JP4417273B2 - ***活性化剤および***不活性化剤 - Google Patents

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Description

この出願の発明は、***の運動性および卵子への受精能を活性化することを作用機序とする、受精促進剤、妊娠促進剤、体外受精促進剤、***無力症等に起因する不妊症治療剤等としての***活性化剤に関するものである。またこの出願の発明は、***の運動性および卵子への受精能を抑制することを作用機序とする避妊薬等としての***不活性化剤に関するものである。
多数の動物の***は不動状態で精巣外部管に貯蔵されており、管からの放出時点で運動が活性化される。***後***は、管よりの放出後に外部環境中で受精能獲得ならびに超活性化されるが、これは先体反応前、あるいは卵に出会う直前の時点で生じる。***の受精能獲得は***の先体反応が可能となる原因の反応であり、また超活性化は受精能獲得に並行して生じる遊泳行動の変化であるが、これらはいずれも受精に必須であることが知られている(非特許文献1-5)。これら2種類の現象が生じるためにはカルシウムとグルコースが必要であると考えられていた(非特許文献6)。解糖またはミトコンドリアの酸化的リン酸化によるATPの産生が必要であるが、これら2種類の経路間のバランスは異種***間では変化する(非特許文献3、7-9)。ヒト男性避妊薬の研究によれば、解糖系酵素活性の阻害は、ラット、マウス、ヒトより得た***の運動性に影響する(非特許文献10)。だがそれにもかかわらず、ヒト***は解糖可能な糖が欠如した培地においても運動性を保つことが可能であり(非特許文献11)、受精可能である(非特許文献12)。生理学的環境下の***運動性に対する真の主要エネルギー源となる分子の種類については、まだ研究が行われていない。
アセト酢酸ならびにヒドロキシ酪酸としてのケトン体は、脂質消化により肝臓内部の脂肪酸より産生され、末梢組織に輸送されエネルギー源になるが、この代謝は正常な生理学的条件に限らず、エネルギーの大部分を当該経路により脂質貯蔵から供給しなければならない飢餓時においてはより顕著である(非特許文献13)。実際に心臓、筋肉、腎皮質などではグルコースよりもアセト酢酸が優先的に利用される。脳でさえも飢餓または糖尿病時にはアセト酢酸を利用するように適応する。飢餓が長期にわたる場合には、脳のエネルギー要求のほとんどがアセト酢酸によりまかなわれる。サクシニールCoA転移酵素(succinyl CoA transferase: SCOT/OXCT)は肝臓以外の各種組織のミトコンドリア内に局在しており、CoA基をサクシニールCoAからアセト酢酸に転移させることにより、アセトアセチルCoAの形成を触媒する。次にアセトアセチルCoAはチオラーゼにより開裂して2分子のアセチルCoAを生じ、これはトリカルボン酸サイクルに入ることが可能である(非特許文献14、15)。肝臓は他の臓器にアセト酢酸を供給することが可能であるが、これはこの特異的SCOTが肝臓に存在しないためである。
この出願の発明者らは、ハプロイド生殖細胞特異的なSCOTをコードする新規遺伝子を、マウス精巣のcDNAサブトラクションライブラリーならびにヒト精巣のcDNAライブラリーからクローニングし、これをSCOT-t(精巣特異的SCOT)と名付けた(非特許文献16)。また、マウスでは2種類の新規scot-t遺伝子が発現しているが(非特許文献17)、ヒト精巣では1種類のみが発現していることも明らかにした(非特許文献18)。SCOT-tの遺伝子産物は伸長化精細胞と***のミトコンドリアに局在しており(非特許文献16、18)、生殖細胞の分化途中で普遍的に発現するSCOT(体細胞型)の代わりを務めていることも明らかにしている(非特許文献19)。
さらにこの出願の発明者らは、男性不妊症患者(***無力症患者)と正常男性のそれぞれのscot-t遺伝子配列を比較することによって、不妊症患者のscot-t遺伝子に特異的な単塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNPs)、すなわちt129c(L38P)、t870g(L285R)、c1071t(T352M)、t1667c(なお塩基番号およびアミノ酸番号はGenBank/AB050193に基づく)を特定するとともに、これらの変異が男性不妊と密接な関係にあることを見出して特許出願している(特願2002-381241号、2002年12月27日出願)。
