JP4414687B2 - 水平軸風車の風況観測装置及び水平軸風車の性能評価方法 - Google Patents

水平軸風車の風況観測装置及び水平軸風車の性能評価方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平軸風車の風況観測装置及び水平軸風車の性能評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自然風から電力を得る目的で水平軸風車が提案され、実用化されている。この水平軸風車の性能は、一般的に、ハブ風速(水平軸風車のロータ回転中心部分における風速:m/s)と出力(発電量:W)との関係を表す出力曲線で示される。そして、事前に観測・シミュレーションにより予測されたハブ風速と、前記した出力曲線と、に基づいて、売電事業の採算性に直結する発電量を予測している。
【0003】
ここで、従来の水平軸風車には、ナセル上に制御用の風速計が設けられているが、このナセル上の風速計はロータやナセルの空力的な影響を受けるために正しい値を示さないので、ハブ風速の測定に使用するのは好ましくない。特に、国内の風力発電システムは地形が複雑な地点に設置される場合が多く、かかる地形においては、地表からの高さだけでなく位置によっても風速が変化するため、ナセル上の風速計によっては正確なハブ風速を計測することが困難である。
【0004】
このため、水平軸風車のロータやナセルの空力的な影響を排除して、より正確なハブ風速を測定(推算)するために、以下のような方法を採用していた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
(1)平坦地におけるハブ風速測定方法:
平坦地に設置された水平軸風車100の近くに風況マスト200を設置し、この風況マスト200の先端に配置された風速計210により、水平軸風車100のハブの高さとほぼ同じ位置で風速を計測し、これをハブ風速とみなす(図8参照)。
【0006】
(2)非平坦地におけるハブ風速推算方法:
水平軸風車100を設置する位置に風況マスト200を設置するとともに、この風況マスト200と高さの異なる位置に参照マスト300を設置する(図9(a)参照)。そして、風況マスト200の先端に配置された風速計210によって水平軸風車のハブの高さとほぼ同じ位置で風速を計測するとともに、参照マスト300の先端に配置された風速計310で風速を計測し、両者の相関関係を求める。その後、水平軸風車100設置後において、参照マスト300の風速計310で計測された風速と、前記した相関関係と、を用いてハブ風速を推算する(図9(b)参照)。
【0007】
(3)平坦地におけるハブ風速推算方法:
平坦地に設置された水平軸風車100の近くに参照マスト300を設置するとともに、水平軸風車100のナセルに風速計400を配置する(図10(a)参照)。そして、参照マスト300の先端に配置した風速計310及び風速計400によって各々風速を計測し、両者の相関関係を求める。そして、風速計400で計測された風速と、前記した相関関係と、を用いてハブ風速を推算する(図10(b)参照)。
【0008】
【非特許文献1】
JISC1400-12、”風力発電システム−第12部:風車の性能計測方法”、[online]、2002年3月20日、日本工業標準調査会、[平成15年6月 16日検索]、インターネット<URL:http://www.jisc.go.jp>
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、現在用いられている水平軸風車の大半はハブ高さが60mを超えるものであるため、前記した(1)及び(2)の方法を採用すると、大規模な風況マスト200を設置する必要があり、マスト本体の製作コストや設置コストが膨大となる。また、風況マスト200の設置地を入手するための借地料等が必要となり、この点からもコストが嵩むこととなる。さらに、風況マスト200の製作や設置に時間を要するため、ハブ風速の測定に時間がかかるという問題がある。
【0010】
また、前記した(3)の方法を採用すると、気流の傾斜が顕著な場合(例えば、図11(a)に示すように吹き上げ角を有する風が吹いた場合)には、ナセルの影響により、風速計400による測定値に狂いが生じてしまう。このため、予め求めておいた相関関係を用いても、正確なハブ風速を推算することができない。また、吹き上げ角が不明であるため、風速計400による測定値が低下した場合に、その測定値の低下が、実際の風速の低下によるものであるのか気流の傾斜(吹き上げ角)によるものであるのかを判別することができないという問題もある。かかる問題は、図11(b)に示したダウンウィンド型の水平軸風車を採用した場合においても同様に発生する。
【0011】
