JP4415466B2 - 生体信号検出装置及び非観血血圧計 - Google Patents
生体信号検出装置及び非観血血圧計 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体情報から外乱を含まない生体信号を検出できる生体信号検出装置、及び血圧変動のみを計測する原理・方式の非観血血圧計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カフを用いて連続的に血圧測定を行える血圧計が知られているが、この血圧計では、測定間隔を短くすると、カフによる締め付けが頻繁に繰り返されることから、被験者に大きな負担を与え、時にはカフを巻いた部分で内出血を起こすこともある。
これに対し、血圧の絶対値を直接測定するのではなく、血圧変動のみを計測する原理・方式の血圧計がある。例えば、脈波が動脈中を進行する速度(脈波伝播速度)や脈波波形の特徴量等を捉えてパラメータ化し、その変化量を血圧の変化量に換算して表示する血圧計がある。この種の血圧計は、カフによる締め付けを繰り返す必要がないため、被験者に大きな負担を与えず、原理的に1拍の心電や脈波信号によって血圧を算出できることから、連続的な血圧測定を無侵襲で行うことが可能である。
【0003】
しかし、上記の血圧計(血圧変動のみを計測する血圧計)は、脈波の変化量を元に血圧を算出するため、体動(体の動き)等により脈波波形に外乱が載ると、正確な血圧測定ができないという問題がある。
この対策として、以下の従来技術が知られている。
▲1▼体動ノイズの発生を判断する判断手段を有し、この判断手段により体動ノイズの発生が判断された場合は、センサ信号の読み込みを所定時間待機させることで、体動ノイズの読み込みによる血圧測定の精度低下を防止する(特許番号第2664983号参照)。
【0004】
▲2▼複数の脈波の周期を用いて現在の脈波の基本周期を算出し、この基本周期から算出される脈波周期のばらつきに応じて異常脈波の振幅を補正する方法(特開平5−184547号参照)。
▲3▼人体の生体情報から体動による外乱を除去する方法。つまり、体動を含む一般のアーチファクト(artifact)の影響を脈波や心電図から取り除くもので、脈波の観測時点から64拍分の過去の脈波を見て、脈波振幅の分散が大きい部分を除去し、それ以外の信号部分を解析に使用する(異なる測定部位の脈波伝播時間と血圧の関係の比較、第38回日本ME学会大会論文集 Sendai,21-23 April,1999 pp.373)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記▲1▼の方法では、頻繁に体動ノイズが載る自由行動下での血圧測定には適さない。
▲2▼の方法では、単発的な異常脈波には対応できるが、頻繁に脈波が乱れる自由行動下では、脈波の基本周波数自体を求めることが困難であり、▲1▼の方法と同様に、自由行動下での血圧測定には適さない。
▲3▼の方法では、体動などの外乱が入った部分を使用しないため、解析に使用可能な生体信号が限られてしまう。また、生体信号の時間的な連続性も失われてしまう。更に、体動などの外乱が長時間にわたって加わると、生体信号の解析が不可能となる。
以上の結果、血圧変動のみを計測する原理・方式の非観血血圧計では、自由行動下で頻繁に発生する体動により脈波波形が大きく乱れた場合に、十分な血圧推定精度を確保できない。
【0006】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その第1の目的は、生体情報から外乱を含まない生体信号を検出でき、且つその生体信号の時間的な連続性を維持できる生体信号検出装置を提供すること。また、第2の目的は、血圧変動のみを計測する原理・方式の非観血血圧計において、心拍に同期する脈動成分から体動によるノイズを分離して、自由行動下でも正確に且つ連続的に血圧測定を可能にすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の生体信号検出装置は、上記の課題を解決する技術的手段として以下の構成を有している。
請求項1では、生体情報を検出する2つ以上のセンサから生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報がセンサで検出されるまでに振幅のみ変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、外乱を含んでいない生体情報と外乱との統計的独立性を利用して、外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための1つの分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、A/D変換手段で変換されたデジタル信号に分離マトリクスを作用させて、デジタル信号を外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える。
【0008】
請求項2では、生体情報を検出する2つ以上のセンサから生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報がセンサで検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、外乱を含んでいない生体情報と外乱との統計的独立性を利用して、外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための2つ以上の分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、A/D変換手段で変換されたデジタル信号に2つ以上の分離マトリクスを作用させて、デジタル信号を外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える。
