JP4417546B2 - 検塩装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は検塩装置に関し、さらに詳しくは、H型陽イオン交換樹脂の再生が効率的に行えるように改良された検塩装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
火力発電所又は原子力発電所では、タービンを駆動させた蒸気を冷却して復水し、循環させて繰り返し利用している。冷却は海水を内部に流通させた冷却用細管を備えた復水器で行う。この冷却用細管に亀裂が生じる等により、海水が復水中に漏洩すると、ボイラーやタービン等を痛める原因となるので、海水の漏洩を検知するための検塩装置が設けられている。この検塩装置では、復水器から採取した試料液の導電率を計測することにより、海水の漏洩を検出している。
【0003】
続いて従来の検塩装置について図2に示す。
【0004】
従来の検塩装置は、A〜Fの試料採取箇所における試料取りこみ口11と、試料取りこみ口11に供えられたバルブ12と、試料採取ポンプ13と、流量調整弁14と、陽イオン交換樹脂充填筒15と、流量計16と、導電率計17と、止弁18と、バイパス弁19とで構成される。
【0005】
バルブ12を開放することにより、試料取りこみ口11の一つから、試料採取ポンプ13により試料液が陽イオン交換樹脂充填筒15に送りこまれる。陽イオン交換樹脂充填筒15に送られた試料液は、イオン交換により、液中の陽イオンが除去される。海水が漏洩している場合は、主に海水中のナトリウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンがここで、除去される。イオン交換後の試料液は、流量計16を通って、導電率計17により導電率が測定される。流量計16にて、流速を確認し、手動で、流量調整弁14を開閉し、導電率計17を流れる試料液の流速を調整する。導電率を測定した試料液は、試料排出口20から、復水器に戻される。
【0006】
試料液は、海水の漏洩がなければ、低い導電率を示す。海水の漏洩があった場合には、塩素イオンが試料液中に含まれることになるので、塩酸が生成し、高い導電率を示す。海水の漏洩が発見された場合は、プラントの運転停止、復水器の閉止、薬液注入等の化学処理等が行われる。
【0007】
発電プラントにおける復水中には、ほぼ一定濃度のアンモニウムイオンが含まれるので、従来の検塩装置では、海水の漏洩が生じなくとも、1.5〜2月に一度、陽イオン交換樹脂の再生作業が必要であった。これは、陽イオン交換樹脂中の水素がアンモニウムイオンに交換されることにより、消耗するからである。
【0008】
しかし、従来の検塩装置では、陽イオン交換樹脂の消耗具合を定量的に予測することが困難なため、安全度を考慮して早めに陽イオン交換樹脂の再生を行うので、再生頻度が高くなり、再生作業に携わるものの労務費や再生薬品に無駄が生じていた。また、発電プラントの運転中に陽イオン交換樹脂の再生時期がめぐってきた場合は、試料液の導電率を測定できない欠測時間が生じるので、検塩装置としての信頼性が低かった。
【0009】
陽イオン交換樹脂の消耗具合を定量的に予測するのが困難な理由は、試料液の流速が変化することである。復水器は定常運転時には、蒸気が液化する際に体積の急激な収縮が生じ、内部が真空になっており、一方、プラント再起動時には、常圧である。このため、試料採取ポンプ13にかかる負荷が定常運転時と、プラント再起動時において大きく異なり、プラント再起動時は、通常運転時の2.5倍の流速で試料液が検塩装置内を流れることになる。陽イオン交換樹脂の消耗具合を定量的に予測するには、プラント再起動時の試料液の流速と、流通時間を記録し、計算により再生頻度を求めなければならず、記録及び計算にコストがかかる。
【0010】