本発明の課題は、水平軸風車のロータ回転中心部分における風速(ハブ風速)を容易かつ正確にしかも低コストで測定することができる水平軸風車の風況観測装置と、この風況観測装置を用いた水平軸風車の性能評価方法と、を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、水平軸風車のロータ回転中心部分における風況を観測する風況観測装置において、前記水平軸風車のナセルの風上側に突出させて前記ナセルに設けられた突出部と、前記突出部の先端部分に設けられた風速計と、前記突出部の先端部分に設けられた吹き上げ角測定手段とを備え前記吹き上げ角測定手段で測定された吹き上げ角を用いて前記風速計で測定された風速を補正することを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ナセルの風上側に突出させてナセルに突出部を設け、この突出部の先端部分に設置した風速計により、ナセルの影響を受けない正確な風速を測定することができる。また、ナセルの風上側に突出させてナセルに設けた突出部の先端部分に設置した吹き上げ角測定手段により、吹き上げ角を測定することができる。
【0014】
従って、これら測定された風速及び吹き上げ角を用いて、発電量の予測に用いられるハブ風速を容易に測定(推算)することができる。このため、ハブ風速を測定(推算)するために従来用いていた風況マストが不要となるので、マスト設置地の借地料やマスト本体の設置費用等を削減することができ、測定時間を短縮することもできる。また、測定された吹き上げ角を用いて、風速計で測定した風速を補正することにより、ハブ風速を正確に測定(推算)することができる。例えば請求項2に記載のように、前記風速計の種類及び吹き上げ角に応じて予め求められた測定風速に対する実際の風速の比を前記風速計で測定された風速に乗じて実際の風速を求めることで、前記風速計で測定された風速を補正する。この結果、水平軸風車の性能評価に良好に寄与することができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、所定の設置地に設置された水平軸風車の性能を評価する方法において、前記水平軸風車のナセルの風上側に突出する突出部を前記ナセルに設け、この突出部の先端部分に風速計及び吹き上げ角測定手段を設ける風況観測装置取付工程と、前記風速計で風速を測定する風速測定工程と、前記吹き上げ角測定手段で吹き上げ角を測定する吹き上げ角測定工程と、前記吹き上げ角測定手段で測定された吹き上げ角を用いて前記風速計で測定された風速を補正する風速補正工程と、前記風速補正工程で補正された風速前記水平軸風車の発電量との相関関係を示す出力曲線を前記吹き上げ角毎に作成することで複数の出力曲線からなる出力曲線群を作成する出力曲線群作成工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、水平軸風車のナセルの風上側に突出する突出部をナセルに設け、この突出部の先端部分に風速計及び吹き上げ角測定手段を設けることにより、水平軸風車のナセルの風上側に設けられた風況観測装置を用いて、ナセルの影響を受けない正確な風速を測定するとともに吹き上げ角を測定する。そして、測定した吹き上げ角を用いて風速を補正し、この補正された風速を用いて水平軸風車の発電量を示す出力曲線群を作成して、発電量を正確に推算することができる。
【0017】
従って、水平軸風車の発電量予測用のハブ風速を測定(推算)するために従来用いていた風況マストが不要となるので、マスト設置地の借地料やマスト本体の設置費用等を削減することができ、測定時間を短縮することもできる。また、測定された吹き上げ角を用いて、風速計で測定した風速を補正することができるので、より正確にハブ風速を推算することができる。この結果、水平軸風車の発電量を正確に予測することができ、水平軸風車の正確な性能評価が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を用いて詳細に説明する。
【0019】
なお、本実施の形態においては、風速計及び吹き上げ角計測手段を具備する風況観測装置が備えられる水平軸風車として、図1に示したダウンウィンド型の水平軸風車1を採用している。水平軸風車1は、タワー2と、このタワー2の頂部に取り付けられたナセル3と、このナセル3に略水平方向に延在して軸支された(図示されていない)主軸と、この主軸に取り付けられたロータ4と、を備えて構成されている(図1参照)。
【0020】
まず、本実施の形態に係る水平軸風車の風況観測装置について説明する。風況観測装置は、水平軸風車1のロータ回転中心部分(ハブ)における風況を観測するものであり、図1に示した水平軸風車1のナセル3の風上側に所定長突出させて設けたブーム10と、ブーム10の先端近傍に設置されたカップ型風速計20と、ブーム10の先端近傍に設置されたベーン30と、を備えて構成されている(図2及び図3参照)。
【0021】
