JP4414871B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてコントロールシャフトを軸方向に移動することでバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構に関する。
コントロールシャフトをアクチュエータにより軸方向に移動させ、このコントロールシャフトに係合するスライダギアを軸方向に移動することでバルブ作用角やバルブリフト量といったバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−263015号公報(第7−12頁、図5−28)
このように可変動弁機構のコントロールシャフトは、スライダギアを軸方向に移動させるため、スライダギアに対する係合部には大きな力がかかる。特にバルブリフト量を大きくする方向にスライダギアを移動させる場合には係合部に大きな力が作用する傾向にある。このためコントロールシャフトの強度が不十分であると係合部が変形するおそれがある。このような変形を防止するため、コントロールシャフトには鉄系材料などの高強度の材料を用いている。
しかしエンジン軽量化のためにアルミニウム合金などの軽合金系材料がシリンダヘッドに用いられた場合には、シリンダヘッドの熱膨張率が鉄系材料に比較して可成り大きくなる。具体的には2倍程度に大きくなる。したがって可変動弁機構のコントロールシャフトに鉄系材料を用いていたのでは、エンジン冷間時とエンジン暖機後とでは、コントロールシャフト上における係合部の位置がシリンダヘッドに対して相対的に大きくずれることになる。このためアクチュエータ側でコントロールシャフトの移動量を検出してコントロールシャフトの移動量を制御しようとしても、係合部の軸方向位置が温度によりずれているので、バルブリフト量などのバルブ特性を高精度に制御できなくなるおそれがある。
コントロールシャフトをシリンダヘッドと同じ材質であるアルミニウム合金などの軽合金系材料に変更することにより、熱膨張率をシリンダヘッドに適合させれば、バルブ特性制御を高精度に維持させることができる。しかしアルミニウム合金などの軽合金系材料は鉄系材料ほどの強度がなく、スライダギア側からの反力により係合部が変形するおそれがある。
本発明は、コントロールシャフトの強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構の実現を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、内燃機関のシリンダヘッド側に形成された基準面により軸方向における位置が決定された仲介駆動機構にてカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達し、コントロールシャフトが前記仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合してこのバルブ特性操作部を軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構において、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて軸方向での長さを可変としていることにより前記基準面と前記仲介駆動機構との間の間隔を可変とする間隔可変手段と、内燃機関温度を前記間隔可変手段の軸方向での長さに反映させることにより内燃機関温度の違いによるバルブ特性の調節誤差を抑制するバルブ特性調節誤差抑制手段とを備え、前記間隔可変手段は、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて相対回転により間隔が変化する2つのスペーサを備えるものであり、前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、内燃機関温度変化により前記2つのスペーサを相対回転させることにより前記間隔可変手段の軸方向での長さを変化させるものであって、前記シリンダヘッドとは熱膨張率が異なる材質を用いて前記コントロールシャフトに沿って設けられるとともに一端が前記コントロールシャフトの駆動端側にて前記シリンダヘッド側に固定されているスペーサ調節シャフトと、このスペーサ調節シャフトに設けられるとともに内燃機関温度変化による軸方向での前記基準面との相対的位置変化に基づいて前記2つのスペーサを相対回転させる相対回転手段とを備えるものであることを要旨としている。
バルブ特性調節誤差抑制手段が内燃機関温度を間隔可変手段の軸方向での長さに反映させている。このことで基準面と仲介駆動機構との間隔が内燃機関温度によって調節されることになり、コントロールシャフトとシリンダヘッドとの熱膨張差によって生じるバルブ特性操作部のずれを抑制することができる。
したがって強度の観点からコントロールシャフトの材質を選択し、軽量化の観点からシリンダヘッドの材質を選択したとしても、バルブ特性調節誤差抑制手段と間隔可変手段との機能により、内燃機関温度の違いによるバルブ特性の調節誤差を抑制することができる。
このようにしてコントロールシャフトの強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構の実現が可能となる。
また、間隔可変手段の軸方向での長さを変化させる手法としては、相対回転により間隔が変化する2つのスペーサを用いて実現することができる。相対回転させれば良いので比較的容易に間隔可変手段の軸方向での長さを変化させることができる。
また、シリンダヘッドとは熱膨張率が異なるスペーサ調節シャフトが上述のごとくシリンダヘッド側に固定されているため、内燃機関温度の変化があれば基準面とスペーサ調節シャフトとの間には熱膨張差により位置的な違いが生じ、間隔可変手段と相対回転手段との間には相対的位置変化が生じる。この相対的位置変化によって相対回転手段は2つのスペーサを相対回転させている。
このためバルブ特性調節誤差抑制手段は、内燃機関温度を間隔可変手段の軸方向での長さに反映させることができ、内燃機関温度の違いによるバルブ特性の調節誤差を抑制することができる。
このようにしてコントロールシャフトの強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構の実現が可能となる。
(2)請求項2に記載の発明は、内燃機関のシリンダヘッド側に形成された基準面により軸方向における位置が決定された仲介駆動機構にてカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達し、コントロールシャフトが前記仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合してこのバルブ特性操作部を軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構において、前記コントロールシャフトに沿う態様で設けられて、自身の温度変化にともない前記コントロールシャフトの軸方向に膨張または収縮するバルブ特性調節誤差抑制手段と、このバルブ特性調整誤差抑制手段と係合する態様で前記基準面と前記仲介駆動機構との間に設けられて、前記バルブ特性調整誤差抑制手段の膨張または収縮にともない自身の軸方向長さが変化する間隔可変手段とを備え、前記間隔可変手段は、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて相対回転により互いの間隔が変化する2つのスペーサを備えるとともに、これらスペーサの相対回転にともなう自身の軸方向長さの変化により前記基準面と前記仲介駆動機構との間隔を変更するものであり、前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、自身の温度変化にともなう膨張または収縮により前記間隔可変手段との係合部分が前記基準面に対して軸方向に移動するとともに、内燃機関温度変化にともなう同係合部分の軸方向への移動を通じて前記2つのスペーサを相対回転させることにより前記間隔可変手段の軸方向の長さを変化させるものであることを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、内燃機関のシリンダヘッド側に形成された基準面により軸方向における位置が決定された仲介駆動機構にてカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達し、コントロールシャフトが前記仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合してこのバルブ特性操作部を軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構において、前記シリンダヘッドと熱膨張率が異なることにより自身の温度変化に基づいて前記シリンダヘッドに対して膨張または収縮するバルブ特性調節誤差抑制手段と、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に設けられて前記バルブ特性調節誤差抑制手段の膨張または収縮にともない前記基準面と前記仲介駆動機構との間隔を変更する間隔可変手段とを備え、前記間隔可変手段は、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて相対回転により間隔が変化する2つのスペーサを備えるものであり、前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、内燃機関温度変化により前記2つのスペーサを相対回転させることにより前記間隔可変手段の軸方向の長さを変化させるものであることを要旨としている。
間隔可変手段の軸方向での長さを変化させる手法としては、相対回転により間隔が変化する2つのスペーサを用いて実現することができる。相対回転させれば良いので比較的容易に間隔可変手段の軸方向での長さを変化させることができる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記2つのスペーサは、共に螺旋状テーパー面を有してこの螺旋状テーパー面にて相互に接触していることにより、前記2つのスペーサ間での相対回転にて前記間隔可変手段の軸方向での長さを可変とすることを要旨としている。
相対回転により間隔が変化する構成は、螺旋状テーパー面をそれぞれ設けたスペーサ同士が螺旋状テーパー面にて相互に接触する構成により実現できる。このように比較的簡易な構成にて、かつ比較的容易な操作で間隔可変手段の軸方向での長さを変化させることができる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、前記シリンダヘッドとは熱膨張率が異なる材質を用いて前記コントロールシャフトに沿って設けられるとともに一端が前記コントロールシャフトの駆動端側にて前記シリンダヘッド側に固定されているスペーサ調節シャフトと、このスペーサ調節シャフトに設けられるとともに内燃機関温度変化による軸方向での前記基準面との相対的位置変化に基づいて前記2つのスペーサを相対回転させる相対回転手段とを備えることを要旨としている。
シリンダヘッドとは熱膨張率が異なるスペーサ調節シャフトが上述のごとくシリンダヘッド側に固定されているため、内燃機関温度の変化があれば基準面とスペーサ調節シャフトとの間には熱膨張差により位置的な違いが生じ、間隔可変手段と相対回転手段との間には相対的位置変化が生じる。この相対的位置変化によって相対回転手段は2つのスペーサを相対回転させている。
このためバルブ特性調節誤差抑制手段は、内燃機関温度を間隔可変手段の軸方向での長さに反映させることができ、内燃機関温度の違いによるバルブ特性の調節誤差を抑制することができる。
このようにしてコントロールシャフトの強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構の実現が可能となる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1または5に記載の内燃機関の可変動弁機構において、内燃機関は直列に配列された複数気筒を有するものであり、前記スペーサ調節シャフトは、前記複数気筒に共通する1本のシャフトであるとともに各気筒に対応して相対回転手段が設けられるものであることを要旨としている。
このように直列に配列された複数気筒を有する内燃機関の場合には、複数気筒に共通した1本のスペーサ調節シャフトを設けて、この1本のスペーサ調節シャフトに各気筒毎の相対回転手段を配置することで複数気筒に対応できる。
このように複数気筒の内燃機関に対しても、簡易な構成で、コントロールシャフトの強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構の実現が可能となる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1または5または6に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記スペーサ調節シャフトは、前記コントロールシャフトと同一の熱膨張率を有する材料により形成されることを要旨としている。
このようにスペーサ調節シャフトの材質としては、コントロールシャフトと同一の熱膨張率の材質とすることにより、シリンダヘッドとの間で熱膨張差を生じさせても良い。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1または5〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記スペーサ調節シャフトは、前記コントロールシャフトと同一の材料により形成されることを要旨としている。
このようにスペーサ調節シャフトとしては、コントロールシャフトと同一材料とすることにより、シリンダヘッドとの間で熱膨張差を生じさせても良い。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、前記シリンダヘッドと前記コントロールシャフトとの熱膨張差により生じる前記基準面と前記コントロールシャフトとの間の軸方向での相対的位置変動と、内燃機関温度変化による前記間隔可変手段の軸方向での長さ変化とを同一にすることにより前記相対的位置変動を相殺することを要旨としている。
このように間隔可変手段の軸方向での長さ変化を、コントロールシャフトとシリンダヘッドとの熱膨張差により生じる基準面とコントロールシャフトとの間の軸方向での相対的位置変動に一致させると、熱膨張によるバルブ特性操作部のずれを完全に無くすことができる。
このことにより、コントロールシャフトの強度を維持しつつ、一層高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構の実現が可能となる。
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された多気筒内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2における可変動弁機構の構成を示している。尚、図1は1つの気筒における縦断面を表している。図2はエンジン2の上部構成の内、主としてカムキャリア150上の構成を説明する平面図である。
本実施の形態のエンジン2は車両用であり、シリンダブロック4、ピストン6及びシリンダブロック4上に取り付けられたシリンダヘッド8を備えている。
シリンダブロック4には、複数気筒、本実施の形態では4つの気筒2aが形成され、各気筒2aには、シリンダブロック4、ピストン6及びシリンダヘッド8にて区画された燃焼室10が形成されている。尚、気筒数は1〜3でも良く、5以上の気筒数でも良い。又、本実施の形態のごとく直列4気筒でなくても、V型でも良く、その他の配置でも良い。
