JP4415678B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムの技術に関する。
電解質としてイオン交換膜を使用する燃料電池システムでは、燃料電池セル全体において適切な水管理が求められる。これは、イオン交換膜中の含水率が過度に小さくなると膜抵抗が大きくなる一方、過度に濡れると反応ガスの供給が困難となって電極反応が阻害されるからである。このような課題に対して、効果的に適切な水管理を行うための技術も開示されている。たとえば特許文献1に開示されるように反応ガス流路から多孔質層を経由して過剰に生成された水を排出する方法である。
特開平9−312166号公報 特表平11−508726号公報
しかし、このような方法では、生成水が多孔質層を通過する際において、生成水に含まれた不純物が多孔質層に蓄積されることも予想される。こうして蓄積された不純物は、多孔質層を閉塞させて生成水の排出を阻害する要因となる。さらに、このような問題は、イオン交換膜を使用する燃料電池システムに限られず、多孔質材料を用いて反応ガス通路からの排水を行う燃料電池において生じ得る。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、多孔質材料を用いて反応ガス通路からの排水を行う燃料電池において、多孔質材料の閉塞を軽減させる技術を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、
電解質と、
触媒層を有するとともに、前記触媒層が前記電解質に接合された第1と第2の電極と、
多孔質材料で形成された多孔質部を少なくとも一部に有し、前記第1の電極に接して設けられた第1のセパレータと、
を備え、
前記燃料電池は、前記多孔質部と前記第1の電極とに接する位置において少なくとも一部の反応用流路が形成されるとともに、前記多孔質部に接し前記第1の電極に接しない位置に環境制御用流路が形成されるように構成されており、
前記燃料電池は、さらに前記反応用流路と前記環境制御用流路の少なくとも一方から前記多孔質部内へ侵入する不純物による前記多孔質部の閉塞を軽減させる閉塞軽減部を備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池は、多孔質部内へ侵入する不純物による多孔質部の閉塞を軽減させる閉塞軽減部を備えるので、反応用流路において過剰に発生した水を多孔質部を経由して円滑に排水させることができる。これにより、フラッディングによる燃料電池の性能低下を軽減させることができる。
ここで、「フラッディング」とは、燃料電池の触媒層で過剰に発生した液体水が反応ガスを触媒層に行き渡らせることを妨げて燃料電池の性能を低下させる現象である。「不純物」とは、反応ガス以外の有体物を意味し、たとえば砂、塵、埃といった燃料電池システムの外部から侵入する物や、たとえばセパレータのカーボン粉、金属粉、繊維くずといった燃料電池システムの内部で発生する物がある。
上記燃料電池において、前記電解質は、イオン交換膜であるようにしても良い。電解質としてイオン交換膜を使用する燃料電池は水管理の適否によって大きく性能が変動するため顕著な効果を奏する。
上記燃料電池において、前記閉塞軽減部は、前記反応用流路と前記環境制御用流路の少なくとも一方に供給される反応ガスを濾過する濾過器を含むようにしても良い。こうすれば、反応用流路や環境制御用流路に流れ込む不純物を少なくすることができるので、反応用流路や環境制御用流路から多孔質部内へ侵入する不純物の量を削減して閉塞を軽減させることができる。
上記燃料電池において、前記濾過器は、イオン交換処理による濾過を含む濾過処理を行うようにしても良い。こうすれば、反応ガス内にイオンとして存在する不純物も濾過することができる。さらに、燃料電池内部で発生する不純物としてのイオンをも削減することもできる。
上記燃料電池において、前記イオン交換処理は、陽イオン交換処理を含むようにしても良い。陽イオン不純物は陽イオン交換膜における陽イオン伝導率の低下の原因となるので、こうすれば、陽イオン交換膜への陽イオン不純物の堆積による燃料電池の性能低下をも軽減させることができる。
上記燃料電池において、前記反応用流路には、酸化ガスが供給されるように構成しても良い。酸化ガスが供給される反応用流路は燃料ガスが供給される流路よりも生成水の発生量が多いので、多孔質部の閉塞の軽減の効果が顕著に奏される。
上記燃料電池において、前記第1のセパレータには、前記燃料電池を冷却するための冷媒を流すための冷媒流路が形成されているように構成しても良い。