ブーム10は、本発明における突出部であり、風速計20及びベーン30をナセル3の風上側に配置するための細長い円筒状部材である(図2参照)。ブーム10の長さは、水平軸風車1のナセル3の大きさに応じて適宜決めるものとする。
【0022】
カップ型風速計20は、水平軸風車1のロータ回転中心部分に吹き付ける風をカップ21が受けて回転し、その回転速度から風速を測定するものである(図3参照)。カップ型風速計20の型式は特に限定されるものではなく、従来から用いられているものを際限なく採用することができる。例えば、Vaisala社製のカップ型風速計、Thies社製のカップ型風速計、Riso研究所が設計したカップ型風速計、等を採用することができる(図6参照)。
【0023】
ベーン30は、本発明における吹き上げ角測定手段であり、水平軸風車1のロータ回転中心部分に吹き付ける風の吹き上げ角を測定するものである。なお、水平軸風車1に水平風が吹いた状態を図1(a)に示しており、水平軸風車1に吹き上げ風が吹いた状態を図1(b)に示している。
【0024】
カップ型風速計20によって測定された風速(以下、「ブーム風速」という)と、ベーン30によって測定された吹き上げ角と、水平軸風車1の発電量と、は図示されていないデータ処理部に送られて記録され、水平軸風車1の性能評価に用いられる。
【0025】
次に、前記した風況観測装置を用いた水平軸風車1の性能評価方法について説明する。
【0026】
まず、水平軸風車1のナセル3の風上側部分に、前記した風況観測装置(ブーム10、カップ型風速計20及びベーン30)を取り付け(風況観測装置取付工程)、この水平軸風車1を平坦地に設置する。また、この水平軸風車1の近くに参照マスト40を設置する(図4参照)。
【0027】
次いで、参照マスト40の先端に配置した風速計50(図4参照)を用いて、水平軸風車1のハブ高さとほぼ同じ高さの水平成分の風速(以下、「実風速」という)を所定期間測定して、その測定結果を記録する。
【0028】
また、水平軸風車1のナセル3の風上側に取り付けられたカップ型風速計20を用いて、水平軸風車1のナセル3の風上側における風速(ブーム風速)を測定する(風速測定工程)。同時に、水平軸風車1の風上側に取り付けられたベーン30を用いて、水平軸1のナセル3の風上側における吹き上げ角を測定する(吹き上げ角測定工程)。また、測定されたブーム風速と、このブーム風速が測定されたときの吹き上げ角と、に対応する水平軸風車1の発電量(以下、「風車出力」という)を、図示されていない発電量検出手段によって測定する。
【0029】
なお、本実施の形態においては、カップ型風速計20及びベーン30を用いて、風速が変化する所定の期間(例えば一年間)連続的に、実風速(参照マスト40の風速)、ブーム風速、吹き上げ角及び風車出力(水平軸風車1の発電量)を測定し、データ処理部に記録するようにした。これら実風速、ブーム風速、吹き上げ角及び風車出力の測定間隔は適宜決めることができ、本実施の形態においてはこの測定間隔を10分間に設定している。
【0030】
風速測定工程においてカップ型風速計20で測定したブーム風速は、実風速と、ベーン30で測定した吹き上げ角と、に基づいて補正される(風速補正工程)。この風速補正工程について、具体的に説明する。
【0031】
一般的に、カップ型風速計20で測定される風速は、ベーン30によって測定される吹き上げ角に依存する。そして、風速と吹き上げ角との関係は、カップ型風速計20の種類によって異なることが知られている。このため、採用したカップ型風速計20の種類に応じて、図6に示したようなグラフを用いて、風速を補正する。
【0032】
例えば、Riso研究所が設計したカップ型風速計20を採用した場合において、測定されたブーム風速が8m/sであり、このときの吹き上げ角が20°であるとする。このブーム風速(8m/s)は、実際のブーム風速の約9/10倍の値となることが図6から読み取れるため、以下のような補正計算を行って実際のブーム風速を求める。
8×(10/9)≒8.9(m/s)
【0033】
また、ベーン30によって測定される吹き上げ角をθとし、カップ型風速計20で測定され(前記したように補正され)たブーム風速にcosθを乗じて、ブーム風速の水平成分を求める。例えば、ブーム風速が10m/sであり、吹き上げ角θが30°である場合には、ブーム風速の水平成分は以下のように算出される。なお、平坦地での所定の期間内における吹き上げ角θの平均値を、0°とする。
10×cos30°≒8.7(m/s)
【0034】
次いで、風速測定工程で測定され、風速補正工程で補正された結果得られたブーム風速の水平成分と、このブーム風速の水平成分が測定されたときの吹き上げ角と、風車出力(水平軸風車1の発電量)と、の関係を示す出力曲線群を作成する(出力曲線群作成工程)。この出力曲線群作成工程について、具体的に説明する。
【0035】