そこで、本発明は、イオン交換樹脂の再生時期を定量的に予測可能であり、イオン交換樹脂の再生を効率的に行える検塩装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、イオン交換樹脂を流通する試料液の流量を一定にすることができ、イオン交換樹脂の消耗具合を確認することができる検塩装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、配管系内に海水漏洩を検出することができ、しかもイオン交換樹脂の消耗具体を確認することのできる検塩装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためのこの発明の手段は、少なくともナトリウムイオンを含有する可能性のある液体とこの液体中のナトリウムイオンを脱塩するH型陽イオン交換樹脂とが接触するイオン交換流路を備えるイオン交換装置と、
前記イオン交換流路の上流側に設けられるバイパス弁と、
前記イオン交換装置の下流側に設けられ、前記イオン交換流路内を流通する液体の流量を一定にする定量流通手段と、
前記イオン交換流路の途中に前記液体の流通方向に沿って配置された複数の導電率計とを備えることを特徴とする検塩装置であり、
好適な検塩装置においては、前記複数のプロトン濃度検出器が、イオン交換流路内の、イオン交換流路内に液体を導入する導入口からイオン交換流路外に液体を導出する導出口までの中間に配置された第1プロトン濃度検出器と、前記第1プロトン濃度検出器と前記導出口との間に配置された第2プロトン濃度検出器とであり、
他の好適な検塩装置においては、前記プロトン濃度検出器が、導電率計であり、
他の好適な検塩装置においては、前記イオン交換流路が、H型陽イオン交換樹脂を充填して成るH型陽イオン交換樹脂充填筒であり、
他の好適な検塩装置においては、前記イオン交換流路が、H型陽イオン交換樹脂を充填して成るH型陽イオン交換樹脂充填筒を複数直列に接続して成る流路であり
らに他の好適な検塩装置においては、少なくともナトリウムイオンを含有する可能性のある前記液体がボイラー復水である。
【0013】
【発明の実施の形態】
先ず、この発明に係る検塩装置の一例について図面を参照しながら説明する。この検塩装置には、復水器で得られた試料が取り込まれる。したがって、この検塩装置は、復水器用検塩装置でもある。
【0014】
図1に示すように、復水器10の上部には、発電プラントのタービンから排気された蒸気の取りこみ口1が設けられ、取りこみ口1の下には内部に海水8を流通させた冷却用細管2が複数備えられている。説明の便宜上、ここでは二本のみ記載したが、本数、配置の間隔等は適宜選択することができる。海水8は、海水注入口3から注入され、冷却用細管2を通って海水排出口4から排出される。復水器10の下部には、復水9の貯留槽6があり、蒸気は冷却用細管2で冷却され、水滴となって貯留槽6に滴下する。貯留槽6の底部には、ボイラー復水(以下において、復水と称する。)の取り出し口7が設けられている。貯留槽6を形成する内壁と冷却細管2との接合部分の近傍には、試料採取のための樋5が設けられ、ここに溜まった試料液が試料取りこみ口11(図3参照)を通じて検塩装置に送られる。また、貯留槽6にも同様に試料取りこみ口11が備えられ、貯留槽6に溜まった復水9も試料液として採取される。貯留槽6に溜まった復水9は、取り出し口7からポンプにより発電プラントのタービンへ送られて循環利用される。
【0015】
図3に示されるように、検塩装置への試料の採取箇所は、A〜Fの6箇所である。尚、ここでは、説明の便宜上、試料の採取箇所を6箇所としたが、採取箇所の数には特に制限がなく、全体装置の規模等に応じて適宜の数に決定される。A〜D点は、冷却用細管2の近傍に位置するので、E,F点に比べて、海水8の漏洩をいち早く検出することができる。E,F点は、A〜D点の全部又は一部において、海水8の漏洩が生じた後に、海水8の漏洩を検出できる試料の採取箇所である。図3に示されるように、導電率測定の済んだ検塩装置の試料液は、Z点の試料排出口20から再び復水器に戻される。
【0016】
この検塩装置は、試料採取点A,B,Fから試料を取り込む第1グループ用検塩装置と、試料採取点C,D,Eから試料を取り込む第2グループ用検塩装置とを備える。両検塩装置は同じであるから、第1グループ用検塩装置について説明し、第2グループ用検塩装置についての説明を省略する。第1グループ用検塩装置と第2グループ用検塩装置とを有する検塩装置にあっては、複数の試料採取点から試料液を同時に取り込んで海水の漏洩を検出することができるので、効率が良い。
【0017】