上記燃料電池において、前記環境制御用流路が前記反応用流路の上流側に接続されるように燃料電池が構成されていても良い。こうすれば、空気供給系統から加湿器を削除することができるとともに、冷却系統の負担を軽減させることができる。
本発明の燃料電池システムは、イオン交換膜と、触媒層を有するとともに前記触媒層が前記イオン交換膜に接合された第1と第2の電極と、多孔質材料で形成された多孔質部を少なくとも一部に有し前記第1の電極に接して設けられた第1のセパレータと、を備える燃料電池と、
前記燃料電池に反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
を備え、
前記燃料電池は、前記多孔質部と前記第1の電極とに接する位置において少なくとも一部の反応用流路が形成されるとともに、前記多孔質部に接し前記第1の電極に接しない位置に環境制御用流路が形成されるように構成されており、
前記燃料電池システムは、前記反応用流路と前記環境制御用流路の少なくとも一方から前記多孔質部内へ侵入する不純物による前記多孔質部の閉塞を軽減させるように前記反応ガス供給部を作動させる特定の作動モードを有することを特徴とする。
本発明の燃料電池システムでは、多孔質部の閉塞を軽減させるための特定の作動モードを有するので、たとえば不純物を濾過するための装置といった交換を前提とするような部品の使用を排除あるいは削減することができる。これにより、燃料電池システムの整備負担の増大を抑制しつつ多孔質部の閉塞に起因して発生するフラッディングによる燃料電池の性能低下を軽減させることができる。
なお、この燃料電池システムに対して上述の閉塞軽減部を装備するように構成しても良い。こうすれば、閉塞軽減部によって多孔質部の閉塞を未然に抑制するとともに、閉塞が発生しても特定の作動モードによって閉塞を軽減させることができるので、多孔質部の閉塞による燃料電池の性能劣化をより確実に抑制することができる。
上記燃料電池システムにおいて、前記特定の作動モードは、前記燃料電池の発電の停止時において実行されるようにしても良い。こうすれば、燃料電池の発電を阻害することなく多孔質部の閉塞を軽減させることができる。
上記燃料電池システムにおいて、前記特定の作動モードは、前記反応ガス供給部から前記反応用流路と前記環境制御用流路の少なくとも一方への反応ガスの供給量を、発電のために要求される供給量よりも多くするモードであるようにしても良い。こうすれば、反応ガス流路に滞留した不純物を外部に排出することができるので、多孔質部への不純物の侵入を抑制することができる。
上記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池は、前記反応用流路と前記環境制御用流路のいずれか一方の下流側に流量を制御するための第1のバルブを備え、前記特定の作動モードは、前記反応ガス供給部と前記第1のバルブとを制御して、前記反応用流路と前記環境制御用流路のうち前記第1のバルブが備えられている側の流路から他方の流路に、前記多孔質部を経由して前記反応ガスを流れさせるモードであるようにしても良い。こうすれば、第1のバルブによって反応用流路と環境制御用流路の間の圧力差を制御することができるので、第1のバルブのバルブが装備されている側の流路から他方の流路に不純物をより確実に排出させることができる。
上記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池は、前記環境制御用流路が前記反応用流路の上流側に直列に接続されるように構成されていても良い。この構成においては、前記燃料電池は、さらに、前記環境制御用流路と前記反応用流路との間に流量を制御するための第2のバルブを備え、
前記特定の作動モードは、前記反応ガス供給部と前記第2のバルブとを制御して、前記反応ガスを前記多孔質部を経由して前記環境制御用流路から前記反応用流路へ流れさせるモードであるようにしても良い。
このように、燃料電池の発電時における多孔質部の排水の方向と反対の方向に反応ガスを流すようにすれば、不純物を多孔質部から効果的に排出することができる。なお、バルブは、広くシャットオフバルブや流量制御バルブといったものを含み、多孔質部において逆流を生じさせるように流量や上流と下流の圧力差を制御できるものであればよい。
上記燃料電池システムにおいて、さらに前記反応用流路の圧力と前記環境制御用流路の圧力の差を計測する圧力差計測部を備えるとともに、前記反応ガスが所定量供給される場合において前記計測された圧力の差が第1の閾値よりも大きい場合にのみ前記特定の作動モードを起動するようにしても良いし、
あるいは、前記燃料電池システムは、前記特定の作動モードは、前記反応ガスが所定量供給される場合において前記計測された圧力の差が第2の閾値よりも小さくなると自動的に停止するモードであるようにしても良いし、上記の条件で起動と停止を行うように構成しても良い。なお、第1の閾値は、第2の閾値と同一であっても良い。