本実施の形態においては、まず、乱れ度のない場合におけるブーム風速の水平成分と、風車出力と、の相関関係を示す出力曲線群を、吹き上げ角毎に計算により作成する。図7は、このように計算により作成した出力曲線群を示すものである。そして、実測データを用いてこれら出力曲線群を修正することとしている。
【0036】
最初に、平坦地において10分間毎に測定されたブーム風速の水平成分と、風車出力と、に基づいて、吹き上げ角が0°の出力曲線を修正する。この際、10分間毎の平均風速と風車出力との関係は、同じ風車においても風の乱れ度(標準偏差を平均風速で除した値)によりばらつくので、平均値を求め平均値を結んで、実測データに基づいた出力曲線群を作成する。そして、この実測データに基づいた出力曲線と、計算により求めた吹き上げ角0°の出力曲線(図7参照)と、から、計算値を修正する修正係数を求め、この修正係数を用いて他の吹き上げ角の出力曲線群を修正する。修正された他の吹き上げ角の出力曲線群は、傾斜地に将来設置される水平軸風車1の出力を推定する場合等に用いられる。
【0037】
実際に水平軸風車1が設置される場所の地形は傾斜地が多く、また傾斜の程度は風向により異なるので、吹き上げ角は方位毎に変化する。こうした場所に設置する水平軸風車1にも、ブーム10と、その先端部分に風速計20と、ベーン30と、を設ける。そして、ブーム風速と吹き上げ角と風車出力とを計測し、ブーム風速と吹き上げ角の10分間毎の平均値と乱れ度を求め、同じ時間内の風車出力を求める。その後、平均風速及び平均吹き上げ角を算出するとともに平均風車出力を算出し、これらの値を使用して内挿又は外挿により必要な点の風車出力を推定し、図7に示すような、吹き上げ角をパラメータとした出力曲線群を作成していく。
【0038】
初期においては、吹き上げ角0°の修正係数で修正された出力曲線群が作成されるが、水平軸風車1の設置数が増えるに従い、実測データに基づく吹き上げ角毎の出力曲線群が作成される。そして、吹き上げ角毎の出力曲線群に係るデータが蓄積されると、その蓄積されたデータに基づいて、新しく設置した風車が予期した性能を発揮していることを、参照マストを設置せずに確認することができる。また、蓄積されたデータは、今後設置する予定の風車の発電量や経済性をより正確に予測するのに使用することができる。
【0039】
なお、ブーム風速と実風速との相関関係は、水平軸風車1の型式(タワー2やロータ4の形状・構造・制御)によって決定される。このため、同一の型式(形状・構造・制御)の水平軸風車1を複数設置する場合には、1台の水平軸風車1について求めた相関関係を用いて、参照マスト40を設けることなく実風速を推算することができる(図5参照)。
【0040】
以上説明した実施の形態に係る水平軸風車1の風況観測装置においては、ナセル3の風上側に設置したカップ型風速計20により、ナセル3の影響を受けない正確な風速を測定することができる。また、ナセル3の風上側に設置した吹き上げ角測定手段であるベーン30により、吹き上げ角を測定することができる。
【0041】
従って、これら測定された風速及び吹き上げ角を用いて、発電量の予測に用いられるハブ風速(ブーム風速の水平成分)を容易に測定(推算)することができる。このため、ハブ風速を測定(推算)するために従来用いていた風況マスト200(図8及び図9参照)が不要となるので、マスト設置地の借地料やマスト本体の設置費用等を削減することができ、測定時間を短縮することもできる。また、測定された吹き上げ角を用いて、カップ型風速計20で測定した風速を補正することにより、ハブ風速を正確に測定(推算)することができる。この結果、水平軸風車1の発電量予測に良好に寄与することができる。
【0042】
また、以上の実施の形態に係る水平軸風車1の性能評価方法においては、水平軸風車1のナセル3の風上側に設けられた風況観測装置を用いて、ナセル3の影響を受けない正確な風速を測定するとともに吹き上げ角を測定する。そして、測定した吹き上げ角を用いて風速を補正し、この補正された風速と出力との関係を所定期間連続的に取得して、これら風速と出力との相関関係を示す出力曲線群を作成することにより、水平軸風車1の正確な性能評価を実現させることができる。
【0043】
また、実際に設置された水平軸風車1のナセル3の風上側に設けられた風況観測装置を用いて、信頼性に優れた事実上のデータを取得することができるので、水平軸風車1の設置地点における風況データ(観測値・シミュレーション結果)を用いて、発電量をきわめて正確に予測することができる。
【0044】
なお、以上の実施の形態においては、風況観測装置のベーン30によって、水平軸風車1のナセル3の風上側における吹き上げ角を測定した例を示したが、他の吹き上げ角測定手段を用いて、水平軸風車1のナセル3の風上側における吹き上げ角を測定し、この測定結果に基づいてブーム風速を補正することもできる。そして、この補正されたブーム風速を水平軸風車1の発電量予測に使用することができる。
【0045】