【0009】
請求項3では、生体情報を検出する2つ以上のセンサから生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、センサから体動による外乱を含んでいない生体情報を入力し、その生体情報の確率密度関数を推定する確率密度関数推定手段と、センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報がセンサで検出されるまでに振幅のみ変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、確率密度関数を用い、外乱を含んでいない生体情報と外乱との統計的独立性を利用して、外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための1つの分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、A/D変換手段で変換されたデジタル信号に分離マトリクスを作用させて、デジタル信号を外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える。
【0010】
請求項4では、生体情報を検出する2つ以上のセンサから生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、センサから体動による外乱を含んでいない生体情報を入力し、その生体情報の確率密度関数を推定する確率密度関数推定手段と、センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報がセンサで検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、確率密度関数を用い、外乱を含んでいない生体情報と外乱との統計的独立性を利用して、外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための2つ以上の分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、A/D変換手段で変換されたデジタル信号に2つ以上の分離マトリクスを作用させて、デジタル信号を外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える。
【0011】
請求項5では、請求項1〜4に記載した何れかの生体信号検出装置において、
信号分離計算手段で分離された生体信号を外部に出力する信号出力手段を具備している。
【0012】
請求項6では、請求項1〜5に記載した何れかの生体信号検出装置において、
センサから入力した生体情報に体動による外乱が含まれているか否かを判定する体動判定手段と、この体動判定手段で体動による外乱が含まれていないと判定された場合に、A/D変換手段で変換されたデジタル信号を分離マトリクス計算手段及び信号分離計算手段を経ずに出力する信号バイパス手段とを備えている。
【0013】
請求項7では、請求項3〜5に記載した何れかの生体信号検出装置において、
センサから入力した生体情報に体動による外乱が含まれているか否かを判定する体動判定手段を備え、確率密度関数推定手段は、体動判定手段で体動による外乱が含まれていないと判定された場合に、センサから入力した生体情報の確率密度関数を推定する。
【0014】
請求項8では、請求項7に記載した生体信号検出装置において、
体動判定手段で体動による外乱が含まれていないと判定された場合に、A/D変換手段で変換されたデジタル信号を分離マトリクス計算手段及び信号分離計算手段を経ずに出力する信号バイパス手段を備えている。
【0015】
請求項9では、請求項1〜8に記載した生体信号検出装置は、被験者の脈波(生体情報)から外乱を含まない生体信号を検出するものである。
【0016】
また、本発明の非観血血圧計は、上記の課題を解決する技術的手段として以下の構成を有している。
請求項10では、被験者の身体表面に保持され、心拍に同期して得られる脈動成分を検出してアナログ信号として出力する少なくとも2つ以上のセンサと、センサからアナログ信号を入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、センサで検出された脈動成分に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ脈動成分がセンサで検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない心拍に同期した脈動成分とが混ざっていると見做される場合に、外乱を含んでいない脈動成分と外乱との統計的独立性を利用して、外乱を含んだ脈動成分から外乱を分離するための複数の分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、A/D変換手段で変換されたデジタル信号に複数の分離マトリクスを作用させて、デジタル信号を、外乱を含まない心拍に同期した脈動成分と外乱を示す体動成分とに分離する信号分離計算手段と、この信号分離計算手段から取り込まれる外乱を含まない心拍に同期した脈動成分を元に、連続的に血圧値を計算する血圧値計算手段とを有している。
