JP4413728B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、主体金具を加締めて絶縁碍子と一体に固定したスパークプラグに関するものである。
従来、内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。一般的なスパークプラグは、中心電極が挿設された絶縁碍子を保持する主体金具と、この主体金具の先端部に溶接された接地電極を有しており、この接地電極の他端部と、中心電極の先端部とが対向して火花放電ギャップを形成している。そして、中心電極と接地電極との間で火花放電が行われる。
このようなスパークプラグでは、主体金具の内周面に形成した段部にて絶縁碍子の外周面に形成した段部を支持した状態で、主体金具の後端側に設けた加締め蓋を加締めることによって、絶縁碍子と主体金具とが一体に固定される。この加締め蓋の内部にタルクやパッキンを収容し、主体金具と絶縁碍子との固定を確実なものとするため、加締め蓋の端部は絶縁碍子に当接する形態となっている。
近年、自動車エンジンの出力向上、省燃費化がますます求められ、これに伴いエンジン側の設計の自由度の確保の点から、スパークプラグの小径化やロングリーチ化が求められている。スパークプラグの小径化、ロングリーチ化が進むに連れ、絶縁碍子の胴部の外径についても細くなり、これにともない強度も低下する。
このような小径のスパークプラグにおいて加締め蓋が絶縁碍子に直接あたる構造を有した場合、例えばエンジンへの取り付けの際にレンチ等スパークプラグ取付用工具が絶縁碍子に当たるなど、絶縁碍子が外部より衝撃を受けると、胴部に当接する加締め蓋の端部を支点として絶縁碍子が折れたり傷付いたりする虞があった。こうした絶縁碍子の折損を防止するには、主体金具の加締め蓋の端部を絶縁碍子の胴部に当接させないようにして、絶縁碍子と主体金具とを一体に固定するとよい(例えば特許文献1参照)。
特開平10−125444号公報
しかしながら、加締め蓋の端部と絶縁碍子の胴部との間に間隙が設けられるように絶縁碍子と主体金具とを一体に組み付けると、絶縁碍子が外部より衝撃を受けた場合に、加締め蓋によって絶縁碍子を支えることができないため絶縁碍子の軸線方向に対するぶれが生じ、結果的に加締め蓋の端部に絶縁碍子の胴部が当接してしまう虞があった。また、ぶれが生じても両者が当接しないように両者間の間隙を広く設定した場合、加締めを行っても主体金具と絶縁碍子との間の気密性が保てなくなる場合が生じてしまう。そこで両者間にパッキンを介在させた場合に、このパッキンを支点として絶縁碍子が折損する虞が生ずるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、絶縁碍子が外部からの衝撃を受けても折損し難いスパークプラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグは、自身の先端側に火花放電のための電極を形成する軸状の中心電極と、前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を自身の内周面に形成した段部に係止させた状態で、自身の基端側に加締め蓋を設けて前記絶縁碍子の胴部を保持する主体金具と、前記加締め蓋の内周面と前記絶縁碍子の前記胴部の外周面との間に介在する環状のパッキンとを備え、前記パッキンの外径をG(mm)、前記パッキンの内径をL(mm)、前記加締め蓋の最小径部の内径をd(mm)とするとき、(G+L)/2≧d>Lを満たし、かつ、前記加締め蓋の硬度をM(Hv)、前記パッキンの硬度をN(Hv)とするとき、N<Mを満たし、さらに、前記主体金具の内周面で、前記加締め蓋の内周面から先端側へ連続する部位の内径をE(mm)とするとき、E−G≧0.1(mm)を満たすことを特徴とする。
また、請求項に係る発明のスパークプラグは、請求項に記載の発明の構成に加え、前記加締め蓋の最小径部において、前記絶縁碍子の軸線方向と直交する断面の面積をJとするとき、J≦60(mm)を満たすことを特徴とする。
また、請求項に係る発明のスパークプラグは、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記加締め蓋の内周面およびこれと連続する前記主体金具の内周面と、前記絶縁碍子の前記胴部の外周面との間には、滑石が封入されることを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグでは、加締め蓋の内周面と絶縁碍子の胴部の外周面との間に環状のパッキンを介在させた状態で加締め、主体金具と絶縁碍子とを一体にしており、このとき、パッキンの外径Gと内径Lと、加締め蓋の最小径部の内径dとの間の関係が(G+L)/2≧d>Lとなるようにすることで、パッキンによる密閉性を高めるとともに、加締め蓋が絶縁碍子に当接しないようにすることができる。こうすることで、絶縁碍子が外部より衝撃を受けた際に加締め蓋を支点として折損することを防止することができる。