また、以上の実施の形態においては、出力曲線を「吹き上げ角」毎に作成した例(図7参照)を示したが、出力曲線を「乱れ度」毎に作成し、この「乱れ度」毎に作成した出力曲線群に基づいて水平軸風車1の発電量を予測することもできる。さらに、「吹き上げ角」と「乱れ度」との組み合わせ毎に作成した出力曲線群に基づいて、水平軸風車1の発電量を予測することもできる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ナセルの風上側に設置した風速計及び吹き上げ角計測手段により、ナセルの影響を受けない正確な風速を測定するとともに吹き上げ角を測定することができる。従って、これら測定された風速及び吹き上げ角を用いて、発電量の予測に用いられるハブ風速を容易かつ正確に測定(推算)することができる。また、ハブ風速の測定に従来用いられていた風況マストが不要となるので、マスト設置のための諸費用を削減することができ、測定時間を短縮することもできる。さらに、測定された吹き上げ角を用いて風速を補正することによりハブ風速を正確に測定(推算)することができ、水平軸風車の発電量予測に良好に寄与することができる。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、水平軸風車のナセルの風上側に設けられた風況観測装置を用いて、ナセルの影響を受けない正確な風速を測定するとともに吹き上げ角を測定し、測定した吹き上げ角を用いて風速を補正し、この補正された風速を用いて水平軸風車の発電量を示す出力曲線群を作成して、水平軸風車の正確な性能評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る風況観測装置が備えられた水平軸風車を示すものであり、(a)は水平軸風車に水平風が吹いた状態を示す概略図、(b)は水平軸風車に吹き上げ風が吹いた状態を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る風況観測装置の構成を説明するための斜視図である。
【図3】図2のIII部分の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る風況観測装置が備えられた水平軸風車を平坦地に設置するとともに、その近くに参照マストを設置した状態を示す概略図である。
【図5】図4に示した状態から参照マストを省いた状態を示す概略図である。
【図6】カップ型風速計の種類とブーム風速と吹き上げ角との関係を示すグラフである。
【図7】ブーム風速と風車出力と吹き上げ角との関係を示すグラフである。
【図8】従来の平坦地におけるハブ風速測定方法を説明するための説明図である。
【図9】従来の非平坦地におけるハブ風速推算方法を説明するための説明図である。
【図10】従来の平坦地におけるハブ風速推算方法を説明するための説明図である。
【図11】図10に示したハブ風速推算方法における問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 水平軸風車
3 ナセル
4 ロータ
10 ブーム(突出部)
20 カップ型風速計(風速計)
30 ベーン(吹き上げ角測定手段)

Claims (3)

  1. 水平軸風車のロータ回転中心部分における風況を観測する風況観測装置において、
    前記水平軸風車のナセルの風上側に突出させて前記ナセルに設けられた突出部と、
    前記突出部の先端部分に設けられた風速計と、
    前記突出部の先端部分に設けられた吹き上げ角測定手段とを備え
    前記吹き上げ角測定手段で測定された吹き上げ角を用いて前記風速計で測定された風速を補正することを特徴とする水平軸風車の風況観測装置。
  2. 前記風速計の種類及び吹き上げ角に応じて予め求められた測定風速に対する実際の風速の比を前記風速計で測定された風速に乗じて実際の風速を求めることで、前記風速計で測定された風速を補正することを特徴とする請求項1に記載の水平軸風車の風況観測装置。
  3. 所定の設置地に設置された水平軸風車の性能を評価する方法において、
    前記水平軸風車のナセルの風上側に突出する突出部を前記ナセルに設け、この突出部の先端部分に風速計及び吹き上げ角測定手段を設ける風況観測装置取付工程と、
    前記風速計で風速を測定する風速測定工程と、
    前記吹き上げ角測定手段で吹き上げ角を測定する吹き上げ角測定工程と、
    前記吹き上げ角測定手段で測定された吹き上げ角を用いて前記風速計で測定された風速を補正する風速補正工程と、
    前記風速補正工程で補正された風速前記水平軸風車の発電量との相関関係を示す出力曲線を前記吹き上げ角毎に作成することで複数の出力曲線からなる出力曲線群を作成する出力曲線群作成工程と、
    を備えることを特徴とする水平軸風車の性能評価方法。
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