各気筒2aには、それぞれ2つの吸気バルブ12及び2つの排気バルブ16の4バルブが配置されている。吸気バルブ12は吸気ポート14を、排気バルブ16は排気ポート18を開閉する。全気筒2aの吸気ポート14は、吸気マニホールドを介してサージタンクに接続され、サージタンク側から供給された空気を各気筒2aに分配している。尚、各気筒2aの吸気ポート14に燃料を噴射するように、各吸気ポート14又は吸気マニホールドにはそれぞれ燃料噴射弁が配置されている。このように吸気バルブ12の上流側にて燃料噴射する構成以外に、直接、各燃焼室10内に燃料を噴射する筒内噴射型ガソリンエンジンを用いることもできる。
本実施の形態のエンジン2は、吸気バルブ12のバルブリフト量の変化により吸入空気量を調節できる。実際にはバルブリフト量の変化時には、バルブ作用角も同時に変化しているので、以下、バルブリフト量に対する説明はバルブ作用角の説明を兼ねている。
本実施の形態のエンジン2は、サージタンク上流側の吸気通路にスロットルバルブが配置されている。このスロットルバルブは、吸気バルブ12のバルブリフト量調節にて吸入空気量が調節されている時には、通常、全開状態とされている。スロットルバルブの開度制御としては、例えば、エンジン2の始動時にスロットルバルブを全開にし、エンジン2の停止時にスロットルバルブを全閉にする制御を行う。そして何らかの原因で吸気バルブ12のバルブリフト量調節が不能となった場合や、吸気バルブ12のバルブリフト量調節では十分に吸入空気量調節ができない運転状態にある場合には、スロットルバルブの開度制御により吸入空気量を制御する。
吸気バルブ12のリフト駆動は、シリンダヘッド8に配置された仲介駆動機構120及びローラロッカーアーム52を介して、吸気カムシャフト45に設けられた吸気カム45aのバルブ駆動力が伝達されることにより可能となっている。このバルブ駆動力伝達において、スライドアクチュエータ100の機能により仲介駆動機構120による伝達状態が調節されることにより吸気バルブ12のバルブリフト量が調節される。尚、吸気カムシャフト45は、一端に配置されたバルブタイミング可変機構140に設けられたタイミングスプロケットと、タイミングチェーン47とを介してエンジン2のクランクシャフト49の回転に対して1/2の回転数で連動している。
各気筒2aの排気バルブ16は、エンジン2の回転に連動して回転する排気カムシャフト46に設けられた排気カム46aにより、ローラロッカーアーム54を介して一定のバルブリフト量で開閉されている。尚、排気カムシャフト46は、一端に配置されたバルブタイミング可変機構142に設けられたタイミングスプロケットと、タイミングチェーン47とを介してエンジン2のクランクシャフト49の回転に1/2の回転数で連動している。そして各気筒2aの各排気ポート18は排気マニホルドに連結され、排気を浄化用触媒コンバータを介して外部に排出している。
上述した吸気カムシャフト45、排気カムシャフト46、スライドアクチュエータ100、仲介駆動機構120及びバルブタイミング可変機構140,142は、カムキャリア150上に一体に組み込まれている。
図2に示したごとく、シリンダヘッド8の一部を形成するカムキャリア150は、シリンダヘッド8の本体側の上面外周形状に対応して全体が矩形に一体成形されている。そして側壁154,156,158,160に囲まれた領域には、4本の軸受162が平行に配置され、側壁154〜160と共に、アルミニウム合金にて一体成形されている。尚、側壁154〜160の内で前方側壁154は軸受も兼ねている。
4つの軸受162及び前方側壁154には、吸気カムシャフト45及び排気カムシャフト46が平行に回転可能に支持されている。更に吸気カムシャフト45と側壁158との間には、各気筒毎に設けられた4つの仲介駆動機構120が配置されている。各仲介駆動機構120に対して軸方向の両側には可変スペーサ164及び弾性シム166が配置されている。そしてこれら4つの仲介駆動機構120に共通する1本のロッカーシャフト130が、これら仲介駆動機構120、可変スペーサ164及び弾性シム166を貫通状態で支持している。尚、前方側壁154及び軸受162にはカムキャップ152が取り付けられることにより、吸気カムシャフト45、排気カムシャフト46及びロッカーシャフト130の脱落を防止している。
カムキャップ152上にはロッカーシャフト130に平行に誤差補正用のスペーサ調節シャフト168が、カムキャップ152に形成されている軸受152aを貫通する状態で配置されている。スペーサ調節シャフト168は、スライドアクチュエータ100側の端部にてボルト156aにより側壁156に固定されている。
このスペーサ調節シャフト168は、図3の斜視図(図3は2気筒分の斜視図)に示すごとく全気筒の仲介駆動機構120に渡って1本が配置されており、可変スペーサ164と共に、エンジン温度の変化により生じるバルブ特性調節誤差を抑制する機構170を構成している。
図4の斜視図に1気筒分のバルブ特性調節誤差抑制機構170を示し、図5に分解斜視図を示す。
ここで可変スペーサ164は、第1螺旋スペーサ180、第2螺旋スペーサ182、スプラインリング184及び位相決めネジ186から構成されている。
図6に第1螺旋スペーサ180の詳細を示す。図6の(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図、(F)は背面図、(G)は斜視図である。第1螺旋スペーサ180は、中央に貫通孔180aを有するリング状をなし、一面側には貫通孔180aの周りに右ネジ型の螺旋状テーパー面180bが複数、ここでは20面が形成されている。裏面側には回転止め用ピン180cが嵌合されて取り付けられている。
バルブ特性調節誤差抑制機構170が図3に示したごとくに構成されてカムキャリア150上に配置された時には、貫通孔180aにはロッカーシャフト130が挿入される。そして回転止め用ピン180cの先端はカムキャップ152に形成されているピン孔に挿入されて、第1螺旋スペーサ180がロッカーシャフト130周りに回転するのを阻止する。
図7に第2螺旋スペーサ182の詳細を示す。図6の(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図、(F)は背面図である。第2螺旋スペーサ182は、中央に貫通孔182aを有するリング状をなし、一面側には貫通孔182aの周りに右ネジ型の螺旋状テーパー面182bが複数、ここでは第1螺旋スペーサ180の螺旋状テーパー面180bと同数の20面が形成されている。外周面には位相決めネジ186用の螺合孔182cが形成されている。尚、第2螺旋スペーサ182の螺旋状テーパー面182bは、第1螺旋スペーサ180の螺旋状テーパー面180bと全く同じ形状のテーパー面である。
スプラインリング184は、図5に示したごとく、左ネジ型のヘリカルスプライン184aが外周面に形成されたリング状をなしている。この内部空間184bには第1螺旋スペーサ180と第2螺旋スペーサ182とを共に収納可能である。スプラインリング184は、螺旋スペーサ180,182の内で、図8の斜視図に示すごとく第2螺旋スペーサ182に対して、長孔184cを介して第2螺旋スペーサ182に螺合される位相決めネジ186にて固定される。したがってスプラインリング184と第2螺旋スペーサ182とは一体化されて一体で移動する。
弾性シム166は可変スペーサ164の厚さの可変に適合させて仲介駆動機構120の図2における左側でのカムキャップ152及び軸受162との間のクリアランスを吸収するために弾性部材にて構成されている。例えば、図9に示すウェーブワッシャ状の弾性シム166を用いることができる。図9において(A)は弾性シム166の斜視図、(B)は正面図である。弾性シム166は、中央部に貫通孔166aを有するリング状をなしている。リング状本体166bは軸方向に波状とされていることにより、軸方向にそれぞれ3つの頂部166cと底部166dとを有している。尚、頂部166cと底部166dとはそれぞれ2つでも良く、4つ以上でも良い。
これ以外に弾性シムとしては、図10に示す板バネ状の弾性シム167を用いても良い。図10の(A)は弾性シム167の平面図、(B)は斜視図、(C)は底面図、(D)は左側面図、(E)は正面図を表している。ここで弾性シム167は、基板167aと、基板167aの左右に溶接等により固定された左板バネ部167bと右板バネ部167cとから構成されている。