第1グループ用検塩装置は、試料取りこみ口11と、試料取りこみ口11に供えられたところの、開閉手段の一例であるバルブ12と、吸引吐出手段の一例である試料採取ポンプ13と、流量調整手段の一例である流量調整弁14と、H型陽イオン交換樹脂充填筒15と、流量計16と、プロトン濃度検出器の一例である導電率計17と、止弁18と、バイパス弁19と、定量流通手段である、圧力補償機構を有する流量調整弁21で構成される。
【0018】
前記復水装置のA〜F点の試料採取箇所に設けられた試料取りこみ口11にはそれぞれ、バルブ12が設けられており、バルブ12を切りかえることにより、各採取点で採取した試料液をそれぞれ選択することができる。試料採取点ごとの導電率を測定することにより、海水の漏洩した細管を特定することが容易となる。例えば、A、B点の試料液の導電率が高くなれば、貯留槽6と冷却用配管2との接合部分から海水が漏洩しており、F点のみの試料液の導電率が高くなれば、接合部分以外の冷却用配管2部分から海水が漏洩していると予測できる。このように、試料を採取する複数の採取箇所で採取された試料についての導電率を、バルブ12の切替により、適宜に測定することができることによって、海水漏洩箇所を容易に特定することができるようになる。
【0019】
試料採取ポンプ13は、復水器10の試料採取箇所より検塩装置へ試料液を移送する機能を備え、一般に、キャンドモータポンプが使用される。試料採取ポンプ13は、サンプリングの遅れが生じないように、導電率測定に必要な流速、例えば毎分数百mlよりも早い流速で検塩装置に試料液を送れるように、出力の大きなポンプを選定している。試料採取ポンプ13から吐出される試料液の流速は、ポンプの最高出力の流速を超過しないようにバイパス弁19にて調整されている。
【0020】
流量調整弁14は、H型陽イオン交換樹脂充填筒15及び導電率計16に流す試料液の流速を調節する弁である。通常、毎分数百mlの試料液が流れるように設計されている。流量調整弁14は、流量計16で流量を確認しながら、手動で、弁を開閉することにより、流量を調節する。この流量調整弁14は、前記定量流通手段である流量調整弁21と異なり圧力補償機構を備えてないので、試料採取ポンプ13の圧力が増加した場合は、流速も増加することになる。
【0021】
H型陽イオン交換樹脂充填筒15は、試料液を導入する導入口24と、試料液を導出する導出口25とを持つ筒体例えば円筒体である。図3に示されるH型陽イオン交換樹脂充填筒15は、上流から試料液を導入し、下流へ導出する流下型である。円筒内には、H型陽イオン交換樹脂が充填されており、復水中の陽イオンと、H型陽イオン交換樹脂におけるプロトンとのイオン交換が行われる。このH型陽イオン交換樹脂は、カチオンとイオン交換してプロトンを放出することのできるイオン交換樹脂である限り特に制限がない。H型陽イオン交換樹脂としては、例えば交換基としてスルホン酸基を持つH型の強酸性陽イオン交換樹脂が好ましい。このH型陽イオン交換樹脂は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる橋かけ高分子母体を硫酸でスルホン化することで得られる。
このH型陽イオン交換樹脂充填筒においては、導入口から導入された復水が導出口から排出されるまでのあいだ、このH型陽イオン交換樹脂充填筒内のH型陽イオン交換樹脂と復水とが接触し、もしこの復水中にナトリウム陽イオン等の陽イオンが存在すると、復水中の陽イオンをこのH型陽イオン交換樹脂が吸着してプロトンを放出するのであるから、このH型陽イオン交換樹脂充填筒における導入口から導出口に至るまでのH型陽イオン交換樹脂充填筒内は、本発明におけるイオン交換流路を形成する。
【0022】
海水が漏洩した場合、イオン交換によってH型陽イオン交換樹脂から脱離したプロトンが、試料液中に含まれる塩素イオンと結合し、塩酸が生成する。塩酸は、海水に比べて約3倍の導電率であるため、微量の海水が漏洩しても、H型陽イオン交換樹脂充填筒を用いることにより、塩酸が生じ、導電率の大きな変化として検出される。H型陽イオン交換樹脂充填筒は、微小の海水の漏洩を検出するための増幅器としての作用を有する。したがって、この検塩装置は、海水漏洩検出装置として機能する。
【0023】
本発明におけるH型陽イオン交換樹脂充填筒15には、試料液の流通方向に沿って複数の導電率計22、23が配置される。