また、上記構成とすれば絶縁碍子には加締め蓋が当接しないがパッキンが当接するが、絶縁碍子が外部より衝撃を受けた際にパッキンを支点として絶縁碍子が折損しないように、本発明では加締め蓋の硬度よりもパッキンの硬度が低くなるようにした。こうすることで、絶縁碍子が外部より衝撃を受けた際にパッキンが緩衝材として機能し、衝撃を吸収するため、絶縁碍子が折損することを防止することができる。
また、主体金具の内周面の内径Eとパッキンの外径Gとの差分が0.1mm以上となるようにしたので、パッキンと主体金具の内周面との間に遊びが設けられ、絶縁碍子が外部より衝撃を受けた際に、パッキンが若干位置をずらし衝撃を吸収することができるので、耐折損性を向上することができる。
また、請求項に係る発明のスパークプラグでは、請求項に係る発明の効果に加え、軸線方向と直交する断面の面積Jが60mm以下である絶縁碍子を用いたスパークプラグに対し本発明を適用したので、硬度の高い加締め蓋が直接絶縁碍子に当接しないようにした耐折損性の向上の効果や、絶縁碍子が外部から衝撃を受けた際の衝撃吸収の効果を十分に発揮することができる。
また、請求項に係る発明のスパークプラグでは、請求項1または2に係る発明の効果に加え、加締め蓋の内周面およびこれと連続する主体金具の内周面と、絶縁碍子の胴部の外周面との間に滑石を封入したので、両者間に介在するパッキンの位置決めをすることができるとともに、絶縁碍子が外部より衝撃を受けた際に緩衝材として機能させることができ、絶縁碍子の耐折損性を向上することができる。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態のスパークプラグの一例としてのスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁体を構成する絶縁碍子10と、この絶縁碍子10を保持する主体金具50と、絶縁碍子10内に軸線O方向に保持された中心電極20と、主体金具50の先端面57に基部32を溶接され、先端部31の一側面が中心電極20の先端部22に対向する接地電極30と、絶縁碍子10の後端部に設けられた端子金具40とから構成されている。
まず、このスパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子10について説明する。絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線O方向へ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。この絶縁碍子10の胴部18の略中央には、胴部18よりも拡径された鍔部19が形成されている。また、胴部18よりも先端側(図1における下側)には、胴部18よりも外径が細く形成され、内燃機関の燃焼室に曝される脚長部13が設けられている。そして、脚長部13と胴部18との間は段部15として形成されている。
次に、中心電極20は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等で形成され、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯23を有している。中心電極20の先端部22は絶縁碍子10の先端面から突出しており、先端側に向かって径小となるように形成されている。その先端部22の先端面には、耐火花消耗性を向上するため貴金属からなるチップ91が接合されている。また、中心電極20は、軸孔12の内部に設けられたシール体4およびセラミック抵抗3を経由して、上方の端子金具40に電気的に接続されている。そして端子金具40には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次いで、接地電極30について説明する。接地電極30は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金が用いられる。この接地電極30は自身の長手方向の横断面が略長方形を有しており、基部32が主体金具50の先端面57に溶接により接合されている。また、接地電極30の先端部31は、一側面側が中心電極20の先端部22に対向するように屈曲されている。