基板167aは、左板バネ部167bと右板バネ部167cとの間の空間部分まで伸びた端部に、円弧状凹部167dを形成している。この円弧状凹部167dはロッカーシャフト130と同一径で形成されており、仲介駆動機構120とカムキャップ152及び軸受162との間に配置した場合に、ロッカーシャフト130が円弧状凹部167d内に半分収まるようにされている。
次に仲介駆動機構120について説明する。図11,12は仲介駆動機構120の部分破断斜視図を、図13は分解斜視図である。
仲介駆動機構120は、図3に示したごとく各仲介駆動機構120の中央に設けられた入力部122、入力部122の一端側に設けられた第1揺動カム124、第1揺動カム124とは反対側に設けられた第2揺動カム126及びこれらの内部空間に配置されたスライダギア128(図11〜13)を備えている。
入力部122のハウジング122aは内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に右ネジ型の螺旋状に形成されたヘリカルスプライン122bを形成している。又、ハウジング122aの外周面からは平行な2つのアーム122c,122dが突出して形成されている。これらアーム122c,122dの先端には、ハウジング122aの軸方向と平行なシャフト122eが掛け渡され、ローラ122fが回転可能に取り付けられている。尚、図1に示したごとくスプリングなどにより付勢力がアーム122c,122dあるいはハウジング122aに与えられていることにより、ローラ122fは吸気カム45a側に常に接触するようにされている。このようなスプリングは、例えば入力部122とシリンダヘッド8あるいはロッカーシャフト130との間に設けられている。
第1揺動カム124及び第2揺動カム126の各ハウジング124a,126aは、内部に軸方向に空間を形成している。この内部空間の内周面には軸方向に左ネジ型の螺旋状に形成されたヘリカルスプライン124b,126bを形成している。又、これらのハウジング124a,126aの内部空間は径の小さいシャフト挿通孔を有するリング状の端面壁部124c,126cにて一端が覆われている。また外周面からは略三角形状のノーズ124d,126dが突出して形成されている。このノーズ124d,126dの一辺はカム面124e,126eを形成している。
これらの第1揺動カム124および第2揺動カム126は、図13に示したごとく、入力部122に対して両側から各端面を同軸上で接触させるように軸方向に配置される。このことにより複数のハウジング122a,124a,126aからなる本体は全体が図3に示したごとく内部空間を有する略円柱状となる。
スライダギア128の詳細を図14,15に示す。図14は斜視図、図15は軸に沿って垂直に破断した斜視図を示している。
スライダギア128は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジ型の螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン128aが形成されている。この入力用ヘリカルスプライン128aの一端側には小径部128bを挟んで左ネジ型の螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン128cが形成されている。この第1出力用ヘリカルスプライン128cとは反対側には小径部128dを挟んで左ネジ型の螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン128eが形成されている。尚、これら出力用ヘリカルスプライン128c,128eは外径が同じであるが、入力用ヘリカルスプライン128aに対しては、入力用ヘリカルスプライン128aの溝部分よりも外径が小さく形成されている。
スライダギア128の内部には中心軸方向に貫通孔128fが形成されている。そして入力用ヘリカルスプライン128aの位置で、貫通孔128fの内周面には周方向に周溝128gが形成されている。この周溝128gには一カ所にて径方向に外部に貫通するピン挿入孔128hが形成されている。
スライダギア128の貫通孔128f内には、図16の(A)の斜視図にて一部分を示しているロッカーシャフト130が配置されている。このロッカーシャフト130は4つの仲介駆動機構120に共通の1本が設けられ、各仲介駆動機構120に対応する位置には軸方向に長く形成された長孔130aが開口している。この長孔130aはロッカーシャフト130の内部空間130bまで貫通して形成されている。
更にロッカーシャフト130の内部空間130bには、図16の(B)の斜視図に一部分を示しているコントロールシャフト132が、図16の(C)に示すごとく軸方向に摺動可能に貫通して配置されている。
コントロールシャフト132は丸棒状に形成されたものであるが、各仲介駆動機構120に対応する位置には、図16の(B)に示したごとく軸直角方向の支持穴132bが設けられている。この支持穴132bにはそれぞれコントロールピン132aの基端部が挿入されることにより、コントロールピン132aを軸直角方向に突出して支持できるようにされている。
そしてコントロールシャフト132がロッカーシャフト130の内部に配置されている状態では、各コントロールピン132aの先端はロッカーシャフト130に形成されている長孔130aを貫通し、図12の部分破断図に示したごとくスライダギア128の内周面に形成された周溝128g内に挿入されている。
コントロールシャフト132の一端側(図2における右側)は自由端であるが、基端側(図2における左側)はスライドアクチュエータ100にて駆動されるボールネジシャフトを形成している。このことにより軸方向での駆動力をボールネジ機構210を介してスライドアクチュエータ100から受けることができる。尚、コントロールシャフト132とは別体にボールネジシャフトを形成してボールネジ機構210に組み込んでおいても良い。この場合には、例えば、カムキャリア150上でコントロールシャフト132の基端側とボールネジシャフトの先端側とを当接あるいは接合することにより、スライドアクチュエータ100にてコントロールシャフト132を軸方向に駆動可能とする。
尚、ロッカーシャフト130、コントロールシャフト132及び各コントロールピン132aは高強度である必要から、ここでは鉄合金が用いられている。したがって軽合金、ここではアルミニウム合金製であるカムキャリア150に比較して熱膨張率は小さい。
可変動弁機構の組み立ては次のようになされる。まずロッカーシャフト130内にコントロールシャフト132を挿通し、ロッカーシャフト130上に、前述した仲介駆動機構120、可変スペーサ164及び弾性シム166を気筒毎に組み合わせて取り付け、ロッカーシャフト130をカムキャリア150上に配置する。同時に吸気カムシャフト45及び排気カムシャフト46もカムキャリア150上に配置する。そしてカムキャップ152を取り付ける。
次にコントロールシャフト132の基端側をスライドアクチュエータ100のボールネジ機構210に組み込む。あるいはコントロールシャフト132の基端側をボールネジ機構210に組み込まれているボールネジシャフトの先端に当接又は接合する。この時、スライドアクチュエータ100は初期駆動位置としておくことにより、コントロールシャフト132は軸方向において初期位置に配置されることになる。更に、スペーサ調節シャフト168の基端側を側壁156にボルト156aにて固定し、スペーサ調節シャフト168に気筒毎に形成されているヘリカルスプライン168aを各可変スペーサ164のスプラインリング184に噛合させる。
仲介駆動機構120において、コントロールシャフト132の初期位置に対応した基準配置とは、後述する図18に示す最小バルブリフト量の状態である。しかしカムキャリア150上に配置した直後の状態では、ノーズ124d,126dとローラ122fとの位相配置関係は、最小バルブリフト量の状態となっているとは限らず、又、最小バルブリフト量の状態に固定されているわけでもない。