【0024】
H型陽イオン交換樹脂充填筒15内に充填されたイオン交換樹脂は、その導入口24に近い方から順に消耗していき、最終的に導出口25に近いH型陽イオン交換樹脂まで消耗していく。再生直後のH型陽イオン交換樹脂充填筒15の場合、イオン交換流路内でイオン交換反応が進行し、第一導電率計22で観測される導電率に対して、下流側にある第二導電率計23で観測される導電率が低くなる。一方、イオン交換樹脂がすべて消耗したH型陽イオン交換樹脂充填筒15の場合、イオン交換流路内ではもはやイオン交換反応が進行しないので、第一導電率計22で観測される導電率と、第二導電率計23で観測される導電率が等しくなるか、近い値となる。したがって、H型陽イオン交換樹脂充填筒15内に配置された複数の導電率計(μS1〜μSn)22,23のより検出される導電率によって、H型陽イオン交換樹脂のイオン交換能を、H型陽イオン交換樹脂充填筒内の流れ方向に沿って、知ることができる。例えば、H型陽イオン交換樹脂充填筒内で試料液(この例では、復水)の流れ方向に沿って導入口24から導出口25までにおいて適宜の間隔で多数の導電率計を配置すると、それだけきめ細かくH型陽イオン交換樹脂のイオン交換能を把握することができる。もっとも、あまりにも多数の導電率計を配置すると装置が複雑化するので、H型陽イオン交換樹脂充填筒における導入口24から導出口25までの中間部に配置された第一導電率計22と、この第一導電率計22の配置位置から導出口25までの中間部に配置された第二導電率計23とを最低限としてH型陽イオン交換樹脂充填筒内に配置しておくと、効率良くH型陽イオン交換樹脂のイオン交換能を把握することができる。つまり、第一導電率計22で測定された導電率の値と第二導電率計23で測定された導電率の値との差が実質的に0になるか、或いは一定の閾値に達すると、第二導電率計23が配置された位置よりも下流側のH型陽イオン交換樹脂のイオン交換能が使用可能な程度に残留していたとしても、H型陽イオン交換樹脂充填筒内におけるH型陽イオン交換樹脂全体が継続的使用不可と判断してH型陽イオン交換樹脂の交換作業を行うこととするのである。
ここで、イオン交換流路の中間部に配置される第一導電率計の好適な配設位置は、通常、イオン交換流路の入口つまり導入口24から出口つまり導出口25までの距離を基準にして導入口24から40〜80%の範囲内にある適宜の位置であり、第二導電率計23の好適な配設位置は、通常、第一導電率計の配設位置から導出口25間での距離を基準にして前記第一導電率計から少なくとも10%下流側にある適宜の位置である。このような配設位置に第一導電率計22及び第二導電率計を設けることによりH型陽イオン交換樹脂の消耗度の検出精度が良くなる。
【0025】
なお、複数の導電率計から出力される導電率を表示手段例えばCRT画面に表示するようにしておくのが良い。例えば、CRT画面上で、横軸を、H型陽イオン交換樹脂充填筒の流通方向における長さとして示し、縦軸に各導電率計により測定された導電率を示すようにすると、導電率計の数が多い程、H型陽イオン交換樹脂充填筒内におけるH型陽イオン交換樹脂のイオン交換能を視覚的に容易に認識することができるようになる。
【0026】
流量調整弁21が、本発明における定量流通手段である。圧力補償機構を備える手段であれば、その形態は弁であることに限定されない。流量調整弁21の圧力補償機構の原理について図4を用いて説明する。
【0027】
図4でバランス状態における関係式は、下記のようになる。
ダイヤフラムの上向きの力 P2A+P1a………(1)
ダイヤフラムの下きの力 P3+F+P2a………(2)
バランス状態では、(1)=(2)となるので、
2A+P1a=P3+F+P2a………(3)
流量調整弁の定差圧はP2−P3であるため(3)式より
2−P3=F/A−a/A(P1−P3)………(4)
a/AはA≫aに設計されており、F,Aは定数のため一次圧力(P1)が変動しても、P2−P3は一定となる。またP2−P3はベローバルブの前後の差圧のため、流量は一定となる。
【0028】