こうすれば、多孔質部がある程度閉塞した場合にのみ環境制御用流路に対して閉塞軽減のための加圧が行われることになるので、不必要な加圧による燃料電池の破損(特に疲労破損)を抑制することができる。さらに、運転に要するエネルギーを削減することもできる。
上記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池システムは、さらに前記反応用流路の圧力と前記環境制御用流路の圧力の差を計測する圧力差計測部を備え、
前記特定の作動モードは、前記計測された圧力の差が第3の閾値を超えないように、前記第2のバルブと前記反応ガス供給部とを作動させるモードであるようにしても良い。
こうすれば、環境制御用流路の過度の加圧を防止することができるので、過度の加圧による燃料電池の破損を抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、たとえば、燃料電池制御装置、ハイブリッド電源システムおよびその制御装置や制御方法、それらのシステムを備える移動体(たとえば燃料電池自動車)およびその制御方法、それらのシステムまたは方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、および電力供給方法等の態様で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.本発明の実施例における燃料電池システムの構成:
B.本発明の実施例における多孔質部の浄化処理:
C.変形例:
A.本発明の実施例における燃料電池システムの構成:
図1は、第1実施例における燃料電池システム10の概略構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、燃料電池100と、燃料電池に水素ガスを供給するための水素ガス供給系統と、燃料電池に空気を供給するための空気供給系統と、燃料電池に冷却液を供給するための冷却液供給系統と、これらを制御するコントローラ600と、を備えている。
燃料電池100は、積層された複数のセル(後述する)と、燃料電池外部配管434と、シャットオフバルブ436とを有する固体高分子型燃料電池である。積層された複数のセルには、水素ガス供給系統、空気供給系統、および冷却液供給系統から各セルの内部流路に流体を供給するための3つの導入路330in、432in、530inおよび3つの導出路330out、430out、530outと、燃料電池外部配管434に接続された導入路430inと導出路432outと、が連通する孔として形成されている。なお、シャットオフバルブ436は、本実施例では、特許請求の範囲における「第2のバルブ」に相当する。
水素供給系統は、水素タンク302と、減圧弁304と、流量制御弁306と、を備えている。水素タンク302は、水素ガスを高圧で貯蔵している。減圧弁304は、高圧で貯蔵された水素を所定の圧力に減圧する。流量制御弁306は、減圧された水素ガスの流量を調整する。
水素供給系統は、圧力と流量が調整された水素ガスを水素ガス供給管310を介して燃料電池100の水素ガス導入路330inに供給する。水素ガス導入路330inから導入された水素ガスは、水素ガス流路330において電気化学反応に利用された後に水素ガス導出路330outから導出される。水素ガス導出路330outから導出されたガスは、遮断弁392と水素ガス排出管390とを経由して外部に排出される。
空気供給系統は、空気を吸入する空気ブロワ402と、燃料電池100に空気を供給する空気供給管410と、燃料電池100から反応済み空気を排出する空気排出管490とを備えている。
空気供給系統は、空気供給管410を介して燃料電池100の環境制御用空気導入路432inに空気を供給する。環境制御用空気導入路432inから導入された空気は、環境制御用空気流路432において加湿された後に連通する環境制御用空気導出路432outから導出される。加湿の方法については後述する。なお、環境制御用空気流路432には、圧力計620が接続されている。
環境制御用空気導出路432outから導出された空気は、燃料電池外部配管434を経由して連通する反応用空気導入路430inに供給される。燃料電池外部配管434は、反応用空気導入路430inに供給される空気の流れを制御するためのシャットオフバルブ436を備えている。
反応用空気導入路430inから導入された空気は、反応用空気流路430において電気化学反応に利用された後に反応用空気導出路430outから導出される。反応用空気導出路430outから導出された反応済み空気は、空気排出管490を経由して外部に排出される。なお、反応用空気流路430には、圧力計610が接続されている。