【0017】
請求項11では、請求項10に記載した非観血血圧計において、
別途測定された被験者の血圧値を基準血圧として入力及び記憶する入力・記憶手段と、信号分離計算手段によって得られた外乱を含まない心拍に同期した脈動成分と基準血圧とを対応させるための係数を求める係数計算手段とを有し、血圧値計算手段は、信号分離計算手段から取り込まれる外乱を含まない心拍に同期した脈動成分と係数計算手段によって算出された係数とから連続的に血圧値を計算することを特徴とする。
【0018】
請求項12では、請求項10に記載した非観血血圧計において、
別途測定された被験者の血圧値及び外乱を含まない心拍に同期した脈動成分の伝播時間をそれぞれ基準血圧及び基準脈波伝播時間として入力及び記憶する入力・記憶手段と、基準血圧と基準脈波伝播時間とを対応させるための係数を求める係数計算手段と、信号分離計算手段によって得られた外乱を含まない心拍に同期した脈動成分の伝播時間を算出する脈波伝播時間計算手段と、血圧値計算手段は、脈波伝播時間計算手段から取り込まれる脈動成分の伝播時間と係数計算手段によって算出された係数とから連続的に血圧値を計算することを特徴とする。
【0019】
請求項13では、請求項10〜12に記載した非観血血圧計において、
被験者の身体に装着されるカフを有し、このカフによりセンサを被験者の拡張期圧以下の圧力で保持することを特徴とする。
【0020】
請求項14では、請求項10〜13に記載した非観血血圧計において、
2つ以上のセンサは、心拍に同期して得られる脈動成分を同一血管系上から検出できる位置に配置されることを特徴とする。
【0021】
請求項15では、請求項14に記載した非観血血圧計において、
2つ以上のセンサは、同一血管系上に沿って直線的に配置されることを特徴とする。
【0022】
請求項16では、請求項14に記載した非観血血圧計において、
2つ以上のセンサは、同一血管系と直交する周回方向に配置されることを特徴とする。
【0023】
【作用】
センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれている場合は、その外乱を含んだ生体情報がセンサで検出されるまでに振幅のみが変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合と、線形システムを通ることにより周波数と位相とが変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合が考えられる。
【0024】
このような統計的に独立な複数の信号が振幅のみの変化で加法的に混合した場合、及び線形システムを通って加法的に混合した場合は、逆マトリクスを推定するアルゴリズムからセンサで検出された生体情報の逆マトリクスを推定し、この逆マトリクスを生体情報に作用させることで、元の信号を回復することが原理的に可能である(アルゴリズムの詳細は、例えば“ An information-maximization approach to blind separation and blind deconvolution,”Anthony J.Bell and Terrence J.Sejnowsky,Technical Report no.INC-9501,February 1995,Institute for Neural Computation,UCSD,San Diego,CA 92093-0523を参照)。
【0025】
そこで、センサを2つとした場合に、体動が加わっていない生体情報(生体信号)をs1(n)、体動による外乱(体動信号)をs2(n)とし、センサ信号をx1(n)、x2(n)とすると(n:デジタル信号のインデックス、n=0,1,2,3 …)、振幅のみが変化して加わった場合は、
x1(n)=a11×s1(n)+a12×s2(n)…………………………(1)
x2(n)=a21×s1(n)+a22×s2(n)…………………………(2)
と記述できる。
【0026】
また、線形システムを通って変形して加わった場合は、
x1(n)=a0,11×s1(n)+a0,12×s2(n)
+a1,11×s1(n-1)+a1,12×s2(n-1)+…
+aL,11×s1(n-L)+aL,12×s2(n-L)……………(3)
x2(n)=a0,21×s1(n)+a0,22×s2(n)
+a1,21×s1(n-1)+a1,22×s2(n-1)+…
+aL,21×s1(n-L)+aL,22×s2(n-L)……………(4)
と記述できる。但し、L は1以上の正の整数である。
【0027】
上記の(1) 及び(2) の場合は、マトリクスA(A11=a11、A12=a12、A21=a21、A22=a22)の逆マトリクスを、{x1(n)、x2(n)}t (t :転置)に作用させれば、体動のない生体信号と体動信号とが得られる。
また、(3) 及び(4) の場合は、マトリクスA0(A011=a1,11、A012=a0,12、A021=a0,21、A022=a0,22) 、A1(A111=a1,11、A112=a1,12、A121=a1,21、A122=a1,22) 、……、AL ( AL11=aL,11、AL12=aL,12、AL21=aL,21、AL22=aL,22) で決まるフィルタマトリクスの逆フィルタマトリクスを作用させれば良い。逆フィルタマトリクスは、2つ以上のマトリクスから成る。