したがって仲介駆動機構120の基準配置を決定する治具等を用いて、仲介駆動機構120のハウジング122a,124a,126aを軸方向に移動させて、最小バルブリフト量となる基準位置とする。この基準位置を決定するために、この時に形成されている仲介駆動機構120と図17に示す基準面220(カムキャップ152及び、軸受162又は前方側壁154の側面)との間のクリアランス(図2の各仲介駆動機構120の右側のクリアランス)に適合するように可変スペーサ164の厚さを調節する。この厚さ調節は2つの螺旋スペーサ180,182の螺旋状テーパー面180b,182b同士の接触状態を維持して、螺旋スペーサ180,182間の相対回転によりなされる。
基準面220は、仲介駆動機構120のハウジング122a,124a,126aに生じる軸力の方向に存在する面であり、この基準面220と仲介駆動機構120とのクリアランスがコントロールシャフト132のストローク量とバルブリフト量との関係を設定している。したがってこのクリアランスを精密に設定することが、高精度なバルブリフト量制御及び気筒間のバルブリフト量の同一性上重要である。
螺旋スペーサ180は回転止め用ピン180cによりカムキャップ152側に係合しており回転不能であるので、第2螺旋スペーサ182側を回転させて可変スペーサ164の厚さ調節をすることになる。この調節時には、位相決めネジ186は緩められていることにより、スプラインリング184とスペーサ調節シャフト168のヘリカルスプライン168aとが噛合していても、第2螺旋スペーサ182を第1螺旋スペーサ180に対して相対回転できる。この時、弾性シム166側は撓むことにより可変スペーサ164の厚さ変化に対応する。
可変スペーサ164の厚さ調節が終了すれば、位相決めネジ186を締め付けることにより第2螺旋スペーサ182にスプラインリング184を固定し一体化させる。このことにより最小バルブリフト量となる仲介駆動機構120の基準位置は決定される。この状態を図17の(A)に示す。この時の可変スペーサ164は厚さはLtで示されている。この基準位置調整を、各気筒の仲介駆動機構120毎に繰り返すことにより、全気筒について仲介駆動機構120の基準配置が完了する。
こうしてカムキャリア150の構成が完成する。そして、図1,2に示したごとく、シリンダヘッド本体へカムキャリア150を取り付けてシリンダヘッド8として一体化する。このことで可変動弁機構をエンジン2に組み込むことができる。
このように構成されたエンジン2では、スライドアクチュエータ100によりボールネジ機構210を駆動して、コントロールシャフト132を軸方向に移動させることで、仲介駆動機構120の内部空間に配置されたスライダギア128の軸方向位置を調節することができる。
図12に示したごとく、スライダギア128は周溝128gにてコントロールピン132aに係止されているので、軸周りについてはコントロールピン132aの位置に関わらず揺動可能となっている。更にスライダギア128においては、入力用ヘリカルスプライン128aは入力部122内部のヘリカルスプライン122bに噛み合わされている。そして第1出力用ヘリカルスプライン128cは第1揺動カム124内部のヘリカルスプライン124bに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン128eは第2揺動カム126内部のヘリカルスプライン126bに噛み合わされている。ここで入力側のスプライン122b,128aと、出力側のスプライン124b,128c,126b,128eとはねじれ角が異なる。実際には、ねじれ方向自体が異なる形状とされている。
そして各気筒2aの仲介駆動機構120は、前述したごとく可変スペーサ164にて軸方向の位置決めがなされている。このためスライドアクチュエータ100がコントロールシャフト132を介してスライダギア128を軸方向に移動させても、入力部122及び揺動カム124,126は軸方向に移動することはない。
このことから、仲介駆動機構120の内部空間内でスライダギア128の軸方向移動量を調節することにより、ヘリカルスプライン128a,122b,128c,124b,128e,126bの機能により、入力部122と揺動カム124,126との間の位相関係を変更できる。こうしてローラ122fとノーズ124d,126dとの位置関係を変更することができ、吸気バルブ12のバルブリフト量が調節できる。
ここで図18は、スライドアクチュエータ100の駆動力を調節して、コントロールシャフト132を最大限L方向(図11の矢印)へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。図18の(A)が吸気バルブ12の閉弁時、図18の(B)が開弁時である。この場合には入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの位置関係が最も近い状態となる。このため、図18の(B)に示すごとく吸気カム45aが最大限に入力部122のローラ122fを押し下げても、ノーズ124d,126dのカム面124e,126eによるロッカーローラ52aの押し下げ量は最小となり、吸気バルブ12のバルブリフト量は最小となる。したがって吸気ポート14から燃焼室10内への吸入空気量も最小限の状態となる。
図19は、スライドアクチュエータ100の駆動力を調節して、コントロールシャフト132を最大限H方向(図11の矢印)へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。図19の(A)が吸気バルブ12の閉弁時、図19の(B)が開弁時である。この場合には入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの位置関係が最も遠い状態となる。このため、図19の(B)に示すごとく吸気カム45aが最大限に入力部122のローラ122fを押し下げた時には、ノーズ124d,126dのカム面124e,126eによるロッカーローラ52aの押し下げ量は最大となり、吸気バルブ12のバルブリフト量は最大となる。したがって吸気ポート14から燃焼室10内への吸入空気量も最大限の状態となる。
スライドアクチュエータ100により、図18の状態と図19の状態との間で連続的にコントロールシャフト132の軸方向位置を調節することで、吸気バルブ12のバルブリフト量を連続的に調節できる。すなわちスロットルバルブによることなく、吸入空気量の無段階調節が可能となる。
尚、前記図18の(B)に示したごとく初期位置状態では吸気バルブ12の開弁時には或程度の開度が存在したが、初期位置状態の他の形態としてバルブリフト量「0」すなわち吸気バルブ12を完全に閉じたままにしても良く、この場合には吸入空気量は「0」となる。
前記図17の(A)に示した可変スペーサ164の状態は、組み立て時、すなわちエンジン2の低温時での状態を示している。エンジン2の運転を開始すると次第にエンジン温度が上昇する。これに伴ってカムキャリア150及びコントロールシャフト132が熱膨張する。カムキャリア150はエンジン2の軽量化のために軽合金製、ここではアルミニウム合金製であり、コントロールシャフト132は耐久性上、高強度金属製、ここでは鉄合金製である。このためコントロールシャフト132の方が熱膨張率が小さく、カムキャリア150ほどには熱膨張せず、熱膨張差がコントロールシャフト132とカムキャリア150との間に生じる。
したがって各仲介駆動機構120において基端側からの距離に応じた熱膨張差によるコントロールシャフト132と各仲介駆動機構120との軸方向のずれが生じる。このずれがそのまま生じていると、各仲介駆動機構120内にてスライダギア128と入力部122及び揺動カム124,126との間の軸方向のずれとなって現れるので、スライドアクチュエータ100によるコントロールシャフト132に対する軸方向位置の制御精度が低下するおそれがある。又、気筒間においてもバルブリフト量に差が生じることになる。
本実施の形態では、スペーサ調節シャフト168は、コントロールシャフト132と同一の熱膨張率の材料、ここでは全く同一の材料を用いている。このため昇温によりスペーサ調節シャフト168もカムキャリア150との間で熱膨張差を生じて、軸方向にてカムキャリア150との間に距離に応じた位置ずれを生じる。