冷却液供給系統は、循環ポンプ502と、熱交換器504と、冷却液供給管510とを備えている。循環ポンプ502は、熱交換器504で冷却された冷却液を燃料電池100の内部に形成された冷却液流路530に供給するとともに、燃料電池100から排出された冷却液を熱交換器504に供給する。この循環は、冷却液供給管510を介して行われる。
各セルには、上述のように、水素ガスが流れる水素ガス流路330と、冷却液が流れる冷却液流路530と、空気が流れる空気流路と、が設けられている。この空気流路は、環境制御用空気流路432、燃料電池外部配管434、シャットオフバルブ436、および反応用空気流路430を備えている。なお、空気流路については後に詳述する。
図2は、燃料電池100のセル110の構成を示す分解斜視図である。セル110は、MEA(Membrane-Electrode Assembly)120と、2つのセパレータ130、140と、を備えている。MEA120は、2つのセパレータ130、140によって挟まれている。セル110は、燃料電池100の内部で積層されている。
MEA120は、電解質膜122と、水素極126と、酸素極124と、を有している。電解質膜122は、2つの電極124、126によって挟まれている。2つの電極124、126は、水素ガスや空気中の酸素を拡散させるためのガス拡散層を備えている。
水素極側セパレータ130と酸素極側セパレータ140とには、水素ガス導入路330inと、水素ガス導出路330outと、環境制御用空気導入路432inと、環境制御用空気導出路432outと、反応用空気導入路430inと、反応用空気導出路430outと、冷却液導入路530inと、冷却液導出路530outと、が形成されている。これらの導入路330in、430in、432in、530inと導出路330out、430out、432out、530outは、複数のセル110が積層された場合に連通するような位置と大きさに形成されている。
水素極側セパレータ130と酸素極側セパレータ140とには、さらに、環境制御用空気流路432、反応用空気流路430、および水素ガス流路330が形成されている。これらの流路432、430、330は、さらに流体が流れる方向に平行に形成された複数の流路として形成されている。複数の流路として形成しているのは、水素極126、酸素極124、および後述する多孔質部上でより均一に流体を流すためである。
図3は、酸素極側セパレータ140に形成された各流路内を空気が流れる様子を示す説明図である。図3(a)は、酸素極側セパレータ140をS1方向(図2)から見た図である。図3(b)は、酸素極側セパレータ140をS2方向から見た図である。図3中の点線で囲まれた部分Pは、空気や水を透過させることができるように酸素極側セパレータ140の他の部分に比較して多孔質な材料で構成されている。本明細書では、この部分を多孔質部Pと呼び、他の部分を緻密部と呼ぶ。
外部から供給された空気は、酸素極側セパレータ140に形成された各流路内において以下のように流れる。空気は、環境制御用空気導入路432inから導入され、多孔質部Pに接する位置に形成された環境制御用空気流路432(図3(a))を流れる。環境制御用空気流路432を通過した空気は、環境制御用空気導出路432outから導出される。
環境制御用空気導出路432outから導出された空気は、燃料電池外部配管434を経由して反応用空気導入路430inに供給される。反応用空気導入路430inに供給された空気は、反応用空気流路430(図3(b))を流れて電気化学反応に供される。電気化学反応に供された反応済み空気は、反応用空気導出路430outを介してセル110から排出される。
図4は、多孔質部Pを経由して反応生成水が移動する様子を示す説明図である。この説明図は、2枚積層されたセル110のスタックを横方向から見た図である。図4から分かるように、多孔質部Pは、反応用空気流路430と環境制御用空気流路432との間に配置されている。
反応用空気流路430は、酸素極124のガス拡散層と多孔質部Pとに接する位置に形成されている。環境制御用空気流路432は、多孔質部Pに接するとともに酸素極124のガス拡散層に接しない位置に形成されている。
酸素極124のガス拡散層からは、MEAで生成された反応生成水が排出されている。この反応生成水は、多孔質部Pに吸収されるとともに、環境制御用空気流路432側に排出される。環境制御用空気流路432側に排出された反応生成水は、環境制御用空気流路432を通過する空気中で気化する。この気化によって、環境制御用空気流路432を通過する空気が加湿されるとともに、酸素極側セパレータ140が冷却されることになる。