したがって、本発明における流量調整弁21は、試料採取ポンプ13による試料液の流通圧力が増加した場合であっても、H型陽イオン交換樹脂充填筒15内を流れる試料液の流速は一定に保たれる。したがって、H型陽イオン交換樹脂充填筒15内を流通する試料液の流量が変動することによるH型陽イオン交換樹脂の短期劣化を防止できる。さらに、流量の急激な変動が生じないので、導電率値の安定化が図られる。また、試料液に含まれるアンモニウムイオン等の陽イオンの濃度から、定量的にH型陽イオン交換樹脂充填筒の再生時期を容易に計算により予測することができる。定量的に再生時期を予測できることにより、前もって再生する計画を立てることができるから、プラント運転中に再生することを回避することが可能となり、欠測時間を短縮できるので、検塩装置としての信頼度が大幅に向上する。
更に詳述すると、(a)試料液中に陽イオンが含まれている場合に、前記第一導電率計で測定される導電率と第二導電率計で測定される導電率との差分が所定の閾値内にあり、しかも第一導電率計で測定される導電率と第二導電率計で測定される導電率とがそれぞれ共に所定の閾値内にあるときにはH型陽イオン交換樹脂は正常に機能していると判断することができ、
また、(b)第一導電率計で測定される導電率が小さく、他方、第二導電率計で測定される導電率が大きくて、しかもその差分が所定の閾値の範囲よりも大きい場合に、流量調整弁21によりイオン交換流路を一定流量で試料液が流通しているときには、所定の期間後にH型陽イオン交換樹脂が完全劣化するであろうからこのH型陽イオン交換樹脂充填筒内のH型陽イオン交換樹脂を新品に交換する必要が有ると判断することができ、
(c)第一導電率計及び第二導電率計それぞれで測定される導電率が所定の閾値よりも大きく、しかも第一導電率計で測定される導電率と第二導電率計で測定される導電率との差分が所定の閾値内に有るときには、H型陽イオン交換樹脂におけるイオン交換能は正常に保たれており、しかも復水系に海水が漏洩したと判断することができる。
【0029】
流量計16は、続く導電率計17に流通する試料液が所定の毎分200〜400mlの流速を満たしていることを確認できるように設けてある。導電率計17は、試料液中に陽イオンが含まれているかどうかを確認するために用いられる。止弁18は、H型陽イオン交換樹脂充填筒15、流量計16、導電率計17等のメンテナンス時に検塩装置を停止するためにラインを絞りきるための弁であり、流量調整弁14と併用される。
【0030】
次に、発電プラントの再起動時の検塩作業手順について説明する。
【0031】
いずれかのバルブ12を開放し、試料取りこみ口11から試料液が検塩装置に送られる。復水器内は、再起動時当初は、減圧されていないので、試料採取ポンプ13によって通常の2.5倍の流速で検塩装置に試料液が送られる。しかし、定量流通手段である流量調整弁21が設けられているので、実際に陽イオン交換樹脂充填筒15に流れる試料液の流速は定常運転時と同じく毎分200ml〜400mlとなる。作業者は、導電率計22、及び23を観測することにより、イオン交換樹脂が消耗していないどうかの確認を行うことができる。導電率の測定が終了した試料液は、試料排出口20より復水器10に戻される。定常運転になった場合は、復水器10内が減圧されるので、試料採取ポンプ13の出力が低下し、流量調整弁21にて圧力補償機構が働かなくても、所定の流速に保たれる。
【0032】
本発明の検塩装置を用いた発電プラントにおいて、プラント再起動時に検塩装置内を流れる試料液の流速及び復水器の真空状態を調べた。復水器は、再起動後1時間から徐々に減圧し始め、6時間で−700mHgに到達し、24時間でほぼ、−730mHgで飽和した。試料液の流速は、復水器の真空度合に関係無く毎分400mlと一定であった。
【0033】
以上、この発明の一例について説明したが、この発明は前記例に限定されるものではなく、この発明の要旨の範囲内で適宜に設計変更をすることができる。
前記の例においてはH型陽イオン交換樹脂充填筒が1本であるが、本発明においては複数のH型陽イオン交換樹脂充填筒が直列に接続されていても良い。複数のH型陽イオン交換樹脂充填筒が直列に接続されている場合には、最初のH型陽イオン交換樹脂充填筒における導入口から最後のH型陽イオン交換樹脂充填筒における導出口までの流路が、本発明におけるイオン交換流路である。