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前記のとおり、この出願の発明者らは、scot-t遺伝子の変異(SNPs)が男性不妊と密接な関係にあることを見出している。そしてこのことは、***無力症の原因が、scot-t遺伝子発現産物(SCOT-t)の酵素活性低下による***運動の阻害にあることを示唆する。そこでこの出願の発明者らは、SCOT-tの基質であるケトン体の***運動に対する役割を調べた結果、ケトン体が***を活発な運動状態へ誘導すること、また***運動の維持にも重要な役割を果たしていることを見出した。
この出願の発明は、発明者らによる以上のとおりの新規な知見に基づくものであり、***運動のエネルギー源として働くSCOT-t/ケトン体相互作用のメカニズムを利用した新しい***活性化剤を提供することを課題としている。
またこの出願の発明は、SCOT-t/ケトン体相互作用に対する阻害を作用機序とする新しい***不活性化剤を提供することを課題としている。
さらにこの出願の発明は、***の生理学的機能に対するケトン体の作用を利用した、新しい***保存用培地を提供することを課題としている。
この出願は、前記の課題を解決するための第1の発明として、精巣特異的なサクシニールCoA転移酵素(SCOT-t)および/またはその脂質代謝産物であるケトン体の薬効量を有効成分として含有する***活性化剤を提供する。
この第1の発明においては、ケトン体が、アセト酢酸、アセト酢酸誘導体、3ヒドロキシ酪酸および3ヒドロキシ酪酸誘導体からなる群より選択される1種以上であることを好ましい態様としている。
またこの出願は、第2の発明として、SCOT-tをコードするポリヌクレオチドを含有する***活性化剤を提供する。
さらにこの出願は、第3の発明のとして、SCOT-tの阻害物質および/またはケトン体阻害物質の薬効量を有効成分として含有する***不活性化剤を提供する。
またさらにこの出願は、第4の発明として、ケトン体を***のエネルギー源として含有する***保存用培地を提供する。
この出願の前記第1〜第3の発明は、ヒトおよび有用動物を対象とする薬剤である。有用動物としては、家畜、愛玩動物、実験動物のほか、希少種動物等が包含される。
この出願の前記第1発明および第2発明の「***活性化剤」は、***運動を活性化することによって、その受精能を向上させるための薬剤であり、具体的には、受精促進剤、妊娠促進剤、体外受精促進剤、***無力症等に起因する不妊症治療剤等を包含する。
またこの出願の前記第3発明の「***不活性化剤」は、***運動を阻害することを作用機序とする避妊薬等である。
さらにこの出願の第4発明の「***保存用培地」は、受精可能な生理学的機能を損なわず***を保存することのできる培地である。
この出願の各発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。またこの発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、この発明の薬剤の調製はRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990等に、遺伝子工学および分子生物学的技術はSambrook and Maniatis, in Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989; Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995等に記載されている。さらに、この発明における用語は基本的にはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。
受精時の***の生理学的機能では、受精能獲得と活発な***運動性(超活性化)が最も重要である。第1発明および第2発明の***活性化剤は、***運動能、特に***の超活性化に強く作用することによって受精を促進する。ヒトおよび有用動物の受精・妊娠促進剤として、あるいはヒト男性不妊症の治療薬剤として有用である。また、ヒトおよび有用動物の体外受精時や人工授精時における受精促進剤としても有用である。なお、この***活性化剤の有効成分であるSCOT-tおよびケトン体はヒトおよび動物体内に内在的に存在する物質であり、安全性には全く問題はない。
また、第2発明の***活性化剤は、特にscot-t遺伝子変異(SNPs)によるSCOT-t酵素活性の低下を原因とする***無力症に対する遺伝子治療用として有用である。
第2発明の***不活性化剤は、***運動を阻害することによって、受精を妨害する。この薬効は男性***にのみ特異的に作用させることができ、その効果も非持続的であるため、卵子への悪影響等を排除することができる。
第1発明の***活性化剤は、SCOT-tおよび/またはその脂質代謝産物であるケトン体の薬効量を有効成分として含有する。すなわち、「SCOT-t単独」、「ケトン体単独」または「SCOT-t+ケトン体」を有効成分とする薬剤組成物である。