【0028】
なお、逆マトリクスを推定する際に、g(x)=1/{1+exp(-x) }等の非線形関数を使用するが、この非線形関数を微分した関数は、求めたい生体信号の確率密度関数に一致するものが信号の分離の観点から見て最も望ましい。
しかし、g(x)=1/{1+exp(-x) }等の非線形関数でも信号の分離は達成される。
【0029】
上記の作用により、体動による外乱成分を含まない心拍に同期した脈波信号が得られれば、脈波の特徴変化から、例えば下記の方法により連続的に血圧を推定することができる。
a)被測定部における脈波の波形自体が心臓の拍動に基づく血圧値に依存することを利用して、脈波の波形変化から血圧を計算する方法。
b)末梢血管側では、脈波の伝播時刻は心臓の拍動に比べて遅れが生じる(脈波伝播時間)。一定距離の脈波伝播時間に対する脈波伝播速度は、血管の容積弾性率の関数として表され、血圧が上がると血管の容積弾性率は増加し、血管壁が硬くなって伝播速度が速くなる。従って、体動による外乱成分を含まない心拍に同期した脈波信号が得られれば、脈波伝播時間から血圧変動を求めることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の生体信号検出装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は生体信号検出装置の構成を示すブロック図である。
この生体信号検出装置1は、2つのセンサ2で検出される生体情報から体動による外乱を分離して、外乱を含まない生体信号を出力する装置で、以下に詳述するA/D変換器3、分離マトリクス計算手段4、信号分離計算手段5、及び外部出力手段6より構成される。
【0031】
センサ2は、生体情報として人体の脈波を計測するもので、例えば発光素子と受光素子を備える周知の光学式脈波センサである。このセンサ2は、例えば人体の指等に装着され、発光素子から指に向かって光が照射されると、光の一部が指の内部を通る毛細動脈に当たって毛細動脈を流れる血液中のヘモグロビンに吸収され、残りの光が毛細動脈で反射して散乱し、一部が受光素子に入射する。この時、血液の脈動により、ヘモグロビンの量が波動的に変化するので、ヘモグロビンに吸収される光の量も波動的に変化する。その結果、毛細動脈で反射して受光素子で検出される受光量が変化し、その受光量の変化を脈波情報(例えば電圧信号)としてA/D変換器3に出力している。
【0032】
A/D変換器3は、2つのセンサ2から信号を入力し、例えば100Hzのサンプリング周波数でアナログ信号をデジタル信号x1(n)、x2(n)、(n=0,1,2,,,,) に変換して分離マトリクス計算手段4へ送る。
分離マトリクス計算手段4は、CPUとメモリを有し、A/D変換器3から送られる現在時点のデジタル信号x1(n)、x2(n)を用いてメモリにある現在時点の2×2分離マトリクスW(n) をΔW(n) だけ修正し、W(n+1)=W(n) +ΔW(n) としてメモリの値を更新する。なお、本装置が起動した時点で、メモリのW(0) は2×2の単位マトリクスにセットされる。
2×2分離マトリクスの修正分ΔW(n) は、以下の式で計算される。
ΔW(n) =[ W(n) t ]-1+[I−2×g{W(n) ×x(n) }]×x(n) t
g(x)=1/{1+exp(-x) }
但し、x(n) ={x1(n)、x2(n)}t 、(t :転置)
また、Iは1を成分とする二次元のベクトルである。I={1、1}t
【0033】
マトリクスW(n) t の逆マトリクスは、例えばLU分解法(「数値計算法」長嶋秀世著:槙書店を参照)などの標準的な数値計算法により求める。また、関数gの値も数値計算法により求める。このようにして修正されたある時点の分離マトリクスW(n+1)が、一瞬前の分離マトリクスW(n) の代わりにメモリに貯えられると共に、元の分離マトリクスW(n) とA/D変換器3で変換されたデジタル信号x(n) が信号分離計算手段5へ送られる。
信号分離計算手段5は、CPUとメモリを有しており、分離マトリクス計算手段4から送られた分離マトリクスW(n) とデジタル信号x(n) との積を過去に逆上って加えることで、体動と分離された生体信号と体動による外乱を示す体動信号とから成るベクトルy(n) ={y1(n), y2(n)}t を求め、外部出力手段6へ送る。
【0034】
外部出力手段6は、サンプリング周波数100Hzに同期して、体動による外乱が分離された生体信号と体動信号を外部へ出力するモニタ装置である。
以上により、センサ2で検出される生体情報に体動による外乱が加わっている場合でも、その外乱を含んだ生体情報がセンサ2で検出されるまでに振幅のみ変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合は、分離マトリクス計算手段4で計算された1つの分離マトリクスを用いることで生体情報から外乱を分離することができる。
なお、外乱を含んだ生体情報がセンサ2で検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合には、分離マトリクス計算手段4で2つ以上の分離マトリクスを計算し、この2つ以上の分離マトリクスを用いて生体情報から外乱を分離することができる。
【0035】
(第2実施例)
図2は生体信号検出装置1の構成を示すブロック図である。