次に、主体金具50について説明する。主体金具50は、図示外の内燃機関のエンジンヘッドにスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具であり、絶縁碍子10を取り囲むようにして保持している。主体金具50は鉄系材料より形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51と、図示外の内燃機関上部に設けられたエンジンヘッドに螺合する雄ねじ部52とを備えている。また、工具係合部51より後端側には加締め部53が設けられ、加締め部53の内周面59は、工具係合部51の内周面58に連続する面として形成されている。なお、加締め部53が、本発明における「加締め蓋」に相当する。
そして主体金具50の加締め部53の先端部60を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、主体金具50内に形成された段部56に板パッキン8を介して絶縁碍子10の段部15が支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体にされる。加締めによる密閉を完全なものとするため、主体金具50の加締め部53の内周面59および工具係合部51の内周面58と、絶縁碍子10の胴部18の外周面17との間に、断面円形で環状の外パッキン6と内パッキン7とが介在され、さらに外パッキン6と内パッキン7との間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。すなわち、主体金具50は、板パッキン8、外パッキン6、内パッキン7およびタルク9を介して絶縁碍子10を保持している。外パッキン6と内パッキン7とは、軟鉄や銅などの金属材料から形成され、断面円形で環状に成形される。また、主体金具50の工具係合部51と雄ねじ部52との間には鍔部54が形成され、雄ねじ部52の後端側近傍、すなわち鍔部54の座面55にはガスケット5が嵌挿されている。なお、外パッキン6が、本発明における「パッキン」に相当する。また、タルク9が、本発明における「滑石」に相当する。
このように構成されたスパークプラグ100では、主体金具50の加締め部53の先端部60が絶縁碍子10の胴部18の外周面17に当接しないように、本実施の形態では両者の位置関係を設定している。以下、図2〜図4を参照して、各部位の位置関係について説明する。図2は、スパークプラグ100の主体金具50のかしめ部53付近の要部拡大部分断面図である。図3は、図2の2点鎖線A−A'における矢視方向からみたスパークプラグ100の断面図である。図4は、図2の2点鎖線B−B'における矢視方向からみたスパークプラグ100の断面図である。
以下、図2〜図4に示すように、絶縁碍子10の胴部18の外径、すなわち、胴部18に当接する外パッキン6の内径をL(mm)、この外パッキン6の外径をG(mm)とする。このとき、断面円形で環状の外パッキン6の中心を通る線(中心線)の直径をC(mm)とすると、C=(G+L)/2(mm)となる。また、胴部18に向かって屈曲された加締め部53の先端部60において、胴部18の外周面17に最も近い部分(最小径部)の内径をd(mm)とする。さらに、加締め部53の内周面59から、主体金具50の先端側へ向けて連続する部位の内径をE(mm)とする。なお、加締めにより屈曲される以前の加締め部53の内周面59の内径は、この内周面59が工具係合部51の内周面58に連続するため、内周面58の内径Eと同じとなる。つまり、内径Eの基準となる位置は、加締め部53の内周面59においては、加締めにより湾曲される部分の起点の位置といえる。
本実施の形態では、加締め部53の最小径部が絶縁碍子10の胴部18の外周面17に接触しないように、外パッキン6の内径Lと加締め部53の最小径部の内径dとの関係を、d>Lとしている。また、加締め部53は、外パッキン6と内パッキン7との間にタルク9を封入した状態で加締め、絶縁碍子10と主体金具50との密閉を行うものであり、その加締め部53の先端部60にてタルク9が漏出しないように外パッキン6で閉蓋する。外パッキン6による密閉性を高めるためには、加締め部53の最小径部の内径dと、外パッキン6の中心線の直径Cとが、C≧dの関係を満たすことが好ましい。つまり、図3のように上方より加締め部53の最小径部と外パッキン6とを見たときに、外パッキン6の中心線と同じ位置、もしくは中心線よりも絶縁碍子10の胴部18寄りの位置に加締め部53の最小径部があり、かつ、胴部18に接触していないことが望ましい。