SCOT-tは、ヒトの精巣から単離して用いることもできるが、この発明者らが単離同定したヒトSCOT-t cDNA(GenBank/AB050193)を用いて遺伝子工学的手法によって調製することが好ましい。また非ヒト有用動物のSCOT-tをコードするポリヌクレオチド(cDNA等)は、ヒトSCOT-t cDNAやマウスSCOT-t cDNA(GenBank/AB022180)の配列情報に基づいて作成したプローブを用いて目的動物のcDNAライブラリーをスクリーニングする方法や、配列情報から設計したプライマーを用いたPCR法またはRT-PCR法等によって取得することができる。遺伝子工学的方法としては、例えば、ポリヌクレオチドを有するベクターからインビトロ転写によってRNAを調整し、これを鋳型としてインビトロ翻訳を行うことによりインビトロでSCOT-tを得ることができる。またポリヌクレオチドを公知の方法により適当な発現ベクターに組換えれば、大腸菌、枯草菌等の原核細胞や、酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞等の真核細胞で、ポリヌクレオチドがコードしているSCOT-tを大量に得ることができる。
ケトン体は、一般には脂肪酸の代謝産物であるアセト酢酸、3ヒドロキシ酪酸およびアセトンであるが、この発明のケトン体としては、アセト酢酸および3ヒドロキシ酪酸を使用する。特に、後記の実施例に示したように、3ヒドロキシ酪酸の使用が好ましい。
これらのケトン体は、市販品を使用することができる。あるいはそれら生合成経路を模した方法によって、化学的に合成することができる。例えば、アセトアセチルCoAにコハク酸を作用させてアセト酢酸を合成し、さらにこのアセト酢酸にNADH2+を作用させて3ヒドロキシ酪酸を合成することができる。
またこれらのケトン体は、誘導体であってもよい。誘導体としては、好ましくは塩としての形態が例示される。塩は、例えば、製薬上許容されるナトリウム塩、カリウム塩などである。
第1発明の***活性化剤は、前記の薬効成分(SCOT-t、ケトン体;アセト酢酸、3ヒドロキシ酪酸)と、薬理学的に許容しうる担体とを均一に混合して製剤化することができる。担体は、薬剤の投与形態に応じて広い範囲から適宜に選択することができる。
例えばこの発明の薬剤は、外用剤として、女性生殖器の内壁等に投与することによって、進入した***運動を活性化するための妊娠促進剤として製剤化することができる。この場合の剤形は、坐薬、乳液、クリーム、分散液、軟膏、液剤、エアゾール等とすることができる。またこのような剤形とした場合、一般的な外用医薬品等に通常使用される各種の成分を、この発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。このような成分としては、例えば水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等である。例えば、アルコールとしては、溶解、清涼感、防腐、保湿等の目的で、エチルアルコール等の一価アルコールまたは多価アルコールを用いることができる。油剤は、使用性、使用感を良くするものとして、例えば流動パラフィン、スクワラン、トリグリセライド油、エステル油、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール、シリコーン油、フッ素系油、各種ワックス等を使用することができる。界面活性剤は、油剤等の乳化や可溶化等のために用いられ、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性および両性の活性剤を用いることができる。増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等、化学合成品または天然物由来に関わらず用いることが可能である。また、これらの成分は粘度調整だけでなく、ゲル化、保湿、皮膜形成等の目的に用いることもできる。粉体としては、形状や粒子の大きさ、多孔性の有無、結晶構造等を問わず、使用性や使用感を良くする目的で、複合化や表面処理を行なったものでもよい。タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸等の無機粉体、ナイロンパウダー等の有機粉体、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、酸化鉄、カーボンブラック、群青等の無機顔料、タール色素およびそのレーキ、天然色素等が用途に応じて用いられる。薬剤中の成分の品質劣化を防ぐことを目的として、EDTA等のキレート剤、乳酸−乳酸ナトリウム等のバッファーによるpH調整剤を用いることもできる。防腐剤および殺菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が用いられる。抗炎症剤としては、イオウおよびその誘導体、イラクサ抽出物、インチンコウ抽出物、ウコン抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ヨモギ抽出物等が挙げられる。