このように、本構成は、空気供給系統から加湿器を削除することができるという利点を有する。さらに、多孔質部Pで発生する生成水の気化潜熱によって酸素極側セパレータ140の冷却も行われるので、冷却系統の負担を軽減させることができるという利点も有する。
しかしながら、空気供給系統から供給される空気に不純物が含まれている場合には、多孔質部Pに反応生成水とともに吸収される不純物が蓄積されて多孔質部Pが閉塞を起こす可能性がある。本実施例は、この問題を以下のようにして解決することができる。
B.本発明の実施例における多孔質部の浄化処理:
図5は、本発明の実施例における不純物排出処理の流れを示すフローチャートである。不純物排出処理は、燃料電池の発電停止に応じて処理が開始される(ステップS110)。燃料電池の発電停止後に処理を開始するのは、不純物の排出によって燃料電池100の発電に影響を与えないようにするためである。なお、燃料電池の発電停止に伴い、空気と水素ガスの燃料電池100への供給が停止されている。
ステップS120では、コントローラ600は、2つの圧力計610、620(図1)による圧力の計測を開始する。圧力計610と圧力計620とは、それぞれ反応用空気流路430内の圧力と環境制御用空気流路432の圧力とを計測する。
ステップS130では、コントローラ600は、シャットオフバルブ436を閉鎖する。これにより、燃料電池外部配管434における空気の流れが遮断されるので、環境制御用空気流路432に供給された空気は、必ず多孔質部Pを経由して反応用空気流路430に流れることになる。
ステップS140では、コントローラ600は、環境制御用空気流路432への空気の供給を再開する。これにより、環境制御用空気流路432から反応用空気流路430への多孔質部Pを経由した空気の流れが形成される。この流れは、燃料電池100による発電中の流体の流れとは逆向きの流れ、すなわち逆流となっている。空気の供給は、空気流量が所定の目標値に近づくように制御される。
図6は、本発明の実施例において多孔質部Pに蓄積した不純物が排出される様子を示す説明図である。図4および図6から分かるように、不純物の排出は、このようにして多孔質部Pに形成された逆流によって実現される。この際、コントローラ600は、環境制御用空気流路432の圧力が過大となって燃料電池100を破損しないように空気供給量を制御する。具体的には、環境制御用空気流路432内部の圧力が所定の閾値(破損防止用閾値)を超えないように空気供給量が制御される。
このように、空気の供給は、環境制御用空気流路432内部の圧力が破損防止用閾値を超えない範囲において、空気流量が所定の目標値に近づくように制御されることになる。なお、破損防止用閾値は、特許請求の範囲における「第3の閾値」に相当する。
多孔質部Pから排出された不純物は、反応用空気導出路430outを介して空気とともにセル110から排出される。この排出処理は、空気流量が所定の目標値に十分に近い状態において、反応用空気流路430内の圧力と環境制御用空気流路432の圧力との間の差が所定の閾値(停止判定用閾値)未満となるまで行われる(ステップS150)。
所定の閾値は、本実施例では、不純物の排出によって多孔質部Pの閉塞が十分に解消されたと決定できるような値に決定されている。なお、停止判定用閾値は、特許請求の範囲における「第2の閾値」に相当する。
ステップS160では、コントローラ600は、燃料電池システム10を停止する。これにより、燃料電池システム10は、不純物が多孔質部Pから排出された状態で停止することになるので、燃料電池システム10停止中における不純物の多孔質部Pへの固着を抑制することができる。
このように、本実施例では、多孔質部Pを用いて反応用空気流路430からの排水を行う燃料電池100において、多孔質部Pから不純物を排出させることができるので多孔質部Pの閉塞を軽減させることができる。
なお、多孔質部Pに閉塞が生じていない場合には、上記圧力差が停止判定用閾値に達することなく空気流量が所定の目標値に近づいて、燃料電池システム10が停止されることになる。
また、たとえば空気流量が所定の目標値に近づいても、上記圧力差が停止判定用閾値よりも大きな閾値(起動判定用閾値)に達しなければ燃料電池システム10が直ちに停止されるように構成しても良い。こうすれば、多孔質部がある程度閉塞していなければ環境制御用流路の加圧が停止されることになるので、加圧を伴う作動の回数を削減して加圧による燃料電池の破損(特に疲労破損)を抑制することができる。さらに、運転に要するエネルギーを削減することもできる。