本実施例は、第1実施例の構成に加えて、下述の設定モードに応じてA/D変換器3の出力を切り替えるモード制御手段7と、体動による外乱を含んでいない生体情報の確率密度関数(ヒストグラム)を推定する信号確率密度関数推定手段8を有している。
設定モードは、例えば外部のボタン操作によって選択できる訓練モードと分離モードがあり、何方か一方のモードを選択すると、そのモードに対応したモード制御信号(訓練モード信号と分離モード信号)が出力される。但し、訓練モードは、被験者が静止した状態(体動が無い状態)で実施される。
【0036】
モード制御手段7は、本発明の体動判定手段でもあり、訓練モード信号を受け取ると、A/D変換器3の出力を信号確率密度関数推定手段8へ送り、分離モード信号を受け取ると、A/D変換器3の出力を分離マトリクス計算手段4へ送る。
信号確率密度関数推定手段8は、CPUとメモリを有し、訓練モード時にA/D変換器3から順次送られてくるデジタル信号、例えばx1(n)の振幅のヒストグラムを作成する。ヒストグラムの作成は、x1(n)の可能な最大振幅Mと可能な最小振幅mとの間を例えば100分割し、x1(n)の振幅がある分割区間に入る時に、その分割区間のカウンタを「1」増やすことで行う。このヒストグラムの作成は、モード制御信号が分離モード信号に変わるまで行われる。また、訓練モードから分離モードに変わると、推定したヒストグラム(折れ線近似した関数)を分離マトリクス計算手段4へ送る。
【0037】
分離マトリクス計算手段4では、第1実施例における関数gとして、信号確率密度関数推定手段8より送られたヒストグラム(折れ線近似した関数)を積分した関数を使用する。
その他の動作は、第1実施例と同じである。
本実施例では、被験者が静止した状態で検出される生体情報からヒストグラムを作成し、このヒストグラムを使用して分離マトリクスを計算するので、体動による外乱を精度良く分離できる。
なお、この実施例は、外乱を含んだ生体情報がセンサ2で検出されるまでに振幅のみ変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合、及び外乱を含んだ生体情報がセンサ2で検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合のどちらにも適用できることは言うまでもない。
【0038】
(第3実施例)
図3は生体信号検出装置1の構成を示すブロック図である。
本実施例は、上記の第2実施例で説明した構成において、訓練モードが選択されている時(モード制御手段7に訓練モード信号が入力される時)は、被験者が静止状態であるため、基本的に体動による外乱が加わることがない。そこで、訓練モード時には、図3に示すように、A/D変換器3の出力をモード制御手段7から直接外部出力手段6へ送るバイパス信号回路9を設けても良い。
【0039】
(第4実施例)
図4は生体信号検出装置1の構成を示すブロック図である。
本実施例は、図1に示した第1実施例の構成に加えて、センサ2で検出された生体情報に体動による外乱が含まれているか否かを判定する体動判定手段10を設け、この体動判定手段10で体動による外乱が含まれていないと判定された場合は、A/D変換器3の出力を体動判定手段10から直接外部出力手段6へ送るバイパス信号回路9を設けても良い。
この場合、体動判定手段10として、例えば体動の有無を検出できる加速度センサを使用することができる。あるいは、第2実施例で説明したように、被験者が静止状態の時に出力される信号(第2実施例では訓練モード信号)を検出できる信号検出手段を設けても良い。
【0040】
次に、本発明の非観血血圧計の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図5は非観血血圧計の構成を示すブロック図である。
(非観血血圧計の構成)
本実施例の非観血血圧計11は、図5に示す様に、被験者の脈波を検出する2つのセンサ2、一定圧で2つのセンサ2を保持するカフ12、センサ信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器3、体動による外乱を分離する外乱分離装置13(後述する)、別途測定した被験者の血圧値を基準血圧として入力・記憶する入力・記憶手段14、外乱を含まない心拍に同期した脈波信号と基準血圧とを対応させるための係数を求める係数計算手段15、算出された係数と外乱を含まない心拍に同期した脈波信号から連続的に血圧値を算出する血圧値計算手段16、算出された連続血圧を記録する記録装置17、算出された連続血圧を外部へ出力する出力装置18から成る。
【0041】
センサ2は、例えば、上記の生体信号検出装置1で説明した光学式脈波センサであり、カフ12によって被験者の腕等に密着して保持される。なお、センサ出力は、増幅器によって増幅されても良く、センサ2及び増幅器とも良好な線形性を有しているものとする。また、センサ出力は、互いに統一要件を有していることが、外乱分離処理を行う上で望ましい。即ち、複数のセンサ2の位置を離し過ぎると、異なる外乱要因が一部のセンサ出力にのみ支配的に現れ、血圧算出精度が低下する。極端な例としては、2つのセンサ2をそれぞれ右腕先と左腕先に配置して、右腕のみを軽く振った場合、右腕に付けたセンサ2には体動の影響が大きく現れるが、左腕に付けたセンサ2には体動の影響は現れにくい。従って、同一外乱要因が信号に重畳し易い同一血管系での脈波測定が可能となるように個々のセンサ2を配置することが望ましい。
【0042】