また、懸濁剤およびシロップ剤のような経口液体調製物は、水、シュークロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール等のグリコール類、ゴマ油、大豆油等の油類、アルキルパラヒドロキシベンゾエート等の防腐剤、ストロベリー・フレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を使用して製造することができる。
散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラクトース、グルコース、シュークロース、マンニトール等の賦形剤、デンプン、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、マグネシウムステアレート、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いて製剤化することができる。また、注射用の溶液は、塩溶液、グルコース溶液、または塩水とグルコース溶液の混合物、各種の緩衝液等からなる担体を用いて製剤化することができる。また粉末状態で製剤化し、使用時に前記液体担体と混合して注射液を調製するようにしてもよい。
薬効成分であるSCOT-tおよび/またはケトン体の含有量は投与形態や剤形等に応じて適宜とすることができるが、通常は5〜100%(w/w)、好ましくは10〜60%(w/w)の範囲とすることができる。また薬剤の投与量は、患者症状や投与経路、剤形等によって異なるが、薬効成分量として20〜200mg/kg/day程度とすることができる。
さらにまた、この第1発明の***活性化剤は、人工授精や体外受精時に使用した場合には、少数の***でも効率よい受精が可能となる。また***培養用の培地成分としてこの***活性化剤を使用することもできる。
第2発明は、SCOT-tをコードするポリヌクレオチドを含有する***活性化剤である。この薬剤は、scot-t遺伝子の変異(SNPs)による***無力症の患者に対して、長期間にわたり正常なSCOT-tを発現させることによって、***無力症を治療するための有効手段を提供する。また、産仔数の低い動物種に対しては、過剰量のSCOT-tを精巣内で発現させることによって受精能力を高めるためにもこの薬剤を使用することができる。すなわちこの第2発明の薬剤は、scot-tポリヌクレオチドが患者または動物の精巣内で発現することによって、その酵素活性の基質であるケトン体が***の運動エネルギーとして作用するようになる。従って、この第2発明の薬剤は、scot-tポリヌクレオチドが「むき出し(naked)DNA」として(例えば、米国特許第5,580,859号参照)、あるいは組換えウイルスベクターの形態で製剤化される。そして、ヒトまたは動物の精巣内を含め、どのような投与経路によっても投与することが可能である。
ウイルスベクターとしては、バキョロウイルス科、パルボウイルス科、ピコルノウイルス科、ヘルペスウイルス科、ポックスウイルス科、アデノウイルス科、またはピコルナウイルス科から選ばれるウイルスのゲノムに由来するものとすることができる。各々の親ベクターの都合のよい長所を利用したキメラベクターもまた用いることができる(例えば、Feng(1997)Nature Biotechnology 15:866-870参照)。このようなウイルスゲノムは、複製欠損性か、条件により複製するか、または複製コンピテントとなるべくさらに加工されてもよい。別の態様においては、ベクターはアデノウイルス(例えば、ヒトアデノウイルスゲノムに由来する複製非コンピテントベクター、例えば米国特許第6,096,718号;6,110,458号;6,113,913号;5,631,236号参照);アデノ随伴ウイルスおよびレトロウイルスゲノムに由来するベクターである。レトロウイルスベクターには、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびそれらの組合せを主成分とするものが含まれる(例えば、米国特許第6,117,681号;6,107,478号; 5,658,775号; 5,449,614号;Buchscher(1992)J. Virol. 66:2731-2739; Johann(1992)J. Virol. 66:1635-1640参照)。
第3発明の薬剤は、SCOT-tの阻害物質および/またはケトン体阻害物質の薬効量を有効成分として含有する***不活性化剤である。