また、この加締めにより外パッキン6が絶縁碍子10の胴部18に当接することとなるが、外パッキン6の硬度が高いと、絶縁碍子10が外部より衝撃を受けた場合に外パッキン6を支点として折損する虞がある。これを防止するには、外パッキン6の硬度をN(Hv)、主体金具50の硬度、特に加締め部53の硬度をM(Hv)とするとき、N<Mであることが望ましい(硬度はビッカース硬さHvによる。)。この外パッキン6の硬度を規定したことによる耐折損性の向上の効果は、後述する実施例1により確認することができた。
さらに、外パッキン6と加締め部53の内周面59との間に遊びを設け、絶縁碍子10の耐折損性を向上させることができる。このためには、工具係合部51の内周面58の内径Eと、外パッキン6の外径Gとの間の距離(遊び)が、E−G≧0.1(mm)の関係を満たすことが望ましい。加締めにより加締め部53の内周面59は断面が弧状となるように変形される。外パッキン6は断面円形で環状であるので、工具係合部51の内周面58の内径Eと、外パッキン6の外径Gとの間に距離が設けられれば遊びとして機能し、絶縁碍子10に外部から衝撃が与えられた際に、パッキン6が若干位置をずらして衝撃を吸収することができるので、絶縁碍子10の耐折損性を向上させることができる。さらに、両者間にタルク9を介在させれば、外パッキン6の位置固定と、外パッキン6よりは硬度の低いタルク9による衝撃の吸収との効果が期待できる。このように遊びを設けたことによる絶縁碍子の耐折損性の向上の効果は、後述する実施例2により確認することができた。
また、絶縁碍子10の軸線方向と直交する断面(以下、「軸断面」という。)の面積をJ(mm)とするとき、J≦60(mm)であることが望ましい。絶縁碍子10の軸断面の面積が60mmより大きい場合、絶縁碍子10の外径も太い場合が多い。太径の絶縁碍子10であれば、絶縁碍子10そのものの耐折損性が高いので、加締め部53の最小径部が胴部18に当接した構成であっても折損しにくいことが、後述する実施例3により確認することができた。つまり、細径の絶縁碍子10に本発明を適用すれば、本発明の構成による効果を十分に発揮することができる。なお、この軸断面の測定部位は加締め部53の先端部60のうち、その厚みのある部分内であればよい。
このように構成したスパークプラグについて、本発明の効果を確認するため、実施例1〜3に示す試験を行った。以下、図5〜図7を参照して、実施例1〜3について説明する。図5は、パッキンの硬さと、絶縁碍子が破断する破断エネルギーとの関係を示すグラフである。図6は、主体金具の内周面の内径とパッキンの外径との径差と、絶縁碍子が破断する破断エネルギーとの関係を示すグラフである。図7は、絶縁碍子の胴部の軸断面の面積と、パッキンの有無によって異なる絶縁碍子の破断エネルギーの比率との関係を示すグラフである。
なお、実施例1〜3において、絶縁碍子が破断する破断エネルギーの測定は、公知のシャルピー試験によって行った。シャルピー試験の概要は以下の通りである。スパークプラグの軸線O方向を上下方向とし火花放電ギャップを下方に向け、試験台のねじ穴に主体金具の雄ねじ部を螺合させてスパークプラグを固定する。また、スパークプラグの軸線O方向上方に軸支点を有するハンマーを、旋回可能に設ける。このとき、ハンマーの先端を持ち上げ、リリース後に自由落下によりこのハンマーを旋回させたときに、ハンマー先端がスパークプラグの絶縁碍子の後端側(端子金具側)から略1mmの部位に衝突するようにする。そして、ハンマーの持ち上げ角度(軸線O方向に対する角度)を所定角度ずつ大きくしながらハンマー先端を絶縁碍子に衝突させ、これを繰り返し行い、絶縁碍子に破断が発生した際の持ち上げ角度に基づいて破断エネルギーを求めた。
また、実施例1〜3において、パッキンや主体金具の硬さはビッカース硬さHvにて求めたが、この試験方法についてはJIS:Z2224に規定された方法を用いた。このとき、JIS:B7725に適合するビッカース硬さ試験機を用い、試験荷重は2Nとした。
[実施例1]
まず、パッキンの硬さと、絶縁碍子の破断エネルギーとの関係について確認するための試験を行った。硬度の異なるパッキンを組み付けたスパークプラグをテストサンプルとして作製し、各テストサンプルに対しシャルピー試験を行って絶縁碍子の破断エネルギーを求めた。このときのスパークプラグの構成は、絶縁碍子の軸断面の面積を37mm、主体金具の加締め部の硬度を180Hv、主体金具の工具係合部の内径Eとパッキンの外径Gとの径差がゼロ、すなわち両者間に遊びが無くタルクが介在しない状態とした。