なお、この場合には、起動判定用閾値が特許請求の範囲における「第1の閾値」に相当し、上記圧力差が起動判定用閾値に達して加圧が継続されることが特許請求の範囲における「特定の作動モードの起動」に相当する。
C.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
C−1.上記実施例では、環境制御用流路が反応用流路の下流部に配置されているとともに反応用流路の下流部には冷媒流路が配置されているが、反応用流路の全面に環境制御用流路が配置されるように構成しても良い。
C−2.上記実施例では、反応用流路の上流に装備されたシャットオフバルブを閉じて多孔質部で反応ガスを環境制御用流路から反応用流路に流すことによって閉塞を解消しているが、シャットオフバルブを装備することなく、反応ガスの供給量を増大させるだけでも閉塞の軽減を簡易に実現することができる。こうすれば、反応ガス流路に滞留した不純物を外部に排出することができるので、多孔質部への不純物の侵入を抑制することができるからである。ただし、上記実施例は、より顕著な効果を奏することができるという利点がある。
さらに、反応用流路と環境制御用流路のいずれか一方の下流側に流量を制御するためのバルブを備えるように燃料電池を構成し、反応ガス供給部とバルブとを制御して、反応用流路と環境制御用流路のうちバルブが備えられている側の流路から他方の流路に、多孔質部を経由して反応ガスを流れさせるようにしても良い。
C−3.上記実施例では、反応用流路が環境制御用流路の下流側に直列に接続されているが、反応用流路と環境制御用流路とを接続せずに独立して加湿空気が供給されるように構成しても良い。
具体的には、たとえば図示しない加湿器が反応用流路に加湿空気を供給するとともに、加湿しない空気を環境制御用流路に供給するように構成しても良い。このように、反応用流路と環境制御用流路とを接続せずに独立して空気を供給する構成には、きめ細かな制御を実現することができるという利点がある。反応用流路と環境制御用流路に供給される空気の湿度と流量とを独立して制御することができるからである。独立して空気を供給する構成には、さらに、環境制御用流路から反応用流路に流すだけでなく反応用流路から環境制御用流路に反応ガスを流すことによって閉塞を解消させることもできるという利点もある。
一方、上記実施例の構成は、前述のように空気供給系統から加湿器を削除することができるとともに、冷却系統の負担を軽減させることができるという利点を有する。
C−4.上記実施例では、セパレータが溝を有することによって反応用流路と環境制御用流路とが形成されているが、たとえば電極側に溝を設けて反応用流路と環境制御用流路とを形成するように構成しても良い。本発明では、セパレータに溝を形成する方法に電極に限らず、多孔質部と電極とに接する位置に反応用流路が形成され、多孔質部に接し電極に接しない位置に環境制御用流路が形成されるように燃料電池が構成されていれば良い。
C−5.上記実施例では、反応用流路と環境制御用流路とを酸素極側に有するように燃料電池が構成されているが、水素極側に有するように燃料電池を構成するようにしても良い。ただし、酸素極において過剰な水が発生し易いため、反応用流路と環境制御用流路とを酸素極側に有するような構成において、本発明は顕著な効果を奏することができる。
C−6.上記実施例では、燃料電池システムが有する特定の作動モードによって多孔質部の洗浄が行われているが、たとえば第1変形例に開示される燃料電池システム10aのように反応用流路に供給される反応ガスを濾過するための濾過器439を燃料電池に装備するようにしても良いし、組み合わせても良い。こうすれば、反応用流路に流れ込む不純物を少なくすることができるので、反応用流路から多孔質部内へ侵入する不純物の量を削減して閉塞を軽減させることができる。
ここで、濾過器439が環境制御用流路432の下流側に装備されているのは、セパレータ内部で発生するカーボン粉や金属粉、繊維くずといった不純物をも濾過するためであるが、環境制御用流路432の上流側に装備するようにしても良い。このように、濾過器439は、反応用流路に供給される反応ガスを濾過できる位置に装備されていればよい。
なお、濾過器は、たとえば第2変形例に開示される燃料電池システム10bのようにイオン交換処理を行う濾過器431をも用いて濾過処理を行うようにしても良い。こうすれば、反応ガス内にイオンとして存在する不純物をも濾過することができるからである。さらに、燃料電池内部で発生する不純物としてのイオンをも削減することもできるという利点もある。
また、イオン交換処理は、特に陽イオン交換処理を含むようにすることが好ましい。陽イオン不純物は陽イオン交換膜における陽イオン伝導率の低下の原因となるので、こうすれば、陽イオン交換膜への陽イオン不純物の堆積による燃料電池の性能低下をも軽減させることができるという利点もあるからである。