ここで言う阻害物質とは、SCOT-tに対する特異的な阻害物質やケトン体に対する特異的な阻害物質だけでなく、SCOT-tによるケトン体代謝経路を阻害する物質全般を言う。例えば、アセトアセチルCoAからアセト酢酸の合成経路、アセト酢酸から3ヒドロキシ酪酸への合成経路のそれぞれに阻害作用を及ぼす物質である。このような物質としては、例えば、アセトアセチルCoAチオラーゼの阻害剤であるイオドアセタマイド(iodoacetamide)等を例示することができる。
この第3発明の***不活性化剤もまた、女性生殖器の内壁等に塗布する外用剤、あるいは経口剤等として製剤化することができる。
第4発明の***保存用培地は、***のエネルギー源としてケトン体を含有する培地(冷凍保存用培地も含む)であり、従来の培地(例えば、実施例に示した基礎TYH培地)にケトン体を添加することによって調製することができる。すなわち、従来の***保存用培地は、***のエネルギー源としてグルコースやピルビン酸が添加されている。しかしながら、これらのエネルギー源はまた、***に対して自然誘発的に先体反応を生じさせるため、時間の経過とともに***は先体を喪失し、最終的に***は受精能を喪失してしまうという問題点を有していた。これに対して、後記実施例に示したように、ケトン体は***のエネルギー源として作用すると共に、***先体反応の自然誘発を抑制する働きを有している。従って、ケトン体含有培地で培養保存された***は、卵と遭遇するまでの間、先体を保持し続けることによって、受精可能な状態で長期間保存される。
この第4発明の***保存用培地に添加するケトン体としては、前記のとおりのアセト酢酸または3ヒドロキシ酪酸であり、その添加量は、例えば従来培地におけるグルコースやピルビン酸の添加量等に準じて適宜に調整することができる。
以下、実施例を示してこの出願の発明についてさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発明は以下の例に限定されるものではない。
(1)方法
(1−1)実験動物
実験用のC57BL/6系統の雄マウスは日本CLEA社より購入し、約2〜3ヶ月齢時点で使用した。先体反応のリアルタイム変化を観察するため、アクロシン/EGFP導入遺伝子を持つ遺伝子導入マウスの***を利用した(Nakanishi, T. et al. (1999) FEBS Lett. 449, 277-283)。全動物実験は大阪大学微生物研究所の実験動物委員会による承認を受けた。
(1−2)精巣上体尾部からの***の収集
6個の精巣上体尾部を流動パラフィン(Nacalai社)中に収集した。グルコース、ピルビン酸ナトリウム、BSAフリー基礎TYH培地(bTYH)(119mM NaCl、4.8mM KCl、1.2mM KH2PO4、1.0mM MgSO4、25mM NaHCO3)(Toyoda, Y. et al. (1971) Jpn. J. Anim. Reprod. 16, 147-151)(800μl)に対して0.5mMのピルビン酸ナトリウム(bTYH+pyr)、1.7mM CaCl2(bTYH+Ca)、またはピルビン酸塩とカルシウムの両者(bTYH+Ca,pyr)を添加したものを、30mm組織培養皿(NUNC社、デンマーク)中の4mlの流動パラフィンに入れた。精巣上体尾部を切除し、ピンセットにより***塊を流動パラフィンで覆われた培地に入れた。続いて加湿されたインキュベータ内に培養皿を入れ、5% CO2:95%空気条件で1時間にわたりインキュベートした。***を含む数滴をピペットでCASAチェンバー内に入れ、***運動の分析を行った。カルシウムとピルビン酸塩を含む培地(bTYH+Ca, Pyr)中の***を1.5ml試験管内に入れ、室温で1分間にわたり5,000gの遠心分離を行ってから、次の実験に用いた。上清を除去し、1.7mMカルシウムを含むbTYH(bTYH+Ca)700μlを添加し、ピペッティングにより緩やかに混合した。それぞれピルビン酸塩、グルコース、アセト酢酸塩(City Chemical社、米国)または適切濃度の3β-ヒドロキシ酪酸塩(Sigma社、米国)を添加した50μlのbTYH+Ca、あるいはアルファクロロヒドリン(Sigma社、米国)を入れた複数の皿に、***を含む数滴(50μl)を移した。次にCO2インキュベータ内で各培養皿をインキュベートした。
(1−3)***運動度の観察
***を各種炭水化物の含まれた新鮮な培地に移してから適当な時間が経過した時点で、適切な培地中の***懸濁液の部分滴10μlを1:10-40に希釈し、血球計算スライド上に置いた。運動性の***と非運動性の***数を記録し、これらの値を用いて運動性の細胞比率を求めた。
(1−4)先体反応を生じた***の蛍光活性化セルソーター(FACS)による検出