このように複数のH型陽イオン交換樹脂充填筒が直列に接続されることにより形成されたイオン交換流路を有する検塩装置にあっては、複数の水素イオン濃度検出器は、イオン交換流路の中間部とイオン交換流路の末端部に少なくとも配置されていることが望ましい。
本発明においては、プロトン濃度検出器は前記導電率計に限定されることはなく、プロトン濃度を測定することができる限り種々の測定機器、センサー等が採用される。例えば、プロトン濃度検出器としてpH計が採用されることもできる。
【0034】
また、H型陽イオン交換樹脂充填筒は、処理液を下から上へ流す押上方式を採用しても良く、又上から下へと流通させる方式を採用しても良い。H型陽イオン交換樹脂における交換基としては、スルホン酸基を持つ強酸性陽イオン交換樹脂が好ましい。これは、スチレンージビニルベンゼン共重合体からなる橋かけ高分子母体を硫酸でスルホン化することにより得られる。
【0035】
検塩装置に流通させる流体は、上記の例においては、発電プラントの復水を用いたが、ナトリウムイオンを含有する可能性の有る液体であれば、いずれの液体をも用いることができる。尚、ナトリウムイオンは海水に由来することが多い。
【0036】
【発明の効果】
本発明の検塩装置は、イオン交換樹脂の再生時期を定量的に予測可能であり、イオン交換樹脂の再生を効率的に行うことができる。
【0037】
また、イオン交換樹脂の再生時期を定量的に予測可能であるから、欠測時間を短縮させることができ、これにより検塩装置の信頼度を高めることができる。
また、本発明の検塩装置は、イオン交換樹脂の消耗度合を確認することができ、イオン交換樹脂の再生時期を知ることができる。
本発明の検塩装置は、ナトリウムイオンの混入を正確に検出することができ、したがって、本発明の検塩装置を復水器に組み込んだときには、海水の漏洩を迅速に検知することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一例である検塩装置が使用される復水器の断面図である。
【図2】図2は、従来技術における検塩装置の概略図である。
【図3】図3は、本発明の一例である検塩装置の概略図である。
【図4】図4は、本発明における、圧力補償機構を備えた流量調整弁21の原理図である。
【符号の説明】
1 取りこみ口、2 冷却用配管 3 海水注入口、4 海水排出口、 5 樋、6 貯留槽、7 取り出し口、8 海水、9 復水、10 復水器、11 試料取りこみ口、12 バルブ、13 試料採取ポンプ、14 流量調整弁、15H型陽イオン交換樹脂充填筒、16 流量計、17 導電率計 、18 止弁、19 バイパス弁、20 試料排出口、21 流量調整弁、22,23 導電率計、24 導入口、25 導出口

Claims (6)

  1. 少なくともナトリウムイオンを含有する可能性のある液体とこの液体中のナトリウムイオンを脱塩するH型陽イオン交換樹脂とが接触するイオン交換流路を備えるイオン交換装置と、
    前記イオン交換流路の上流側に設けられるバイパス弁と、
    前記イオン交換装置の下流側に設けられ、前記イオン交換流路内を流通する液体の流量を一定にする定量流通手段と、
    前記イオン交換流路の途中に前記液体の流通方向に沿って配置された複数の導電率計とを備えることを特徴とする検塩装置。
  2. 前記複数のプロトン濃度検出器が、イオン交換流路内の、イオン交換流路内に液体を導入する導入口からイオン交換流路外に液体を導出する導出口までの中間に配置された第1プロトン濃度検出器と、前記第1プロトン濃度検出器と前記導出口との間に配置された第2プロトン濃度検出器とである前記請求項1に記載の検塩装置。
  3. 前記プロトン濃度検出器が、導電率計である前記請求項1又は2に記載の検塩装置。
  4. 前記イオン交換流路が、H型陽イオン交換樹脂を充填して成るH型イオン交換樹脂充填筒である前記請求項1〜のいずれか1項に記載の検塩装置。
  5. 前記イオン交換流路が、H型陽イオン交換樹脂を充填して成るH型イオン交換樹脂充填筒を複数直列に接続して成る流路である前記請求項1〜のいずれか1項に記載の検塩装置。
  6. 少なくともナトリウムイオンを含有する可能性のある前記液体がボイラー復水である前記請求項1に記載の検塩装置。
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