例えば、2つのセンサ2を腕の長さ方向に互いの中心を3cm離して配置し、軽く腕を振った場合、互いの位相にずれが生じるが、体動による外乱もきれいに一致した波形が得られる。即ち、波形形状に関して、統一性を得ることができる。また、2つのセンサ2を腕の周方向に互いの中心を3cm離して配置し、軽く腕を振った場合、互いの位相はきれいに一致するが、わずかとは言え外乱の振幅が異なる。この場合、互いの位相に関して、統一性を得るとができる。
カフ12は、2つのセンサ2を被験者の拡張期圧より低い一定圧(例えば20mmHg)で保持することができる。
【0043】
A/D変換器3は、2つのセンサ2から信号を入力し、例えば100Hzのサンプリング周波数でアナログ信号をデジタル信号x1(n)、x2(n)、(n=0,1,2,,,,) に変換して外乱分離装置13へ送る。
外乱分離装置13は、A/D変換器3でデジタル変換された信号x1(n)、x2(n)から体動による外乱y2(n){≒s2(n)}を分離して、外乱を含まない心臓の拍動に基づく脈波信号y1(n){≒s1(n)}を回復する装置で、図6に示す様に、分離マトリクス計算手段4と信号分離計算手段5より構成される。この分離マトリクス計算手段4と信号分離計算手段5の機能及び作用は、上述した生体信号検出装置1の実施例と同じであり、その説明は省略する。
【0044】
(非観血血圧計11の作用)
外乱分離装置13により回復された心臓の拍動に基づく脈波信号y1(n)を基に、以下の経緯で連続血圧値が算出される。
まず、係数計算手段15により、分離後の脈波信号y1(n)の例えば10拍分をサンプリングして加算平均し、基準脈波Aを合成する。この基準脈波Aからピーク値Apeak、ボトム値Abtm 、直流成分を平均して平均値Ameanを求める(図7参照)。
また、別途、被験者の収縮期圧SYS、拡張期圧DIA、及び平均動脈圧MEANPを測定し、校正用の基準値(基準血圧値)として入力・記憶する。
【0045】
次に、ピーク値Apeakとボトム値Abtm との差と、収縮期圧SYSと拡張期圧DIAとの差を対応づける係数Cを求める。
以降、血圧値計算手段16によって、時々刻々得られる体動の分離された現在時点の脈波のデジタル値y1(t)から、以下の式を用いて連続血圧値BPを算出することができる。
BP={y1(t)−Amean}×C+MEANP
算出された連続血圧値BPは、記録装置17に記録され、必要に応じて出力装置18から外部へ出力される。
【0046】
(第2実施例)
図8は非観血血圧計11の構成を示すブロック図である。
(非観血血圧計11の構成)
本実施例の非観血血圧計11は、図8に示す様に、被験者の脈波を検出する2つのセンサ2、一定圧で2つのセンサ2を保持するカフ12、センサ信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器3、体動による外乱を分離する外乱分離装置13、別途測定した被験者の血圧値(収縮期圧及び拡張期圧)と脈波伝播時間(外乱を含まない心拍に同期した脈動成分の伝播時間)とを校正用の基準値として入力・記憶する入力・記憶手段19、その基準値(血圧値と脈波伝播時間)から両者を対応させる係数を算出する係数計算手段20、外乱が分離された心臓の拍動に基づく脈波信号から脈波伝播時間を求める脈波伝播時間計算手段21、算出された脈波伝播時間と前記係数とから連続的に血圧値を算出する血圧値計算手段22、算出された連続血圧を記録する記録装置17、算出された連続血圧を外部へ出力する出力装置18から成る。
【0047】
(非観血血圧計11の作用)
外乱分離装置13までの作用は、第1実施例と同じである。外乱分離装置13により回復された心臓の拍動に基づく脈波信号y1(n)を基に、以下の経緯で連続血圧値が算出される。
まず、別途、例えば安静時と運動負荷時に、それぞれにおける脈波伝播時間と収縮期圧及び拡張期圧を測定し、これらの測定値を校正用の基準値として入力・記憶手段19に入力する。
【0048】
次に、係数計算手段20により、脈波伝播時間から血圧値を算出するために必要な係数を求める。即ち、それぞの基準値を測定した時の血圧値と脈波伝播時間をそれぞれP1 、P2 、T1 、T2 、被験者によって異なる固有の定数をα、βとすれば、次式が成立する。
P1 =α×T1 +β
P2 =α×T2 +β
【0049】
与式からα、βを求めてしまえば、以降、時々刻々得られる体動の分離された脈波波形から、脈波伝播時間計算手段21により脈波伝播時間Tを求め、血圧値計算手段22により連続血圧値BPを算出することができる。
BP=α×T+β
算出された連続血圧値BPは、記録装置17に記録され、必要に応じて出力装置18から外部へ出力される。
なお、脈波伝播時間を求めるには、例えば心電電極で計測される心電波形のR波を基に脈波の特異点の遅れ時間を求めれば良い(図9参照)。
【0050】
(実施例の効果)
第1実施例及び第2実施例に記載した非観血血圧計11では、センサ2で検出された脈波情報から体動による外乱を分離して心拍に同期した脈動成分を取り出すことができるので、頻繁に体動が発生する自由行動下でも連続的に血圧測定を行うことができる。また、カフ12による締め付けを繰り返す必要がないため、被験者に大きな負担を与えず、連続的な血圧測定を無侵襲で行うことができる。
更に、カフ圧を制御するために必要なコンプレッサ等の機械装置や、これを駆動するための大容量バッテリー等の大きく重い部品を必要としないため、小型軽量化が容易であり、携帯可能な血圧計として汲み上げることもできる。
【0051】
校正用の基準値として被験者の血圧値を別途測定する時は、センサ2を保持しているカフ12を使用して測定できることは言うまでもない。
