った。増幅はEppendorf Mastercycler温度勾配PCR用装置中で行い、PCR産物の変性の概略は、Applied Biosystems ABI7700装置中で分析した。指定の温度、および800mMのベタインの不在下または存在下で行った反応からの、PCR産物の変性の概略を示す。 リバース鎖の合成中にプライマーLUH-F2をコピーした後の、「非メチル化」DNA上でのループバックのプライミングの概略図である。

Claims (18)

  1. 標的核酸および少なくとも1つの非標的核酸を含むサンプル中の、標的核酸を選択的に増幅させるための方法であって、
    フォワードおよびリバースオリゴヌクレオチドプライマーによって、少なくとも1つの非標的核酸と比較して、標的核酸を選択的に増幅させる工程であって、
    前記フォワードプライマーが:
    標的および非標的核酸にプライミングし、伸長することができるプライマー領域;および
    少なくとも1つの非標的核酸の増幅産物の内部配列の逆向き反復であるが、標的核酸の増幅産物の対応する内部配列に対して少なくとも1つのミスマッチを含む領域であって、前記逆向き反復領域が、プライマー領域の5'に存在する領域;
    を含み、
    増幅の間に、前記フォワードプライマーが、標的核酸および少なくとも1つの非標的核酸上で伸長し、第1の鎖生成物を生ぜしめ、前記リバースプライマーが、前記第1の鎖生成物上で伸長し、第2の鎖生成物を生ぜしめ;
    フォワードプライマーのプライマー領域の5'に位置する前記逆向き反復領域が、第2の鎖の合成の間にコピーされ、第2の鎖生成物内に3'末端配列を形成し;
    前記少なくとも1つの非標的核酸に対応する第2の鎖生成物の3'末端配列が、増幅産物の内部配列に対応する同一の生成物の上流領域にアニーリングし、伸長され、前記非標的核酸の更なる増幅を阻害するヘアピンループ構造を形成する、工程
    を含む方法。
  2. 前記増幅工程が、プライマーおよび逆向き反復領域を含む少なくとも1つのフォワードプライマーまたはリバースプライマーを使用する、請求項1に記載の方法。
  3. フォワードおよびリバースプライマーを使用し、それぞれがプライマーおよび逆向き反復領域を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記増幅がPCRによるものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 逆向き反復部分を除いた前記プライマーが、15〜35塩基単位の長さである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記プライマーの逆向き反復配列が、5〜30塩基単位の長さである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記プライマーの逆向き反復部分が、非標的核酸の合致する配列上でのアニーリングを可能とするのに十分な数のヌクレオチド、ならびに、標的核酸の対応する配列へのアニーリングを不可とするのに十分なミスマッチを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記増幅の選択性を、予め選択した遊離Mg2+濃度で増幅を行うことによって調整する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 0.7mM未満の濃度の遊離Mg2+の存在下において増幅を行う、請求項8に記載の方法。
  10. a)フォワードおよびリバースプライマーの存在下において、1種または複数の種の混合物から単離した核酸を含む単離核酸サンプルの選択的増幅を行う工程であって、
    前記フォワードプライマーが:
    種または亜種の範囲を超えて実質的に保存されている核酸にプライミングし伸長することができる領域;および
    予め選択した種または亜種に特徴的な、増幅産物の内部の非保存配列の逆向き反復である領域であって、前記逆向き反復領域が、プライマー領域の5'に存在する領域;
    を含み;
    増幅の間に、前記フォワードプライマーが、核酸上で伸長し、第1の鎖生成物を生ぜしめ、前記リバースプライマーが、前記第1の鎖生成物上で伸長し、第2の鎖生成物を生ぜしめ;
    フォワードプライマーのプライマー領域の5'に位置する前記逆向き反復領域が、第2の鎖の合成の間にコピーされ、第2の鎖生成物内に3'末端配列を形成し;
    前記予め選択した種または亜種に特徴的な核酸に対応する第2の鎖生成物の3'末端配列が、増幅産物の内部の非保存配列に対応する同一の生成物内の上流領域にアニーリングし、伸長され、前記予め選択した種または亜種に由来する核酸の更なる増幅を阻害するヘアピンループ構造を形成する、工程;および
    b)増幅産物の存在を決定する工程;
    を含む種の選択の方法。
  11. 前記種を動物種、細菌種、真菌種および植物種から選択する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記核酸が、リボゾームRNAをコードする遺伝子の一部分を含むDNAである、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記種が細菌種である、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 遺伝子ファミリーのメンバー間の、対立遺伝子のバリアントまたはミューテーションを識別するために使用するときの、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  15. 少なくとも1つの標的核酸または少なくとも1つの非標的核酸がメチル化核酸を含み、少なくとも1つの標的核酸または少なくとも1つの非標的核酸に、増幅前に修飾工程を施す方法であって、前記修飾工程が化学的修飾であり、非メチル化シトシンをアデニンと塩基対を形成することができる他のヌクレオチドに変換し、一方メチル化シトシンを変化させないか、グアニンと塩基対を形成することができるヌクレオチドに変換する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法
  16. 前記プライマーの逆向き反復部分が、修飾された非標的核酸の合致する配列上でのアニーリングおよび伸長を可能とするのに十分な数のヌクレオチド、ならびに、非修飾の標的核酸のアニーリングおよび/または伸長を不可とするのに十分なミスマッチを含む、請求項15に記載の方法
  17. 前記修飾工程が、非メチル化シトシンをウラシルに変換する、請求項15に記載の方法。
  18. グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)Pi遺伝子および/またはその制御フランキング配列中の1つまたは複数の部位におけるシトシンの異常なメチル化のためのアッセイであって、
    GSTP1遺伝子および/またはその制御フランキング配列中の標的領域を増幅させるための反応物および条件に単離DNAを曝す工程であって、
    前記標的領域が、異常なシトシンのメチル化が起こっている1つまたは複数の部位であり、前記増幅が、フォワードおよびリバースオリゴヌクレオチドプライマーを使用して実施され;
    前記フォワードプライマーが:
    単離DNA中のメチル化されている標的領域およびメチル化されていない非標的領域の両方にプライミングし、伸長することができるプライマー領域;および
    非標的領域の増幅産物の内部配列の逆向き反復であるが、標的領域の対応する内部配列に対して少なくとも1つのミスマッチを含む領域であって、前記逆向き反復領域が、プライマー領域の5'に存在する領域;
    を含み;
    増幅の間に、前記フォワードプライマーが、標的および非標的領域上で伸長し、第1の鎖生成物を生ぜしめ、前記リバースプライマーが、前記第1の鎖生成物上で伸長し、第2の鎖生成物を生ぜしめ;
    フォワードプライマーのプライマー領域の5'に位置する前記逆向き反復領域が、第2の鎖の合成の間にコピーされ、第2の鎖生成物内に3'末端配列を形成し;
    前記非標的領域に対応する第2の鎖生成物の3'末端配列が、増幅産物の内部配列に対応する同一の生成物の上流領域にアニーリングし、伸長され、前記非標的領域の更なる増幅を阻害するヘアピンループ構造を形成する、工程;および
    増幅DNAの存在を決定する工程;
    を含むアッセイ。
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