アクロシン-EGFP導入遺伝子により標識した緑色***の分析は、***懸濁液に対してヨウ化プロピジウムを添加した後、FACS(FACS-Calibur, Becton Dickinson社)により実施した。生きている***(ヨウ化プロピジウム陰性)を元に、***総数中で先体反応を生じた***(GFP陰性)の百分率を計数した(Nakanishi, T. et al. (1999) FEBS Lett. 449, 277-283)。
(1−5)コンピュータ補助***分析(CASA)
1.7mMカルシウムの存在下または非存在下でのbTYH培地中におけるインキュベーション(60分間)終了時に、各試料10μlをピペットでMakler計数チャンバー(Sefi Medical Instrument社、イスラエル)に移し、HTM-IVOS Ver.10(Hamilton Thorne Research社、米国)により***運動を分析した。この機器を用いて少なくとも200個の***を計数し、進行的運動型***の比率、直線速度(VSL)、曲線速度(VCL)、外側頭部置換振幅(ALH)、直線性(LIN)などを評価した(Mortimer, S. T. (1997) Hum. Reprod. Update 3, 403-439参照)。***運動分析は標準CASA(コンピュータ補助***分析)として実施し、製造元の指示に従って以下のパラメータを用いた。温度、37℃;逆位相差光学系;補足フレーム、30;フレームレート、60Hz;最小コントラスト、60;最小セルサイズ、3ピクセル;最大静止コントラスト、30;低VAPカットオフ、5.0μm/s;静的ヘッドサイズ、0.32〜2.99;静的ヘッド強度、0.42〜1.60;倍率、1.95。分析中にはプレイバック機能を用いて、衝突により明らかにミストラッキングされた***を削除した。16ポイント未満のトラックは除去した。
(1−6)統計
***の運動パラメータは平均値で表現し、併せて運動性と進行率では95%信頼区間を、他のパラメータでは平均の標準誤差(SEM)を示した。統計分析のためには、スチューデントのt検定を適用して、各時点での事例と対照を比較した。p値が0.05未満である場合に統計的有意であるとみなした。
(2)結果
(2−1)***の調製
***標本はインキュベーション前培地中において超活性化されており、これはCa依存性運動性パラメータにより決定された。
ピルビン酸により1時間にわたり刺激された母集団内での運動性***比率は、(bTYH+Ca,pyr)を有する培地またはカルシウム除去培地(bTYH+pyr)中でインキュベーションしても変化しなかった(図1a)。しかし***の運動パターンは非常に異なっており、Ca含有培地では活発化して鞭毛打撃の振幅増加が見られた。非対称な鞭毛打撃のために***は円を描いて遊泳し、鞭毛屈曲に変化が見られた。この独特な***運動のタイプ、すなわち超活性化(Yanagimachi, R. (1917) J. Reprod. Fertil. 23, 193-196)により、CASA分析の各種パラメータに特定の変化が生じた(Neill, J. M. & Olds-Clarke, P. (1987) Gamete Res. 18, 122-140、Cooper, T. G. (1984) Gamete Res. 9, 55-74、Mortimer, S. T. (1997) Hum. Reprod. Update 3, 403-439)(図1b-e)。超活性化された***運動では曲線速度(VCL)の増加(図1b)ならびに頭部運動振幅や外側頭部置換振幅(ALH)の増加が見られたが(図1c)、直線性(LIN)は低下し、それによって測定される直線速度(VSL)も低下した(図1d)。これらは振幅の大きな鞭毛屈曲であり、近位中片の屈曲性増加に関連している(Cooper, T. G. (1984) Gamete Res. 9, 55-74、Mortimer, S. T. (1997) Hum. Reprod. Update 3, 403-439、Suarez, S. (1988) Gamete Res. 19, 51-65、Suarez, S. et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 4460-46646,22-24)。これらの性質は、マウスなど研究対象の全動物種の***が超活性化された場合に共通して生じるものであり、超活性化を引き起こす鞭毛運動パターンにおける種間類似性を反映している。