したがってスペーサ調節シャフト168と基準面220との位置関係は、図17の(A)の状態から(B)の状態に移行することになる。すなわちスペーサ調節シャフト168のヘリカルスプライン168aは、第2螺旋スペーサ182と一体化しているスプラインリング184に噛合した状態で図示左側へ移動する。
このヘリカルスプライン168aとスプラインリング184とのスプライン噛合状態でのヘリカルスプライン168aの移動により、スプラインリング184は仲介駆動機構120側から見て左回転(反時計回りの回転)を生じる。この回転量はヘリカルスプライン168aの移動量に応じている。
第1螺旋スペーサ180と第2螺旋スペーサ182とは螺旋状テーパー面180b,182b同士を当接しているので、スプラインリング184に連動する第2螺旋スペーサ182の左回転により、弾性シム166の押圧力に抗して第2螺旋スペーサ182は第1螺旋スペーサ180から離れる。すなわち可変スペーサ164は厚さLtから厚さHtに厚くなる。
逆にエンジン運転が停止して低温化すれば、スペーサ調節シャフト168は基準面220に対して相対的に図示右側へ移動することになる。この移動により、上述したメカニズムが逆に働くことになる。すなわち、スプラインリング184が仲介駆動機構120側から見て右回転(時計回りの回転)を生じるとともに、螺旋状テーパー面180b,182bの機能により、スプラインリング184に連動する第2螺旋スペーサ182が右回転し、第2螺旋スペーサ182は第1螺旋スペーサ180に近づく。すなわち可変スペーサ164は厚さHtから厚さLtへと薄くなる。
この厚さLtと厚さHtとの差は、コントロールシャフト132とカムキャリア150との間の熱膨張差を吸収する値となるように、ヘリカルスプライン168aとスプラインリング184とのスプライン噛合及び螺旋状テーパー面180b,182bのねじれ角が設定されている。
このため、エンジン温度が変化してコントロールシャフト132とカムキャリア150との熱膨張差が生じても、可変スペーサ164の厚さ変化によりずれが相殺されて、各仲介駆動機構120内のスライダギア128と入力部122及び揺動カム124,126との間の軸方向のずれとなって現れることがない。
上述した構成において、請求項との関係は、スライダギア128がバルブ特性操作部に相当する。第1螺旋スペーサ180と第2螺旋スペーサ182との組み合わせが間隔可変手段に、スペーサ調節シャフト168とスプラインリング184との組み合わせがバルブ特性調節誤差抑制手段に、ヘリカルスプライン168aとヘリカルスプライン184aとの組み合わせが相対回転手段に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).エンジン温度の変化によりカムキャリア150とコントロールシャフト132との間に熱膨張差が生じた場合には、バルブ特性調節誤差抑制機構170の働きにより、可変スペーサ164の厚さが対応して変化する。このことで基準面220と仲介駆動機構120との間隔が調節されて上記熱膨張差による基準面220と仲介駆動機構120との相対的位置変動が相殺される。この結果、コントロールシャフト132とシリンダヘッド8(ここではシリンダヘッド8の一部であるカムキャリア150)との熱膨張差によって生じるスライダギア128の位置ずれを無くすことができる。
したがって、強度の観点からコントロールシャフト132の材質を選択し、軽量化の観点からカムキャリア150を含むシリンダヘッド8の材質を選択したとしても、エンジン温度の違いによるバルブ特性の調節誤差を抑制することができる。
このようにしてコントロールシャフト132の強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とする可変動弁機構の実現が可能となる。
(ロ).可変スペーサ164の厚さ調節は、螺旋状テーパー面180b,182bを有する螺旋スペーサ180,182の組み合わせにより可能とされている。このことによりエンジン温度変化により2つの螺旋スペーサ180,182間にて相対回転させることにより、比較的簡易な構成で操作も比較的容易に、可変スペーサ164の軸方向での長さ、すなわち厚さを容易に変化させることができる。
(ハ).カムキャリア150とは異なる熱膨張率のスペーサ調節シャフト168をカムキャリア150に一端を固定し、ヘリカルスプライン168aを第2螺旋スペーサ182に一体化しているヘリカルスプライン184aにスプライン噛合させている。このことにより、熱膨張差により生じるスペーサ調節シャフト168の長さ変化により第2螺旋スペーサ182を第1螺旋スペーサ180に対して相対回転させている。
したがってエンジン温度変化により容易に可変スペーサ164の厚さを変更でき、エンジン温度の違いによるバルブ特性の調節誤差を容易に抑制することができる。
(ニ).スペーサ調節シャフト168は複数気筒に共通した1本が設けられ、この1本のスペーサ調節シャフト168に各気筒毎のヘリカルスプライン168a及び可変スペーサ164が配置されている。このことにより1本のスペーサ調節シャフト168にて全気筒に対応できるので、簡易な構成で、コントロールシャフト132の強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とする可変動弁機構の実現が可能となる。
[実施の形態2]
本実施の形態のエンジン上部の構成を図20の平面図に示す。本実施の形態は、前記実施の形態1に比較して、仲介駆動機構320は吸気カムシャフト245と排気カムシャフト246との間に配列されており、図2に比較して垂直軸にて180°回転した配置となっている点が異なる。したがってスライドアクチュエータ300は前記実施の形態1に比較して仲介駆動機構320に対しては軸方向の反対側に配置されている。更に、カムキャリアを用いずに、シリンダヘッド350の本体上に図20に示した各機構が設けられている点も前記実施の形態1と異なる。
この場合、基準面420は図20において仲介駆動機構320の図示左側の軸受−カムキャップ352の側面となり、仲介駆動機構320と基準面420との間に可変スペーサ364が設けられている。そして仲介駆動機構320の図示右側の軸受−カムキャップ352との間には弾性シム366が設けられている。
尚、仲介駆動機構320の入力部322、揺動カム324,326、スペーサ調節シャフト368、可変スペーサ364及び弾性シム366の基本的な構成は前記実施の形態1の構成と同じである。
本実施の形態の構成では、前記実施の形態1とは逆に、低温時においては仲介駆動機構320と基準面420とのクリアランスは大きくなり、高温時にはクリアランスは小さくなる。本実施の形態の場合には、前記図17の(B)が低温時、(A)が高温時の状態に該当する。このことで、エンジン温度が変化してコントロールシャフト332(図20に破線で示す)と、シリンダヘッド350との熱膨張差が生じても、各仲介駆動機構320内のスライダギアと入力部322及び揺動カム324,326との間の軸方向のずれとなって現れることがない。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ニ)の効果を生じる。
[実施の形態3]
本実施の形態のバルブ特性調節誤差抑制機構470を図21の背面側斜視図、図22の平面図、及び図23の右側面図に示す。尚、バルブ特性調節誤差抑制機構470以外の構成については前記実施の形態1の構成と同じである。
バルブ特性調節誤差抑制機構470においても、可変スペーサ464の第1螺旋スペーサ480及び第2螺旋スペーサ482は前記実施の形態1の第1螺旋スペーサ180及び第2螺旋スペーサ182と同じ形状である。ただし第2螺旋スペーサ482にはスプラインリングは取り付けられておらず、ピン486が外周面に径方向に突出するように取り付けられている。