この試験の結果、硬度がそれぞれ、「100」,「120」,「140」,「160」,「180」,「200」,「220」,「240」,「260」(Hv)であるパッキンを組み付けた9つのテストサンプルにおける絶縁碍子の破断エネルギーはそれぞれ、「0.52」,「0.49」,「0.43」,「0.34」,「0.25」,「0.2」,「0.18」,「0.17」,「0.17」(J)となった。これを図5に示すようにグラフ化したところ、パッキンの硬さが加締め部の硬さと同じ180Hvである場合(図中▲で示す)よりもパッキンの硬度が低い方が絶縁碍子の破断エネルギーが高く、絶縁碍子が折損しにくくなることがわかった。すなわち、パッキンの硬度N<主体金具の特に加締め部の硬度Mであるとよいことがわかった。
[実施例2]
次に、主体金具の内周面の内径(図2における内径E)とパッキンの外径(図2における外径G)との径差(遊び)と、絶縁碍子の破断エネルギーとの関係について確認するための試験を行った。内径が一定で外径の異なる円環状のパッキン(すなわち環状部分の内径は同じで、断面積を異ならせたパッキン)を組み付けたスパークプラグをテストサンプルとして作製し、各テストサンプルに対しシャルピー試験を行って絶縁碍子の破断エネルギーを求めた。このときのスパークプラグの構成は、絶縁碍子の軸断面の面積を37mm、主体金具の加締め部の硬度を180Hv、パッキンの硬度を120Hvとした。
この試験の結果、主体金具の内周面の内径とパッキンの外径との径差をそれぞれ、「0」,「0.05」,「0.1」,「0.2」,「0.3」,「0.4」,「0.5」(mm)とした7つのテストサンプルにおける絶縁碍子の破断エネルギーはそれぞれ、「0.49」,「0.5」,「0.56」,「0.59」,「0.59」,「0.59」,「0.59」(J)となった。これを図6に示すようにグラフ化したところ、径差が0.1mm以上では絶縁碍子の破断エネルギーがほぼ一定となり、径差が0.1mm未満の場合と比べ破断エネルギーが高く、絶縁碍子が折損しにくくなることがわかった。すなわち、主体金具内周面とパッキンとの間の遊び(主体金具の内径E−パッキンの外径G)が0.1mm以上であれば、パッキンが若干位置をずらし絶縁碍子が外部から受けた衝撃を吸収することができるので、絶縁碍子が折損しにくくなることがわかった。
[実施例3]
次いで、絶縁碍子の胴部の軸断面の面積と、パッキンの有無によって異なる絶縁碍子の破断エネルギーの比率との関係について確認するための試験を行った。軸断面の面積が異なる4つの絶縁碍子を用い、それぞれについて、加締め部の最小径部が絶縁碍子の胴部に当接するテストサンプルと、絶縁碍子の胴部に加締め部が接触せず、パッキンが当接するテストサンプルを作製した。そして、各テストサンプルに対しシャルピー試験を行って絶縁碍子の破断エネルギーを求めた。このときのスパークプラグの構成は、主体金具の加締め部の硬度を180Hv、パッキンの硬度を140Hv、主体金具の工具係合部の内径Eとパッキンの外径Gとの径差がゼロ、すなわち両者間に遊びが無くタルクが介在しない状態とした。
この結果、軸断面の面積が「101」(mm)である絶縁碍子を組み付けた2種のテストサンプルにおいて、加締め部が絶縁碍子の胴部に当接するテストサンプルでは、絶縁碍子の破断エネルギーが「1.46」(J)であり、絶縁碍子の胴部に加締め部が接触せずパッキンが当接するテストサンプルでは、絶縁碍子の破断エネルギーが「1.31」(J)となった。そして、パッキンが当接する場合の破断エネルギーに対する加締め部が当接する場合の破断エネルギーの比率は「1.11」となった。同様に、軸断面の面積がそれぞれ、「75」,「60」,「37」(mm)である絶縁碍子を用いたテストサンプルにおいて、加締め部が絶縁碍子の胴部に当接するテストサンプルでは、絶縁碍子の破断エネルギーがそれぞれ、「0.95」,「0.7」,「0.43」(J)であり、絶縁碍子の胴部に加締め部が接触せずパッキンが当接するテストサンプルでは、絶縁碍子の破断エネルギーがそれぞれ、「0.85」,「0.49」,「0.25」(J)であった。そして、そのそれぞれにおおいて、パッキンが当接する場合の破断エネルギーに対する加締め部が当接する場合の破断エネルギーの比率は「1.12」,「1.43」,「1.72」となった。