但し、上記の実施例では、カフ12によってセンサ2を保持する例を示しているが、必ずしもカフ12を使用する必要はなく、被験者の拡張期圧以下の一定圧でセンサ2を保持できるものであれば、例えばゴム製のバンドや保持力を調節できるベルト等を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】生体信号検出装置の構成を示すブロック図である(第1実施例)。
【図2】生体信号検出装置の構成を示すブロック図である(第2実施例)。
【図3】生体信号検出装置の構成を示すブロック図である(第3実施例)。
【図4】生体信号検出装置の構成を示すブロック図である(第4実施例)。
【図5】非観血血圧計の構成を示すブロック図である(第1実施例)。
【図6】外乱分離装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施例における血圧測定の方法を示す説明図である。
【図8】非観血血圧計の構成を示すブロック図である(第2実施例)。
【図9】心電波形と脈波波形との相関を表すグラフである。
【符号の説明】
1 生体信号検出装置
2 センサ
3 A/D変換器(A/D変換手段)
4 分離マトリクス計算手段
5 信号分離計算手段
6 外部出力手段(信号出力手段)
7 モード制御手段(体動判定手段)
8 信号確率密度関数推定手段(確率密度関数推定手段)
9 バイパス信号回路(信号バイパス手段)
10 体動判定手段
11 非観血血圧計
12 カフ
14 入力・記憶手段(第1実施例)
15 係数計算手段(第1実施例)
16 血圧値計算手段(第1実施例)
19 入力・記憶手段(第2実施例)
20 係数計算手段(第2実施例)
21 脈波伝播時間計算手段(第2実施例)
22 血圧値計算手段(第2実施例)
Claims (16)
- 生体情報を検出する2つ以上のセンサから前記生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報が前記センサで検出されるまでに振幅のみ変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、前記外乱を含んでいない生体情報と前記外乱との統計的独立性を利用して、前記外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための1つの分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、
前記A/D変換手段で変換されたデジタル信号に前記分離マトリクスを作用させて、前記デジタル信号を、外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える生体信号検出装置。 - 生体情報を検出する2つ以上のセンサから前記生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報が前記センサで検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、前記外乱を含んでいない生体情報と前記外乱との統計的独立性を利用して、前記外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための2つ以上の分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、
前記A/D変換手段で変換されたデジタル信号に前記2つ以上の分離マトリクスを作用させて、前記デジタル信号を、外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える生体信号検出装置。 - 生体情報を検出する2つ以上のセンサから前記生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記センサから体動による外乱を含んでいない生体情報を入力し、その生体情報の確率密度関数を推定する確率密度関数推定手段と、
前記センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報が前記センサで検出されるまでに振幅のみ変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、前記確率密度関数を用い、前記外乱を含んでいない生体情報と前記外乱との統計的独立性を利用して、前記外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための1つの分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、
前記A/D変換手段で変換されたデジタル信号に前記分離マトリクスを作用させて、前記デジタル信号を、外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える生体信号検出装置。 - 生体情報を検出する2つ以上のセンサから前記生体情報をアナログ信号として入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記センサから体動による外乱を含んでいない生体情報を入力し、その生体情報の確率密度関数を推定する確率密度関数推定手段と、