全気筒に共通する1本のスペーサ調節シャフト468には、気筒毎にガイド板468aがピン486側に突出するように取り付けられている。ガイド板468aの一辺はスペーサ調節シャフト468の軸に対して角度を有するガイド面468bを形成しており、ピン486の側面に接触する。スペーサ調節シャフト468は前記実施の形態1と同様にスライドアクチュエータ側において一端がカムキャリアに固定されている。
したがって仲介駆動機構120と基準面520とのクリアランスが小さい低温時には、ガイド板468aの位置が図22において相対的に右側に存在するので、ガイド面468bによるピン486の周方向での押し出し量は小さい。このため、第1螺旋スペーサ480と第2螺旋スペーサ482との距離は近く、可変スペーサ464の厚さは薄い。
しかしエンジンが高温化して仲介駆動機構120と基準面520とのクリアランスが大きくなると、カムキャリアの方がスペーサ調節シャフト468よりも熱膨張率が大きいので、ガイド板468aの位置は図22において相対的に左側に移動し、ガイド面468bによるピン486の押し出し量が大きくなる。このため、第1螺旋スペーサ480と第2螺旋スペーサ482との距離が遠くなり、可変スペーサ464は厚くなる。
この厚さの違いが、温度により異なる仲介駆動機構120と基準面520とのクリアランスを吸収する値となるように、ガイド面468bの角度及び螺旋スペーサ480,482の螺旋状テーパー面のねじれ角が設定されている。
このため、エンジン温度が変化してコントロールシャフト132とカムキャリアとの熱膨張差が生じても、各仲介駆動機構120内のスライダギアと入力部122及び揺動カム124,126との間の軸方向のずれとなって現れることがない。
上述した構成において請求項との関係は第1螺旋スペーサ480と第2螺旋スペーサ482との組み合わせが間隔可変手段に、スペーサ調節シャフト468、ガイド板468a及びピン486の組み合わせがバルブ特性調節誤差抑制手段に、ガイド板468a及びピン486の組み合わせが相対回転手段に相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).一層、簡易な構成で前記実施の形態1の(イ)〜(ニ)の効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1,2においてスプラインリング184は全周にヘリカルスプライン184aを形成していたが、実際にスペーサ調節シャフト168のヘリカルスプライン168aと噛合するのは一部の位相範囲のみであるので、該当する部分のみに限定してヘリカルスプライン184aを形成しても良い。
更に、第2螺旋スペーサ182とスプラインリング184とは別体に形成して、位相決めネジ186にて一体化していたが、仲介駆動機構120の初期位置が他の部材、例えばシムなどを重ねることにより決定される場合には、第2螺旋スペーサ182に最初からヘリカルスプラインを一体形成しておいても良い。この場合も、第2螺旋スペーサ182に対して一部の位相範囲のみにヘリカルスプラインを一体形成しても良い。
(b).前記実施の形態3において、バルブ特性調節誤差抑制機構470以外は前記実施の形態1の構成を採用したが、前記実施の形態2の構成を採用しても良い。この場合には、エンジン温度上昇と共に可変スペーサ464は薄くなる。
(c).前記各実施の形態においては、スペーサ調節シャフトは、可変スペーサの2つの螺旋スペーサの一方のみを回転させていたが、両方を逆方向に回転させても良い。又、基準面側の螺旋スペーサを回転させて、仲介駆動機構側の螺旋スペーサを基準面側に対して固定しても良い。
(d).前記各実施の形態は、ガソリンエンジンばかりでなく、ディーゼルエンジンにも適用できる。車両用ばかりでなく他の用途のエンジンにも適用できる。更に、吸気バルブのバルブリフト量調節用の仲介駆動機構のみでなく、排気バルブのバルブリフト量調節用の仲介駆動機構についても適用でき、吸気バルブと排気バルブとの両方のバルブリフト量調節用の仲介駆動機構にも適用できる。
実施の形態1のエンジン及び可変動弁機構の縦断面。 実施の形態1のエンジンの上部構成を示す平面図。 実施の形態1の仲介駆動機構とバルブ特性調節誤差抑制機構との配置関係を示す斜視図。 実施の形態1のバルブ特性調節誤差抑制機構の斜視図。 実施の形態1のバルブ特性調節誤差抑制機構の分解斜視図。 実施の形態1の第1螺旋スペーサの構成説明図。 実施の形態1の第2螺旋スペーサの構成説明図。 実施の形態1のスプラインリングと第2螺旋スペーサとの組み合わせ状態を示す斜視図。 実施の形態1で用いられる弾性シムの一例の構成説明図。 実施の形態1で用いられる弾性シムの他の例の構成説明図。 実施の形態1の仲介駆動機構の部分破断斜視図。 実施の形態1の仲介駆動機構の部分破断斜視図。 実施の形態1の仲介駆動機構の分解斜視図。 実施の形態1のスライダギアの斜視図。 実施の形態1のスライダギアの垂直破断斜視図。 実施の形態1の仲介駆動機構内を貫通するロッカーシャフト及びコントロールシャフトの構成説明図。 実施の形態1のバルブ特性調節誤差抑制機構の駆動説明図。 実施の形態1の仲介駆動機構の動作説明図。 実施の形態1の仲介駆動機構の動作説明図。 実施の形態2のエンジンの上部構成を示す平面図。 実施の形態3の仲介駆動機構とバルブ特性調節誤差抑制機構との配置関係を示す背面側斜視図。 同じく平面図。 同じく右側面図。
符号の説明
2…エンジン、2a…気筒、4…シリンダブロック、6…ピストン、8…シリンダヘッド、10…燃焼室、12…吸気バルブ、14…吸気ポート、16…排気バルブ、18…排気ポート、45…吸気カムシャフト、45a…吸気カム、46…排気カムシャフト、46a…排気カム、47…タイミングチェーン、49…クランクシャフト、52…ローラロッカーアーム、52a…ロッカーローラ、54…ローラロッカーアーム、100…スライドアクチュエータ、120…仲介駆動機構、122…入力部、122a…ハウジング、122b…ヘリカルスプライン、122c,122d…アーム、122e…シャフト、122f…ローラ、124,126…揺動カム、124a,126a…ハウジング、124b,126b…ヘリカルスプライン、124c,126c…端面壁部、124d,126d…ノーズ、124e,126e…カム面、128…スライダギア、128a…入力用ヘリカルスプライン、128b…小径部、128c,128e…出力用ヘリカルスプライン、128d…小径部、128f…貫通孔、128g…周溝、128h…ピン挿入孔、130…ロッカーシャフト、130a…長孔、130b…内部空間、132…コントロールシャフト、132a…コントロールピン、132b…支持穴、140,142…バルブタイミング可変機構、150…カムキャリア、152…カムキャップ、152a…軸受、154,156,158,160…側壁、156a…ボルト、162…軸受、164…可変スペーサ、166…弾性シム、166a…貫通孔、166b…リング状本体、166c…頂部、166d…底部、167…弾性シム、167a…基板、167b…左板バネ部、167c…右板バネ部、167d…円弧状凹部、168…スペーサ調節シャフト、168a…ヘリカルスプライン、170…バルブ特性調節誤差抑制機構、180…第1螺旋スペーサ、180a…貫通孔、180b…螺旋状テーパー面、180c…回転止め用ピン、182…第2螺旋スペーサ、182a…貫通孔、182b…螺旋状テーパー面、182c…螺合孔、184…スプラインリング、184a…ヘリカルスプライン、184b…内部空間、184c…長孔、186…ネジ、210…ボールネジ機構、220…基準面、245…吸気カムシャフト、245a…吸気カム、246…排気カムシャフト、300…スライドアクチュエータ、320…仲介駆動機構、322…入力部、324,326…揺動カム、332…コントロールシャフト、350…シリンダヘッド、352…軸受−カムキャップ、364…可変スペーサ、366…弾性シム、368…スペーサ調節シャフト、368a…ボルト、420…基準面、464…可変スペーサ、468…スペーサ調節シャフト、468a…ガイド板、468b…ガイド面、470…バルブ特性調節誤差抑制機構、480…第1螺旋スペーサ、482…第2螺旋スペーサ、486…ピン、520…基準面。

Claims (9)