ここで超活性化された***をエネルギー源のない新鮮な基礎TYH培地(bTYH+Ca)に移した場合には、インキュベーション時間の増加と共に、超活性化された運動性***の比率は徐々に減少する(図2)。基礎培地中でははじめ約70%の***が運動性を有していたが、120分経過時点では内因性エネルギーあるいはインキュベーション前培地の中のピルビン酸の欠乏により運動性***は存在しなくなった。***運動の停止は必ずしも***の死を意味しなかった。つまりエネルギー源を添加することで、***の運動性は劇的に回復した。回復した運動性の特徴は、初めに超活性化された***と同様であった(Cooper, T. G. (1984) Gamete Res. 9, 55-74)。そのため、***の超活性化は、運動が完全に停止した場合でも一度確立してしまうと不可逆的である。
(2−2)超活性化された***の運動比率にケトン体(3-β-ヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸)が及ぼす影響
グルコース含有培地にて180分間インキュベーションを行った後、ほぼ等比率の***が運動を保持していた。グルコースやピルビン酸と同様に、ケトン体(ヒドロキシ酪酸とアセト酢酸)はいずれも***運動の維持に有効であった(図2)。
エネルギー源の存在しない基礎培地中での120分のインキュベーションにおける全停止後の運動性回復については、グルコースの場合と同じくほぼ等量のヒドロキシ酪酸が必要であった(図3)。5〜10ミリモルのヒドロキシ酪酸とグルコースにより、半数の***の運動回復が生じた。これは、70%以上の***が停止後に運動性を回復したことを意味する。反対に、アセト酢酸は停止した***の運動回復に全く影響しなかった。培地にこれらの代謝物を2種類以上添加した場合にも、***運動性の比率にそれ以上の刺激効果は現れなかった。すなわち、これらの実験的条件においては***運動性に対する相乗効果は全く観察されなかった(データ示さず)。以上の結果から、超活性化された***はケトン体をエネルギー源として使用し、その有効性はグルコースと全く同等であるが(図2)、ヒドロキシ酪酸とアセト酢酸という2種類のケトン体の潜在能力は同等ではないことが示される。現時点ではまだ、アセト酢酸とヒドロキシ酪酸が超活性化***に対して及ぼす効果に見られる差異を説明する証拠は得られていない。おそらくこれら化合物の取り込み効率や安定性の違いが原因であろう。
(2−3)解糖系阻害による***運動性の障害、ならびに***運動の回復にヒドロキシ酪酸が果たす影響
エネルギー源枯渇のため一度停止した***の運動性は、グルコース添加により回復するが(図2と3)、GAPDH(glyceraldehyde-3-phosphate-dehydrogenase)阻害剤であるアルファ-クロロヒドリン(ACH)(Bone, W. et al. (2001) J. Androl. 22, 464-470)を培地に添加することにより、グルコースにより回復した***の運動が用量依存的に阻害される。この阻害剤を高濃度で添加しグルコースと等濃度にすると、グルコースによる***運動性の回復は全く観察されなくなる(図4)。このため解糖系の阻害は***運動性に対する有害作用を示すので、男性避妊薬開発のために研究された(Bone, W. et al. (2001) J. Androl. 22, 464-470)。興味深いことにグルコース媒介性の***運動をACHで阻害した場合、ヒドロキシ酪酸の添加により完全回復した。この結果からヒドロキシ酪酸により補助される超活性化***の運動は、解糖系を使用していないことが示される。
(2−4)ピルビン酸、グルコースならびにケトン体が***の受精能獲得に及ぼす影響
通常は受精能獲得に伴って超活性化が生じるが、これは単に受精能獲得の結果起こるものではなく、別個の過程であるらしい。これら2種類の過程の関係を調べるため、ここではケトン体が***の受精能獲得に及ぼす影響を調べた。受精能獲得のモニタリングは、先体反応をおこした***の時間依存的出現を利用する。先体反応はアクロシン-EGFP遺伝子導入マウスの***を用いるならば、蛍光の消失により容易に検出可能である(Nakanishi, T. et al. (1999) FEBS Lett. 449, 277-283)。遺伝子導入された***を、Ca存在下にてグルコース含有基礎TYH培地(bTYH+Ca,glu)でインキュベートした場合、先体反応をおこした***数はインキュベーション時間に従って増加した。60%以上の***が蛍光を消失したが、これは先体反応によるEGFP蛋白質の放出によるものであり、当該培地での***の受精能獲得を示している。Ca欠如性グルコース培地(bTYH-glu)にて***をインキュベートした場合には、先体反応をおこした***数の増加は全くみられなかった(図5)。ヒドロキシ酪酸含有培地では先体反応の刺激はおこらず、Ca非含有培地におけるインキュベーションと類似しており、グルコースとCaの添加培地(bTYH+Ca,glu)の事例とは異なる結果であった。さらに解糖系阻害剤ACHは、グルコース媒介性の***の受精能獲得を明らかに阻害した(図5)。