さらに、たとえば多孔質部に蓄積した不純物を溶解あるいは中和する流体を供給するように構成された物であっても良い。一般に、本発明の燃料電池は、反応用流路から多孔質部内へ侵入する不純物による多孔質部の閉塞を軽減させる閉塞軽減部を備えるように構成されていれば良い。
C−7.上記実施例では、MEAはイオン交換膜として陽イオン交換膜(プロトン交換膜)を使用しているが、本発明は、イオン交換膜を使用する燃料電池に広く適用可能であり、顕著な効果を奏する。イオン交換膜には、たとえば炭化水素系イオン交換膜やフッ素系イオン交換膜がある。また、本発明は、イオン交換膜を使用する燃料電池に限られず、他の電解質を使用する燃料電離に広く適用可能である。
本発明の実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図。 燃料電池100のセルの構成を示す分解斜視図。 セパレータに形成された流路内を反応ガスや冷却液が流れる様子を示す説明図。 多孔質部Pを経由して生成水が移動する様子を示す説明図。 本実施例において多孔質部Pに蓄積した不純物が排出される様子を示す説明図 本発明の実施例において多孔質部Pに蓄積した不純物が排出される様子を示す説明図。 本発明の第1変形実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図。 本発明の第2変形実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図。
符号の説明
10…燃料電池システム
100…燃料電池
110…セル
120…MEA
122…電解質膜
124…酸素極
126…水素極
130…水素極側セパレータ
140…酸素極側セパレータ
302…水素タンク
304…減圧弁
306…流量制御弁
310…水素ガス供給管
330…水素ガス流路
330in…水素ガス導入路
330out…水素ガス導出路
390…水素ガス排出管
392…遮断弁
402…空気ブロワ
410…空気供給管
430…反応用空気流路
430in…反応用空気導入路
430out…反応用空気導出路
432…環境制御用空気流路
432in…環境制御用空気導入路
432out…環境制御用空気導出路
434…燃料電池外部配管
436…シャットオフバルブ
490…空気排出管
502…循環ポンプ
504…熱交換器
510…冷却液供給管
530…冷却液流路
530in…冷却液導入路
530out…冷却液導出路
600…コントローラ
610、620…圧力計

Claims (5)

  1. 燃料電池であって、
    電解質と、
    触媒層を有するとともに、前記触媒層が前記電解質に接合された第1と第2の電極と、
    多孔質材料で形成された多孔質部を少なくとも一部に有し、前記第1の電極に接して設けられた第1のセパレータと、
    を備え、
    前記燃料電池は、前記多孔質部と前記第1の電極とに接する位置において少なくとも一部の反応用流路が形成されるとともに、前記多孔質部に接し前記第1の電極に接しない位置に環境制御用流路が形成されるように構成されており、
    前記燃料電池は、さらに前記反応用流路と前記環境制御用流路の少なくとも一方から前記多孔質部内へ侵入する不純物による前記多孔質部の閉塞を軽減させる閉塞軽減部を備え、
    前記閉塞軽減部は、前記反応用流路と前記環境制御用流路の少なくとも一方に供給される反応ガスを濾過する濾過器を含み、
    前記濾過器は、イオン交換処理による濾過を含む濾過処理を行うことを特徴とする、燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記イオン交換処理は、陽イオン交換処理を含む、燃料電池。
  3. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記反応用流路には、酸化ガスが供給されることを特徴とする、燃料電池。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記第1のセパレータには、前記燃料電池を冷却するための冷媒を流すための冷媒流路が形成されている、燃料電池。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記燃料電池は、前記環境制御用流路が前記反応用流路の上流側に直列に接続されるように構成されている、燃料電池。
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