  1. 内燃機関のシリンダヘッド側に形成された基準面により軸方向における位置が決定された仲介駆動機構にてカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達し、コントロールシャフトが前記仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合してこのバルブ特性操作部を軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構において、
    前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて軸方向での長さを可変としていることにより前記基準面と前記仲介駆動機構との間の間隔を可変とする間隔可変手段と、
    内燃機関温度を前記間隔可変手段の軸方向での長さに反映させることにより内燃機関温度の違いによるバルブ特性の調節誤差を抑制するバルブ特性調節誤差抑制手段とを備え、
    前記間隔可変手段は、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて相対回転により間隔が変化する2つのスペーサを備えるものであり、
    前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、内燃機関温度変化により前記2つのスペーサを相対回転させることにより前記間隔可変手段の軸方向での長さを変化させるものであって、前記シリンダヘッドとは熱膨張率が異なる材質を用いて前記コントロールシャフトに沿って設けられるとともに一端が前記コントロールシャフトの駆動端側にて前記シリンダヘッド側に固定されているスペーサ調節シャフトと、このスペーサ調節シャフトに設けられるとともに内燃機関温度変化による軸方向での前記基準面との相対的位置変化に基づいて前記2つのスペーサを相対回転させる相対回転手段とを備えるものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 内燃機関のシリンダヘッド側に形成された基準面により軸方向における位置が決定された仲介駆動機構にてカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達し、コントロールシャフトが前記仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合してこのバルブ特性操作部を軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構において、
    前記コントロールシャフトに沿う態様で設けられて、自身の温度変化にともない前記コントロールシャフトの軸方向に膨張または収縮するバルブ特性調節誤差抑制手段と、
    このバルブ特性調整誤差抑制手段と係合する態様で前記基準面と前記仲介駆動機構との間に設けられて、前記バルブ特性調整誤差抑制手段の膨張または収縮にともない自身の軸方向長さが変化する間隔可変手段とを備え、
    前記間隔可変手段は、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて相対回転により互いの間隔が変化する2つのスペーサを備えるとともに、これらスペーサの相対回転にともなう自身の軸方向長さの変化により前記基準面と前記仲介駆動機構との間隔を変更するものであり、
    前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、自身の温度変化にともなう膨張または収縮により前記間隔可変手段との係合部分が前記基準面に対して軸方向に移動するとともに、内燃機関温度変化にともなう同係合部分の軸方向への移動を通じて前記2つのスペーサを相対回転させることにより前記間隔可変手段の軸方向の長さを変化させるものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  3. 内燃機関のシリンダヘッド側に形成された基準面により軸方向における位置が決定された仲介駆動機構にてカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達し、コントロールシャフトが前記仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合してこのバルブ特性操作部を軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構において、
    前記シリンダヘッドと熱膨張率が異なることにより自身の温度変化に基づいて前記シリンダヘッドに対して膨張または収縮するバルブ特性調節誤差抑制手段と、
    前記基準面と前記仲介駆動機構との間に設けられて前記バルブ特性調節誤差抑制手段の膨張または収縮にともない前記基準面と前記仲介駆動機構との間隔を変更する間隔可変手段とを備え、
    前記間隔可変手段は、前記基準面と前記仲介駆動機構との間に配置されて相対回転により間隔が変化する2つのスペーサを備えるものであり、
    前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、内燃機関温度変化により前記2つのスペーサを相対回転させることにより前記間隔可変手段の軸方向の長さを変化させるものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記2つのスペーサは、共に螺旋状テーパー面を有してこの螺旋状テーパー面にて相互に接触していることにより、前記2つのスペーサ間での相対回転にて前記間隔可変手段の軸方向での長さを可変とする
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、前記シリンダヘッドとは熱膨張率が異なる材質を用いて前記コントロールシャフトに沿って設けられるとともに一端が前記コントロールシャフトの駆動端側にて前記シリンダヘッド側に固定されているスペーサ調節シャフトと、このスペーサ調節シャフトに設けられるとともに内燃機関温度変化による軸方向での前記基準面との相対的位置変化に基づいて前記2つのスペーサを相対回転させる相対回転手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  6. 請求項1または5に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    内燃機関は直列に配列された複数気筒を有するものであり、
    前記スペーサ調節シャフトは、前記複数気筒に共通する1本のシャフトであるとともに各気筒に対応して相対回転手段が設けられるものである ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  7. 請求項1または5または6に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記スペーサ調節シャフトは、前記コントロールシャフトと同一の熱膨張率を有する材料により形成される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  8. 請求項1または5〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記スペーサ調節シャフトは、前記コントロールシャフトと同一の材料により形成される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記バルブ特性調節誤差抑制手段は、前記シリンダヘッドと前記コントロールシャフトとの熱膨張差により生じる前記基準面と前記コントロールシャフトとの間の軸方向での相対的位置変動と、内燃機関温度変化による前記間隔可変手段の軸方向での長さ変化とを同一にすることにより前記相対的位置変動を相殺する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
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