前記センサで検出された生体情報に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ生体情報が前記センサで検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない生体情報とが混ざっていると見做される場合に、前記確率密度関数を用い、前記外乱を含んでいない生体情報と前記外乱との統計的独立性を利用して、前記外乱を含んだ生体情報から外乱を分離するための2つ以上の分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、
前記A/D変換手段で変換されたデジタル信号に前記2つ以上の分離マトリクスを作用させて、前記デジタル信号を、外乱を含まない生体信号と外乱を示す体動信号とに分離する信号分離計算手段とを備える生体信号検出装置。 - 請求項1〜4に記載した何れかの生体信号検出装置において、
前記信号分離計算手段で分離された前記生体信号を外部に出力する信号出力手段を具備していることを特徴とする生体信号検出装置。 - 請求項1〜5に記載した何れかの生体信号検出装置において、
前記センサから入力した生体情報に体動による外乱が含まれているか否かを判定する体動判定手段と、
この体動判定手段で体動による外乱が含まれていないと判定された場合に、前記A/D変換手段で変換されたデジタル信号を前記分離マトリクス計算手段及び前記信号分離計算手段を経ずに出力する信号バイパス手段とを備えていることを特徴とする生体信号検出装置。 - 請求項3〜5に記載した何れかの生体信号検出装置において、
前記センサから入力した生体情報に体動による外乱が含まれているか否かを判定する体動判定手段を備え、
前記確率密度関数推定手段は、前記体動判定手段で体動による外乱が含まれていないと判定された場合に、前記センサから入力した生体情報の確率密度関数を推定することを特徴とする生体信号検出装置。 - 請求項7に記載した生体信号検出装置において、
前記体動判定手段で体動による外乱が含まれていないと判定された場合に、前記A/D変換手段で変換されたデジタル信号を前記分離マトリクス計算手段及び前記信号分離計算手段を経ずに出力する信号バイパス手段を備えていることを特徴とする生体信号検出装置。 - 請求項1〜8に記載した生体信号検出装置において、
前記生体情報は、被験者の脈波であることを特徴とする生体信号検出装置。 - 被験者の身体表面に保持され、心拍に同期して得られる脈動成分を検出してアナログ信号として出力する少なくとも2つ以上のセンサと、
前記センサからアナログ信号を入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記センサで検出された脈動成分に体動による外乱が含まれており、その外乱を含んだ脈動成分が前記センサで検出されるまでに周波数と位相が線形的に変化して、体動に伴う外乱と外乱を含んでいない心拍に同期した脈動成分とが混ざっていると見做される場合に、前記外乱を含んでいない脈動成分と前記外乱との統計的独立性を利用して、前記外乱を含んだ脈動成分から外乱を分離するための複数の分離マトリクスを計算する分離マトリクス計算手段と、
前記A/D変換手段で変換されたデジタル信号に前記複数の分離マトリクスを作用させて、前記デジタル信号を、外乱を含まない心拍に同期した脈動成分と外乱を示す体動成分とに分離する信号分離計算手段と、
この信号分離計算手段から取り込まれる外乱を含まない心拍に同期した脈動成分を元に、連続的に血圧値を計算する血圧値計算手段と
を有することを特徴とする非観血血圧計。 - 請求項10に記載した非観血血圧計において、
別途測定された前記被験者の血圧値を基準血圧として入力及び記憶する入力・記憶手段と、
前記信号分離計算手段によって得られた外乱を含まない心拍に同期した脈動成分と前記基準血圧とを対応させるための係数を求める係数計算手段とを有し、
前記血圧値計算手段は、前記信号分離計算手段から取り込まれる外乱を含まない心拍に同期した脈動成分と前記係数計算手段によって算出された係数とから連続的に血圧値を計算することを特徴とする非観血血圧計。 - 請求項10に記載した非観血血圧計において、
別途測定された前記被験者の血圧値及び外乱を含まない心拍に同期した脈動成分の伝播時間をそれぞれ基準血圧及び基準脈波伝播時間として入力及び記憶する入力・記憶手段と、
前記基準血圧と前記基準脈波伝播時間とを対応させるための係数を求める係数計算手段と、
前記信号分離計算手段によって得られた外乱を含まない心拍に同期した脈動成分の伝播時間を算出する脈波伝播時間計算手段と、
前記血圧値計算手段は、前記脈波伝播時間計算手段から取り込まれる脈動成分の伝播時間と前記係数計算手段によって算出された係数とから連続的に血圧値を計算することを特徴とする非観血血圧計。 - 請求項10〜12に記載した非観血血圧計において、
前記被験者の身体に装着されるカフを有し、
このカフにより前記センサを前記被験者の拡張期圧以下の圧力で保持することを特徴とする非観血血圧計。 - 請求項10〜13に記載した非観血血圧計において、
前記2つ以上のセンサは、心拍に同期して得られる脈動成分を同一血管系上から検出できる位置に配置されることを特徴とする非観血血圧計。 - 請求項14に記載した非観血血圧計において、
前記2つ以上のセンサは、前記同一血管系上に沿って直線的に配置されることを特徴とする非観血血圧計。 - 請求項14に記載した非観血血圧計において、
前記2つ以上のセンサは、前記同一血管系と直交する周回方向に配置されることを特徴とする非観血血圧計。
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