これらの事実の総和から、***運動の超活性化と***機能の受精能獲得は別個のものであり、異なる経路により刺激される可能性が示唆される。グルコースは受精に重要なこれらの現象の両方を同時に刺激しているが、ケトン体はマウス***の運動だけを刺激し、受精能獲得を刺激することができなかった。すなわち、解糖系は***の受精能獲得に必須であるが、***の超活性化には必須ではない。
男性避妊薬として、解糖系酵素阻害剤を用いたものが知られている(Bone W. et al., J. Androl. 2001 22(3):464-470)。しかしながら、前記の結果から、SCOT-t/ケトン体経路は解糖系酵素とは異なった作用機序(***の超活性化)によって***受精機能に関与しており、***活性化および不活性化に関してこの経路を利用することの有効性が確認された。
以上詳しく説明したとおり、この出願の方法によって、全く新しい作用機序からなる***活性化剤および***不活性化剤が提供される。これによって、***無力症等による男性不妊の治療に新たな途が拓かれる。またヒトおよび有用動物の人工授精、体外受精等を効率良く行うことが可能となる。さらに、副作用の少ない避妊が可能となる。またさらに、ケトン体を含有することによって、***を受精可能な状態で長期間にわたって培養保存することのできる***保存用培地が提供される。
カルシウム存在下または非存在下培地でインキュベートしたCASAによる***運動の観察結果である。精巣上体の***をインキュベートし、各種CASAパラメータを記録し、代表的なパラメータを***の超活性化に関して示した。a)運動性***の%、b)VCL(曲線速度):***が曲線経路に沿って移動した距離であり、軌跡に沿った距離の和を調べた後で時間に対する修正を行うことにより計算、c)ALH(外側頭部置換振幅):打撃包絡線の幅に関連し、鞭毛打撃包絡線の近似として利用、d)VSL(直線速度):軌跡の初期ポイントと最終ポイント間の直線距離を調べ、時間について補正することにより決定、e)LIN(直線性):直線速度(VSL)と曲線経路の比較であり、VSL/VCLx100として計算される。平均±SEM。 各種エネルギー源の添加による***運動性の維持を測定した結果である。***をピルビン酸を含む基礎培地に1時間にわたりプレインキュベートした後、洗浄し、ピルビン酸を含まない新鮮なTYH培地中で、グルコース、ピルビン酸、またはアセト酢酸塩かヒドロキシ酪酸塩としてのケトン体と共に、再インキュベートした。運動性***の比率(縦軸)がインキュベーション後の適当な時点(横軸)で観察される。基礎培地(free)中でのインキュベーション、10mMピルビン酸、グルコース、アセト酢酸塩、またはヒドロキシ酪酸塩を添加したもの。平均±SEM。 ***運動性の回復:運動性***比率に対するグルコースまたはヒドロキシ酪酸塩の用量反応曲線である。ピルビン酸非含有の基礎培地にて120分間インキュベートすることにより、***運動性は停止する(図2参照)。その後、各種濃度のグルコースまたはヒドロキシ酪酸塩を添加した培地に***を移動し、60分後に運動性***の比率を観察した。横軸:添加したグルコースまたはヒドロキシ酪酸塩のmM濃度。縦軸:運動性***の比率。平均±SEM。 グルコースまたはヒドロキシ酪酸塩により刺激された回復後***運動性に対して、解糖系阻害剤アルファ-クロロヒドリン(AHC)の及ぼす影響を調べた結果である。***標本は図3の説明文と同様な方法にて調製し、運動を停止させ、10mMのグルコースまたはヒドロキシ酪酸塩を含むbTYH+Ca培地(Free)中で、1または10mMのACHと共にインキュベートした。60分のインキュベーション後、運動性***を観察し、運動性***の比率として提示した。平均±SEM。 ピルビン酸、グルコースまたはヒドロキシ酪酸塩の存在下でインキュベートした***の受精能獲得を調べた結果である。グルコース、ヒドロキシ酪酸塩、アセト酢酸塩、またはアルファ-クロロヒドリン(AHC)を含む培地(bTYH+Ca)中、あるいはCa非含有の培地(bTYH+glu);Ca(-)中にて3時間にわたりインキュベートすることにより、蛍光陽性(先体未変化)である***の比率を測定した。EGFP-標識された先体を有する遺伝子導入***の観察は、蛍光活性化セルソーターを用いて実施した。

Claims (2)

  1. 精巣特異的なサクシニールCoA転移酵素(SCOT-t)の脂質代謝産物であるケトン体を含有し、***の先体反応を抑制する***用培地
  2. ケトン体が、アセト酢酸または3ヒドロキシ酪酸である請求項1の***用培地
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