前記破断エネルギーの比率が1に近いほど、パッキンの有無と絶縁碍子の折損との関係が小さいことを意味する。上記試験の結果を図7に示すようにグラフ化したところ、軸断面の面積が75mm以上の絶縁碍子ではパッキンを設けたことによる破断エネルギーの上昇がほとんど無いことがわかった。絶縁碍子の軸断面の面積がもともと大きいため絶縁碍子自体の強度が高く、加締め部が胴部に当接したとしても、それが絶縁碍子の破断エネルギーを低下させる原因とはならないことがわかる。つまり、軸断面の面積が60mm以下の絶縁碍子において、パッキンを設けることで耐折損性を向上させることができることがわかった。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、図8に示すスパークプラグ200のように、断面の形状を矩形としたパッキン206を用いてもよい。また、図示しないが、パッキンの断面の形状は楕円形状でも、多角形状でもよく、本実施の形態と同様に環状をなし、その外径、内径、硬さが本発明の条件を満たせばよい。また、パッキンは連続した完全な環状でなくともよい。
また、図9に示すスパークプラグ300のように、絶縁碍子310の鍔部319を後方に延長させて形成し、加締め部53と胴部318との間に外パッキン6のみを介在させた状態で加締めを行って、主体金具50と絶縁碍子310との間の密閉を行ってもよい。
本発明はスパークプラグや温度センサ、ガスセンサなどにおいて、絶縁碍子等のセラミックの基体と主体金具とを一体に固定する場合に適用することができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 スパークプラグ100の主体金具50のかしめ部53付近の要部拡大部分断面図である。 図2の2点鎖線A−A'における矢視方向からみたスパークプラグ100の断面図である。 図2の2点鎖線B−B'における矢視方向からみたスパークプラグ100の断面図である。 パッキンの硬さと、絶縁碍子が破断する破断エネルギーとの関係を示すグラフである。 主体金具の内周面の内径とパッキンの外径との径差と、絶縁碍子が破断する破断エネルギーとの関係を示すグラフである。 絶縁碍子の胴部の軸断面の面積と、パッキンの有無によって異なる絶縁碍子の破断エネルギーの比率との関係を示すグラフである。 パッキンの断面形状の変形例を示す図である。 加締めによる密閉を外パッキン6のみで行う場合の変形例を示す図である。
6 外パッキン
9 タルク
10 絶縁碍子
12 軸孔
17 外周面
18 胴部
20 中心電極
50 主体金具
51 工具係合部
53 加締め部
56 段部
58,59 内周面
100 スパークプラグ

Claims (3)

  1. 自身の先端側に火花放電のための電極を形成する軸状の中心電極と、
    前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、
    前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を自身の内周面に形成した段部に係止させた状態で、自身の基端側に加締め蓋を設けて前記絶縁碍子の胴部を保持する主体金具と、
    前記加締め蓋の内周面と前記絶縁碍子の前記胴部の外周面との間に介在する環状のパッキンと
    を備え、
    前記パッキンの外径をG(mm)、前記パッキンの内径をL(mm)、前記加締め蓋の最小径部の内径をd(mm)とするとき、
    (G+L)/2≧d>L
    を満たし、かつ、
    前記加締め蓋の硬度をM(Hv)、前記パッキンの硬度をN(Hv)とするとき、
    N<M
    を満たし、さらに、
    前記主体金具の内周面で、前記加締め蓋の内周面から先端側へ連続する部位の内径をE(mm)とするとき、
    E−G≧0.1(mm)
    を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記加締め蓋の最小径部において、前記絶縁碍子の軸線方向と直交する断面の面積をJとするとき、
    J≦60(mm
    を満たすことを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ。
  3. 前記加締め蓋の内周面およびこれと連続する前記主体金具の内周面と、前記絶縁碍子の前記胴部の外周面との間には、滑石が封入されることを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
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